ニュースダイジェスト

　新潟県では、県内港（新潟港・直江津港）の利用拡大のため、運航船社が県内港に寄港する外貿定期コンテナ航路などの新規開設または既存航路を拡充する場合に、その費用の一部を支援する「外貿定期コンテナ航路など拡充支援事業」、輸出入コンテナ貨物を集荷する物流業者などの取り組みに対して支援する「物流業者など集荷拡大支援事業」について、参加事業者を募集している。
　外貿定期コンテナ航路など拡充支援事業では、外貿定期コンテナ航路など（内航フィーダー航路を含む）の新規開設（補助率1/2）、既存航路を改編し、新たに他国の港に延伸し寄港する航路（補助率1/2）、新規航路開設または既存航路改編で、新潟港または直江津港をファーストポートとする航路（補助率1/2）、新規航路開設または既存航路改編で、新潟港または直江津港をラストポートとする航路（補助率7/10）、新規航路開設または既存航路改編で新潟港または直江津港に寄港するシャトル航路（補助率10/10）を運営する船社に対して、岸壁使用料と入港料の合計額に補助率を乗じた金額をそれぞれ補助するとともに、ガントリークレーン使用料の10分の1を補助する。また物流業者など集荷拡大支援事業では、県内港に外貿定期コンテナ航路を有する船社または外貿定期航路に接続する内航定期フィーダー航路を有する船社、県内港寄港船社が外国船社である場合、当該船社の日本総代理店、県内港寄港船社の県内港における船社代理店について、県内港利用の輸出入コンテナ貨物の集荷実績を、過去3カ年度の平均と比べて1,000TEU以上増加した場合、コンテナ増加量（TEU）」×「申請者が希望する助成単価（円）」を補助するもので、上限は増加量1,000TEU以上の場合は1提案当たり200万円、増加量5,000TEU以上の場合は1提案当たり1,000万円。

　パナマ政府の会計監査局はこのほど、2021年にCK Hutchison（香港）の子会社、Panama Ports Company（PPC）にパナマ運河両岸のコンテナ港のバルボア港、クリストバル港の運営権を25年間の延長を認める契約を締結した港湾当局の担当者らを提訴した。
　パナマ政府は、米国トランプ新政権の圧力に応じる形で1月から同契約の会計監査を実施し、PPCに税制優遇などの措置をとったことでパナマ政府に13億ドルの損害が発生したとし、2月にはパナマの司法長官が、同契約が不当なものだったとの判断を下しており、今後パナマの最高裁判所が契約の正当性を判断することになる。仮に21年の契約が不当なものだったと判断された場合、運営権が取り消される可能性がある。
　このため、MSC（スイス）傘下のターミナル会社Terminal Investment Ltd.（TiL）と米国大手投資ファンドのBlackRockのコンソーシアムが3月にPPCのターミナル権益をCK Hutchisonから買収することで合意していたが、今月上旬に中国国家市場監督管理総局（SAMR）が独占禁止法により同契約に対し捜査開始を発表しており、今回新たな障害が顕在化したことで、コンソーシアムによる買収手続の行方は不透明さが増しつつある。

　Container Trades Statistics（CTS、英国）がまとめた今年2月の世界コンテナ荷動き量は1,314万3,018TEUで、前月比13.6％の減少、前年同月比で0.7％減少となった。昨年2月の前月比は8.9％減だったことから、2月の急激な落ち込みが際立っている。前回、1月から2月にかけてこれほど大幅な落ち込みが見られたのは2022年の13.6％減以来。
　CTSでは例年、2月はアジアの旧正月があり、連休効果で世界全体の荷動き量が落ち込むが、今年は予想を上回り減少したのは驚きとしている。
　2月の輸入は、すべての地域で後退が見られ、中でも北米地域の落ち込みが大きく、前月比17.4%減の246万4,117TEUとなったが前年同月比では2.4％の微増だった。この急激な落ち込みは、極東からの輸出が予想通り減少したことが主な原因で、米国の輸入関税の影響によってさらに悪化し、貿易の鈍化は避けられないとみている。
　欧州も輸入の大幅な減少に直面し、前月比18.7％減の254万6,122TEUで、前年同月比でも4％減となった。北米と同様、この減少は、極東地域の工場が旧正月で閉鎖されたため、輸出が減少したことに起因する。しかし、昨年の2月は前月比4.5%にすぎず、旧正月連休の影響以外の要因が落ち込みを大きくしたことを示しているという。
　輸出は、極東地域が前月比22.7％減の739万841TEU、インド亜大陸・中東地域が同7.9％減の151万516TEUと、最も急激な落ち込みとなった。しかし、前年同月比では両地域とも2％の増加となり、過去4カ月間一貫して顕著な増加を示しており、前月比の大幅な減少にもかかわらず、前年同月比のデータは依然として好調を反映している。
　オーストララシア・オセアニア地域は、2前月比19.5%増の24万7,723TEUと最大の輸出増加を記録したが、この伸びは1万4,000TEUの増加にしかならず、前年同月比の輸出は6%増加しており、2022年以来着実な増加傾向が続いている。
　一方、2月の運賃指数（2008年＝100）は84と前月から10ポイント下落、前年同月比でも5ポイント下落したが安定しており、2024年末に向けた全体的な堅調さを示している。これらの傾向は、地域的な変動はあるものの、市場が適応し、回復力を維持していることを示している。
　3月は迫り来る米国の追加関税により、ここ数カ月で異例の高水準にあった北米の輸入が鈍化する可能性が高く、最近のアライアンスの再編成は、業界の力学と貿易の流れに影響を及ぼしており、これら2つの要因が引き続き貿易にどのような影響を与え、2025年第1四半期がどのような結末を迎えるか注目しているとしている。

　分析輸送見積もりをワンストップのオンラインサービスで提供しているFreightos（香港）が8日に発表した前週のFreightos Baltic Index（FBX）と呼ぶ世界の主要12航路におけるコンテナ運賃と各航路の荷動き量シェアを加重平均した総合指数は2032と前週比0.9%下落、前年同期比では25.5%下落した。
　アジア発北米西岸向け（FBX01 Weekly）は3%上昇し2,246ドル／FEU、アジア発北米東岸向け（FBX03 Weekly）は5%上昇し3,741ドル／FEU、アジア発北欧州向けは5%下落し2,385ドル／FEU、アジア発地中海向けも10%下落し2,910ドル／FEUだった。
　また、航空貨物運賃指数のFreightos Air Indexは、中国発北米向けが3%下落し5.48ドル／kg、中国発北欧向けは横ばいの3.79ドル／kg、北欧州発北米向けは7%下落し2.24ドル／kgとなった。
　Freightosの分析によると、海上貨物は、米政府による相互関税発表から発効までの時間は、荷主にとり新関税を回避するため9日までに最終貨物を積み込むための短い時間であった。この最後の駆け込み需要には、コンテナへの積み込みだけでなく、LCLや航空貨物への迅速なシフトも含まれ、突然の政策変更により、到着貨物の通関遅延も懸念されている。
　多くの荷主が新関税を先取りするため、ここ数カ月ですでに相当量の在庫を前出しで積船積みしており、混乱と不確定要素が多いため、相互関税交渉の結果を待つ間、当面は米国向けコンテナ需要が大幅に減少し、アジア域内の製造システムも大幅に減少する可能性がある。
　LA港は、前出し船積みのためか、関税に よる消費者需要の減少の可能性のためかは別として、ピークシーズンが例年より控えめであったとしても、下期の物量は10％減少するだろうが、崩壊することはないと考えている。他の観測筋は楽観的ではなく、不況とコンテナ市場の過剰輸送能力の増大が相まって、2008年の金融危機後のような需要減退と運賃暴落につながる可能性を危惧している。
　実際、主要航路の新造船引渡しにより船腹が増加し続け、紅海危機による喜望峰経由の迂回ルート利用で船腹が吸収され続けているにもかかわらず、アジア発の運賃は春節以来大幅に下落している。
　先週は月初の一括運賃値上げ（GRI）で、太平洋航路の運賃は1FEUあたり数百ドル上昇したが、予想される関税主導の需要減退は、運賃にさらなる下落圧力をかけるだけだろう。
　航空貨物については、追加関税の発表が4月9日以前の短期的な需要の爆発を意味する可能性が高く、自動車部品への関税が発効する5月3日に向け、さらに重要なこととして、米国がすべての中国製品に対するデミニミス（非税適用基準額）適用を廃止までの間に、若干貨物量が増加する可能性がある。
　デミニミス免除は、中国から米国へ空輸されるB2C電子商取引商品の急増の大きな原動力であり、その取消は中国～米国間の航空貨物需要と運賃の急落につながると予想される。Freightos Air Indexのデータによると、中国-米国間の運賃は先週約5.50ドル/kgとまだ高水準だが、5月の期限を前にまだ急騰していない。

　中国の交通運輸部がまとめた3月の中国輸出コンテナ輸送市場分析レポートによると、輸送需要がやや弱く、ほとんどの航路の運賃は引き続き下落し、上海航運交易所（SSE）が公表している長期契約運賃の指標である中国輸出コンテナ運賃指数（CCFI）の総合指数（（1998年1月1日＝1000）平均で1165.58と、前月同月比13.2％下落、上海出しスポット運賃（THC除く）スポット運賃を反映した上海輸出コンテナ指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）は平均で1351.32と20.1％下落した。
　欧州・地中海航路は、欧州連合（EU）の統計局、ユーロスタット（Eurostat）が発表した1月のユーロ圏の小売売上高は前月比で0.3％減少、市場予想の0.1％増を下回り、4カ月連続でマイナスまたはゼロとなった。輸送需要の伸びも弱く、需給バランスは良好でなかったが、スポット運賃は月末にかけやや反発した。CCFIは欧州航路が1583.20、地中海航路が2036.17で前月比でそれぞれ13.6％と14.0％下落した。SCFIも欧州航路が1,387ドル／TEU、地中海航路が2,271ドル／TEUで、前月比0.3％下落し、前月同期比それぞれ17.0％、17.9％下落だった。
　北米航路は、米労働統計局が発表した2月の米非農業部門雇用者数が15.1万人増と市場予想を下回り、失業率は4.1％と昨年11月以来の高水準となり、雇用市場の減速が続いている。 需給は一段の下支えを欠き、スポット運賃も大幅下落が続き、CCFIは北米西岸航路が888.01、北米東岸航路が1016.33、前月比でそれぞれ18.4％、16.9％下落となった。
　中東ガルフ・紅海航路は月前半はスポット運賃が比較的弱含みで推移したが、後半から安定化し反発し始めた。伝統的なラマダン （断食月）が終わりに近づき、輸送需要が徐々に回復し、月の後半にスポット運賃が反騰、CCFIは1097.59と前月比10.2%上昇した。
　また、豪州・NZ航路は月の前半、さまざまな材料に対する現地需要が低調で推移し、スポット運賃が下落を続けたが、後半から、輸送需要が着実に回復し始め、需給が改善、スポット運賃も徐々に回復し、CCFIは848.03で、前月比16.8％下落した。
　日本航路は輸送需要が安定、スポット運賃も小幅下落にとどまり、CCFIは971.88で前月比1.7％の下落だった。

　Drewry Maritime Research（英国）の調べによると、太平洋航路、大西洋航路、アジア／北欧州・中近東航路の3月と4月の欠航便数は合計198便に上り、前年同期の135便を大きく上回った。
　欠便の増加は、アジア／北米西岸航路（グラフ参照）と大西洋横断航路で特に多く、北米西岸航路は例年2月が旧正月のため欠航が多いものの、翌月以降は減少するが、今年は3月、4月も月間40便以上の欠航が続いた。
　Drewryでは、米国の輸入業者が、北米到着後に通関される貨物に米国の新関税がどのような影響を及ぼすか分からないまま、アジアから米国へ出荷することを躊躇している。従って、1月から2月にかけての「前倒し船積み」を含む好調な荷動きの後、船社は輸送量の減少や輸入増加率の鈍化を予想し、欠便になった可能性があると指摘する。
　また、欠航が増加したもう一つの要因は、船社の戦術かもしれないという。現在、船社と荷主は5月1日からの新サービスコントラクト（SC1）を巡り交渉中だが、一部船社は、船腹がひっ迫していると思われる市場でSCレートの引き上げを正当化するために出港を取りやめた可能性があるとしている。
　一方、大西洋航路でさえ、今年3月と4月は、前年同期の約2倍の出航がキャンセルされ、この航路では、現在、SC交渉が行われている割合はかなり少なく、欠航が倍増した原因は米国の関税政策の不確実性と、予想される荷動きの減少とみている。

　韓国LNGバンカリング産業協会のまとめによると、3月末現在、世界の総船隊1万218隻（運航＋発注）が環境規制に対応、過去1年間で23.9%増加した。SOxスクラバー（排ガス洗浄装置）を搭載した船舶が6,578隻と最多で、1年間で22.2%（1,193隻）増加、代替燃料船は3,640隻で1年間で27.3%増えた。
　船種別ではLNG燃料船はコンテナ船が38%、メタノール燃料船はコンテナ船が57%、LPG・エタン燃料船はLPG運搬船が72.5%、バッテリー駆動船はフェリーが30％、とそれぞれ最多となった。
　3月末ベースで、世界のLNG船隊（LNG運搬船を除く）は2024年の647隻から2033年に1,334隻（運航690隻＋発注644隻）の106%増加を予想している。メタノール燃料船は2024年の46隻から2030年には403隻（運航55隻＋発注348隻）と776%増加を予想、これによりLNG燃料船に対するメタノール燃料船の割合は2024年の7%から30%に拡大する見通し。
　LNGバンカリング船は3月末現在で64隻が運航、25隻が発注済みで、運航船は2024年の63隻から20228年には90隻以上へ40%増加を見込んでいる。また、メタノールバンカリング船は3月末現在で10隻が運航、5隻が発注済みとなっている。
　世界のバンカリング用LNG消費量は2024年の580万トンから2025年は810万トン、2030年には1,600万トンへ増加を予想、3月末現在、LNG燃料価格（ロッテルダムベース）は807ドルで、1年前位から31.6%上昇、前月比で0.2%上昇した。

　Maersk（デンマーク）とモロッコ国営の肥料製造などを手がけるOCPグループはこのほど、OCPが設置した持続可能性への取り組みを進める戦略ビジネスユニットのSpecialty Products & Solutions (SPS)を通じて、 サプライチェーンの強靭性、回復力強化、サプライチェーンの持続可能性のあるソリューションの実現に向けて協力関係を強化する覚書（MoU）を締結した。
　両社は今後、OCPの国際的な成長の為に配送、デジタル化、持続可能な物流サービスを提供する。具体的にはOCP向けに海上輸送サービスの強化と新仕向け地への輸送、モロッコ国内での柔軟な貨物保管容量の確保と配送ネットワークの確立、世界中への輸送体制の強化に取り組む。
　またモロッコ国内での教育活動、学術振興、調査研究の支援、物流の持続性確保と脱炭素化実現に向けた次世代燃料ソリューションの研究開発などにも共同で取り組むとしている。
　OCPは肥料生産と土地改良を通じて世界の人口問題と食糧危機解決への取り組みを進めており、世界350以上の顧客をもっている。同社はこのほど肥料の増産と再生可能エネルギーへの投資を表明し、2023～27年に約130億ドルを投入し、グリーン肥料の生産量増加と2040年までのカーボンニュートラルな肥料生産を目指している。

　CMA CGMグループ（仏）は8日、全従業員向けにグループの目標として、より良い世界の実現に向け貢献する方針などを発表した。
　グループは現在、Rodolphe Saade会長のもと、正しい価値と遺産を継承しつつ重要な変革を遂げつつあるとし、その変革はグループの従業員16万人の結束をグループの使命を共有するためにあると述べた。
　グループ目標は、日々の企業活動と社会的責任を反映したもので、従業員、顧客、協力企業、市民社会、環境活動家と密接に連携して取り組むこと、また世界177カ国で展開するグループ子会社とその関連会社との連携拡大を目標とし、海事、物流、メディアの事業分野で独自性を発揮し主導的地位の確保を目指すとしている。

　Ocean Network Express（ONE）、Yang Ming（台湾）、HMM（韓国）で構成するPremier Allianceは6月中旬から、南アジア／欧州航路のIOX/INXで、英国・サザンプトン港に追加寄港する。
　新IOX/INXは、6,300～7,200TEU型11隻を投入し、6月19日からカラチ～ハジラ～ムンドラ～ナバシェバ～コロンボ～サザンプトン～ロッテルダム～ハンブルク～アントワープ～カラチの新ローテーションで定曜日ウィークリーサービスを開始する。
　これによりPremier Allianceは東西航路の全サービスで英国寄港をサザンプトンに集約している。
　一方、Premier Allianceの前身THE Allianceから離脱したHapag-Lloyd（独）がMaersk（デンマーク）と構成するGemini Cooperationはロンドンゲートウェイに寄港を集約している。

　Ocean Network Express（ONE）はこのほど、同社がYang Ming（台湾）、HMM（韓国）で構成するPremier Allianceとしてアジア／北米西岸航路でサービス中のPN4を5月から休止すると発表した。詳細はONEの各現地オフィスに問いあわせるよう呼びかけている。
　PN4には7隻を投入し、青島～寧波～上海～釜山～プリンスルパート～タコマ～バンクーバー～釜山～光陽～青島のローテーションでサービスしている。

　インドのAdaniグループの港湾物流部門、Adani Ports and Special Economic Zone Ltd. (APSEZ) はこのほど、スリランカ・コロンボ港の新コンテナターミナル、Colombo West International Terminal (CWIT)の稼働を開始したと発表した。
　CWITは、官民パートナーシップにより、APSEZ、スリランカのコングロマリット、John Keells Holdings、スリランカ後湾局が共同の開発運営契約を締結して着手し8億ドルを投入し開発、総岸壁延長1,400m、岸壁水深20m、年間コンテナ処理能力320万TEUを誇る。またコロンボ港で初の完全自動化を実現した、貨物取扱能力の増加に対応した港湾で、船舶の入港時間の短縮を図っており、インド亜大陸地域の主要ハブ港としての役割に期待が集まっている。

　ジョージア州港湾局が管理するブランズウィック港では、3月の完成車、重機などのRo/Ro貨物取り扱い台数が前年同期比18％増の9万1,360台となり、全米首位の自動車取り扱い港になった。
　ブランズウィック港のRo/RoターミナルとなるColonel’s Island Terminalには先月、Ro/Ro船が前年同月比13隻多い65隻寄港した。
　同ターミナルでは今年5月に第1期工事が完了予定となる鉄道積み替え施設の建設工事が進行中で、これにより週の鉄道による完成車搬出入は現在の5便から10便に倍増できる見込みで、これにより年間の鉄道による完成車取扱台数は現在の15万台から34万台に増加するという。また第2期工事が完了すれば59万台にまでの増強を見込んでいる。

　スウェーデンのCargotech Group傘下の荷役機器メーカー、Kalmarは7日、中国の上海工場で電動空コンテナハンドラーと大型フォークリフトの生産を開始した。生産開始を記念して、4月10日に上海で顧客とディーラーの代表を招き、「Lift to New Heights（新たな高みへ）」をテーマにイベントを開催する。
　2005年に開設したKalmarの上海工場は、今年で20周年を迎え、リーチスタッカー、フォークリフト、空コンハンドラー、ターミナルトラクターなど、幅広い高品質の荷役ハンドリング機器を製造、アジア太平洋、南米、インド、中東、アフリカ地域の顧客にサービスを提供している。
　最大10トンの貨物を持ち上げることができる Kalmarの電動空コンハンドラーは、生産性や安全性を損なうことなく、貨物処理業務の脱炭素化を促進、さまざまなモジュール式リチウムイオン バッテリーオプションと充電ソリューションが用意されており、顧客の業務に柔軟性と効率性をもたらす。

　DHLグループ（ドイツ）はこのほど新たにDHLヘルスロジスティクス・ブランドを立ち上げ、向こう5年間でライフサイエンスおよびヘルスケア部門に20億ユーロ（約3,200億円）を投資すると発表した。臨床試験や遺伝子・細胞治療に不可欠な医薬品や医療機器の効率的で信頼のおけるロジスティクスを提供するため、保管、受発注処理、配送から国際輸送および最終引き渡しまでのすべてのロジスティクス分野を通じて高水準のインフラと技術を構築する。
　投資は、さまざまな環境を必要とする貨物ごとの適正流通医療機器物流管理基準（GDP）を満たした医療品ハブや既存の施設でのコールドチェーンの容量の拡大、新型の温度管理車両の配置、内容物の品質維持・安全性を向上させる包装システムの開発などを中心に割り当てられる。
　さらに製品の一貫性を維持するため、発地から最終目的地までの可視性と規制順守を確実なものとするためのITシステムも提供していく。
　ヘルスロジスティクスへの投資のうち50％が米州へ、25％ずつがアジア太平洋と欧州・中東・アフリカ（EMEA）にそれぞれ配分される。

　全日本空輸（ANA）が発表した2月の貨物輸送実績は、国際貨物が前年同月比3.7％増の4万4,845トンと前月のマイナスからプラスに転じた。同郵便は10.7％減の827トンで21カ月連続のマイナスとなった。
　国内貨物は11.5％の2ケタ増で1万9,739トンと4カ月連続のプラス、同郵便が9.5％減の1,445トンで6カ月連続のマイナスだった。

　Resilire（東京都港区）は、同社が開発・提供するサプライチェーンリスク管理クラウドサービス「Resilire」について、大塚ホールディングス、その事業会社である大塚製薬、大塚製薬工場、大鵬薬品工業、大塚食品、大塚化学が導入した。
　大塚ホールディングスと事業会社5社は、サプライチェーン情報管理のプラットフォームとしてResilireを導入、平時では高リスク品目を把握して未然に潜在リスクを軽減し、また、有事においてはサプライヤーとの状況共有を迅速化、効率的な初動対応を実現、これにより安定供給の体制をさらに強化する。

　日本GLPは、神奈川県川崎市で、延べ床面積約20万5,000m2、収容能力約18.6万トンの国内最大級の冷凍・冷蔵マルチテナント型物流施設「GLP川崎II」を着工した。
　同施設は、冷凍・冷蔵区画に加えて常温区画も備える冷凍・冷蔵マルチテナント型物流施設で、2027年8月末の竣工を予定している。同施設の一部には、SGホールディングスグループにおいて低温物流事業を担うヒューテックノオリン（東京都新宿区）と食肉事業のリーディングカンパニーである小川畜産食品（東京都品川区）の2社が入居予定で、着工前に施設全体の約25％の賃貸契約を締結している。
　同物件は、冷凍・冷蔵物流施設が集積する川崎エリアに所在し、主要高速道路や最寄り駅、幹線道路へのアクセスに優れた立地。首都高速神奈川1号横羽線・浜川崎ICから約1.5km、大師ICから約4.6kmの距離に位置し、関東全域をカバーするほか、羽田空港から約8.5km、川崎港コンテナターミナルから約9.2kmと、海上・空輸を利用した輸配送拠点としても活用可能だ。
　最小区画は約2,600m2から賃貸が可能。 地上5階建てで各階にアクセスが可能なダブルランプウェイを備え、庫内には中央車路を設置することで効率的な物流オペレーションを実現する。総貸床面積の約80％を冷凍・冷蔵区画（一部-25～10℃で設定が可能な可変温度帯区画あり）とし、3温度帯に対応するために常温区画も設置することでカスタマーのあらゆる温度帯のニーズに合わせた倉庫の使い方が可能だ。

　日本GLPは、福岡県糟屋郡粕屋町で総延べ床面積15万m2を超える複数棟の物流施設から構成する「GLP福岡ICプロジェクト」を始動した。
　同プロジェクトは、福岡高速4号粕屋線と九州自動車道の結節点である福岡ICから約800mの至近距離に位置する粕屋町大隈西土地区画整理事業地に先進的物流施設を複数棟建設するもので、2025年11月から順次着工し、2028年内に全棟の竣工を予定している。九州全域への広域配送に最適な立地で、国道201号へのアクセスも容易で、九州最大の消費地である福岡都市圏に約20分で到達可能なため、都心部配送にも対応できる。周辺には多数の物流施設が集積、周辺施設との連携を通じて、物流効率の向上やシナジー効果の創出も期待できる。1棟は大型BTS型物流施設として着工前からすでに賃貸借契約を締結済みで、残りの棟も3PL・卸・EC・冷凍冷蔵などの業種を中心に引き合いがある。

　三菱地所は、大阪市住之江区で4階建て延べ床面積約4万3,400m2の物流施設「ロジクロス大阪住之江」の開発を進めてきたが、3月31日に竣工したと発表した。
　同物件は同社として初のマルチテナント型の賃貸型冷凍冷蔵物流施設で、初期投資の低減や柔軟・迅速な拠点整備をサポートする。またフロンガス規制で老朽化した冷凍冷蔵倉庫の建て替えや冷媒設備の転換が必要な状況で、自然由来の冷媒を導入するなど環境に配慮した施設づくりにより、テナント企業のランニングコスト低減にも寄与する。
　同施設は竣工時点で募集3区画のうち1区画が契約済みで、残る2区画も複数の引き合いがあるという。同社は、大阪エリアで冷凍冷蔵物流施設の「ロジクロス大阪大正」と「ロジクロス大阪大正II」の開発を進めている。

　日本製鉄と自動運転システムの開発・運用を手がけるティアフォー（東京都品川区）は、大型特殊車両・キャリアを自動運転化する共同開発プロジェクトを推進しており、2025年度から日本製鉄名古屋製鉄所構内の鋼材搬送で自動運転の導入を目指している。
　製鉄所構内では、鋼材はパレットと呼ばれる台車に積載、これを大型特殊車両のキャリアで搬送している。パレットには、鋼材を多数積載することが可能で、各生産工程間の効率的な物流を実現している。日本製鉄では、搬送効率だけでなく安全性の大幅向上に向け、キャリアのような大型特殊車両の自動化に取り組んでいる。
　ティアフォーでは、自動運転システムの開発と運用を効率化するため、使用者の用途に合わせた複数のリファレンスデザインを提供している。今回の共同開発では、工場・私有地物流配送向けのリファレンスデザインを活用し、自動運転システムを開発している。同取り組みを通し、人手不足解消や安全性の向上という社会課題への貢献を目指している。

　ヒューマノイドロボットに特化した産業プラットフォームを構築するINSOL-HIGH（東京都千代田区）は、山善（大阪市西区）と業務提携契約を締結、日本初となる「ヒューマノイドロボットの社会実装」に向けた共同プロジェクトを推進し、物流・製造業の自動化と生産性向上を加速する。
　提携では、INSOL-HIGHのヒューマノイドロボットに対応したWES（倉庫運用管理システム）や物流ノウハウと、山善の生産現場における自動化ノウハウや販売ネットワークを掛け合わせ、多様な業界・現場に適応可能なヒューマノイドロボットの社会実装を目指す。主に「移動」「物の把持」「柔軟な作業」が可能なヒューマノイドロボットを、実際の倉庫・工場で運用するとともに、INSOL-HIGHのWESと連携し、リアルタイムでタスクを最適化しながら、ピッキング・搬送・組立・検査業務を支援、AIを活用し、ロボットが現場で学習しながら作業効率を向上するヒューマノイドロボットの物流・製造業向け最適化を進める。加えて、山善の倉庫でヒューマノイドロボットを実証実験、WMS・ロボット・IoTデバイスと連携し、人とロボットが協調する次世代オペレーションを構築、日本初の「WES×ヒューマノイドロボット」による自動化モデルを確立する。2026年以降、全国の物流・製造現場へ展開、ヒューマノイドロボットによる生産性向上と最適化を目指す方針だ。

　グローバルサプライチェーンの全データを一括管理するデータマネジメントシステム「ZENPORT」を提供するZenportは、新機能として、カスタマイズ可能な表画面「ZenGrid」へのアクションボタン機能をリリース、操作ステップの大幅な削減、シップメントやオーダー管理に要する時間の短縮、ユーザーの操作負担の軽減を実現した。
　同機能は、利用者からのフィードバックをもとに開発を進め、すでに全ユーザーに提供開始済みで、将来的にAIエージェント機能の活用の土台となる。輸入者、輸出者に加え多数の物流会社など多くの関係者が集合してつくるグローバルサプライチェーンで、組織や国境を越えて一番よく使われているデータ連携方法は、実はエクセルシート。輸入者が注文情報、輸出者が出荷情報、物流会社が輸送情報を作成するが、網の目（メッシュ）状につながる関係者間でEDIを整備しているケースは少なく、これらの異なる情報をつないでるのは手作業とエクセルシートだ。
　ZENPORTは現在のエクセルシートを代替したいとの、多くの利用者から要望を受け、今回、エクセルシートを超える使いやすさを追求する「Beyond Excel」プロジェクトの一環として、ユーザーインターフェースの直感性と操作性を大幅に向上した。新機能「アクションボタン機能」は、ZENPORTのカスタマイズ可能な表画面「ZenGrid」画面上で直接動作し、マップ画面に切り替えることなく主要な操作を実行することが可能になる。「ZenGrid」は、Excel以上の使いやすさと機能性を備えた一覧シート画面で、Excel操作の直感性を保ちながらも、グローバルサプライチェーン管理に必要な高度な機能を提供している。

　欧州委員会は8日、デンマークの大手フォワーダーDSVから申請されていた同社によるドイツ最大のフォワーダーDB Schenkerの買収を承認した。同委員会は、この取引が欧州経済領域の陸上・航空・海上フレイトフォワーディングおよびコントラクトロジスティクスに及ぼす影響について一部の国内マーケットで調査した結果、それぞれのマーケットは分断しており、国ごとに別の業者が存在し、それらの業者に切り替えることが可能なため、競争阻害の懸念を引き起こすことにはならないとの判断を下した。この合併申請に対する欧州委員会の審査期限が4月8日に設定されていたが、その最終日に最終判断が公表された。
　DSVとDB Schenkerの親会社、ドイツ鉄道は24年９月にDSVが143億ユーロで買収する契約に署名していた。
　両社の合併は欧州委員会の承認が得られたことで35カ国・地域の司法当局による審査を終え、残るは米国司法省（DOJ）の認可のみとなった。DOJの判断も近く発表されると観測されているが、DSVでは4月中に認可されれば第2四半期中に合併を終えることにしている。
　24年のDSVの売上高は1,671億デンマーククローネ、DB Schenkerは192億ユーロで、ユーロ換算で合計すると約415.7億ユーロ（約6兆6,500億円）の売上高となり、海上貨物450万TEU、航空貨物250万トンを取り扱う世界一のフォワーダーが実現する。

　米国のトランプ大統領は9日（現地時間）、苦境にある米国の造船業界を活性化させ、海事労働力を強化し、世界的な海運プレゼンスを拡大することを目的とした包括的措置の大統領令に署名した。“Restoring America’s Maritime Dominance,”（米国の海上支配力の回復）と題した大統領令は、現在米国が商船の1％未満しか建造しておらず、中国が約半分を占めている国家安全保障上の重大な懸念に対処するもので、国家安全保障問題担当大統領補佐官が、国務省、国防総省、商務省、労働省、運輸省、国土安全保障省を含む複数の閣僚と調整し、包括的な戦略を策定、210日以内に海事行動計画（Maritime Action Plan：MAP）の提出を求めている。
　具体的な期限を定めたいくつかの重要なイニシアチブを定めており、運輸省は30日以内に、米国商船大学の緊急メンテナンスに対応し、必要な施設スタッフの雇用を開始すると同時に、国防総省、運輸省、国土安全保障省は45日間の期限で、政府船舶の建造における競争の激化とコスト超過の削減に焦点を当てた包括的な造船業の見直しを求めている。
　また、90日間期限には、貿易政策に関する国際的な同盟国との関与、トランプ1.0時代のモデルとした海事繁栄地域の開発、海事産業のニーズに関する詳細な報告書など、複数の成果物の提出、国防総省にはこの期間中に北極水路安全保障戦略の策定を求めている。
　大統領令の主要な焦点は、中国の海洋支配への対応で、米通商代表部（USTR）に対し、中国製部品や中国の影響を受けた企業によって製造されたガントリークレーンなど荷役機器に対する関税の導入を検討するよう指示している。
　さらに、国内の建造能力を強化するため、関税、手数料、または税収を裏付けとして、MAPに一貫性のある長期的な資金を提供するため、海上安全保障信託基金と造船金融インセンティブ・プログラムの設立、既存の港湾維持費における航路の抜け穴に対処し、カナダまたはメキシコの国境を経由して入境する外国貨物に10％のサービス料を課すことで、米国の港湾料金の迂回を防止する。
　米国の商船隊を拡大するため、運輸長官は180日以内に、国際貿易における米国籍船の数を増やし、軍事的に有用な商業船に対する補助金を強化するための提案を要求している。
　この包括的な措置は、米政府による海事活性化の取り組みとしては、間違いなく近年で最も野心的なもので、米国の海事政策の大きな転換を示すものとして注目されている。

　医療用医薬品などの卸売事業を展開するメディパルホールディングスは、同社連結子会社のメディセオ（東京都中央区）が、グループの物流センター間の医薬品の幹線輸送で、首都圏～北海道方面への輸送に「31フィート鉄道コンテナ」を活用したモーダルシフトを開始したと発表した。
　メディセオでは2021年から、日本石油輸送、日本貨物鉄道（JR貨物）、日本フレートライナーと連携した4社共同プロジェクトで、従来の大型トラック輸送から環境負荷の少ない鉄道コンテナを活用した輸送に取り組んできた。今回導入する31フィート鉄道コンテナは、従来のコンテナと比較して医薬品を大量に輸送することでき、長距離トラックのドライバー不足に対応するとともに、物流コストの削減にも寄与する。同時に環境負荷低減にも貢献する点から、メディパルグループの持続可能な物流に関する取り組みをさらに強化する重要な施策となる。
　温室効果ガス排出量の削減については、首都圏～東北間と首都圏～関西間の基幹物流で、従来の輸送と比べ約75％、年間換算で約246t-CO2の削減を実現、今回の首都圏～北海道間の医薬品輸送のモーダルシフト開始で、さらなる削減を見込んでいる。同取り組みは、流通業務の効率化を図る事業として国土交通省の「物流総合効率化法」に基づく総合効率化計画に認定、「モーダルシフト加速化緊急対策事業」にも選ばれている。また首都圏～北海道方面の新ルートでは、二つの新しいデザインのコンテナが走行する（写真）。

　国際タンクコンテナ機構（ITCO）がまとめた、今年1月1日現在のタンクコンテナは全世界合計で前年比4%増の88万2,000基と、過去最多記録を更新したが、増加率はITCOが調査を開始して以来、2002年の3.5%、2006年の3.7%に次いで史上3番目の低水準となり、90万基突破も26年に持ち越しとなる見通し。
　世界のタンクコンテナは2013年に30万基を突破して以来、目覚ましい成長を見せ、2015年40万基、2017年50万基、2019年60万基となったあと、60万基から70万基に移行するのに3年かかったが、コロナ禍による輸送需要の爆発的な増加でわずか1年で80万基を達成、26年には大台の90万基を超えると予想している。
　ITCOによると、タンクコンテナは、化学製品輸送市場で少量の貨物を安全に輸送する機器として大きな役割を果たしているとしながらも、コロナ禍による物流混乱が解消され、欧州の化学産業の低迷と中国などの供給過剰などが影響を及ぼし、成長率が鈍化、遊休機器の数も依然として高い水準を示している。リース会社が保有するタンクコンテナのうち、リースされていない機器は5万7,200基で、前年より10%減少、物流企業や荷主などが市場で実際に活用するタンクコンテナは6%増の83万3,200基で、昨年の2%増から増加幅が拡大した。
　新造タンクコンテナは大幅に減少し、2024年の1年間に新造されたタンクコンテナは26%減の4万2,100基となり、2020年の3万5,800基に続き、2020年代に入って2番目に低い水準を記録した。新造実績は2022年に6万7,800基とピークを迎えた後、2023年に5万6,600基と17%減り、24年も再び大幅な減少傾向を示した。
　一方、24年に廃棄されたタンクコンテナは8,500基で、2023年の1万基に次いで史上2番目に多かった。廃棄数は2013年から2022年まで年平均4,000基を下回ったが、2023年以降に急増した。
　ITCOでは最近の市場の特徴は、耐久年限を過ぎた機器の廃棄が増加していることで、老朽化した機器を改造して再使用する方法が、もはや魅力的な経済的提案にならないことを意味すると分析している。
　24年のオペレーターの保有量は5%増の61万9,700基と、初めて60万基を超えた。ただ、市場低迷の影響で、設備投資に消極的な姿勢を見せ、調査した63社のうち、過去1年間に設備を増やした企業は15社に過ぎなかった。
　こうした中、中国企業は大幅な投資に乗り出し、DJD International Logisticsは42%（3,000基）、HengChengは40%（2,000基）増と、順位をそれぞれ20位から15位、27位から21位に引き上げた。
　トップ10のオペレーターは2023年以降、3年間変化がなく、これらの企業が保有する機器数は30万1,700基で、史上初めて30万基を超えたが、シェアは前年の51%から49%に若干縮小した。
　1位のStolt Tank Containers（蘭、5万2,200基）と4位のBertschi Group（スイス、3万5,600基）、6位のDen Hartogh（蘭、2万5,200基）、8位のE-Way Group（マレーシア、2万2,000基）など4社は保有数を増やし、3位のNewport（米国、3万8,500基）、5位のChina Railway Logistics（中国、2万7,500基）、7位のBulhaul（英国、2万3,500基）、9位のIntermodal Tank Tranport（米国、2万基）は前年水準を維持した。
　一方、2位のHoyer Group（独、4万1,500基）は0.2%減、10位のNRS Ocean Logistics（日本、1万5,000基）は10%減だった。
　リース会社が保有しているタンクコンテナは38万1,700基で、前年の37万6,200基から1%増加した。Eurotainer（仏）が8万5,000基（子会社のRaffles Leaseの3万5,000基を含む）で1位、EXSIF Worldwide（米国）が7万1,300基で2位、Seaco Global（米国）が4万3,000基で3位の順で、3リース会社の市場シェアは、前年の57%から52%に低下、4位のCS Leasing（米国）が4%増の3万5,250基となるなど、競合他社が資産拡大に乗り出したのに対し、トップ3では150基（0.2%）増やしたEXSIFを除き、新規投資を行わなかった。

　アジア海賊対策地域協力協定（ReCAAP）がまとめた、今年第1四半期（1～3月）にアジア域内で発生した海賊行為は前年比53％増の43件と大幅に増加した。特にマラッカ・シンガポール海峡（SOMS）はもっとも多発する海域で36件を占め、インドネシアが3件、インドと華南がそれぞれ2件だった。
　また今月1～7日でもシンガポール海峡で、いずれも分離通航帯（TSS）を航行中だった船舶4隻が襲撃を受けており、SOMSでは今年に入り合計39件発生している。
　ReCAAPの専門家は、SOMS航行中の警戒の強化と沿岸国へパトロールの強化を求めるとともに、特にSOMSやフィリピン海峡では船が速力を落とした時に狙われる可能性が高くなるため、警戒するよう呼びかけている。

　OOCL（香港）の親会社OOILが9日に発表した2025年第1四半期（1～3月）の営業実績は、売上高が前年同期比16.8％増の23億1,370万ドルと2ケタの増収となり、期中の積み高は9.3％増の196万3,429TEU、投入船腹量は8.5％増加し、運賃は0.6％上昇、TEUあたりの平均売上高は6.9％増加した。
　航路別では、太平洋航路の売上高が21.9％増・8億9,527万4,000ドル・積み高は23.8％増の55万6,275TEU、アジア／欧州航路は2.3％増の5億482万2,000ドル・4.1％減の34万4,257TEU、大西洋航路は10.4％増の1億7,030万ドル・8.1％増の13万5,694TEU、アジア域内・豪州航路は24.2％増の7億4,331万1,000ドル・7.4％増92万7,203TEUといずれの航路でも増収になった。

　CK Hutchison（香港）は9日、パナマ会計監査局が8日に、2021年にCK Hutchisonがバルボア港、クリストバル港の開発運営権を25年延長した契約が不当だと訴えたことに対し、同社は2港に17億ドルを投資しており、特権的な税金の減免措置は受けておらず、投資額は1997年に締結された最初の開発運営権契約で定められた5,000万ドル、2005年の補足契約で定められた10億ドルを上回る投資を実施し、現在の契約も正当なものだと主張した。
　CK Hutchisonが子会社Panama Ports Company（PPC）を通じて2021年に締結したバルボア港、クリストバル港の開発運営権契約に関し、パナマ会計監査局は今年1月、不当な契約によりパナマ政府は13億ドルの損失を被ったとして提訴し、現在、最高裁判所の判断を待つ状況となっている。

　ウクライナの海事IT企業、Informall BGがまとめた黒海沿岸のブルガリア、ルーマニア、ウクライナ諸港における2024年のコンテナ取扱量は空、積み替えコンテナを含めた合計で131万3,392TEUとなった。このうち実入りコンテナが全体の77%を占め、前年比12％増の101万5,563TEUで、輸入が54％、輸出が46％の割合だった。
　2025年のロシアなどを含めた黒海地域全体のコンテナ取扱量は、8～10%増加し、320万TEUを超えると予想、その成長の主な原動力は、ウクライナの港への直接寄港のさらなる回復と拡大にあるとしている。
　24年の実入りコンテナの取扱量を国別にみると、ルーマニアが前年比9.49%増の69万5,771TEU、ブルガリアが4.51%増の23万80TEU、ウクライナが77.86%増の8万6,712TEUだった。
　輸入は前年比で21%増加、最も輸入量が増加したのはウクライナの154％増で、次いでルーマニアが22％増、ブルガリアが4％増、輸出は3％増加し、ウクライナとブルガリアがそれぞれ47％と5％増加、ルーマニアは3％減だった。
　コンテナ取扱量のシェアはルーマニア67%、ブルガリア23%、ウクライナ10%の順で、トップ3のコンテナターミナルは、DPW（ルーマニアのコンスタンツァ）、VARNA（ブルガリア）、BURGAS（ブルガリア）だった。
　同社では、ウクライナのコンテナ取扱量が大幅に回復したことは、黒海地域内における海上貿易の広範な回復の重要な要因となった。特筆すべきは、ウクライナの増加率が近隣諸国を大きく上回ったことで、この地域の回復をけん引する上でウクライナが極めて重要な役割を果たしたことを示している。この好調な実績は、黒海における貿易ハブとしてのウクライナの戦略的重要性を強調するもので、地域全体の貿易ネットワークの利益のために、ウクライナの海上インフラを支援することの重要性を浮き彫りにしていると分析している。
　また、黒海地域でのコンテナ取扱量を船社別にみると、Maersk（デンマーク）が28.72%、MSC（スイス）が21.84%、CMA CGM（仏）が12.75%で続き、3社で全体の63.41%を占めた。
　黒海地域の他の国々は、ノヴォロシースク港（ロシア）のコンテナ取扱量が8％増の77万3,000TEUとなり、その約40％が黒海でMSCとトルコ船社、残りの60％がロシア船社によって輸送、ジョージアのコンテナ取扱量は63万6,000TEUに達した。

　米国小売業協会（NRF）と調査会社、Hacket Associatesが主要コンテナ港のデータを基に小売業向け荷動きを6カ月先まで予測するGlobal Port Trackerの最新レポートによると、トランプ政権による予測困難な関税政策により、市場環境は不確実性が増し、5月以降に輸入量の減少が顕在化すると予測した。
　米国政府による輸入貨物全体を対象とした相互関税の発動により、小売業者が過去数カ月間前倒し輸入による在庫確保を図る動きも終わりを迎えることになる。関税は米国の輸入者に対する新たな課税を意味し、最終的にその負担は消費者が負うことになるとし、それらは米国のビジネスと家庭に不安と不確実性をもたらし、小売業者は在庫の積み増しを停止し、当面は次に何が起こるか見極める時期になるという。
　関税措置により今年2Q（4～6月）の輸入量は20％減少すると予測、今後状況が変わらなければ年間では15％減となる見ている。
　2月の米国向け小売コンテナ輸入実績（NY/NJ港は含まず）は前月比7.5％減、前年同月比5.2％増の206万TEUと過去3年間の3月としては最高の荷動き量となった。
　6カ月予想は、3月は11.1％増の214万TEU、4月も3.1％増の208万TEUで、これらは関税引き上げ前に出荷された貨物が含まれプラスを維持すると見ているが、5月は20カ月ぶりのマイナスとなる20.5％減の166万TEU、6月は2023年2月以来過去最低となる26.6％減の157万TEU、7月も27.0％減の169万TEU、8月も26.8％減の170万TEUと大幅な下落が続くと予測した。
　最近の関税措置発表以前の予測値は、4月が5.7％増の213万TEU、5月は2.8％増の214万TEU、6月が3.2％減の207万TEU、7月にようやく前年割れとなる13.9％減の199万TEUになると見ていた。
　現在の今年1H予測は2.9％減の1,173万TEUで前回予想の5.7％増・1,278万TEUから下方修正した。

　オランダ・ロッテルダム港で香港系Hutchison　Port ECT Rotterdamが運営するECT Delta Terminalに9日、中国の上海振華重工（ZPMC）が製造した超大型ガントリークレーン3基が”Zhen Hua 27”で運ばれ到着した（写真）。
　3基は遠隔操作できる設計で、高さ142m、24,000TEU型コンテナ船に荷役ができる24列対応型で、アマゾネハーヴェンに位置するECT Delta Terminalの南サイドに設置する。
　ECT Deltaは1993年に開設、世界初の全自動ターミナルとして運営、ハイブリッド自動搬送機（AGV)、ハイブリッド・電動ストラドルキャリア、自動スタッキングクレーン（ACS）などに投資しており、今回のガントリークレーンもその一環。

　川崎汽船は10日、今治造船丸亀事業本部で建造中だったLNG燃料7,000台積み自動車専用船“TRITON HIGHWAY”の命名・竣工式を開催した。
　LNG燃料は従来の重油燃料に比べ、温室効果ガス（GHG）の一つである二酸化炭素（CO2）の排出を25%～30%、大気汚染の原因となる硫黄酸化物（SOx）の排出をほぼ100%削減できる見込み。また、LNG燃料の仕様に加えEGR（Exhaust Gas Recirculation）を使用することにより窒素酸化物（NOx）の排出は80%～90%の削減を期待できる次世代型環境対応船で、MAN Energy Solutionsによる二元燃料電子制御エンジン「6S60ME-C10.5-GI-EGRBP」を採用している。

　内海造船瀬戸田工場で建造中の津軽海峡フェリー向け8,900gt型旅客船兼自動車航送船“ブルーグレイス”が3月27日に進水した（写真）。引き続き艤装工事を行い今年7月下旬に引き渡す予定。
　同船は長さ144.13m、幅23m、深さ14.10m、喫水5.80mで、旅客定員422人、トラック65台または乗用車230台を積載可能。引き渡し後は津軽海峡フェリーが今年8月8日室蘭起こしで室蘭／青森航路に投入、既存の“ブルーマーメイド”（2014年建造）と代替する。
　室蘭／青森航路は、函館と青森・大間を結び運航していた津軽海峡フェリーが2023年10月に開設。現在は室蘭発20時50分、青森発10時40分で、約7時間で結んでいる。

　韓国の釜山港湾公社（BPA）は9日、ソウルのホテルで釜山港の発展に貢献したHMM（韓国）、MSC（スイス）、Ocean Network Express（ONE）、Heung A LINE（興亜海運、韓国）、CK　Line（天敬海運、韓国）の5船社に感謝の盾を授与した（写真）。
　昨年、釜山港は、紅海危機による地政学的リスク、米大統領選などで不確実性が高まったにもかかわらず、過去最多となる2,440万TEUのコンテナ貨物を処理できた成果の基礎となる船社の努力を高く評価し5船社を選んだもの。
　HMMは、Busan Port Port-Iに参加し、Port Smartizationに大きく貢献、Heung Aは韓国船社でコンテナ取扱量が最も増加したこと、CK Lineは、日本のフィーダーネットワークの安定化に貢献した。
　さらに、MSCは釜山港で初めて取扱量400万TEUを達成し、単独船社で最大のコンテナ取扱量を記録、ONEは高ボラティリティのグローバルな出荷状況にもかかわらず、安定した供給と戦略的ルートを通じて2年連続で1位の輸入および輸出コンテナを処理し貢献したことを評価した。

　フィリピンの大手港湾ターミナル会社、International Container Terminal Services, Inc.（ICTSI）がイラク・ウムカッスル港で運営する多目的ターミナル、Basra Gateway Terminal（BGT）にこのほど、寄港最大船となる、HMM（韓国）が運航するコンテナ船”HMM Daon”（16,010TEU）が初入港した。
　“HMM Daon”は全長365.16m、幅51m、15万2,003gtで、HMMがYang Ming（台湾）、Ocean Network Express（ONE）と構成するPremier Allianceの極東／中東航路のAG1に就航中。
　BGTはイラク最大の港湾の多目的ターミナルとして6バースをもち、コンテナ船の他、Ro/Ro船、在来船の寄港に対応、コンテナではポストパナマックスガントリークレーン3基をはじめ近代化した港湾インフラ、スキルの高い労働者などを抱え、ICTSIによる戦略的な投資により、大型コンテナ船の寄港と円滑な荷役が可能となっている。
　BTGは、“HMM Daon”の寄港は、ICTSIによるイラクへの港湾インフラ整備と地域経済の貢献を示すマイルスト－ンで、今後も地域経済と世界市場の接続を支援するとしている。

　ベルギーで連邦連合協定に反対する全国的なストライキが続いているため、フランダース地方の港を発着する海上交通の混乱が、今後数日間も大きくなると予想されている。
　ベルギーでは今年2月、8カ月の交渉を経て、5党による連立新政権が発足、財政再建策とし、年金と労働市場改革などを掲げていることに労組が反対運動しているもので、現在122隻の船舶が待機中で、アントワープ港では49隻、ゼーブルージュ港で5隻、ケント港で11隻がそれぞれ出港待ち、北海では57隻がバース待ちしており、そのうちアントワープ向けが39隻、ゼーブルージュ向けが14隻、北海諸港向けが4隻となっており、現在、オランダまたはフラマンのパイロットを乗せた船舶は、これらの港を行き来していない。

　商船三井は10日、東京ガスの100%出資子会社である東京エルエヌジータンカーへ長期用船される新造LNG運搬船に風力補助推進システムであるウインドチャレンジャーを2基搭載することで東京エルエヌジータンカーと合意したと発表した（イメージ図参照）。
　LNG運搬船へのウインドチャレンジャー搭載は世界で2隻目で、ウインドチャレンジャー搭載のばら積み船は2隻竣工済み、今後7隻の竣工を予定。ウインドチャレンジャーは、特徴の一つである伸縮式の帆によって、本船の燃料消費量および温室効果ガス排出量の削減に寄与する。

　澁澤倉庫は、栃木県芳賀町に危険品倉庫を新たに竣工したと発表した。
　同社が昨年発表した「澁澤倉庫グループ中期経営計画2026」の物流事業戦略の一つである物流事業の収益力強化を図ることを目的として、既に稼働中の兵庫県神戸市の2棟、大阪府茨木市の1棟に続く、国内3拠点目の危険品倉庫となる。
　新設した危険品倉庫は、同社の栃木営業所の敷地内にタイプの異なる2棟を建設、うち1棟には空調システムを設置することで、温度管理が必要な商材にも対応可能な環境を整えるとともに、同社の強みである多品種小ロット物流に対応した自動ラックを導入し、小ロット商品の保管効率向上に加え、荷役作業の効率化や省人化を実現した高機能倉庫となる。危険品倉庫は敷地面積6,654.04m2に、鉄骨造り/耐火建築物/平屋建て2棟、延べ床面積がA棟997.50m2、B棟997.50m2。

　ESR（東京都港区）は、兵庫県川西市東畦野の物流施設プロジェクト「ESR川西ディストリビューションセンター」について、約10億ドル（約1,500億円、1ドル＝150円換算）を投入する最終フェーズの開発をスタートした。
　調達資金の内訳は、長年の欧州資本パートナーのプロジェクトエクイティと、14の日本の機関投資家で構成するESR初の国内ファンドの約2億4,500万ドル（約350億円）。川西DCは、甲子園球場13個分の広さの総敷地面積50万5,281m2を誇る、ESR史上最大、日本でも最大の物流施設プロジェクトとなる。立地は、関西主要都市まで1時間以内、広域配送からラストマイルまで強みを持つ関西屈指の物流拠点。充実した高速道路網を背景に、関西圏のみならず西日本エリアまでをカバーし、大阪中心市街地から北部、神戸市など阪神間のラストマイルにも対応可能だ。
　川西DCでは、1期工事の「ESR川西ディストリビューションセンター2」が今年3月31日に竣工、「ESR川西ディストリビューションセンター1」も5月末に竣工予定だ。
　ESRは、川西DCの3棟目で、主要施設開発としては最終フェーズとなる「ESR川西ディストリビューションセンター3」の開発をスタートした。同社グループの39番目の物流施設で、敷地面積21万1,442m2、延べ床面積43万3,141m2、地上9階建て、免震構造のダブルランプ式マルチテナント型だ。2025年4月に着工、2028年2月に竣工を予定している。

　大手フォワーダー5社（日本通運、近鉄エキスプレス、郵船ロジスティクス、にしてつ、阪急阪神エクスプレス）が3月に取り扱った輸出航空混載貨物量は、アジア向けが好調を持続し5社合計で4万3,658トン、前年同月比2.0％増で2カ月連続のプラスとなったが、2ケタ増が持続した前年後半の勢いは衰えてきた。
　日本通運の取扱量は前年同月比3.1％増の1万8,278トンと堅実な伸びを持続、近鉄エキスプレスは14.1％増の1万2,057トンと11カ月連続のプラス、5社の中で唯一2ケタの伸びを達成した。郵船ロジスティクスは9,406トン、26.6％の2ケタ減で前年12月から4カ月連続のマイナスとなった。にしてつは8.0％増の3,917トンと4,000トンの回復を目前にし、阪急阪神エクプレスも8.6％増の3,327トンと近鉄エクスプレスに次ぐ高い伸び率で4カ月ぶりに3,000トン台を回復した。
　5社全体では4万6,985トンで前年同期比2.0％の小幅な伸びにとどまった。

　米ボーイングは3月にB777貨物機を計11機受注した。うち8機はフェデックスがオプションを行使したもので、残り3機の発注者は明らかにされていない。フェデックスが発注した8機のうち3機が26年に、残りの5機は27年にそれぞれ引き渡しの予定。
　24年の777Fの受注は35機で前年の10機から大幅に増えた。今年は1月に2機の受注があり、3月末時点で計13機の受注を確保している。

　不動産のいちごは、同社3件目となる物流施設「いちご東松山物流センター」が竣工したと発表した。
　昨今、物流施設の需要は堅調に推移しているものの、エリアによっては物流施設の供給過多になり、厳選した立地が必要だ。加えて、開発に際しては、建設コストが高騰しているが、関東圏で物流と建設事業を営む拓洋と連携することにより、建設コスト高騰のリスクを軽減するとともに、拓洋がマスターリースを受けることで、安定的に物流施設開発事業を進めることが可能となっている。
　今回、竣工した「いちご東松山物流センター」（埼玉県東松山市新郷540番1）は、2024年1月に着工し、2025年3月31日に竣工、敷地面積が1万3,098.25m2に鉄骨造り地上2階建て、延べ床面積が1万2,577.60m2。いちご100％子会社のいちご地所が施主となり、拓洋が設計・施工、マスターリースする。同物流センターは、自動車や食品関連の工場の多い東松山工業団地に隣接しており、関越自動車道・東松山ICまで約2.9km、圏央道を利用することで東日本各地へ広域配送が可能な立地だ。建物は効率的な入出庫作業が可能な低床倉庫で、梁下有効高は各階5.5m以上を確保し、昇降設備は荷物用エレベーター4基を実装。

　三菱重工グループの三菱ロジスネクスト（京都府長岡京市）は9日、海上と陸上の各種貨物輸送の結節点となるコンテナターミナルのゲートシステムを高機能化させた新コンテナターミナルゲートを、大阪港の夢洲コンテナターミナルに納入したと発表した。
　大阪港夢洲コンテナターミナル（DICT、写真）に設置された、三菱ロジスネクスト初の高機能システムを導入した新コンテナターミナルゲートは、国土交通省の「24年度大阪港夢洲コンテナターミナルCTゲート高度化事業」に採択されたもので、システム更新を完了した既存ゲートとともに今年2月から運用を開始した。
　このゲートシステムは、ターミナルで搬出入するコンテナや、その輸送を担当するトレーラーの情報確認を、紙の文書や現物の目視で逐一実施していた従来の作業に代わり、事務所内のパソコンとの同時運用が可能で5Gを活用したハンディ端末によって行うもの。
　具体的には、ハンディ端末による画像情報の自動入力や、ゲート内に設置した2台のカメラによる AI（人工知能）識別で大幅に作業を軽減、作業時間の短縮も実現する。
　また、システムの運用で、パソコンへのインストールが必要なクライアント専用アプリケーションをブラウザ化したことで操作性と互換性が向上し、将来的なアプリケーション改修時やシステム更新時の柔軟性も高め、さらに、同システムで得られた車両情報は、新しい港湾情報システムである CONPASとも連動しており、隣接する「EXPO2025 大阪・関西万博」会場周辺の交通混雑解消にも寄与する。

　Descartes Systems Group（カナダ）が発表した3月の米国コンテナ輸入量は238万674TEUTEUで、前月比6.3％増、前年同月比では11.1％増加した。3月の営業日数の増加を反映したものだが、1月に240万TEUを突破した年初の好調の流れを維持、2022年3月と2021年3月に次いで3番目の記録となった。東岸とガルフ岸諸港のシェアが西岸諸港を上回ったことに加え、すべての主要港で港湾運送の遅延が大幅に改善したことから、インフラと処理能力が物量の増加に対応していた。
　3月の中国からの米国向け輸入は76万2,830TEUで前月比12.6％減少したが、米中関税合戦が一進一退を続ける中、前年同月比では9.4％増加し、中国が引き続き米国にとって最大の貿易相手国で、Descartesでは関税合戦のエスカレートにより、今後数カ月は物量に混乱が生じる可能性があると予想している。
　また、3月の米国上位10港のコンテナ輸入量は全体で11万6,529TEU増加し、前月の11.2％（23万4,604TEU）減から回復した。減少したのはロサンゼルス港（5.9％減）のみで、ロングビーチ港（0.3％増）はわずかな増加にとどまり、残りの8港も増加を記録し、取扱量が大幅に増加したのはノーフォーク港（27.9％増）、ヒューストン港（19.5％増）、フィラデルフィア港（17.8％増）で、フィラデルフィア港はシアトル港を抑え、3月のトップ10入りを果たした。
　上位10位の原産国（CoO）からのコンテナ輸入量は前月比8,857TEU（0.5％）の微増にとどまり、上位10カ国がすべて増加し、ドイツ（39.6％増）、タイ（35.7％増）、日本（33.4％増）が大幅な増加を記録した。
　米国の上位10港の港湾運送遅延は前月から改善しが、オークランド港（2.1日減）、ロサンゼルス港（1.9日減）、サバンナ港（1.7日減）など東岸諸港が全体的に改善、ガルフのヒューストン港（0.4日減）はわずかな改善にとどまり、タコマ港とシアトル港はそれぞれ0.3日減、0.2日減ともっとも改善がみられなった。

　シーアールイーの連結子会社CRE Asia Pte. Ltd.が出資するCella Management Pte. Ltd.と傘下のマネジメント会社であるPT Cella Management Logistikは3号案件である「Cella Emerald Logistik Warehouse」がインドネシアで3月に竣工したと発表した。
　同プロジェクトは、西ジャワ州ボゴール県チルンシに位置、チマンギス-チビトゥン高速道路のインターチェンジまでは約4kmの距離にある。また、タンジュン・プリオク港まで約48km、スカルノ・ハッタ国際空港まで約68km、ジャカルタの主要な港や空港を結ぶ効率的な物流網の提供が可能だ。周囲には工業地帯が広がっており、周辺工場からの保管需要が見込まれる。竣工前に多くの多国籍企業や現地企業が関心を寄せ、既に一部の区画は賃貸借契約を締結している。敷地面積約11万4,000m2に、鉄骨造り平屋建てで賃貸面積は約6万6,000m2。

　デンマークの海運調査会社、Sea-Intelligenceの調べによると、Maersk（デンマーク）とHapag-Lloyd（独）で構成するGemini Cooperationによる計28便のシャトルサービスのうち15便が2月から開始、そのうち10便がアジア、2便が欧州、3便がインド亜大陸／中東に配置、スケジュール順守率は98.4%、2つのシャトルサービス、A04とA09（どちらもアジア）を除くと、スケジュール順守率は100%に達した。
　30年以上にわたるコンテナ船社のアライアンスの歴史で、その領域は常に基幹航路、遠洋航路に限られ、各船社は独自のフィーダーサービスを展開してきたが、Geminiはアライアンスのネットワーク設計に異なるアプローチをとり、340隻・370万TEUのコンテナ船を段階的に投入し、主要航路29ループ、シャトル航路28ループの計57サービスを提供、自社運営ターミナルを活用したハブ&スポーク型のネットワークを構築、スケジュール順守率90%以上を目標に掲げており、開始後まだ日が浅いとはいえ、好調な滑り出しとなった。
　Sea-Intelligenceでは、とはいえ考慮すべき要素がいくつかあるとし、第一に、新アライアンスおよびMSC（スイス）の新ネットワークの真のパフォーマンスが試されるのは、今年7月の完全展開時で、乗り出しの段階では、新ネットワークに段階的に投入される船舶はごく一部であるため、最初の1カ月が最も難易度が低くなる可能性が高く、その後の月は、多くの船舶が同時に段階的に投入されるため、難易度が高くなることをあげる。
　第二に、計画されている28のシャトルサービスのうち、2月は15サービスのスコアしかなく、欧州のシャトルはごく一部しか就航していないこと、第三に、Geminiの基幹航路便のうち、2月に仕出し地から仕向け地（例えばアジアから欧州）への積み替え貨物がまだなかったことをあげている。

　Drewry Maritime Research（英国）が10日に発表した太平洋航路、アジア／欧州航路、大西洋航路における主要8ルートの世界コンテナ運賃指数（WCI）は、2,265ドル／FEUと前週比3%上昇、2週連続でアップ、前年同期比では19%下落した。
　パンデミック前の最高値を付けた2021年9月の10,377ドル／FEUを78%下回っているものの、2019年の平均運賃1,420ドル／FEUを59%上回り、年初からの平均は2,944ドル／FEUで、依然として過去10年間の平均2,889ドル／FEUより55ドル高い水準を保った（2020年から22年までの間はコロナ禍の影響で異例の値上がり）。
　先週のスポット運賃を航路別にみると、上海→ロッテルダムが前週比4%（88ドル）上昇し2,392ドル／FEU、上海→ロサンゼルスが3％（89ドル）上昇し2,815ドル／FEUとなった。同様に、ロッテルダム→上海が2%（9ドル）上昇し475ドル／FEU、上海→ニューヨークも2％（82ドル）上昇し3,976ドル／FEU、上海→ジェノアが1%（40ドル）上昇し3,071ドル／FEU、ロッテルダム→ニューヨークが1%（29ドル）上昇し2,153ドル／FEUと小幅上昇した。
　一方、ニューヨーク→ロッテルダムは1%（7ドル）下落し824ドルとなったほか、ロサンゼルス→上海は横ばい705ドル／FEUで安定を維持した。Drewryでは今後数週間、米国の関税政策に対応した前倒し出荷と船腹減少により運賃が上昇すると予想している。

　格付投資情報センター（R＆I）は先週、米国の関税引き上げは海運業の収益を下押しするが、強固な財務基盤が格付の支えになるとの見方を明らかにした。
　R&Iでは、期間や程度によっても左右されるが、米国による関税政策は海運業の業績に下押し圧力をかけ、海上輸送は国際貿易の基幹インフラで、関税による荷動き悪化の影響は避けられず、荷主との長期的な関係を重視する船種ほど、運賃引き下げ要求が強まる可能性もある。中でも米国市場の存在感が大きく、邦船大手の利益・キャッシュフローに占める割合が高いコンテナ船や自動車船への影響に注意が必要とみている。
　現時点ではトランプ政権による関税政策は格付に響くほどではないとみており、日本の海運大手は複数の船種を運営する点に特徴があり、特定の船種のみを運営する船社と比べて収益や航路が分散しており、コンテナ船をはじめ、業績変動が大きい点は各社の評価に反映済みだ。近年の好業績で自己資本の蓄積が進んだ結果、財務基盤も強固であり、信用力の支えになるだろうとしている。
　海運大手3社の持分法適用会社であるOcean Network Express（ONE）は、コンテナ専業かつアジア北米航路のウエートが大きく、2023年度の総積高のうち、北米関連は約3割を占め、航路分散を進めているとはいえ、格付先の中では大きな影響が見込まれる。
　もっとも、多額の現預金や資本を背景とする格付対比で良好な財務バランスが信用力の下支え要因となるほか、業界全体で航路編成の変更や供給調整を行う余地もあり、寡占市場を生かした柔軟な供給調整を通じ、市況低迷の影響を緩和できるか確認していくとしている。

　Yang Ming（台湾）の3月の業績は売上高が14.9％減の132億台湾ドル（4億200万ドル）と15カ月ぶりのマイナスになった。また、Evergreenは11.3％増の335億台湾ドル、Wan Hai Linesも24.0％増の118億台湾ドルと依然2ケタのプラスを維持している。
　Yang Mingの第1四半期（1～3月）の売上高は前年同期比3.9％増の455億台湾ドル、Evergreenは24.1％増の1,100億台湾ドル、Wan Haiは34.3％増の371億台湾ドルだった。

　MSC（スイス）は今月上旬から、華中／海峡地航路で新たにBungarayaを開始した。Bungarayaは、1,700～2,800TEU型3隻を投入、4月8日上海出港”MSC Calodris 3”（2,796TEU）を第1船に、上海～寧波～ポートクラン～ペナン～パシルグダン～シンガポール～上海のローテーションで定曜日ウィークリーサービスする。Bungarayaの開始により、中国とペナン接続が週2便体制となった。
　また新サービスの開始により、同航路のSeahorseを改編し、ポートクラン、欽州、香港を抜港した。

　SITC Container Lines（中国）は今月上旬から、中国／インドネシア／ベトナム／フィリピン航路でCMI2を開始した。SITCは同名のサービスを2023年6月に休止していたが、新CMI2はローテーションが大きく異なる。新CMI2は、900～1,000 TEU型3隻を投入し、4月4日南沙発”SITC Tianjin”（907TEU）を第1船に、南沙～赤湾～ホーチミン～ジャカルタ～セマラン～バリクパパン～セブ～南沙のローテーションで定曜日ウィークリーサービスを開始した。

　CMA CGMグループ（仏）のアジア域内船社のCNC（シンガポール）は今月下旬から、日本／中国／タイ／台湾航路のJTXを改編し、昨年抜港した大阪寄港を再開するほか、北航で蛇口に追加寄港し、清水、高雄、台中、基隆を抜港する。
　新JTXには1,600～1,900TEU型4隻を投入し、4月22日東京出港”Sea Of Luck”（1,645TEU）から、東京～横浜～名古屋～大阪～神戸～蛇口～南沙～レムチャバン～香港～蛇口～東京の新ローテーションで定曜日ウィークリーサービスを展開する。

　ニューヨーク/ニュージャージー港のコンテナターミナルPort Liberty Bayonneにこのほど、Ocean Network Express（ONE）、Yang Ming（台湾）、HMM（韓国）が構成するPremier Allianceによるサービスの第1船となる”ONE Eagle”（14,062TEU）が初入港し、NY/NJ港湾局の関係者らが出迎え初入港を祝った。
　Premier Allianceは今年2月からサービスを開始し、”ONE Eagle”はONEが運航し、東南アジア／北米東岸航路のEC3に就航中。

　サウジアラビア港湾局（MAWANI）が発表した3月のサウジ全港における総貨物取扱量は前年同月比8.69％増の2,118万1,246トンで、うち一般貨物は97万1,850トン、ドライバルクは451万5,924トン、液体バルクは1,569万3,472トンだった。
　総コンテナ取扱量は前年同月比13.61％増の69万9,928TEUで、うち輸出が31.82％増の28万341TEU、輸入も7.78％増の28万1,216TEUといずれも増加したが、積み替えは2.89％減の13万8,371TEUと前年割れになった。

　ドイツの造船所Meyer Werftは10日、日本郵船グループの郵船クルーズから受注した日本初となるLNG燃料クルーズ船”飛鳥III”（52,265gt、乗客数872人、写真）を引き渡したと発表した。同船は今年7月20日から横浜港を母港に営業航海を開始し、”飛鳥II”（50,444gt、乗客定員872人）との2隻運航体制がスタートする。

　パナマ運河庁（ACP）は10日、パナマ運河担当大臣と米国防長官が、安全保障に関する共同宣言に署名したと発表した。宣言は、中立条約、憲法、運河組織法、運河の運営に関する法的枠組みに概説されているように、パナマ運河に対するパナマの主権を尊重し、承認することを再確認するもの。
　宣言では、艦艇と補助船の通航料に関連する安全保障問題で提供されるサービスを補償するメカニズムを、コスト中立的なアプローチで開発するよう努力することが明記されている。
　また、エンジニアリング、セキュリティ、サイバーセキュリティにおける米国防総省との継続的な協力についても言及しており、補償メカニズムを定義する際に考慮される予定だ。ACPでは「この宣言は、このモデルを確立するための第一歩であり、後の段階で発展させていく」と述べている。

　インド政府はバングラデシュの輸出貨物がインドの内陸税関を経由して第三国に輸出することを認めてきたが、8日からこの措置を廃止した。インドの輸出業者やフォワーダーはこの措置によって空港や港での混雑が緩和され、輸出商品の回転率が向上し、コスト削減につながるとして歓迎している。
　ただ、インド経由のトランシップができなくなったことでバングラデシュの輸出相手国となっているネパール、ブータンなどの陸封国にとって影響が大きく、この措置が世界貿易機関（WTO）のルールに抵触する可能性も指摘されている。

　日本船主協会（JSA）、国際船員労務協会（国船協）、全日本海員組合（全日海）は4月3日～5日に、海賊対処行動に従事する自衛隊員、海上保安官らを慰問するため、活動拠点となっているジブチに10回目となる訪問団を派遣した。
　訪問団は、JSAの明珍幸一会長（川崎汽船会長）、篠原康弘理事、国船協の今田俊介理事、全日海の大山浩邦外航部長ら14人で、現地で原圭一駐ジブチ共和国特命全権大使を表敬訪問後、派遣海賊対処行動航空隊・支援隊を訪問し、感謝状贈呈式を開催した。明珍会長は隊員らに深い謝意を表明したうえで「海賊対処行動により、海運業存続の前提である、世界の海が自由で開かれたものになることを願うとともに、隊員の皆様が無事に職務を完遂し帰国できるよう心より祈念している」と激励した。
　その後、原大使、JICA関係者、自衛隊関係者らと意見交換会をしたほか、ジブチ沿岸警備隊を表敬訪問し、明珍会長は沿岸警備隊が商船の安全運航などの確保に尽力していることに謝意を表明した。

　韓国のスタートアップ企業Colosseum Corporationは8日、みらいコンサルティンググループ（東京都中央区）と戦略的ビジネス協定（MoU）に署名し（写真）、日本の物流市場へ参入を開始したことを発表した。MoUのもと両社は専門知識とリソースに基づいて持続可能な協力システムを確立し、グローバル市場に参入するための共同戦略を確立し、日本と韓国のビジネスチャンスを積極的に拡大する。特に、日本市場への参入準備をしている韓国の流通、製造会社に対する実用的な物流とITベースのサポートを提供する。
　Colosseumは、日本の物流倉庫を所有する企業との戦略的パートナーシップを拡大し、日本でITおよびロジスティクスコンサルティングの顧客を確保、子会社を設立することにより、日本市場での地位を拡大する予定。
　同社は現在、米国、日本、東南アジアに46を超える物流センターネットワークを構築、韓国企業の海外拡大を積極的に支援、年間貨物量は3倍以上、累積処理数は600万件を超えている。
　特に、Colosseumが開発したAIベースの統合物流ソリューションのグローバルバージョンは、米国、カナダ、メキシコ、ベトナムなどのさまざまな海外物流環境での競争力を証明しており、日本、韓国とアジアを対象としたグローバルなローカリゼーション戦略をさらに推進し、安定した効率的な物流環境で成長するために国内外の流通および製造会社と協力を続けていく計画だ。

　Maersk（デンマーク）とCMA CGM（仏）は今月末までに米国と中南米特にベネズエラに直航で接続するCeiba Expressを休止する。
　同サービスは両社が3隻を投入し協調配船しポートエバーグレーズ～キングストン～ラグアイラ～プエルトカベロ～カルタヘナ～プエルトコルテス～サントトマスデカスティリヤ～ポートエバーグレーズのローテーションでサービスしているが、海外の海事メディアによると、米国のトランプ政権によるベネズエラへの制裁措置強化を受けてサービス休止を決定したと伝えている。
　米国はベネズエラのマドゥロ政権の独裁と選挙不正などを問題視し、継続的に圧力や制裁措置を実施しており、トランプ政権はその圧力をさらに強化している。
　Ceiba Expressの休止を受け、CMA CGMはコロンビア、キングストンのハブ港からベネズエラとの接続を維持し、新たにVenezuela Shuttleを開設し、第17週からカルタヘナ～キングストン～ラガイラ～プエルトカベロ～カルタヘナのローテーションでウィークリーサービスを開始する。
　またMaerskもVenezuela Feeder Serviceにより、マンザニーヨ（パナマ）～カルタヘナ～ラグアイラ～プエルトカベロ～マンザニーヨ～アルミランテマンザニーヨのローテーションでベネズエラ接続を維持する。

　三菱重工グループの三菱ロジスネクストは、海上と陸上の各種貨物輸送の結節点となるコンテナターミナルのゲートシステムを高機能化させた新コンテナターミナルゲートを、夢洲コンテナターミナルに納入した。
　大阪港夢洲コンテナターミナル（DICT）に設置した、三菱ロジスネクスト初の高機能システムを導入した新コンテナターミナルゲートは、国土交通省が「24年度大阪港夢洲コンテナターミナルCTゲート高度化事業」に採択したもので、システム更新を完了した既存ゲートとともに2025年2月から運用を開始した。
　同ゲートシステムは、ターミナルで搬出入するコンテナや、その輸送を担当するトレーラーの情報確認を、紙の文書や現物の目視の従来の作業に代わり、事務所内のパソコンとの同時運用が可能で5Gを活用したハンディ端末によって処理する。具体的には、ハンディ端末による画像情報の自動入力や、ゲート内に設置した2台のカメラによるAI（人工知能）識別で大幅に作業を軽減、作業時間の短縮も実現する。また、システムの運用において、パソコンへのインストールが必要なクライアント専用アプリケーションをブラウザ化したことで操作性と互換性が向上し、将来的なアプリケーション改修時やシステム更新時の柔軟性も高めた。さらに、同システムで得た車両情報は、新しい港湾情報システムであるCONPASとも連動、隣接する「EXPO2025大阪・関西万博」会場周辺の交通混雑解消にも寄与する。

　海外の海事メディアによると、非運航船主が保有する小型～中型コンテナ船の用船市場における船腹量が過去56カ月で230万TEUも減少しているという。
　報道ではAXS-Alphaliner（仏）のデータを引用し、700～9,000TEU型コンテナ船の用船市場における船腹量は2020年8月から減少を始めたとし、特にMSC（スイス）、CMA CGM（仏）が特に精力的に、非運航船主の保有船を主な対象として買い取りを始め、2020年8月から25年3月までに約850隻・370万TEUが運航船社に買い取られたという。期間中、非運航船社は新造船120万TEUの引き渡しを受け、船社からも22万1,000TEUを購入したことで相殺し、実際は400隻・230万TEUの減少となった。
　非運航船社主から船社が購入した船の船型別内訳は、5,300～9,000TEU型は140隻・100万TEU、3,000～5,299TEUは199隻・84万TEU、2,000～2,999TEUは201隻・51万6,000TEUと幅広型で買い取りが進んだ。
　活発に中古船買い取りを進めてきたMSC（スイス）は20年8月～25年3月に非運航船主から、船社として最大規模となるコンテナ船350隻・140万TEUを購入し、次いでCMA CGMも同期間に131隻・57万8,000TEUを購入し、両社合わせて約200万TEUを購入した。
　一方、非運航船主も新造船の発注を進めていて、今年3月31日現在の中小型船型の受注残は約60万TEUとなる。うち船腹量の増加が見込めるのは5,300～9,000TEU型の比較的大型の部類で47万5,000TEUで唯一2020年水準を超えるが、その他の小型船型は船社、非運航船社とも新造船発注が少なく、特に1,000TEU未満の船は非常に少ないという。

　NIPPON EXPRESSホールディングスは、25年3月の同グループの国際海上輸送取扱実績（輸出）を発表、日本発は前年同月比3.6％増の2万720TEUと好調を継続、海外発も0.6％増の5万6,086TEUと微増となり、日本・海外合計で1.4％増の7万6,806TEUと3カ月ぶりに増加に転じた。
　海外のうちNXグループの傘下となったcargo-partner（CP社）を除く3月実績は、米州発が11.5％増の3,255TEU、欧州発が5.3％減の5,437TEU、東アジア発が4.7％減の1万9,177TEU、南アジア発が13.3％増の1万4,506TEU、合計で1.9％増の4万2,374TEUとなった。
　またCP社の3月実績は、米州発が99.5％増の208TEU、欧州発が2.1％増の4,290TEU、東アジア発が2.8％減の6,917TEU、南アジア発が15.6％減の2,297TEU、合計で3.0％減の1万3,712TEUだった。

　日本港運協会と全国港湾労働組合連合会（全国港湾）／全日本港湾運輸労働組合同盟（港運同盟）の25年港湾春闘の第4回中央団交は、4月16日の午後1時半から開催することが決まった。
　また組合側は、10日付で4月20日（日）の24時間ストライキ、26日（土）～27日（日）の48時間ストライキを日港協へ通知した。

　静岡県清水港管理局が発表した2025年3月の総コンテナ取扱量（速報値、実入り・空合計）は、外内貿合計で前年同月比5.1％増の4万5,600TEU、外貿コンテナは5.5％増の3万4,754TEUと2カ月ぶりに増加に転じた。
　3月の外貿コンテナのうち実入りの輸出は前年同月比2.6％増の1万2,951TEU、実入り輸入も8.7％増の1万7,514TEU、空コンは輸出入合計で1.9％増の4,289TEUだった。
　また内貿は4.0％増の1万846TEUだった。
　2025年1～3月の累計では、外内貿合計で前年同期比2.8％増の12万4,357TEU、外貿コンテナは1.3％増の9万5,325TEUとなった。
　内貿コンテナは移出入・空・実入り合計で8.3％増の2万9,032TEUだった。

　日本航空（JAL）は国際航空運送協会（IATA）が実施している航空保安管理の国際認証（Security Management System Certification Program：SeMS）の「Operating（レベル2）」を1月17日に世界で初めて取得した。これまで航空保安管理は法令に準拠した活動が中心だったが、近年では航空保安にかかわる脅威が多様化・複雑化してきたため、IATAはリスクを事前に特定し、予防策を講じ、保安管理を継続的に改善する新たな認証プログラムを導入した。航空保安管理の成熟度は3段階で評価され、リスク管理の強化と業界全体のセキュリティ水準の向上を目指している。
　JALは航空保安リスクへの対応や航空保安の継続的改善などが評価され、現時点で取得可能な最高段階のレベル2を取得した。

　デルタ航空（米国）の今年第1四半期貨物事業売上高は前年同期比16.9％の2ケタ増で2.08億ドル（約300億円）に達した。
　eコマース貨物の増大などで取扱貨物量が2ケタの伸びを記録したことによりイールドが上昇、売り上げ増に結びついた。
　旅客事業の売上高は前年同期比3％増の114.80億ドル、その他の収入を含めた合計売上高は2.0％増の140.40億ドル（約2兆円）、営業利益が7％減の5.69億ドル、純利益は前年の0.37億ドルから6.5倍の2.40億ドル（約340億円）、1株あたりの利益は前年同期の0.06ドルから0.37ドルへと上昇した。

　三菱倉庫グループのベンチャーキャピタル部門であるMLCベンチャーズが運用するファンド「MLCイノベーション1号投資事業有限責任組合」は、IoT重量計を用いた在庫管理と自動発注を起点に、BtoB領域における現場の業務をDX化するソリューション「スマートマットクラウド」を展開するエスマット（東京都品川区）に出資した。
　製造業をはじめ多くの業界において、棚卸などの在庫管理は負荷の大きい作業を伴い、在庫は過剰でも不足でもコストとリスクを生み出す一方で、適正な在庫水準を合理的に導くことは容易ではない。エスマットの提供する「スマートマットクラウド」は、IoT機器によって重量ベースで在庫を計測しクラウド上で管理するソリューションで、在庫の見える化と最適化によって、業務効率・精度向上と経営改善を実現する。
　スマートマットクラウドは、製造拠点や企業の垣根を超えてサプライチェーンの各工程の在庫を可視化し最適化を実現するソリューションで、三菱倉庫グループが「MLC2030ビジョン」で示す「トータルロジスティクスと街づくりを世界で展開し、社会のいつもを支え、非連続な成長を実現」するという目標と一致している。MLCベンチャーズはエスマットを支援しスマートマットクラウドの普及をサポートすることで、社会課題を解決し、日本全体の競争力強化に貢献していくとともに、今後は、スマートマットクラウドの物流業界への展開についても、エスマットと共同で模索していく方針だ。

　大成建設とNIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社である日本通運は、「建設副産物巡回回収システム」活動に協働で取り組んでいるが、産経新聞社主催の第33回地球環境大賞において、日本経済団体連合会会長賞を受賞した。
　地球環境大賞は1992年、「産業の発展と地球環境との共生」を目指し、産業界を対象とする顕彰制度として世界自然保護基金（WWF）ジャパンの特別協力を得て創設した。今回の受賞は、大成建設が2014年から継続的に取り組んできた不燃系建材端材の再資源化への取り組みを発展、2023年からの日本通運との協業で、再資源化量の拡大と荷量確保による安定運用体制を確立し、建設業全体への普及を進めた点を評価、運搬効率の向上による、運搬コストとCO2排出量の大幅な低減もあわせて評価した。
　今後は、回収エリアの拡大、対応品目や建材メーカーの追加、モーダルシフトによる遠距離運搬など、さらなるシステムの充実を図ることで、建設業界と物流業界における環境負荷を低減し、省資源・循環型社会の構築に積極的に取り組んでいく方針だ。

国際海事機関(IMO)は7日から11日まで、ロンドンで開催した、「2050年頃までに国際海運からの温室効果ガス（GHG）の排出ゼロ」という国際目標の実現に向けた具体的な対策について交渉、海洋汚染防止条約（MARPOL）改正案を最終承認したと発表した。IMOは今年10月の会合で正式採択、2027年上半期に施行する方針だ。
　改正案では、5,000gt以上の船舶を対象に、使用燃料のエネルギーあたりの排出量に基準を設定、一定の排出基準を1トン超えるごとに少なくとも100ドルを課金、低炭素燃料で航行して基準を満たす船舶からクレジット（排出枠）を購入して相殺することも可能とした。
これにより2030年までに300～400億ドル（年間100億ドル）の調達が見込まれ、船舶のクリーンエネルギー利用の財源として充当される見込み。
ただ、船舶の使用燃料のGHG強度（エネルギー当たりのGHG排出量）を規制する制度および船舶からのGHG排出に課金しゼロエミッション燃料船への還付を行う経済的手法である課金・還付制度の核心的な問題をめぐる国家間の意見の差が大きく、最終承認までは作業班議長の仲裁案と加盟国間の非公式協議が続き、最終日に行われた表決では、日本、ブラジル、中国、インド、韓国、南アフリカ、シンガポール、ノルウェーなど63カ国が賛成、サウジアラビア、UAE、オマーン、ベネズエラ、ロシアなど16カ国の産油国が反対、太平洋諸島国、アルゼンチンなど25カ国が棄権した。

　世界海運評議会（WSC）は11日、国際海事機関（IMO）の第83回海洋環境保護委員会（MEPC83）で、2050年までの海事産業でのGHG排出ネットゼロ実現に向けた具体的な対策について海洋汚染防止条約（MARPOL）改正案で最終合意したことを受け、これは脱炭素化の実現へ大きなステップとなる前例のない合意と評価し歓迎する声明を発表した。
　今回合意したのは、GHG排出燃料の明確な基準を確立し、2028年からGHG燃料ごとの継続的な削減を義務付けるもので、約20年間継続的な削減を義務付けるもので、燃料のGHG排出強度に応じた規制を強化することで、業界の排出ゼロ燃料もしくは限りなくゼロに近い燃料への転換を促進する。
　グリーン燃料の普及には従来の化石燃料との価格差が大きな障害となっており、従来の低硫黄燃料油（VLSO）に比べLNGは31％、グレーメタノールは53％、バイオLNGは111％、グリーンアンモニアは274％も高額で、この価格差を埋める方策が求められている。
　MEPC83での合意案は今年10月で正式採択し2027年上半期の施行を目指す。

　日本船主協会（JSA）の明珍幸一会長は14日、国際海事機関（IMO）の第83回海洋環境保護委員会（MEPC83）で、使用燃料のGHG強度規制、同規制の達成状況に応じた負担金、還付金の導入が合意されたことを受け声明を発表し、「外航海運が世界の産業界で、国際カーボンプライシングを導入する最初の業界となる見込みで、かつ、制度は日本の海事産業が一丸となって取り組むゼロエミッション燃料船の開発・普及を力強く後押しするものなので、JSAとして合意成立を歓迎し、日本政府関係者をはじめIMO関係者へ謝意を表明する」と述べた。
　JSAは2021年にIMOの戦略採択に先駆け、「2050年ネットゼロへの挑戦」を発表しており、目標達成に向けて早期のゼロエミッション燃料への移行とゼロエミッション燃料船の普及を提唱し、会員各社が次世代船舶の開発、実用化を進めているとし、「外航海運の脱炭素化の歩みを確かなものとするため、引き続き日本政府のリーダーシップによる建設的な議論の進展を期待し、JSAも政府の取り組みを全面的に支援する」と述べた。さらに、改めて世界単一市場において自由競争を行う外航海運業界にとって、国際ルールに基づいた合理的な規制が何よりも重要だと強調し、今後もIMOの下、地域的規制ではなく、公平公正に一律の規制の制定を求める方針を示した。

　世界の航空貨物荷動きは3月の半ば以降弱含みの展開となっているが、第14週（3月31日−4月6日）はイスラム圏でのラマダン明けのイード休暇が重なり、さらに米国が中国、香港からの輸入に対して5月2日からデミニミスルールの適用を廃止すると発表したことに対する不安の広がりで、前週比7％落ち込んだ。ただ、前年同期比では6％高い水準となっている。
　発地別の荷動きの落ち込みは、中東・南アジア（MESA）発が24％、アフリカ21％、アジア太平洋7％、中南米4％、欧州3％、北米2％とイスラム圏ほど下げ幅が大きかった。中国・香港発米国向けは前週比で1％減と今年初めてマイナスとなり、とくにロサンゼルス向けは5％のマイナスとなった。その他のアジア諸国発も低調で、日本、台湾発はそれぞれ前週比で7％の落ち込みだった。
　需要の減少にもかかわらず運賃水準は堅調で、世界全体ではスポットと契約運賃を合わせた平均で前週比2％増の2.52ドル/kg、アジア太平洋発は5％増の3.94ドル/kgへと上昇した。

　上海国際海運研究センター（SISRC）が8日に発表した今年第1四半期（1～3月）の中国海運景気指数は106.04で、好不況の境となる100を上回ったが、前四半期に比べ9.69ポ低下し、中国海運信頼感指数は110.33で、前四半期に比べ18.95低下し、全体として、海運業界は引き続き好況の範囲にあるが、熱気は前四半期に比べて低下している。
　コンテナ輸送企業の景気指数と信頼指数は急激に低下し景気指数は110.32、前四半期に比べて38.80ポイントも急落、信頼指数は95.00で、前四半期に比べ37.83ポイント急落し100を割り込んだ。様々な経営指標から見ると、コンテナ輸送企業は引き続き能力を増強しているが、営業コストが上昇し、企業の運賃収入と消席率は引き続き低下しており、企業の収益性は急激に低下していると分析している。
　今後の見通しについては、第2四半期（4～6月）の中国海運景気指数は111.56、1Qから5.52ポイント上昇し、比較的好調な範囲に入る見込みで、中国海運信頼感指数は98.14となり、12.19ポイント低下し、全体として、中国の海運業況は2Qも安定し、改善するとみられるが、企業家の景況感は不十分である。
　また、25年の長期輸送契約の状況を調査した結果、コンテナ輸送会社の6割以上は契約全体に占める長期輸送契約の割合が4割未満となり、今後の海上コンテナ船運賃の変動に対する市場の様子見ムードが反映される結果となった。
　さらに、米国が「相互関税 」政策を発表、この政策が実施された場合、中米間の貿易の流れや世界のサプライチェーンに多大な影響を与える可能性があり、海運会社を対象にアンケート調査を実施した結果によると70.59％が「貨物量は0％～10％減少する」と回答し、17.65％が「貨物量は10％～20％減少する」と回答し、さらに11.76％が「貨物量は0％～10％増加する」と回答した。 調査を通じて、海運会社の90％近くが関税政策によって輸出入量が減少すると考えており、そのうち、70％以上が輸出入量が0％～10％減少すると考えていることが分かった。

　韓国の韓国海洋振興公社（KOBC）は11日、米国のトランプ政権による関税政策が海運業界に与える影響を分析した特別レポートをまとめた。中国を除くほとんどの国に対する相互関税措置を90日間猶予することを発表したことで、海運業界もひとまず安堵したものの、海上荷動きの大部分を占めている米中間の貿易摩擦が激化する中、海上輸送需要の減少が避けられず、中長期的には、貿易構造の変化によるグローバル海運市場の不確実性の深化で、収益貿易策のための対応戦略の多様化が必要と指摘している。
　分析の結果、コンテナ船の需要に最も大きな悪影響を予想、タンカーは原油、天然ガス、石油製品などが相互関税措置から除外され、需要の減少に直接的な影響はないと予想。また、相互関税措置とは関係なく、自動車運搬船（PCTC）は、自動車と部品に品目関税25%が課され、段階的な海上輸送需要の減少が避けられないとしている。
　コンテナ船は極東、欧州の荷動きは米国全体の輸入量の約80%以上を占め、今回の相互関税リスクに直接さらされ、物量減少は避けられず、関税賦課→荷主負担の増加→物価上昇→購買力低下→物量減少につながり、低価格品目の消費財と家電製品から影響が出始めることを予想している。
　90日間の猶予措置により、短期的に中国発の出荷は急減、その他の地域は米国向け貨物の増加の可能性が高まる。ただ、他国の物量増加分が既存の中国発の物量に及ばないと予想されるため、中国発北米向けが55%以上を占めることから運賃の下方圧力が増加、北米航路の不振は北東アジアのフィーダー需要の萎縮につながる可能性がある一方、関税回避用の迂回輸出の増加で中国～東南アジア間の需要増加を予想している。
　需要低迷に備え、船社は欠便、コンテナ船の転配、減速、係船などを通じて供給調整が拡大、需要不振が長期化する場合、北米航路から他航路(欧州、南米、アジアなど)へのコンテナ船の転配拡大、その他航路の供給負担の増加につながる可能性があると指摘する。
　また、供給調整に失敗した場合、船社間の競争激化で収益性が悪化、運賃防衛に成功したとしても、物量減少の余波で事業規模は前年比縮小する見込みで、中長期的には、市況の不確実性の拡大により、船社ポートフォリオの多様化に伴う航路構造の再編が重要になるとみている。
また、自動車・自動車部品は関税が最大25%となり、韓国、EU、英国、日本など自動車生産国の輸出に悪影響を及ぼし、関税賦課による輸出競争力の低下により、米州向け需要の減少や船社の収益性が低下、自動車品目関税の影響で自動車輸出国の経済に非常に大きな負担となる可能性がある。
　中長期的にエンデミック（地域流行）後のグローバル自動車販売好調により6,500台積みで20年に12,600ドル／日から24年に10,3,300ドル／日にまで急騰したPCTCの用船料が下落、新造船発注の減少を予想している。

　Descartes Datamyneが米国税関データを基にまとめた3月の世界から米国向け荷動きは前年同月比11.8％増の238万3,062TEUで、うちアジア主要10カ国・地域発米国向けコンテナ（母船積み地ベース）は前月比0.4％増、前年同月比12.8％増の163万8,375TEUと19カ月連続のプラスになった。
　2月の国別では、首位の中国が前年同月比10.3％増の83万5,448TEU、韓国が1.3％減の21万5,272EU、ベトナムが41.5％増の18万4,685TEU、インドは26.0％増の8万7,622TEU、シンガポールは9.0％増の8万2,947TEUだった。また日本は8位で14.4％増の4万2,620TEUだった。
　品目別では、上位10品目のうち家具など5品目が前月比でマイナスになり10品目合計の伸び率は1％にとどまった。首位の家具類（HS94）は15.6％増の27万4,563TEU、機械類（HS84）は12.3％増の19万6,813TEU、プラスチックとその製品（HS39）が19.8％増の17万1,133TEU、電子機器（HS85）は1.9％減の13万6,854TEU、自動車関連（HS87）は0.5％増の9万4,633TEUだった。
　今年第1四半期（1～3月）の世界から米国向け荷動きは前年同期比8.9％増の709万2,064TEUで、うちアジア主要10カ国・地域発は11.0％増の511万2,454TEUだった。国別では中国が9.5％増の283万6,051TEU、韓国は7.8％増の62万8,524TEU、ベトナムは22.8％増の54万3,721TEU、インドが10.0％増の23万9,469TEU、シンガポールは13.5％増の23万5,942TEUだった。日本は8位で0.6％増の10万8,724TEUだった。
　品目別では、家具類が11.5％増の88万4,574TEU、機械類は12.2％増の57万5,999TEU、プラスチックとその製品が17.7％増の53万4,770TEU、電子機器（HS85）は1.8％減の42万507TEU、自動車関連（HS87）は0.6％減の28万1,180TEUだった。

　Descartes Datamyneが米国税関データを基にまとめた2月の米国発アジア主要10カ国向け荷動き（最終仕向け地ベース）は前月比0.2％増、前年同月比3.3％増の46万3,763TEUだった。
　仕向け地別では中国が18.5％減の10万3,997TEU、韓国は18.2％増の6万3,804TEU、インドが11.9％増の5万3,712TEU、日本は14.8％増の5万2,229TEU、ベトナムは16.3％増の4万4,511TEUだった。
　品目別では、パルプ・古紙（HS47）が51.2％増の7万3,375TEU、牧草・豆類（HS12）は39.1％減の5万754TEU、プラスチック（HS39）げ15.1％増の4万9,028TEU、、調整飼料（HS23）は1.5％減の3万580TEU、鉄スクラップ（HS72）は前年並みの2万179TEUだった。

　上海航運交易所（SSE）が11日に発表した中長期契約運賃の指標である中国輸出コンテナ運賃指数（CCFI）の総合指数（1998年1月1日＝1000）は1107.28と前週比0.4%上昇しプラスに転じ、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）は1394.7と0.1%上昇し3週連続でプラスとなった。
　先週のCCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が前週比0.8%下落し1595.45、地中海航路4.9%下落し1857.58、北米西岸航路が2.5%上昇し7962.27、北米東岸航路も2.4%上昇し939.10となった。
　南北航路は南米航路が4%下落し817.36となったほかは、豪州・NZ航路が3.7%上昇し867.55、中東ガルフ・紅海航路が4.5%上昇し1158.73、南アフリカ航路が2.5%上昇し960.64、東・西アフリカ航路も2.6%上昇し817.36と堅調だった。
　アジア域内航路は日本航路が0.5%上昇し981.45、東南アジア航路は3.6%上昇し990.12となったが、韓国航路は0.1%下落し498.46となった。

　OOCL（香港）はこのほど、顧客向けオンラインサービスのMy OOCL Center（MOC）へ新たに貨物管理業務を効率化する統合ソリューション「Control Tower」を実装した。
　Control Towerは顧客の貨物管理を革新するプラットフォームで、貨物のリアルタイムでの監視、エンドツーエンドでの可視化、AI予測による分析機能を備え、貨物管理を最適化できるという。顧客はこれにより、すべての輸送モードで貨物をリアルタイムで追跡し、情報に基づいたタイムリーな決定が可能となるほか、先を見越したプロアクティブな警告を受け取ることもでき、ニーズに合わせてリマインダーをカスタマイズし、物流計画に影響を与える前に対策を練ることができる。
　Control Towerを利用するには、MOCにサインインした後、ナビゲーションバーの「コントロールタワー」をクリックすれば利用できる。

　国際コンテナ戦略港湾政策に基づく国際基幹航路の維持・拡大に取り組む阪神国際港湾は、日本諸港利用促進事業の利用促進港として、4月から新たに北九州港、直江津港、新潟港の3港を追加したと発表した。
　神戸市港湾局、大阪港湾局は、国際コンテナ戦略港湾政策の一環として、「阪神港」における国際基幹航路の維持・拡大に向けてさらなる集貨を推進するため、国土交通省近畿地方整備局、阪神国際港湾と連携し、阪神港集貨事業に取り組んでいる。日本諸港利用促進事業では、外貿実入コンテナの輸送において、利用促進港と阪神港が共同で広報、PRなどを展開することで、両港を結ぶ海上輸送ネットワーク（内航船、フェリー、Ro/Ro船など）の利用を促進し、集貨や海上輸送ネットワークの拡充を図る事業。今回の3港の追加で、利用促進港は九州地方で油津港、伊万里港、大分港、北九州港、熊本港、薩摩川内港、志布志港、細島港、宮崎港、八代港、日本海側が秋田港、境港、敦賀港、直江津港、新潟港、伏木富山港、四国地方が徳島小松島港で、合計17港となった。

　MSC（スイス）はこのほど、欧州／極東／米国西岸航路の振り子サービス、Swan-Sentosaでスウェーデンのイエテボリ、オーフスに追加寄港した。
　新Swan-Sentosaは、シネス～ルアーブル～ロッテルダム～イエテボリ～オーフス～ハンブルク～アントワープ～ポートクラン～シンガポール～レムチャバン～カイメップ～釜山～ロングビーチ～オークランド～横浜～～寧波～上海～厦門～塩田～シンガポール～シネスの新ローテーションでサービスを開始した。
　MSCは従来、オーフス港では共に2Mを構成していたMaerskグループのAPM Terminalsが運営中のターミナルを利用してきたが、2M解消によりMSCは同港内に独自の施設を構築し利用することを発表している。

　OOCL（香港）はこのほど、日本／中国／東南アジア航路のKTX1～2を改編した。
　KTX1は、ホーチミン、錦州を抜港し、蛇口に追加寄港し、KTX2はホーチミン、カイメップに追加寄港し、南沙、厦門を抜港する。
　新KTX1には1,800～2,300TEU型4隻を投入、4月4日東京起こしの"Stephania"1,809TEUを第1船に、東京～横浜～名古屋～神戸～大阪～基隆～台中～香港～蛇口～シンガポール～ポートクラン～香港～蛇口～厦門～東京の新ローテーションでウィークリーサービスを開始した。
　またKTX2は2,600～2,900TEU型4隻を投入し、4月7日大阪起こしの"Irenes Rainbow"(2,782TEU）を第1船に、大阪～東京～横浜～名古屋～神戸～錦州～ホーチミン～レムチャバン～カイメップ～蛇口～大阪の新ローテーションでウィークリーサービスを開始した。

　2024年のイラン全港における総コンテナ取扱量は前年比13％増の295万6,300TEUだった。
　うち取扱量の首位はバンダールアバス港内の Shahid Rajaee Terminalで12％増の238万8,600TEU、同港の第2のターミナル、Shahid Bahonar Terminalも2倍となる4万6,100TEUだった。
　またインドの支援を受けて新たに開発したチャバハール港は83％増の9万800TEUになった。

　COSCO Shipping Lines（中国）は今月下旬から、極東／インド亜大陸航路のChina India 1（CI1）を改編し、ピパバブを抜港しムンドラに追加寄港する。
　新CI1は、上海～寧波～蛇口～南沙～シンガポール～ポートクラン～ムンバイ～ムンドラ～カラチ～コロンボ～シンガポール～香港～上海の新ローテーションでウィークリーサービスする。

　ベトナムのSaigon Newport（SNP）が運営する南部ホーチミンのタンカンヒエップフック港（TCHP）に9日、上海錦江航運（Shanghai Jinjiang Shipping、中国）が開始した上海とベトナムを結ぶSSX Serviceの第1船、"MILD SYMPHONY"（1,180TEU）が初寄港、現地で歓迎式を開催した。
　SSXには"MILD SYMPHONY"と"MILD CONCERT"（1,182TEU）の2隻を投入する上海～ハイフォン～ホーチミン～上海のローテーションによる定曜日ウイークリーサービス。米船社のMatsonと提携、上海経由で北米西岸のロングビーチを結び、ベトナムと米国国間の輸出入貿易の促進に貢献することが期待されている。
Matsonは太平洋航路で寧波～上海～ロングビーチ～ホノルル～グアム～那覇～寧波のローテーションでCLXと呼ぶ定曜日ウイークリーサービスと寧波～上海～ロングビーチ～ダッチハーバー～寧波のローテーションでMAXと呼ぶ定曜日ウイーククリーサービスを展開、中国の厦門、ベトナムのハイフォン、ホーチミン出し貨物も上海へフィーダー輸送しCLX、MAXに接続している。

　日本郵船グループの運航船社、船舶管理会社の旭海運、八馬汽船、三菱鉱石輸送の3社はこのほど、事業統合を目的に合併する方針を決定した。今後各社の株主総会で合併を決議する。
　3社は、これまで日本郵船のグループ会社としてビジネスを展開し、今回の合併により、3社の共通軸となる船舶管理機能を強化しつつ、類似する事業を統合することで、船舶管理業のみだけでなく、船主業・運航業でもいっそうの競争力強化を目指すとしている。
　2026年1月の合弁をめざし、新会社NYKバルクシップパートナーズ（予定）に統合する予定で、本社を東京に置く他、神戸に拠点を設置する。新会社の保有隻数は22隻、船舶管理隻数は91隻になる予定だ。

　商船三井がブロンズパートナーとして協賛している2025年日本国際博覧会（大阪・関西万博）が13日に開幕し、同社は未来社会ショーケース事業フューチャーライフ万博「未来の都市パビリオン」で、風を捉えて水素を製造、運搬する次世代のゼロエミッション船「ウインドハンター」の大型模型を使った来場者体験型アトラクションを中心とした展示を実施している。
　展示コーナーでは、体験型アトラクションとして長さ約4m・高さ約3ｍのウインドハンターの模型にうちわで風を送り、シミュレーション航海が始まり、水素が製造、運搬、供給されるまでの様子を大型スクリーンの映像で放映し、風に連動し、模型の帆が拡縮、回転、風量によってエンディングシーンも変わるなど、模型と映像を連動したゲーム感覚で遊びながら学べるようになっている。
　また大型スクリーンで「水素社会を創る」「無限の風を活かす」「ものづくりを繋ぐ」「暮らしの価値を生む」「未来を動かす」5テーマの、船と社会や産業、人との関わりを表現、海運業をより身近に感じられるコンテンツなどを放映する。

　小学館は知育雑誌「幼稚園」2025年6・7月号（4月25日ごろ発売）で商船三井とコラボした学んで遊べる「はたらくふねの　プログラミングパズル」を付録に付ける。
　ぜんまいのモーターで動く船の通る道を8枚のパズルを組み合わせて作る。モーターの船は、人を運ぶ「クルーズ船」や自動車を運ぶ「自動車船」、「2025 大阪・関西万博」に登場する未来の船「ウインドハンター」など5種類の船に着せ替えができるこれまでにないうユニークなものだ。

　大韓航空の25年第1四半期業績は、売上高が前年同期比3.5％増の3兆9,559億ウォン（約3,962億円）、うち旅客事業が4.0％増の2兆4,355億ウォン、貨物事業が5.8％増の1兆540億ウォン（約1,056億円）、営業利益が19.5％減の3,509億ウォン、純利益が56.0％減の1,932億ウォン（約194億円）と増収減益となった。
　旅客、貨物ともに需要増が持続したが、新たに導入したボーイングB787-10やエアバスA350snなど大型機の維持費に関連する運航コストの増加や為替差損などで利益が縮小した。

　国土交通省関東地方整備局の東京港湾事務所は、2025年度の事業概要を発表、東京港中央防波堤外側地区国際海上コンテナターミナル整備事業に37.8億円を計上した。
　国際コンテナ戦略港湾である京浜港の一翼を担う東京港において、コンテナターミナルの能力不足の解消、基幹航路におけるコンテナ船の大型化や交通量の増加に対応し、円滑な物流を確保するため、中央防波堤地区と有明側を結ぶ臨港道路（南北線）と中央防波堤外側地区に水深16mの耐震強化岸壁を有するコンテナターミナルを整備している。25年度は中央防波堤外側地区Y3岸壁（水深16m）（耐震）の本体工事、上部工事と、Y3泊地（水深16m）の浚渫工事を進める予定だ。また臨港道路（南北線）の調査・設計に取り組む予定だ。

　四日市港管理組合によると、25年2月の同港の外貿コンテナ取扱個数は、実入り空・輸出入合計で前年同月比8.5％減の1万2,892TEU、うち輸出が6.5％減の7,497TEU、輸入が11.2％減の5,395TEUだった。
　2月の実入りコンテナの輸出は9.9％減の6,480TEU、輸入が4,655TEUと17.7％減少、輸出入合計で13.3％減の1万1,135TEUだった。空コンテナは輸出入合計で41.9％増の1,757TEU。
　1～2月の国際フィーダーコンテナ取扱個数は前年同期比85.8％増の1,713TEU。1～2月実績を相手国別にみると、輸出ではベトナムが75.7％増の1,943TEU、韓国が29.6％増の1,636TEUとともに大幅増、中国が1.5％減の1,588TEU、台湾が14.1％増の1,458TEU、タイは27.7％減の1,083TEUだった。
　輸入は中国が1,943TEUと1.9％増、フィリピンも5.6％増の1,881TEU、韓国が37.0％増の1,723TEUと大幅増、インドネシアは21.7％減の1,376TEU、タイが19.9％減の1,190TEUだった。

　日本郵政は、同社の子会社・日本郵便が100％出資し設立したJWTが、トナミホールディングスに対して2月27日からTOB（株式公開買付け）していたが、4月10日をもって終了、17日（同公開買付けの決済の開始日）付で、日本郵政の孫会社（日本郵便の連結子会社）となる予定だと発表した。
　トナミHD株式の87.24％（議決権ベース）を取得、取得額は807億5,200万円。JWTは、対象者の株主をJWTのみとするための一連の手続きを開始、トナミHDは上場廃止となる予定だ。

　三菱倉庫は、経済産業省、東京証券取引所と情報処理推進機構が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄（DX銘柄）2025」で、「DX銘柄2025」の選定を受けた。
　「DX注目企業2023」「DX銘柄2024」に続き、3年連続3度目の選定となる。「DX銘柄2025」の選定では、経営トップ自らが経営計画の一環として「先端技術の活用などによる業務プロセスの改善と新ビジネス創出」を社内外に積極的に発信することで、着実にDXを推進したこと、企業内大学「MLCアカデミー」の開校や社内新規事業公募プログラム「MLCイノベーションプログラム」の創設などの活動を通じて人的資本経営を推進し、人材育成と挑戦を後押しする組織風土を醸成したこと、サイバーセキュリティ対策について平時や有事の両面から対策を整備するとともに、定期的な訓練や第三者による脆弱性診断などにより、ITレジリエンス向上を継続、医薬品物流プラットフォーム「ML Chain」をはじめとしたDX施策の進捗による、企業価値の向上などを高く評価した。

　ペルーの公正競争・知的財産保護庁（INDECOPI）は10日、中国国営の海運大手、中国遠洋海運集団（COSCO Shipping Group）が60％出資するチャンカイ港の利用料について、同庁自由競争保護委員会（CLC）が調査をした結果、自由競争を妨げる料金設定があるとの結論に至ったと発表した。
　CLCは、市場の独占や寡占による自由競争の妨げから消費者を守り、ペルー経済の健全な発展を維持するための独立した調査機関。今回の調査は公共交通施設投資監督庁（OSITRÁN）の要請に基づいて実施したもので、CLCは既に調査結果をOSITRÁNに送付している。
　発表によると、調査項目は本船荷役、船舶の係留、運輸サービスなどで、首都リマに近いカヤオ港との競争性の確保という視点から実施した。両港は地理的条件に加え、運営方式も異なることから、輸出入業者、船舶会社、運送会社などへもヒアリング、技術的な調査を行ったという。
　ペルーの首都リマの北方78kmに位置するチャンカイ港は昨年11月14日に開業、総岸壁延長1,500m、4バースを持ち、最大級のコンテナ船の寄港・荷役に対応可能で、2バースがコンテナ専用、他2バースがコンテナを含む多目的バースになっている。年間貨物処理能力はコンテナ100万TEU、バルク貨物600万トン、車両16万台で、バースの周辺にはヤード、倉庫、多目的物流エリアを備え、パンアメリカンハイウェイにも1.8kmのトンネルで接続している。

　経済産業省は、サプライチェーン強化に向け、セキュリティ対策評価制度を構築する方針で、2026年度の制度開始を目指し、実証事業や制度運営基盤の整備、利用促進に向けた各種施策の実行などを進めていく。
　サプライチェーンに起因するサイバー・インシデントを背景に、企業の取引においてもサイバーセキュリティ対策の担保が必要となる中、異なる取引先がさまざまな対策水準を受注企業に要求、発注企業は外部から各企業などの対策状況を判断することが難しいといった課題が発生している。経産省では、こうした課題に対応するため、サプライチェーンにおける重要性を踏まえた上で満たすべき各企業の対策を提示しつつ、その対策状況を可視化する仕組み（サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度）の検討を進めるべく、産業サイバーセキュリティ研究会ワーキンググループ1サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度に関するサブワーキンググループにおいて、制度の目的や位置付け、要求項目・評価基準の内容、制度の普及のために必要な施策などについて有識者・産業界とも議論を継続してきた。今回、その検討内容を中間取りまとめとしてまとめた。
　同制度では、制度に基づくマークの取得を通じて、ビジネス・ITサービスサプライチェーンにおける、取引先へのサイバー攻撃を起因とした情報セキュリティリスク／製品・サービスの提供途絶や取引ネットワークを通じた不正侵入などのリスクに対する適切なセキュリティ対策を促し、サプライチェーン全体でのセキュリティ対策水準の向上を図る。
　具体的には、2社間の取引契約などで発注企業が、受注側に適切な段階を提示し、示した対策を促すとともに取り組み状況を確認することを想定している。
　今後、2026年度の制度開始を目指し、実証事業などを通じた評価スキームの具体化や制度の利用促進のための施策の検討などを進めていく予定となっている。

　新造クルーズフェリー「パンスターミラクル」が14日、大阪国際フェリーターミナルに初入港、船上で記念式典が盛大に開催、日韓を結ぶ新たな航路の幕が開いた。
　同船は釜山市の大鮮造船で建造、2万2,000gt、長さ171m、幅25.4mで、102の客室に乗客を最大355人収容、コンテナ250TEU余りも積載できる。騒音と振動を最小限に抑えた船型を採用し、ディーゼルエンジンに電気モーターと発電機機能を加えた環境にやさしいハイブリッド推進方式を導入し、燃料消費と排出ガスを大幅に削減している。
　式典では、パンスターグループの金泫謙（キム・ヒョンギョム会長（写真右）と、日本現地法人で総代理店のサンスターラインの舎野祝光代表取締役総括社長が登壇し、”パンスターミラクル”の魅力や今後の展望について語った。
　キム会長は挨拶で、釜山／大阪航路は2002年日韓共催のワールドカップを前に、両国の交流拡大を目的に開設に合意した海運会談の成果でもあり、三菱重工で建造、4年間運航された”サンスターフラワー黒潮号”を買い取り、”パンスタードリーム号”と命名、23年間にわたり大韓海峡と瀬戸内海を横断しながら、両国の人的・物的効率拡大と友好促進に貢献してきたと述べた。
　そのうえで、今年は日韓両国が国交を樹立して60周年の節目の年でもあり、新たに就航した”パンスターミラクル号”が両国の国民の交流と友好が深まることを願っているとし、今後は釜山／大阪航路に加え、韓国と日本の観光地を結ぶ定期国際クルーズ運航も計画、すでに両国の多くの地方自治体からも多くの要望をいただいており、ミラクルクルーズを通じてより多くの地方自治体が活発化に交流できるよう協力、新たな観光需要を開発し地域経済の活性化につなげたいと抱負を語った。
　また、舎野社長はこれまでパンスターが福岡県の人口に匹敵する172万人の乗客を輸送、2018年に台風21号が大阪に来襲、関空が閉鎖、3,000人余りが孤立した際は、飛行機に代わり、大阪から釜山まで乗客を輸送、さらに2011年3月の東日本大震災には、釜山の小学生が集めた段ボール12箱分の文房具を被災地の施設に届け小さくて大きな貢献を果たしたエピソードを披露、新造船の就航を機にさらに日韓の経済、人の交流の促進に貢献していきたいと述べた。
　さらに、来賓として陳昌洙・駐大阪韓国総領事、大阪、神戸のコンテナ、フェリーターミナルを管理する阪神港湾の木戸貴文社長らも挨拶、この航路が日韓間の関係をより強化する役割を果たすよう期待を表明した。
　式典では記念品交換（写真左）や鏡開きが行われ、木戸氏の発声で関係者一同で乾杯し、航路の発展を祈念、船内ツアーも実施、束の間ながらも同船の豪華な設備を体験した。

　海外の海事メディアは14日、MSCグループ（スイス）のターミナル会社、Terminal Investment Ltd.（TiL）がCK Hutchison（香港）の運営する世界43港湾のターミナルを買収する意向を表明したと伝えている。対象には最近焦点となっているパナマ運河を挟むバルボア港、クリストバル港の運営権は含まれておらず、2港は米国大手投資ファンドのBlackRockとTiLとのコンソーシアムが獲得することになるとし、BlackRock傘下のGlobal　Infrastructure Partnersの持分が51％を、TiLは残りの49％を保有するという。
　売却によりCK Hutchisonは228億ドルを得る見通しだが、中国政府は港湾事業のほとんどを売却する今回の取引に反発を強めており、米中対立下の政治的な意味合いの強い取引の様相を示している。

　国際労働機関（ILO）は11日、海事労働条約（MLC）の画期的な改正を承認した。ジュネーブで開催した1週間の集中会議で海事労働者が直面する重要な課題に対処する重要な変更点を包括的に審議、船員を基幹労働者に指定する条項、本国送還要件の強化、ビザなしでの上陸休暇の取得保証などを盛り込んだ改正案を承認したもの。6月2～13日に予定されている第113回ILO国際労働会議で承認、2年余り後の2027年12月に発効する予定だ。
　国際運輸労連（ITF）では、船員の権利基準の大幅な変更案と、 船員を「主要労働者」と定義し、その迅速な認識を求める決議案が盛り込まれたことで、船員の権利が大きく前進し、船員がより適切な保護を受け、医療や旅行を受けやすくなり、常に強力な支援を受けられるようになると指摘した。