ニュースダイジェスト

　X-Press Feeders（シンガポール）はこのほど、ポルトガル／スペイン航路のPSXを
改編し、新たにタンガーメド港に追加寄港するとともにリスボンを抜港する。
　新PSXは、”Baltic Shearwater”（1,638TEU）を単船投入し、3月22日タンガーメド起こしから、タンガーメド～レイショエス～アルヘシラス～タンガーメドの新ローテーションでウィークリーサービスを開始した。
　X-Press Feedersにとり、新PSXはポルトガルとモロッコを結ぶ、SPX、SPX3に続く 3番目のサービスとなる。

　韓国海洋振興公社（KOBC）が14日に発表した先週の釜山港を基準とする韓国型コンテナ運賃指数（KCCI：KOBC Container Composite Index）は、欧州・地中海向けが下落し、1800と前週比1.59%下落、再び値下がりした。
　釜山発輸出コンテナ運賃指数は、北米、欧州など13航路の各地域別の主要港湾向けスポット運賃（THCなど含む）のFEUあたりの航路別指数と総合指数で構成、航路別指数は荷動き量などを反映して算出、一方で総合指数は航路別運賃指数を加重平均して指数化している。
　航路別にみると、東西航路は北米西岸航路が前週比1.46%上昇し2,566ドル／FEU、北米東岸航路が0.87%上昇し3,606ドル／FEU、欧州航路が5.51%下落し2,162ドル／FEU、地中海航路も4.95%下落し2,881ドル／FEUだった。
　南北航路は、中東航路が0.32%上昇し2,226ドル／FEU、豪州航路が0.28%上昇し1,777ドル／FEUとなった一方、南米西岸航路が0.96%上昇し1,873ドル／FEU、南米東岸航路が12.58%下落し1,946ドル／FEU、南アフリカ航路も1.91%下落し2,977ドル／FEUだった。
　アジア域内航路は、日本航路が0.77%下落し257ドル／FEU、中国航路が2.04%下落し48ドル/FEU、、東南アジア航路も0.43%下落し1,157ドル／FEUとなった。

　ハンブルク港でHamburger Hafen und Logistik AG（HHLA）が運営するコンテナターミナル、HHLA Container Terminal Altenwerder （CTA）でこのほど、ハンブルク港湾局（HPA）が設置した陸電供給ステーションが初めて、接岸したコンテナ船”MSC Athens”（8,827TEU）に陸電供給試験を実施した。試験はHHLA、HPA、MSC（スイス）が共同で実施したもので、陸電供給の通常運用実現に向けて今後も試験を実施し通常運用化を目指す。
　HPAは現在、港内の3コンテナターミナル全てに陸電供給設備の設置・運用を目指しており、HHLA Container Terminal Burchardkaiには今年末までにステーションを建設し、全てのターミナルで寄港船への陸電供給を実現するとしている。
　MSCは現在陸電供給に対応したコンテナ船を約40隻保有しており、同港ではこれらの船の寄港時にCO2排出を大幅に削減し、サプライチェーンの持続可能性の向上に寄与するとしている。

　トルコ全港における今年第1四半期（1～3月）の総貨物取扱量は1.1％増の1億3,590万トンで、1Qの過去最高を記録した。特に輸入が増加に寄与し5.2％増の7,020万トン、一方で輸出は1.3％減の3,560万トン、内貿は9.8％減の1,330万トンだった。
　またコンテナ取扱量はほぼ前年並みの335万TEUだった。

　山九の台湾現地法人、山九昭安國際物流は、DuPont Taiwan Ltd.（台湾デュポン）から2024年度サプライヤー・パフォーマンス優秀賞を受賞した。
　同賞は台湾デュポンと同社関連会社にサービス提供をしている企業の中から、特に高いパフォーマンスを発揮したサプライヤー企業に贈るもので、山九は2015年から台湾デュポンと同社関連会社の倉庫保管業務を手がけており、質の高い物流サービスと最適な物流ソリューションが高い評価を受けた。同賞は2021年度に続き2度目の受賞となる。受賞対象となったのは、2019年から開始した台湾デュポンの半導体用洗浄液と研磨材料に関する物流サービス。これらの製品は台湾の大手半導体企業を中心に広がりを見せており、山九昭安はカスタマイズした専用システムを開発すると同時に専門チームを設置しスタッフを育成している。同システムと人との融合をによる高水準な倉庫・物流オペレーションのサービス提供を通じて、顧客が安心して業務を委託できる体制を整えている。

　日本郵船グループの郵船クルーズは10日、ドイツ・エムデン港で造船会社のMEYER WERFTから新造客船”飛鳥Ⅲ”の引渡しを受ける調印式を開催した。
　調印式では、2023年9月のスチール・カッティングセレモニーの際に、建造の安全を祈願した2つのだるまに目入れを行い、新造船の竣工を祝った。調印式の後には、引き渡しの際の伝統的な儀式となる、国旗交換も実施した。
　同船は飛鳥クルーズ3番船となり、飛鳥クルーズが日本で培ってきたクルーズ文化、和のおもてなしを継承しながらも、多彩なダイニング、エンターテイメントやウェルネスなど心身を満たすプログラムを備えている。
　”飛鳥Ⅲ”は全長230m、幅29.8m、乗客数740人、乗組員数約470人で、初代船長には、飛鳥クルーズ第11代船長の小久江尚氏が就任し、今年7月20日に初就航する。

　先週の国輸出コンテナ輸送市場は、米国の対中関税措置で中国発の荷動きが弱含み、北米向けスポット運賃が下落したことを要因に、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）も1394.68と前週から0.1%の上昇にとどまり、ほぼ横ばいだった。
　先週のSCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が前週比1.5%上昇し1,356ドル／TEU、地中海航路が5.7%上昇し2,144ドル／TEU、北米西岸航路が4.8%下落し2,202ドル／FEU、北米東岸航路も2.4%下落し3,226ドル／FEUとなった。
　南北航路は南アフリカ航路が1.9%下落し2,151ドル／FEUだったが、豪州・NZ航路が8.7%上昇し890ドル／TEU、中東ガルフ航路が1.5%上昇し1,309ドル／TEU、南米航路が9.%上昇し1,566ドル／TEU、東・西アフリカ航路も3.9%上昇し3,894ドル／TEUと全体的に値上がりした。
　アジア域内航路は、東南アジア航路が0.7%上昇し448ドル／TEU、韓国航路が横ばいの142ドル／TEUで安定していたが、関西航路は1.9%下落し316ドル／TEU、関東航路も4.9%下落し321ドル／TEUだった。
　米国による強硬な対中関税措置が北米航路の荷動きに悪影響を及ぼし、需給不均衡を深刻化させ、中国発の物量が弱含みとなる一方、それ以外の国では追加関税の上乗せが90日延期されたことに対応、駆け込み出荷が進みそうだ。
　北米往航は中国発貨物の縮小は避けられないとみられ、混乱の長期化に伴い、コンテナ船の再配置が拡大する場合、他航路でも供給が増え、運賃の下押し圧力が高まることが予想されている。
　欧州航路はアジアから北米向け輸出が制限され、一部貨物が欧州向けに振り向けられる事例が現れ、運賃防衛のための船社による供給調整と並行し、スポット運賃は堅調に推移している。
　アジア域内航路は中国～米国間の荷動き低迷が、北東アジア地域でのフィーダー貨物の積み替え需要にマイナスの影響を与えるとみられる一方、東南アジア出し米国向け貨物の追加関税上乗せ措置延期により、対米輸出貨物の迂回需要が増加する可能性があるとみられている。

　CMA CGM（仏）はこのほど、エジプトで内陸港を運営するOctober Dry Portの株式の35％を取得した。
　CMA CGMはすでにアレクサンドリア港と来年稼働を開始するアインスクナ港の新ターミナルの運営に着手しており、今回October Dry Portが運営するカイロ近郊の、エジプトの全主要港と接続している内陸港の運営に参画することで、エジプトの市場におけるプレゼンスの確保と低排出の複合輸送ネットワークを強化する。
　同内陸港の年間コンテナ処理能力は45万TEUになる。

　カリフォルニア州・ロサンゼルス、ロングビーチ港における3月、第1四半期（1～3月）のコンテナ取扱量はいずれも前年超えとなった。ロサンゼルス港の3月の総コンテナ取扱量は前年同月比4.7％増の77万8,404TEUだった。
　うち実入りの輸入が1.6％増の38万5,531TEU、輸出は15.0％減の12万2,975TEU、空コンは23.2％増の26万9,898TEUだった。
　1Qの総コンテナ取扱量は前年同期比5.2％増の250万4,049TEUだった。うち実入りの輸入が4.3％増の128万2,598TEU、輸出は14.5％減の34万5,402TEU、空コンの輸入は7.3％減の1,239TEU、輸出は17.4％増の87万4,810TEUだった。
　ロングビーチ港における3月の総コンテナ取扱量は前年同月比25.0％増の81万7,457TEUだった。
　うち実入りの輸入が25.8％増の38万562TEU、輸出は1.0％減の10万4,063TEU、空コンの輸入は9.5％増の1万7,213TEU、輸出は36.8％増の31万5,619TEUだった。
　1Qの総コンテナ取扱量は前年同期比26.6％増の253万5,575TEUと、1Qの過去最高を記録した。うち実入りの輸入が27.5％増の122万880TEU、輸出は4.9％増の29万2,744TEU、空コンの輸入は7.7％増の44836TEU、輸出は34.9％増の97万7,117TEUだった。

　日新は23日、同社のデジタルフォワーディングサービス「Forward ONE」について紹介する無料オンラインセミナーを開催する。
　Forward ONEでは、これまでメールや電話で確認が必要だった本船動静や輸出入作業の進捗状況をオンラインサイト上で分かりやすく確認でき、関係者間の情報共有をスムーズにできる点に特長がある。今回のセミナーでは、実際の活用事例や最新アップデート情報を交えながら、30分（23日14時～14時30分）で作業進捗・トラッキング機能を中心に紹介する。セミナーはZoomウェビナー（無料）で、申し込みは同社サイトから。

　関西エアポート、ANA Cargo、NIPPON EXPRESSホールディングス（NXHD）の3社は、2025年9月16～19日に大阪と京都で開催する「Pharma Logistics Masterclass 2025」（PLMC）にプラチナスポンサーとして協賛する。
　PLMCは、Pharma.Aeroとアントワープ大学が主催する、医薬品業界における物流の専門知識を深めるための高度なトレーニングプログラム。同プログラムは年に一度、世界のいずれかの国で開催しており、日本は世界トップ5の医薬品市場に入っており、またライフサイエンスと医療技術のサプライチェーン業界で重要な役割を担っていることから今回の開催地に選ばれた。同プログラムは業界の専門家や学者が集まり、医薬品サプライチェーンの最新の課題や技術について議論し、知識を共有する場を提供する。また、教育機関とも提携し、産学連携を強化するための重要なプラットフォームとなっている。

　Resilire（東京都港区）は、同社が開発・提供するサプライチェーンリスク管理クラウドサービス「Resilire」をIHIが導入したと発表した。
　近年、地政学的な緊張やパンデミックの発生、人権問題といった地球規模のリスクに加え、国内に目を向けると、大規模な自然災害や中小企業を中心とする取引先の倒産・廃業、物流危機、サイバー攻撃など、さまざまなリスクがサプライチェーン上に発生、それらリスクの可視化と対策が極めて重要な経営課題となっている。
　IHIグループは多岐にわたる事業体を擁し，グループ全体でのサプライチェーンに関する情報の一元管理や、リスク発生時の迅速な影響把握、さらに平時における潜在的なリスクの把握と予防対応に課題を抱えていた。今回、サプライチェーンの可視化を推進し、リスク発生時の適切な対応体制の構築や、平時におけるリスクの分析と予防対応を目的として「Resilire」を導入した。Resilireを活用することで、仕入先企業とも協力しながら、外部環境の変化に適合した持続可能なサプライチェーンの構築をグループ全体で目指していく。
　IHIでは、Resilireの導入で、サプライヤー情報の一元管理、リスクのリアルタイム検知と影響範囲の迅速な特定、平時のリスク可視化が可能となる。まず車両過給機部門での活用を進めつつ、全社での一元管理へと展開していき、グループ全体でより効率的で正確なリスク対応や、戦略的なSCMが実現できると期待している。

　福岡市港湾空港局の発表によると、25年1月の博多港の内外貿合計コンテナ取扱個数は前年同月比0.9％増の7万5,647TEU、うち外貿コンテナ取扱貨物に内貿フィーダーコンテナ取扱貨物を加えた国際海上コンテナ取扱個数も0.5％増の7万451TEUと2カ月連続のプラスとなった。
　国際海上コンテナ取扱個数のうち、外貿輸出が0.2％増の2万9,265TEU、輸入は3万5,402TEUと0.3％増加、内貿フィーダーは移出が1.3％増の2,963TEU、移入は2,821TEUと4.3％増加した。

　輸送事業を展開するナカノ商会（東京都江戸川区）は、関東・関西・東北エリアを対象に常温食品に特化した共同配送サービスを展開する。
　複数のメーカーの荷物を同社の配送センターに集め、同じ納品先別に仕分け・配送することで物流の効率化を図るもので、チャーター便だと荷物が少なくてもトラック1台分のコストがかかるが、共同配送は物量に応じた運賃形態なので、配送コストの最適化を実現できる。共同配送を利用することで、自社だけでなく問屋・卸企業にもメリットが創出できる。
　共同配送サービスでは、岩手・宮城・千葉・大阪に共配センターを構え、関東・関西・東北エリア全域をカバーしている。また各センターでは在庫型・無在庫型両方を兼ね備えた共配システムを導入、賞味期限管理やロット管理にも対応している。
　対象貨物は、常温食品を中心に対応、バラ貨物や規格外のシートパレットにも対応可能だ。ロット数の制限はなく、1ケース単位での入出荷や多頻度の納品にも対応する。また調達から販売物流までカバーでき、工場への集荷やセンターまでの幹線輸送だけの依頼も可能だ。また小口ごとの仕分けをすることなく、配送センターに一括して幹線輸送が可能だ。さらに調達～保管～配送まで一括でカバーできるため、コスト削減だけでなく、配送トレースも正確に把握でき、配送遅延などのリスク管理にも適している。

　川崎市港湾局が15日発表した2024年の海上貨物取扱量は12.9％減の5,504万トンと3年連続のマイナスとなった。外貿貨物は前年比18.5％減の3,105万トンで、うち輸入が15.5％減の441万トン、輸入は18.9％減の2,665万トンだった。またコンテナは6.4％減の118万トンだった。
　内貿貨物は4.5％減の2,398万トンで、うち移出が1.9％減の1,321万トン、移入は7.4％減の1,078万トンだった。またコンテナは25.2％減の12万トンだった。
　総コンテナ取扱量は個数ベースで3.5％減の10万2,205TEUと4年連続のマイナスとなり、うち外貿コンテナは5.1％減の8万1,340TEUだった。輸出は14.6％減の4万4,190TEU、輸入は4.5％増の4万4,190TEUだった。輸出では台湾向け完成車が増加し、インドネシア向け自動車部品が減少、輸入では中国からその他日用品が増加した一方、中国からの家具装備品が減少した。
　また内貿コンテナは3.4％増の2万865TEUで、うち移出は27.9％増の1万2,797TEUで横浜向け空コンテナが増加、移入は20.7％減の8,068TEUだった。
　入港船隻数は隻数ベースで4.7％減の1万5,459隻、トン数ベースで14.6％減の6834万総トンと、隻数、トン数いずれも3年連続で減少した。
　うち外航船は10.8％減の1,918隻・18.3％減の4,767万総トンで、そのうちフルコンテナ船は15.1％減の405隻・15.2％減の620万総トンだった。
　また内航船は13.8％減の1万3,541隻・4.8％減の2,066万総トンになった。

　エーアイテイー（AIT）の2025年2月期の連結業績（2024年3月1日～2025年2月28日）は、売上高が前年同期比8.2％増の556億3,800万円、営業利益は5.9％減の40億7,300万円、経常利益は為替差益の計上などで0.1％減の45億3,200万円と前年同期と同水準となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2.0％増の30億4,700万円と前年同期を上回った。
　日本における海上輸送の取扱コンテナ本数は、輸入で1.1％増の23万1,070TEU、円安の状況下で輸出貨物の集荷にも注力、米国や中国、台湾、インドなどに向けた貨物が増加し輸出は19.2％増の1万7,829TEUと堅調な伸びとなり、輸出入合計で2.2％増の24万8,899TEUとなった。通関受注件数も子会社での受注増加が寄与し、3.2％増の13万9,294件となった。日本の売上高は、7.5％増の471億4,300万円、セグメント利益は、6月以降の海上運賃の上昇による売上総利益率の低下と人件費などの増加で、10.2％減の31億8,500万円だった。
　中国については、検品・検針の受注は、厳しい環境が継続しているものの、4月以降で日本向け貨物の取り扱いが安定、中国国内での輸送関連の収益も確保、さらには、円安に伴う円貨換算額の増加が収益を押し上げ、売上高は6.8％増の68億6,900万円、セグメント利益は売上総利益率の改善に加え、費用の削減や抑制にも取り組み、12.4％増の6億7,800万円となった。
　ベトナムの子会社は、日本向け貨物の取り扱いが回復傾向にあり、台湾の子会社でも、日本からの輸入貨物の増加などで収益機会が増加、ミャンマーの子会社では、輸送関連の収益が安定的に確保でき、検品・検針の受注も堅調に推移した。加えて、円安に伴う円貨換算額の増加もあり、その他の売上高は43.7％増の16億2,400万円と大きな伸びを示し、セグメント利益は18.6％増の2億900万円となった。
　これらの結果、期末配当は1株当たり40円、年間80円とした。今期（26年2月期）の連結業績予想は、通期で売上高が前年同期比7.8％増の600億円、営業利益5.6％増の43億円、経常利益が3.0％増の46億7,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は4.0％増の31億7,000万円を見込む。

　川崎港のコンテナ貨物集荷とサービス水準の向上を推進する川崎港戦略港湾推進協議会は、会長に西修一氏（川崎港運協会会長）を選任した。
　同協議会は、国際戦略港湾「京浜港」の一翼を担う川崎港のコンテナ利用の一層の拡大を図るため、官民一体となって課題や方策を検討している。

　川崎汽船は15日、3月28日にミャンマーで発生した大地震の被害者支援と被災地復興のため、日本赤十字へ200万円の義援金を拠出すると発表した。

　SGホールディングスグループの物流部門、SGHグローバル・ジャパンのベトナム現地法人、SG佐川ベトナムは今月から、名糖運輸の子会社のメイトウベトナムと連携し、ホーチミン／ハノイ間で中部ダナン経由する南北コールド混載輸送サービスを開始する。
　新サービスは、ホーチミンを出発後、ダナンを経由し、ハノイまで片道約1,800kmを約48時間で接続するもので、常温貨物と混載することで、多様な冷凍・冷蔵貨物をリーズナブル価格で輸送する。
　これにより冷凍・冷蔵・小口輸送のビジネスモデルを構築し、ASEAN地域で競争力のあるサービスが提供可能となる。また、食料品の他、医薬品の輸送にも活用し顧客の多様なニーズに対応する。同社はベトナムでの事業基盤を活用し、他のASEAN地域にもサービスを展開するとしている。
　近年、ASEANではコールドチェーンの需要が高まっており、またベトナムは南北に約1,800㎞の距離があり、各地域で異なる産品があるため、佐川ベトナムが強みとする南北間への輸送と、低温輸送・管理に強みを持つメイトウベトナムが連携し各地域の特色ある産品をタイムリーに配送することが可能となった。

　国際空港評議会（ACI）はこのほど加盟2,181空港の24年の暫定利用実績をまとめて上位10空港を発表した。それによると、世界の空港取扱貨物量は1億2,400万トンで前年に比べて8.4％増加、パンデミック前の19年との比較でも3.9％増と初めてプラスに転じた。
　取扱量上位10空港の合計取扱量は3,230万トンで全体の約26％を占め、前年比では9.3％の伸び、19年のトップ10の実績2,950万トンを9.5％上回った。eコマース需要の力強い伸び、海上輸送の混乱によるモーダルシフト、ジェット燃料価格の下落などの要因が貨物量の伸びを支え、上位10空港のうち前年比マイナスは1空港のみだった。
　順位は香港が前年比14.1％増の2ケタ増で493.8万トンと21年から4年連続でトップを維持し、500万トンの回復を目前にした。2位と3位は前年から入れ替わり、上海浦東が初めて2位に上昇、フェデックスのハブ空港メンフィス（米国）が3位に後退した。
　4位はアンカレッジ（米）で変わらず、5位と6位は入れ替わり、UPSの本拠地ルイビル（ケンタッキー州）が5位に上昇して仁川（韓国）が6位、7、8位はマイアミ（米）、ドーハ（カタール）で変わらず、9位には広州白雲（中国）が16.9％増と上位10空港では最大の伸びで初のベスト10入り、10位台北（台湾）は前年からワンランク後退した。

　ロンドン・ヒースロー空港の25年3月貨物・郵便取扱量は前年同月比0.2％の微増で14万3,982トンだった。旅客機のベリースペースが4％増加したことで前年比プラスを維持することができた。同空港は3月21日に近くの変電所の火災による停電で閉鎖され、一部貨物は他空港へ振り替えられたが、大きな影響は出なかった。
　1〜3月の累計では前年同期比0.5％減の39万429トンでわずかに前年の水準を下回った。
　おもな貿易相手地域では、最大の北米が13.6％の2ケタ増で6万1,837トンと過去最高となったが、アジア太平洋が5％減の3万5,766トン、中東が7.9％減の2万2,811トン、アフリカが1.6％減の8,297トン、EUが24.4％減の7,136トンといずれもマイナスだった。

　フランクフルト空港が3月に取り扱った貨物量は、公共部門の労働者組合による1日ストの影響を受けたものの前年同月比4.8％増の18万1,022トン、郵便も含めると3.2％増の18万4,679トンと3カ月連続でプラスを維持した。取り卸しが9.1％増の9.08万トン、積み込みが0.8％増の9.02万トンだった。
　貿易相手地域は北米に代わって中国がシェアを広げ、北米線が1.1％の落ち込みとなったのに対して中国線は30.2％の大幅増に、貨物機輸送では北米線の15.8％減・1.56万トンに対して中国線は39.9％増・3.1万トンと明暗を分けた。ただ、旅客機のベリー輸送では中国が横ばいだったのに対して北米線は13.3％増の2.15万トンと2ケタ増を記録した。
　そのほかの地域では中東が3.6％減、中南米が8.5％増、アフリカが3.4％増、欧州域内はストライキ効果で3％の増加となった。

　香港の海運調査会社、Linerlyticaによると、トランプ米大統領が中国を相手に始めた貿易戦争により、太平洋航路のニッチなコンテナ船社であるHede Shipping（中国）、Matson（米国）、SeaLead Shipping（シンガポール）、T.S. Lines（香港）が最も大きな打撃を受けると分析している。
　Linerlyticaでは、米中対立がコンテナ市場のを悪化させ、今後3週間で中国発米国向けの貨物のブッキングは30～60％、残りのアジア諸国発は10～20％減少すると予想、さらに5月は1日から5日まで労働節連休のため、貨物がさらに減少する可能性が高いと付け加えた。
　デンマークの海運調査会社であるSea-Intelligenceも同様の分析を出し、「貿易戦争は特に小規模のニッチコンテナ船社にとって破壊的で、大多数のニッチ船社は中国から輸出される貨物に依存しており、突然中国産以外の原産地貨物に転換する準備ができていないと指摘、 これらのニッチコンテナ船社の一部は、貿易戦争期間中、サービス全体の中断を余儀なくされる可能性もあるとみている。
　一方、米中貿易戦争による影響は港湾のコンテナ取扱量にも反映され始め、中国の交通運輸部は15日、4月7日から13日までの中国港湾におけるコンテナ取扱量が6.1%減少したと報告した。

　日本港運協会と全国港湾労働組合連合会（全国港湾）／全日本港湾運輸労働組合同盟（港運同盟）の25年港湾春闘の第4回中央団交は、16日の午後1時半から開催、交渉は不調に終わったものの、日港協が国土交通省と連名で3日に発出した「港湾運送事業の運賃・料金における適切な価格転嫁に向けたお願い」について、荷主団体に直接申し入れするとの姿勢を示したため、組合側は26日（土）に予定していた24時間ストライキを解除した。
　また通告済みの20日（日）と27日（日）の24時間ストライキについては、そのまま解除せず、新たに連休明けの5月11日（日）の24時間ストを通告した。中央団交の開催については未定だが、28日（月）13時から労使間で事務折衝する予定だ。
　日港協は、冒頭、ストライキは是非回避したいと述べたものの、組合側としては具体的な内容は多くはないとしつつも、変化を受け止め、戦術を変更したとしている。日港協では国交省と連名の要望書について、港湾ユーザーへ直接申し入れするとして、従来の船社団体に加え、荷主団体に初めてアプローチする姿勢を示したことに、組合側が一定の理解を示したようだ。今後、日港協は国交省を通じて、経済産業省と農林水産省に、申し入れ先（荷主団体）の紹介を要請するとしている。これにより、適切な価格転嫁の運動を加速、賃金の個別交渉の後押しにつなげるとともに、内航フィーダー問題や基金の問題の解決につなげていきたい考えだ。

　国土交通省関東地方整備局の京浜港湾事務所は、横浜港国際海上コンテナターミナル再編整備事業に25年度事業費として252.91億円、川崎港東扇島～水江町線地区臨港道路整備事業に84.84億円をそれぞれ計上した。
　横浜港でのコンテナターミナルの再編整備では、25年度に本牧ふ頭地区D5岸壁（水深16m）の改良と耐震工事、荷さばき地の撤去工事、舗装工事、地盤改良工事を進めるとともに、本牧ふ頭地区BC2航路（水深16m）、航路・泊地（水深16m）、泊地（水深16m）の調査工事、新本牧地区岸壁(水深18m)の耐震工事、護岸の防波工事、荷さばき地の地盤改良工事、基礎工事、本体工事などを進める。川崎港東扇島～水江町線地区臨港道路整備事業では25年度に水江町地区などにおける橋梁の主塔・主桁架設工事、上部工事と下部工事を進める。

　中国の上海航運交易所（SSE）がまとめた3月の世界コンテナ港上位20港（22年コンテナ取扱量ベース）における港湾の運営効率は中国の主要港の運営効率が変動したが、欧米などの主要港の運営効率は安定していた。
　3月は季節の変わり目で強風や霧などの異常気象が増加し、中国の一部港湾で運航に影響が出た。 中国の主要港における外航コンテナ船の平均在港日数は1.56日、平均停泊日数は0.87日となり、前月比でそれぞれ9.1％、4.8％増加したが、他の海外主要港の平均在港日数が2.33日、平均停泊日数1.79日よりも少なかった。
　欧米主要港の運航効率は、全体的に安定して推移した。 このうち、欧州のハンブルク港（独）の平均在港日数は2.68日で前年同月比3.5％増、ロッテルダム港の平均在港日数は2.60日で同5.8％減となった。 米国西岸主要港であるロサンゼルス港の平均在港日数は4.16日で同0.2％増、米国東岸主要港であるニューヨーク港の平均在港日数は2.00日で同17.7％減となった。
　20港の中で、3月の平均在港日数が最も少なかったのは高雄港（台湾）の0.99日（前月比17.9%増）、次いで厦門港（中国）の1.00日（同12.3%増）、香港の1.03日（同17.0%増）、広州港（中国）の1.05日（同1.0%増）、深圳港（中国）の1.32日（同13.8%増）などの順で続いた。

　米国沿岸警備隊（USCG)の海運業務に不可欠なオンライン・プラットフォームであるホームポート・ポータルが12日から利用できなくなり、海運業界は代替の資格証明書発行・確認手続きへの対応に追われていると伝えられる。
　シャットダウンは、今年3月4日から始まった計画外のアクセス制限期間に続くもので、海事部門全体に大きな混乱を引き起こし、雇用主が乗組員の資格情報を確認することを妨げており、HOMEPORTシステムにアクセスできないことで、これまで利用可能だったオンラインツールによる資格情報を確認できない船員の雇用がすでに失われているという。
　USCGでは、HOMEPORTが長い間、船員やより広範な海事コミュニティにとって信頼できるツールであったことを認識しており、各機能に最適な恒久的な方法を特定できるまで、必要不可欠なサービスにアクセスできるよう、一時的な回避策を講じているとしている。

　国際商業会議所（ICC）の国際海事局海賊報告センター（IMB PRC）がまとめた今年第1四半期（1～3月）の世界における海賊行為発生件数は45件と、前年同期から10件増加した。うち、37隻が船内へ侵入を伴うもので、ハイジャックは4件、未遂も4件、また船員37人が一時人質となり、13人が身代金目的で誘拐されたほか1人が負傷した。被害にあった船舶の船種は、バルカーが17隻、タンカーが13隻、コンテナ船が6隻、その他の船舶は9隻だった。
　特にシンガポール海峡における発生件数の急増が目立つ結果となり、うち27件が同海域で発生し、前年の7件から大幅な増加となった。ほとんどのケースは比較的危険度が低い侵入盗などだが、犯人が銃火器で武装していたケースは14件報告されているほか、6件の事件では船員6人が人質に取られるなど凶悪性の高い事件も発生している。標的となった船舶の92％は船内への侵入を許す結果となっており、大型船の被害も報告されている。
　IMBの関係者は、海域の治安悪化は深刻で、船主らは緊急に船員の安全確保を図る必要があると警告している。
　また西アフリカ・ギニア湾沿岸では6件と過去20年間で最低を記録したが、依然凶悪性の高い事件が複数発生しており、うち2件では合計13人が身代金目的で誘拐されており、IMBは件数の減少を歓迎しつつも、引き続き同海域を航行する際には厳重に乗組員保護の対応をとるよう呼びかけている。
　ソマリア沖では3件発生し、これらの事件では乗組員26人が一時人質となっており（その後船とともに全員が解放）、依然として危険な海域であることを示している。
　インド亜大陸では3件、その他の海域では2件が報告されている。

　台湾のフォワーダー大手、T3EX Global Holdingsは14日、今年1月9日から海運大手のYang Mingの株式計4,300株を1株あたり平均67.88台湾ドル（1台湾ドル＝4.39円）、総額2.92億台湾ドルで購入したと発表した。初期に第三者割当増資で購入した約12,000株と初期に株式市場で購入した1万2,000株と合わせると1万8,000万株、Yang Ming株を全て7.5台湾ドルの配当金として受け取る場合、総額1億5,600万台湾ドルとなる。

　日本貿易振興機構（ジェトロ）によると、アルゼンチン中央銀行は11日、中銀通達A8226を公布、輸入代金の支払い規制を緩和した。輸入代金支払い規制の緩和は、2024年10月25日以来で、大幅なビジネス環境の改善が見込まれる。
　財の輸入代金は、通関後、即時に支払いが可能となる。対象は4月14日以降に通関されるの。これまでは、通関から30暦日が経過してからでなければ支払いができなかった。また、MiPyMEの認定を受けた中小企業は、船積み後、通関前の支払いが認められる。4月14日以降に船積みされる貨物が対象となる。MiPyMEは、企業の年間売上高および中小・零細企業の分類に該当しない関連会社の有無により、当該企業が中小・零細企業であるかどうかを評価し、認定する制度。
　資本財の輸入は、企業の規模にかかわらず、船積み前30％、船積み後から通関前に50％、通関後に20％の割合で支払うことができるようになった。これまでは中小企業のみが、船積み前に輸入代金の20％を支払うことができた。
　資本関係のない取引先からのサービスの輸入は、サービスの提供日から輸入代金を支払うことが可能となった。以前はサービスの提供日から30暦日経過後だった。また、資本関係のある取引先からのサービス輸入は、サービス提供日から90暦日経過後に支払いができる。以前は180暦日経過後だった。いずれも4月14日以降に提供されるサービスが対象。

　アジア船主協会（ASA）の船員委員会は10日、オンラインで第31回中間会合を開催し、船員のメンタルヘルスの維持に向けた取り組みと、次世代燃料船の運航に対応するための船員向け教育訓練の充実化を強く求める提言を発表した。
　会合では、船員は非常に重要な産業をささえるエッセンシャルワーカーであるにもかかわらず、長期間の孤立、 業務量の超過、家族と隔絶にさらされ、安全運航と船員の心身の健康に大きな影響を与えている。
　これらに前もって有効な対策を施す為、メンタルヘルスの維持やカウンセリング、精神的な回復力を養うトレーニングなどのフォローを早急に整備する必要性があると指摘した。
　また国際海事機関（IMO）で海事産業由来のGHG排出量を2050年までにネットゼロにする目標が策定されたことを受け、船員に対し、アンモニア、メタノール、水素、バイオ燃料などの代替燃料の安全な取り扱いやそれらを利用する船舶の正しい運航を実現する為の教育訓練を早急に充実化し最優先で取り組む必要があると指摘した。

　FESCO　Transportation Group（ロシア）は、ベトナム、マレーシア、タイもカバーするFESCO　Intra Asia Service（FIAS）で、インドネシアのジャカルタ港への初寄港を計画している。
　第1船は4月22日にジャカルタ港のJakarta International Container Terminal (JICT)に到着する予定で、インドネシアからロシア向けに各種化学品、コーヒー、ゴム、パーム油など、ロシアからは種子、金属、クリソタイル（白石綿）などを輸送する。
　FIASは、FESCOが20年ぶりに開設したロシアの港に寄港しない三国間サービスで、現在、400TEU型コンテナ船を投入し、ホーチミン～ポートクラン～パシールグダン～バンコク～ホーチミンのローテーションで配船、ジャカルタへの直接寄港により、インドネシア・ロシア間の貨物を大幅に増やすことができ、ホーチミン接続でウラジオストクへも他の定期便スケジュールに合わせて最適化されているため、配送時間を短縮することが可能という。また、ホーチミン積み替えでサンクトペテルブルクへの輸送も引き受けている。

　中遠海運港湾有限公司（COSCO Shipping Ports：COSPorts）の今年第1四半期（1～3月）の総コンテナ取扱量は前年同期比7.6％増の2,724万5,100TEUだった。うち中国国内港湾は8.0％増加し、環渤海岸は5.9％増の417万3,100TEU、長江デルタ地域は6.9％増の139万9,200TEU、珠江デルタ地域は10.2％増の709万9,800TEU、南東海岸地域は0.5％増の140万7,300TEU、南西海岸地域は12.1％増の217万3,900TEUだった。
　また海外ターミナルも6.9％増の829万2,800TEUと好調だった。

　韓中カーフェリー協会がまとめた今年第1四半期（1～3月）のコンテナ貨物輸送量は12万9,862TEUと前年同期比4%増加、旅客輸送は13万4,584人で28.1%減少した。
　1Qのコンテナ貨物輸送量を航路別にみると、仁川／威海航路は前年同期比7.5%減の1万390TEU、仁川／青島航路が5.4%増の1万2,264TEU、仁川／煙台航路が2.8%減の9,517TEU、平澤／煙台航路が19.8%増の1万1,328TEUとなった。
　また、仁川／連雲港航路は8.9%減の1万1,692TEU、平澤／連雲港港航路が4.1%減の7,566TEU、仁川／秦皇島航路が3.7%増の7,092TEU、群山／石島航路が6.6%増の7,722TEU、仁川／大連航路が12.4%減の3,099TEU、仁川／石島航路が1.9%増の1万3,196TEU、平澤／日照航路が24%増の1万1,726TEU、仁川／栄成航路が18.5%増の3,210TEU、平澤／威海航路が30.3%増の9,648TEUと急増した。

　インド国営11港における2024～25年度（2024年4月～2025年3月）の総貨物取扱量は前年比4.3％増の8億5,485万8,000トンで、うちコンテナは6.6％増の1億9,352万4,000トン、個数ベースで10.0％増の1,354万1,000TEUになった。
　うちJ.ネール港は13.6％増の730万2,000TEU、チェンナイ港は14.3％増の181万8,000TEU、コチン港が10.7％増の83万5,000TEU、コルカタ全港は6.9％増の80万5,000TEU、チダンバラナール港は6.4％増の79万5,000TEU、カマラジャール港は1.5％増の68万1,000TEU、ヴィシャカパトナム港が8.2％減の61万8,000TEU、ディーンダヤル港は1.5％増の47万5,000TEU、パラディップ港は107.7％増の2万7,000TEU、マンガロール新港が6.1％減の18万4,000TEU、ムンバイ港は93.3％減の1,000TEUだった。

　中国船舶集団（CSSC）傘下の滬東中華造船で建造中だった世界最大の24,000TEU型液化天然ガス燃料コンテナ船"CMA CGM SEINE"（写真）の命名・引き渡し式を15日に開催した。
　同船は、CMA CGMグループ（仏）が発注したLNG燃料24,000TEU型4隻シリーズの第1船で、残り3隻も2025年から2026年にかけ順次デリバリー予定。
　シリーズ船は長さ399m、幅61.3m、深さ33.5m、ドラフト14.5mで、コンテナ23,872TEUを積載、リーファープラグ2,200口を備え、18,600m3のメンブレン式「マークIIIフレックス」タンクを搭載、2万海里を航海できる。同型コンテ船と比較しCO2排出量を約20％削減、窒素酸化物（NOx）排出量を最大85％削減、粒子状物質（PM）と硫黄酸化物（SOx)の排出量は99％削減される。
　同船は上海18-20日起こしでCMA CGMがCOSCO（中国）、Evergreen（台湾）、OOCL（香港）と構成するOcean Allianceによるアジア／欧州航路のFAL3に初就航する。FAL3はCMA CGMが17,000～24,000TEU型15隻を投入する青島～上海～寧波～塩田～シンガポール～ルアーブル～ロッテルダム～ハンブルク～アントワープ～タンガーメド～ポートクラン～青島のローテーションによる定曜日ウイークリーサービス。

　韓国の高麗大学海上法研究センター（KUMLC）は11日、日本海事センター（JMC）、運輸総合研究所（JTTRI）、韓国海洋水産開発院(KMI)と第3回日韓研究機関合同セミナーをソウルの高麗大CJ法学館で開催したと発表した。
　セミナーでは（1）海上輸送路を含むサプライチェーン（2）米国の造船産業育成策（3）北極航路、などをテーマに、韓国側が高麗大のキム・イヒョン教授とKMIのファン・スジン博士がそれぞれ（1）、(2）、JMCの後藤 洋政研究員が（3）をテーマについてそれぞれ研究成果を発表するとともに意見交換した。
　日韓の海事4研究機関は昨年3月、相互交流および研究協力を目的とした了解覚書(MOU)を締結、第1回の合同セミナーを東京、第2回を釜山で開催している。
　今回の合同セミナーに先だち、高麗大海上法研究センターのキム・イヒョン所長、KMIのチェ・サンヒ院長代行、JMCの宿利正史理事長がそれぞれ挨拶した。

　香港海運港湾局（HKMPB）がまとめた3月の総コンテナ取扱量は前年同月比7.6％増の124万1,000TEUと2カ月連続のプラスになった。うち涌葵・青衣コンテナターミナルは4.8％増の92万1,000TEU、ミッドストリーム・リバートレードなどその他も16.7％増の32万TEUだった。
　今年第1四半期（1～3月）の総コンテナ取扱量は前年同期比2.2％増の339万5,000TEUで、うち涌葵・青衣コンテナターミナルは0.1％増の258万5,000TEU、ミッドストリーム・リバートレードなどその他も9.3％増の81万TEUになった。

　シンガポール海事港湾庁（MPA）がまとめた3月の総貨物取扱量は前年同月比2.8％減の5,216万9,500トンで、うちコンテナは1.9％減の3,101万8,800トン、個数ベースでは7.0％増の373万5,800TEUだった。
　今年第1四半期（1～3月）の総貨物取扱量は前年同期比4.6％減の1億4,793万9,900トン、うちコンテナは1.4％減の8,802万7,200トン、個数ベースでは5.8％増の1,054万9,300TEUだった。

　日本郵船はこのほど、先月末に発表した第49回無担保社債（トランジションボンド）の発行条件を決定し、「日本郵船株式会社第49回無担保社債」として発行額160億円、年限5年、利率年1.241％で社債を発行する。
　払込期日は今年4月21日、償還期限は2030年4月19日で満期一括償還となり、日本格付研究所の取得格付けはAA-となる。

　韓国のHD現代尾浦で建造中のギリシャ船主、Capital Clean Energy Carriers Corp.向けの世界最大の2万2,000m3型液化二酸化炭素（LCO2）運搬船の進水式が15日に開催した（写真）。
　長さ159.9m、幅27.4m、深さ17.8mで、HD現代がCapital Clean Energyから常駐したLCO2運搬船4隻の第1船。-55℃の低温環境を維持できるバイロブ型貯蔵タンク3基を搭載、LCO2だけでなく、LPG、アンモニアなど多様な液化ガスを安定的に運搬できるほか、陸電供給装置（AMP）、窒素酸化物低減装置（Selective Catalytic Reduction）を搭載、耐氷設計技術（Ice Class 1C）を採用し航海の安定性を高めている。
英国の海運・造船調査分析会社、Clarksons Researchのデータによると、2050年までにカーボンニュートラルを実現するためには年間6ギガトン（GT）以上の炭素を捕集・保存、このうち約20%を海上で運搬しなければならず、約2,500隻のLCO2運搬船が必要になる見込み。

　東京汽船（横浜市）は15日、Incat Crowther（英国）が設計、香港のCheoy Lee Shipyard（財利船廠）が建造中の26m級双胴型全洋上風力発電所向けCTV（洋上風力発電交通船）2隻の第1船"JCAT ひびきII"の引き渡しを受けた（写真）。
　各船は当初12人の技術者を乗せるよう設計されており、日本の規制緩和に伴い24人まで乗せることができる。 メインデッキには、食堂、2つのバスルーム、収納・着替えスペースがあり、弾力的に取り付けられた上部構造により、技術者の安全性と快適性が確保されており、レジリエント・バウ・テクノロジーで風力タービン船着岸時の衝撃力を軽減できる。
　東京汽船はCTVの運航実績が豊富で、これまでに福島、銚子、響灘の政府実証事業のO&M（オペレーション＆メンテナンスのほか、商業プロジェクトでは秋田港・能代港、石狩湾新港、富山・入善などに提供してきた。

　欧州の主要空港による3月の貨物取扱量は、まだ発表されていないシャルルドゴール空港を除く4空港のうち3空港が前年同月比プラスで推移した。
　フランクフルト空港（ドイツ）の貨物量は前年同月比4.8％増の18万1,022トン、郵便も含めると3.2％増の18万4,679トンと3カ月連続でプラスを維持した。取り卸しが9.1％増の9.08万トン、積み込みが0.8％増の9.02万トンと揚げ積みが拮抗した。北米線が1.1％の落ち込みとなったのに対して中国線は30.2％の大幅増に、その他の地域では中東が3.6％減、中南米が8.5％増、アフリカが3.4％増、欧州域内が3％増となった。
　第1四半期（1Q）の実績は前年同期比0.3％の微減で48万5,070トンだった。
　ヒースロー空港（英国）の貨物取扱量（郵便含む）は旅客機のベリースペースが4％増加したことや北米路線の荷動きが過去最大となったことなどで前年同月比0.24％増の14万3,982トンとかろうじてプラスを維持した。北米を除く路線はアジア太平洋が5％減、中東が7.9％減、アフリカが1.6％減、EUが24.4％減といずれもマイナスとなった。
　1Qは0.6％のマイナスで39万1,512トンだった。
　スキポール空港（オランダ）は3.4％減の13万2,296トンで2カ月連続のマイナス。インバウンドが2.8％減の6万7,941トン、アウトバウンドが4.4％減の6万3,704トンで、アジア、中東路線はプラスとなったものの欧州域内路線がインとアウトでそれぞれ45.6％、17.4％のマイナス、北米もインバウンドが2ケタ減と低調だった。
　1Qでも8.4％のマイナスで34万4,879トンにとどまった。
　ブリュッセル空港は7.1%増の5万8,105トンと4空港の中ではもっとも高い伸び率だった。貨物機による輸送量は4.7％減の1万9,300トンだったが、ベリーが7.1％増の1万4,653トンと減少分をカバー、さらにインテグレーターが18.2％増の2万4,153トンで貢献した。
　空港ケートを通過するトラック貨物は1.7％減の1万322トンで、これを加えた総合計では5.7％増の6万8,427 トンだった。
　1Qは6.5％増の14万9,541トンと堅調だった。

　エミレーツ航空グループでグランドハンドリングなど空港の地上業務を手がけるdnataの24/25年度（24年4月～25年3月）貨物取扱量が、ドバイ国際空港（DXB）とアール・マクトゥーム国際空港（ドバイワールドセントラル空港）の2空港合わせて初めて100万トンを突破した。
　同社は2空港に2,000人以上の人員を配備し、取り卸しから配送／引き取りから積み込みまでの一貫サービスを提供、“OneCargo”の名称で自動安全チェック、品質管理、報告、ULD（貨物搭載用具）管理などをデジタル化したシステムを導入、さらに同システムによってAI主導による需要とキャパシティのリアルタイム分析を可視化したことによって、取扱貨物量は前年度に比べて30％増加した。
　同社はアール・マクトゥーム国際空港に隣接する自由貿易区ドバイサウスに25年の完成で5万7,000m2の貨物センターを建設中で、完成後は年間40万トンの貨物取り扱い能力を持つ。
　dnataは世界16カ国の90空港でグランドハンドリングおよび貨物サービスを提供し、23/24年には前年度比5％増の290万トンを取り扱った。

　日新は、同社のデジタルフォワーディングサービス「Forward ONE」が丸山運送（宮城県仙台市）とパートナー連携を開始したと発表した。
　丸山運送は仙台港に本社を構える国際物流事業者で、仙台港を中心に東北地方の物流に強みを持ち、東京・福岡の自社拠点を中核とした国際物流サービスを展開している。丸山運送はデジタルフォワーディングサービスを通じて顧客接点の拡大と業務効率化を実現するため、今回、Forward ONEとパートナー連携をすることとなった。
　Forward ONEは他社との共創による業界の発展・貿易実務のさらなる効率化を理念に、2025年度から物流事業者との「パートナー連携」を本格的に推進している。Forward ONEは2023年のリニューアル以降、国際輸送費・輸出費用のオンライン即時見積機能や、本船動静トラッキング機能、書類授受・チャット・遅延通知などの出荷管理機能を備え、輸出入業務の可視化・効率化に向けて、現在多くの荷主が利用している。また、荷主へのサービス提供だけでなく、日新手配案件を実例に運用を重ね、物流事業者にとっても業務効率化に寄与するサービスであることを実証してきた。日新では、物流事業者とともにForward ONEを推進することで、より実務に即した実効性の高い国際物流のDXを実現していくとしている。

　川西倉庫は、ベトナムに拠点を持ち冷凍倉庫事業を展開するToan Phat Logistics Joint Stock Company（TPL）を連結子会社化する株式譲渡契約を締結することを決定した。
　川西倉庫グループは、国内で倉庫事業、運送事業、通関事業、港湾運送事業、フォワーディング事業、海外ではフォワーディング事業、倉庫事業を主力に、生産と消費を効率よく結びつける一貫した総合物流サービスを提供している。ベトナムは、過去数十年にわたり人口増加が続き、2023年の総人口は1.3億人を突破、23年の実質GDP成長率は5.05％で、安定的に成長を続けている。今回の株式取得で川西倉庫の子会社となるTPLは、ベトナム経済の中心地であるホーチミン市と、TPLが主に扱う農水産物の産地である同国南西部の地域・メコンデルタとの中間地にある工業団地に位置し、メコンデルタでとれた農産品などの貯蔵施設としての重要な役割を担っている。川西倉庫はTPLの子会社化で、ベトナムでの倉庫事業への参入を足がかりに、同国での国際物流事業の拡大にも注力、事業拡大を目指していく方針だ。
　川西倉庫は25年7月ごろをめどに、TPLの株主2名から発行済株式の51％にあたる255万株を譲り受けることで、連結子会社とする。取得金額は535億5,000万ベトナムドン（約3億2,100万円）。TPLの資本金は500億ベトナムドン（約3億円）、24年12月期の売上高は230億2,400万ベトナムドン（約1億3,800万円）、営業損失15億8,500万ベトナムドン（約900万円）。

　デジタル貿易プラットフォームの開発・提供を手がけるSTANDAGEは、中小製造業向けに提供している貿易まるなげパッケージサービス「おまかせ貿易」の導入支援パートナーが累計100社を突破したと発表した。
　導入支援網は全国31の都道府県に広がっており、うち約4割が地方銀行となっている。STANDAGEは2022年から、中小製造業の海外展開を支援するサービス「おまかせ貿易」を提供、同サービスは、一部関連業務の代行やコンサルティングにとどまらず、海外販路の開拓から交渉・契約、決済、国際物流手配までを一気通貫で支援するもの。特に、貿易開発経験が豊富な元商社人材の知見、自社開発の貿易特化型CRM「貿易クラウド」による貿易開発プロセスの可視化・効率化といった強みを活かし、自社リソースだけでは海外展開が難しい中小製造業の輸出支援を実現した。
　円安を背景に海外進出のニーズが高まったこともあり、2025年2月末時点で「おまかせ貿易」導入企業は300社近くに達している。また、企業規模や所在地を問わず海外展開の機会を提供するため、全国の企業と「導入支援パートナー」として提携し、サービスの普及を進めており、2025年2月末時点で導入支援パートナーの数は100社を突破した。地元企業と関わりの深い地域金融機関との連携により、国内各地の海外進出ニーズを的確にキャッチし、地域創生・地域経済の活性化にも貢献していく方針だ。STANDAGEは、2027年末までに「おまかせ貿易」導入企業1,000社を目指し、導入支援パートナーとの協力体制をさらに強化するとともに、新たなパートナー開拓にも積極的に取り組んでいくとしている。

　Zenport（東京都渋谷区）は、生成AI技術を活用し、データ連携基盤「ZenSync」における、カスタマイズ連携プログラム構築の半自動化を実現した。
　同社は、グローバルサプライチェーンの全データを一括管理するデータハブ「ZENPORT」を運営、今回、データ連携基盤「ZenSync」における、多様なソースデータごとのカスタマイズ連携プログラム構築に関し、生成AI技術を活用し、データマッピング工程とデータ連携プログラミングを半自動化する検証を完了した。
　ZENPORTはこれまで、顧客の基幹システムなどから抽出した各データをもとに、人の手でデータ連携のためのマッピング（データシート間の読み替え）定義書を作成し、その後定義書をもとにエンジニアがデータ連携プログラムを書き、カスタイマイズしたデータ連携を構築してきた。今回、ZENPORTが多くの企業とのプロジェクトで培ってきたデータ連携におけるカスタイマイズの知見を構造化し、生成AIエディタであるCursorを使い、このマッピング工程からデータ連携プログラム生成までを半自動化することに成功した。このデータ連携プログラムはデータソースごとにカスタマイズされているが、これらはZENPORTの標準データ連携基盤「ZenSync」のもつ標準的なワークフローで一元的に管理している。この能力を通じて、顧客へのデータ連携構築をより速いサイクルで対応、俊敏なデータ連携を通じた業務生産性向上や、戦略遂行スピードの向上に貢献していくとしている。

　香港郵政は16日、即日発効で海上輸送による米国向け郵便小包の受託を停止すると発表、「理不尽ないじめで不当な関税を課している」と米国政府を非難した。
　米国への輸入品について申告価額が800ドル未満の少額荷物には関税を免除するデミニミス・ルールが中国と香港には適用されなくなったことに加え、5月2日から香港発郵便小包の関税が引き上げられることに反発したもので、「米国に代わって関税を徴収することは絶対にない」と断言している。　
　輸送に日数がかかる船便の郵便小包については16日から、航空便は27日から受け付けを停止する。郵便書類は対象外でこれまで通り受け付けられる。

　デンマークの海運調査会社Sea-Intelligenceの調べによると今年第16～19週（4月第3週～5月第2週）の4週間における太平洋航路の欠便が急増、現在の政治情勢は非常に不安定で、米国による関税の賦課と停止がほぼ毎日のように繰り返されていることから、船社も荷主も短期的なサプライチェーンの調整のみを行い、長期的なネットワーク調整を行う前に（いずれにせよ）事態が落ち着くのを待っている状況から、関税の影響をはかるために同航路の予定コンテナ船腹量の変化を調べたもの。
　その結果、今年第10週（3月第1週）時点で第16～19週の予定船腹量を143万TEUとし、第11週（3月第2週）は変わらず、第12週（3月第3週）には140万TEUへわずかに減少、第13週には第16～19週の予定船腹量を129万TEUへ前週比8%減とし、第15週には6週間前から12%減らした。
　一方、アジア／北米東岸航路の第16～19週の4週間の予定船腹量を、第10週までの101万TEUから第15週には86万7,000TEUに減らし、6週間全体で14％の減少となった。
　アジア／北米西岸航路とアジア／北米東岸航路を合わせた第16～19週の欠便の船腹量は3週間前に6万TEUだったものが、1週間のうちに25万TEUに増加したのは、船社が関税引き上げに対応するため、欠便計画を相次いで発表したためで、15週目にも大幅な増加が見られ、16～19週と合計36万7,800TEUに欠便が増加した。
　大西洋航路では同様の影響は見られず、船腹量はほぼ横ばいで推移している。特に、トランプ政権とEU（欧州連合）の双方から90日間の相殺関税停止が発表されたことを考慮すると、この傾向は顕著と指摘している。

　国土交通省は、神戸港ポートアイランド（第2期）地区PC15～17で水素を燃料とする荷役機械の現地稼働実証を4月に開始した。
　国交省は、港湾のターミナルの脱炭素化を実現し、荷主や船社から選ばれる競争力のある港湾を形成するためには、荷役機械の脱炭素化などに取り組むことが必要だとしている。同省近畿地方備局の「阪神港における荷役機械高度化実証事業委託業務」を受託した阪神国際港湾は、商船三井運営の神戸国際コンテナターミナル（KICT、オペレーター：商船港運）で、世界で初めてタイヤ式門型クレーン（RTG、メーカー：三井E&S）を水素エンジン発電機に換装し、水素を燃料とした荷役機械の稼働実証の準備を進めてきた。25年度に現地稼働を実証し、データを取得、分析し、25～26年度に、同実証の結果を踏まえ、港湾ターミナルで水素を安全かつ円滑に導入するため、水素を燃料とする荷役機械の導入促進に向けた検討会で、港湾施設の技術上の基準の改訂に向けた検討などを進め、水素を燃料とする荷役機械の導入拡大に向けた環境整備を進めていく方針だ。

　分析輸送見積もりをワンストップのオンラインサービスで提供しているFreightos（香港）が16日に発表した前週のFreightos Baltic Index（FBX）と呼ぶ世界の主要12航路におけるコンテナ運賃指数のうち、アジア発北米西岸向け（FBX01 Weekly）は10%上昇し2,465ドル／FEU、アジア発北米東岸向け（FBX03 Weekly）は3%上昇し3,646ドル／FEU、アジア発北欧州向けは1%下落し2,365ドル／FEU、アジア発地中海向けも5%下落し2,751ドル／FEUだった。
　また、航空貨物運賃指数のFreightos Air Indexは、中国発北米向けが1%下落し5.43ドル／kg、中国発北欧向けが1%下落し3.75ドル／kg、北欧州発北米向けも5%下落し2.13ドル／kgとなった。
　Fereightosの分析によると、先週の米国政府による相互関税発動により、アジア発貨物の船積み予約が大幅に減少したとの報告があったが、米国の対中貿易摩擦の激化に伴う関税の90日間の一時停止は、中国からの出荷が一時停止されたままである一方で、他のアジア諸国からの調達先の多くが、7月の関税再開の可能性を先取りするために、すでに再び注文を増やし始めていることを意味する。
　中国発は全品目に対する最低125％の関税が引き続き適用されるため、荷主は今後の動向を見守る中、中国発の船積み予約が極端に減少しているとの報告があり、需要低迷に伴い、船社が北米航路の欠便を増やしているとの報告もある。この航路を利用する米国の輸入業者の多くは、関税引き上げを見越し、昨年11月の大統領選以来、商品を前倒ししていた。この在庫の積み増しにより、多くの荷主はしばらくの間、一時停止し、交渉の行方を見守った上で、他の調達先にシフトするか、中国からの出荷を再開してコスト上昇に直面するか、次の手を決めることになる。
　他の航路を利用する荷主にとっては、90日間の猶予は、関税引き上げの可能性に先駆けて商品を前倒しするための新たな窓口を意味し、すでに前倒し船積みが進行中であるとの報告もある。この前倒し船積みの新たな機会は、短期的にはこれらの航路の海上貨物の需要増を意味し、その後、期限が過ぎると需要（および運賃）が落ち込むことを意味する可能性が高い。
　中国発の航路を当面欠便にし、アジアの他の仕出し地からのサービスを増やす必要があるため、船社にとっては困難が予想、荷主にとっては遅延が発生する可能性がある。
　北米航路全体のスポット運賃は、月初めの一括運賃値上げ（GRI）を反映し、先週やや上昇したが、今週のデイリー運賃は小幅な上昇にとどまった。しかし、中国発の需要が減退し、他のアジア発の需要が増加していることが、ポート・ペア・レベルでの運賃のかい離に反映されている可能性がある。
　Freightos Terminalのデータによると、4月2日の関税発表後、上海発は16％下落したのに対し、台湾とベトナム発の運賃は高止まりしている。

　Hapag-Lloyd（独）は5月12日発効で東アジアから北米向け貨物を対象に1,000ドル／20’・2,000ドル／40’のPeak Season Surcharge（PSS）を導入すると発表した。東アジアは日本、韓国、台湾、中国、マカオ、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマー、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、インドネシア、フィリピンを含む。

　国連貿易開発会議（UNCTAD）は16日に発表した「2025年貿易開発展望-圧力のもと、不確実性が世界経済見通しを変える」と題する報告書で、貿易摩擦の激化と不確実性の継続で、世界経済は景気後退の軌道に乗っていると警告した。
　報告書によると世界経済成長率は2025年に2.3%減速、景気後退の軌道に乗ると予測、貿易政策ショック、金融市場のボラティリティ、不確実性の高まりなど、世界経済の見通しを揺るがすリスクのある脅威が高まっていると指摘した。
　貿易摩擦の高まりは世界貿易に影響を及ぼしており、UNTADは最近の関税措置がサプライチェーンを混乱させ、予測可能性を損ない、貿易政策の不確実性は史上最高水準に達しており、すでに投資判断の遅れや雇用の減少につながっているとしている。
　景気減速はすべての国に影を及ぼすが、依然として発展途上国、とくに最も脆弱な経済について懸念を抱いており、多くの低所得国が外部金融環境の悪化、持続不可能な債務、国内成長の鈍化という最悪の状況に直面しているとし、既存の貿易および経済関係を基盤に、対話と交渉、そして地域および世界規模の政策調整の強化を促し、信頼を回復し、開発を軌道に乗せるためには協調的な行動が不可欠になると結論づけている。

　海外の海事メディアは、MSC（スイス）が先週、グループの運航船隊が900隻を超え、単独船社として過去最大規模になったと伝えている。また運航船隊の増強に比例し、運航船が備えるリーファープラグも大幅に増加したという。
　MSCの運航船隊は先週の新造船引き渡しにより900隻を超え、さらに発注残が132隻に達しており、今後数年以内に運航船隊が1,000隻を超えることがほぼ確実となった。
　AXS-Alphaliner（仏）のまとめによると、MSCグループ（Medkig、Log-in Logistica、WEC Linesを含む）の運航船隊は自社保有船が609隻、用船が291隻から成り、船腹量は647万TEUと2位のMaerskグループ（デンマーク）を約100万TEU上回る規模になり、現在の市場における船腹量シェアは20.3％と前例のない規模に拡大している。
　900隻目となったのは、このほど中国の揚子江船業で竣工した16,000TEUマキシ-ネオパナマックス型コンテナ船12隻シリーズの5番船“MSC Germany”だった。
　MSCは運航船隊の増加に伴い、運航船が備えるリーファープラグ数も大きく伸ばしている。Alphalinerによると、MSCは過去12カ月間で運航船のリーファープラグを11.7％増加させ船隊全体で65万1,000口を備えている。
　通常は船腹量の伸びに比例しリーファープラグも増加するが、CMA CGM（仏）は12カ月間に船腹量の増加が6.7％にとどまったがリーファープラグ数は10.4％も増加した。CMA CGMは自社戦略としてリーファーコンテナの輸送力強化に取り組み、船隊のリーファープラグの装備を主要船社中最大となる23.3％にまで高めている。
　またZIM Integrated Shipping Services（イスラエル）は装備率14.5％と、船隊規模では10位にもかかわらず、装備率では、船腹量で同社を上回るHMM（韓国）、Yang Ming（台湾）を追い抜き8位につけている。またHapag-Lloyd（独）も装備率は21.0％と高い水準だ。
　対照的にアジア船社の装備率は10％台と比較的低く、COSCO（中国）が16.2％、Ocean Network Express（ONE）は18.5％、Evergreen（台湾）も17.8％にとどまっている。ただ、アジア船社も過去12カ月に新造船のリーファープラグ数を増加させ、ONEが16.7％、Evergreenは11.6％、HMMは26.5％と主要船社中最大の伸びとなっている。

　世界貿易機関（WTO）は16日、最新の世界貿易見通し・統計報告書を発表、世界の商品貿易量は2025年に0.2%減少を予測、これは低関税のベースラインシナリオで予測していた値より約3ポイント低い。これは4月14日時点の関税状況を前提としたもので、状況が悪化した場合、貿易量はさらに縮小し、2025年は1.5%減少する可能性があるとした。サービス貿易は関税の対象ではないが、悪影響を受けると予想、商業サービス貿易の世界全体の伸びは予想より低い4.0%を見込んでいる。
　WTOでは年初に2025年と2026年の世界貿易は引き続き拡大、商品貿易は世界GDPと同程度に成長、商業サービス貿易より速いペースで増加を予想していたが、1月以降多くの新関税が導入されたことを受け、貿易状況の見直しを迫られ、商品貿易の予測を大幅に下方修正、サービス貿易見通しも若干修正した。
　商品貿易予測に対するリスクは依然として存在、特に米国により一時停止中の相互関税の再開および米国以外の貿易関係に影響を及ぼす可能性のある貿易政策の不確実性の拡大が大きなリスクとなっていると指摘、相互関税が実現した場合、2025年の世界商品貿易量の伸びは0.6%低下、貿易政策の不確実性の拡大はさらに0.8%押し下げる可能性があるとしている。
　現行の政策環境下では、北米の2025年の輸出は12.6%減、輸入は9.6%減を見込み、この地域の輸出は2025年の世界貿易成長率を1.7%押し上げ、全体の数字をマイナスに転じ、アジアは輸出入とも1.6%と穏やかに成長、欧州も同様に輸出1.0%、輸入1.9%の穏やかな成長率を見込んでいる。

　ドイツの国際物流大手DHLGroup傘下のDHL Supply Chainは14日、シンガポールに医薬品の物流専用施設Pharma Hub を開設した。DHLＧroupがアジア・太平洋地域のライフサイエンス・ヘルスケア分野に今後5年間で2億ユーロ（約324億円）を投資する計画の一環。
　1,000万ユーロ（約16.2億円）を投資、シンガポールのジュロン・ピア8番に新設した延べ床面積8,200m2のPharma Hubは、常温庫（15℃～25℃）と冷蔵庫（2℃～8℃）を含む専門的な温度管理ゾーンを備え、デリケートなヘルスケア製品の正確な保管条件を保証する。
　医薬品・医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準（GMP）に準拠し、気密性の高い搬入口や専用の控室など、先進的なコールドチェーン・インフラを備えているため、ロジスティクス・プロセスを通じて中断のない温度安定性を保証。将来的には、再処置を含む製薬関連の付加価値サービスを提供する予定という。
　大手製薬各社が製造拠点を置く、医薬関連の専門工業団地「トゥアス・バイオメディカル・パーク」に近い戦略的な場所に立地するPharma Hubは、チャンギ空港とトゥアス・メガポートへのシームレスな接続を提供し、医薬品パートナーの効率的な地域およびグローバル物流を可能にする。

　Abu Dhabi Portsグループ（AD Ports、UAE）はこのほど、自社が運営するUAE・ハリファ港で、MSC（スイス）が運航するLNG燃料二元燃料コンテナ船“MSC Thais”（15,600TEU）にシップ・トゥ・シップ（STS）方式による初のLNG燃料のバンカリングを実施した。
　バンカリングは、デンマークの船舶燃料供給会社、MonjasaからLNG燃料の提供を受け、LNG燃料バンカリング船“Green Zeebrugge”により、“MSC Thais”が同港で荷役中に燃料を供給した。
　今回のバンカリング作業は、荷役中のバンカリング作業を実証試験するもので、同港が複雑な作業を処理し、効率的な輸送と次世代燃料への対応能力を示すことができたという。
　AD PortsグループとMonjasaは今後も協力し、最高水準の安全確保と、持続可能性を実現するソリューションの実装を図るとしている。

　フィリピンの大手港湾ターミナル会社、International Container Terminal Services, Inc.（ICTSI）がクロアチア・リエカ港で運営するAdriatic Gate Container Terminal（AGCT）に9日、MSC（スイス）が運航するコンテナ船“MSC Annick”（3,987TEU）が初寄港した。
　同船は、MSCが極東／地中海航路で開始した新ウィークリーサービスHADRIAに就航中で、同港の関係者は、HADRIAによりリエカ港がバルカン・中央欧州の玄関口として地域の荷主へグローバルネットワークへのアクセスを支援できると述べた。

　Ocean Network Express Japan（ONE Japan）は現在、今月末から来月上旬にかけてのゴールデンウィーク連休に向けて日本のコンテナターミナルの混雑状況が悪化しているとして、改めて顧客へ輸入コンテナの早期搬出を呼びかけている。
　現在、東京港をはじめ日本の各コンテナターミナルでは混雑の影響でヤードスペースがひっ迫した状況が続いており、外国港湾の混雑によるスケジュールの遅延により混乱が拡大する懸念があるなか、連休前後は、コンテナの大幅な増加・滞留が予想されるという。
　今後、蔵置キャパシティを超えた場合は、コンテナ船の着岸や荷役が不可能となったり、外来ゲートで入場ができなくなる可能性があるとして、顧客に対し、輸入フリータイムに関わらず早期の搬出を求めている。

　MSC（スイス）はこのほど、極東／南米東岸航路のCariocaとNew Santanaの2サービスを改編し、スリランカ・ハンバントタ港に追加寄港した。
　新Cariocaは、代わりにインド・ビジンジャム港を抜港し、6,400～12,200TEU型15隻を投入し、青島～釜山～寧波～上海～蛇口～シンガポール～コロンボ～リオデジャネイロ～サントス～パラナグア～イタジャイ～ブエノスアイレス～リオグランデ～インビツバ～イタジャイ～ナベガンテス～サントス～セペティバ～ウォルビスベイ～ハンバントタ～シンガポール～青島の新ローテーションでウィークリーサービスを開始した。
　また新New Santanaは、ハンバントタに加えブラジル・ペセム港に追加寄港しインド・ムンドラ港を抜港、6,700～9,600TEU15隻を投入、塩田～寧波～上海～青島～釜山～クリストバル～コウセド～ペセム～サルバドール～スアペ～サントス～ハンバントタ～シンガポール～塩田の新ローテーションでウィークリーサービスを開始した。
　MSCは最近、インド亜大陸地域向けサービスを強化しており、ハンバントタ港にとり、最大のユーザーにもなっている。ハンバントタ港は現在、スリランカ港湾局が持分の15％、中国の招商局港口（China Merchants Port、CMPorts）が85％をもつ合弁会社、Hambantota International Port Group （HIPG）が運営し、ガントリークレーン6基を備えている。

　イタリア・ジオイアタウロ港における今年第1四半期（1～3月）の総コンテナ取扱量は前年同期比15.5％増の108万5,542TEUと2ケタのプラスになった。

　NX総合研究所は、倉庫内作業時間の計測・集計・分析ができるサービス「ろじたん」に、収支管理機能を追加、収支管理が「ろじたん」のWebシステム上で可能になった。
　スタッフの時給データを持つことで、計測した作業時間データから費用を算出し、拠点単位はもちろん、荷主別や作業別の単位による収支管理が実現する。さらに日別の収入・費用・利益・利益率の算出も可能となり、きめ細やかなオペレーション管理や利益率の向上が期待できる。営業倉庫で荷主別に収支を管理、収支改善を図る、費用を算出し、交渉すべき荷主や改善すべき作業を特定する、日々収支を導入し収支改善のアクションを迅速化する、指定期間の収支実績から売上と利益率のトレンドを分析するなどの活用方法が期待できる。

　国際エクスプレスのDHLジャパンと佐川急便は、持続可能な航空燃料（SAF）の活用により、輸送に伴う温室効果ガス排出量を削減（インセット）する国際輸送サービス「DHL GoGreen Plus」に関する契約を締結した。
　佐川急便の日本発海外向け輸送サービス「飛脚国際宅配便」で、DHLが提供するSAFの環境価値を活用し、輸送にかかる温室効果ガスの排出量を約10％削減できる見込み。
　飛脚国際宅配便は、佐川急便が提供する日本発海外向けの、書類から貨物まで対応可能な輸送サービスで、DHL Expressのネットワークを活用し、世界220以上の国・地域にドアツードアで、スピーディーに届ける輸送サービス。

　NRS Logistics Europe GmbH、NRSオーシャンロジスティクスリミテッドのNRSグループ2社は、6月2～5日に、ドイツのミュンヘン見本市会場JCMミュンヘン国際コングレスセンターで開催の「TRANSPORT LOGISTICS 2025」に出展する。
　同展は、物流、モビリティ、IT、サプライチェーンマネジメントを包括的に扱う欧州最大級の国際見本市。同グループのブース（Hall B4 217/318 ITCO village内J37）では、国際海上・航空輸送、汎用と特殊タンクコンテナ、危険物を含む倉庫事業の案内をはじめ、NRSグループの各種国内・国際物流サービスを紹介する。

　ギークプラス（東京都渋谷区）は、三井倉庫ロジスティクス（MSL）が運営する物流施設に、自動棚搬送ロボットを導入した。
　MSLは、ロジスティクスの視点からビジネスを支える物流企業としてLLP（Lead Logistics Partner）サービスを展開し、大手家電量販店をはじめ、さまざまな顧客のビジネス課題を解決する最適な物流ソリューションを提供している。今回の自動棚搬送ロボットを導入した物流施設では、上新電機（大阪府大阪市）の物流業務全般を支援しており、主に家電製品、PCやゲーム・おもちゃなどのホビー関連商品などを取り扱っている。省人化を目指した業務の効率化とコスト削減・生産性向上を実現するため、与件整理、PoCを経て、ギークプラスが提供する自動棚搬送ロボット「ピッキングPシリーズ・P500R」の導入に至った。
　ギークプラスが提供する自動棚搬送ロボット「ピッキングPシリーズ」は、倉庫内におけるピッキング作業を効率化する自動化ソリューションで、商品の入った棚やコンテナを自動でピッキングステーションまで運び、作業員はその場で商品を取り出すのみで、移動する手間が省け、作業スピードや正確性の向上を実現できるプロダクト。

　トランコムは湖池屋、ぼんちとともに、菓子共同物流標準化推進協議会を立ち上げて取り組んできた「物流情報標準ガイドライン」の物流情報標準メッセージに準拠したデータ管理システム（DMS）を構築した。
　同ガイドラインは幅広い関係者間でのデータ連携による物流の効率化・生産性向上の実現を目指し、内閣府が推進する「戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）スマート物流サービス」の取り組みの一環として策定している。
　物流業界では、慢性的かつ構造的な労働力不足や担い手の高齢化、2024年度から適用開始の時間外労働時間規制に伴う輸送力の低下などの社会的課題がある。これらの物流課題に対し、業務のデジタル化、物流システムの効率化が喫緊の課題だが、同社は、これら課題の解決を目指した施策の一環として、現在共同配送している複数の菓子メーカーの配車実績データをガイドラインに準拠したデータへ変換・蓄積し、物流の効率化と、物流業界が抱える課題解決に貢献していくとしている。
　同協議会では、フィジカルインターネットが実現する社会に対応すべく、菓子の共同配送のほか、日用品・食品の共同配送事業でも共通利用することを想定したデータ基盤を構築することで、さらなる業務の効率化と持続可能な物流の実現を目指していく方針だ。

　ヤマト・モビリティ & Mfg.（埼玉県川越市）、IAT（愛知県岡崎市）、SBSホールディングスの3社は、共同で中古1.5トントラックのEVコンバージョンに関する開発と量産・量販化の取り組みを進めてきたが、量産・量販を前提としたEVコンバージョントラックにおける改造認可申請（複数台申請）の認可が正式に下り、車両ナンバーを取得した。量産・量販を前提とした小型トラックのEVコンバージョンの認可は日本初。
　同ナンバー取得を受けて、15日にはSBSホールディングスの本社で、初号車引き渡しがあり、SBSグループは、このEVコンバージョンによって、同型の新車を新規購入するのと比較して約3分の1の費用でEVトラックを導入することが可能となり、CO2排出量削減に向けてトラックのEV化が一層加速する。SBSグループ全体では、今年3月時点で72台のEV車両が走行、まずはヤマト・モビリティからの導入を皮切りに、25年上期中にさらに20数台程度のEVを追加導入する計画だ。
　今後は、公道での実走行を経て、SBSグループ内各社におけるEVコンバージョン車両の導入を進めていく予定だ。また、ヤマト・モビリティはSBSグループ各社と共同で、グループ各社がすでに保有しているディーゼルトラックのEVコンバージョンを推進、車両の再利用を通じてEV保有比率を高める活動を支援していく。今回の「複数台申請」の認可取得により、同一型式・同一改造内容であれば車両登録が容易となったことから、ヤマト・モビリティが保有するEVコンバージョントラックのデモ車（2号車）もナンバーを取得し、同社はSBSグループ各社以外の顧客からも要望に応じて訪問、公道試乗に対応する。

　ANAグループは、25年5月から適用する国際線貨物の燃油特別付加運賃（燃油サーチャージ）を改定する。
　指標となるシンガポールケロシンの25年3月の1カ月平均が1バレルあたり85.39米ドルとなったため変更するもので、新サーチャージは、長距離（北米、欧州、中東、オセアニア向け）が78円（現行85円）、遠距離アジア（シンガポール、タイ、ベトナム、インドネシアなど向け）が67円（同71円）、近距離アジア（韓国、中国、フィリピンなど向け）が58円（同62円）となる。

　日本貨物航空（NCA）は、5月1日から適用となる日本初国際貨物燃油サーチャージを改定する。
　同社が燃油指標価格に用いている25年3月の平均燃油価格が1バレルあたり85.39ドルだったことを受け、25年5月1日以降の日本発国際航空貨物燃油サーチャージを、TC1（主に北米・中南米）およびTC2（欧州・アフリカ・中近東）向けで79円/kg（現行86円）に、TC3遠距離（東南アジア）向けで67円/kg（同73円）に、TC3近距離（東アジア）向けで56円/kg (同61円)にそれぞれ引き下げる。

　エミレーツ・グループ（UAE）の貨物航空会社エミレーツ・スカイカーゴ（本社・ドバイ）は５月24日から週1便のドバイ（アール・マクトゥーム国際空港、別名ドバイワールドセントラル空港：DWC）〜成田線を開設する。使用機材はボーイングB777F。成田空港と中東を結ぶ貨物専用便サービスは初めて。
　同社は12年からドバイ〜関西国際空港で貨物便サービスを開始、現在は週2便を運航している。成田線の新設により片道あたり100トンの貨物容量が増加、輸送品目では自動車部品、機械部品、半導体部品、医薬品などが予想されている。
　同社はこれまで大型貨物や機械部品のような特殊形状貨物は関空へ横持ちしていたが、成田への貨物専用便開設で日本での事業拡大を見込んでいる。

　GROUND（東京都千代田区）は、物流センターにおけるデジタルトランスフォーメーション（DX）推進を支援するための「DX診断サービス」を開始、企業が抱えるDXの課題を特定し、具体的な改善策を提案する。
　GROUNDは、AIやロボットなどの先端技術を活用した物流ソリューションの開発・提供に加えて、顧客のDX推進を支援するコンサルティングサービスを提供している。GROUNDでは、物流オペレーションにおけるDX推進の成熟度を6段階のステージで定義し、段階ごとの着実な進化を支援する。
　今回提供を開始した「物流DX診断サービス」は、これまでの支援実績から得た知見を活かし、上位ステージは下位ステージの能力を基盤とするという考えに基づき、業務機能モデルに基づいた包括的な診断手法で、顧客のDX推進の成熟度を詳細に分析する。現状をより客観的・正確に把握するために、顧客の本社部門、現場の管理者、担当者など、立場の異なる方々にヒアリングし、現在の状況と強み・弱みを明確にすることで、業務効率化、コスト削減、顧客満足度向上を加速するための手がかりを提供する。診断後にさらなるコンサルティングプロジェクトに進む際には、戦略立案やロードマップ・方針策定など、改革を具体化するための多岐にわたるサービスを提供し、実行を支援する。

　東京都港湾振興協会は会員を対象に、東京都港湾局と東京港埠頭の事業説明会をオンラインによるビデオ配信で開催した。
　同振興協会では毎年、東京都の予算成立時期に合わせて東京都港湾局、東京港埠頭の事業説明会と、東京港の最新のトピックスをテーマとした講演会を開催し、東京港に関係する会員に港湾管理者などの事業を理解促進に取り組んでいる。今回、港湾局と東京港埠頭の2025年度の予算、事業計画を説明したもので、同配信は5月16日まで視聴できる。
　東京都港湾局の25年度予算は、一般会計が大井ふ頭コンテナターミナルの再編整備にかかる経費増で前年度比70.9％増の1,715億900万円、臨海地域開発事業会計は企業債の償還金減で57.0％減の678億4,500万円、港湾事業会計は大井ふ頭用地取得による経費増で651.8％増の804億2,300万円、合計で19.0％増の3,197億7,700万円を計上した。主な事業のうち東京港の機能強化に向けた取り組みでは、ふ頭の整備・再編（一般・臨海・港湾）に912億2,900万円を計上、船舶の大型化や貨物の増加に対応するため、Y3の整備や大井ふ頭CTの再編整備を進める。さらに円滑な物流ネットワークの整備（一般・臨海）に21億5,400万円、脱炭素化の推進（一般）に51億4,200万円、客船誘致の促進（一般・臨海）に8億1,700万円を計上した。これら事業の説明に併せて、3月に策定した「Tokyo Container Vision 2050」についてスライドで紹介した。
　東京港埠頭の25年度事業計画では、コンテナ埠頭の整備、船舶大型化への対応のための外貿埠頭事業の建設計画として、大井コンテナクレーン更新工事、青海コンテナ埠頭再整備工事、中央防波堤コンテナ埠頭整備工事をはじめ、Y3のDX-GX推進のための建設事業など総額216億4,800万円、管理運営として50億6,400万円を計上した。内貿埠頭事業では、建設計画としてフェリーターミナル前面の舗装工事など4億7,600万円、管理運営では、内貿埠頭で2億6,200万円、建設発生土の有効利用に20億800万円、環境保全に2億1,400万円を計上した。その他、客船ターミナルや公園など指定管理者としての事業では38億9,400万円を計上した。

　米国通商代表部（USTR）は17日、中国の造船・海運産業を牽制するための入港手数料の賦課などに対する修正案を発表した。今年2月に発表した措置案では中国船社や中国建造船の運航船社に焦点を当てていた一方、修正案ではすべての外国籍自動車運搬船（PCTC）、LNG輸送にも拡大、段階的な入港料を課すほか、中国製のコンテナ荷役機器、シャシー、コンテナに対する料金も含まれている。5月19日までに意見を募集したうえで最終決定し、180日後の10月14日から入港料の徴収を開始するとしている。
　中国建造船の運航船社に対する入港手数料は米国寄港ごとに純トン数（Net Tonnage）またはTEUベースで課し、どちらか高い金額を適用、1トン当たり18ドルから始まり、2028年に33ドルに引き上げ、TEUベースの場合は、当初120ドルを課し、2028年に250ドルに引き上げるとし、入港手数料の徴収は1隻あたり年間5回とし、2月に発表した草案より小さくなった。
　また、中国籍船の運航船社に対する入港手数料は当初1トンあたり18ドルからスタート、半年後に23ドル、2027年に28ドル、2028年に33ドルまで引き上げる。
　この入港手数料は船主が米国で同トン数の船舶を建造、引き渡しを受けた場合、最大3年間は免除、また4,000TEU型未満のコンテナ船、特殊船、レイカーも免除される可能性がある。
　また、PCTCはすべての外国籍船を対象に、当初1CEU（乗用車換算台数）あたり150ドルを課し、この場合も米国に新造船を発注する事業者は免除、LNG輸送も2028年から米国建造船で1%を輸出ことが義務化され、その比率は2年ごとに引き上げ、2047年には米国が輸出するLNGの15%を米国建造船で輸送することを求めている。

　鴻池運輸は、ドイツのEhrhardt and Partner Group（独ボッパルト市、EPGグループ）の子会社Ehrhardt Software-Solutions und Service GmbH（エンメルトハウゼン市）とEhrhardt and Partner Logistics GmbH（ボッパルト市）と共同出資による合弁会社Ehrhardt Konoike Solutions GmbH（EKS、EPGグループ51％、鴻池運輸49％）をボッパルト市に7月に設立、ドイツの先端技術を実装、物流業界における革新的なソリューションの開発・提供を目指す。
　鴻池運輸としてはドイツで初めての合弁会社設立となり、EKSは既存のマルチテナント（3PL）倉庫を運営し、最先端の倉庫ソリューションを活用・導入しながら、物流分野向けの高度な技術や新しいソフトウェア製品を開発・提供する計画だ。また、鴻池運輸の物流運営における長年の経験と、EPGグループの革新的な物流ソフトウェアソリューションに対する長期的な取り組みを基盤とし、新しいデジタル製品の開発と運営の卓越性、優れた生産性を備えた倉庫管理に取り組む。
　EPGグループは、倉庫制御システム（WCS）、ボイスピッキング、地上ハンドリングソフトウェア、ルート計画（TMS）システムにおいて国際的なリーディングポジションを獲得している。
　合弁のEKSも同じビジョンと戦略を追求し、既存のマルチテナント（3PL）倉庫を製品開発、製品改善、AI駆動のソフトウェアソリューションやロボティクスの使用などの高度な技術とプロセスの統合のためのプラットフォームとして活用し、開発・テスト・運用を一つの場所で取り組む方針だ。

　Drewry Maritime Research（英国）が16日に発表した太平洋航路、アジア／欧州航路、大西洋航路における主要8ルートの世界コンテナ運賃指数（WCI）は、2,192ドル／FEUと前週比3%下落、3週ぶりに値下がり、前年同期比では19%の下落だった。
　パンデミック前の最高値を付けた2021年9月の10,377ドル／FEUを79%下回っているものの、2019年の平均運賃1,420ドル／FEUを54%上回り、年初からの平均は2,944ドル／FEUで、依然として過去10年間の平均2,897ドル／FEUより7ドル高い水準を保った（2020年から22年までの間はコロナ禍の影響で異例の値上がり）。
　先週のスポット運賃を航路別にみると、上海→ニューヨークが前週比7％（270ドル）下落し3,706ドル／FEU、上海→ロサンゼルスが5％（132ドル）下落し2,683ドル、上海→ロッテルダムが2%（48ドル）下落し2.344ドル／FEU、上海→ジェノアも2％（53ドル）下落し3,018ドル／FEUとなった。
　また、ニューヨーク→ロッテルダムが1%（7ドル）下落し817ドル／FEU、ロッテルダム→ニューヨークも1％（24ドル）下落し2,129ドル／FEUとなった。
　逆にロッテルダム→上海は4％（18ドル）上昇し493ドル／FEUとなったほか、ロサンゼルス→上海は横ばいの705ドル／FEUで安定していた。Drewryでは、輸送能力の減少や米国の関税政策に起因する不透明感から、今週もスポット運賃は下落が続くと予想している。

　インドの調査会社、Precedence Researchがこのほど、2034年までの海上コンテナ機材市場予測を発表し、2025年の109億8,000万ドルから年平均成長率（GAGR）で3.54％成長し、150億1,000万ドルに拡大すると予測した。
　特にアジア太平洋市場は34年までにGAGRが3.64％で成長し市場全体を牽引するとしている。2024年現在の世界の市場規模は106億ドルで、うち同地域の市場は53億ドルと、すでに50％のシェアを占め、34年には75億8,000万ドルに成長すると見ている。この地域ではコンテナターミナルへの大規模な投資と拡張が活発で、生産拠点の集積、海上輸送の増加と港湾の拡張、近代化、自動化技術の普及、域内貿易協定の締結が活発化していることに加え、域内にコンテナ製造の85％のシェアを持つ中国があること、また同国による一帯一路政策で域内でのインフラ整備が進むことなどが成長を後押しすると見ている。
　欧州地域も34年まで大幅な成長が見込まれ、海上輸送需要の増加、貿易ルートの最適化、次世代船舶の導入、貿易・物流の効率化が成長を支えるとしている。特にロッテルダム港は、大規模な舟運への積み替え機能や大西洋、北海への優れたアクセス環境、ハイテク技術などを活用した堅牢なインフラを持ち、域内の成長を支える役割を果たすとしている。
　米国トランプ政権による関税政策などの影響について、具体的な見通しは示していないが、足元ではブッキングの減少や報復関税の発動が発生していることに触れ、メーカー、荷主などは船積み予約件数は減少し、複数の国による報復措置の発表や実施が相次いでいる。メーカー、荷主、その他の業界は貿易戦争の激化による損失を防ぐための対策が必要だと指摘している。

　国連貿易開発会議（UNCTAD）は16日に発表した「2025年貿易開発展望-圧力のもと、不確実性が世界経済見通しを変える」と題する報告書で、貿易摩擦の激化と不確実性の継続で、世界経済は景気後退の軌道に乗っていると警告した。
　報告書によると世界経済成長率は2025年に2.3%減速、景気後退の軌道に乗ると予測、貿易政策ショック、金融市場のボラティリティ、不確実性の高まりなど、世界経済の見通しを揺るがリスクのある脅威が高まっていると指摘した。
　貿易摩擦の高まりは世界貿易の影響を及ぼしており、UNCTADは最近の関税措置がサプライチェーンを混乱させ、予測可能性を損ない、貿易政策の不確実性は史上最高水準に達しており、すでの投資判断の遅れや雇用の減少につながっているとしている。
　景気減速はすべての国に影を及ぼすが、依然として発展途上国、とくに最も脆弱な経済について懸念を抱いており、多くの低所得国が外部金融環境の悪化、持続不可能な債務、国内成長の鈍化という最悪の状況に直面しているとしているとし、既存の貿易および経済関係を基盤に、対話と交渉、そして地域および世界規模の政策調整の強化を促し、信頼を回復し、開発を軌道に乗せるためには協調的な行動が不可欠になると結論づけている。

　中国船社のSITC Container Linesは、今月上旬に日本／華北／韓国航路のCKS1を休止し、同航路のLKTを代替サービスとして川崎を抜港、釜山に追加寄港した。
　新LKTは、1,000TEU型3隻を投入し、4月1日日照発”SITC Qinzhou”（1,043TEU）起こしで、連雲港～日照～青島～東京～横浜～名古屋～釜山～連雲港の新ローテーションでウィークリーサービスを開始した。
　また、SITCは先月、日中航路のPTK+REX-Tも改編し、川崎に追加寄港し、1,000TEU型2隻を投入、青島～平沢～石島～青島～東京～川崎～横浜～青島の新ローテーションで定曜日ウィークリーサービスしている。

　財務省関税局によるとモンゴルから、日モンゴル経済連携協定（EPA）において同国が発給する原産地証明書（Certificate of Origin）について、5月7日以降、PDF形式で発給する旨の連絡があった。日モンゴルEPAは2016年6月7日に発効し、発効後即時に両国の往復貿易額の約50％、発効後10年間で約96％の関税が撤廃されることになっている。

　A.P.Moller-Maersk（デンマーク）は17日、セネガルのダカールに西アフリカの統合物流ハブ拠点として最新の倉庫・配送センターを開設した（写真）。
　新倉庫はダカールの工業地帯に立地し、最終消費地、製造拠点に近く、さらに10km圏内に港湾施設があり、国内の物流効率の向上だけでなく、西アフリカ諸国への越境輸送も容易にするという。
　施設は、屋内倉庫が面積5,100m2でパレット7,036枚を保管でき、加えて屋外保管スペースも500m2確保している多目的物流施設で、FMCG、小売商品、ライフスタイル製品、テクノロジー製品など幅広い品目の取り扱いに対応している。また保管機能だけでなく、パレット梱包、受注対応、在庫管理、配送、ラベリング、梱包など付加価値サービスの提供も可能で、3PLサービスのニーズにも対応している。また最新の倉庫管理システム（WMS）と電子管理システムを備え、顧客に在庫、物流情報をリアルタイムで提供できる。
　ダカールに新拠点を構築したことで、Maerskの西アフリカにおける物流ネットワークは地域8カ国に10万m2規模の倉庫ネットワークに強化し、アビジャン、テマ、ドゥアラ、ラゴス、コナクリ、ロメ、コトヌーなど地域の主要なゲートウェイの拠点と連携しサービスする。

　米連邦海事委員会（FMC）はこのほど中国とポーランド政府による合弁多目的船運航船社Chipolbrok（本社・上海）をこのほど国営船社のリストに追加した。同社の組織や商業活動でポーランドよりも中国側の方が支配力が大きいと判断したもの。
　Chipolbrokは1951年の設立、当初重量物船6隻でスタートし、現在では17隻を保有、総輸送能力は49万6,000dwtに達する。
　国営船社と指定された場合、運賃や運航コストの合法性は当該船社が配船する航路で競合する民間船社の水準との比較で判断され、FMCが不当と考えた場合30日の事前通告でタリフの停止を命じることができ、不当でないことの挙証責任は国営船社側にあり、運賃や諸チャージの変更も一般船社は値下げが即日発効する一方で、国営船社は30日の事前通告が必要、などの規制がある。

　日本郵船、川崎汽船がMISC Berhad、China LNG Shipping (Holdings) Ltd.（マレーシア）と共同で出資する合弁会社は17日、中国の滬東中華造船(集団)（Hudong-Zhonghua Shipbuilding (Group) Co., Ltd.）で建造中のカタール国営エネルギー会社、QatarEnergy向けLNG運搬船の命名式を開催し、カタール最大級の都市アル・ワクラにある丘の名前にちなみ”AL TUWAR”（アル・トゥワール）と命名した。
　同船は、合弁会社が世界最大級のLNG生産者であるQatarEnergy向けに新造するLNG船12隻シリーズの1番船で、日本郵船が関与するLNG船としては初の中国での建造船となり、5月から世界各国へのLNG輸送に従事する予定だ。
　同船は全長299.0m、幅46.4m、積載容量17万4,000m3で、燃料油とボイルオフガスを燃料として利用できる最新の二元燃料エンジン「X-DF 2.1 iCERエンジン」を搭載、余ったボイルオフガスを有効に利用する再液化装置を搭載し、効率的な運航を実現して（GHG）の削減に寄与し、環境負荷を低減できる。

　Drewry Maritime Research（英国）が15日に発表したアジア域内コンテナ指数（IACI）は、過去2週間で11%上昇し668ドル／FEUで安定、前年同期を39%上回ったが、昨年12月中旬から7回連続で下落したあと初めて上昇に転じた。　
　IACIは、中国、北・東アジア3カ国（日本、韓国、台湾）、東南アジア5カ国（インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム）と南・西アジア2カ国（インドとアラブ首長国連邦）を含む、アジア域内18航路のスポット運賃（積み／揚げ地THC除く）を加重平均し指数化したもので、2週間ごとに公表している。
　主な航路のスポット運賃をみると、釜山→上海は1%下落し105ドル／FEU、ホーチミン→上海は4%下落し51ドル／FEU、ジャカルタ→上海は15%上昇し62ドル／FEU、上海→J.ネールは13%上昇し971ドル／FEU、上海→シンガポールは10%下落し612ドル／FEU、上海→タンジュンペレパスは2%下落し1,060ドル／FEU、上海→横浜は2%上昇し812ドル／FEU、横浜→上海は1%下落し-70ドル／FEUとなった。

　Ocean Network Express（ONE）、Yang Ming（台湾）、HMM（韓国）で構成するPremier Allianceは稼働開始の2月以来、極東／北米西岸航路でサービスラインナップの一部を休止しつつ、既存サービスで寄港地ネットワークをカバーしている。
　同航路のPN4は2月以来、開始を延期してきたが、このほどサービス開始をさらに5月まで延期したうえで、無期限で休止した。またアライアンスは同航路のPS5の開始も延期している。
　一方で、現在PN3の中国側寄港地を拡大し代替サービスとして運航中で、4,700～6,600TEU型8隻を投入し青島～寧波～上海～釜山～バンクーバー～タコマ～釜山～青島のローテーションで定曜日ウィークリーサービスしている。
　またサービス開始の延期に対応し、PS4では寧波、PS6では青島に追加寄港し寄港地ネットワークをカバーしている。

　ロシア全商業港における今年第1四半期（1～3月）の総貨物取扱量は前年同期比5.6％減の2億820万トンで、うち輸出が5.4％減の1億6,440万トン、輸入は2.9％増の1,010万トン、積み替えは3.1％増の1,800万トン、内貿は19.1％減の1,570万トンだった。
　貨物別では、ドライ貨物が5.3％減の9,840万トン、うちコンテナは0.7％増の1,370万トン、石炭は1.1％増の4,390万トン、肥料が17.9％増の1,210万トン、穀物は49.6％減の920万トン、車両は3.1％増の190万トンだった。
　液体バルクは5.8％減の1億980万トンで、うち原油が5.8％減の6,500万トン、石油製品は8.0％減の3,250万トン、LNGは3.0％増の970万トンだった。
　港湾地域別では、北極海岸が8.7％減の2,150万トン、バルト海岸は1.8％減の6,810万トン、黒海・アゾフ海岸は11.6％減の6,260万トン、カスピ海岸は32.9％減の170万トン、ロシア極東は0.1％増の5,440万トンだった。

　Yang Ming（台湾）は17日に第402回取締役会を開催し、子会社のターミナル会社、Hong Ming Terminal & Stevedoring Corpを通じて高雄港のコンテナターミナル、Terminal No.70の使用権を20年間延長することを決定した。
　Yang Mingは1980年から高雄港を主要拠点として活用し、Terminal No.70だけでなく、No.108～111と統合して運用することで、海外の遠隔地、近海の双方の目的地への柔軟な輸送体制を構築できたとしている。
　取締役会では同時に、コンテナフリートの刷新計画を承認し、25年中に新造コンテナの納入を受けるとともに老朽コンテナと代替することを決定した。刷新はドライ、リーファー、特殊コンテナにおよび、新コンテナは森林伐採や生態系への影響を考慮し、塗装には水性塗料を使用し揮発性有機化合物（VOC）の発生を抑制するほか、床材に竹を利用する。またリーファーコンテナでは、エネルギー効率の高いインバーターコンプレッサーを搭載し、従来のユニットに比べ電力消費を削減、さらに冷媒に温暖化係数（GWP）の低いR513Aを採用し、GHG排出削減を図るとしている。

　千葉県は千葉港における集貨を促進し、千葉港のさらなる利用拡大を図るため、千葉港中央ふ頭コンテナターミナルを利用した輸出入荷主に対して、25年度もコンテナ貨物取扱量に応じた助成事業を提供する.
　千葉港千葉中央ふ頭コンテナターミナルを利用した輸出入荷主のうち、国内に事業所を有している者に対して、前年の取扱量を10TEU以上上回った継続利用については増加分を対象に、または直近3カ年以内に千葉港の利用実績がない場合は新規利用として、1TEU当り1万円を補助する。1申請社（者）あたり400万円を限度額とする。対象期間は25年1～12月。

　センコーグループホールディングスは、インドで通関業務や国内輸送などを展開するPDS International Pvt. Ltd.の51％の株式を取得し、4月16日付でグループ化した。
　センコーグループは、2022年にインド現地法人を設立後、フォワーディング事業の拡大に取り組んできており、今回インド国内で通関事業や国内輸送に強みを持ち、日系企業をはじめとする多国籍企業から信頼が厚いPDSをセンコーグループに加わえることで、同グループはインドにおける事業基盤の確立と顧客拡大を期待できる。またPDSは、センコーグループのノウハウと営業力を生かし、フォワーディング事業のさらなる拡大を図っていく方針だ。また両社は、協業を進めていくことで、今後インド国内でのモーダルシフトや冷凍冷蔵物流など新事業の実現に積極的に取り組んでいくとしている。

　ベルギー・ゼーブルージュ港のコンテナターミナル、CSP Zeebrugge Terminalに8日、メガマックスコンテナ船”MSC MINA”（23,656TEU）が最大ドラフト16.40mを記録したが、14日にはさらに”MSC OLIVIA”（15,413TEU）がドラフト16.55mで入港し記録を塗り替えた。
　両船は、MSC（スイス）が単独で極東／欧州航路のLionに就航中で、シンガポールからゼーブルージュへ直航で寄港後、MSCの欧州港湾のハブとなるアントワープ港へ向かう。

　日本GLPは、大阪府大阪市東住吉区で延べ床面積約2万8,500m2の先進的物流施設「GLP大阪IV」を着工した。
　同施設は、「GLP大阪市東住吉区まちづくりプロジェクト」における2棟目で、大手日用品卸企業あらた（東京都江東区）の専用施設として2026年10月末の竣工を予定している。隣接する「GLP大阪III」は、2024年10月に着工済みで、2026年1月末の竣工を予定している。大阪都心の主要ICまで20～30分圏内、関西主要都市への配達に適し、阪神高速大和川線や大阪市を南北に縦断する幹線道路にも隣接、大阪市の南の玄関口としての役割を果たす。大阪南港をはじめとした主要沿岸部を包括する立地に加えて関西国際空港へのアクセスも容易で、チルド食品から航空貨物まで幅広い荷物のニーズに対応できる物流適地だ。
　地上4階建ての先進的物流施設で、倉庫内保管エリアは構造ブレースの無い仕様として全面的な自動マテハン設備の設置に対応するほか、4層吹抜けの自動ラック倉庫エリアをあらかじめ計画することで、最新技術を用いた高度な物流オペレーションを可能にする。
　あらたは「GLP八千代IV」にも入居する日本GLPのリピートカスタマー。日本最大級の日用品卸企業として全国規模でネットワーク基盤を確立、事業拡大に伴い「GLP大阪IV」を同社の関西地区最大の配送拠点となる「関西新センター（仮）」として活用予定だ。施設内では省人化・省力化を可能とするロボットやマテハン機器を導入し、人手不足への対策としてトラックの荷待ち時間短縮に加え、荷物の積み下ろしや仕分け作業効率化の仕組みを導入予定だ。

　中国船舶集団（CSSC）傘下の広船国際は16日、MSC（スイス）向けに建造中だったLNG燃料16,000TEU型コンテナ船”MSC GIOIA TAURO”（写真）の命名・引き渡し式を開催した。広船国際がMSC向けに建造した16,000TEU型コンテナ船の6隻目で、コンテナを最大16,916TEU積載可能で、世界最大容量の13,000m3B型LNGタンクを搭載する。
　同船は青島4月25-26日起こしでMSCがOcean Network Express（ONE）、Yang Ming（台湾）と協調するアジア／欧州航路のLion Serviceに就航、他の12,000～19,000 TEU型14隻ととともに、青島～釜山～寧波～上海～南沙～塩田～シンガポール～ゼーブルージュ～アントワープ～ハンブルク～ロッテルダム～アントワープ～ルアーブル～ロンドンゲートウェイ～アブダビ～ジェベルアリ～塩田～青島のローテーションで定曜日ウイークリーサービスを展開する。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、NXインドは印ハリヤナ州パタウディと、デリーに位置するインディラ・ガンディー国際空港内の2倉庫を拡張した。
　NXグループは、中期経営計画「NXグループ経営計画2028」において「インドでの存在感の確立」を成長戦略として掲げ、新倉庫の設立や増設など、サプライチェーン強靭化に向けた取り組みを進めている。今回、インドでのさらなる物流サービスの拡充に向け、2つの倉庫を拡張した。
　ハリヤナ州グルガオン近郊のパタウディ倉庫（写真左）は2月20日、需要拡大に対応するため、倉庫面積を約9,200m2に拡張した。同倉庫は最先端の火災警報システムやスプリンクラー、ドックレベラーなど安心・安全で効率的な作業が可能な設備を備えている。今回の拡張で、より多くの顧客に高品質なサービス提供が可能となった。
　一方インディラ・ガンディー国際空港内の倉庫（写真右）は、空港内のトランジット貨物の取り扱い、引越業務サポートや通関業務を担っている。
　近年の取扱貨物量の増加を受け、1月23日に、倉庫とオフィスを約1.5倍に拡張（面積790m2）した。最新鋭の倉庫設備を備え、きめ細かなニーズに即座に対応できる体制を整えた。

　申告額800ドル以下の少額貨物の輸入に関税を免除する米国のデミニミスルールが5月2日に終了することを見越した駆け込み需要への対応として、米大手宅配のUPSは4月13日発効で中国、香港、マカオ発米国向けの小荷物に対してポンドあたり0.29ドルのサーチャージを徴収、フェデックスも同15日付で中国、香港、フィリピン発米国向けでポンドあたり0.45ドルの需要サーチャージを導入した。フェデックスはで発地ベースデミニミスが終了する5月2日までと期間を設定しているがUPSは期限を設けていない。

　東京税関によると、成田国際空港が取り扱った国際貨物量は18万3,889トン、前年同月比5.6％増で11カ月連続のプラスとなった。積込量が5.6％増の8万2,827トン、うち輸出が5.2％増の5万1,183トンで2カ月連続増、仮陸揚貨物は6.4％増の3万1,644トンと3万トン台に乗せた。
　取卸量は5.5％増の10万1,062トンで22年10 月以来29カ月ぶりに10万トン台を回復した。うち輸入が5.0％増の6万5,427トンで11カ月連続増、仮陸揚貨物が6.5％増の3万5,635トンで13カ月連続のプラスだった。

　日本郵船はこのほど、2026年1月に事業を開始する、旭海運、八馬汽船、三菱鉱石輸送の3社が合併したNYKバルクシップパートナーズの役員体制を発表した。
　代表取締役社長には三菱鉱石輸送の浦上宏一社長、副社長には日本郵船の大橋宏明常勤顧問と八馬汽船の篠崎宏次社長、旭海運の川口浩執行役員がそれぞれ内定した。

　常石造船の中国造船子会社、常石集団舟山造船（TZS）は16日、メタノール燃料5,900TEU型コンテナ船の第1船を起工した。2023年10月に受注したメタノール燃料5.900TEU型コンテナ船4隻シリーズの第1船で、本船には日本で初めて実用化された三井E&S製のメタノール二元燃料エンジン「Mitsui-MANB&W 6G80ME-C10.5-LGIM-EGRTC」を搭載する。5,900TEU型コンテナ船は、近年増加の一途をたどる建造需要に対応するもので、常石造船がこれまで建造してきたコンテナ船の中で最大型となり、コンテナを最大5,915TEUを積載可能で、リーファープラグ1,400口を備える。
　技術面では、船型の最適化や常石造船独自の省エネ技術「MT-FAST」の採用に加え、大容量の軸発電機を採用、同クラスの重油タンカーに劣らない燃費性能と同時に、二元燃料船としてトップクラスの積載性能があり、また、大容量の陸上給電システムにも対応し、停泊時には発電機のスイッチを切ることで、CO₂排出ゼロを実現している。

　浜田港振興会は25年度（25年4月～26年3月）、浜田港で国際定期コンテナ航路を利用した企業・団体などに対して補助する浜田港国際定期コンテナ航路助成制度、他港から浜田港利用へ転換し貨物を輸出入する荷主に対して補助する浜田港国際定期航路安定化推進事業補助金、継続的な同港利用を目的としたトライアル輸出入について補助する浜田港トライアル輸出入支援事業補助金の三つの助成制度を提供する。
　定期コンテナ航路助成は、浜田港を利用した貨物について、新規は韓国1万円/TEU、中国2万円/TEU、東南アジア3万円/TEU、欧米・豪州5万円を補助する（上限100万円）。また輸出入促進支援として50TEU以上の大量貨物を扱う荷主に対して別途補助金を支給する。また国際定期航路安定化推進事業では、他港から浜田港への利用に転換した荷主に対して、北米・欧州などの貨物について4万円/TEUを補助する。トライアル輸出入支援事業では、トライアルに係る経費（国内輸送経費、海上輸送経費、荷役経費、輸出入手続き経費など）の1/2以内、100万円を限度に補助する。

　東京税関が発表した羽田国際空港の3月の国際貨物取扱量は、前年同月比6.1％増の6万5,324トンで2カ月ぶりにプラスに転じた。積込量が3.4％増の3万2,296トン、うち輸出は2.9％増の1万4,568トンで27カ月連続増、仮陸揚貨物も3.8％増の1万7,728トンで前月のマイナスからプラスに転じた。
　取卸量は8.9％増の3万3,028トンと28カ月連続のプラス、うち輸入が18.2％増の1万8,473トンで24カ月連続増となり、取卸量、輸入量ともに過去最高の実績だった。仮陸揚貨物は0.9％減の1万4,555トンと微減ながら2カ月連続のマイナスとなった。

　香港国際空港の3月の貨物取扱量は44.9万トン、前年同月比4.8％増と前月の微減からプラスに転じ、3カ月ぶりに40万トン台を回復した。取り卸しが2.2％増の12万トン、積み込みが5.8％増の33万トンで輸出の伸びが全体を押し上げた。貿易相手地域ではとくに中東と欧州が輸出、輸入とも好調を持続した。
　第1四半期では、取り卸しが4.9％増の32.1万トン、積み込みが3.7％増の84.7万トン、合計では4.0％増、物量で3.5万トン増の116.7万トンに、24年4月からの12カ月間では10.3％増の497万トンとなった。