ニュースダイジェスト

　F-LINEとT2は、4月10日、11日の2日間、レベル2（乗務員同乗）自動運転トラックによる高速道路での関東～関西間の2回目の往復実証実験に取り組んだ。
　今回、往路はカゴメの製品を、復路はハウス食品の製品を積載して幹線輸送し、それぞれ自動運転区間を約200km延長した。輸送車両はT2の大型10tトラック（自動運転システム搭載）で、往路は10日に、横浜物流センターからカゴメの製品（480ケース、5,660kg）を積載し、大阪物流センターまで輸送、復路は11日に八尾物流センターからハウス食品の製品（544ケース、3,507kg）を積載し、三郷物流センターまで輸送した。自動運転区間は、東名高速道路の綾瀬SICと京滋バイパスの久御山IC間の約410km（前回比200km延長）をレベル2（ハンズフリー）で運行した。綾瀬SIC～久御山IC間で自動運転走行率90％以上を達成した。また前回課題だった轍や道路傾斜への対応は改善できた。実証の結果、積荷状態はパレットのずれや積載商品のダメージは発生しなかった。
　今後は、第4回目まで実証実験を計画、定期運行化（月1回）はその結果を基に判断する。

　ルクセンブルクの貨物航空会社、カーゴルックスの24年業績は、売上高が前年の29億ドルから33億ドル（約4,682億円）へ、税引き後利益が前年の2.86億ドルから4.48億ドル（約568億円）へと増収増益となった。21年にパンデミックの反動で売上高44億ドル、純利益13億ドルを記録したが、新型コロナウイルス感染症の年以外では過去最高の業績となった。eコマース需要の年間を通じた大幅な伸びでキャパシティをアジア、とくに北アジアにシフトしたことが大きな要因の一つとなった。
　航空機のブロックアワー（エンジンの始動から着陸後の停止まで）は前年比10.7％増の15万3,129時間、航空機稼働時間（1日あたりのブロックアワー）が前年から1時間18分増えて13時間56分に、ロードファクターが0.9ポイント増の66.2％、輸送貨物量は12.7％の112万3,801トンへと増加した。

　サウディア・カーゴと中国東方航空グループの中国貨運航空は、インターライン協定とサウジアラビア〜中国間の貿易促進に出資することに合意する覚書（MoU）に調印した。この合意はサウジアラビア〜中国間の貿易促進のための戦略的提携を目的とするもので、共同マーケティングおよび販売促進活動、貨物サービスの協調、センシティブ貨物の取り扱いなどが含まれる。両社は覚書を実施するため、双方の経営陣で構成するエグゼクティブチームを立ち上げることにしている。
　サウディア・カーゴによると、サウジアラビアにとって中国は最大の商品貿易相手国で、23年には中国向け輸出額が161億リヤル（約6,100億円）となり、サウジの輸出全体の17％を占めた。

　キャセイパシフィック航空の3月の貨物輸送量は、前年同月比10.6％増の14万8,807トンと23年の1月から27カ月連続のプラス、第1四半期の累計貨物量は前年同期比12.0％の2ケタ増で39万9,085トンとなった。3月の貨物トンキロ（FTK）は6.4％増、有効貨物トンキロ（AFTK）が8.5％増とキャパシティが需要を上回ったためロードファクターは1.2ポイント下落して61.5％となった。　
　同社は3月に東南アジアの生鮮品を香港・珠海・マカオ大橋経由でグレーターベイエリア（香港、マカオと広東省の主要9都市を結ぶ経済圏）まで航空と陸上を組み合わせた複合輸送で結ぶコールドチェーンサービスを開始、今後生鮮品の増大を見込んでいる。
　太平洋路線の貨物輸送では米国の関税引き上げや5月初めに予定されている中国・香港からの輸入に対するミニミス・ルールの廃止などで航空貨物需要の落ち込みが予想されるが、同社ではその貨物機ネットワークの柔軟性で新たなマーケットへの再編に適応できるとしている。

　ベルギー・リエージュ空港は、米国の関税引き上げや中国・香港からの輸入貨物に対するデミニミス・ルールの5月2日廃止、貿易量の伸び率鈍化など不透明な先行きで、ワールドACDのデータでは今年第1四半期のグローバル貨物マーケット伸びが3％増にとどまるなか、同空港の貨物取扱量はそれを大きく上回る5.6％増の29万6,188トン、貨物機の発着回数は6.2％増の6,772回に達したと発表した。
　3月の実績は貨物機の発着回数が前年同月比6.2％増の2,389回、貨物量も6.2％増で11万1,160トンだった。

　NX総合研究所は、スマートフォン・タブレットを使って作業時間を簡単にデータ化・分析できるサービス「じょぶたん」に、ワークサンプリング用「稼働分析」のテンプレートの提供を開始した。
　じょぶたんは、物流倉庫の時間計測ツール「ろじたん」から派生し、工場や建設現場、人事部・総務部・経理部といった間接部門、BPO業務の実態把握で利用している。特に工場では観測者を立てたワークサンプリング（仕事の抜き取り検査）の代替手段として、IE（インダストリアル・エンジニアリング：人とモノと設備の動きを細かく見る技術）の「稼働分析」をするための需要が高く、「稼働分析」の一般的な作業分類のテンプレートが欲しいというニーズに対応した。
　作業レベル1は「稼働」と「余裕」の二つに分類、「稼働」というのが稼げる作業で、このテンプレートを利用することで作業レベル1の時間比率から稼働率を簡単に算出できる。また作業レベル2では、「稼働」は「主体作業」と「付帯作業」に分かれる。作業レベル3は、「主体作業」は「主作業」と「付随作業」に分かれる。「主作業」とは材料・部品の変形・変質に直接寄与する作業であり、加工や組立作業などの作業項目がここに分類する。作業項目名は自由に設定することが可能だ。
　じょぶたんを使い、観測者を立てたワークサンプリングよりも簡単に低コストで正確な標準時間を算出できる。工程別・作業内容別・従業員別に簡単に集計できるので課題の洗い出し、生産性向上の施策に役立つ。

　商船三井は今年6月1日付で、米国法人のMOL （Americas）LLCを通じて、米国ワシントンD.C.に新拠点を開設する。
　世界第二位の船隊規模を擁する総合海運企業として、国際海運を軸に総合物流サービスを展開しているが、地政学的リスクの高まりや環境規制の強化、サプライチェーンの複雑化といったグローバルな課題が顕在化する中、各国政府や国際機関との連携はこれまで以上に重要性を増していることから、連邦政府機関、議会、規制当局、業界団体、さらには多国間協議の場となる国際機関・大使館が集積する、世界的な政策決定の中枢である米国ワシントンD.C.に拠点を構えることで、多様なステークホルダーとの関係を構築、情報交換や提言を通じて、米国のみならずグローバル規模で、顧客に安定したサービスを提供する。
　ワシントン D.C.オフィスの名称は、MOL（Americas）LLC, Washington, D.C. Office、所在地は1025 Connecticut Ave NW, Suite 711, Washington DC 20036, USAで、事務所代表には堀田幸司氏（連絡先：WDC@molgroup.com）が就任する。

　米国のデータ会社、Descartes Datamyneが24日に発表した3月の日本発米国向け往航コンテナ輸送実績（荷受地ベース）は、前年同月比10.1％増の5万9,705TEUと2カ月ぶりのプラスとなり、大幅に減少した前年2月（13.7％減）の反動増となった。
　日本発直航分は14.0％増の4万2,451TEU、海外トランシップ（T/S）は1.5％増の1万7,254TEUで、昨年10月以来直航の増加傾向が続き、海外T/S率は28.9％に落ち込んだ。
　T/S貨物のうち韓国T/Sは25.3％減の8,453TEU、一方、中国T/Sは56.2％増の4,763TEU、台湾T/Sは60.5％増の2,228TEU、シンガポールT/Sも24.8％増の1,213TEUだった。Datamyneによると、Gemini Cooperationの開始、船社による北米向け長距離航路とアジア域内航路を接続したシャトルサービスの拡充が中国、台湾T/Sを増加させたという。
　直航の港別は、東京が10.3％増の1万6,646TEU、名古屋が15.7％増の1万2,705TEU、神戸が21.4％増の8,975TEU、横浜は20.4％増の3,243TEU、清水は33.2％減の265EUだった。
　品目別では、1位の機械類（HS84）が4.7％増の1万3,777TEU、2位の自動車関連（HS87）は12.9％増の1万2,946TEU、3位のゴム類（HS40）が10.5％増の6,597TEU、4位のプラスチック類（HS39）は7.8％増の6,279TEU、5位の電気類（HS85）も17.3％増の3,578TEUだった。
　日本発韓国経由T/Sの仕出し地別では、神戸が27.1％減の1,531TEU、博多は6.7％減の1,359TEU、名古屋も18.2％減の1,120TEU、東京も38.3％減の955TEUで、上位7港はいずれも前年を大きく下回った。
　また第1四半期の往航実績（荷受地ベース）は、前年同期比2.2％減の15万5,905TEUで、うち直航分が0.3％増の10万8,141TEU、海外T/Sは7.6％減の4万7,764TEUだった。T/Sのうち、韓国は18.6％減の2万8,579TEUと2ケタマイナスになった一方、中国は2.9％増の7,729TEU、台湾は33.8％増の6,311TEUだった。
　同時に発表した2月の米国発日本向け荷動き（最終仕向け地ベース）は、前年同月比3.7％減の5万1,958TEUで、うち直航分は23.6％減の3万3,684TEU、海外T/Sは85.0％増の1万8,274TEUだった。海外T/Sのうち、韓国T/Sは20.0％減の4,306TEUと2ケタマイナスになったが、パナマT/Sは11427.6％増の3,343TEU、カナダT/Sは1045.7％増の3,036TEU、中国T/Sも600.4％増の1,856TEUと韓国以外の増加が目立った。

　福岡県は、北九州市や苅田町、地元経済団体などの関係者と連携し、北九州空港の貨物拠点化に向けた取り組みを進めており、その結果、2024年度の北九州空港の貨物取扱量が、速報値で初めて3万トンを上回り、2006年の開港以来、過去最多を更新した。
　これを受け福岡県の服部誠太郎知事は「24年度の北九州空港の貨物取扱量が、速報値で前年度比約3倍の3万6,000トンを上回り、過去最多を更新した。これは、北九州空港の貨物拠点化を目指し、県と北九州市、苅田町などの関係者が力を合わせて利用促進や機能強化に取り組んできた成果だ。今後、27年度に滑走路を3,000mに延長することを見据え、新たな路線誘致や貨物取扱量の増加に向けた取り組みを進め、さらに貨物拠点空港としての発展を目指す」と述べた。この増加は、24年度から新たにヤマトグループ・JALグループによる貨物専用機が就航し、その後相次いで増便したことによる。
　一方、北九州市も北九州港・北九州空港の貨物取扱量が、それぞれ過去最高を更新したと発表した。24年の北九州港のフェリー貨物取扱量は前年比5％増の5,292万トンと3年連続で過去最高を更新したが、これは船舶大型化、21年7月からの東京九州フェリーの新規就航、2024年問題対応としてのモーダルシフトの進展などが要因だとしている。

　デンマークの海運調査会社、Sea-Intelligenceの調べによると、米中関税戦争の影響は引き続きコンテナ船の運航に直接的な影響を及ぼしており、太平洋航路の欠便が引き続き大幅に増加している。
　米中関税戦争の影響により、多くの荷主が出荷を一時停止、あるいは全面的にキャンセル、その結果、船腹需要が減少し、それに対応するため、船社は出港をキャンセルしているもの。
　第12週（3月第1週）に、4月7日から5月12日まで、ほとんどの週は0％に予定していたが、現在、5月5日からの欠便が急増し、第15週（4月第2週）までに、船社は5月5日から始まる第19週の予定 船腹量の35％に相当する欠便を予定していたが、第16週（4月第3週）には、全運航枠の42％にまで拡大し、前週比7%の増加となった。アジア／北米西岸航路では、このエスカレーションが1週間早く見られ、4月28日からの第18週では、第15週時点で13％が欠便となる予定だったが、16週時点では28％へ倍以上に拡大した。
　Sea-Intelligenceでは、この欠便のエスカレーションは、市場の劇的な変化を示しており、欠便の規模は、1～2月の旧正月連休や10月の国慶節連休と類似したもので、また、これらの欠便の多くが、荷主への事前通告が非常に限られていると指摘している。

　韓国からの報道によると、韓国の大法院（最高裁判所）は24日、海運業界が韓国公正取引委員会による近海3航路の運賃談合の疑いによる制裁金課徴の取り消しを求めた行政訴訟を巡りソウル高等裁判所第7行政部が昨年2月にEvergreen（台湾）が提起した公取の是正命令などの取り消しを求めた訴訟で制裁金支払いと是正命令のすべてを取り消した判決を破棄、ソウル高裁に差し戻した。これにより近海3航路の運賃談合問題に対する公取委の訴訟が1年3カ月ぶりに再び高裁で争われ、違法になる可能性もあり、韓国の海運業界に大きな波紋が予想されている。
　この問題は、公取が2022年1月、海運法で規定した海洋水産部に対する事前の申告、荷主団体との協議などの適法要件を守らず、共同で最低運賃、緊急燃油サーチャージ（EBS）などの付帯料金を談合し設定したことを問題視、東南アジア航路と韓日航路で総額1,763億ウォンの制裁金支払いを命じ、韓中航路は韓中海運協定に基づき運営されているため、外交的な摩擦を考慮し是正命令だけにとどめたことが発端。
　これに対し、海運業界は公取委の調査中、19回も海洋水産部に申告、荷主団体とも協議するなど、適法手続きを経て設定したものなどとして反発し、22年8月に東南アジア航路の韓国船11社・外国船社4社、9月に韓日航路の韓国船11社・外国船社1社、10月に韓中航路の韓国船社15社がソウル高裁に公取の制裁措置の取り消しを求める行政訴訟を起こした。
　このうちEvergreenには33億9,900万ウォンの制裁金の支払いを命じられていたが、ソウル高裁が昨年2月、公取委の制裁が違法な措置だったと判断した最初の事例となっていた。
　大法院の裁判の差し戻し判決の内容は明らかになっていないが、韓国の法曹界では、ソウル高裁が不当共同行為に対する業務権限が公取委にないと判断し、詳細を十分に検討しなかった点を大法院が指摘し、高裁の判決を破棄し差し戻した可能性もあるとの見方も出ている。

　米連邦海事委員会（FMC）のエリン・M・ワース首席行政法判事は22日、ZIM Integrated Shipping Services（イスラエル）が韓国の家電・電子機器大手サムスン電子の米国子会社Samsung Electronics America （SEA）に対し368万ドル（約5億2,600万円）余りの賠償を命じた。SEAが22年10月、ZIMが「不当なデマレージ・ディテンション（超過保管料・返却延滞料、D＆D）」を請求、海事法に違反したとして賠償を求めていたもの。
　SEAはZIMに続き、23年4月にSM Line（韓国）、24年3月にはCOSCO（中国）とOOCL（香港）、24年6月にはHMM（韓国）がそれぞれ不当なD＆Dを請求したとしてFMCに訴えを起こしており、今回の裁定はD&Dの慣行をめぐる荷主と船社の訴訟問題に影響を与えそうだ。
　 SEAは20年初頭から米国向け貨物の海上輸送と港湾から配送施設までの内陸輸送を含むstore door輸送契約をZIMと締結したが、20年後半からZIMは繰り返し内陸輸送義務を果たさず、20年以降デマレージ2,000件超、ディテンション7,000件超を不当な慣行でそれぞれ請求したとして、SEAはこれらによる費用はZIMが責任を負うべきと主張していた。
　裁定では、ZIMが船荷証券に基づく内陸輸送を引き受けながら、荷主の手に負えない遅延が発生した場合でも、SEAにD&Dを頻繁に請求していたことが明らかになり、こうした遅延は、港の混雑や船社による貨物保留が原因であることが多かったとし、最終的な裁定額368万3,339ドルは、専門家の証言と立証された証拠に基づいたもので、この判決は、同様の紛争を防止するため、より明確な慣行と、船社／荷主間のコミュニケーション改善の必要性を強調した。

　ボルチック海運協議会（BIMCO）はこのほど、日本船主の保有船隊規模をまとめて公開し、日本船主は船腹保有量で中国、ギリシャに次ぎ世界3位で、依然船腹量の10％を保有しているという。
　現在の世界の商船隊船腹量は2兆4,000億dwtで、これを178カ国の船主1万6,622者が保有し、日本船主は604者で115～2,860万dwt規模の船舶を保有、世界の船腹量の12％を占めている。
　日本は1986年にピークとなった輸出で世界の10％を占め、輸入でも1974年にピークとなる7％を占める貿易大国だったが、現在、輸出額は3％を占めるにとどまっている。一方、船腹量は、過去10年間にわずかしか成長しておらず中国、ギリシャとの差が開きつつも、依然10％以上の船腹を抱える上位3カ国の地位は維持しており、今後、米国政府による中国建造船に対する追加入港手数料を徴収する措置による恩恵が期待できるとしている。
　日本船主のうち、日本郵船、商船三井、川崎汽船の邦船3社が全体の48％を保有、3社は東京（世界第4位の規模）に拠点を置いており、東京は世界で4番目に大きな船主の集積地だが、国内2番目の拠点は愛媛県今治市で船主112者が拠点を置き、シンガポールに次ぐ世界6番目の船主が集積する都市となっている。

　Wan Hai Lines（台湾）は24日、台湾証券取引所（TWSE）に韓国のHD現代三湖とサムスン重工業にメタノール燃料1万6,000TEU型コンテナ船をそれぞれ2隻発注したと情報開示した。
　船価は1隻あたり1億8,660万ドルから2億400万ドル、総額8億ドルと推定、引き渡し時期は公表していない。Wan Haiが発注したコンテナ船としては最大型。
　Wan Haiは昨年8月、ネオパナマックス型コンテナ船20隻の建造計画を明らかにしていた。
ASX-Alphaliner（仏）のデータによると、Wan Haiの運航コンテナ船隊は25日現在、112隻・52万3,696TEUで世界11位にランク、新造船の発注残は30隻・31万7,716TEUとなっている。

　OOCL（香港）はこのほど、ベトナム南部と海峡地を結ぶフィーダーサービス、VSXを再開した。
　新VSXは、”BoxOX Endeavour”（1,714TEU）を専用投入し、4月23日シンガポール起こしで、ホーチミン（カトライ）／シンガポール間でシャトルサービスを開始する。
　OOCLはVSXの再開により、グループ会社のCOSCO Shipping Line（中国）とベトナム／タイ／海峡地航路で協調配船しているVTSと合わせ、シンガポールとホーチミンを週2便体制で結ぶことになった。

　フィンランドの港湾荷役機器メーカー、Konecranesの今年第1四半期（1～3月）の連結業績は、期中の受注額が前年同期比16.8％増の10億6,220万ユーロ、期末時点の受注残高は3.4％減の29万4,180万ユーロで、売上高が7.7％増の9億8,370万ユーロ、EBITDA（利払い前・税引き前・償却前利益）が9.4％増の1億3,610万トン、営業利益も12.2％増の1億ユーロと増収増益を果たし、営業利益率は0.4ポイントプラスの10.2％となり、当期利益は24.0％増の7,350万ユーロになった。
　港湾荷役機器部門の受注額は37.5％増の3億4,300万ユーロと市場の需要は依然高く、納入実績も好調で、売上高は16.5％増加、EBITDA利益率は8.3％に改善し、期末時点の受注残高は16億ユーロだった。
　産業機械部門の受注額も4.2％増加、売上高は2.5％増、期末時点の受注残高も4.9％増加した。
　港湾荷役機器は、コンテナ取扱需要は長期的にこの水準を維持するとみられ、市場環境も前期比で大きな変化はなく、25年通期の売上高、EBIT利益率はほぼ24年水準を維持するとみている。

　Drewry Maritime Research（英国）が24日に発表した太平洋航路、アジア／欧州航路、大西洋航路における主要8ルートの世界コンテナ運賃指数（WCI）は、2,153ドル／FEUと前週比2%下落、2週連続でダウン、前年同期比では20%下落した。
　パンデミック前の最高値を付けた2021年9月の10,377ドル／FEUを79%下回っているものの、2019年の平均運賃1,420ドル／FEUを52%上回り、年初からの平均は2,854ドル／FEUで、過去10年間の平均2,891ドル／FEUより38ドル低かった。
　先週のスポット運賃を航路別にみると、上海→ニューヨークが前週比3％（95ドル）下落し3,611ドル／FEU、上海→ロサンゼルスが2%（66ドル）下落し2,617ドル／FEU、ロッテルダム→上海も2%（12ドル）下落し481ドル／FEUとなった。
　同様に、上海→ロッテルダムが1%（32ドル）下落し2,312ドル／FEU、ロッテルダム→ニューヨークも1%（20ドル）下落し2,109ドル／FEUとなった一方、ニューヨーク→ロッテルダムは1％（8ドル）上昇し825ドル／FEUとなったほか、上海→ジェノアは横ばいの3,012ドル／FEU、ロサンゼルス→上海も横ばいの705ドル／FEUで安定を維持した。Drewryでは、米国の相互関税に起因する不透明感から、今週もスポット運賃の下落が続くと予想している。

　アイルランドの市場調査会社、Research and Markets）は22日、2025年版eコマース物流・eフルフィルメント市場レポートを発表した。
　それによると世界のEC（電子商取引）、eフルフィルメントの市場規模は2024年に前年比13.6%増の5,219億ユーロ（5,690億ドル）に達し、25年にはさらに15.5％の成長を見込んでいる。
　22年のコロナ禍での縮小後、市場は急激な上昇軌道に戻りパンデミック直前の2019年の2倍に達している。この急激な成長は、経済状況の改善、デジタルインフラの進歩、オンラインショッピングへの継続的な移行などにより消費者信頼感が回復したことを示している。
　地域別では、アジア太平洋地域は北米や欧州よりもわずかに高い成長率を示しており、2020年以降のアジア太平洋地域の成長率が11％であるのに対し、北米は10％、欧州は8％となっている。
　大規模なグループが小規模な専門業者を買収することで、ECの成長を利用しようとしているため、M&Aの活動が続いている。レポートでは、最近のECロジスティクスの買収事例として、DHL Supply Chain（DHLSC、独）による今年1月の米国の小売り・ECや医療業界向けにシステム開発などを手掛けるInmar Supply Chain Solutionsと昨年12月のBrandpath Group（英国）の買収、昨年7月のStord（米国）によるPitney Bowesフルフィルメント事業の買収、昨年7月のGLS（スペイン）によるe-Log（スペイン）の買収、昨年4月のベルギー郵便大手Bpostによる仏物流大手Staciの買収などをあげている。

　日本海事センター（JMC）は24日、対面・オンライン併用による第12回JMC海事振興セミナーを開催し、「グローバルサプライチェーンのグリーン化・デジタル化を目指して～シンガポール・韓国・中国・日本の取り組みと海運・港湾の連携の強化～」をテーマに、港湾運営の専門家や韓国、中国の港湾・海運関係者らがそれぞれのデジタルトランスフォーメーション（DX）、グリーントランスフォーメーション（GX）への取り組み、今後の展望について解説した。
　開会挨拶でJMCの宿利正史会長（写真）は、冒頭でグローバルサプライチェーンの脱炭素化は急務で、国際海運ではEUによる地域規制を導入、先日には国際海事機関（IMO）の第83回環境保護委員会（MEPC83）で船舶燃料のGHG強度規制やゼロエミッション船に対する経済的インセンティブを導入する条約改正案が合意されたことに触れたうえで「一方、港湾は各国が責任をもってグリーン化を進めており、日本は2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて荷役機械の脱炭素化、ヤードのLED化、コンテナ取り扱いにおけるCO2排出量の可視化など、カーボンニュートラルポートの形成に向けた取り組みを進めている。また、海運と港湾が一体的に脱炭素化を進めるグリーン海運回廊の取り組みも進んでいる。これは荷主が求めるグローバルサプライチェーン全体の脱炭素化に対応した取り組みで、燃料の製造、輸送、荷役、船上排出を含めたライフサイクル全体で脱炭素化された燃料、技術を導入した航路を指す。日本では、海外港湾当局と協力することで合意し、グリーン海運回廊の実現に向けた連携が進み、中国、韓国も他の国々との連携を進めている」とし「日本として海外とのサプライチェーンのグリーン化、デジタル化をどのように進めるか、その戦略と展開について考察したい」と挨拶した。
　続けて、神戸大学大学院海事科学研究科の杉村佳寿教授が、シンガポールの港湾におけるGX、DXの取り組みについて紹介したうえで、日本の港湾の取り組みとの比較や課題を解説した。また釜山港湾公社日本代表部の朴濟晟代表は、釜山港のGX、DXの取り組みと展望を紹介、中国のSITC INTERMODAL JAPAN社長兼SITC LOGISTICS営業総監の呂開献氏は、中国が政府主導で港湾のDX、GXに取り組んでいる状況や、SITCグループが船社、物流会社として進める独自の先進的な取り組み事例を紹介した。
　その後、JMCの福山秀夫客員研究員がモデレーターとして、また国土交通省の堀真之助大臣官房審議官、Ocean Network Express Japanの戸田潤社長を加えてパネルディスカッションし、日本の港湾の取り組み手法や船社と港湾の協力の在り方などを意見交換した。

　スペイン・バレンシア港の今年第1四半期の総貨物取扱量は前年同期比0.7％減の1,720万トンで、うちコンテナは1.6％減の1,350万トン、個数ベースで3.4％増の130万TEUだった。特に積み替えコンテナが減少し7.7％減の58万8,000TEUだった。
　バルセロナ港の総貨物取扱量は1.8％減の1,622万トンで、うちコンテナが4.9％減の925万トン、個数ベースで2.0％減の93万3,397TEUだった。コンテナのうち輸出入が8.9％増の54万5,362TEU、積み替えは14.1％減の38万8,035TEUだった。

　三菱倉庫は、同社グループ会社の上海菱華倉儲服務有限公司（上海市）が3月14日、ISO45001:2018（労働安全衛生マネジメントシステム）とISO14001：2015（環境マネジメントシステム）の二つの認証を取得したと発表した。
　ISO45001は労働災害の防止や労働者の健康増進、快適な職場環境づくりなど安全衛生の向上を図ることを目的とし、ISO14001は、事業活動を「環境」の面からより良くしようという環境問題意識を持ち、対応することを目的とした国際規格。三菱倉庫グループは、労働安全衛生方針に基づき、グループで働く人の安全と健康の確保を最優先とし、引き続き企業価値の向上に努めていく方針だ。

　横浜冷凍は、北海道河西郡芽室町に建設を進めていた「十勝フードバレー物流センター」が、24日に竣工したと発表した。
　十勝フードバレー物流センターは、敷地面積7,739m2、鉄骨造り延べ床面積5,035m2、収容能力は2万3,233t（自動ラック倉庫F級:2万2,895t、仮置室F級：338t）で、全自動ラック7,680PL（16列×40連×12段）、省エネ型自然冷媒冷却設備を導入した。同社の十勝地区4拠点目の施設で、同社の国内物流拠点としては初めて全自動倉庫システムを導入した先進的な施設だ。物流業務の省人化を推進するとともに、多様な人材が活躍できる職場環境の整備にも取り組んでいる。同センターの稼働で、十勝地区における同社の冷蔵能力は大幅に増加し、既設の3センターと連携しながら、地域農業の発展と安定した流通体制を強化していく。十勝地区の合計庫腹容量は8万7,000トンを超え、北海道内でも最大規模の低温物流拠点となる。
　同センターでは、減震対策に加え、太陽光発電設備（150kW）、リチウムイオン蓄電池（73.7kWh）、自立式パワーコンディショナーシステムを導入し、停電時にも電力供給が可能なBCP（事業継続計画）対策の強化を図っている。さらに、道内の他センター（石狩・恵庭・喜茂別）とのネットワーク連携を通じて、北海道全域における効率的な物流網の構築を推進し、今後も地域経済の発展と持続可能な物流体制（道内収容能力19万トン）の実現を目指す。

　世界最大のフレイトフォワーダーKuehne+Nagel（K＋N、スイス）の25年第1四半期業績は、純売上高が前年同期比15％増の63.30億スイスフラン（CHF、約1兆924億円）、EBITDA（利払い・税引き・償却前利益）が9％増の6.27億CHF、EBIT（金利・税引き前利益）が7％増の4.02億CHF、純利益が9%増の3.03億CHF（約521億円）で増収増益となった。海上、航空ロジスティクスがともに好調だったことに加えてグループ全体の利益率向上、米国のIMCロジスティクスの過半数の株式取得による買収効果などが貢献した。
　海上ロジスティクスはIMCロジスティクス買収後最初の四半期決算となったことで純売上高が30％増の24.99億CHF（約4,313億円）、売上総利益（粗利益）が15％増の5.77億CHF、EBITが7％増の2.10億CHF、コンテナ取扱量は３％増の100万TEUに達した。
　航空ロジスティクスは純売上高が13％増の17.82億CHF（約3,076億円）、粗利益が12％増の4.39億CHF、EBITが23％増の1.16億CHF、貨物取扱量が5％増の51.4万トンで、自動車関連を除くすべての業界でマーケットシェアを伸ばし、とくに半導体が好調だった。温度管理が必要なヘルスケア商品もブリュッセル−シカゴ、同−シンガポール間の新ルート開設で取扱量を伸ばした。
　陸送ロジスティクスは純売上高が1％増の8.71億CHF（約1,503億円）、粗利益が2％増の3.31億CHF、EBITが37％減の1,900万CHF、コントラクトロジスティクスは純売上高が3％増の11.78億CHF（約2,033億円）、粗利益が4％増の8..90億CHF、EBITが4％増の5,700万CHFで成長曲線を維持している。

　NX商事は24日、川崎市、兼松ペトロと「川崎港におけるバイオ燃料の供給実証事業」に取り組むことに合意し、協定書を締結した。
　同事業は3者が協働で川崎港におけるバイオ燃料の船舶への供給実証事業を展開するもので、NX商事は、物流企業グループのエネルギーサプライヤーとして、川崎港を利用する企業への船舶用バイオ燃料の供給促進によって、環境負荷の低い物流支援体制の構築をすすめ、川崎港の脱炭素港湾の実現に向けた官民共同での取り組みを推進する。同実証事業では、港湾の脱炭素化に向けた代替燃料であるバイオ燃料の活用可能性や運用上の課題抽出を目的としている。
　写真は左から兼松ペトロの西山勉社長、川崎市の福田紀彦市長、NX商事の青木進社長。

　国際自動車流通協議会（iATA）が財務省の貿易統計をもとにまとめた3月の中古車輸出台数（乗用車、貨物車、バス、電動車の合計）は、前年同月比3.6％増の15万6,269台と2カ月連続のプラスになった。
　首位はUAEで2万4,069台と2カ月連続で2万台超えとなり、輸出車両平均価格（FOBベース）は47万円だった。2位はロシアで9.6％減の1万5,083台、3位はモンゴルで9,342台、5位はチリで8,096台だった。
　その他、増加率が大きかったのは、スリランカが前年同月の47台から4,070台に急増、車両平均価格も約248万円と高額だった。
　一方、減少が大きかったのはニュージーランドで6,944台、ジョージアも1,345台にとどまった。

　Maersk（デンマーク）はこのほど、フランス・オードフランス地方のデュナにある物流団地、GLP Park Denain内に面積7万5,000m2の新倉庫施設を開設し、23日には開所式典を開催した。
　デュナは1990年代から物流施設の開発が始まり、近年では最新の物流インフラが急速に整備され、道路、鉄道、空路のあらゆる輸送モードへのアクセスが容易で、パリ、ブリュッセル、ロンドン向け配送拠点として地理的な優位性を持っており、欧州の様々な地域向け輸送に対応したハブ拠点となっている。
　新倉庫は、建築物の環境性能を評価するシステム、BREEAMで「Very Good」の認証を得ており、85の搬入口、天井高11.4mの倉庫、床耐荷重5トン／ｍ2、35m長トラックヤードを備え、重量・軽量貨物別貨物搬出入ルートを備えている。
　Maerskは欧州15カ国・40カ所に独自の物流拠点を構築しており、Maerskの関係者は、新施設を新たに開設したことで、フランスの地域顧客に複雑なニーズに対応した統合物流サービスを提供するとしている。

　住友倉庫は、省エネ法に基づく「事業者クラス分け評価制度」2024年度提出分（2023年度実績）において、最高評価であるSクラスを獲得した。
　同社は、2021年度提出分から4年連続でのSクラス評価となった。「事業者クラス分け評価制度」は、省エネ法に基づきエネルギー使用量が一定規模以上の事業者（特定事業者）が提出する定期報告書の内容に応じて、事業者をS（優良事業者）、A（一般事業者）、B（停滞事業者）、C（要注意事業者）の4段階にクラス分けする制度。同社は、グループの環境方針のもと、企業活動による環境負荷の低減に継続的に取り組んでいる。報告対象である2023年度には、施設の照明・空調機器などの更新による省エネ化、各施設のエネルギー使用の効率化、従業員への省エネ啓発活動などを進めた。これらの取り組みの結果、2024年度提出分でSクラス評価取得要件である「5年間の平均エネルギー消費原単位を年1％以上低減する」という努力目標を上回る年平均1.5％の低減を達成した。

　常石グループが25日に発表した2024年度（2024年1～12月）連結業績は売上高が前年度比16%増の3,656億円、経常利益が88%増の7,458億円と、大幅な増収増益を記録した。
　海運事業はドライバルク市況が底堅く推移したものの新造船の転売船が減少したことから前年度比10%（69億円）減収の592億円、造船事業は、好調な海運市況を背景とした船価上昇や為替の影響を受け、16%（386億円）増収の2,748億円となった。連結対象は常石グループ42社（国内22社、海外20社）。
　常石造船の売上高は、旺盛な造船市況の需要を確実に取り込んだほか、為替変動、船価上昇などの影響も受け増収。また、環境に配慮した船舶の需要が高まる中で、メタノール二元燃料船6隻を含む43隻の新造船受注を獲得し十分な手持ち工事量を確保した。

　成田国際空港が発表した25年3月の運用実績は、航空機発着回数が前年同月比7％増の2万1,710回と2万台を回復、19年同月（2万2,425回）の97％となった。国際線は11％増の1万7,592回で19年同月の99％に達し、うち旅客便が11％増の1万4,458回で19年同月比95％、貨物便が1％増の2,674回で19年比では25％増だった。
　利用旅客数は7％増の368万9,220人（19年同月比94％）、うち国際線が11％増の305万6,134人（同95％）で外国人が29%増の200万3,482人（同129％）で3月の最高記録を更新、日本人も17%の2ケタ増で92万4,590人（同65％）、通過客は26%減の12万8,062人（同53％）と減少が続いている。国内線は8％減の63万3,086人（同91％）だった。
　国際貨物取扱量は前年同月比6％増の18万3,889トンで12カ月連続のプラスとなり、19年の水準を回復した。

　日本物流団体連合会（物流連）は23日、都内で第26回物流連懇談会を開催し、会員企業の代表者ら約60人が参加した。物流連懇談会は、会員向けに情報提供、相互の情報交換・交流のために開催しているもので、今回は西濃運輸の田口幸太郎副社長が、「共創時代のロジスティクス戦略」をテーマに講演した。
　田口氏はまず自社グループの国内外ネットワークを紹介後、物流業界の現状として、トラックドライバー数の減少予測や「働き方改革関連法」施行により危惧される輸送力不足、労働時間、運賃および賃金ついて分析し、環境認識から見えてくる業界の未来予測や、各課題に対する取り組みとしてグループにおける2024年問題への対策について説明した。
　続いて「共創」を実現するための機能として、共創領域の可能性やオープン・パブリック・プラットフォーム（O.P.P.）の考え方を示し、グループの具体的なロジスティクス事業などを紹介しつつ共創を進める際のポイントについて解説した。

　大阪ガスは、先週からShore to Ship（STS）方式による船舶向けLNG燃料の供給事業を、都市ガス事業者として初めて開始した。大阪ガス泉北製造所第二工場（大阪府高石市）で、第1隻目として商船三井が運航するJFEスチール向けLNG燃料鉄鋼原料船”VERDE HERALDO”（211,000dwt）にLNG燃料を供給したもの（写真）。
大阪ガスは2019年からTruck to Ship方式で船舶向けLNG燃料供給を実施してきたが、今回のSTS方式による供給事業開始とあわせ、2方式でのLNG燃料供給が可能となった。
　加えて、2026年度から開始予定のLNGバンカリング船でのSTS方式によるLNG燃料供給により、主要な3方式全てのLNG燃料供給が可能となり、安定かつ柔軟なLNG燃料供給に寄与する。バンカリング船は国土交通省の2023度LNGバンカリング拠点形成事業に採択、下ノ江造船本社工場（大分県）で建造中だ。

　国土交通省北海道開発局は、2024年度北海道の農畜産物と加工食品の移出実態調査結果報告書を発表、道外への移出割合（重量ベース、花きを除く）は44.6％、砂糖は9割以上、小麦は8割以上、豆類、そば、野菜類、牛肉・乳製品は7割以上が道外へ移出し、そのうち輸送機関別出荷量では、トラック・フェリーによる輸送が全体の8割以上を占めている。
　同局では、北海道の農畜産物と加工食品の道外移出実態を物流面から調査し、道外市場への効率的な輸送方法や流通コスト低減方策などを検討するための基礎資料とすることを目的に実態調査している。道外への輸送先別出荷量は、関東・東山（山梨県・長野県・岐阜県）地方への出荷が全体の約5割を占めており、次いで近畿、東海の順に多く、この3地域で出荷量全体の8割以上を占めている。
　また道内への出荷割合が大きい品目として、生乳と果実類が9割となっているが、生乳は重量として占める割合が大きく、かつ加工までの鮮度維持の観点から多くを道内の乳業メーカーの工場に移送している。この部分を除くと、道産農畜産物と加工食品に占める道外への移出割合は77.4％となる。

　大手日本船3社は25日、持分法適用会社で3社のコンテナ事業統合会社であるOcean Network Express（ONE）から26年3月期第1四半期（4～6月）に配当金として日本郵船が7億6,000万ドル（約1,176億円）、商船三井が6億2,000万ドル（約926億円）、川崎汽船が6億1,900万ドル（約926億円）を受領、営業外収益に計上すると発表した。3社合わせた配当金は約3,028億円となる。

　台湾メディアの報道によると、Evegreenは25日、企業説明会を開催、呉光輝総経理が2025年第1四半期の売上高、関税戦争、中国の海運・物流・造船業界に対するUSTR第301条調査が世界の海運市場と同社の事業に与えた影響を中心に説明、その中で「今年は例年に比べ、特に太平洋航路が不確実性に直面、米国による相互関税措置の影響により、中国の輸出量が60％から70％減少しているが、米国の大手小売業者は今年の出荷量をまだ楽観視しており、サービスコントラクト（SC）の締結に資するもので、大手小売業者とはすでに契約を終えており、数量も運賃も昨年をかなり上回り、4月末まにすべての契約交渉が完了する見込みだ」と述べた。
　通年の見通しについては、国際通貨基金（IMF）が世界経済の成長率見通しを今年が2〜8％、来年が3％にそれぞれ下方修正したが、プラス成長を維持し、 現在、米国の関税政策の方向性は依然不透明で、荷主の態度は当面保守的になっており、第2四半期（4～6月）の太平洋航路の荷動き量に影響を与えるとの見方を示す。
　また、米国の関税政策で、太平洋航路における中国の対米輸出シェアが進行中の「チャイナ・プラス・ワン」戦略を反映し、2017年の69%から2024年には59%に低下したが、サプライチェーンの再編はまだ容易ではないと指摘した。
　関税戦争に端を発した市場の乱高下に対し、海運業界は現在、需要の変化に適応するため、欠便、便数の削減、航路の撤退などの対策をとっているが、こうした調整には、コンテナ船の配置換え、港湾、内陸の鉄道やトラックによる移動、空コンの回送などが含まれ、Evergreenはサプライチェーンの変化や地政学的リスクに対処し、事業全体の回復力を高めるため、航路の最適化を加速し、地域市場を拡大し、ネットワークを強化し、スロットを柔軟に運用、積み替え効率を高めている。

　富士キメラ総研は、DXの国内市場を調査、2030年度関連投資額を9兆2,666億円と予測、このうち交通・運輸・物流業のDXは1兆1,095億円と23年度比73.0％増と予測している。
　富士キメラ総研は、人手不足や熟練の技術者の引退、物価/資材の高騰など短期的な課題だけでなく、サスティナブルな社会の実現など長期的な課題に対しても、有効な解決策として取り組みが進むDXの国内市場を調査し、その結果を「2025デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望・市場編」にまとめた。2024年度は、製造業や金融業、交通/運輸/物流業における投資が増加している。特に、データドリブンによる生産性向上やリードタイム短縮を目的に製造業の伸びが大きい。また、人手不足の影響を大きく受けているため、発注業務や決済業務など現場業務の効率化を図っている小売/外食業でも投資が増えている。今後も、これら業界の伸びは続くとみて、2030年度も製造業や金融業、交通/運輸/物流業における投資が市場拡大をけん引するとみる。
　交通・運輸・物流業におけるDXは、全般的にデジタル化が遅れていたが、近年、直接部門、間接部門ともに投資が進んでいる。2024年問題の対応としてドライバーの業務効率化のためのシステム導入が多く、デジタル技術を活用した物流倉庫の運用効率化などもあり、2024年度の投資額は前年度比10.2％増が見込まれる。
　中長期的には、業務のデジタル化とともに、データ活用への投資が拡充すると予想できる。特に、ICカード利用履歴をはじめとした顧客行動データの活用や、点在するデータの統合など顧客接点に関わるシステムの導入が進むとみる。

　米国の経営コンサルタント会社Arthur D. Littleはこのほど、フィーダー市場のレポートを発表、この中で、フィーダー市場が大きな成長機会を見せる中、サウジアラビアが2030年までに事業シェアを拡大すると予測している。
　フィーダー船は、3,000TEU型未満の小型コンテナ船を使用する、短距離、ラストレグ、または地域輸送のためのもので、立地や港湾投資などの要因から、中東などの地域がフィーダー市場をリードする態勢を整えており、フィーダー市場の規模は2024年の3,350億ドルから2030年までに4,510億ドルに拡大すると予測（グラフ参照）、中でも中東地域は重要な部分を占めることになるとしている。
　うち中東・東アフリカ・トルコ（MEEAT）南アジアのフィーダー市場規模は80億ドルとなっており、2030年までに荷動き量ベースで4,100万TEUへ倍増するとみる。
　レポートでは、経済の多様化を目指す政府の政策のおかげで、サウジアラビアが恩恵を受ける立場にあることを示唆。2030年までに地域のコンテナ荷動き量が4,100万TEUに達すると予想されることから、紅海と湾岸のフィーダートレードのそれぞれ45％、35％を獲得できる立場にあると分析している。
　このため、サウジアラビアは昨年3月、新海運会社Folk Maritimeに投資している。サウジ公共投資基金（PIF）が所有するFolk Maritimeは、紅海と湾湾地域のフィーダー輸送をターゲットとしており、最近、2隻目のコンテナ船”FOLK JAZAN” を購入した。2008年建造の2,015TEU型で、ジェダ港を起点に、紅海と中東ガルフ湾を結ぶ航路に投入している。
　サウジアラビアは、高成長の回廊に地理的に近接していることと、政府が支援する投資戦略を組み合わせることで、他に類を見ない拡張性の高いフィーダー海運環境を作り出していると指摘している。

　上海航運交易所（SSE）が発表した先週の中長期契約運賃の指標である中国輸出コンテナ運賃指数（CCFI）の総合指数（1998年1月1日＝1000）は1122.40と前週比1.0%上昇し3週連続で値上がりした一方、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）は1347.84と1.7%下落し2週連続で下落した。
　先週のCCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が前週比0.9%上昇し1499.50、地中海航路が2.1%上昇し1850.56、北米西岸航路が1.4%上昇し8123.14、北米東岸航路も0.1%上昇し930.47との軒並みアップした。
　南北航路は南米航路が3.6%下落し597.61だったが、
南アフリカ航路は1.2%上昇し968.21、東・西アフリカ航路が5.6%上昇し857.41、豪州・NZ航路が2.5%上昇し943.73、中東ガルフ・紅海航路が4.0%上昇し1248.90と全般的に値上がりした。
　アジア域内航路は東南アジア航路が1.0%上昇し1000.51となったが、日本航路は2.4%下落し977.21となったほか、韓国航路も1.8%下落し499.76と低調だった。

　CMA CGM（仏）の物流子会社CEVA Logisticsは25日、トルコの複合企業Borusanの物流部門であるBRYAT.IS（Borusan Tedarik Zinciri Cozumleri ve Teknoloji）の株式100%を4億4,000万ドルで買収する契約を締結したと発表した。取引は競争当局やその他の関連規制機関の承認が条件。
　Borusan Tedarikはトルコの製造業の中心地であるゲムリクで最大の港を運営しており、年間1,500隻の船舶と約40万TEUのコンテナ処理能力がある。
　Borusan Tedarikの買収により、CEVAのトルコにおける倉庫・配送拠点はほぼ倍増し、既存の62万m2に約57万m2が加わることになる。また、国内陸上輸送事業も強化することになり、合わせて年間100万件近くの国内輸送を取り扱うことになり、Borusan Tedarikのネットワークは、CEVAの欧州とのつながりを強化する。
　CEVAは、Borusan Tedarikの自動車部門との強い結びつきは、同社の完成車物流（FVL）事業を国内トップ3に引き上げるのに役立ち、また、この買収により、CEVAの海上貨物輸送能力は25％拡大し、航空貨物事業はトルコのトップ5に入る見通し。

　韓国近海輸送協議会（KNFC）がまとめた今年第1四半期（1～3月）の日韓航路におけるコンテナ輸送量はローカル、フィーダー、積み替え（T/S）を合わせた往復航の総合計で38万7,349TEUと前年同期比2.5%増加した。うち韓国出しは24万694TEUで8.4%増、韓国向けは14万6,655TEUで6.0%減少した。
　往復航合計でローカル貨物は15万147TEUで前年同期比3.0%増、フィーダー貨物は4万8,611TEUで68.5%もの大幅増を記録、T/S貨物は18万8,591TEUで7.2%減だった。

　日本貿易新興機構（ジェトロ）によると、タイ商務省外国貿易局（DFT）は日本タイEPA（JTEPA）に基づく原産地証明手続きに関して、電子原産地証明書（e-CO）について、日本への輸出で3月31日からパイロット運用を開始、6月2日から本格運用する見通しで、輸入を含めた相互運用の開始は6月を予定する。
　日本からタイへの輸出について、ジェトロによるDFTへのヒアリング（4月22日）によると、6月2日から試験運用を開始し、滞りなければ9月に完全移行が完了する予定で、経済産業省の発表でも、9月以降のデータ交換移行に向けた調整をタイ側と進めているとしている。
　ただ、DFTによると、タイと日本のデータ交換システムが完全に統合されるまで、両側が実施を延期する可能性がある。
　輸入貨物の通関手続きで、すでにJTEPAで導入済みのDFTスマートCOシステムに登録されたデータが日本のNACCS（輸出入港湾関連情報処理システム）に送信され、輸入者へのCO送付が不要となる。タイ側のe-COの活用ガイドは、DFTウェブサイトに掲示されたQRコードからアクセスが可能となっている。パイロット運用は、JTEPAを利用して輸入貨物の通関手続をNACCSで行う輸入者・通関業者のうち、e-COを希望する場合に参加できる。

　FESCO Transportation Groupの日本総代理店トランスロシアエージェンシージャパンは、日本～極東ロシアコンテナ定期航路（JTSL）で、現在FESCO社が投入しているコンテナ船“JI YU”（400TEU）が定期修繕のためドック入りすることに伴い、“QING XIANG 6”を伏木富山港に5月16日起こしで臨時配船すると発表した。
　“QING XIANG 6”（Voy.HKJ1056）は、伏木富山16～17日、横浜20日、名古屋21日、神戸22日、釜山24日、ウラジオストク26～28日のスケジュール。“QING XIANG 6”（Voy.HKJ1057）は日本向け輸入貨物を積載してウラジオストクを28日に出港、釜山に30日に到着後、修繕完了後の“JI YU”に全量接続してフェーズアウトする。“JI YU”（Voy.HKJ1057）は、横浜6月3日到着から通常寄港順で運航する予定だ。

　Ocean Network Express Japan（ONE Japan）は5月30日～6月1日の台湾の祝日に対応し、同地域向け輸出貨物のDOC CUT日を前倒しにする。
　対象となるのは、台湾向けもしくは台湾経由第三国向けの、5月30日～6月2日台湾入港船の貨物で、DOC CUTを従来の5月28日から5月27日に前倒しにするため、顧客に注意喚起している。

　中国の交通運輸部は先週、「第1四半期の輸送経済運営」を発表、このうち1Qの港湾貨物の取扱量は42億トンで、前年同期比で3.2％増加し、内貿貨物と外貿貨物はそれぞれ4.1％、1.4％増加、コンテナ取扱量は8,303万TEUで8.2％増加し、うち内貿コンテナ、外貿コンテナはそれぞれ3.6％、11.5％増加した。

　日本郵船は25日、連結子会社である日本貨物航空（NCA）のANAホールディングスを完全親会社とする株式交換時期を、先月末に予告していた今年5月1日から25日に変更すると発表した。
　日本郵船は変更理由ついて、中国の関係当局による企業結合審査の完了までに要する時間などを勘案し、実行時期を延期したとしている。
　日本郵船、ANAいずれも株式交換を実行する方針に変更はなく、日本郵船の連結業績に与える影響も軽微だという。
　日本郵船は当初、23年10月1日にNCA株式の交換を予定していたが、関係当局による企業結合審査の完了に時間がかかり、実施時期の延期が続き、今年2月に公正取引委員会から買収の承認が下り、あとは中国国家市場監督管理総局の承認を待つ状態となっている。

　Regional Container Lines（RCL、タイ）は先週、中国の造船所にコンテナ船4隻の新造船を発注した。11,000TEU型コンテナ船2隻を総額2億5,000万ドルで発注、2027年末までに引き渡しを受けるほか、総額3億7,000万ドルで発注した4,400TEU型コンテナ船2隻も含まれる。
　RCLが2021年と2022年に上海外高橋造船と江蘇新揚子江船業に発注した7,000TEU型8隻シリーズを中心とした新造船発注に続くもの。

　台湾の交通部が発表した主要4港における今年第1四半期（1～3月）のコンテナ取扱量は合計で336万4,368TEUと前年同期の337万8,813TEUに比べ0.41%減少した。
　港湾別にみると、基隆港が前年同期比1.37%減の36万9,888TEU、高雄港が0.61%増の226万5,911TEU、台中港が7.23%減の37万7,617TEU、台北港が1,9%増の35万37TEUだった。
　一方、主要4港における1Qの台中直航航路のコンテナ取扱量は合計で69万7,264TEUと前年同期の68万508TEUに比べ2.46%増加した。
　港湾別では、基隆港が前年同期比0.52%減の16万1,363TEU、高雄港が6.42%増の35万3,472TEU、台中港が9.54%減の12万5,337TEU、台北港が19.95%増の5万7,092TEUだった。

　国土交通省がとりまとめた25年2月分の港湾統計速報によると、主要6港（東京、川崎、横浜、名古屋、大阪、神戸）の外貿コンテナ取扱個数は、合計で前年同月比0.7％増の103万5,809TEUと3カ月連続プラスだった。うち輸出が5.4％増の54万4,296TEU、輸入が3.9％減の49万1,513TEUだった。
　港湾別では、東京港が輸出入合計で4.4％増の32万4,677TEU、輸出が4.5％増の15万2,266TEU、輸入も4.4％増の17万2,411TEUとともに増加した。川崎港は17.4％減の5,112TEU、うち輸出が10.9％減の2,301TEU、輸入が22.1％減の2,811TEU、横浜港は5.6％減の20万3,256TEU、うち輸出が4.2％増の11万7,492TEU、輸入が16.5％減の8万5,764TEUだった。名古屋港は0.9％増の20万280TEU、うち輸出が7.9％増の11万2,094TEU、輸入は6.8％減の8万8,186TEUだった。大阪港は4.1％増の14万181TEU、うち輸出が6.4％増の6万6,921TEU、輸入が2.1％増の7万3,260TEU、神戸港は0.1％減の16万2,303TEU、輸出が5.1％増の9万3,222TEU、輸入が6.3％減の6万9,081TEUだった。

　韓国船社、KMTCの日本代理店、高麗海運ジャパンはこのほど、メキシコ向け輸出貨物のB/L発行に荷送人と荷受人、通知先の必須情報が必要になったため、顧客に注意喚起している。
　同国向け貨物のB/Lには、SHIPPER欄:法人番号、CONSIGNEE & NOTIFY:税務ID（TAX ID）、担当者名（Contact Person）、電話番号（Phone）、メールアドレス（Email）、住所（Address）、6ケタのHS CODE、具体的な品名 （General Cargo、Dry Cargoなどは不可）、危険品の場合はIMDG codesとUN numbers/担当者情報、 Reeferコンテナの場合はTemperatureとVentilationの記載が必要で、AS PER ATTACHED SHEETは不可となるため、顧客に注意喚起している。

　FESCO Trasportation Group（ロシア）がアジア域内航路のFESCO　Intra Asia Service（FIAS）に投入するコンテナ船”HT PROGRESS”（400TEU）が4月23日、インドネシアのタンジュンプリオク港でフィリピンのInternational ContainerTerminal Sevices Inc.（ICTSI）が運営するPT. PBM Olah Jasa Andal （OJA）に臨時寄港した。ロシアのコンテナ船がインドネシアに寄港したのは史上初めてのことで、現地で歓迎式が開催された（写真）。3カ月以内にジャカルタへの定期寄港を開始する予定。
　FIASは、FESCOが20年ぶりに開設したロシアの港に寄港しない三国間サービスで、ホーチミン～ポートクラン～パシールグダン～バンコク～ホーチミンのローテーションで隔週配船、ジャカルタへの直接寄港により、インドネシア・ロシア間の貨物を大幅に増やし、ホーチミン接続でウラジオストクへも他の定期便スケジュールに合わせて最適化されているため、配送時間を短縮することが可能という。また、ホーチミン積み替えでサンクトペテルブルクへの輸送も引き受けている。

　寧波航運交易所（NBSE）が発表した先週の寧波輸出コンテナ貨物指数（NCFI）は、需給が安定し、総合指数（2012年第10週＝1000）は前週比1.4%下落し908.5と小幅な下げにとどまった。21航路のうち6航路の指数が上昇、14航路が下落、1航路がほぼ横ばい、「海上シルクロード」沿いの主要港のうち4港が上昇、10港が下落し、2港がほぼ横ばいだった。
　欧州・地中海航路は労働節（5月1～5日）の連休中、輸送需要は弱まり、船社が貨物確保へ値下げ集荷したことで、運賃指数は欧州航路が前週比5.2％下落し796.1、東地中海航路は1.8％下落し986.8、西地中海航路も2.0％下落し1300.2となった。
　北米航路は引き続き米国の関税政策の影響を受け、荷動きが減少、船社が一部便を休止、需給バランスを維持したことで、スポット運賃は安定した。 運賃指数は北米東岸航路が前週比0.2％上昇し1091.0、北米西岸航路も1.5％上昇の 1235.0となった。
　中東航路は船腹量が減少したが、荷動きと依然ギャップがあり、スポット運賃は若干下落し、運賃指数は836.2で、前週比2.1％下落した。また、先週は東アフリカ航路で船社が欠便で船腹削減を図ったことでスポット運賃が上昇、運賃指数も857と、前週比12.5%も大幅上昇した。

　CMA CGM（仏）は25日、ブラジル・サントス港でターミナル運営を手がけるSantos Brasil Participações S/Aの株式の47.9％を、同国の投資ファンド、Opportunity Fundから取得する手続きで、規制当局の承認を得て手続きを完了したと発表した。
　CMA CGMは昨年9月に株式の市場買い付けでSantos Brasilの株式3.1％を取得しており、今回の取引により合計51％の株式を確保しSantos Brasilの支配権を獲得した。
　株式の買い取り価額は1株13.6ブラジルレアルで、CMA CGMグループはこれに加え、CMA Terminals Atlantic SAを通じ、Santos Brasilの発行済み株式の残りすべてを同条件で公開買い付けし、完全子会社化するとしている。

　横浜川崎国際港湾（YKIP）は25日、取締役会で人見伸也社長が退任し、オーシャンネットワークエクスプレスジャパン（ONE Japan）社長を務めた中井拓志氏が代表取締役社長に就任する人事を内定した。
　取締役の選任は6月26日開催予定の定時株主総会の承認を経て正式に決定するとともに、代表取締役の選定と役付取締役の選定は、その後開催する取締役会の決議を経て正式に決定する。人見社長は退任後、NYK Energy Ocean副社長に就任予定。
　中井氏は、1980年4月に山下新日本汽船に入社、91年10月に日本郵船入社、2008年4月同社経営委員とNYK GROUP SOUTH ASIA PTE.LTD.会長に就任、11年4月にNYK Container Line社長、14年4月NYK GROUP EUROPE LTD.社長、17年4月NYK Container Line社長、同年10月オーシャンネットワークエクスプレスジャパン専務、21年4月同社社長にそれぞれ就任。24年3月に退任、25年1月に神原汽船の社外取締役に就任。

　世界初のオープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」の開発を主導するティアフォーは、経済産業省の補助事業「モビリティDX促進のための無人自動運転開発・実証支援事業」のうち、物流業界の課題であるドライバー不足の解決に向けた「自動運転トラック開発事業」を完了した。
　同事業では、いすゞ自動車と三菱ふそうトラック・バス（MFTBC）から技術支援を受け、両社の大型トラックを基盤とした高速道路向け自動運転トラックを開発した。また、新東名高速道路の自動運転車優先レーン開通区間の駿河湾沼津SAと浜松SAの間で、ヤマトマルチチャーターと鈴与カーゴネットの協力を得て実証走行し成功を遂げている。
　この事業を通じてティアフォーは、さまざまな自動車メーカーや運送会社へ拡張可能な汎用性の高い自動運転システムの構築を加速、持続可能な事業モデルの構築を進めていく。さらに、自動運転2.0の取り組みを加速することにより、ティアフォーが開発を主導する自動運転用オープンソースソフトウェア「Autoware」をさらに進化、自動運転トラックの社会実装を促進していく方針だ。

　横浜市港湾局は、25年1月の横浜港統計速報を発表、コンテナ取扱個数（実入り空合計）は、外内貿合計で前年同月比2.0％増の22万3,522TEU、外貿コンテナも輸出入合計で1.4％増の19万9,842TEUと増加した。
　1月の外貿コンテナ取扱個数（実入り空合計）のうち輸出は9万6,386EUと前年同月比3.6％減少したものの、輸入は6.6％増の10万3,456TEUと好調だった。内貿のコンテナ取扱個数は移出入合計で、6.8％増の2万3,680TEUだった。

　EC運用プラットフォーム「EC物流お任せくん」を展開するSBSグループの持ち株会社であるSBSホールディングスと同グループで運営代行・フルフィルメントをワンストップで提供するマーケティングパートナーは、顧客のEC構築におけるカバー範囲の拡大と立ち上げのスピード化を目的に、ecbeing（東京都渋谷区）と業務提携した。
　ecbeingは、中堅・大手企業向けのEC構築プラットフォーム「ecbeing」を提供、導入実績1,600超、16年連続シェアNo.1を誇っている。サイト構築はもちろん、構築後のサイト運営や分析・提案などでクライアントの売上向上をサポートしている。
　一方、SBSHDとマーケティングパートナーが所属する、総合物流企業グループSBSグループは、生産系や販売系の各専門業界のBtoB物流で培ったノウハウと、大規模拠点開発・運用能力、ITとLT（ロジスティクステクノロジー）への投資と研究開発力、自社ラストワンマイル網の構築を資源としたECプラットフォームサービス「EC物流お任せくん」を展開。EC物流はもちろん、カスタマーサポートや商品登録など、日々のサイト運用業務などをカバー。スタートアップから大規模荷主まで、クライアント企業の全体物流戦略の実現や改善に貢献してきた。
　今回、ECの売上向上に寄与するサイト構築や販促企画や強みを持つ、いわば「攻」のecbeingと、利益確保や顧客満足度の向上に寄与するフルフィルメント分野に強みを持つ「守」のSBSグループが連携することで、より強固な体制が構築可能になる。EC事業のほぼすべての範囲をカバーすることで、よりスムーズに、よりスピーディーにECサイトの立ち上げをサポートする。

　住友倉庫は、同社中国子会社・住友倉儲（中国）有限公司が、中国・上海地区の国内運送業務でEVトレーラーを導入したと発表した。
　住友倉儲（中国）は、中国・上海地区を中心に倉庫保管、配送センター、流通加工など広範な倉庫サービスを提供している。これまで同社は、太陽光発電設備を倉庫屋上に設置し、当該倉庫で使用する電力の一部を賄うなど、倉庫施設などにおける環境負荷低減の取り組みを推進してきた。今回のEVトレーラー導入は、同車両を顧客拠点とのシャトル輸送に活用することで、輸送面での環境負荷低減の取り組みを推進するとともに、顧客サプライチェーンにおける温室効果ガス排出削減にも寄与する。

　横浜市港湾局は、サイバー攻撃事案発生時に、関係者が連携し、港湾機能の維持・早期回復ができるよう必要な対策を講じるため、「横浜港情報セキュリティ連絡会（仮称）」を立ち上げる。
　2023年の名古屋港におけるサイバー攻撃事案後、サイバーセキュリティ基本法に基づく「重要インフラのサイバーセキュリティに係る行動計画」（サイバーセキュリティ戦略本部）で、「港湾」を重要インフラ事業に位置づけた。
　これにより、国土交通省港湾局は同法にかかる安全ガイドラインを策定し、25年3月には港湾管理者などが対処すべき事項を明記した改訂版を公表、横浜港では、このガイドラインに基づき、連絡会を発足、5月9日に第1回を開催するもので、横浜港でターミナルオペレーションシステム（TOS）を所有する事業者、ターミナル借受者、関係団体、関係行政機関などの実務責任者約20人が参加する。

　サントリーロジスティクスは、自社拠点におけるトラックの滞留時間削減に向けた取り組みとして、長津田配送センターに自動搬送ラックを設置、トラックの滞留時間を年間約2,000時間削減する見込みだ。
　同社はこれまでも、円滑な荷役作業によるトラックの滞留時間やトラックドライバーの拘束時間削減に努めてきた。今回、自社が運営する長津田配送センターに豊田自動織機トヨタL&Fカンパニーと共同設計した自動搬送ラックを2基設置し、4月から本格稼働した。これまで長津田配送センターでは、出荷するサントリーグループの飲料製品のピッキング割合が高く、ピッキングした製品を載せたパレットを置く仮置き場の不足や、搬送に掛かる工数が課題となっていたが、自動搬送ラックを設置することで、仮置き場の保管能力を約2倍に向上、搬送などのピッキング作業にかかる工数を約1割削減、そして、トラックへの積み込みにかかる時間を約3割削減することで、トラックの滞留時間を年間約2,000時間削減する見込みだ。同取り組みは、国土交通省による「物流施設におけるDX推進実証事業費補助金」の認定と支援を受け、実証している。

　近鉄エクスプレスは、同社システムで、現在発生しているサーバー障害について、調査した結果、ランサムウェアによる第三者からの不正アクセスが原因であることが判明したと発表した。
　同社システムでは、現在も障害が継続、業務の一部に支障が生じているとしている。同社では、緊急対策本部を立ち上げ、外部専門家と連携し、フォレンジック調査を含めた被害状況と原因の特定のための調査を進めているが、現時点で情報漏えいは確認していない。また同事象について、警察へ相談・報告しているとしている。影響を受けている同社システムについては復旧作業を継続しているが、復旧までには一定の時間を要する見込みだとして、復旧の状況や調査の結果などは、改めて報告する予定だ。

　山九は6月1日付で、企業価値向上タスクフォース班（Task Force on Enterprise Value Acceleration、TEVA）とインベスター・リレーションズ部（IR部）を設置する。
　TEVAは企業価値向上を目的に、事業・財務・非財務戦略の見直しを進め、中長期的な経営の方向性や基本方針の推進を加速する組織で、CxO（Chief x Officer）をサポートしつつ、アウトプットについては、IRを通じて社外に開示する。
　一方、経営企画部の1グループだったIRグループをIR部として昇格し、CEO直轄の組織とする。これにより経営と市場の距離をさらに縮めることで、IR機能を充実、スピーディかつフレキシブルな対応を可能とすることを目的としている。

　世界海運評議会（WSC）はこのほど、あたらにUAE船社のEmirates Shipping Line（ESL）が新たに会員として加入したと発表した。
　WSCには、世界の定期船社の90％以上が加盟し、船社以外の関係者、政策決定者と協力し、定期船社の社会的な責任、環境の持続可能性、安定した海運産業の成長を目指している。
　ESLは2006年に設立、世界30カ国を結ぶネットワークを展開、70箇所にオフィスを持っている。ESLの加盟により、同社のTill Ole BarreletCEOがWSCの運営委員に就任する。
　ESLのTill CEOは「WSCは、海運業界の将来の在り方を決める重要な役割を担っており、持続可能性や環境規制の不一致、ゼロエミッションの実現などで重要な役割を担っている。ESLもその取り組みを積極的に支援する」と述べ、WSCのJoe Kramek CEOは、「世界に多くのネットワークを展開しているESLの加盟を歓迎するとともに、安定輸送と持続可能性の実現に向けたESLとの今後の協力を楽しみにしている」と述べた。

　韓国海洋振興公社（KOBC）が28日に発表した先週の釜山港を基準とする韓国型コンテナ運賃指数（KCCI：KOBC Container Composite Index）の総合指数は、地中海、中国航路が上昇したほかは全般的に下落したことで、1758と前週比0.51%下落、3週連続でダウンした。
　釜山発輸出コンテナ運賃指数は、北米、欧州など13航路の各地域別の主要港湾向けスポット運賃（THCなど含む）のFEUあたりの航路別指数と総合指数で構成、航路別指数は荷動き量などを反映して算出、一方で総合指数は航路別運賃指数を加重平均して指数化している。
東西航路は北米西岸航路が前週比0.46%下落し2,405ドル／FEU、北米東岸航路が0.46%下落し3,437ドル／FEU、欧州航路が0.89%下落し2,215ドル／FEUとなったが、地中海航路は1.14%上昇し3,019ドル／FEUだった。
　南北航路は中東航路が0.72%下落し2,206ドル／FEU、豪州航路が0.63%下落し1,747ドル／FEU、南米東岸航路が2.22%下落し1,895ドル／FEU、南米西岸航路が1.24%下落し1,837ドル／FEU、南アフリカ航路が1.64%下落し2,875ドル／FEU、西アフリカ航路も1.07%下落し3,134ドル／FEUと軒並み値下がりした。
　アジア域内航路は中国航路が2.17%上昇し47ドル／FEUとなったが、日本航路は1.57%下落し250ドル／FEU、東南アジア航路も0.09%下落し1,148ドル／FEUだった。

　インドの新興財閥、アダニグループが運営するチャトラパティ・シヴァージー国際空港（ムンバイ空港）は、大規模なインフラ拡張工事のため25年8月16日から別途発表するまですべての貨物機のオペレーションを停止、貨物施設の一部も一時的に閉鎖すると発表した。
　同空港は２本ある滑走路が交差していることや利用できる土地が制限されているため効率が悪く、インドの他の空港に比べてキャパシティの伸びが制限されてきた。同空港は1,000億ルピー（約　1,700億円）を投資し新たな国内ターミナルの建設、国際線用の第２ターミナルの拡張、誘導路の新設、滑走路のキャパシティ拡大などを計画している。このための貨物機の運航停止だが、一方で、これは貨物機のオペレーションをアダニグループがムンバイ空港の南東35kmのナビムンバイに建設中のナビムンバイ国際空港に移管し、その空いたスペースを旅客便キャパシティ補充に利用するためではないかと観測されている。
　ナビムンバイ空港は6月にオープンの予定で、そのマスタープランでは3,700m滑走路2本、貨物オペレーション用に29ヘクタールを割り当て、貨物機10機の駐機スペース、完全自動化された貨物ターミナルを備え、年間260万トンの貨物処理能力をもつ計画となっているが、6月開港は部分的で、貨物取扱量は年間80万トン、旅客は2,000万人程度となる見通し。

　インド国内空港の25年3月貨物取扱量は32万2,073トンで前年同月比3.8％増加し、前月のマイナスからプラスに転じた。国際貨物が3.3％増の22万1,306トン、国内貨物が4.9％増の12万766トンだった。
　主要空港別では最大のデリーが0.8％減の10万2,063トン、ムンバイが8.1％増の8万659トン、ベンガルールが10.8％増の4万5,773トン、チェンナイが15.％増の3万8,018トン、ハイデラバードが16.4％増の1万6,571 トンだった。
　24/25年度では全空港の合計が前期比10.5％増の371万9,264トンと2ケタの伸びで、過去最高となった。うち国際貨物が13.7％増の232万5,096トン、国内貨物が5.6％増の139万4,167トンだった。
　空港別では、デリーが10.6％増の110万9,520トンと2年連続で100万トンを突破、次いでムンバイが8.1％増の88万9,900トン、ベンガルールが14.3％増の50万2,509トン、チェンナイが11.3％増の37万9,154トン、ハイデラバードが11.9％増の16万7,666トンとなり、ムンバイを除きいずれも2ケタの伸びを記録した。

　ニューヨーク・ニュージャージー州港湾局と物流不動産投資と施設運営のRealterm and Worldwide Flight Services （WFS）は共同でジョン・F・ケネディ国際空港に新たな混載貨物取扱センター（写真）をオープンした。2億7,000万ドル（約388億円）を投資、JFK空港にとって25年ぶりの新貨物施設で、運営はWFSが担当。
　空港貨物施設近代化のための再開発と将来の開発に向けた拡張計画の一部。面積が3万2,516m2、空港内4カ所の貨物ゾーンを統合・整備して効率化して貨物フローを改善し、ドライバーとドック作業員のデジタルコミュニケーションを向上するドック管理システムを導入したほか、温度管理が必要な医薬品や生鮮品用のための280m2の冷蔵室や、環境にやさしい電動フォークリフトや自動ULDシステムなども導入した。JFKは24年に168万トンを取り扱い、全米で4位、世界で21位にランクされている。

　関西エアポートが発表した関西国際空港の25年3月の運用状況は、航空機発着回数が国際線で前年同月比10％増の1万7,637回と2ケタ増が持続した。
　旅客数も国際線が14％増の226万1,043人で外国人が12％増の164万7,894人、日本人も20％増の61万357人と回復ペースが加速している。　　　
貨物量は11％増の7万891トンと6カ月連続増、国内線も18％の2ケタ増で1,159トンと9カ月連続でプラスとなった。
　24年度では航空機発着回数が国際線で前年度比26％の大幅増で19万8,825回に達した。旅客数は国際線が32％増の1,982万8,137人で外国人が32％増の1,982万8,137人、日本人も30％増の514万1,437人と大幅に回復した。
　貨物量は6％増の77万2,603トン、うち国際線が6％増の76万1,014トン、国内線も11％の2ケタ増となって1万1,589トンと好調だった。

　韓国のHD韓国造船海洋は28日、オセアニア船社と8,400TEU型コンテナ船4隻、2,800TEU型コンテナ船8隻、1,800TEU型コンテナ船6隻の計18隻の建造契約を締結したと発表した。船価は合計12億6,000万ドルで、2028年上半期に引き渡される予定だ。HD韓国造船海洋は発注船主を明らかにしていないが、ギリシャのEvangelos Marinakis Capital Maritimeと伝えられる。
18隻はHD現代尾浦とHD現代三湖が分担、8,400TEU型4隻はHD現代三湖、残りの12隻はHD現代尾浦が建造する。HD現代三湖が建造する8,400TEU級コンテナ船には、LNG燃料を使用できる二元燃料エンジン（DF）が搭載される。

　邦船3社のコンテナ船事業統合会社、Ocean Network Express（ONE）が4月30日に発表した2024年度通期決算は、紅海危機による喜望峰経由ルートの利用長期化や港湾混雑の悪化により余剰船腹が吸収、荷動きは総じて堅調に推移し、売上高が前年度比32%増の192億3,300万ドル、EBITDA（税引き前・利払い前・償却前利益）が192%増の59億6,600万ドル、EBIT（営業利益）が871%増の38億400万ドル、税引き後利益が336%増の42億4,400万ドルと大幅な増収増益を達成した。第4四半期（25年1～3月）は旧正月以降は東西航路を中心に荷動きが鈍化し、回復が遅れ、運賃下落傾向が続き、売上高が前年同期比13.4%増の43億1,200万ドル、EBITDAが16.9%増の7億8,100万ドルだったが、EBITは横ばいの2億2,300万ドル、税引き後利益は13.2%減の3億900万ドルと悪化した。
　通期の積み高は安定した荷動き需要により6%増の1,275万TEU、燃料価格は4%安の308ドル／トンと低下したが、喜望峰ルート利用で燃料消費量は9%増の30万8,000トンとなった。
　積み高・消席率は、北米往航が旧正月までは旺盛な荷動きを受け高い消席率を維持していたが旧正月以降は、荷動き鈍化を含むさまざまな理由を背景に回復が遅れ、積み高は前年度比6%増の274万8,000TEU、消席率は8ポイント上昇し100%、欧州往航も同様に、旧正月以降は荷動き鈍化から消席率が低下したが通期では積み高が9.2%増の173万TEU、消席率は3ポイント上昇し95%だった。
　運賃指数（2008年度1Q＝100）は、北米往航・欧州往航とも第3四半期から上昇したが、足元では前年同期を下回る水準に低下し、通期では北米往航が前年度比41ポイント上昇し160、欧州往航が95ポイント上昇し230の高水準となった。
　2025年度通期見通しは現在の地政学的情勢や、4月に発生した関税に関連する経済的不安定性を踏まえると、利益予測の正確な算出は極めて困難とし、事業環境が年度を通じて比較的安定して推移すると想定したベースラインで、売上高175億ドル、EBITDA29億ドル、EBIT7億ドル、税引き後利益11億ドルを見込む。
　一方で不確実性が高まっていることを踏まえ、包括的な感度分析を実施、特定航路における貨物量の減少や世界的な運賃下落など、関税による潜在的な影響可能性を織り込んだシナリオでは、売上高165億ドル、EBITDA21億ドル、EBIT-1億ドル、税引き後利益2億5,000万ドルを見込んでいる。
　ONEでは、こうした潜在的課題に先手を打って対応し、事業のレジリエンス（回復力）を強化するため、シンガポール本社に専任タスクフォースを設置済みで、変化する経済情勢を継続的にモニタリングし、状況の変化に迅速に対応するための体制を整えているという。

　北米西岸港湾労組（ILWU）は4月28日、トランプ大統領の「無計画で破壊的な」関税政策を強く非難する声明を発表、米中間の無分別な関税戦争は海上労働者と米国経済に深刻な結果をもたらすだろうと警告した。
　ILWUは声明の中で、トランプ政権が中国産輸入品に145%の関税を課す一方、中国は米国産製品に125%の関税を課すという報復を行い、現在の貿易紛争はここ数週間で劇的に高揚する様相を見せる中、ILWUは、シンガポールに本拠を置くOcean Network Express（ONE）がこのような関税に対する直接的な対応として、一部サービスの寄港中止を発表するなど、海上輸送部門でその影響がすでに感じられつつあると指摘、米国が中国から輸入する主要な港湾ハブであるロサンゼルスとロングビーチ港を含む米国西岸の港湾と倉庫の労働者を代表するILWUは、こうした関税が世界貿易に関連する数十万人の雇用に直接的な脅威であると主張した。
　ILWUは声明を通じ、「こうした関税は労働者階級に対する直接的な攻撃に過ぎず、直ちに反対しなければならない」とし、関税爆弾は米国の家庭に基本的な商品やサービスに対する年間1,600ドルの追加費用をもたらす可能性があるとした。
　ILWUは2023年6月に労使協約改定交渉を完了し、港湾の自動化、賃金、作業管轄などの問題を扱う6年間の新協約を締結しており、これらの関税は'米国第一主義ではなく、雇用を奪い、コストを上昇させ、この国のすべてのコミュニティに波及する経済的不安を助長するだろうと述べた。
ILWUは、直接的な海運への影響に加えて、すでに様々な部門で解雇を引き起こしている燃料費の上昇や建設資材の価格上昇を含む広範な経済的影響を指摘している。特に、これらの関税が建設費を増加させ、現在進行中の住宅危機を悪化させる可能性があるという懸念を示し、数十年にわたる自由貿易協定（FTA）が米国の労働者に悪影響を及ぼし、米国内の高報酬の労働組合の雇用を犠牲にして企業の利益を優先したことは否定できない事実であるなどと指摘した。

　韓国の仁川港湾公社(IPA）は4月29日、仁川港から中国の秦皇島港までカーフェリーで輸送したあと、モンゴル横断鉄道（TMGR）を利用し、ザミンウードを結ぶSea ＆ Railの複合一貫輸送ルートを開発したと発表した。
　仁川港～秦皇島港を結ぶカーフェリーを運航する秦仁川海運（Qin In Shipping）は、1回当たり45～55両規模のブロックトレインの試験輸送を今年3月に完了、週2便で秦皇島から出発する急行鉄道便を利用、仁川港初のコンテナ貨物を10日以内にザミンウードへ届ける複合一貫輸送サービスを正式に開始したもので、仁川港～秦皇島～ザミンウード所要日数を従来の19日から10日へ大幅短縮した。
　IPAでは国際鉄道連結網を活用したSea & Rail輸送の拡大を通じ、仁川港を出発する北方内陸輸送網が強化され、モンゴルの輸出入企業の物流の利便性と定時性が大幅に向上することを期待している。
　秦仁海運は、中国横断鉄道（TCR）を活用した仁川港～中央アジア間のSea & Air輸送にも拡大する計画で、現在運航中の"XIN YU JIN XIANG”（12,304gt、旅客定員376人、コンテナ270TEU積み）に比べて2倍以上大型の3万gt（旅客定員800人、コンテナ350TEU積み）新造船を来年12月に代替投入し、海上輸送の競争力を強化する計画だ。
　仁川港における2024年のカフェリーによるコンテナ取扱量は44万4,420TEUで前年比5.6%増加、うち秦仁海運のコンテナ取扱量は6,846TEUで68.4%増加し、今年は1万TEUの達成を目指している。

　韓国の釜山港湾公社（BPA）は4月28日、米国のロサンゼルス／ロングビーチ（LA/LB）港の後背地で運営する物流センターの機能を拡大し、貨物の保管と梱包、配送などを一括処理するFulfillment Serviceを開始すると発表した。
　BPAは、米国に進出し韓国のた中小輸出企業の物流支援とサプライチェーンの急変に対応するため、北米専門物流企業であるJoo Sung Sea & Airと合弁会社を設立し、2024年9月からLA/LB港の背後で物流センターを運営している。延べ床面積は約8,600㎡で、このうち20%のスペースにFulfilment Systemを構築した（写真）。主な設備であるラック、コンベヤー、自動ラベル貼付機（Auto-Labeler）などはすべて韓国で製作し、米国に輸送して設置した。
　BPAとJoo Sung Sea & Airは、オンラインを通じて米国の個人消費者に商品を直接販売する韓国の中小製造・流通企業の要請を受け、2024年末にFulfilment Systemの構築を決定し、4月に関連設備の設置と試験稼働を完了した。これにより米国全域で販売中の商品別の保管、在庫管理とともに、注文書に基づいて商品を梱包し、最終購入者に商品を配送する物流サービスのすべての過程が物流センター内でできるようになった。
　BPAはFulfilment設備を活用し、世界市場で人気を集めているK-ビューティー製品やK-カルチャーグッズ商品をはじめ、消費者向け（B2C）サービスが必要な多品種少量貨物の業種別特性に合わせて通関代行や運送などの付加サービスまで提供する計画だ。

　CMA CGM（仏）は4月28日、コンテナ船"CMA CGM VITORIA"（2009年建造、マルタ籍）をインドに転籍した。世界的な大手コンテナ船社がインドにコンテナ船を船籍登録したのは初めてのこと。インドは税制、融資条件、規制環境などで船籍登録するのは不利な地域と認識されてきたことから、CMA CGMの動きは経営戦略的な意味があるものとして注目されている。
　CMA CGMがグジャラート州国際金融テックシティ（GIFT City）内に新会社のCMA CGM Shipping Assets India IFSC Pvt. Ltd.を設立し、ここが"CMA CGM VITORIA"を保有することになり、近く2隻目として"CMA CGM MANAUS"（2009年建造、2,592TEU）もインド船籍に踏力する予定。インド政府関係者は様子見だった他の船社も船舶をインド船籍に登録する可能性が高いとみている。

　米国のトランプ大統領は4月29日（現地時間）、米国内の商用トラック運転手に英語の読み書きテストを義務付ける新たな大統領令に署名した。この動きは、ドライバーを道路運送業務から排除するもので、サプライチェーンに影響を与える可能性がある。
　ホワイトハウスのカロリン・リーヴィット報道官は、この規則はトラック運転手と地方政府や連邦政府の職員の間で起こるコミュニケーションの問題を解決するものだと述べた。
　命令によれば、英語能力を証明できないドライバーは運行停止となる。サプライ・チェーンが国内を迅速かつ確実に商品を移動させるためにトラック輸送に大きく依存している今、ドライバー不足が生じる可能性があるという。

　分析輸送見積もりをワンストップのオンラインサービスで提供しているFreightos（香港）が4月29日に発表した先週のFreightos Baltic Index（FBX）と呼ぶ世界の主要12航路におけるコンテナ運賃指数の総合指数は2,042と前週比0.3%上昇、前年同期比では13.2%下落した。アジア発北米西岸向け（FBX01 Weekly）は1%下落し2,328ドル／FEU、アジア発北米東岸向け（FBX03 Weekly）は2%下落し3,395ドル／FEU、アジア発北欧州向けはほぼ横ばいの2,337ドル／FEU、アジア発地中海向けは5%上昇し3,082ドル／FEUとなった。また、航空貨物運賃指数のFreightos Air Indexは、中国発北米向けが1%上昇し5.58ドル／kg、中国発北欧向けは1%下落し3.71ドル／kg、北欧州発北米向けは5%下落し2.01ドル／kgだった。
　Freightosの分析によると、中国からの全商品に最低145％の関税が課されるため、米国の輸入業者の多くは、両国間の直接交渉（まだ正式には始まっていない）が早期に緩和、関税が引き下げられることを期待し注文をキャンセルし、出荷を一時停止している。
　一方、米中間の海上貨物需要の落ち込みに関する報道は、ここ数週間で約30％から50％以上まで幅があるが、輸送量の減少に対応するため、船社は中国／北米航路のかなり便を欠便、今後数週間、太平洋航路の船腹量は北米西岸向けが28％、北米東岸向けが42％にとどまると推定されている。
　中国に依存する米国の輸入業者の多くは、予想される関税引き下げに先立ち、ここ数カ月の間に在庫を積み増したため、少なくとも数週間は中国からの出荷を完全に一時停止することができるだろう。もし関税がその期間内に引き下げられなければ、米国の消費者は一部商品（特に玩具、ベビー用品、スポーツ用品など、その大半が中国で生産されている商品）の在庫不足を目の当たりにすることになり、輸入業者は非常に厳しい関税に直面、大幅な値上げを余儀なくされる可能性がある。
　海上輸送能力の削減幅が中米間の輸送需要の減少幅よりも小さいのは、太平洋航路で寄港する主要港を持つ他の極東諸国からの貨物量が最近増加していることを反映している可能性がある。米政府が、期限前の関税撤廃または引き下げを目指し、これらの国の多くと交渉の合理化を図っているにもかかわらず、これらの航路を利用する荷主の多くは、相互関税の90日間の一時停止の期限が7月に切れる前に、出荷を前倒ししている。
　一部フォワーダーは、東南アジア発北米向け需要増が、中国発の貨物需要の減少をある程度相殺していると報告、船社はその需要に対応するため、欠便となっている米中間の輸送能力の一部をこれらの航路にシフトさせる可能性があるが、あまりに輸送量が増加しすぎると、混雑や遅延が発生し、コンテナ機器が不足する可能性もある。
　運賃は、中国発が相次いで欠便となったことで、荷動きが減少しても、今後の運賃は安定するものと思われるが、多くの出港が欠便となる前の期間であっても、月初からわずかな下落にとどまったのは意外だった。しかし、Freightos Terminalのポートペアレベルのデータによると、中国発と現在90日間の関税一時停止期間内にある一部のアジア発では、運賃がかい離、上海とホーチミンからロングビーチ向け運賃は、4月2日の相互関税発表から4月9日の発効までの間に40％以上上昇したが、それ以降、上海→ロングビーは30％以上下落したのに対し、ホーチミンは高止まりしている。

　商船三井の2024年度連結業績（2024年4月～2025年3月）は、コンテナ船事業、自動車船事業、ケミカル船などエネルギー事業も好調で、円安も影響し、売上高は前年比9.1％増の1兆7,754億円、営業利益は46.3％増の1,508億円、営業利益と持分法投資利益を合わせた事業利益は111.9％増の4,132億円と3ケタの増益となり、経常利益も62.1％増の4,197億円で、親会社株主に帰属する当期利益は62.6％増の4,254億円となった。
　セグメント別ではドライバルク事業は、ケープサイズがボーキサイトの出荷が堅調に推移し、季節性要因で一時低迷するも3月以降は回復、中・小型バルカーは下期にかけ中国国内需要が低迷し市況が低迷、事業全体では売上高が1.1％増の4,000億円、経常利益は前年度計上の貸倒引当金の戻し入れによる利益の剥落で62.5％減の139億円と減益になった。
　エネルギー事業は、タンカーが原油船、石油製品船の長期契約による利益貢献や、地政学リスク、限定的な新造船供給により市況は堅調、またオフショア事業は、FPSO事業が長期貸船契約による安定収益と、三井海洋開発の持分法適用化に伴う持分法投資利益の計上、LNG船、LNGインフラ事業も安定利益を確保し、事業全体の売上高30.5％増の5,715億円、経常利益は55.0％増の1,036億円と2ケタの増収増益になった。
　製品輸送事業は、持分法適用会社のOcean Network Express（ONE）が、喜望峰経由での航海の継続による船腹需給のひっ迫、アジア発欧米向け運賃が高水準で推移し、大幅増益となりコンテナ船事業は5.2％増の593億円、経常利益は322.4％増の2,176億円、また自動車船は輸送台数は減少したものの、輸送需要は堅調で、円安も影響し増益、港湾ロジスティクス事業は、国内ターミナルは堅調、ロジスティクス事業は取扱量が増加したものの、仕入れ運賃の高騰で減益となり製品輸送事業全体の売上高は0.5％減の6,159億円、経常利益は141.3％増の3,029億円と減収も3ケタの増益になった。
　ウェルビーイングライフ事業は、フェリー・内航Ro/Ro事業で、貨物事業が積み高が増加、旅客船事業も旅客数が堅調で、事業全体の売上高が9.6％増の1,147億円、経常利益は10.3％減の81億円だった。
　通期予想は、コンテナ船事業、自動車船事業、ケミカル船事業の市況がピークアウトし、米国の関税政策によりインフレの進行、世界経済の停滞で荷動き減と円高影響を見込み、為替レートが140.78円／ドル、燃料価格が525ドル／MT、紅海は通年で航行できないとの前提で、売上高が4.3％減の1兆7,000億円、営業利益は33.7％減の1,000億円、事業利益は60.1％減の1,650億円、経常利益は64.3％減の1,500億円、親会社株主に帰属する当期利益は492.1％減の1,700億円を見込む。
　また24年度の株主配当は期末配当予定額20円増配の180円とし、中間配当180円と合わせ、通期で360円を予定する。

　先週の中国輸出コンテナ輸送市場は北米航路で船社による船腹調整が続き、スポット運賃が小反発したが欧州、南北航路が下落したことなどで、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）も1347.84と前週から1.7%の下落だった。
　先週のSCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が前週比4.1%下落し1,260ドル／TEU、地中海航路が1.5%下落し2,129ドル／TEUとなったが、北米西岸航路は1.5%上昇し2,141ドル／FEU、北米東岸航路も0.2%上昇し3,257ドル／FEUと上げ下げが交錯した。
　南北航路は豪州・NZ航路が4%下落し855ドル／TEU、中東ガルフ航路が8.3%下落し1,161ドル／TEU、南米航路が10.1%下落し1,414ドル／TEU、東・西アフリカ航路が2.7%下落し3,749ドル／TEU、南アフリカ航路も1.6%下落し2,043ドル／TEUと軒並み値下がりした。
　アジア域内航路は、東南アジア航路が0.9%上昇し454ドル／TEUとなったほか、韓国航路が横ばいの146ドル／TEU、関西航路が横ばい316ドル／TEU、関東航路も横ばいの321ドル／TEUで安定を維持した。
　米国の中国からの輸入品に対する追加関税の導入で中国から米国向け出荷低迷が続き、北米航路の欠便はパンデミック初期を上回る4月1カ月で、80便の欠便を予想、ZIM（イスラエル）、T.S. Lines（香港）は最近、一部の北米西岸サービスの休止を発表するなど、船社による船腹調整による運賃防衛策は、5月も継続する見通し。
　ロサンゼルス港のコンテナ取扱量は、相互関税後に出荷された貨物が到着する5月初旬から急落すると予想、前年同期比で19週（5月第2週）は38.6%減、第20週（5月第3週）は43%減と予想されている。
　北米航路の荷動き不振により欧州航路への転配で供給量が増加、北欧州航路の週あたり船腹供給量は、パンデミックの影響を受けていた21年11月(33.6万TEU)を超えたとの報告もあり、今年第1四半期（1～3月）のコンテナ取扱量でアントワープ港が343万TEU(前年同期比2.2%増）と、ロッテルダム港の336万TEU(同2.2%増)を抜いて欧州最大の港となった。
　アライアンス再編の影響やロッテルダム港の混雑によるサービス休止が要因で、現在、ロッテルダム港はバース待ちが平均7.2日、ヤード稼働率89%で混雑が続いており、米国の追加関税後に出荷されたアジア発の貨物が本格的に流入する6月には混雑が深刻化する可能性がある。
　アジア域内航路は日本のゴールデンウィークの影響で日本発着貨物がやや減少することが予想される一方、船社による航路開設で、船腹供給増加の動きが続いている。

　中遠海運控股股份有限公司（COSCO Shipping Holdings）が4月29日に発表した2025年第1四半期（1～3月）連結業績は売上高が前年同期比20.1%増の579.6億元、EBIT（営業利益）が66.17%増の165.78億元、株主に帰属する当期純利益が73.1%増の116.95億元と好調だった。
　3月末現在の運航コンテナ船隊は554隻・337.38万TEUで、1年前より7.53%増加し、積み高が前年同期比7.53%増のコンテナ船事業は全航路、特に太平洋航路やその他の外航航路で大幅な増収となり、海運事業全体の積み高は7.53%増の648万1,500TEU、売上高は20.07%増の558.83億元と好調だった・
　港湾ターミナル事業では、傘下のCOSCO Shipping Portsの総コンテナ取扱量が3,574万8,900TEと前年同期比7.48%の増収、売上高が27.67億元で16.06%の増収となり、全体として、海運、港湾ターミナル事業とも力強い成長を示し、将来の発展に向けた良好な基盤を築いた。

　中遠海運港湾有限公司（COSCO Shipping Ports：COSPorts）の今年第1四半期（1～3月）のグループの連結業績は、保護主義の台頭、地政学リスクが継続する中でも、堅調な中国からの輸出を背景に、売上高が前年同期比14.7％増の3億8,150万7,000ドルで、当期純利益は20.2％増の1億520万ドル、純利益率は27.6％と1.3ポイント増加し、グループ会社などからの利益は10.0％増の7,940万ドル、株主に帰属する当期利益は33.5％増の8,390万ドルと2ケタの増収増益を達成した。
　期中の総コンテナ取扱量は7.5％増の3,574万8,931TEUで、うち自社単体で取扱量は5.5％増の1,105万9,655TEU、グループ会社が運営するターミナルの取扱量は7.2％増の795万7,660TEU、グループで運営していない資本関係のあるターミナルの取扱量も7.6％増の2,779万1,271TEUといずれも増加した。
　港湾の地域別取扱量は、中国が7.7％増の2,717万2,274TEU、海外ターミナルが6.7％増の857万6,657TEUだった。海外ターミナルのうちギリシャ・ピレウス港でターミナル運営を手がけるPiraeus Container Terminal Single Member S.A.は9.4％増の101万9,167TEU、CSP Zeebrugge Terminal NVは44.0％増の22万3,869TEUだった。

　世界最大手のコンテナメーカー、中国国際集装箱集団（CIMC Group）の今年第1四半期（1～3月）の連結業績は、売上高が11.0％増の360億元（49億米ドル）、営業利益は199.8％増の12億元、当期純利益は230.3％増の7億1,970万元と3ケタの増益になった。
　期中のコンテナ売上高は12.7％増の56万8,000TEUで、うちドライが7.4％増の53万1,000TEU、リーファーは291.4％増の3万6,000TEUだった。

　Ocean Network Express（ONE）傘下の非運航船主、Seaspan（香港）はこのほど、中国船舶工業集団（CSSC）傘下の上海外高橋造船（SWS）に10,000TEU超型コンテナ船6隻を発注した。引き渡しは2028年からの予定で、船舶の諸元など詳細はわかっていないが、SWSがすでにX-Press Feedersと8隻、Regional Container Line（タイ、RCL）と4隻建造契約を締結している、11,000TEU型になると見られている。これらの船はいずれもメタノール燃料機関への換装を前提とした設計で、Seaspanはこれまで、このような特徴の船舶を発注してこなかったことから、すでに特定の船社から要望を受け、長期用船を見越しての発注と見られる。
　Seaspanは世界最大規模のコンテナ船の非運航船主で、保有船隊は188隻・193万TEUとなり、うちONEが44隻、ZIM Integrated Shipping Services（イスラエル）が29隻、Maersk（デンマーク）が24隻、Hapag-Lloydが21隻、COSCO（中国）が19隻を用船、さらに発注残は35隻・47万5,000TEUになる。

　中国の交通運輸部が4月29日に発表した、全国の港湾における今年第1四半期（1～3月）の総貨物取扱量は42億2,158万トンと、前年同期比3.2%増加、1Qとしては過去最高を記録した。うち外貿貨物は27億3,774万トンで1.6%増だった。コンテナ取扱量は全国合計で8,303万TEUで8.2%増、うち沿海諸港の合計は7,314万TEUで8.3%増、内陸河川諸港の合計は989万TEUで17.8%増加した。
　沿海主要港のコンテナ取扱量は上海港が前年同期比6.1%増の1,321万TEUで1位、寧波-舟山港が10.2%増の1,007万TEUで2位、深圳港が17.1%増の840万TEUで3位、青島港が7.0%増の643万TEUで4位、広州港が7.0%増の643万TEUで5位などの順で続いた。

　OOCL（香港）はこのほど、中国の大連中遠海運川崎船舶工程有限公司（DACKS）と南通中遠川崎船舶工程有限公司（NACKS）にメタノール燃料を使用できる18,500TEU型コンテナ船14隻を発注した。
　船価は1隻あたり2億2,000万ドルで、2028年後半から29年後半にかけて順次竣工・引き渡しとなる予定で、NACKSが5隻、DACKSが9隻の建造を受け持つことになると見られる。
　新造船はCOSCOグループの新ウルトラコンパクト型として設計された、全長336.0m、コンテナベイ22口、幅56.0m、オンデッキ22列積みの22/22型になり、COSCOグループによる建造受注残は64隻・111万TEUになった。

　フィンランドの港湾荷役機器メーカー、Kalmarの今年第1四半期（1～3月）連結業績は、期中の受注額が前年同期比20％増の4億8,000万ユーロ、期末時点の受注残高は7％増の10億4,100万ユーロと増加したが、売上高は9％減の3億9,800万ドルと減収となり、営業利益はほぼ前年並みの4,570万ユーロを維持、営業利益率は1.5ポイント減の11.5％、当期純利益は2％増の3,410万ユーロとなった。
　部門別では、荷役機器部門の受注額が31％増の3,220万ユーロ、期末時点の受注残は9％増の9億200万ユーロ、売上高は17％減の2億5,200万ユーロ、営業利益は28％減の2,820万ユーロと減収減益になった。
　またサービス部門の受注額は2％増の1億5,800万ユーロ、発注残は13％増の1億3,600万ユーロで、期中の売上高は6％増の1億4,500万ユーロ、営業利益は15％増の2,620万ユーロだった。

　新日本海フェリーは、三菱重工業・下関造船所で、建造中のフェリーの命名進水式を4月29日に開催した。
　式典で、同船は“けやき”と命名、ソプラノ歌手の田中彩子氏が支綱切断した。同船は、2025年12月に舞鶴～小樽航路に就航する予定。けやきは京都府舞鶴市の市木で、強健で大地にしっかりと根を張り、力強く空に向かって成長していく様子は、関西と北海道を観光と物流でつなぐ新造船の名にふさわしく命名した。国内フェリーでは初採用となるダックテールを含む最新鋭の省エネ船型、アンチローリングタンクとフィンスタビライザーの併用による省エネ型減揺システムなどの採用で、従来船と比べ約5％の省エネルギーが実現可能となっている。“けやき”は全長199.0m、総トン数約1万4,300トン、主機8,540kW×4基、航海速力28.3kt、積載台数はトラック約150台、乗用車約30台、旅客定員286人。

　全日本空輸（ANA）の25年3月期業績は、売上高が前期比10.1％増の2兆2,618億円となり過去最高を更新した。営業利益は4.3％減の1,966億円、経常利益が3.6％減の2,000億円、純利益が2.5％減の1,530億円と増収減益となった。配当金は当初の利益計画を上回ったことを踏まえ、1株あたり60円に増額する。
　旅客便は、とくに国際線が前年12月から就航した欧州新規3路線の好調や旺盛な訪日需要により、8,055億円と過去最高の収入となった。
　貨物収入は国際線が1,873億円、前期比20.5％増と大幅増収、輸送貨物量は3.6％増の70.4万トン。アジア・中国発北米向け三国間貨物の旺盛な需要を取り込んだことに加えて、高付加価値商材の輸送を強化したことで輸送重量・収入ともに前期を上回った。国内線は収入が2.4％と小幅な伸びで230億円、輸送貨物量は9.4％％増の27.6万トンだった。
　26年3月期は、売上高が過去最高の2兆3,700億円、営業利益1,850億円、経常利益1,750億円、純利益1,220億円を予想している。

　国際航空運送協会（IATA）がまとめた25年3月の航空貨物需要は、全地域の合計で前年同月比4.4％増と春節休暇の影響を受けた前月の0.1％減からプラスに転じた。全体の87％を占める国際貨物は2月の0.4％増から5.5％増へ、2月との比較では4.1％増と急回復で、パンデミックの影響を受けた年を除く例年のパターンに戻り、さらに米国政府による関税引き上げを見越した前倒し出荷の影響も受けた展開となった。
　全体のキャパシティの伸びは4.3％（国際貨物は6.1％増）で前年の10.6％からは減少したものの今年2月のマイナス0.2％に比べると今後の荷動き増への対応の懸念が払拭されつつある。
　ロードファクターは47.5％（同53.7％）で国際・国内合計、国際貨物ともに2月比2.8ポイント増となり、アフリカと中東を除く全地域で改善、欧州が0.9pt増の59.6％でもっとも高く、続いてアジア太平洋が0.8pt増の48.6％、北米が0.5pt増の40.7％で続いた。
　航空貨物輸送を取り巻く経済要因では、ジェット燃料価格が前年同月比で17.3％下落、9カ月連続のマイナスとなった。世界の工業生産は3.2％、貿易量は2.9％それぞれ増加、米国のインフレは消費者物価指数（CPI）が2月から0.4pt落ち込んで2.4％、欧州も2.5％で軟化傾向に、日本は0.1pt減の3.6％、中国のデフレは継続しているが0.7％から0.1％へと改善した。
　国際貨物の地域別では、アジア太平洋地域航空会社の需要は9.6％増、キャパシティが11.%増、北米がそれぞれ9.5％増・6.1％増、欧州が4.5％増・2.0％増、中東は3.2％減・0.8％増で前年の初めに紅海航路の混乱で需要と運賃が跳ね上がった反動が続いている。中南米は5.8％増・4.7％増、アフリカが13.4％減・10.5％増だった。
　需要の伸び率の高かった路線では欧州～北米が8.5％増、全体に占めるマーケットシェアが13.3％、以下欧州～アジアが8.3％増・シェア20.5％、アジア～北米が7.3％増・シェア24.4％、アジア域内が5.5％増・シェア7.0％で続いている。
　マイナスとなった路線は、アフリカ～アジアが40.2％減・シェア1.4％で4年連続のマイナス、中東～欧州が7.5％減・シェア5.7％、欧州域内が5.2％減・シェア2.0％だった。

　ルフトハンザ航空が発表した貨物・ロジスティクス部門の25年第1四半期業績は、貨物機の輸送能力やアジア発eコマース貨物の増大、グローバルな貨物マーケットの活況などを背景に、売上高が前年同期比21％増の8.34億ユーロ（約1,357億円）と過去2年間では24年4Qに次ぐ2番目の記録となった。
　需要が9％伸び、キャパシティもB777Fの追加などで7％増加、その結果ロードファクターは1ポイント上昇して64.3％と高い水準を維持したことでイールドは11.9％改善した。ルフトハンザカーゴの貨物輸送収入は、前年同期の6.41億ユーロから22％増の7.81億ユーロと2ケタの伸びを達成した。最大マーケットのアジア太平洋と米国がそれぞれ21％増・3.33億ユーロ、21％増・3.22億ユーロと力強い伸びで牽引した。
　営業費用は7％の伸びにとどまったことで調整後EBIT（金利・税引き前利益）は前年同期のマイナス2,200万ユーロから6,200万ユーロへと好転した。
　ルフトハンザ・グループ全体の売上高は前年同期比10％増の81.27億ユーロ（約1兆3,195億円）、調整後EBITがマイナス7.41億ユーロ、純損失が8.85億ユーロだった。

　三菱倉庫の2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、売上高が物流、不動産の両事業で収入が増加、前期比11.6％増の2,840億6,900万円、営業利益が物流事業で減益、不動産事業で増益、全体として7.2％増の203億1,000万円、経常利益が持分法適用関連会社でベトナムのITL Corporationに係るのれん相当額の未償却残高全額を持分法による投資損失として計上したほか、受取配当金の減少、支払利息の増加などで、23.6％減の186億2,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益が特別利益で固定資産処分益、投資有価証券売却益の増加で、14.7％増の318億6,400万円となった。
　物流事業の売上高は、倉庫事業がCavalier Logisticsグループの通期寄与、医薬品、食品の取扱増加などで2.0％増、陸上運送事業が電機設備、医薬品の取扱増加などで7.2％増、港湾運送事業がコンテナ貨物の取扱減少などで4.1％減、国際運送取扱事業がCavalier Logisticsグループの通期寄与、輸出入貨物の取扱増加などで23.6％増となった。この結果、物流事業全体の売上高は9.3％増の2,376億8,600万円、セグメント利益（営業利益）は海上運賃単価の正常化などに伴う国際運送取扱事業の粗利益減少もあり、4.8％減の138億6,200万円となった。
　不動産事業の売上高は23.8％増の477億7,600万円、セグメント利益（営業利益）は25.8％増の136億9,700万円となった。期末配当は1株当たり16円。
　今期の連結業績の見通しは、通期で売上高が前期比2.1％増の2,900億円、営業利益が1.5％減の200億円、経常利益が31.0％増の244億円、親会社株主に帰属する当期純利益が26.8％増の404億円。

　商船三井ロジスティクスは、同社ナイロビ支店（MOL Logistics Holding (Europe) B.V., Nairobi Branch)は、AGS Movers Kenyaとの提携を通じて、ケニアにおける海外引越サービスを大幅に強化したと発表した。
　同社は1934年から90年以上海外引越事業を手掛け、世界各国への海外引越輸送のパイオニアとして実績を誇っており、これまでもケニアでの海外引越サービスを提供してきたが、より多様化する顧客ニーズに対応し、さらに高品質なサービスを提供するため、同社ナイロビ支店とAGS Movers Kenyaとの業務提携を締結した。
　AGS Movers Kenyaは、1995年に設立、30年以上にわたり引越専門のサービスを提供してきた企業で、AGSグループの一員として、世界100か国、147拠点を展開し、国際・国内引越や車両輸送など、多岐にわたる高品質なサービスを提供している。ナイロビを拠点に、幅広いニーズに対応、その実績から高い信頼と評価を得ている。
　今回のAGS Movers Kenyaとの提携により、ナイロビを拠点に、ケニア全域にサービスエリアを拡大し、迅速かつ、より多様なニーズに対応できる体制を整えた。また、言語面・文化面での不安を解消するため、ナイロビに日本語対応窓口を設置、初めての海外引越でも、安心して利用できるサポート体制を整えた。個々の状況に合わせ、荷物の量や移動スケジュール、予算に応じた柔軟な引越プランを提案していく方針だ。

　ケイヒンは4月30日、2030年3月期までの目標値としてROEを10％以上、PBRを1倍以上、配当性向を30％以上、設備や人財への投資累計額を200億円程度とする資本コストや株価を意識した経営の実現に向けての取り組みを決定、公表した。
　同社は、グループ内の連携を強化することで顧客ニーズに対応した質の高いサービスを提供することにより、新規顧客の獲得と安定的な貨物取り扱いの確保に努めるほか、国内外の有力拠点への施設拡充も視野に入れつつ、生産性の向上を図ることで、事業基盤の強化に努めている。この方針に基づき、高機能物流への取り組みによる収益力の向上を図るとともに、グループ経営の基盤強化を図ることにより、資本コストを上回る収益性を確保していく方針を決定した。
　具体的には、国内物流については、事業基盤の拡大に向けた投資として、2024年1月に東扇島流通センター、2024年9月に本牧埠頭流通センターを開設し、2025年5月には神戸西流通センターを開設する。今後も収益力拡大に向け、AIやロボティクスなどの先端技術の導入による付加価値の高い物流サービスの提供を通じた効率化の向上に加え、昭和40年代に建設した同社施設を中心にスクラップアンドビルドや統廃合など、計画的な投資に取り組む。
　一方、国際物流については、海外代理店との関係をより一層緊密なものとし、競争力のある輸送サービスの充実により、同社の強みである車両輸出やプロジェクト貨物を含めた国際物流の取り扱い拡大を図るほか、海外現地法人での実務経験を通して、グローバルな視点と対応力を養うことを目的とした「海外トレーニー制度」の活用など、積極的に人材への投資を進める。また海外現地法人については、今後も成長が期待できるアジア市場をターゲットに、フォワーディング事業のみならず多様な事業展開を図り、同社現地法人の配置見直しや東南アジアを中心に新たな地域への進出を積極的に進めていく。進出については、現地企業との業務提携や資本提携、M&Aも模索していく。
　財務戦略については、金融機関株式など政策保有株式を縮減し、また株主還元策を充実させることで適正な純資産の構築を図る。金利動向を見極めつつ外部借入を拡充させることで財務レバレッジを効かせて成長資金の創出を図る。グループ全体でのキャッシュ・マネジメントの見える化を進めて成長投資資金の創出を企図しつつ、株主還元や財務健全性にも目を配ることで、バランスの取れた適正なキャッシュ・アロケーションを設定する。

　ケイヒンは5月1日、兵庫県神戸市に「神戸西流通センター」（倉庫面積1万6,699.84m2、事務所711.64m2、合計1万7,411.48m2）を開設する。
　同センターは、CBREインベストメントマネジメント・ジャパンと大和ハウス工業が共同経営する3階建てマルチテナント型物流施設の2階と3階フロアに開設するもので、ランプウェイで2階に直接接岸できるトラックバースを備え、効率的なロジスティクスサービスを提供できる。立地面では、阪神高速3号神戸線・若宮ICと湊川ICから約2㎞と阪神をはじめ、近畿・中国・四国へ向けた広域物流拠点として利便性が高いことに加え、JR神戸線・鷹取駅から徒歩圏内にあり、後背地には生活環境が整った住宅街を有し、人員確保にも適している。

　内外トランスラインの2025年12月期第1四半期の連結業績（2025年1月1日～2025年3月31日）は、売上高が前年同期比16.4％増の92億5,000万円だったが、単体の販管費の増加を増収でカバーすることができず、営業利益が2.0％減の8億1,100万円、経常利益が17.9％減の7億9,800万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が16.4％減の5億6,100万円と増収減益だった。
　日本の国際貨物輸送事業は単体で輸出フルコンテナ貨物の取り扱いが堅調に推移するなど増収となった。公開買付けに係る費用の発生で販管費が増加、営業利益は減少した。国内子会社では、ユーシーアイエアフレイトジャパンは、船用品をはじめとする取扱件数が伸びたことで増収増益。フライングフィッシュは、フルコンテナによる食品輸送の取り扱いが減少し減収減益となった。日本セグメントの売上高は19.7％増の60億8,800万円、セグメント利益（営業利益）は7.5％減の4億4,100万円だった。
　ASEANと中国子会社の業績が好調で増収増益となり、海外セグメント売上高は10.4％増の31億6,100万円、セグメント利益（営業利益）も5.5％増の3億7,000万円だった。

　南海電気鉄道と東京流通センター（TRC）は4月1日、自動運転トラックなどをはじめとする次世代モビリティや貨物鉄道輸送との連携（モーダルコンビネーション）を活用した東京～大阪間の幹線輸送経路構築やその他物流効率化に資する各種取り組みに向けて業務提携することで合意した。
　今後、南海電鉄の物流施設とTRCの物流施設の強みを生かした新たな社会インフラ の構築により、日本の物流業界が抱える社会課題の解決を目指すとしている。南海電鉄の持つ東大阪・北大阪流通センターとTRCは、高度経済成長期における人口や自動車の増加などにより生じた流通機能や都市機能の低下という社会課題を解決するため、それぞれ関西圏と関東圏の交通要衝地に一大流通拠点として整備、半世紀以上にわたり日本の物流機能を支えてきた。今回、生活・経済インフラを支えるトラックドライバーの不足といった深刻な社会課題への危機感や、国民生活と経済発展を持続的に支える強靭な物流インフラの構築への使命感などのビジョンを共有していることを確認し、業務提携に至った。同業務提携ではただ単純に両社の物流施設をつなぐ輸送経路を設定するだけでなく、自動運転トラックなどの次世代モビリティの運行や、貨物鉄道輸送との連携などの施策でも、両社が同一のゴールを見据えて提携することで、よりダイナミックな物流効率化の推進を目指す。

　アドレス・サービス（千葉県東金市）は、ビィ・フォアード（東京都港区）が運営する海外輸送サービス「ポチロジ」に関する倉庫業務を、4月からアドレス・サービス東金サービスセンターで開始した。
　海外輸送サービス「ポチロジ」は、ビィ・フォア―ドが長年築き上げてきた物流網を生かし、国際航空輸送、コンテナ混載輸送、中古車輸送、 食品や飲料など、さまざまな製品を取り扱う海外輸送サービス。ポチロジは、海外で販売を展開する企業や、海外へ荷物を送りたい法人、個人のユーザーに利用でき、ポチロジでの海外発送の依頼は、日用品をはじめ、食料品、美術品、家具、ピアノ、サーフボード、自転車、オートバイ、自動車など多岐にわたっている。海外輸送では国や地域ごとに禁制品があり、特に食品、化粧品、薬品などには十分な注意が必要で、一般消費者にはまだまだハードルが高い。ポチロジでは、ECサイトのようにクリックするだけで、簡単に世界へ荷物を送ることができ、荷主から荷受人へ、確実に大切な荷物を届けることが可能で、荷受人の国や地域への発送禁止物品を検知するといった体制を構築することで、より利便性の高いサービスを実現している。
　預かる荷物のなかにはユーザーが知らずに、荷受人の国や地域への発送禁止物品を梱包してしまうこともあるため、今回開所したアドレス・サービス内のポチロジ配送センターでは、荷主の荷物を問題なく荷受人に届けることができるよう、荷物の中身や梱包状態などを適宜確認し確実に配送業者へ引き渡しする体制を構築している。

　名鉄都市開発（名古屋市中村区）は、愛知県小牧市で開発を進めていた、同社による物流施設開発事業の第一弾となる「MCD-LOGI小牧」が4月30日に竣工したと発表した。
　名鉄NX運輸小牧支店跡地である同計画地は、名神高速道路、中央自動車道、東名高速道路に近く、名古屋高速11号小牧線、16号一宮線を利用して名古屋第二環状自動車道にアクセス可能だ。中部圏や名古屋都市圏への地域配送のみならず、関東圏や関西圏への広域配送が可能で、広域道路の結節点として交通ネットワークの利便性のある立地だ。地上4階建て、延べ床面積5万4,372.20m2のマルチテナント型物流施設で、車両が3階へ直接乗り入れ可能なスロープを設け、トラックバースを1階と3階に備えることで、最大4テナントへの分割賃貸が可能だ。トラックバースは計52台の大型車が同時接車可能で、16台分のトラック待機場と合わせて、効率的な入出庫オペレーションをサポートする。天井高は有効5.5m（2階は一部6.9m）、床荷重は1.5tを確保、荷物用エレベーターを合計8基（2基/区画）、垂直搬送機を合計4基（1基/区画）実装、また、将来用として荷物用エレベーターを合計4基（1基/区画）、垂直搬送機を合計12基（3基/区画）を増設可能な仕様だ。

　Zenportは、グローバルサプライチェーンの全データを一括管理する産業基盤「ZENPORT」の新機能として、ZENPORT上での書類作成や他データ閲覧時に取引先情報を自動的に参照できる「取引先データウエアハウス機能」をリリースした。
　同機能は、顧客からのフィードバックをもとに開発を進め、すでに全ユーザーに提供開始している。グローバルサプライチェーンでは、書類や帳票の作成、エクセル元帳でのデータ管理などで、取引先の基本情報（会社名、住所、電話番号など）や請求書情報の確認が頻繁に発生する。これまで、ユーザーはこれらの情報を確認するため、社内の別システムへのログインと切り替え、担当部署への問い合わせ、紙ベースの資料の参照などの追加作業が必要で、業務効率の低下や最新情報へのアクセス遅延が課題となっていた。
　新しい「取引先データウエアハウス機能」により、利用者はZENPORT上で、取引先の基本情報（会社名、住所、電話番号、担当者情報）、請求書関連情報（銀行口座情報、銀行住所情報などに直接アクセスできるようになった。情報確認のためのシステム切り替えや問い合わせが不要になるとともに、常に最新の取引先情報へのアクセスが可能で、データ一元管理による情報の正確性が向上、取引先情報に関連する業務プロセス全体の効率化が実現する。さらに、この「取引先データウエアハウス」を基幹システムに連携し、ZENPORT上の取引先情報を自動的に更新、常に最新情報を保持することも可能だ。

　米連邦議会の超党派議員グループは4月29日、「米国の繁栄と安全のための造船・港湾インフラ（SHIPS）法」を再提出した。マーク・ケリー上院議員（民主党、アリゾナ州選出）、トッド・ヤング上院議員（共和党、インディアナ州選出）、ジョン・ガラメンディ下院議員（民主党、カリフォルニア州選出）、トレント・ケリー下院議員（共和党、マサチューセッツ州選出）（写真）が主導するこの画期的な法案は、米国と中国の間にある海上輸送能力の著しい格差に対処することを目的としたもので、中国の造船支配に関する米通商代表部（USTR）の最近の調査結果を受け、海洋安全保障への関心が高まったことから、上院に「SHIPS for America Act」と「Building SHIPS in America Act」の2本立てで提出した。
　現在、米国籍の外航船はわずか80隻に対し、中国は5,500隻を運航しており、この劇的な不均衡は、国家安全保障と経済競争力に対する懸念を引き起こしているとして、法案では、貨物優先規則と競争力強化のための新規制に支えられた戦略的商船隊プログラム（Strategic Commercial Fleet Program）を通じ、10年以内に米国籍の外航船隊に250隻を加えるという野心的な目標を掲げている。また、国際貿易で競争できる、米国籍、米国人乗組員配乗、国内建造の商船を商業運航する船隊の育成も求めている。
　また、目標を達成するため、国家戦略を主導し、新たな海上安全保障委員会を指揮することを任務とする、ホワイトハウス内の海上安全保障アドバイザー職の設置など、いくつかの重要なイニシアチブを導入するほか、米国沿岸警備隊（USCG）の官僚主義を合理化するため、商業海事規制・基準に関する規則制定委員会を設置し、規制のハードルにも対処する。さらに、2030年以降、同法は「米国籍船の貨物をより競争力のあるものにするために関税を修正し、政府出資の貨物は米国籍船で輸送することを義務付け、中国から輸入される商業貨物の一部は米国籍船で輸送することを義務付けるとしている。
　昨年12月にSHIPS for America Actが初めて議会に提出されて以来、特に中国の造船支配に関するUSTRの調査結果や、トランプ大統領が今月初めに造船に関する大統領令に署名したことを受けて、米国の造船を後押しすることが超党派の優先事項として浮上、業界関係者からは、この構想に対する強い支持の声が上がっている。
　同法案には、造船所への投資に対する25％の投資税額控除など、造船部門に対する実質的な財政優遇措置が盛り込まれているほか、次世代の船舶設計と建造プロセスにおけるリーダーシップを加速させるため、米国海事イノベーションセンターの設立も盛り込んでいる。
　労働力開発については、海事労働力促進・募集キャンペーンや海事教育機関への支援に関する規定があり、米国商船学校のインフラ整備やUSCGの商船資格認定システムの近代化も求めている。
　法案には、60を超える海事団体や業界関係者から支持を集めており、米国の海事能力を強化する必要性についての幅広いコンセンサスを反映、法案が議会を通過することは、米国の海事インフラを再建し、競争が激化する国際環境における国家安全保障を確保するための重要な一歩になるとしている。

　日本ロジスティクスシステム協会（JILS）は、2024年度の調査結果（有効回答191社）をまとめた「2024年度物流コスト調査報告書」の概要版を公開、売上高物流コスト比率は5.44％（全業種平均）と前年度から0.44ポイント上昇した。
　2022年度から2023年度にかけては売上高物流コスト比率が2年連続で減少、荷主企業による商品価格の値上げが進む一方で、物流事業者への価格転嫁が遅れていたが、2024年度調査結果からは、荷主企業から物流事業者への価格転嫁が一定程度進展した模様だ。
　「指数でみた物流コストなどの動向」によれば、物流コスト単価は上昇傾向にあるものの、売上単価の伸びには追いついておらず、物流事業者による価格転嫁は依然として十分とは言えない状況だ。一方「マクロ物流コストの調査」によれば、日本のGDPに対するマクロ物流コスト比率は2019年度以降上昇傾向にあり、最新の調査結果である2022年度の値は9.6％と、過去20年間で最も高い水準となっている。
　また値上げ要請の有無については、回答企業168社のうち154 社（91.7％）が要請を受けたと回答した。値上げを要請を受けた主なコストの種類は輸送費と回答した企業が150社で最も多く、荷役費がこれに続いている。さらに値上げ要請があったと回答した企業154社のうち、150社（97.4％）の企業が「応じた」と回答、値上げ要請に応じた企業の割合は前年度比5.0ポイント上昇している。

　Drewry Maritime Research（英国）が4月30日に発表したアジア域内コンテナ指数（IACI）は、4月後半の2週間で3%上昇し706ドル／FEUで安定、前年同期を39%上回ったが、昨年12月中旬から7回連続で下落したあと2回連続で上昇した。　
　IACIは、中国、北・東アジア3カ国（日本、韓国、台湾）、東南アジア5カ国（インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム）と南・西アジア2カ国（インドとアラブ首長国連邦）を含む、アジア域内18航路のスポット運賃（積み／揚げ地THC除く）を加重平均し指数化したもので、2週間ごとに公表している。
　主な航路のスポット運賃をみると、釜山→上海は横ばいの105ドル／FEU、ホーチミン→上海も横ばいの51ドル／FEU、ジャカルタ→上海は16%上昇し72ドル／FEU、上海→J.ネールは6%下落し908ドル／FEU、上海→シンガポールは5%上昇し643ドル／FEU、上海→タンジュンペレパスは10%上昇し1,171ドル／FEU、上海→横浜は13%上昇し914ドル／FEU、横浜→上海は11%下落し78ドル／FEUとなった。

　韓国の海事メディアによると、韓国関税庁（KCS）がまとめた今年3月の韓国とアジア8カ国・地域間の輸出入コンテナ貨物量は合計で37万6,200TEU（速報値）と前年同月の36万7,600TEUから2.3%増加した。今年に入り1月はマイナスだったが、2月にプラスに転じ、3月も成長傾向を続けた。
　輸出貨物は前年同月比4%増の18万1,300TEU、輸入貨物は1%増の19万4,900TEUで、輸出貨物は昨年9月から今年1月まで5カ月連続で減少傾向を見せた後、2月に入って7%増、3月も堅調だった。輸入貨物は、1月に18カ月ぶりに反落した後、2月までマイナスが続いたが、3カ月ぶりに小幅ながらプラスに転じた。
　国・地域別に見ると、最大の貿易相手国であるベトナムをはじめ、8カ国・地域のうち5カ国・地域が減少したが、マレーシアへの輸出量が大幅に増加し、全体を引き上げた。韓国とマレーシア間の輸出入コンテナ貨物は5万5,800TEUで前年同月から33%も急増、特に輸出貨物は60%増の3万4,000TEUに達し、輸入貨物は6%増の2万1,800TEUだった。このほか、4位のインドネシアは輸出入合計で8%増の4万9,500TEU、6位の比も14%増の2.7万TEUと好調だった。
　一方、1位のベトナムは4%減の12万2,100TEU、3位のタイは7%減の5万3,600TEU、5位の台湾は2%減の3万2,700TEU、7位の香港は1万8,200TEU、8位のシンガポールも10%減の1万6,900TEUと低調だった。