ニュースダイジェスト

　5月1日から地中海・黒海全域が、船舶による汚染の防止のための国際条約（MARPOL条約）付属書5による排出管理エリア（ECA）として発効し、航行する商船が使用する燃料中の硫黄酸化物（SOx）含有量が0.1％以下に制限される。これを受け、すでに主要コンテナ船社のMSC（スイス）、Maersk（デンマーク）、CMA CGM（仏）は地中海を航行する本船に積載する全貨物を対象に追加サーチャージの適用を発表している。
　AXS-Alphaliner（仏）のまとめによると、今年第1四半期（1～3月）に地中海を航行したコンテナ船は1,253隻で、うち27.5％はSOxに対応したスクラバー（排ガス浄化装置）を備え、4.5％はメタノールやSOｘを排出しない代替燃料船で、その他の船舶は低硫黄燃料（VLSFO）による航行が必要になる。ただ現在は紅海情勢の悪化に伴い、地中海を航行する船舶が大幅に減少しているため、注意が必要だとしている。
　欧州では土壌、海洋の酸性化が深刻化しているとし、欧州海事安全局によると2018年の域内でのSOxの総排出量のうち海上輸送に由来する分は24％に達するため、対策が求められてきた。
　地中海に続き2026年3月からは、ノルウェー海やカナダ東岸海域もECAとして発効する予定となっている。

　Hapag-Lloyd（独）は4月30日、2025年第1四半期（1～3月）のグループ連結業績（速報値）を発表し、売上高が前年同期比15％増の53億ドル、EBITDA（利払い前・税引き前・償却前利益）が17％増の11億ドル、EBIT（営業利益）は24％増の5億ドルと2ケタの増収増益。
　期中のコンテナ積み高は10％増の330万TEUで、平均運賃も9％増の1,480ドル/TEUと、いずれも増加・上昇し好業績につながった。
　2025年の通期予想は、地政学的リスクの継続や貿易環境の不確実性により、引き続き高水準で推移すると予測し、通年でのグループEBITDAが25～40億ドル、EBIT0～15億ドルと予測。

　デンマークの海運調査会社、Sea-Intelligenceは、米国通商代表部（USTR）が発表した中国船社および中国建造船を運航する非中国船社に対する入港手数料の改定案の影響を分析した結果、今年第1四半期（1～3月）に、太平洋航路のニッチ船社5社は計49隻のコンテナ船を運航したが、そのうち中国建造船はわずか14隻、さらに、4,000TEU未満船は入港手数料が免除されるため、中国建造で4,000TEU超型のうち、入港手数料の対象となるのはわずか2隻だった。
　ニッチ船社のうち、Matson（米国）の1隻とSM Line（韓国）の1隻が入港手数料の影響を受けるが、これは1Qに2社が太平洋航路に投入したコンテナ船のそれぞれ10%と9%に相当し、ニッチ船社5社が1Qに太平洋横断航路に投入したコンテナ船のわずか4%に過ぎず、おそらく両社は、入港手数料の対象となる1隻を非中国建造船に代替するか、あるいは1隻の入港手数料を船隊全体に分散させることができるとしている。
　ただ、Hede Shippingは中国船社で、中国船社であるというだけで、別の入港手数料の対象となり、4,000TEU未満船に対する免除対象にはならず、この提案が実行された場合、今年10月以降、Hede Shippingは米国向け1航海あたり平均66万7,000米ドルの入港手数料を支払うことになり、段階的に引き上げられ2028年4月には、1航海あたり190万米ドルに増加、事実上、Hede Shippingは米国に寄港する太平洋航路の運航を停止しなければならなくなる可能性が高いと指摘している。
　また、グローバル船社は、この入港手数料の影響をより大きく受ける可能性があるが、その広範で多様な船隊により、ネットワーク全体で中国建造船を代替する柔軟性が高いとみている。

　米国の大手格付け企業、Fitchi Ratingsは4月29日に発表した最新レポートで、 世界の港湾活動は、貿易摩擦の激化と世界経済の成長鈍化により圧迫されているが、世界の港湾セクターの信用への影響は、取扱量と収益の圧迫を緩和する契約上および財務上の特徴により、軽微にとどまると予想している。
　港湾の格付けは、契約上の収益バッファー、安定的な収益、料金の柔軟性により、通常、収益が取扱量を上回るため、取扱量が減少した過去の時期にも回復力を維持してきた。とはいえ、貿易戦争が激化・長期化すれば、物量が大幅に減少し、収益と信用の質に大きな圧力がかかる可能性があるという。
　港湾に対する関税の圧力は、景気減速に伴う商品需要の減少によってさらに強まっており、Fitchiは、世界の成長率が2024年の2.9%から2025年には1.9%に減速すると予測している。これは、米国の対中実効関税率（ETR）がしばらくの間100%超を維持した後、2026年には60%まで低下し、他の貿易相手国のETRが15%になると想定したもの。
　世界の港湾格付けは「AA」から「B」まであり、ほとんどが投資適格で、高格付けの港湾は一般的に、貨物の種類、事業セグメント、強力な収益プロフィール、レバレッジプロフィール、構造的債務保証、または政府の支援を受けている。
　米国のロサンゼルス港とロングビーチ港の格付けは、ともに「AA」／安定的で、米中関税の影響を最も受けやすい港のひとつだが、今年の海運関連収入の大幅な減少を乗り切るための強力な財務的クッションを有している。
　Fitchiに格付けされた中国の港湾は、暗黙の政府支援の恩恵を受け、貿易の変動から守られており、その他のアジアの港湾では、貨物のう回やサプライチェーンの再構築に伴い、貿易量や積み替え量が増加する可能性があるとみる。
　また、対米貿易の減少による港湾の数量的損失は、他国との貿易の増加によって補われ、中南米の港湾には多様な貿易相手国があり、Fitchiが格付けした欧州の港湾の対米貿易量エクスポージャーは10%未満としている。

　香港特別行政区政府の陳美實（Mable Chan）運輸・物流長官は4月26日に葵涌コンテナターミナルを視察、ターミナル運営会社関係者らと面談、初のLNGバンカリング作業をまもなく開始、LNG燃料の供給基地として香港を利用するコンテナ船が増えると述べた。
　また、香港政府はグリーンポートおよびインテリジェントポートの開発を積極的に推進しており、例えば、昨年末に発表した「グリーンバンカリング行動計画」を通じて、香港を質の高いグリーンバンカー給油センターに発展させるための明確な戦略と行動を打ち出し、海事・港湾・物流関係者間の情報の相互接続を促進し、貨物追跡、リアルタイム情報、貨物に関する情報を提供する集中型データ交換プラットフォームとなるポートコミュニティシステム（PCOS）の構築を完了、貨物追跡、リアルタイム輸送情報、分析・警報、付加価値eサービスなどを提供すると語った。
　陳局長は香港の海運・港湾事業は多くの課題に直面しているとしながらも、事業者が処理能力を高めるために、ビジネス・パートナーへの香港港湾の広報・宣伝を強化したり、グレーター・ベイ・エリアの他の港湾との新たな複合一貫輸送協力を開始したりするなど、貨物ソースの拡大に懸命に取り組んでいることを知り、我々が一致団結する限り、香港の港湾・海運事業の発展にはまだまだ自信が持てるとの考えを示した。
　また、香港に到着したチリの「チェリーエクスプレス」が、香港の利点である迅速な通関、高い効率性、強力な国際的接続性により、今月の出荷で最大量となる3,700TEUのチリ産さくらんぼを数時間で華南に配送できたことを目の当たりにし、香港特別行政区の海事・港湾産業に対する国の期待は大きいと述べた。

　ZIM Integrated Shipping Services（イスラエル）は5月中旬から、アジア／南米西岸航路のAlbatrossを改編し、厦門に追加寄港する。
　新Albatrossには3,400～5,600TEU型11隻を投入し、5月16日厦門出港の“ZIM Condor”（5,315TEU）を第1船に天津～青島～上海～寧波～厦門～ダーチャンベイ～ブエナベンチュラ～グアヤキル～カヤオ～サンアントニオ～天津の新ローテーションでサービスを開始する。

　HMMは荷動きが急減する太平洋航路の就航船を、運賃が比較的高い水準を維持しているアジア／中東航路への転配を開始する。
　アジア／北米西岸航路に投入してきた1万3,000TEU型コンテナ船の“HMM SAPPHAIRE”を5月5日の釜山起こしでアジア／中東航路のAG1 Serviceに投入するもの。HMMはアジア／中東航路で2ループのサービスを提供してきたが、サービス拡大も視野に検討しているという。
　同船はこれまでHMMがOcean Network Express（ONE）、Yang Ming（台湾）と構成する新アライアンスのPremier Allianceによる北米西岸航路のPS6 Sevicceに投入し、サービスしてきた。
　転配先のAG1もPremier Allianceによる16,000TEU型を中心に9隻を投入する新港～青島～釜山～上海～寧波～高雄～蛇口～シンガポール～ジェべリアリ～ダンマン～ウムカスール～アルジュベール～ハマドポート～アブダビ～ジェベルアリ～ソハール～ポートクラン～シンガポール～香港～新港のローテーションによる定曜日ウイークリーサービス。

　チャールストン港などを管理するサウスカロライナ州港湾局（SC Ports）が発表した3月の総コンテナ取扱量は前年同月比11％増の24万857TEUと2カ月連続でプラスになった。
　また内陸鉄道積み替え施設となるInland Port Greerのコンテナ取扱本数は20％増の1万9,291本、Inland Port Dillonでは14％増の3,287本といずれも2ケタのプラスになった。
　またチャールストン港における車両の取扱量は14％増の2万483台だった。

　日本トランスシティは1日、24年10月30日に公表した2025年3月期通期連結業績予想と配当予想を修正した。
　通期連結業績は、倉庫業、国際複合輸送業における取り扱いが当初の見込みより順調に推移、利益は継続的な料金の適正化と効率的なオペレーションによる生産性向上・費用削減、新規業務の順調な稼働、さらには営繕計画の見直しなどで、前回公表した予想を売り上げ、利益ともに上回る見込みとなった。連結売上高は、前回公表比で7億6,000万円上方修正し1,247億6,000万円に、営業利益は10億円アップの78億円、経常利益も10億円アップの88億円、親会社株主に帰属する当期純利益は6億4,000万円アップの60億4,000万円とした。これに伴い期末の配当予想も1株当たり22.5円に増配し、年間39円とする。

　全国港湾労働組合連合会（全国港湾）／全日本港湾運輸労働組合同盟（港運同盟）は、4月28日に日本港運協会に対して、25年港湾春闘第五次行動として、5月18日（日）以降の全日曜日の24時間ストライキと、5月19日（月）以降の無期限時間外ストライキを通告した。
　日港協は、ストを回避したい旨を組合側に伝え、25年港湾春闘・第5回中央団交は14日15時から開催することとなった。4月28日に組合側と日港協は事務折衝を開催した。また14日の第5回団交での解決に向けて12日、13日にも折衝する予定だ。

　近鉄エクスプレスは4月30日、同社システムで、現在発生しているサーバー障害について、同社システムはほぼ復旧し、一部地域で停止していた顧客向けサービス提供を順次再開していると発表した。
　同社は現在も外部専門家と連携し、被害状況、影響範囲などを特定するための調査を進めている。顧客データベースへの影響が確認できた場合、影響を受ける顧客に対し、速やかに個別に連絡するとしている。また、同社システムへの潜在的な影響を特定し、予防措置を講じるため、システム環境の包括的な評価に取り組んでいる。また、事業継続のための措置を既に開始、顧客サポートを継続して提供しているとしている。

　欧州のターミナルグループ、Eurokaiグループ（独）の2024年グループ連結業績は、売上高が前年比15.1％増の2億5,214万3,000ユーロ、EBIT（営業利益）は31.2％増の4,967万5,000ユーロと2ケタの増収増益になり、当期利益も68.7％増の8,800万ユーロだった。
　総コンテナ取扱量は10.2％増の1,238万842TEUで、うちドイツ港湾では11.0％増の724万6,140TEUだった。ハンブルク港は5.9％増の192万0,635TEU、ブレーメルハーフェン港は7.2％増の448万2,053TEU、ウィルヘルムスハーフェン港は58.7％増の84万3,452TEUだった。
　イタリア港湾では7.1％増の165万8,333TEUで、うちラスペチア港が11.0％増の112万3,601TEU、サレルノ港は3.6％増の35万8,134TEU、ラベンナ港は7.2％減の17万6,598TEU。
　また、モロッコ・タンガーメド港では9.4％増の303万960TEU、リマソル港は14.2％増の44万5,409TEUとほとんどのターミナルで前年を上回った。

　国際貨物運賃のオンラインマーケット・プラットフォームを運営するFreightosによると、米国による中国発輸出製品への145％関税が発効して以降、船社による運賃下落防止のための航海キャンセルやサービスの休止により中国〜米国間のブッキングは30~60％落ち込んだと見積もられている。ただ、東南アジア発のブッキングは関税引き上げが7月まで延期されたことや米輸入業者による輸入前倒しで20％増大している。
　運賃では中国、ベトナム発は高関税が発効した4月9日当初は40％上昇、ベトナム発は出荷の前倒しでまだ高水準を維持しているが、中国発は出荷が停止したことで30％以上落ち込んだ。一方で、東南アジアからの需要急増で滞貨や遅延、空コンテナの不足などの懸念も生じている。
　航空貨物は米国向け電子機器輸出の高関税からの除外やデミニミス・ルールの廃止まで少し時間があったため、中国発米国向け運賃は5.58ドル/kgまで上昇したが、廃止後は数量や運賃に劇的な影響を及ぼすと予想されている。
　Freightosとバルチック海運取引所の共同によるウイークリー運賃指数では、コンテナ運賃はアジア〜米西岸が1％減・2,328ドル/FEU、アジア〜米東岸が2％減の3,39ドル/FEU、アジア〜欧州が横ばいの2,337ドル/FEU、アジア〜地中海が5％増の3,082ドル/FEUだった。
　航空貨物では中国〜北米が1％増の5.58ドル/kg、中国〜欧州が1％減の3.71ドル/kg、北欧州〜北米が5％減の2.01ドル/kgとなっている。

　格付投資情報センター（R&I）は4月30日、飯野海運の発行体格付をBBB+、方向性を安定的で維持した。
　R&Iによると、海運業と不動産業を両輪とする海運会社。不動産業の安定収益で海運業の利益変動を緩和する独自のビジネスモデルを築き、海運業の主力であるケミカルタンカーは参入障壁が高く、他の船種に比べて市況変動は小さく、様々な化学品を運べる大型ステンレス船を多く保有し、中東地域のCOA（数量輸送契約）を軸に強固な顧客基盤を持ち、ドライバルク船の船隊規模がそれほど大きくなく、市況エクスポージャーを抑制してきたことも、海運会社としては安定した利益を確保するのに貢献している。
　飯野ビルディング（東京都千代田区）を核とする賃貸不動産が資産・利益ともに一定の割合を占め、賃貸収入が業績の安定化に大きく寄与し、国内外で徐々に物件取得を進めている。
　米国の関税引き上げによって海運業の事業環境は不透明感が増す中、ケミカルタンカーを主体とする飯野海運についても一部影響を受ける可能性はあるものの、航路・地域の分散や高水準の運賃市況の下で結んだ輸送契約に加え、環境対応やトレードパターンの変化によるトンマイルの延伸などが海運業の収益を下支え、賃貸を主軸とする不動産業の収益ウエートも大きく、関税引き上げによる業績影響は小幅にとどまると見る。
　利益・キャッシュフロー創出力の上昇を主因に債務とキャッシュフローのバランスは改善した。事業リスクが小さい不動産賃貸事業の比重が比較的大きく、海運業の収益の変動幅もそれほど大きくない点を踏まえると、簿外の用船債務を考慮したうえでも良好な財務耐久力を備えると評している。

売上高 247,408（6.1％）
営業利益 20,224（△6.4％）
経常利益 19,015（△14.3％）
当期利益 18,621（3.5％）
通期予想：売上高201,000、営業利益13,000、経常利益10,000、当期利益14,000。
単位：100万円

　日本GLPは、千葉県八千代市で延べ床面積15万7,600m2の先進的物流施設「GLP八千代V」を竣工したと発表した。
　同施設は、物流サービスを提供するダイワコーポレーションが、千葉県における旗艦施設として一棟全体を利用する。同物件の開発は、竣工済みの「GLP八千代IV」と隣接する敷地を最大限に利用した既存物件の建て替えプロジェクトだった。同プロジェクトでは、同物件を賃貸するダイワコーポレーションのニーズと敷地の特性を踏まえて、デザインや構造、設備を設計した。加えて、既存物件の解体にあたっては、工事工程を複数の工区に分割し、既存物件の入居企業であったあらた（東京都江東区）の「GLP八千代IV」への移転と連携して進めることで、あらたのオペレーションを中断させることなく、段階的な退去と明け渡しを実現した。
　「GLP八千代V」は、立地する八千代エリアでは希少なダブルランプウェイを備え、小分割区画の設定を可能にする設計や、全カスタマー区画に電動シャッターを導入するなど、カスタマーニーズを反映した物件で、免震構造を採用し、カスタマー企業の事業継続性をサポートする。ダイワコーポレーションは、同物件を多業種が入居できる物流施設として運用する予定だ。

　日本貨物鉄道（JR貨物）は、6月末に本社を移転する。
　移転先は、〒108-0075東京都港区港南1-8-15、Wビル（最寄駅：JR品川駅）で、業務開始は6月30日。電話番号に変更はない。

　ニチレイロジグループ本社は、4月24日付けでマレーシアの関連会社NL Litt Tatt Group Sdn. Bhd.（NLLTG）の株式を保有するLitt Resources Sdn. Bhd.との間で、発行済み全株式を取得する株式譲渡契約を締結した。7月頃に手続きを完了する見込みで、NLLTGはニチレイロジグループ本社の連結子会社となる予定だ。
　同社は、マレーシアで2018年6月のNL COLD CHAIN NETWORK（M）SDN. BHD.（NLCCN）への出資、2022年6月のNLLTGへの出資、2023年3月のNLCCN完全子会社化を通じて、保管・運送一貫サービスの強化に取り組み、事業拡大を図ってきている。今回の連結子会社化を機に、意思決定の迅速化や経営基盤の強化を進め、NLLTGのきめ細かな自社車両配送とNLCCNの豊富な保管能力の連携によるシナジー効果を高めることで、マレーシアでのさらなる事業成長を目指していく方針だ。

　東京都港湾局は、25年1月の東京港の港湾統計（速報値）を発表、外貿コンテナ取扱個数は輸出入・実入り空合計で前年同月比6.6％増の33万361TEUと10カ月連続で増加した。
　1月の外貿コンテナのうち実入り輸出が前年同月比24.9％減の4万2,085TEUと2ケタ減も、輸出の空が16.1％増の9万1,460TEUと大幅増、実入り輸入も12.3％増の19万5,096TEUと2ケタ増、輸入の空も21.0％増の1,720TEUだった。
　1月の内貿コンテナ実入りは移出入合計で1.6％減の1万6,375TEU、空コンテナは移出入合計で10.4％増の1万9,021TEUだった。外内貿合計では、実入りが2.9％増の25万3,556TEU、空コンテナが15.2％増の11万2,201TEUだった。

　災害やリスク情報を解析し、被害状況の可視化、予測するSpectee（東京都千代田区）は、サプライチェーン領域の事業拡大を目的に、三菱倉庫グループのコーポレートベンチャーキャピタル（CVC）であるMLCベンチャーズとパートナー契約を締結した。
　MLCベンチャーズは、Specteeが発行する株式の一部を、「MLCイノベーション1号投資事業有限責任組合」を通じて取得した。Specteeは、世界中で発生する自然災害や事故、火災など、事業継続に関わるリスク情報を、さまざまなデータソースから分析し、企業への影響をリアルタイムに可視化するソリューションを提供している。2023年11月30日に製造業のサプライチェーン・リスクを瞬時に見える化し、生産への影響を把握する「Spectee SCR」（Spectee Supply Chain Resilience）の提供を開始した。
　今回の提携は、Specteeのさらなる事業拡大を目的に、サプライチェーンの起点となる倉庫事業を中心に多くの顧客基盤を持つ三菱倉庫グループとパートナーシップを構築することで、サプライチェーン領域での事業の強化・推進を目指していく。

　CMA CGM（フランス）はエア・ベルギーの買収と同社の貨物機の引き取りを完了した。経営難に陥っていたエア・ベルギーは23年9月から裁判所の監視下に置かれ、新たな買収先を見つけるか会社を清算するかの選択に迫られていたが、CMA CGM が買収に乗りだし、3月27日に裁判所がこれを認可した。
　買収完了により、CMA CGMエアカーゴのフリートは現在のB-777F3機とA330F1機の計4機からにエア・ベルギーのB747−8FとA330-243Fのそれぞれ2機が加わって計8機となり、さらに年内にB-777F1機と27年後半にはエアバスの大型機A350F8機の引き渡しも予定されており、一気にキャパシティが拡大する。
　CMA CGMはエア・ベルギー買収後も同社のブランドは残し、ベルギーから運航する予定。

　中国3大国営航空会社の赤字が続いている。25年第1四半期の最終損益は中国国際航空が前年同期から22％赤字が拡大して20.4億元（約401億円）の純損失、中国南方航空は前年同期の7.56億元の純利益から7.47億元（約147億円）の純損失に、中国東方航空が9.95億元（約196億円）の赤字で前年同期からさらに24％悪化した。
　3社の業績はパンデミック前までは黒字ペースで推移してきたが20年から24年まで5年連続で赤字決算となっている。パンデミック後の競争激化や、旅行客は回復してきたものの単価の高いビジネス客の減少が続いていること、為替差損などの要因が挙げられている。
　3社の赤字幅は22年をピークに縮小しつつあるが、それでも24年の純損失は国際航空が2.3億元（約54億円）、南方航空が17.7億元（約350億円）、東方航空が42億元（約830億円）、3社合計で62億元（約1,226億円）に達した。

　日本航空が3月に取り扱った国際貨物量は、前年同月比10.3％増の4万6,876トンで21年10月に記録した4万7,058トンに次ぐ過去2番目の記録になるとともに、年度を通じて初めてすべての月で2ケタの伸びを達成した。年度の累計では51万2,563トン、前年度比20.4％増で過去最高となった。
　3月の国内貨物は7.4％増の2万7,542トン、年度合計では9.2％増の32万8,375トンと30万トン台を回復した。

　Hapag-Lloyd（独）は4月30日に役員会を開催し、2024年業績の純利益の使途を承認するとともに、株主還元として1株8.2ユーロの株主配当を実施することを承認した。
　同社のRolf Habben JansenCEOは「厳しい市場環境でも、高い運賃水準と輸送需要の高まりにより24年業績は過去3番目の好業績になったため、株主還元を決定した。2030年に向けた経営計画も順調に進んでいる」とし、自社にとり史上最大規模の新造船整備計画、Gemini Cooperatinとターミナル部門のHanseatic Global Terminalsの開始などを紹介した。

　米下院議会は4月30日（現地時間）、米カリフォルニア州大気資源局（CARB）が2023年に決定した中・大型車の販売と使用で、2045年までにゼロエミッション車両比率100%を段階的に実現する「アドバンスト・クリーン・フリート・ルール（ACF）」に対する環境保護局（EPA）の承認取り消しを決議した。また、昨年12月、バイデン前大統領の下で発効したカリフォルニア州の大型ディーゼルトラックからのNOx排出基準を2027年に2020年比で90％削減を実現する低NOx規制「オムニバス」に対するEPAの免除も廃止を決議した。
　下院議会では、この規則は消費者と自動車メーカーの車両価格を上昇、電気トラックへの高価な移行を余儀なくさせ、商品価格を押し上げ、全米の労働者家庭とトラック運転手に不釣り合いな負担を強いるとしてEPAの承認取り消し決議を採択したものだが、議会が連邦議会審査法（Congressional Review Act）を使って免除を取り消すことができるかどうかという問題が残っており、今年3月には、政府説明責任局が、上院議会の過半数の賛成を必要とするCRAの下では、免除を撤回することはできないとの見解を示し、CARBは、有害な大気汚染の影響を受けているカリフォルニア州民の健康を守る使命を継続するとしている。

　日本貿易振興機構（ジェトロ）によると、ベトナム中部ハティン省に位置するブンアン港で4月28日、第3埠頭の完工式を開催した。
　隣国ラオスのトンルン・シースリット国家主席やベトナムのルオン・クオン国家主席らが出席した。同埠頭は2015年9月から総額1兆ドン（約55億円、1ドン＝約0.0055円）を投資し、2期に分けて建設、長さ225m、水深13.3m、最大4万5,000dwtの船舶を受け入れ、年間215万トンの貨物の取り扱いが可能になる。第1、2、3埠頭を合わせ、ブンアン港として年間取扱量が700万トンに増加する。
　ラオスとベトナム両政府間は、連結性強化のために優先すべき事業として、ブンアン港の共同開発を挙げている。ブンアン港は海のない内陸国ラオスから最も近い国際港で、ラオス側との国境のナーパオ国境（ラオス側）/チャロー国境（ベトナム側）から約140km、首都ビエンチャンからもナムパオ国境（ラオス側）/カウトレオ国境（ベトナム側）経由で約570㎞の位置にあり、距離としてはバンコク港（690㎞）よりも近い。
　これまで2001年に両政府間で同港の共同投資と運営について基本合意し、2010年から港を運営するブンアンポート・ベト・ラオの20％の株式をラオスの国営企業が保有している。2017年にはラオスベトナム国際港合同会社へと名称を変更し、現在はラオスの国営企業ラオ・アジア・テレコミュニケーションが60％の株式を保有している。また、ブンアン港とラオスの首都ビエンチャンを結ぶ総距離555㎞の鉄道建設計画もあるが、資金不足で当初計画から遅れている。

　Maersk（デンマーク）とZIM Integrated Shipping Services（イスラエル）は5月中旬から、アジア／南米東岸航路で協調配船、ASAS/ASEで青島に追加寄港する。
　新ASAS/ASEは、8,700～11,700TEU型13隻を投入し、5月12日に青島入港の”San Antonio Maersk”（10,589TEU）から、青島～上海～寧波～塩田～香港～シンガポール～サントス～イタポア～ブエノスアイレス～モンテビデオ～イタポア～パラナグア～サントス～シンガポール～香港～青島の新ローテーションでウィークリーサービスする。

　台湾船社のYang Mingは日本／華南航路で3月末からXiamen Japan Shuttle（XJS）を開始した。
　XJSは、T.S. Lines（香港、TSL）が日本／韓国／台湾／華南航路で1,100～1,200TEU型2隻を投入しサービスしているJHTNのスロットを借り、3月28日厦門出港の”TS Shenzhen”（1,096TEU）を第1船に厦門と大阪、神戸発着貨物のみ引き受けている。
　TSLのJHTNは、大阪～釜山新港～光陽～基隆～高雄～香港～赤湾～厦門～大阪のローテーションでウィークリーサービスしている。

　韓国船社のSinokor Merchant Marine（長錦商船）とグループのHeung A LINE（興亜LINE）はこのほど、日韓航路で東北・北海道をカバーすTHS2を、THS1～3の3サービスに分割した。THS1～2は釜山と東北太平洋岸を、またTHS3は西岸と北海道を結ぶものとなる。
　新THS1は、今月5日から”Pacific Carrier”（1,118TEU）を単船投入し、釜山～常陸那珂～仙台～八戸～釜山、THS2は4月28日から”Heung-A Haiphong”（1,003TEU）を単船投入し、釜山～清水～鹿島～常陸那珂～仙台～八戸～釜山、THS3は”Akita Trader”(1,054TEU)を単船投入し、4月25日から釜山～苫小牧～酒田～舞鶴～境港～釜山の、それぞれ新ローテーションでウィークリーサービスを開始した。この再編により、両社は常陸那珂／釜山を週2便体制で接続することになった。

　上海航運交易所（SSE）が4月30日に発表した中長期契約運賃の指標である中国輸出コンテナ運賃指数（CCFI）の総合指数（1998年1月1日＝1000）は1121.08と前週比0.1%下落し2週ぶりに値下がり、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）は1340.93と0.5%下落し3週連続で下落した。
　先週のCCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が前週比0.2%下落し1497.15、地中海航路が0.5%下落し1841.45となった一方、北米西岸航路は1.7%上昇し837.43、北米東岸航路も0.1%上昇し931.83とわずかながらも値上がりし明暗を分けた。
　南北航路は南米航路が0.8%上昇し602.21、豪州・NZ航路が横ばいの943.67で安定していたが、中東ガルフ・紅海航路は2.3%下落し1220.35、南アフリカ航路が1.0%下落し958.61、東・西アフリカ航路も3.8%下落し824.38と上げ下げが交錯した。
　アジア域内航路は東南アジア航路が0.2%上昇し1002.78、韓国航路も1.4%上昇し507.00となったが、日本航路は0.9%下落し968.68だった。

　マレーシア運輸省は今年7月1日から、港湾に出入りする過積載の大型車に対する取り締まりを強化する。アンソニー・ローク運輸大臣がこのほど明らかにしたもので、道路交通局（JPJ）の取り締まり担当者が車両を停止させ、計測所まで護送する現在の方法では、実施できる検査回数に限界があることから、輸入貨物は、積載重量が車両総重量を超えた場合、システムが自動的に予約を拒否し、車両が港に入港して貨物を受け取ることができなくなり、輸出については、入港地で車両重量を測定し、過積載が判明した場合は搬入を拒否する。詳細は各港湾局から追って発表されるという。
　ローク運輸大臣は「多くの荷受人や輸出業者は、コンテナに最大限の貨物を詰め込もうとするが、新規則が施行されれば、このようなことはできなくなり、コストは多少上がるかもしれないが、安全のためには必要な措置だ」、「大型車による交通事故は頻発しており、過積載はその主な原因となっていることから、たとえ一部の関係者が不満であったとしても、安全が最優先されなければならない」と語った。

　5月1日から地中海が硫黄酸化物（SOx）排出規制地海域（SECA）に指定、硫黄分j0.1％の船舶用燃料の使用が義務付けられた。SECAはこれまでバルト海海域、北海海域、米国・カナダ沿岸200海里内の海域、米国カリブ海海域が指定されていたが、新たに地中海が追加されたもの。
　国際海事機関（IMO）では昨年10月の会議で、カナダ北極海域およびノルウェー海海域を新たにSECAに指定する海洋汚染防止条約（MARPOL）条約改正案を採択、2027年3月1日から実施することになっている。
　EUではSECAの設定で2024年以降、SOx排出量が70%減少したが、窒素酸化物（NOx）の排出量は2015～2023年に10%、地中海では8%増加していることから、現在、NOx排出量を削減する効果的な手段を論議している。

　Drewry Maritime Research（英国）が1日に発表した太平洋航路、アジア／欧州航路、大西洋航路における主要8ルートの世界コンテナ運賃指数（WCI）は、2,091ドル／FEUと前週比3%下落し3週連続でダウン、前年同期比では23%下落した。パンデミック前の最高値を付けた2021年9月の10,377ドル／FEUを80%下回っているものの、2019年の平均運賃1,420ドル／FEUを47%上回り、年初からの平均は2,811ドル／FEUで、過去10年間の平均2,893ドル／FEUより82ドル低かった。
　先週のスポット運賃を航路別にみると、上海→ロッテルダムが5％（110ドル）下落し2,202ドル／FEUとなったのをはじめ、ロッテルダム→上海が4％（17ドル）下落し464ドル／FEU、上海→ジェノアも4％（123ドル）下落し2,889ドル／FEU、上海→ニューヨークが3%（111ドル）下落し3,500ドル／FEU、ロッテルダム→ニューヨークも3%（68ドル）下落し2.041ドル／FEUとなった。
　また、ロサンゼルス→上海が2％（16ドル）下落し689ドル／FEU、上海→ロサンゼルスが1％（27ドル）下落し2,590ドル／FEUとなったが、ニューヨーク→ロッテルダムは2％（17ドル）上昇し842ドル／FEUと唯一アップした。
　Drewryでは、米国政府による相互関税に起因する先行き不透明感から、今週も引き続きスポット運賃は下落すると予想している。

　ラオスを経由して中国とカンボジアを結ぶ陸路輸送ルートが4月27日、正式に運用を開始した。輸送ルートの開設は、大メコン圏（GMS）による越境交通協定（CB)に基づく新たな国際物流回廊で、シーリングファンやプラスチック製給水タンクなどの消費財や生活必需品を積んだコンテナ車両が昆明を出発（写真）、ラオスのビエンチャンを経て、最終的にカンボジアのプノンペンに到着する予定だ。
　中国～ビエンチャン～カンボジアルートは、事前申告、電子シール、複数国間共同輸送などのスマート物流技術を活用し、全行程をコンテナ車両1台で最終仕向け地まで輸送するモデルを採用、運行効率を大幅に高めており、 従来の方法に比べ片道の輸送時間が6〜8日に短縮、効率が40％以上向上し、国境を越えた輸送中の貨物破損のリスクも軽減される見込みだ。
このルートの定期運行便は、昆明とプノンペン間を直接結ぶ物流回廊を確立するだけでなく、ビエンチャンなどの重要なハブを通じて東南アジアの物流ネットワークを強化するという。
　アジア開発銀行（ADB）が支援するGMS開発プログラムには、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、中国（雲南省、広西チワン族自治区）が加盟、加盟国間の越境交通円滑化を目指すCBTAを締結、「一時許可書類（TAD）」を携行する車両は、加盟国間で車両の乗り換えなしで、相互通行ができる。
　新ルートの開設は、2024年6月のGMS国際道路輸送試験、2025年2月の中国～ラオス～タイ間の越境輸送ルートの開設に続く、雲南省とGMS諸国を結ぶ越境物流協力における大きな成果としている。

　Ocean Network Express（ONE）とCMA CGM（仏）はこのほど、北欧州／南北米州西岸航路のAL5/California Bridgeで、オランダ・ロッテルダム港を抜港したと正式に発表した。
　ONEはすでに3月上旬から数週間、ロッテルダム抜港を発表し、アントワープ港を代替港とすると顧客へ通知しており、スケジュール上では早くとも6月末までは寄港を再開しないとみられる。ロッテルダム港では2月以降、ストなどの影響で稼働、混雑状況の悪化が続いている。
　新AL5/California Bridgeは、4,900～5,100 TEU型10隻を投入、3月4日ロッテルダム寄港の”NYK Metero”（4,922TEU）最終船に、以降サザンプトン～ルアーブル～ハンブルク～アントワープ～マイアミ～カルタヘナ～バルボア～ロサンゼルス～オークランド～バルボア～コウセド～サザンプトンの新ローテーションでサービスしている。
　同サービスは、Yang Ming（台湾）、HMM（韓国）、COSCO Shipping Line（中国）、OOCL（香港）がスロット借りしているため、これらの船社も影響を受ける。
　ONEは最近、Evergreen（台湾）と北欧州／米国東岸航路のAT2/TEA2でもロッテルダムを抜港しており、現在、ONEはOcean Allianceと協調配船している同航路のAT1、AT3でロッテルダムと米州との接続を維持している。

　ポーランド・グダンスク港における今年第1四半期（1～3月）の総貨物取扱量は前年同期比2％減の1,840万トンだった。一方、コンテナは個数ベースで17％増の62万4,000TEUと2ケタのプラスになった。
　また原料需要の増加により鉱物類が560％増加したほか、木材も74％増の1万3,200トンになった。一方、石炭は14.8％減少、燃料は7.5％減、穀物は21％も減少した。

　寧波航運交易所（NBSE）が発表した4月の寧波輸出コンテナ運賃指数（NCFI）の総合指数（2012年第10週＝1000）は平均で943.4と前月比2.9%上昇したが前年同月比では27.7％下落した。「海のシルクロード」沿線の主要港のうち、13港の貨物指数が前月比上昇したが、3港が下落した。
　欧州・地中海航路は月の前半に、船社が船腹の全体を抑制したことで、需給がわずかに改善したが、後半は需給が緩和、5月初めの労働節連休の接近と相まって、船社が貨物確保へ値下げ集荷したことでスポット運賃が下落した。4月の運賃指数の平均値は欧州航路が872.0で前月比2.0％下落、前年同月比35.6％下落、東地中海航路は975.5で前月比5.6％下落、前年同月比5.6％下落、西地中海航路が1,289.6で前月比2.1％下落、前年同月比28.3％下落となった。
　北米航路は月初の需給が均衡し、運賃は安定的に推移したが、月半ばに関税の段階的な引き上げに伴い、荷動きが減少し余剰船腹が発生しスポット運賃が下落した。しかし、その後船社が大幅な欠便を実施したことで、月末には需給均衡に戻り、運賃は安定的に推移し、運賃指数の平均値は北米東岸航路が1,290.7で前月比6.6％上昇、前年同月比25.8％下落、北米西岸航路は12990.7で前月比6.6%上昇、前年同月比25.8%下落した。
　中東航路は需要不足で、スポット運賃が下落し、運賃指数の平均値は898.4で前月比14.2％上昇、前年同月比45.4％下落した。また、4月は豪州・NZ航路で月初に船腹需給がひっ迫し、スポット運賃が上昇基調を維持したが、月半ばには船腹量が増加し、スポット運賃が下落に転じ、月末には船社が需給バランス維持のため船腹量を厳格に管理したことでスポット運賃が安定し、運賃指数の平均値は1,349.1と、前月比15.8％の上昇、前年同月比でも4.2％の上昇となったのが目立った。

　海外の海事メディアによると、CMA CGM（仏）はこのほどシリア新政府とラタキア港の30年間の開発・運営契約を締結した。契約には今後2億3,000万ユーロを投資するの近代化計画も含まれているという。
　ラタキア港は2009年からCMA CGMが運営権を持ち、コンテナターミナルも抱え、これまで複数回、延長契約をしてきた経緯がある。旧アサド政権下の昨年10月にも30年間の使用権延長契約を締結したばかりで、昨年12月のシリア政変後、同社は新政権と交渉を継続し、今年2月にシリア新政府が合意内容を公表し、前回契約の一部条件を改定したうえで両者の履行義務を果たすと公表しており、今回契約締結に成功した。
　シリア港湾当局の関係者は、CMA CGMの投資により、ラタキア港で世界基準のバース開発が可能になるとして契約締結を歓迎している。

　Swire Shipping（シンガポール）はこのほど、南太平洋航路に就航中の3隻で、第2世代バイオ燃料の使用を開始したと発表した。
　バイオ燃料による運航を開始したのは、東南アジアとパプアニューギニア、ソロモン諸島、ニューカレドニア、フィジーを結ぶ太平洋ウィークリーエクスプレス（PWX）に就航中の”Apia Chief”、”Tonga Chief”と、シンガポール、ディリ、ダーウィン、スラバヤを結ぶ東ティモールサービス（ETS）で、バイオ燃料の使用を開始したもので、今年第2四半期中にシンガポール港で第2世代バイオ燃料のB20、B30を重油燃料にブレンドして使用し、まずB20を運航船で使用し、その後B30へ移行する。
　この取り組みはSwireによる自主的なGHG排出削減のための取り組みで、グループ会社で廃棄物由来のバイオ燃料生産を手掛けるArgent Energyと協力し、グループ内で持続可能なエネルギーソリューション提供を目指すもので、シンガポールでバイオ燃料供給を手掛けるBP（英国）との新たな原料を模索する共同の取り組みも進めている。
　バイオ燃料の使用開始に伴い、同社は顧客のサプライチェーンの脱炭素化を支援するためのカーボン削減プログラム「Voyage to Zero」も開始する。これによりサービスを選択した顧客は、自社貨物のScope3排出量を削減するとともに、第三者認証を受けた排出量削減証明書を受け取ることができる。Swireの関係者によると、このプログラムにより初年度で、自動車2,700台を道路から取り除区ことに匹敵する排出削減を実現できるとしている。

　フィンランドの港湾荷役機器メーカー、Kalmarはこのほど、豪州・メルボルン港のVictoria International Container Terminal（VICT）に、吊り上げ能力60トンのハブリッド・自動運転ストラドルキャリア4基を受注した。契約は今年第2四半期中の受注となり来年第1四半期中に納入予定となる。
　VICTは、豪州唯一の完全自動化コンテナターミナルで、比のInternational Container Terminal Services, Inc （ICTSI）が運営し、総面積35ha、年間コンテナ処理能力は150万TEU、同港で唯一大型コンテナ船の寄港・荷役に対応したターミナルとなる。
　VICTの自動化オペレーションは、Kalmar One Automation Systemが担っており、 Kalmar製自動化荷役機器と、事前に統合・テスト済みのソフトウェアソリューションを組み合わせ、完全なエンドツーエンドシステムとして稼働している。またVICTで稼働している機器の保守、技術サポートも引き受けている。
　納入予定のハイブリッドストラドルキャリアは、ツインリフトで持ち上げ可能で積載時間の短縮、生産性を向上を実現する設計になっている。

　DHLの25年第1四半期業績は、売上高が前年同期比2.8％増の208.09億ユーロ（約3兆4,179億円）、EBIT（金利・税引き前利益）が4.5％増の13.11億ユーロ（約2,153億円）、純利益が6.2％増の7.86億ユーロ（約1,291億円）と増収増益だった。
　部門別では、エクスプレスの売上高が2.0％増・61.27億ユーロ（約1兆64億円）、EBITが4.8％増の6.62億ユーロ。時間指定の国際貨物量は前年同期を下回ったが供給管理と運賃調整で増収増益を達成した。
　グローバルフォワーディングはそれぞれ3.2％増・47.64億ユーロ（約7,825億円）、23.2％減・2.02億ユーロの増収減益。減益の要因はドイツ経済の落ち込みと陸上輸送の減少で、航空・海上輸送は安定的に推移した。
　サプライチェーンは1.1％増・43.80億ユーロ（約7,194億円）、4.8％増・6.62億ユーロと増収増益。新規契約や自動化による生産性の向上が貢献した。
　eコマースは7.5％増17.56億ユーロ（約2,884億円）、9.2％減・5,200万ユーロの増収減益。ネットワーク拡大への投資の償却費増大がおもな減益の要因となった。
　通年のEBIT予想は60億ユーロ（約9,855億円）、フリーキャッシュフロー30億ユーロで変わらず。

　大和ハウス工業は、愛知県小牧市で地上5階建て、延べ床面積19万2,385.22m2、最大25社のテナント企業が入居可能なマルチテナント型物流施設「DPL小牧」を開発、5月1日に稼働開始したと発表した。
　東海地域では、製造業やEC（電子商取引）関連の物流量増加を背景に、物流施設の需要が堅調に推移、マルチテナント型物流施設の新規供給数も増加傾向にある。中でも愛知県は関東、関西、北陸地域を結ぶ長距離輸送の中継物流拠点としての役割を果たせるとともに、東海・北陸地域に分散する物流施設を集約するエリアとして、今後も根強い需要が見込まれる。小牧市には、名古屋市中心部に通じる名古屋高速道路のほか、東名高速道路と中央自動車道が結節する小牧JCTがあり、名神高速道路と東海北陸自動車道がつながる一宮JCTにも近接するなど、交通の要衝だ。またトラックが各階に直接乗り入れることができるダブルランプウェイ方式で、上りと下りの動線が分離、トラック同士の交差や渋滞が発生しにくくなり、スムーズに出入庫することができる。また、倉庫内の中央を通る通路である中車路を設けることで天候の影響を受けずに荷物を積み下ろしができる。施設全体で195台分のトラックバースを備える。

　日本航空（JAL）の25年3月期連結業績は、売上高が前年同期比11.6%増の1兆８,440億円、営業費用は9.8％増の1兆6,934億円でEBIT（営業利益）は18.7％増の1,724億円、当期純利益は12.0％増の1,070億円と増収増益で3期連続の黒字決算となった。期末配当は1株当たり46円に、年間配当を1株当たり86円（配当性向35%)とする。
　売上高のうち国際旅客事業の売上高が前年比11.9％増の6,963億円、国内旅客が3.7％増の5,715億円といずれも増収となった。
　国際貨物事業は、中国・アジア発北米向け貨物や医薬品などの高付加価値貨物獲得の強化、輸送重量増加と単価向上を図り、売上高は22.9％の2ケタ増で1,233億円、国内線も新規需要の獲得で42.7％増の279億円と国際、国内ともにに増収を達成した
　貨物輸送量は国際線が20.4％増の51.2万トンと過去最高となり、重量単価は2.1％増の236円/kg、国内線も9.2％増で32.8万トン、重量単価は30.6％の大幅改善で65円/kgとなった。
　次期連結業績は、売上高が7.2％増の1兆9,770億円、EBITが16.0％増の2,000億円、当期利益が7.4％増の1,150億円を予想している。

　ニッコンホールディングスのタイ現地法人Nippon Konpo（Thailand）Co., Ltd.がサムットプラカーン県で建設を進めていた倉庫が4月24日に竣工、スワンナプーム営業所として業務を開始した。
　同倉庫（153 MOO9, Tambol Banrakat, Amphur Bang Bo, Samutprakarn 10560）は、バンコク中心部から南東へ約40km、スワンナプーム空港とラッカバンICDから東へ約20kmの場所に位置している。積極的な投資が進むタイ東部の経済特区「東部経済回廊（EEC）」の好立地を生かし、事業拡大と次期コア事業の確立を図っていく方針だ。
　同倉庫は敷地面積3万3,407m2にRC柱鉄骨造り平屋建て、倉庫面積が1万6,903m2、床耐荷重2t/m2、(うち3,780m2は5t/m2)、空調付き製造請負ルーム（455m2）、ドックレベラー9基、大型シーリングファン6基を備える。またハンディスキャン対応の倉庫管理システム（WMS）を導入している。

　インドの新興財閥アダニ・グループが運営するムンバイ国際空港は、空港混雑を解消するためのインフラ整備を理由に8月16日から貨物機の発着枠をなくし、そのオペレーションを当面中止すると発表（本紙4月30日付参照）していたが、国際航空運送協会（IATA）は、この措置が一方的で単なる思いつきに過ぎないとし、その影響を緩和する措置について事前に関係者と話し合うべきだったと述べてムンバイ国際空港と関連当局にこの発表を取り下げるよう要請した。
　IATAは、空港当局が貨物機の発着中止を一方的に航空会社に通知して冬季シーズンからは貨物機のスロットをなくそうとしていることに失望し、さらに3カ月前の事前通知は空港の運用効率のために航空会社の発着スケジュールを調整するWorldwide Airport Slot Board（WASB）のガイドラインに違反していると指摘している。

　川崎汽船はこのほど、愛知教育大学附属岡崎中学校が実施している「ライフワーク」学習に協力し、同港の生徒4人の企業訪問を受け入れた。
　同校で実施する「ライフワーク」学習は、各生徒が将来の夢や生活の中で抱いた興味や関心を基にテーマを設定し学習するもので、生徒が取材や調査などを実施して専門的な見識に触れながら、自ら学び続けることの面白さを味わうことを目的とした学習プログラム。
　企業訪問では「船舶に乗っていて大変なこと、有意義に思うこと、働きがいは何か」をテーマに、川崎汽船海事戦略グループ人事チーム所属の外航船員が、実体験をもとにしたプレゼンテーションを実施した。中学生からは、質疑応答が多く上がり、活発に意見交換した。
　川崎汽船は今後も、企業訪問の受け入れなどを通じ、地域社会に貢献するとともに、海運業へのいっそう理解浸透のため、次世代の育成に協力するとしている。

　芙蓉総合リースは、日本パレットレンタル（JPR）の株式を追加取得し、持分法適用関連会社としたと発表した。
　JPRは約1,200万枚のパレットを保有し、約3,000カ所のパレット共同回収拠点を有するパレットレンタル業界のリーディングカンパニーで、標準パレットのレンタルによる「一貫パレチゼーション」を通じて、トラックドライバーの負担や環境負荷の軽減に貢献するとともに、多様な業種・地域の企業と企業をつなぐという事業の特長を活かし、物流効率化を支援するサービスを提供している。
　芙蓉総合リースもかねてからJPRの株主として、また親密パートナーとして同社との事業連携を進めてきたが、今回の株式の追加取得で、JPRとの50年以上にわたる事業連携体制をさらに強化し、JPRが有する事業基盤と、芙蓉総合リース社が有するファイナンス機能やソリューション能力などをかけ合わせることで、顧客のサービス導入に関する負担軽減や JPRの海外展開のサポートなどを通じて「一貫パレチゼーション」の普及を促進していく方針だ。

　アジア太平洋航空会社協会（AAPA）メンバー18社の25年3月の貨物輸送実績は、米国政府による関税引き上げを見越した前倒し出荷に支えられ前年同月比5.7％増と19カ月連続のプラスとなった。一方でキャパシティの伸びが4.7％にとどまったことでロードファクターは0.5ポイント上昇して64％となった。
　第1四半期の需要は前年同期比5％の伸びで24年通年の15％増には及ばないものの、米国の高関税に備えた特定路線での繰り上げ出荷や旺盛なeコマース需要が荷動き増を支えた。
　今後の見通しは、米国の関税政策が輸出指向のアジア経済に打撃を与え、貨物需要の落ち込みが懸念されるほか、新造機の引き渡し遅延によってメンテナンスコストやリース費用が増加し、航空会社はネットワーク拡大と同時にコスト効率化が求められるとAAPAは予想している。

　ヤマトホールディングスの2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、宅配便の増収とM&Aなどによる法人ビジネス拡大で、売上高が前期比0.2％増の1兆7,626億9,600万円、輸送領域のオペレーションの見直しや新ビジネスモデルの事業化に向けた費用が先行して増加したことなどで、営業利益が64.5％減の142億600万円、経常利益が51.6％減の195億8,700万円と大きく減益となったが、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益や固定資産売却益を計上し、0.8％増の379億3,700万円だった。
　エクスプレス事業は、宅配便の収入が増加したものの、投函サービスの収入減少などで、売上高が1兆5,347億1,000万円と0.9％の減収、一方、営業費用が増加した結果、128億9,900万円の営業損失を計上した。コントラクト・ロジスティクス事業の売上高は9.0％増の970億7,400万円、営業利益は前期比41億2,000万円減の55億8,200万円となった。グローバル事業は、越境ECの取扱数量の増加などにより売上高が16.1％増の859億5,000万円と増収、営業収益の拡大に加え、国際フォワーディングの混載効率向上などで営業利益は前期比23億6,400万円増の90億2,700万円となった。

　デンマークの海運調査会社、Sea-Intelligenceが1日に発表した3月のグローバルスケジュール順守率は前月比3.0ポイント改善し57.5%となり、2023年11月以来の高水準を記録した。前年同月比では3.0ポイント改善した。船社別では、Gemini Cooperationを構成するMaersk（デンマーク）が66.9％でトップ、Hapag-Lloyd（独）が64.3％で続き、MSC（スイス）が61.9％で3位だった。同スケジュール順守率は、世界の34航路・60船社以上を対象に調査したLiner Performance（GLP）に基づく。
　2月／3月で、Geminiは全到着便で90.3%、航路の横断的（Across TRADE）到着便で85.7%のスケジュール順守率を記録し、MSCは全到着便で75.8%、TRADE到着便で74.4%、Premier Allianceは全到着便53.2%、TRADE到着便で51.2%を記録した。旧アライアンスについては、ALL到着はTRADE到着と同じで、継続中のOcean Allianceが54.9％、アライアンスを解消した2MとTHE Allianceはそれぞれ43.1％、46.5％を記録した。新アライアンスが完全に展開されるのは今年7月で、その時になって初めてそのパフォーマンスを真に評価することが可能になる。

海外要道によると、米国のトランプ大統領は6日（現地時間）、米国がイエメンの武装組織フーシ派への空爆を停止、イランと連携するフーシ派が中東の重要な航路を遮断することをやめることに合意したと発表した。発表後、オマーンは停戦合意を仲介したとの声明を発表、2023年10月のイスラエルとハマスの紛争発生以来、フーシ派の政策が大きく転換したことを示した。オマーンは声明の中で、この合意の下、紅海とブ・エル・マンデブ海峡における米艦船を含め、米国もフーシ派も他方を標的にすることはないと述べた。

　貨物輸送市場情報プラットフォームのXeneta（ノルウェー）は6日、米議会へのSHIPS for America Actの再提出は、2025年に海上コンテナの荷主が直面する複雑さと不確実性を示す新たな事例となり、米国に貨物を輸入する際に考慮すべき手数料がさらに増える中、サプライチェーンのコストと回復力について行動を取ることがますます難しくなっていると指摘した。
　米国通商代表部（USTR）は今年2月に発表した、米国の港に入港する中国船社の運航船と中国建造船に対する入港手数料措置案には、中国の造船所で建造された船舶の発注比率に基づく手数料が含まれていたが、4月18日に修正案が発表された際には、この要素は含まれておらず、業界全体が安堵した。
　しかし、USTRの入港手数料とはまったく別のスキームである米国の繁栄と安全のための造船・港湾インフラ（SHIPS）法（SHIPS for America Act）が先週、米議会に再提出、特定の中国造船所への発注残の割合に基づき、（国籍を問わず）船社に課される手数料が盛り込まれたからだ。この手数料は昨年12月に法案が提出されたときには含まれていなかった。
　この手数料は中国船社が所有または運航する船舶、および中国で登録された船舶に対するトン当たり5米ドル、また、発注済みの新造船の50％以上が、指定された「懸念される外国の造船所」で建造されている場合、中国以外の船社が運航する船舶にもトン当たり5米ドルが課される。第一段階では、中国国営造船会社が所有するすべての造船所が含まれ、将来的には、このリストにさらに多くの造船所が追加される可能性があり、影響を受ける造船所に25％から49％の船舶を発注している非中国の運航船社は、トン当たり3.5米ドルを負担、さらに、懸念される造船所で建造または修繕中の船舶が50％以上の既存船隊を持つオーナー／オペレーターには、トン当たり1.25米ドルの違約金が課され、これらの手数料は累積ではなく、最も高いカテゴリーが適用されるが、USTRの入港手数料に上乗せされることになる。
　例えばCOSCOが所有・運航し、中国で建造された
”COSCO Shipping Denali”（14 500TEU）は純トン数84,300トンで、USTRの入港手数料として米国の港に寄港するたびに420万米ドルを支払い、また、SHIPS for America Actに基づき、さらに40万米ドルが加算される。COSCOがCMA CGM（仏）、Evergreen（台湾）、OOCL（香港）と構成するOcean Allianceメンバーであることを考えると、状況ははるかに複雑になる。
　USTRの入港手数料は10月中旬まで発効しないため、船社やアライアンスは影響を軽減するために船隊を再編成する時間を得ることができ、おそらく、CMA CGMとEvergreenが所有・運航する船舶を北米航路に投入、COSCOとOOCLが所有する船舶を他の航路に投入することになるが、SHIPS for America Actは、CMA CGMが新造船の35％以上を中国国営造船所に発注しているため、同社の船舶がトン当たり3.5米ドルの課税の対象となることから、例えば、”CMA CGM Bali”（15,294TEU）は、USTRの提案では入港手数料が発生しないにもかかわらず、SHIPS for America Actの下では20万米ドルの手数料が発生することになり、OAが船隊の再編成に着手しても、完全に手数料を回避するのは不可能なことかもしれない。
　Xenetaでは、船社がUSTR手数料のコストをどのように転嫁するのかについては、SHIPS for America Actに関連する手数料も考慮しなければならなくなったことから、潜在的な追加コストはさらに高くなりり、SHIPS for America Actの財務的影響はUSTRの手数料より低いが、吸収すべきもう一つのコストであると指摘、さまざまな船社やアライアンスが手数料にさらされる複雑さは、荷主が次の運賃契約を締結する際に織り込んでおく必要があるとしている。
　さらに、SHIPS for America Actの第415条では、制定5年後から、中国からの貨物（トン数で測定）の1％を米国船で輸送しなければならないと定めている。この要件は毎年1％ずつ増加し、10％となり、これに従わない荷主には、米国船で輸送した場合のコストと便宜置籍船で輸送した場合のコストの差額以上の罰金が科されることになり、これが実際にどのように機能するかは不明だが、もし実現すれば、荷主にとっては財政的にも管理上も頭痛の種となるだろうとしている。

　NIPPON EXPRESSホールディングスは、顧客のサプライチェーンをサポートするため、サプライチェーンプロセスの情報一元化や、オーダー管理の効率化など、包括的な物流最適化を実現する新たなサービス「NX Lead Logistics Solutions」を開始した。
　サプライチェーンは、気候変動による自然災害の頻発や地政学的リスク、デジタル技術の革新による消費者ニーズの多様化といった要因が絡み合い、ますます複雑化している。企業は煩雑な情報管理、在庫管理の最適化、リードタイムの短縮といった多くの課題に直面している。このような市場環境の変化と多様化する顧客ニーズに対応するため、新サービスを開始、顧客のコスト削減、業務効率化、そして強靭なサプライチェーンの構築を支援する。
　新サービスは、コントロールタワー機能でサプライチェーン全体を中立的な立場から包括的に管理し、客観的な視点から最適な物流計画を立案・実行できる。またオーダー管理機能により、新たに構築したデジタルプラットフォームを用いてサプライチェーン上の受発注情報を一元管理することで、情報共有がスムーズになり、業務効率化を図る。さらに可視化機能で、オーダーや輸送の進捗状況をリアルタイムで更新し、さまざまな輸送モードや異なる輸送会社の情報を一元的に把握できる。
　物流プロセス全体管理とパフォーマンス管理機能では、KPI管理や改善活動により、物流プロセス全体を見直し、最適化を図るとともに、リスク管理と例外対応サポート機能では、サプライチェーン上で予見できるリスクや突発的な事象に対し迅速にアラートを通知することで、危機発生時の顧客の事業継続を支援する。
　今後、顧客のサプライチェーンを一層強靭化すべく、テクノロジーを活用した需要予測や機会損失を防ぐ機能を導入予定だとしている。

　SITC Container Lines（中国）は5月中旬からアジア／インド航路でFar EastーIndia Express 3（FIE3）Service、また中国／マレーシア航路でChina Malaysia Express（CMX）Serviceを開始する。
　FIE3は上海5月10日起こしの”SITC JUNE”（1,781TEU）を第1船に、1,700～1,800TEU型コンテナ船4隻を投入し、上海～寧波～蛇口～バタム～ハルディア～上海のローテーションで定曜日ウイークリーサービスする。
　CMXは既存のMalasia-India-Myanmar(MIM）Serviceを改編、インドとミャンマー寄港を中止、蛇口5月13日起こしの”SITC HAKATA”（1,032TEU）を第1船に、1,032～1,150TEU型コンテナ船4隻を投入し蛇口～クアンタン～青島～上海の新ローテーションで定曜日ウイークリーサービスする。

　ノルウェーのRo/Ro・重量物船社のWallenius Wilhelmsenはこのほど、ニュージーランドのRo/Ro船社、Armacupの株式35％を取得し、完全子会社化した。
　Armacupは1980年代からアジア／オセアニア航路でRo/Roサービスを展開し、特に日本から同地域向けに中古車を海上輸送するパイオニア船社としてサービスし、現在では日中韓の主要輸出国から大手船社向けOEM海上輸送サービスを展開している。
　Wallenius WilhelmsenはすでにArmacupの株式65％を取得しており、2022年に残りの全株式を獲得し完全子会社化することで合意し、このほど買収手続きを完了したもの。
　今後、両社は船隊、中国・豪州の代理店、顧客基盤などを統合し、豪州をはじめとするオセアニアやアジア地域における成長を図る。

　米投資ファンド、Blue Alpha CapitalのJohn D. McCown氏はMcCown Reportで、米国諸港は今年7月までのコンテナ取扱量が前年比25％減という前例のない事態に陥る可能性があると予想した。
　トランプ政権による米国への輸入品への関税政策が、5月は米国西岸諸港、6月は米国東岸諸港中心に影響が出始め、7月にはすべての効果が現れるだろうとみている。
　McCown氏は、米国のトランプ政権が中国からの輸入品への追加関税の税率を引き上げてあわせて145％になるとしたことに対抗し、中国が米国からの輸入品にあわせて125％の追加関税を課すなど米中関税戦争により、かなりの影響が出るとし、米国の港湾におけるコンテナ取扱量25％減は前例がなく、2008年まで遡るが、金融危機の時は10％程度の減少で、中国やアジアからの輸入品がメキシコの港を経由してトラックで米国の主要なクロスボーダーからに米国に入る 「回避策 」も予想されるが、シカゴ向けの貨物をメキシコの港を経由して輸送すれば、時間とコストが追加されることになると指摘している。
　McCrown Reportは米のコンテナ取扱量の86％を占め、西岸、東岸、メキシコ湾岸に位置する全米10大港の実績に基づいている。

　パナマ運河における今年第1四半期（1～3月）の通航船隻数は前年同期比35.9％増の3,559隻と、渇水による通航規制をとっていた前年から大きく回復した。うち大型船は43.5％増の3,031隻で、うちネオパナマックス船は791隻だった。
　船舶の通行料算定ベースとなるPC/UMSトン数では32.5％増の1億2,020万トン、通航貨物量は40.1％増の6,000万トンになった。また通行料収入は43.6％増の10億ドルだった。

　米国は2日、中国と香港からの800ドル以下の小口輸入品に対する関税免除措置（デミニミス・ルール）を廃止した。これにより、中国の通販業者であるSHEINやTemuなどの企業に打撃を与えると予想される一方、合成麻薬などの密輸防止を図る。
　免税廃止後は、中国および香港からの輸入品で、国際郵便網を通さずに発送される800ドル以下の荷物については、適用可能な全ての関税が課され、国際郵便網を通じて送られた800ドル以下の輸入品については、価格の120％または１荷物あたり100ドルの関税が適用、６月１日以降は1荷物あたり200ドルに引き上げられる。
　米政府は商務省が4月2日から90日以内に報告書を提出し、大統領令の影響を評価し、マカオからの荷物にこの規則を適用するかどうかを検討中だ。

　Interasia Lines（IAL）が東南アジア／インド航路のVietnam Thailand India（VTI）Serviceに投入した第1船の”INTERASIA ELEVATE”（2,782TEU）が5月2日、ベトナム南部カイメップのTan Cang Cai Mep International Terminal（TCIT）に初寄港し現地で歓迎式を開催した（写真）。
　VTIは”INTERASIA ELEVATE”と”INTERASIA TENACITY”（3,055TEU）”INTERASIA MOTIVATION”（2,553TEU）の3隻を投入するカイメップ～レムチャバン～レムチャバン～ポートクラン～ナバシェバ～ムンドラ～ポートクラン～カイメップのローテーションによる月2便のサービス。
　TCITはSaigon New Port（SNP）、商船三井、韓進（韓国）、Wan Haiの合弁ターミナルで、岸壁延長890mの外航用3バースに加え岸壁延長270mのバージ用3バースにガントリークレーン10基、電動ヤードクレーンのe-RTG22基、リーチスタッカー28台、ヤードトラクター71台などを備えている。

　韓国の海洋水産部がまとめた今年第1四半期（1～3月）の全国の貿易港における総貨物取扱量（速報値）は前年同期の3億9,622万トンから5.7%減の3億7,369万トン、うち外貿貨物は前年同期の3億3,812万トンから5.3%減の3億2,025万トン、内貿貨物も前年同期の5,810万トンから8.0%減の5,343万トンと低調だった。　
　1Qのコンテナ取扱量（速報値）は前年同期の778万TEUに比べ2.1%増の794万TEU、うち輸出入コンテナは前年同期435万TEUに比べ1.5%減の428万TEU、国別では日本が8.8%増、中国が1.0%増、ベトナムが2.8%増と増加傾向を見せたが、ロシアは23.8%減、米国も0.9%減と不振だった。積み替え（T/S）コンテナは前年同期の339万TEUに比べ6.7%増の362万TEUを記録し、全体をけん引した。
　港湾別に見ると、釜山港は前年同期の601万TEUから4.0%増加した626万TEUと1Qの過去最高を記録、うち輸出入コンテナは前年同期の272万TEUに比べ0.5%減の270万TEU、T/Sコンテナは前年同期の330万TEUより7.8%増の355万TEU、中でも中国が12.4%増と米国が14.8%増と好調だった。
　仁川港は、輸入量の減少などの影響で、前年同期の87万TEUから8.4%減の80万TEUとなり、輸出入コンテナは中国が3.7%減、ベトナムが2.9%減となったことなどの影響で前年同期の85万TEUに比べ8.0%減の79万TEU、T/Sコンテナは前年同期の1.5万TEUに比べ32.3%減の1万TEUだった。
　光陽港は前年同期の48万TEUに比べ2.6%増の49万TEU、うち輸出入コンテナは44万TEUと、前年同期の40万TEUに比べ8.6%増加し、とくに米国が24.2%増、中国が7.4%増と好調、T/Sコンテナは前年同期の7.6万TEUに比べ29.3%減の5.4万TEUとなり、アライアンス再編による主要船社の寄港サービス調整などの影響によるものと分析している。

　郵船ロジスティクスのマレーシア法人TASCO Bhd.が4月30日に発表した25年3月期（24年4月～25年3月）連結決算は、売上高が前期比5.7％減の10億1,166万リンギ（約338億円）、純利益は国内ビジネスソリューション（DBS）からの貢献が弱まったため、57.57％減の2,620万リンギだった。
　25年3月期第4四半期（25年1～3月）の当期損益は前年同期の1,786万リンギの黒字から319万リンギの赤字となった。国際ビジネスソリューション（IBS）部門が減益となった一方、DBS部門が大幅減益だった。主な原因は、2025年3月にポートクラン港の倉庫施設の帳簿価額を評価損として計上したことによる840万リンギの一時的費用発生による。売上高は、前年同期の2億6,846万リンギから17.09％減の2億2,259万リンギとなった。
　TASCOによると、貿易摩擦の激化や米国による新たな関税措置により、世界および国内経済の見通しはより厳しくなっており、こうした環境下、ロジスティクス部門はより慎重な経営状況に直面することを予想。
　下振れリスクには、貿易活動の予想以上の回復、インフレ圧力や政府の政策調整の実施による営業コストの上昇、保護主義的な貿易政策から生じる不確実性などがあると注意を促している。
　それにもかかわらず、同社グループは引き続き、オペレーショナル・エクセレンス（自社独自の業務運用方法によって競合他社よりも優位性を保っている状態）、コスト管理、戦略的な能力強化に注力し、回復力を高め、株主のために長期的な価値創造を続けていくと付け加えた。

　バルセロナ港湾局運営委員会はこのほど、同港内の自動車ターミナル、Terminal Príncep d’Espanyaに新たに開発する公共自動車ターミナルの開発・運営権を日本郵船が担うことを承認した。使用期間は27年間で、開発の投資総額は7,500万ユーロ（8,500万米ドル）で、日本企業によるスペイン港湾への投資としては過去最大規模となる。
　同港湾局は、新ターミナルの開発によりバルセロナ港が欧州における国際自動車ハブ拠点としての機能を強化するとしており、日本郵船が運営を担うことで、極東からEVを中心とした新車を同港をハブに欧州域内の最終目的地へ輸送、取り扱い量の増加が見込めるという。
　新ターミナルは総面積10万1,058m2、完成車8,160台を蔵置できるEV専用自動車サイロなどを建設するほか、ターミナル内の車両、荷役機器などはいずれも100％電化する。エネルギーは施設の屋根に年間発電量32億1,100万Whの太陽光発電パネルを設置し供給する。
　日本郵船は現在、自動車専用船96隻を運航し世界第2位の自動車船隊を抱え、世界17カ所で自動車ターミナルを運営し、特に東南アジアと北欧州に輸送ネットワークを持っている。
　2028年以降のバルセロナ港における年間車両輸送量が18万台にまで拡大し、そのほとんどが輸入車になると見込んでいる。

　豪州の主に高速双胴船の建造を手掛けるINCATは2日、タスマニア州ホバートの造船所で、南米の大手フェリー会社Buquebus向けの建造中の世界最大型バッテリー駆動式フェリー”CHINA ZORRILLA” （写真）が進水したと発表した。
　IncatがBuquebus向けに建造した9隻目の新造船で、250トンを超えるバッテリーと、40Mw時以上の容量を誇る電力貯蔵システム（ESS）を搭載、8基の電気駆動ウォータージェットに接続、最大2,100人の乗客と225台の車両を積載、ブエノスアイレスとウルグアイを結ぶラプラタ川のフェリーサービスに就航、従来の化石燃料を燃料とするフェリーに代わる、よりクリーンでエネルギー効率の高い代替手段を提供する。
　船内には、広さ2,300m2の免税店用デッキがあり、これは世界のフェリーで最大のショッピング・スペースで、本年末までに最終的な内装工事、バッテリーの搭載などを済ませ、海上試運転する。

　DP World（UAE）のフィリピンの合弁ターミナル会社、Asian Terminals Inc.（ATI）は2日、57億ペソを投じたマニラ南港近代化プロジェクトの完成式を開催した。
　このプロジェクトは、第3バースの岸壁延長を600メートル以上延伸、さらに2万TEUを蔵置するためのヤード拡張、新たなガントリークレーン2基を増設したもので、これにより年間コンテナ処理能力は従来の145万TEUから25％増加、200万TEUを超えた（写真）。
　中国の上海振華重工（ZPMC）が製作した2基のネオポストパナマックス型ガントリークレーンは、アウトリーチ58m、20列対応でマニラ南港の最大型、フィリピンで導入された中でも最大級で、速度、振動、温度を監視するインテリジェント・センシング・システム、トレーラーの位置決め、衝突防止、自動診断など、最新の安全・運用機能を備えている。これによりマニラ南港のガントリークレーンは11基体制となった。
　ATIではマニラ南港のCO2削減イニシアチブを支援するため、ヤード・トラクター、コンテナ・ローダー、ゴムタイヤ式ヤードクレーン（RTG）などに電動式およびハイブリッド式の機器を導入する計画も進めている。
　ATIが2024年に処理したコンテナはマニラ南港、バタンガス港、カビテ・バージターミナルなどを含め合計で前年比4％増の約160万TEUとなった。
　このうち、マニラ南港は8%増の約130万TEU、今年第1四半期（1～3月）の外貿コンテナ取扱量は35万TEUを超え、前年同期比で25％以上増加した。

　韓国のHD現代は6日、A.P.Moller-Maersk（デンマーク）と「脱炭素海運技術発展およびグローバル総合物流サービス分野の包括的な協力関係構築のための了解覚書（MoU）を締結した（写真）。
　HD現代は、2021年以降Maerskから計19隻のメタノール燃料コンテナ船を受注し、昨年には世界初のメタノール燃料超大型コンテナ船を引き渡すなど、造船・海運産業の脱炭素化のためMaerskと持続的に協力してきた。今回のMoUを通じて、MaerskはHD現代重工業の最先端船舶脱炭素技術を自社のコンテナ船隊に適用して炭素排出量を低減する一方、HD現代重工業はMaerskの総合物流サービスを系列会社に拡大適用してグローバルサプライチェーンを強化する計画だ。
　手始めに両社はHD現代重工業が建造したMaerskのコンテナ船にHD現代の船舶自律運航専門企業であるAvikusの航海最適化ソリューション「HiNAS」とHD現代マリンソリューションのAI基盤の脱炭素・経済運航ソリューションOCEANWISE）を適用し、6カ月間の試験運航を実施、航海最適化ソリューションの燃料削減および炭素削減効果を検証する予定だ。
　また、エンジンの効率最適化、コンテナ船の貨物積載量増大、二元燃料推進改造など船舶の脱炭素改造分野でも協力を模索し、最近設立されたHDハイドロジェンと固体酸化物燃料電池（SOFC）システムの実現可能性も検討する。
　HD現代は、Maerskの物流サービスを活用してグローバルサプライチェーンを強化、Maerskが参加する海運ネットワークであるEast-West Networkを通じて海上物流サービスを拡大適用し、航空および陸上輸送、倉庫インフラなどに至るMaerskの総合物流サービスを活用する。

　マレーシアのアンソニー・ローク運輸相は、年内にもマレーシアの首都クアラルンプールとタイの首都バンコクを15～16時間で結ぶ直通貨物列車の運行を開始する計画を発表した。マレーシアとタイ間の貿易を強化するとともに、ASEAN経済統合の深化、ラオス、中国、中央アジアを含む他の国々との接続性を向上させるもので、すでに閣議で承認、マレーシア鉄道公社（KTM）とタイ国鉄（SRT）は、クアラルンプール～バンコク間の運行開始に必要な準備を行うため、3カ月間の猶予を与えられている。

　フィリピン最大のターミナルオペレーター、International Container Terminal Services, Inc.（ICTSI）の2025年第1四半期（1～3月）の連結業績は、売上高が前年同期比17％増の7億4,542万ドル、EBITDA（利払い前・税引き前・償却前利益）は18％増の4億8,959万ドルと2ケタの増収増益で、EBITDA利益率は1ポイント上昇となる66％になり、株主に帰属する当期利益は14％増の2億3,954万ドルになった。
　グループの総コンテナ取扱量は12％増の347万1,913TEUで、主にフィリピン・イロイロ港のVisayas Container Terminal（VCT）や Contecon Guayaquil S.A.（CGSA）の取扱量増加・回復が寄与した。

　矢野経済研究所は、2025年の世界のRFIDソリューション市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を公表、RFID ICタグとハードウェア、関連ソフトウェアを合計した、2024年のRFIDソリューション世界市場規模（メーカー出荷金額ベース）は前年比10.8％増の1兆6,431億円、2027年には2兆3,000億円規模まで成長を予測した。
　2025年の世界市場は10.3％増の1兆8,122億円を見込み、2026年は12.7％増の2兆426億円、2027年が14.5％増の2兆3,378億円を予想している。
　RFID（Radio Frequency Identification）は、近距離無線通信で専用の情報媒体（RFID ICタグや非接触ICカードなど）とリーダー・ライターが非接触で情報媒体内のメモリーに記録した情報を読み出し、書き換え、ユーザー企業の製造や物流、販売、サービス、物品管理などの業務の効率化を実現する。市場は、グローバル全体でアパレルを中心とした流通・小売分野への出荷が堅調に増加しているほか、製造業、医療関連、運輸・物流業など幅広い業界において拡大傾向を示した。
　世界市場で労働供給が需要の増加に追いつかないことから、幅広い業界で業務効率化を目的として、RFIDソリューションの活用が拡大している。また、欧州市場を中心に、製品のトレーサビリティをデジタルで情報記録する「DPP（デジタルプロダクトパスポート）」と呼ばれる需要が拡大する見込み。日本市場においても慢性的な人手不足が継続し、さらに「2024年問題」と呼ばれる労働時間規制が物流、医療、建設の各業界で施行、業務効率化が必須になっている。これまで需要の中心だったアパレル業に限らず、幅広い業界でのRFIDの活用拡大が中長期的に期待できる。

　西日本鉄道・国際物流事業本部（にしてつ）は、長野営業所を移転し7日から新事務所で業務を開始した。
　同社は営業所を移転することで、従業員のウェルビーイング向上を実現し、顧客へ引き続き高品質なサービスを提供していく。
　西日本鉄道・国際物流事業本部・東日本営業部・東日本第二統括営業所・長野営業所：長野県長野市南石堂町1277-2、長栄第2ビル3階、電話：026-403-0707

　三井倉庫ホールディングスは7日から、三井倉庫グループの東京地区の本社オフィスの統合・移転に伴い、 多様な「会社」「人」「文化」が集結することで生まれる力を活かして新たな物流の可能性を広げ、 さらなる物流価値向上を目指すという姿勢を象徴するメッセージ「ONE TEAM, FULL SPEC.」を掲げた交通広告の掲出を開始した。
　掲出は、新本社「MSH 日本橋箱崎ビル」の最寄り駅である東京メトロの水天宮前駅や、JR東京駅、JR新大阪駅で展開する。
　同広告のメッセージである「ONE TEAM, FULL SPEC.」は、多様な物流機能と文化を持つグループ各社が集結してさらなるグループ一体化を促進し、これまで培ってきた陸・海・空にわたるフルスペックの物流機能を最適に組み合わせることで、新たな物流の可能性と価値向上に努めていく、という姿勢を表現している。

　日新は5月21日、丸山運送と共催で「Forward ONE・パートナー連携・プラットフォーム提供開始！国際物流のDX加速に向けたオンラインセミナー」を開催する。
　2023年3月にリニューアルした日新のデジタルフォワーディングサービス「Forward ONE」では、パートナー企業との共創を理念の一つとして掲げており、仙台港に本社を構える国際物流事業者の丸山運送とForward ONE連携を開始している。今回のセミナーは両社の共催として、Forward ONEが物流事業者や荷主の輸出入業務の効率化をどのように実現できるか、どのように日頃の業務に役立てることができるか、活用事例を交えて具体的に説明する。セミナーは21日（水）14:00～14:50にZoomウェビナー（無料）で開催、日新・DX推進部Forward ONE推進課の中川穣課長が、Forward ONEの概要・活用事例の紹介と物流事業者とのパートナー連携、Forward ONEのプラットフォーム利用について説明、丸山運送の櫻井正悟執行役員部長がForward ONEの利用背景を説明する。同セミナーは日新のHPから申し込みができる。　

　国際総合ロジスティクスサービスを提供する、名鉄ワールドトランスポート（東京都千代田区）は、西日本地域の物流サービス体制強化のため、大阪府和泉市あゆみ野に新たな旗艦物流拠点「大阪グローバルロジスティクスセンター（OGL）」を5月1日に開設した。
　OGL（大阪府和泉市あゆみ野1-12-1、G-SQUARE和泉1階）は、延べ床面積6,467.94m2の最新鋭物流施設で、大阪南港まで約40分、関西国際空港まで約25分とアクセスに優れ、時間価値を生み出す物流を提供する。また、内陸高台（標高70m）の立地は自然災害リスクも低く、荷主企業のBCP（事業継続計画）上でも戦略的拠点となる。OGL開設で、既存の大阪南港保税倉庫（南港オペレーションセンター、大阪市住之江区）との連携が可能となり、西日本における物流ネットワークを質・量ともに拡充する。2拠点体制構築で、OGLの強み（保管・在庫管理・流通加工・EC対応・プロセスセンター・広域配送）と、南港オペレーションセンターの強み（保税機能・航空貨物対応・輸出入業務）を組み合わせ、多様化・高度化する顧客のサプライチェーンニーズに対し、包括的かつ柔軟なソリューションを提供していく方針だ。さらに、OGLは「東京グローバルロジスティクスセンター（TGL、東京都大田区）」とも連携し、BCP対策強化や、全国規模でのサービス提供体制も強化する。

　米国政府による中国（香港含む）からの800ドル未満の小口輸入品に対する関税免除措置（デミニミス・ルール）が2日に廃止されて中国・香港発の少額貨物も新しい関税の対象となり、郵便小包も申告額の120％の関税あるいは1件あたり100ドル（6月1日からは200ドルに引き上げ）が課されたことにより、中国〜米国路線の航空貨物輸送への甚大な影響が懸念されている。旺盛なeコマース需要に対してこれまでこの路線に貨物機の追加キャパシティが投入されてきたため、航空会社は貨物路線を再編する必要に迫られ、ネットワーク全体にも影響が及んでいる。
　米国のeコマース／ロジスティクス・コンサルタントのCirrus Global Advisorsによると、需要は前年比でほぼ50％減少、航空貨物収入は220億ドル（約3.1兆円）の落ち込みを予想している。このため航空会社による貨物便路線の再編が4月末から始まっており、アンカレッジ経由米国内向けの貨物便が4月末の週で1日7便、シカゴが10便、ニューヨークが6便それぞれ減少、逆に中南米へのハブ空港マイアミ向けは4便増加した。今後も中南米あるいはシンガポール、ベトナムなど成長路線への再配置が続くものと見込まれている。

　日本GLPは、熊本県菊池市で延べ床面積約1万8,000m2の先進的物流施設「GLP熊本菊池」を開発すると発表した。2025年7月に着工、2026年8月末に竣工を予定。
　同施設は、台湾の半導体企業TSMCや、世界有数の半導体関連企業であるソニーや東京エレクトロンなどが集結する半導体工業団地の近隣に位置している。同地域は九州経済の成長をけん引する重要な役割を担い、関連する原材料、部品や精密機械を保管するための先進的物流施設への需要が高まっている。国道325号線沿いに位置し、新設する自動車専用道路・大津西IC（仮称）から約2.8kmに立地している。また、熊本空港から約12km、九州縦貫自動車道・熊本ICから約15kmの距離にあり、九州全域をカバーする広域配送の拠点として優れた立地条件を備えている。同施設は1社で占有的に施設を利用できる地上2階建てボックス型施設。2層使いとすることで効率的な荷物の搬出入作業を可能にし、1階には片面バース、庫内に垂直搬送機と荷物用エレベーターを設置し、入居企業の効率的な物流オペレーションをサポートする。さらに、庫内には全館空調設備を設置することで、温度管理が必要な精密機器関連などのニーズに対応予定。

　日本郵船はこのほど、スイスの次世代テック企業、Climeworksから、2026年度から3年間にわたり、異なる脱炭素技術を組み合わせたポートフォリオ形式のCO2除去クレジット（CDRクレジット）を購入する契約を締結した。Climeworksにとり、日本郵船は日本企業で初のポートフォリオ形式の顧客となる。
　Climeworksはバイオ炭（Biochar）、バイオマス発電・CO2の回収・貯留技術（BECCS）、風化促進技術（Enhanced Rock Weathering）を利用し、空気中のCO2の除去・貯蔵を実施し、これらにより創出されたCDRクレジットを購入し、Scope1を含む残余排出に割り当てることで、脱炭素目標である2050年ネットゼロの実現を目指す。
　海運業界では、削減努力をしても排出を避けられない残余排出が存在し、日本郵船グループは残余排出に対してCDRクレジットによるオフセットを実施し、CO2排出量ネットゼロを目指しており、今後もさまざまなタイプのCDRクレジットを活用し、多様な手法でGHG排出量削減を図るとしている。

　米国半導体工業会（SIA）が発表した世界半導体市場統計（WSTS）によると、3月の世界の半導体売上高は559億ドル（約8兆円）で前年同月比18.8%増と11カ月連続の2ケタ増となった。地域別では、米州が45.3％増の185.7億ドル、中国が7.6％増の154.1億ドル、アジア太平洋／その他が15.4％増の139.1億ドル、欧州が2.0％減の42.4億ドル、日本が5.8％増の37.7億ドルだった。
　前月比では1.8％の伸びにとどまり、1〜3月の移動平均では、直前の3カ月（24年10〜12月）に比べて2.8％のマイナスとなった。
　地域別の全体に占めるシェアは、米州が33.2％、中国が27.6％、アジア太平洋/その他が24.9％、欧州が7.6％、日本が6.7％だった。

　ターキッシュエアカーゴと香港の貨物航空会社、香港エアカーゴはグローバル航空貨物輸送で戦略的提携を結ぶことで合意、このほど覚書（MoU）に署名した。
　覚書には、コードシェア協定や主要国際路線での接続、商業戦略での協力、共同運航への取り組みにかかわる基本的な作業などが盛り込まれている。両社はこの提携により成長を続けるマーケット需要に対応し、航空貨物業界での競争力強化を目指している。
　ターキッシュエアカーゴは貨物機24機と旅客機468機で133カ国・369都市にサービスを提供、香港エアカーゴは17年の設立で、A330-200F5機でチャーター便およびアジア域内、アジア〜欧州路線で定期便を運航している。

　川崎汽船の2025年3月期（2024年4月～25年3月）の連結業績は、ドライバルク船、自動車船などの自営事業で、堅調な輸送需要に支えられ営業利益が増加、またコンテナ船事業では、短期運賃の上昇、持分法適用会社のOcean Network Express（ONE）の業績が好調だったことから、持分法適用収益が大幅に増加し、売上高が前年比9.4％増の1兆479億円、営業利益は22.2％増の1,028億円、経常利益も132.1％増の3,080億円と3ケタ増益となり、当期利益も199.4％増の3,053億円を計上した。期末時点の自己資本は1兆6,484億円で、自己資本比率は1ポイント減の75％になった。
　セグメント別では、ドライバルク部門が、大型船の市況が堅調に推移し、中小型船市況は上期に改善し、セグメントの売上高が9.8％増の3,223億円、経常利益は278.4％増の135億円と3ケタの増益になった。
　エネルギー資源部門は、LNG船、電力炭船、VLCC、LPG船が中長期契約のもと安定収益をあげたものの、一過性要因で減益となり、売上高が3.5％減の1,019億円、経常利益は33.5％減の49億円と減収減益になった。
　製品輸送部門は、自動車船事業が部品の供給不足が解消されたことで自動車販売市場の回復基調が継続、コンテナ船事業は、堅調な個人消費や港湾混雑により船腹需要は好調に推移し、運賃は春節以降、荷動きの鈍化や新造船の竣工の影響で、運賃は下落傾向となったが前期比では大幅な増加となり、コンテナ船事業の売上高は15.5％増の685億円、経常利益も350.4％増の2,063億円と3ケタの増益となり、セグメント全体の売上高が11.7％増の6,128億円、経常利益も128.8％増の2,943億円と増収増益になった。
　24年度の株主還元は期末配当が前回予測通り50円／株とし、中間配当と合わせて通期で100円／株となる。
　2026年3月期は、スエズ運河の通航は再開せず喜望峰経由での運航が継続、また米国の関税政策や為替などの不透明感や影響などを考慮し、為替レートが140.79円／ドル、燃料価格が574ドル／MTを前提に、売上高が9,500億円、営業利益は800億円、経常利益が1,050億円、当期純利益は1,000億円を見込む。

　分析輸送見積もりをワンストップのオンラインサービスで提供しているFreightos（香港）が7日に発表した先週のFreightos Baltic Index（FBX）と呼ぶ世界の主要12航路におけるコンテナ運賃指数の総合指数は2,014と前週比1.4%下落、前年同期比では15.5%下落した。アジア発北米西岸向け（FBX01 Weekly）は横ばいの2,321ドル／FEU、アジア発北米東岸向け（FBX03 Weekly）も横ばいの3,386ドル／FEUで安定したが、アジア発北欧州向けは3%下落し2,261ドル／FEU、アジア発地中海向けも2%下落し3,027ドル／FEUとなった。
　また、航空貨物運賃指数のFreightos Air Indexは、中国発北米向けが5%下落し5.28ドル／kg、中国発北欧向けは6%下落し3.59ドル／kg、北欧州発北米向けも5%下落し1.91ドル／kgだった。
　Freightosの分析によると、米国による中国からの輸入品に対する関税引き上げにより、中国→米国のコンテナ荷動きが急減し、ベトナムなど他国からの輸送需要が多少増加したにもかかわらず、先週の太平洋航路のスポット運賃は横ばいとなった。
　一方、欧州の主要ハブ港の混雑が続き、通常はスポット運賃に上昇圧力がかかるにもかかわらず、先週のアジア・欧州間のスポット運賃は若干下落した。
　船社は、現在余っている太平洋航路の船腹を大西洋航路や中東航路など他の航路に転配しようとしており、中国～米国間の荷動きのスムーズな再開をさらに複雑にする可能性がある。
　最近の米中関税戦争によるボラティリティにもかかわらず、船社による船腹管理を強化、また紅海危機による喜望峰経由の迂回ルート利用も船腹の吸収に役立っており、主要航路の運賃を2019年比で約50％高く維持することに成功している。しかし、それでも、これらの航路のスポット運賃は、船隊の増加や最近発足した新アライアンス間の競争激化により、昨年より約30％下落している。
　近い将来、紅海へのコンテナ輸送が急速に回復する可能性はまだ低いだろうが、トランプ大統領が6日、米国がイエメンの武装組織フーシ派と停戦合意に達したと発表したことは、今年初めのイスラエル・ハマス停戦時にフーシ派がイスラエル船のみを標的にすると約束して以来の最も大きな変化で、フーシ派の声明によれば、米国がフーシ派陣地への攻撃を控える限り、米国船を標的にすることはなくなるが、イスラエルへの攻撃は継続するとしており、これが他国の船舶にとって何を意味するのかは不明だ。
　この航路での輸送が再開されれば、調整期間を経て、より短い航路で大量の船腹が市場に供給されることになり、船社は供給過剰と運賃下落圧力に直面することになる。

　三菱ふそうトラック・バス（神奈川県川崎市、MFTBC）は、ノックダウン（KD）輸出部品倉庫（川崎市川崎区東扇島）を横浜市新子安地区へ移転し、「新子安グローバルロジスティクスセンター」として6日から新拠点での業務を開始した。
　同移転により、輸出港との距離が短縮、物流コストの削減につながるほか、レイアウトの最適化や梱包仕分け作業の自動化で、作業効率が向上する。新センターは、三井不動産とENEOS不動産が開発した「MFLP横浜新子安」（横浜市鶴見区生麦）の地上5階建て・延べ床面積約12万m2の倉庫全体を貸借する。立地は首都高速神奈川1号横羽線、5号大黒線、7号横浜北線の生麦ランプ入口に近接し、産業道路や国道15号（第一京浜）へのアクセスも可能だ。各階トラックバースは、45ftコンテナ車両に対応するとともに、ロングウィング車の接車が可能。1F倉庫・バースの積載荷重を2.0t/m2とし、さまざまな保管ニーズに対応している。
　KD輸出部品倉庫が所在していた東扇島拠点は、1991年の操業開始以来、20を超える海外市場に向けてKD部品を輸出してきた。輸出先には、MFTBC最大の輸出市場であるインドネシアや台湾も含まれる。操業開始以来、東扇島から輸出した車両の数は、2025年4月末までに約220万台に達した。

　韓国船社のCK Line（天敬海運）は4月から韓国と極東ロシアを結ぶBusan Russia Express（BRX）と呼ぶ新サービスを開始した。また、ロシア船社のPanada Express Lineは韓国の釜山港と極東ロシアを結ぶ航路を改編する。
　CK LineはBRXに“XING LUO 7”（679TEU）を投入、釜山（木／金）～浦項（土）～ウラジオストク（月／火）～釜山のローテーションによる定曜日ウイークリーサービスを提供している。
　一方、Panda Express Lineは韓国の釜山港と極東ロシアを結ぶ航路を改編し、これまで韓国とロシア、華北・華中を結ぶPanda Express Line 1で中国の寧波港を抜港、釜山港サービスも一時休止、1,500TEU型コンテナ船2隻でウラジオストク～天津～日照～上海～ウラジオストクの新ローテーションによる定曜日ウイークリーサービスを提供する。釜山港はナホトカを結ぶPanada Express Line 2でカバーする。
　Panda Express Line 2には1,000～1,300TEU型コンテナ船3隻を投入、ナホトカ～天津～上海～ナホトカ～日照～寧波～釜山のローテーションによる定曜日ウイークリーサービスを提供している。Panda Express Line 1で抜港する寧波港は、今年2月に開設したウラジオストク／華南航路のPanda Express Line 3を改編、深圳港、釜山港に1,060TEU型コンテナ船2隻を投入、ウラジオストク～南沙～寧波～厦門～ウラジオストクの新ローテーションによる定曜日ウイークリーサービスでカバーする。
　Panda Expressは2022年末に韓国、中国とロシアを結ぶコンテナ定期航路を開設、現在、1,100～1,900TEU9隻を配船している。

　英国の海運・造船調査分析会社のClarksons Researchによると、高騰を続けていた5,000TEU超型コンテナ船の用船料が米中貿易戦争の影響で下落に転じ、6,500TEU型の平均用船料は1日当たり7万2,000ドルで、4月の7万3,438ドルから1,500ドルほど下落した。
　Clarksonsでは、主に規模の大きい大型船の短期用船契約の用船料が下落している一方、4,000TEU型未満のフィーダーコンテナ船の用船料は以前と同じ用船料を維持していると指摘。4,000TEU未満型は、中国建造船であっても米国貿易代表部（USTR）の入港手数料の対象から除外されたためと見られ、1,000～4,250TEU型小型コンテナ船は、今年1～4月に比べ5月に入ってから用船料が一段高い水準となっている。
　特に、新アライアンスのGemini Cooperationを構成するMaersk（デンマーク）とHapag-Lloyd（独）は、アジア域内のシャトル便の運航を支援するため、小型コンテナ船を積極的に用船、Maerskは最近、中国の泉州安盛船務有限公司（Quanzhou Ansheng Shipping）から“Ren Jian 15”（4,395TEU）を30～33カ月間、1日あたり3万7,000ドルで、Leonhardt & Blumberg（独）からの3,534TEU級“Hansa Africa”（3,534TEU）を2年間、1日あたり2万7,750ドルでそれぞれ長期用船した。

　Maersk（デンマーク）は7日、英国でのハブ港を既存のフェリクストウからロンドンゲートウェイに変更してからわずか数カ月で大西洋航路のTA5 Serviceの英国寄港地を再びフェリクストウに戻すと荷主に通知した。
　ロンドンゲートウェイの港湾混雑でTA5の英国寄港地をフェリクストウに変更するもので、今月22日に“CAPE CORFU”（2,750TEU）、29日には“PUERTO LIMON EXPRESS”（2,600TEU）がフェリクストウ港にそれぞれ入港する予定。MaerskはHapag-Lloyd（独）と新アライアンスのGemini Cooperationを構成するが、TA5はMaerskによる単独配船。
　今月に入って、ロンドンゲートウェイは港湾混雑が悪化、3日現在、ヤード利用率は83%まで上昇したが、各所で滞留が発生しており、港湾局はサウザンプトンから追加荷役作業員を確保して投入しているという。

　Emirates Shipping Line（UAE、ESL）とWan Hai Lines（台湾）は6月上旬から、インド／東地中海航路で協調配船により、新たにIndia-East Mediterranean2（IM2）を開始する。
　IM2は2,700～2,800TEU型4隻を投入し（Wan Haiは1隻を投入）、6月1日ムンドラ出港船を第1船に、ムンドラ～ジェダ～スエズ～アレクサンドリア～メルシン～スエズ～ジェダ～ムンドラのローテーションでサービスを開始する。

　Ocean Network Express（ONE）、HMM（韓国）、Yang Ming（台湾）で構成するPremier Allianceは極東／北欧州航路でサービスしているFE4で7月からフェリクストウに追加寄港する。
　新FE4は14,700～24,100TEU型14隻を投入し、7月9日サザンプトン入港の“HMM Southampton”（23,792TEU）を第1船に、上海～寧波～高雄～塩田～カイメップ～シンガポール～フェリクストウ～ロッテルダム～ハンブルク～ルアーブル～アルヘシラス～シンガポール～高雄～上海の新ローテーションでウィークリー運航する。同アライアンスでフェリクストウ寄港はFE4のみとなる。

　インドとパキスタンの関係悪化により、国際貨物輸送にも影響があらわれ、いずれも相手国との貨物輸送を禁じたため、Ocean Network Express（ONE）とHapag-Lloyd（独）はそれぞれの顧客に注意喚起している。
　カシミール地方インド支配地域で先月発生したテロ事件を発端に、インド商工省商務局・外国貿易部（DGFT）は2日、パキスタン貨物のインドへの輸入禁止を発表、またパキスタン商務省も4日、インド貨物の輸入禁止を発表した。
　印・DGFTはパキスタンからの直航船の入港船、パキスタンから空コンを含む貨物の輸入、さらに第三国発貨物であってもパキスタンを経由した貨物の荷揚げを禁止した。これらの規制は、規制発表前に船積みされた貨物も対象となるため、それらの貨物は代替寄港地で荷揚げとなる。
　またパキスタンも、インド発貨物、第3国発インド経由貨物を陸・海・空すべての輸送モードで輸入を禁じるとともに、パキスタン領内を通過するインド向け貨物も規制対象とした。
　ONEとHapag-Lloydは、顧客への影響を確認しつつ、代替輸送への対応やサービスを改編しつつ、流動的な事態を注視し情報提供を続けるとしている。

　日本郵船が8日に発表した25年3月期連結決算は、定期船事業の荷動き増、紅海情勢による船腹需要への影響が継続し運賃水準が前年を上回り、物流、自動車、ドライバルク事業が増収となったことなどで、売上高が前期比8.4%増の2兆5,887億円、営業利益が20.7%増の2,108億円、経常利益が87.8％増の4,908億円、親会社株主に帰属する当期純利益が109%増の4,477億円と大幅な増益を達成した。平均為替レートが8.91円安の1ドル＝152.73円、平均消費燃料油価格は2.05ドル安の618.78ドル／トンで、Ocean Network Express（ONE）からの持ち分法による投資利益計上額は2,471億円だった。株主還元へ連結配当性向30％を目安に期末配当を前回予想から15円引き上げ195円／株・期末配当は、前回予想から15円引き上げて195円／株、年間で325円／株を予定する。
　26年3月期は平均為替レート1ドル＝140円、平均燃料油価格560.09ドル／トンを前提に、コンテナ船事業が紅海情勢に起因する喜望峰ルートの利用が継続することを想定も、引き続き新造船の竣工を予想、船腹需給の軟化を見込み、大幅減益となるなどで、売上高が前期比8.1%減の2兆3,800億円、営業利益が36%減の1,350億円、経常利益が48.1％減の2,550億円、親会社株主に帰属する当期純利益が47.7%減の2,500億円を予想している。ただ、航空運送は日本貨物航空（NCA）の売却を5月23日に予定しているため、通期業績予想には含めていない。配当性向は30%から40%へ引き上げる。
　また、通期予想には米国などの関税措置などの影響も含めていないが、経常損益への影響は定期船が最大450億円減、物流は最大50億円、自動車は最大200億円減、ドライバルクは最大200億円減、エネルギーは最大100億円減と合計で最大1,000億円減と試算している。
　25年3月期業績をセグメント別にみると、定期船事業はコンテナ船部門が新造船竣工による船舶供給量の増加が続いたものの、堅調な荷動きや紅海情勢、港湾混雑などに起因する需給のひっ迫で、市況は3Qまで好調に推移、4Qに入り市況は低調で推移したが、通年では前年度の水準を上回り経常利益が2,064億円増の2,743億円、航空運送事業は主にアジア発欧米向けの旺盛なEコマース需要や、半導体製造装置、自動車関連貨物の需要に支えられ、貨物取扱量が増加、需給の引き締まりにより運賃単価も高い水準で推移し153億円増益の210億円、ロジスティクス事業は北米や東南アジアで堅調だったものの、欧州と東アジアで減速、前期に実施した成長投資に関連する一時的な費用が発生し、利益水準が低下し46億円減益の212億円となった。
　また、自動車事業は海上輸送が中東情勢の影響などによる港湾混雑や航路変更が継続する中、最適な配船計画と本船運航により、堅調な輸送需要を取り込むなどで業績は堅調に推移し75億円増益の1,133億円となった。
　ドライバルク事業はケープサイズの市況が1～2Qに好調を維持し年末に向かって軟化したが増収、181億円の前期並みの利益水準だった。
　エネルギー事業はVLCCの市況が前期を下回り、また、入渠船増加により稼働率が低下、VLGC（大型LPGタンカー）、石油製品タンカーも市況が悪化したがLNG船が長期契約に支えられて順調に推移したことなどで増収、2億円減益の461億円だった。

　A.P.Moller-Maersk（デンマーク）はこのほど、自社運航船隊450隻に次世代IoTプラットフォーム、「OneWireless」を導入すると発表した。
　OneWirelessは、リアルタイムの貨物追跡、サプライチェーンの可視化と効率化を実現するソリューションで、数千基のITデバイスに対応し、特に洋上でのリーファーコンテナの管理を容易にできる。
　Maerskはすでに顧客向けソリューションとしてCaptain Peterを通じリーファー貨物のオンラインでの監視が可能となっているが、船上における2G通信に依存しているため、データの更新頻度に制限がある。一方、OneWirelessの導入により、4G通信が可能でより高頻度な貨物情報の把握が可能になるという。
　新ソリューションは複数の無線技術をサポートできるようになっており、拡張性、セキュリティ、柔軟性に優れ、海陸間をより強固なネットワークで結ぶことができる。
　OneWirelessの実装はすでに始まっており、2026年第1四半期までに自社保有船350隻、用船100隻への実装を完了するとしている。

　トルコ・ボスポラス海峡における今年第1四半期（1～3月）の通航船隻数は前年同期比7.5％減の9,351隻で、うちタンカーは8.2％減の2,212隻だった。タンカーのうちLNG、LPGなどを輸送する液化ガス船は175隻と63.6％増加した一方、ケミカルタンカーは20.6％減の648隻、その他のタンカーは6.5％減の1,389隻だった。
　またタンカー以外の船舶も7.2％減の7,139隻と前年割れになった。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、NX国際物流（中国）有限公司（NX中国）は、3月29日に華南地区、4月19～20日に華北地区で植樹活動に取り組んだ。
　NXグループは、物流企業としての社会的、公共的使命を認識するとともに、地域社会と積極的にコミュニケーションを図り、地域に根ざした社会貢献活動を通して、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいる。今回、NX中国は環境社会貢献活動の一環として、華南地区、華北地区で植樹活動に取り組んだ。
　華南地区では、広州市の中国科学院華南植物園で植樹活動し、活動には30人の従業員と家族が参加し、33本のセンダンの苗木を植えた。華北地区では、北京市・天津市・青島市・大連市の4カ所での植樹活動に、154人の従業員が参加、マツ・イチョウ・モクレン・カキ・アンズ・モモ・サクラなど計100本以上の苗木を植樹した。

　北東アフリカのスーダンで反政府勢力が6日、ドローンでスーダン最大の港、紅海に面したポートスーダンのコンテナターミナルを爆撃、ターミナル施設から黒い煙が立ち上る様子を収めた写真がXに公開された。スーダンで3年間続く内戦でポートスーダンが攻撃されたのは初めて。
　ドローンは準軍事組織「迅速支援部隊（RSF）」によって発射されたと推定され、コンテナターミナルと業者が運営する石油倉庫などが被害を受け、都市に電力供給が中断されたと伝えられている。商船の被害はまだ報告されていない。
　ポートスーダンはスーダンの外国援助物資が荷揚げされるゲートウェイで、年間100万TEUのコンテナ貨物処理をしており、今回のポートスーダン爆撃以降、スーダンの内戦が激化する可能性が高いと見られている。
　スーダンの軍事政権は2023年4月からRSFと内戦を繰り広げており、RSFが首都ハルツームを占領した後、ポートスーダンは軍事政権の主要拠点となった。

　A.P.Moller-Maersk（デンマーク）の2025年第1四半期（1～3月）連結業績は、海上輸送が安定した収益をあげ、物流サービス部門も堅調を維持、さらにターミナル部門は好調となり3ケタの増益を達成した。
　期中の売上高が前年同期比7.8％増の133億2,100万ドル、EBITDAが70.4％増の271億ドル、EBIT（営業利益）は607.9％増の12億5,300万ドルと3ケタの増益となり、資本的支出は98.0％増の13億9,800万ドルだった。
　部門別では、海上輸送部門は、積み高が前年並みを維持し、運賃は前年同期を上回り、効率化によりコストは前年並みに抑えたことで、売上高が11.2％増の89億1,000万ドル、EBITDAは99.1％増の19億300万ドル、EBITは前年の1億6,100万ドルの赤字から7億4,300万ドルの黒字に転換した。
　物流・サービス部門は、様々なサービスの展開とコスト削減、効率化により、売上高が0.5％減の34億8,800万ドル、EBITDAは44.0％増の3億8,300万ドル、EBITは163.0％増の1億4,200万ドルと減収も大幅な増益を達成した。
　港湾ターミナル事業は、取扱量の大幅な増加、コンテナ保管料収入の増加などにより売上高が23.2％増の12億3,100万ドル、EBITDAは27.6％増の4億4,400万ドル、EBITも31.3％増の3億9,400万ドルと2ケタの増収増益を達成した。
　25年の通期業績予想は、世界のコンテナ市場の拡大が-1％～+4％の間を予測し、EBITDAが60～90億ドル、EBITは0～30億ドル、フリーキャッシュフローは30億ドル減少と予測した。

　飯野海運の2025年3月期（2024年4月～25年3月）連結業績は売上高が前年同期比2.8％増の1,418億6,600万円、一方、営業利益は10.3％減の171億円、経常利益は20.3％減の173億6,800万円と、増収も2ケタの減益となり、当期利益は7.0％減の183億6,700万円だった。
　2026年3月期の通期業績予想は売上高が650億円、営業利益は48億円、経常利益が37億円、当期利益は39億円を見込んでいる。

　安田倉庫の2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、物流事業が堅調に推移し、売上高が前年同期比11.5％増の751億1,500万円、営業利益が32.9％増の35億1,500万円、経常利益が25.9％増の49億7,700万円、親会社株主に帰属する当期純利益が21.5％増の28億200万円と増収増益になった。
　物流事業は、新規取引の開始や既存顧客の取引拡大、倉庫・輸配送ネットワークの拡充などで倉庫保管料、作業料、陸運料、国際貨物取扱料が増収、売上高は12.6％増の693億8,700万円、セグメント利益は36.4％増の45億6,700万円だった。不動産事業は、売上高が0.2％減の62億3,300万円、セグメント利益が9.7％減の18億4,300万円だった。期末配当は1株当たり20円、年間35円。
　26年3月期の通期業績見通しは、既存施設の収益力向上や新規施設の稼働率向上、グループ連携によるネットワークの拡充など事業基盤の強化で、売上高が前期比3.8％増の780億円、営業利益が5.2％増の37億円、経常利益が0.4％増の50億円、親会社株主に帰属する当期純利益が17.7％増の33億円を見込む。

　商船三井はこのほど、大型液化CO2船のCO2ガス拡散に関する評価事業で、船体と船上搭載機器・装置をモデル化した3次元ガス拡散計算で、本船、周辺環境への影響を評価する事業の公募を開始した。
　商船三井は現在、日本CCS調査が、新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）から委託を受けた事業の一部となる、大型液化CO2輸送船の社会実装に関する研究開発を受託しており、今年度の大型船社会実装に関する研究開発の一環として、2022年度に船舶基本設計を実施した大型液化CO2船のCO2ガス拡散に関する評価を実施する。検討項目は、ベントライザーからの大気ベント時における、居住区に影響を及ぼす可能性のある条件下でのCO2拡散状況の評価とタンク安全弁作動時における、居住区に影響を及ぼす可能性のある条件下でのCO2拡散状況の評価で、期間は契約締結日から2026年2月28日までとなる。
　商船三井は5月7～20日の期間、自社Webサイトで受託企業を募っている。

　安田倉庫は、同社グループ中期経営計画2025-2027を策定、2028年3月期の連結業績で売上高820億円（25年3月期751億円）、営業利益45億円（同35億円）、ROE5.5％以上（同3.0％）の数値目標を設定した。
　物流事業では、首都圏・関西圏を結ぶ安田倉庫グループの輸配送ネットワークの連携強化と拠点新設を目指すとともに、アジア・太平洋地域における安田倉庫グループのネットワークの拡大や連携強化を進める。またメディカル物流ネットワークのさらなる強化や、潜在するニーズを捉えた高品質・高付加価値物流の提供を目指す。加えて、AIやロボティクスなど先進技術の活用によるさらなる物流DXの推進や、運営効率の向上を通じ、さらなる収益性向上を目指す。

　Hacobuは、動態管理サービス「MOVO Fleet」で、積載情報の管理機能を実装するとともに、スマートフォン端末レンタルプランの提供を8日から開始した。
　積載情報の管理機能で、トラックドライバーが積み込み時に伝票のバーコードをスマートフォンでスキャンするだけで、伝票情報とトラックの走行データを紐づけることができる。荷主企業は、伝票番号をもとに荷物の輸配送進捗を検索・確認できるようになり、納品状況の把握や、イレギュラー発生時の柔軟な対応が容易になる。
　一方、スマートフォン端末レンタルプランの開始で、MOVO Fleet導入時に、荷主企業・運送事業者がスマートフォン端末を調達する負担を軽減し、より手軽かつスムーズな動態管理の導入・運用が可能となる。従来は、ユーザーの荷主企業・物流事業者がスマートフォン端末の機種選定や発注をしていたが、荷主企業による協力会社への端末支給や、運送事業者による社用端末の一斉導入に際しては、端末調達や社内調整の負担が導入の障壁となるケースもあった。スマートフォン端末をレンタル形式で提供する新プランの提供で、サービス契約と端末調達を一元化、導入時の業務負担を軽減するとともに、より迅速かつ円滑な運用開始を実現する。

　西濃運輸とTeatis Inc.（米国デラウェア州）は、Teatisが開発したAI技術「アクレス」を利用し、西濃運輸が導入しているドライブレコーダーに記録した動画をAI解析することで危険運転の自動検知を実現、安全管理担当者は短時間で危険な箇所だけを確認することとなり、大幅な時間短縮につながるとともに、事故率低減（安全品質向上）を目指す。
　アクレスは独自のVLM（大規模視覚言語モデル）と2,000時間の商業車両の独自運転映像データで、危険運転の高精度な自動検知を実現している。また、ドライブレコーダーの入れ替えや、システムのインストールが不要なため、AI技術をすぐに利用可能だ。西濃運輸とTeatisでは、西濃運輸の2店所でトライアル、シートベルトの着用やわき見、居眠り運転、姿勢制御などをAIで分析。アクレス導入後、一人のドライバーあたり月間で少なくとも30分の時間短縮につながった。また、安全管理担当者からは、「取りこぼし、誤検知は発生していない」「人手では気づかない点のチェックもあった」という評価の声もあり、チェック精度の高さも証明できた。このことから、西濃運輸国内全拠点の約1万台の導入計画を進めており、4月から順次導入を開始し、6月に全188拠点での導入を完了する予定だ。

　国際海運団体のボルチック海運協議会（BIMCO）によると、今年1～4月のブラジルの穀物出荷量は中国の旺盛な購買力に支えられ、前年同期比9%増加した。中国が米国から輸入する穀物に高関税を課し、ブラジルを代替輸出先として模索していたことが背景とみる。
　米農務省（USDA）の推計によると、ブラジルの穀物輸出の増加は大豆の収穫が9%増加したことに支えられ、1月は収穫遅れで出荷量がもっとも少なかったが、2月に急増し港湾での滞船を招いた。ブラジルの穀物輸出量は大豆が71%、トウモロコシが27%を占めている。
　中国は主要穀物輸入国で、世界の総輸送量の25%、ブラジルの53%を占め、価格低下を背景に、中国は過去10年間、米国からの輸入量を犠牲にしてブラジル産穀物の輸入量を徐々に増やしてきたが、今年3月以降、米国産穀物に対する輸入関税を125%引き上げたことから、米中間の穀物輸送量がさらに減少、これが年初以来、米中穀物輸送量が54%も落ち込だ一因としている。
　ブラジルの穀物輸出の増加は、2024年にドライ貨物の82%を輸送したパナマックス船のトンマイル需要にプラスに影響、ブラジルからの穀物輸送は平均以上の航海距離のため、荷動き量のわずか9%を占めるに過ぎないが、トンマイル需要の19%を占めている。しかし、バルチックパナマックス指数（BPNI）は2025年に入ってから前年比35%下落を続け下落を食い止めるには至っていないという。
　USDAによると、今後、ブラジルのトウモロコシの収穫量は前年比6%増と予想、これが出荷を支えることになるとみられ、ブラジルで2番目の収穫量が多いトウモロコシは通常、6月に収穫、輸出を開始するが、現在のところ天候は良好と見られている。
　BIMCOでは、ブラジルの穀物出荷見通しは供給の堅調さと米中貿易摩擦を背景に、今年後半にかけて概ね良好とみているが、中国の次回穀物収穫が世界の穀物出荷全体の力強さに下振れリスクをもたらす可能性があると指摘している。

　NX総合研究所は、企業物流短期動向調査（NX総研短観:25年3月調査）を発表、25年1～3月期、4～6月期の荷動き指数はともに、外貿コンテナの輸出、国際航空貨物の輸出入ともにマイナスが続いたが、唯一、外貿コンテナ輸入のみ1～3月がゼロ水準、4～6月期はプラスに転じる見込みだ。
　製造業／卸売業の主要2,500事業所を25年3月初旬に調査、661社から回答（回答率26.4％）があった。荷動き指標は増加すると回答した事業所割合から減少の割合を引いた数値。
　1～3月期の指数は、外貿コンテナ輸出が-1（10～12月期は-9）と改善もマイナス、外貿コンテナ輸入が0（同-9）と前期比上昇した。外貿コンテナ輸出を方面別にみると、アジア向けが-4（同-9）と改善、北米向けが-3（同-13)と10ポイント改善、欧州向けも-9（同-11）と上昇した。1～3月の外貿コンテナ輸入の方面別は、アジア出しが0（同-9）、北米出しが-7（同-13）、欧州出しが-8（同-13）とすべて改善した。
　1～3月期の国際航空貨物の輸出は-4（同-11）、輸入も-9（同-15）とともに改善した。
　4～6月期については、外貿コンテナ輸出は-1と横ばい、外貿コンテナ輸入は1とプラスに転換する見込みだ。一方、国際航空貨物は輸出が-7、輸入も-10とともに前期から低下する見通しだ。