ニュースダイジェスト

　名古屋港管理組合は、24年7月の外貿コンテナターミナル別取扱量の速報値を発表、全体の外貿コンテナ貨物（輸出入、実入り・空合計）取扱個数は、前年同月比3.5％増の21万8,996TEUと11カ月連続のプラスとなった。
　同速報値をターミナル別にみると、飛島南側が5万4,418TEUと前年同月比20.1％増と2割増、鍋田が9万3,482TEUと5.2％増加したものの、飛島北が17.4％減の7,684TEUと大幅減、NCBが4万3,494TEUと7.0％減少、飛島南が1万9,918TEUと5.9％減少した。
　1〜7月累計では前年同期比3.2％増の146万8,717TEU、ターミナル別にみると、NCBが1.1％増の32万4,173TEU、飛島南が6.7％増の14万1,994TEU、飛島南側が12.0％増の33万550TEU、鍋田が0.8％増の62万760TEUと増加したが、飛島北が13.6％減の5万986TEU、その他が34.4％減の254TEUだった。

　三菱商事ロジスティクスは、23年11月から内航フェリーを活用した2024年問題対応型輸送サービス「TODOCARRY」を提供しているが、さらな利便性向上を図るため、新たな施策として、日本全国各港600航路までサービス航路を拡大するとともに、輸出入向けTODOCARRYと海外をつなぐ新サービスを追加した。
　サービス航路の拡大では、サービス開始当初は関東〜九州間のフェリー輸送のみだったが、サービス航路を日本全国へと拡充、現在は内航海運各社のサポートを受け、日本全国各港600航路までサービスを拡大している。顧客の集荷先と納品先を確認の上、リードタイムや価格、その他の条件を勘案し、ベストな航路を提案できる。
　また全国の輸出入を希望する顧客を対象に、内航フェリー、通関、国際輸送までスムーズに連携した一貫サービスを提供している。国内と海外をつなぐ物流プラットフォームとして順次サービスを拡充している。

　格付投資情報センター（R&I）は20日、三井倉庫ホールディングスの発行体格付を A- で据え置くともに、方向性を安定的からポジティブへ上方修正した。
　R&Iによると、物流事業と不動産事業を収益の両輪とする三井倉庫グループの持株会社。事業子会社に対する支配力は強く、格付はグループの信用力を反映している。物流事業では多種多様な有力企業と強固な取引関係にあり、オフィスビル賃貸を軸とする不動産事業も安定収益源として連結業績を下支えしている。
　物流サービスは倉庫・港湾運送からトラック輸送、調達・生産・販売物流、フォワーディングなど幅広く、フォワーディングは航空貨物の荷動きや運賃低迷の影響を受けているが、多様な物流機能を通じた提案営業によって顧客基盤の強化が進んでいる。
　物流施設の賃借を中心とする簿外のオペレーティングリース債務が比較的大きく、その点を考慮した財務バランスは改善の余地があるとみているが、一部の契約については荷主への転貸などを通じリスクを軽減しており、経営方針は堅実で、成長に向けた投資が増える中でも財務をコントロールしていけそうだ。
　複数のM&A（合併・買収）で取得した多様な経営資源の活用や採算性向上施策によって、物流事業の利益・キャッシュフローの厚みと安定性が増している。旗艦ビルのオフィスレイアウト見直しにより、一時的な空室の発生や償却負担の増加を予定している不動産事業についても、リーシングの進展や他保有物件の外部賃貸化を通じて中長期的には回復が見込まれそうで、利益・キャッシュフロー創出力の向上により、財務バランスが改善していく見通しが高まったため、格付の方向性をポジティブに変更、財務基盤を維持・強化しつつ、不動産事業などで利益・キャッシュフローの回復が進むようなら格上げを検討するという。

　郵船ロジスティクスのベネルクス法人Yusen Logistics (Benelux) B.V.（YLBX）は、企業のサステナビリティに関する国際的な評価機関EcoVadisのプラチナメダルを取得した。
　同社グループでプラチナメダルを取得するのはYLBXが初めて。EcoVadisは、フランスに拠点を置く国際的な評価機関で、世界180を超える国と地域で13万社以上の企業に対してサステナビリティを評価している。「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な調達」の4つのテーマで包括的に評価、YLBXが取得したプラチナメダルは、世界中の評価対象企業のうち、基準をクリアした上位1％の企業に与える最高評価となる。
　郵船ロジスティクスグループは、ESGを経営の中心に据え、社会課題解決に向けてさまざまな企業の架け橋となり協働することで、ステークホルダーと同社グループのサステナビリティの実現を目指している。YLBXは23年にゴールドメダルを取得、今回さらにサステナビリティの取り組みを推進したことを評価、同社グループで初めてプラチナメダルを取得した。一方、英国法人はゴールドメダル、YLBX傘下のAjimexはシルバーメダルを取得、グループとしては昨年シルバーメダルを取得している。

　日新は、9月6〜8日に「ベトナムフェスタ in 神奈川2024」に協賛する。
　同フェスタは、神奈川県とベトナムの相互理解を深め持続的な成長と発展を目指すために、2015年からベトナムフェスタ in 神奈川実行委員会と駐日ベトナム大使館などが主催している。ステージや各種ブースでベトナムの文化や魅力を発信する「文化交流プログラム」と、企業や政府関係者が交流してベトナム関連の投資環境・経済動向を紹介する「ベトナム経済フォーラム」を開催する。
　日新は、昨年と同様に、「文化交流プログラム」への協賛として、ベトナム伝統芸能である「水上人形劇」の機材輸送を支援する。また、今年は「ベトナム経済フォーラム」にもブースを出展し、物流面から社会課題を解決する企業として、同社と現地法人のベトナム日新の紹介のほか、ベトナムにおける物流事業サービスを紹介する。同社は神奈川創業の国際物流企業として、当該イベントを通じ、地域社会の振興と国際的な文化・経済交流への貢献に努めていくとしている。

　帝国データバンク（TDB）は21日、日本企業の「中東地域13カ国進出」動向調査（2024年）の結果を発表、パレスチナを除く中東地域13カ国に進出する日本企業は、24年8月時点で計443社と判明した。
　進出国別にみると、最も多く進出が判明した国は「アラブ首長国連邦（UAE）」で 289社に上った。特に構成国の「ドバイ」「アブダビ」両首長国で進出が多く、現地販売拠点のほか、石油・天然ガス資源の開発など資源関連企業で拠点進出が多い。
　次いで多いのは「イスラエル」（95社）で、テルアビブ市を中心に日本企業の進出が判明した。各種投資協定や経済連携協定などで日・イスラエル間の経済交流が活発化していることも背景に、先端半導体や製薬企業のR&D拠点、イスラエル国内のスタートアップへの出資・子会社化といった形での進出が目立った。
　「サウジアラビア」（78社）は、大手商社や金融機関が中心で、石油関連産業のほか、風力発電など新エネルギーの開発を目的とした進出が他地域に比べて目立った。上位 3 カ国以外では、イスラエルとの緊張が緊迫化している「イラン」で26社の進出が判明、カタール（26社）と同水準だったほか、サウジアラビアに次いで中東13カ国中4番目に日本企業の進出が多かった。イランへの進出では特に卸売業の進出が6割超を占め、同国産の農産物や手工業製品を日本へ輸出するための拠点として進出した企業がある。また、金融機関や商社などで情報収集を目的とした拠点進出も目立った。なお、内戦状態が続く「イエメン」への進出事例は、8月時点で確認できなかった。

　オリックス不動産は、茨城県つくば市のマルチテナント型物流施設「つくばロジスティクスセンター」が完成したと発表した。
　同物件は、圏央道・つくば中央ICから約4.7km、常磐道・谷田部ICから約9kmの立地で、東京都心まで車で約1時間の距離に位置、圏央道と常磐道が交わるエリアで、都心への配送と北関東を中心とした関東全域への配送のいずれにも対応可能だ。
　建物は、延べ床面積4万9,530.65m2、鉄骨造り4階建てのマルチテナント仕様で、募集区画は最小約3,200坪から、最大で4テナントの入居が可能だ。1階から2階にスロープを設け、1階に最大26台、2階に最大24台の大型車（10t車）が同時接車可能なバースを備える。

　シーアールイーの連結子会社CRE Asia Pte. Ltd.が出資するCella Management Pte. Ltd.傘下のマネジメントPT.Cella Management Logistikが参画する第1号プロジェクトの「Cella Argya Logistik Warehouse」が24年7月に竣工した。
　Cella Management Pte.Ltd.はCRE Asia Pte. Ltd.、NWP Property（インドネシア・南ジャカルタ）とBonny Setiawan 氏の3者間で設立した合弁会社。西ジャワ州チカランに位置する同プロジェクトは、大手多国籍物流企業向けに特別に設計された平屋建てのBTS型施設。2棟の倉庫で構成、有効高14m、床荷重4t/m2で重量物の保管が可能、インドネシアのEC市場と物流の急成長に対応し、同社の事業拡張に資するよう設計した。同施設は敷地面積約5万4,500m2に、鉄骨造り平屋建て2棟、賃貸面積は約4万m2。

　日新は9月10〜13日の4日間、東京ビッグサイトで開催するアジア最大級の物流・ロジスティクス専門展「国際物流総合展・第16回Logis-Tech Tokyo2024」に出展する。
　今回の出展は「循環型社会を実現する日新のDXサービス」をテーマに、社会構造の変化に対応し、持続可能な経済成長に貢献する3つの物流サービスを紹介する。リチウムイオン電池の動脈・静脈サプライチェーンを支える物流ソリューション「LiBerth」、ワンウェイ容器のリユースやリターナブル容器専用保険で紛失のリスクを低減するソリューション「ハコラボ」、輸出入業務の可視化と効率化を叶えるオンラインサービス「Forward ONE」の3サービス。ブースでは、リチウムイオン電池専用のコンテナの展示やForward ONEのシステムデモンストレーション、ミニセミナーを開催、今後の開発予定なども交えながら案内する。12日16：20〜16：50にはセミナーB会場でForward ONEをプレゼンテーションする。日新のブース番号は東ホール5-203。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、NX欧州は、顧客の海外赴任に関わる業務をワンストップで代行するサービス「NX海外赴任ワンストップサービス」で、新たに「NX欧州・ワンストップサービス」を開始した。
　「NX海外赴任ワンストップサービス」は、人事担当者に代わり、海外赴任に関わるあらゆる業務をワンストップで代行し、担当者と赴任者の双方を赴任前から帰国までトータルでサポートするサービス。今回、欧州内で海外滞在をより快適で円滑なものとするため、新たなサービス「NX欧州・ワンストップサービス」を開始した。
　海外生活オリエンテーションサービスとして新しい都市での生活について詳細をオリエンテーションし、現地の生活概要や文化、生活環境について案内する。また現地での住居手配から銀行口座開設、家族の学校関係の手続きや運転免許証の切り替え、公共サービス（電気、電話、インターネットなど）の申し込みといった、新しい生活に必要なサポートも提供する。対象国は英国、ドイツ、ハンガリー、ベルギー、フランス、イタリア。

Canadian National鉄道（CN）とCanadian Pacific Kansas City鉄道（CPKC）は22日（現地時間）約9,300人の組合メンバーの乗務員をロックアウトした。
　CNは労使紛争による混乱を避けるため最後の試みとしてこれまでとは別の提案を示したものの、組合側からは反応がなかったとし、協定も拘束力のある仲裁もない状況では、予定通りロックアウトに踏み切るしかなかった、との声明を発表した。
　CPKCは組合の要求は非現実的で、会社が競争力のある輸送サービスを提供することができなくなってしまうと組合を非難している。
　一方で乗務員組合のTCRC（チームスターズカナダ鉄道会議）は、数カ月かけて誠意を持って交渉を続けたが両者の隔たりは大きくCNとCPKCは本日（現地時間22日）0時1分にロックアウトを始めたが、両社と交渉のテーブルにつく用意はあるとの声明を発表した。
　カナダ鉄道協会によると、鉄道会社は運行停止により1日10億カナダドル（約1,067億円）相当の貨物を失うという。

　ZIM Integrated Shipping Services（イスラエル）の2024年第1四半期（1～3月）業績は、売上高が前年同期比48％増の19億3,300万ドル、期中の積み高が11％増の95万2,000TEU、平均運賃は40％増の1,674ドル／TEU、調整後のEBITDA（利払い前・税引き前・償却前利益）は179％増の7億6,600万ドル、EBIT（営業利益）は前年同期の1億6,800万ドルの赤字から4億6,800万ドルの黒字に回復し、当期利益も前年の2億1,300万ドルの赤字から3億7,300万ドルの黒字に転換した。
　同社のEli GlickmanCEOは「記録的な積み高の伸びと、コストの再構築、市場状況に対応した機敏な戦略と投資の転換により記録的な好業績を達成した。特に太平洋航路のスポット運賃市況の高まりに対応した戦略的な決定が大きく寄与した」と説明し、当期利益の配当性向が30％となる1億1,200万ドル、1株0.93ドルの配当を実施すると明らかにした。
　上半期（1～6月）業績は、期中の積み高が10.4％増の179万9,000TEU、平均運賃が22％増の1,569ドル／TEUといずれも2ケタの伸びとなり、売上高が30.2％増の34億9,000万ドルと2ケタの増収、調整後のEBITDAが84.1％増の11億9,300万ドル、EBITは前年の1億8,200万ドルの赤字から6億3,500万ドルの黒字に転換し、当期利益も2億7,100万ドルの赤字から4億6,500万ドルの黒字に転換した。
　通期見通しは、下期にかけても紅海情勢の悪化により市況は堅調を維持し、下期も好業績を予測し調整後のEBITDAが26～30億ドル、調整後のEBITも14億5,000万～18億5,000万ドルを見込んでいる。

　NIPPON EXPRESSホールディングス（NXHD）は、日本電気（NEC）の協力のもと、23年10月から、NXグループが掲げるDXロードマップ実現のリーダー的存在であるDX専門人財の育成プログラムを進めており、今年8月時点で40人のDX専門人財育成プログラムを修了し、28年度末までに400人の専門人財育成を目指している。
　今後、NXグループでは、これらの専門人財を中心にして、デジタル化とデジタルトランスフォーメーション（DX）による事業の改革と創造に向けた取り組みを加速していく方針だ。
　NXグループは、グローバルなロジスティクスの成長と変革に向けたDXを重要な経営課題と位置づけており、その推進・実現の中核を担うDX専門人財の育成に向けて取り組んでいる。20年10月からDXの基礎知識教育である「リテラシー教育」に取り組み、国内外の合計5万8,000人の従業員を対象に教育を展開した。また23年10月からはDXに取り組んでいる専門人財を対象にNECと共同で、事業成長に直結する「専門教育」を推進している。NXグループでは、このDX専門人財を中心として、物流現場におけるAIやロボティクスを活用した人員配置・車両運用・倉庫保管の最適化などのさまざまなプロジェクトの検討を進めている。NECは21年からDX推進に必要なデジタル人財育成をワンストップで支援する「NECアカデミー for DX」を提供、今回はそのノウハウを活かした独自プログラムをNXグループ向けに作成した。
　同プログラムはNECのDXコンサルタントがファシリテーターとなって実践的トレーニングとDXテーマの可視化・体系化を支援する。育成対象者が実際に関与する現場・事業のテーマを課題として取り扱うことで、DXプロジェクトをリードするために必要な要素であるスキル・考え方・姿勢を体系的かつ実践的に学ぶことができる。さらに、NECの「DXスキルアセスメント」を活用することで、育成対象者の行動特性とスキル成熟度を定量的・客観的に可視化することが可能となる。
　また、集合ワークショップでの学び・気づき促進、個人でのDX推進テーマの企画構想、DXコンサルタントとの1on1での対話・議論と行動促進などを組み込んだプログラム構成とすることで、育成対象者同士の横連携と個人に寄り添ったサポートを提供している。プログラムの最終段階では、それぞれが推進するDXプロジェクトの企画構想を体系化するとともに、NXグループが取り組むDX推進支援制度と組み合わせることで、育成プログラムでの学びをスムーズに実践へとつなげていく。
　NXグループは、今後海外のグループ会社を含めた全社員のDXに関する知識とスキルを向上、DXを成長エンジンとして、さらなる成長を目指していく方針だ。

　大手コンテナ船社の今年第2四半期（4～6月）業績の発表が相次いでいるが、香港の海運調査会社、LinerLyticaの調べによると、Maersk（デンマーク）の海運事業部門のEBITマージン（営業利益率）は5.6％で最低水準となった。
　これに対し、まだ業績発表していないCOSCO（中国）、OOCL（香港）を除く主要ライバル8社の平均EBITマージンは21.3％だった。
　今年第2四半期のEBITマージはEvergreen（台湾）が30.7%と最も高く、次いでWan Hai（台湾）が28.2%、HMM（韓国）が26.9%、Yang Ming（台湾）が26.9%、ZIM（イスラエル）が25.3%、Ocean Network Express（ONE）が15.8%、Hapag-Lloyd（独）が9.9%、CMA CGM（仏）が7.0%、Maerskが5.6%の順となっている。
　Maerskは、2020年以来一貫して業績が同業他社に遅れをとっており、EBITマージンは今年第2四半期で23年第4四半期以来、3四半期連続の最下位となり、LinerLyticaでは、ライバル船社との遅れを取り戻そうとするMaerskにとり、物流に重点を置いた戦略の変更は避けられないとみている。

　中国船社の中聯航運（CULines）はCStar Line（UAE）とUniglobal Shipping（UGL、香港）が協調配船するFar East-Mediterranean Service（FEM1）のスロットを利用した中国の青島・上海・南沙とジェダを結ぶRed Sea 1（RS1）Serviceを開始した。
　FEM1は紅海、スエズ運河経由で中国からトルコまで延航、青島～上海～南沙～ジェダ～アンバリ～イズミット～ジェダ～ポートクラン～青島のローテーションで、CULinesが不定期配船していたAsia-East Mediterranean（AEM）に代わるもの。

　MSC（スイス）はこのほど、極東／豪州・ニュージーランド航路でこれまで休止していたNorth Asia-ANZ Wallabyを再開した。海外の海事メディアによると、同航路における運賃の上昇に対応した措置と見られる。
　新サービスは、2,700～5,000TEU型10隻を投入し、8月19日香港発”MSC Tania”（2,732TEU）を第1船に香港～塩田～厦門～上海～寧波～シドニー～メルボルン～オークランド～ブラフ～リッテルトン～ウェリントン～ネイピア～タウランガ～メルボルン～ブリスベン～香港の新ローテーションで定曜日ウィークリーサービスを開始した。
　現在の極東／豪州航路の運賃は、需給がひっ迫し、7月の1,400ドル／TEUから1,800ドル／TEUに値上がりしている。
　MSCはAsia-ANZ Wallabyの再開と並行して、同航路のCapricornとKiwiを休止した。
　また東南アジア／豪州・NZ航路は、シンガポール積み替えで対応している。

　SeaLead Shipping（シンガポール）は9月1日から中国船社の中谷海運集団（Zhong Gu Shipping Group）が実施する中国とインド、ジブチを結ぶFar East-India-Djibouti（FDI）Serviceのスロットを借り受けサービスに参画する。
　FIDは4,636TEU型コンテナ船の”Zhong Gu Cheng Du”と”Zhong Gu Nan Chang”の2隻を投入する42日ラウンドの配船サービスとなり、ローテーションは上海～寧波～南沙～ポートクラン～コロンボ～ナバシェバ～ムンドラ～ジブチ～コロンボ～上海。

　カリフォルニア州・オークランド港における今年上半期（1～6月）の入港船の陸電供給の平均利用率は94％と2023年通年の平均利用率85％を大きく上回った。特に5月単月では99％と高い利用率を記録した。
　陸電供給の利用は港湾における船舶からのGHG排出を最も効果的に削減できる方策の一つで、港湾や近隣地域の大気汚染の改善にも大きく寄与するもの。
　同港は今後も陸電供給設備の強化を継続する計画で、今後は船舶の設計上の都合で現在陸電供給が利用できない船舶にも供給が可能となるモバイル式の供給プラグを整備し、より多くの船舶で利用できる体制を目指すとしている。

　南アフリカ・ケープタウン港でTransnet Port Terminals （TPT）が運営するコンテナターミナルCape Town Container Terminal（CTCT）ではこのほど、新たに中国の陝西汽車控股集団（SHACMAN）製ターミナルトラクター32台の引き渡しを受けるとともに、それを運転するドライバー32人を新規雇用し、トラックター全47台体制でターミナルの生産性向上を図る。
　CTCTは現在、悪天候による港湾混雑が発生しており、ターミナルトラクターがターミナルの効率的な稼働回復の重要要素となる。新トラクターは現在、通信装置の搭載や40時間の試験運転に後に順次稼働を開始する予定で、これらの導入によりCTCTの設計・取扱容量に最適なトラクター台数を配備することになった。新たな港湾機器の導入とともにCTCTでは無線通信とターミナル管理システムとしてNavis container management systemを導入しており、今後十分な台数のトラクターによりターミナルの生産性向上とヤード内でのコンテナのシームレスな取り扱い、コンテナ船の入港時間短縮を目指す。

　ブラジルの海運市場調査会社のDatamarがまとめた今年上半期（1～6月）の南米東岸諸国のコンテナ取扱量は、ブラジルの輸出が前年同期比17.76%増の152万7,184TEU、輸入が19.5%増の153万4,641TEU、アルゼンチンの輸出が6%増の23万4,823TEU、輸入が22.5%減の21万3,194TEU、パラグアイ・ウルグアイの輸出が12.9%増の10万4,169TEU、輸入が3.4%増の12万9,184TEUだった。
　ブラジルの輸入コンテナ取扱量の上位国は、中国に次いで米国が23.6%増の16万9,026TEUで2位、ドイツが4.1%増の6万4,038TEUで3位、ベルギーが8.5%増の5万7,987TEUで4位、インドが10.3%増の5万1,941TEUの5位で続き、日本は2.9%減の2万1,231TEUで11位だった。
　アルゼンチンの輸入コンテナ取扱量の上位国は、中国が前年同期比25.3%増の7万1,219TEUで1位、米国が17.9%増の2万3,770TEUで2位、ブラジルが24.4%減の2万2,866TEUで3位、ドイツが28.9%減の1万1,672TEUで4位、タイが7.0%増の9,696TEUで5位で、日本は12.8%減の2,688TEUで13位だった。

　NIPPON EXPRESSホールディングスは20日、中核事業会社の日本通運の航空事業の第2四半期（24年4〜6月）の業績を発表、売上高は、輸出が前年同期比7.2％減の262億5,300万円、輸入が3.2％増の73億1,300万円と増収、国内・その他が2.3％減の163億9,900万円となり、航空事業全体では、4.2％減の499億6,500万円だった。
　この結果、24年12月期第2四半期累計（24年1〜6月）の売上高は輸出が前年同期比19.8％減の520億4,200万円と減収、輸入も4.7％減の146億3,700万円と減収、国内その他も0.4％減の336億1,700万円と微減となり、全体では12.0％減の1,002億9,700万円と2ケタの減収となった。
　第2四半期（24年4〜6月）の輸出重量は、前年同期比6.4％増の5万2,147トン、各月も増加で推移。エリア別に見ると異なる状況があったものの、半導体、電機・電子、自動車関連を中心に荷動きは緩やかな回復基調となった。
　第2四半期（24年4〜6月）の輸入件数は、3.4％減の8万8,947件と減少したものの、第1四半期からは市況の改善が見られた。長期的な景気の減退が続く中、商材別では異なる状況があった。
　医療機器関連は比較的堅調で、荷量が改善した荷主が一定数あった。

　A.P.Moller-Maersk （デンマーク）が、パキスタンの港湾と物流インフラに今後2年間で最大20億ドルを投資すると表明し、今月中にMoUを締結する予定と、現地メディアが伝えている。
　パキスタン海事省の関係者は、パキスタンの輸出には大きな潜在力があり、この投資を受けて、同国の事業者の成長に向けた環境づくりをすると述べている。

　韓国海洋振興公社（KOBC）が19日に発表した先週の釜山港を基準とする韓国型コンテナ運賃指数（KCCI：KOBC Container Composite Index）は、北米航路と豪州航路が上昇した以外は全般的に下落し、総合指数は4659と前週に比べ0.3%下落、6週連続でダウンした。
　釜山発輸出コンテナ運賃指数は、北米、欧州など13航路の各地域別の主要港湾向けスポット運賃（THCなど含む）のFEUあたりの航路別指数と総合指数で構成、航路別指数は荷動き量などを反映して算出、一方で総合指数は航路別運賃指数を加重平均して算出している。
　航路別にみると、東西航路は北米西岸航路が前週比4.62%上昇し6,636ドル／FEU、北米東岸航路が2.12%上昇し9,480ドル／FEUとなった一方、欧州航路は3.38%下落し8,106ドル／FEU、地中海航路も3.59%下落し7,032ドル／FEUとなった。
　南北航路は豪州航路が8.94%上昇し3,240ドル／FEUと唯一アップしたほかは、南アフリカ航路が3.60%下落し7,221ドル／FEU、中東航路が3.94%下落し4,070ドル／FEU、南米東岸航路が3.08%下落し8,181ドル／FEU、南米西岸航路が6.72%下落し5,093ドル／FEU、西アフリカ航路も0.94%下落し6,519ドル／FEUだった。
　アジア域内航路は、東南アジア航路が2.14%下落し1,460ドル／FEU、日本航路が1.60%下落し2246ドル／FEU、中国航路も1.89%下落し52ドル／FEUと低調だった。

　先週の中国輸出コンテナ輸送市場は、北米航路で船社の一括運賃値上げ（GRI）が成功し全体の運賃上昇をけん引、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）は3328.36と前週比0.8%上昇し、6週ぶりに回復の兆しをみせた。
　先週のSCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が前週比3.7%下落し4,610ドル／TEU、地中海航路が1.9%下落し4,645ドル／TEUだった一方、北米西岸航路は8.5%上昇し6,581ドル／FEU、北米東岸航路も2.4%上昇し9,297ドル／FEUとなった。
　南北航路は豪州・NZ航路が7.6%上昇し1,911ドル／TEU、南アフリカ航路が0.2%上昇し4,809ドル／TEUとなったが、中東ガルフ航路は3.1%下落し2,139ドル／TEU、東・西アフリカ航路が1%下落し5,015ドル／TEU、南米航路も3.2%下落し7,730ドル／TEUと上げ下げが交錯した。
アジア域内航路は東南アジア航路が2.9%下落し578ドル／TEUとなったほかは、関西航路が293ドル／TEU、関東航路が299ドル／TEU、韓国航路が162ドル／TEUと、それぞれ前週から横ばいで推移した。
　北米航路は船社によるGRIの試みが成功し、6週ぶりに北米西岸、東岸航路ともスポット運賃が上昇に転じた。さらに9月1日発効で一部船社がGRIを予告しており、短期的にスポット運賃が追加上昇する可能性がある。
　欧州・地中海航路は臨時船投入による一時的な船腹供給量の増加が続き、スポット運賃の下落傾向が続いており、欧州航路の週あたり供給量は前週比約160%、地中海航路は約13%増加している。
　アジア域内航路はシンガポール港における7月のコンテナ取扱量が前年同月比42％増の357万TEUと急増、荷動きは堅調に推移しているが、船社の新規サービス開設などの影響によりスポット運賃は弱含みとなっている。
　バングラデシュは治安悪化から輸出は正常な水準に回復しつつある一方、隣国インドで主要港の港湾労働者が賃上げを要求し、8月末に全国ストを予定しており、港湾運営に支障が予想されている。

　トランスコンテナは、厦門・寧波向け混載貨物における横浜搬入先（CFS）を9月から変更する。
　現行の東海運・京浜支店（神奈川県横浜市鶴見区大黒埠頭15、市営T-1上屋別棟）から、東海運・京浜事業部物流部横浜港流通センター（神奈川県横浜市中区本牧ふ頭9-78、電話：045-628-2050、FAX：045-628-2051、保税地域コード：2EWU3）に変更するもので、新CFSは横浜CFS CUTが9月13日の本船（搬入は9月9日から）から適用開始となる。

　商船三井とブラジルのVale International SAはこのほど、Valeの鉄鉱石輸送に従事している20万トン級ばら積み船にNorsepower Oy Ltd.（フィンランド）製風力推進補助装置「ローターセイル」2基を搭載した。
　ローターセイルは高さ35m、直径5mの風力推進補助装置で、ケープサイズバルカーにローターセイルを搭載するのは世界初となる。同船はローターセイルと航海最適化システムを併用することで、1航海で平均約6～10％の燃料消費量とGHG排出量の削減が見込めるという。
　商船三井は2050年までのGHG排出ネットゼロを目標に、その実現にむけた手段の一つとして風力推進補助装置の搭載を含めた、さらなる省エネ技術の導入を目標にしている。商船三井グループは、ローターセイル、ウインドチャレンジャーなどの風力推進技術を搭載した環境対応船隊の運航を通じ脱炭素化に貢献するとしている。

　日本郵船、MTI、大島造船、寺崎電気産業、ダイハツディーゼルの5社は2023年4月～24年4月に、日本郵船が運航するばら積み船”WHITE　PRINCESS”（6万343dwt）で、発電機の周波数を状況に応じ下げて省エネ効果を生み出せる｢Hz Naviシステム｣（Hz Navi）の実証試験を実施した。実証試験ではHz Naviモードを起動した状態での燃料消費量の計測と安全性評価を実施し、発電機で約10％の省エネ効果と実証試験中の安全性を確認できたという。
　現在の発電機は、供給電力の周波数に連動して動作するポンプやモーターなどの船内機器が、想定される最悪の条件下でも十分なパフォーマンスを発揮できるよう設定されており、通常航海中の常用周波数での運転は余分な電力を消費している。このため、状況に応じて発電機の周波数を下げることで燃料消費量を抑えるシステムの開発が求められていた。
　Hz Naviは船内の状況に応じて発電機の周波数を、船級ルールで定める範囲内で調整でき、発電機の燃料消費量削減が可能とするシステムだ。
　同システムには、日本郵船と常石造船の共同特許技術（第6238600号）の発電機周波数制御技術を活用しており、発電機の周波数を常用周波数とそれより低い省エネ周波数の切り替えが可能になっている。
　5社は今後、Hz Naviの製品化に向けて連携を深め、省エネシステムの実現に取り組んでいく。

　山東港口航運集団有限公司（SPGS）の日本総代理店・日本通運によると、SPGSのRo/Ro船“PES ALIOTH”が19日、横浜港大黒ふ頭に初入港した。
　SPGS社は山東省港口集団傘下の国営船社で、コンテナ船事業を展開し、22年12月から東京・横浜/大阪・神戸/名古屋〜青島航路を週一便で結ぶ定期コンテナ航路を運営しており、日本総代理店は日本通運が担当している。
　今回の入港は、中国の連雲港から完成車を積載し、横浜港に入港したもので、不定期運航となる。
　今後、SPGSは日本各港と中国山東省（青島／煙台／連雲港／日照港）を結ぶRo/Ro配船の提供を目指しているとして、年間12回程度の寄港を予定している。

　NIPPON EXPRESSホールディングスは20日、日本通運の24年12月期第2四半期累計（24年1〜6月）の海運事業業績を発表、輸出の売上高は前年同期比18.6％減の358億6,000万円、輸入は8.7％減の277億8,900万円、国内・その他は1.3％減の292億4,800万円、合計の売上高が10.8％減の928億9,800万円だった。
　第2四半期（24年4〜6月）では、海運事業の売上高が481億4,900万円、前年同期比で1.5％の減収になったものの、第1四半期の19％減からは大幅に改善している。第2四半期の売上高のうち、輸出が6.3％減の186億8,900万円、輸入が2.1％減の144億4,200万円、国内・その他が5.9％増の150億1,800万円だった。
　第2四半期の日本発輸出NVOCC数量は0.4％減の5万7,534TEU、エリア別では米州向け2.7％減の9,376TEU、欧州向け7.1％増の6,360TEU、東アジア向け5.5％増の2万4,265TEU、南アジアオセアニア向け8.6％減の1万7,534TEU。1Qは全エリア減少したが　2Qは欧州・東アジアが増加し、数量増の傾向が数値に現れるようになった。産業別では日用雑貨・アパレルなどの一般雑貨と、電気機械・部品が10％程度の増加となり、産業機械・自動車・部品も微増となり主要産業は増加し、2Qの数量が微減まで回復した主要因となった。エリア別で見た場合　欧米では自動車・部品、アジアでは日用雑貨・アパレルなどの一般雑貨が10％以上の数量の伸びとなった。
　第2四半期の日本向け輸入のNVOCC数量は1.2％増の5万121TEU、エリア別では、米州2.6％増、欧州10.9％増、東アジア9.7％増、南アジア・オセアニア12.3％減となった。1Qは欧米発数量のみ増加したが2Qはアジア地区発数量においても一部数量増となった。海運扱いの通関件数は1.3％増の4万6,100件、前期比較でも5.7％増となり、NVOCC数量とともに2Qに入り増加傾向が顕著となってきた。
　第2四半期の港湾運送の売上高は輸出が1.3％増の62億2,700万円、輸入が1.2％減の57億2,400万円、輸出入計で800万円増の119億5,100万円。主要業務であるコンテナターミナル業務では、中国（青島）航路の取扱増など、第1四半期比で回復気配があるものの、既存の日韓航路、日中航路など全体では完全回復までには至らず、5.3％の数量減となった。ブロック別では北海道東北、関西、中国四国が増加し、関東甲信越、中部、九州は減少となった。

　鈴与は、本社エリア（静岡市清水区にある本社と別館）で、使用する全てのエネルギー由来の温室効果ガス排出量を実質ゼロとした。
　同取り組みにあたっては鈴与商事と協働し、本社エリアで使用する電力について、同社の取次のもと鈴与電力から、太陽光発電設備からのオフサイトPPA（Power Purchase Agreement／電力販売契約）による再生可能エネルギー電力の需給を開始するとともに、太陽光発電設備で賄うことのできない時間帯の消費電力は、その全てを再生可能エネルギー由来の非化石証書を使用した実質再生可能エネルギー電力へ切り替えた。

　薩摩川内市はこのほど、鹿児島県に対して、整備を進めている川内港唐浜地区国際物流ターミナルに関して、ガントリークレーンの早期整備を要請、これに対して県は27年度末までに整備すると回答した。
　薩摩川内市の田中良二市長が8月8日、塩田康一鹿児島県知事と、川内港唐浜地区国際物流ターミナルの早期整備に関して協議し、田中市長は「船舶の大型化に対応した航路に選ばれるためにも、荷役の効率性などの観点から、ガントリークレーンが必要で、早期設置してほしい」と要望した。これに対して、塩田知事は「港湾利用者への情報収集を踏まえ、船舶の大型化に対応するために、川内港に27年度末までにガントリークレーンを整備する」と回答した。

　NIPPON EXPRESSホールディングス（NXHD）の24年12月期第2四半期（24年4〜6月）の海外会社業績は、航空、海運とも取扱量回復で売上高が前年同期比56.4％増の2,479億円と増収、セグメント利益は仕入高騰などで31.8％減の56億円だった。
　米州の航空輸出は1Qまでの低調な荷動きから上向きに転じ、医療・医薬関連や生鮮関連の取り扱いが堅調に推移、数量増となった。海運についても、市場が低迷するなか前年を上回る輸出数量を確保、輸入もスポット案件の獲得もあり堅調に推移した。倉庫配送はアパレル、自動車関連顧客が活発な動きを見せており好調に推移。米州全体では数量が増え、売上高は12.1％増の413億円と増収に転じたものの、販売単価は下落傾向で推移、スペースひっ迫による仕入高騰などコスト増となり、リージョン全体で事業利益は33.6％減の16億円と減益となった。
　欧州の航空輸出は、紅海危機による海運からのシフトの影響のほか、食品関連や医薬品関連などの取り扱いが好調に推移、取扱数量増となった。海運はエネルギー、インフラなどプロジェクト関連の継続やスポット案件も多く好調に推移。倉庫配送もアパレル関連を中心に堅調な荷動きとなった。リージョン全体ではcargo-partnerがグループに加わったことが大きく、売上高は152.0％増の1,244億円と大幅増収も、仕入高騰による影響が大きく、事業利益は27.3％減の20億円と減益。
　東アジアは、航空輸出が自動車関連の荷動きが低調も、中国発e-コマースは旺盛な需要が続き数量増で推移。海運輸出は欧米向けの取り扱いが引き続き好調に推移、アジア域内も前年並みに推移、数量は増加。一方で仕入単価高騰が継続、特にロングホールは需給がひっ迫しスペース確保に苦慮した。リージョン全体では売上高が16.3％増の444億円と増収も、仕入高騰の影響で事業利益は14.4％減の9億円と減益。
　南アジア・オセアニアは、航空輸出が紅海危機の影響による需要増のほか、後半には電機電子や自動車関連顧客などの荷動きが活発になり回復基調に転じた。海運輸出は欧州向け、アジア域内は低調に推移、米州向けは好調、一部自動車部品関連で回復の兆しが見え始めている。倉庫配送は電機電子関連や消費財関連が堅調に推移。リージョン全体では、売上高が10.9％増の377億円、仕入高騰の影響で事業利益は45.9％減の10億円と減益。
　第3四半期（24年7〜9月）の業績見通しは、航空、海運の荷動きは引き続き回復傾向で推移、運賃は、航空、海運とも高止まりで推移するとみる。

　福山通運は19日、愛知県北名古屋市に新設する「北名古屋流通センター（仮称）」の起工式を開催、同センターは25年12月の竣工を予定している。
　同流通センターは、集配業務に加え、流通加工、保管業務を兼ね揃えたロジスティクスターミナルとなり、名古屋高速・清洲東ICから車で約6分に位置し、中部国際空港や名古屋港へのアクセスに優れ、中部エリアを中心とした広域配達拠点となる。業務の効率化・省人化を図るマテハン機器の充実による働きやすい環境づくりを推進するとともに、同社のネットワークを最大限に活かした倉庫保管から輸送までのワンストップサービスを実現していく方針だ。北名古屋流通センター（仮称）（愛知県北名古屋市石橋白目20）は、建築面積が7,042.50m2で、鉄骨造り地上3階建てで、延べ床面積が21,600.72m2。

　中国民間航空の7月貨物・郵便輸送量は前年同月比25.1％増の75.2万トンと23年2月以来18カ月連続のプラス、同4月以降16カ月連続の2ケタ増と旺盛な荷動きが続き2カ月連続で過去最高を更新した。国際貨物も好調で35.5％増の32.0万トンとなり3カ月連続の記録更新となった。国内貨物も18.4%増の43.2万トンと好調を持続している。
　貨物需要は23年後半から好転し、24年に入ると国内貨物は引き続き安定的な成長を持続、国際貨物は23年7月にプラスに転じて以来8月から2ケタの伸びが持続し、同12月には過去最高の29.0万トンを記録、今年に入っても勢いは衰えず、5月に29.9万トンと再び記録を更新した後は6月が29.9万トン、7月が32.0万トンと3カ月連続の新記録となった。
　急増を続ける国際貨物需要に対応して貨物便の数も増加し、上期（1-6月）の実績では中国の航空会社が8,784便の定期貨物便を運航、外国企業も含めた全体では前年同期比6％増の2万6,700便が運航され、中国航空会社のシェアは32.9％に達した。上期では国際貨物チャーター便も3,300便が運航され、これは19年同期の8.5倍に相当する便数だった。

中国の電子商取引（EC）最大手の阿里巴巴集団（Alibaba Group）はこのほど、ベトナム企業向けECの物流サービスを開始した。UPS（米国）、DHL（独）と提携、ベトナムの販売パートナーに世界200カ国・地域への商品輸出をサポートする。配送期間は3～7日以内。
　越境ECの急成長を背景に、ベトナムの中小企業は同サービスを活用することで、海外輸出と国際物流に参加する機会を増やすことができるほか、業務の簡素化やコスト削減にもつながると期待されている。

　日本航空は9月1日から適用する日本発国際貨物の燃油サーチャージは8月の適用額を継続する。
　基準となる24年7月のジェット燃料平均価格が1バレル当たり98.32米ドルだったため、燃油指標価格を「95.00以上100.00未満」となり、サーチャージ額は1kgあたり米州・欧州など遠距離路線で74円、アジア遠距離路線で45円、アジア近距離路線で40円となる。

　パナマ運河庁（ACP）は、海運会社への通知を通じて、8月15日の時点で、ネオパナマックス閘門を通航する船舶に許可される最大喫水をガツン湖の現在および予想される水位に基づき50ft (15.24m) に緩和したと発表した。さらに、追加通航枠を9月1日付で、ネオパナマックス船に10隻、パナマックス船に26隻の合計で1日あたりの予約枠を計36隻とする。
この発表は運河の開通110周年記念の一環で、通常の通航状況に戻り、顧客に安全で信頼性が高く効率的なサービスを維持するACPの取り組みを反映していたもの。
　ACPは、今後数週間のガツン湖の現在および予測水位に基づき、8月5日からネオパナマックス閘門の新しい予約枠を追加、1日あたりの通航隻数を35隻に増加するとともに、ネオパナマックス閘門を通航する船舶に許可される最大喫水を49.0ft（14.94m）とすると発表していた。
　ACPは、ガツン湖とアルハジュエラ湖の水位に影響を与えた気候変動による長期にわたる干ばつのため、パナマ運河の通航を制限していたが、こうした状況にもかかわらず、2023年は、国民への飲料水の供給を保証し、一方で大洋間を結ぶ水路の顧客へのサービスの信頼性を確保した。

　横浜市は日本の港湾として初めて、船舶から排出されGHG排出量の削減を目指すBlue Visby Consortiumに参画した。
　Blue Visby Consortiumは、船舶設計と効率運航に関わるソリューションを提供するNAPA（フィンランド）と英国の国際弁護士事務所のStephenson Harwoodを中心に、30団体以上で構成し、日本からは日本海事協会（ClassNK）、丸紅、商船三井、日本政策投資銀行が参画している。同コンソーシアムによると、海運業界では、船舶が速く航行して目的地近辺で待機する「Sail Fast, then Wait」が慣習となっており、結果的により多くのGHG排出につながっているとし、同コンソーシアムが開発した Blue Visby Solutionにより、加盟する船舶が共同で航海速力と到着時間を調整することで、同じ目的港に向かう船舶の到着時間を最適化、分散化を図るもの。同システムには、各船の性能や目的港の混雑状況、天候などの条件を考慮し、到着予定順を維持したまま各船舶に最適な目標到達時刻と航海速力を提供し、効率的な運航によるGHG排出削減を実現するもの。これにより、15%以上のGHG排出削減が可能だという。
　横浜市は、昨年10月に国内港で初めて、船舶の排出ガスの可視化サービスを開始し、横浜港内の全ての運航形態の船舶から排出されるGHG等の推計値を正確に把握できるようになった。これにより横浜港内で沖待ち中の船舶から多くのGHGが排出されていることを可視化することができるようになった。日本の港湾管理者には船舶に対して最適な航行を求める権限は無いものの、同コンソーシアムに参画することで、官民連携を通じて船舶の最適運航を訴求し、横浜港内の船舶からの船舶由来のGHG排出削減を目指す。

　寧波航運交易所（NBSE）が発表した先週の寧波輸出コンテナ貨物指数（NCFI）は、北米航路のスポット運賃が持ち直し、総合指数（2012年第10週＝1000）は前週比0.2%上昇し2440.9だった。21航路のうち6航路で指数が上昇、13航路で下落、「海上シルクロード」沿いの主要港では、1港の運賃指数が上昇し、15港が下落した。
　欧州・地中海航路は輸送需が全般に弱く、船腹過剰で、スポット運賃は引き続き下落、運賃指数は欧州航路が3207.6で前週比6.0％下落、東地中海航路が2163.5で4.2％下落、西地中海航路も2817.5で3.1％下落した。
　北米航路は船社が運賃値上げを積極的に推進、北米東岸航路のほうが北米西岸航路に比べて上昇幅が小さく、運賃水準も高く、運賃指数は北米東岸航路が3345.3で前週比3.9%上昇、北米西岸航路は3884.7で12.9%上昇した。
　中東航路は輸送需要が不足し、船社が輸送能力を削減し、運賃の下落幅を食い止めたことで、運賃指数は1589.0で前週比2.7％下落だった。
　また、先週はインド・パキスタン航路で供給過剰となり、スポット運賃の下落幅が拡大し続け、運賃指数は2046.8で、前週比13.6％に大幅下落した。

　上海航運交易所（SSE）が16日に発表した中長期契約運賃の指標である中国輸出コンテナ運賃指数（CCFI）の総合指数（1998年1月1日＝1000）は2073.4と前週比3.0%下落し2週ぶりダウン、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）は3281.36と前週比0.8%上昇し6週ぶりにアップした。
　CCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が前週比0.1%上昇し3698.36、地中海航路が3.1%下落し3553.92、北米西岸航路が7.1%下落し1457.49、北米東岸航路も5.4%下落し1675.35となった。
　南北航路は豪州・NZ航路が3.4%上昇し1147.73と唯一アップしたほかは、南米航路が7.2%下落し1465.72、中東ガルフ・紅海航路が1.2%下落し1998.40、南アフリカ航路が1.1%下落し2385.21、東・西アフリカ航路も1.2%下落し1428.97と全般的にダウンした。
　アジア域内航路は韓国航路が3.4%上昇し539.60となったが、日本航路は0.3%下落し780.71、東南アジア航路も0.7%下落し1229.99と低調だった。

　韓国税関庁（KCS）が発表した韓国企業の輸出入申告データを基にした7月の韓国輸出入輸送費用は、海上輸出は、米国西岸向けが4カ月連続、米国東岸向けとEU向けがそれぞれ3カ月連続増加、海上輸入は米東岸発が2カ月連続増加、EU発が2カ月連続下落、航空輸入は米国発、日本発が減少した。
　この輸送費用は、FEU単位で表示、スポット運賃だけでなく長期契約運賃を含めた荷主が物流費を負担するCIF（運賃保険料込み条件）、CFR（運賃込み条件）の貿易取引データから抽出した運賃情報の平均値を指数化、22年7月からは各種割り増し料やフォワーダー手数料まで含む総コンテナ輸送費用を反映したものとなり、輸入航空貨物輸送費用はkg単位で表示している。
　輸出海上貨物は米国西岸向けが前月比20.0%増の734.9万ウォン／FEU、米国東岸向けが28.1%増の773.1万ウォン／FEU、EU向けが39.2%増の808.6万ウォン／FEU、中国向けが27.2%増の70.3万ウォン／FEU、日本向けが1.5%減の70.3万ウォン、ベトナム向けが56%増の182.2万ウォン／FEUだった。
　輸入海上貨物は米国西岸発が10.7%減の250.1万ウォン／FEU、米国東岸発が3.5%増の243.8万ウォン／FEU、EU発が7.9%減の161.7万ウォン／FEU、中国発が12.8%増の124.6万ウォン／FEU、日本発が42%増の124.3万ウォン／FEU、ベトナム発が62.7%増の7126.4万ウォン／FEUだった。
　輸入航空貨物輸送費用は、米国発が1.1%減の5,591ウォン／kg、EU発が18.1%増の5,651ウォン／kg、中国発が3.0%増の3,654ウォン／kg、日本発が3.2%減の1,899ウォン／kg、ベトナム発が4.4%増の4,225ウォン／kgだった。

　南アフリカ海事安全局（SAMSA）によると、16日、南アフリカのリチャーズベイ沖を航行中、LNG燃料船、"CMA CGM Belem"（13,000TEU）が悪天候により甲板上に積みつけたコンテナが崩壊、99本のコンテナが海に流される事故に見舞われ、当局は船舶に対し航行の安全に関する警告を発し、海上に浮かんだままのコンテナを目撃された場合は報告するよう呼びかけた。同船はクーハ港に避難している。当初、マプート湾に避難しようとしていたが、更なる評価の後、同船の喫水の関係で、クーハ港が唯一適切な避難港であると判断したもの。
　"CMA CGM Belem"の事故は、CMA CGM Benjamin Franklin"（17,859TEU）が7月11日、喜望峰を航行中、南アフリカ沖でコンテナ44本が海中に流出する事故を起こしてからわずか1カ月後に発生した。両船とも紅海危機のため、アジア／欧州航路で喜望峰経由の迂回ルートに変更を余儀なくされ、通常は通過しない喜望峰地域で厳しい冬の嵐にさらされている。

　韓中カーフェリー協会がまとめた今年1～7月累計のコンテナ輸送量は31万2,228TEUと前年同期比3.4%増加した。旅客数は40万5,398人だった。
　航路別にみると、仁川／威海航路が前年同同月比10.9%増の2万6,456TEU、仁川／青島航路が4.1%増の2万7,462TEU、仁川／煙台航路が9.3%増の2万3,947TEU、平澤／煙台航路が1.5%増の2万3,647TEUとなった。
　また、仁川／連雲港航路が2.9%増の3万723TEU、平澤／連雲港航路が7.1%減の1万8,891TEU、仁川／秦皇島航路が18.5%増の1万9,080TEU、群山／石島航路が9.9%増の1万9,998TEU、仁川／大連航路が13.8%減の8,835TEU、平澤／栄成航路が1.0%減の2万9,495TEU、仁川／石島航路が3.7%減の3万1,539TEU、平澤／日照航路が7.7%増の2万5,992TEU、平澤／威海航路が2.7%減の1万7,851TEU、仁川／栄成航路が19.7%増の8,342TEUだった。

　英国の船主責任保険（P&I）会社、WESTの情報によると、デンマーク政府が2025年7月1日から海岸から12海里以内でオープンループスクラバー（排ガス洗浄装置）からの洗浄水排出を禁止するのに合わせて、スウェーデン政府も領海内で同様の制限を強制することを決定した。
　スウェーデン政府は、2024年6月に、オープンループスクラバーからの排出を2025年7月1日から禁止するのに続き、2029年1月1日からはクローズドループ式を含むすべてのタイプのスクラバーからの排出が禁止する予定。
　スウェーデンの一部の港では、港の制限内でのオープンループスクラバーからの洗浄水排出を禁止しているが、全国的に禁止することはなかった。
　欧州連合（EU）内にはスクラバーからの洗浄水排出の禁止に関する普遍的な法律はないが、世界的には一部の国や港湾が独自に規制を実施しており、環境保護に向けた大きな動きとなっている。
　2020年1月１日から始まった国際海事機関（IMO）による船舶燃料油の含有硫黄分濃度規制（SOx）強化を受けて、クルーズ船を含めた船舶が従来型の硫黄分3.5%の高硫黄燃料（HSFO）を使う場合には、スクラバーに代表される排ガス浄化装置を新たに搭載し、排ガス規制値をクリアする対策が求められるようになった。ただ、スクラバー使用に際して、排ガス浄化のために使った海水などの洗浄水を船外に排出した場合に「周辺の海洋環境にどのような与える影響か」が問題になり、一部の国ではスクラバーを禁止し、船主に硫黄分0.5%以下の低硫黄燃料油（VLSFO）や代替燃料などの他の実行可能な汚染防止手段の使用を促している。

　Interasia Lines（IAL）、PIL（シンガポール）、SeaLead Shipping（シンガポール）の3社は8月31日から中国主要港（寧波・上海・蛇口）とバングラデシュのチッタゴン港を結ぶ新サービスを開始する。IALはIAL Bangradesh Express（IBX)、PILはChina Chittagong Express（CCE）、SeaLeadはCTGのブランド名でそれぞれサービス、PILの"Kota Anggun"（1,510TEU）を第1船にコンテナ船4隻を投入し寧波～上海～蛇口～チッタゴン～寧波のローテーションで1ラウンド28日の定曜日ウイークリーサービスを展開する。PILはシンガポール接続によるBD1、BD2にCCEを加えバングラデシュサービスを強化する。

　Drewry Maritime Reserch（英国）の調べによるとEU排出権取引制度（EU-ETS）の導入は、特にドラバルク船で、欧州の輸送コストの大きな影響を与え、「2030年までに1990年と比較し排出量を55%削減する」という目標を実現するために提案されたEUのGHG削減政策パッケージである「Fit for 55パッケージ」と EU排出量算定、報告および検証 (EU-MRV) 制度は、すでに排出量関連コストを削減するために、より効率的な船齢の若い船舶の取引へ移行、運賃の上昇につながる見通し。
　排出枠のキャップアンドトレード制度は、船主に航海中に船舶から排出されるCO2に相当する欧州連合枠（EUA）の購入を義務付けるもので、今年1月1日に発効した。EU MRVデータ（2023年）によると取引する船舶のほぼ30％がドライバルク船で、脱炭素規制の影響を受けやすい船舶の最大の割合を占めているという。
　Drewryに調査では、2022年と比較して2023年にEUの港に寄港する船舶の総数が減少するのと並行して、EUの港に寄港するドライバルク船は2022年の4,248隻から2023年には3,211隻に減少し、すべての部門の中で24％という最大の減少を記録した。また、dwtあたりのCO2排出量は2022年と比較して2023年は6%減少した。
　欧州で運航しているドライバルク船隊のうち、4分の3は、伝統的なスープラマックス、ウルトラマックス、カムサルマックス、中・大型のハンディサイズで、セグメントでは石炭、穀物、マイナーバルクなどの実質的な商品が欧州内で取引されているため、この構成は前年比で実質的に変化しておらず、2022年と2023年にはこれらの船型が上位5となっている。
　EU-ETSによる排出ガス規制の追加費用により燃料費が増加すると予測されており、例えば2017年建造のスープラマックスをスクラバー（排ガス洗浄装置）なしで運航すると、2024年に燃料費が13%増加、2026年までにさらに増加を訃報予想、この増加はオペレーターがコスト管理のために船隊を調整する必要から欧州の貨物市場全体に直接影響を及ぼすとみている。
　また、2025年、2026年とEU ETSの影響が強まるのにつけ、欧州ではより効率的な船舶を運航する傾向が加速すると予想、炭素排出コストに対する財政的な圧力によって船隊構成が継続的に変化し、船主はコンプライアンスコストを軽減するため、より新しい環境にやさしい船舶を好むようになるとみている。

　シンガポール船社のPILは19日、船隊更新計画を強化、中国船舶集団（CSSC）傘下の滬東中華造船にLNG二元燃料エンジンを搭載した1万3,000TEU型コンテナ船5隻を新たに発注したと発表した（写真）。パナマックスサイズの新造船は、2026年末から順次引き渡しを受ける予定。
PILのラース・カストラップ最高経営責任者（CEO）は「今回発注したコンテナ船は、PILの船隊更新戦略の一環としてより大型で環境に優しいもので、現在保有する新造船13隻に加え、14,000TEU型コンテナ船4隻と8,200TEU型LNG二元燃料コンテナ船4隻を建造中で、14,000TEU船のうち最初の2隻は今年後半に引き渡される予定で、2050年までにネット・ゼロ・エミッションを達成する脱化石目標に大きく貢献することになる」とコメントしている。
　今回発注した新造船は、最適化された船型、大型ポンプや換気ブロワー用の可変周波数駆動（VFD）モーター、低エネルギーLED照明、高級船底塗料など、最新の技術と省エネ機能が組み込まれ、国際海事機関（IMO）の25年以降の契約船に適用する新造船エネルギー効率設計指標（EEDI）フェーズ3とCII燃費実績格付け制度に適合、さらに、人工知能（AI）やモノのインターネット（IoT）などのデジタル機能が、作業の自動化のための設計や設備が組み込まれていおり、船舶の運航と航路を最適化し、安全性とセキュリティを高め、エネルギー使用量を最小限に抑えるPILの海事効率化センターの能力をさらに高めることになるという。

　世界のフレイトフォワーダーの2023年航空貨物取扱量ランキングは、アームストロング＆アソシエイツ社（米国）の「トップ25グローバル・フレイト・フォワーダーズ・リスト」によると、Kuehne &Nagel（スイス）が前年に続き首位の座を維持したものの、扱い量は前年比11.2％の減少で198.3万トンと3年ぶりに200万トンを下回った。
　航空貨物荷動きは21年にパンデミックの反動による急増後、22年からは落ち着きを取り戻して正常化に向かったものの、緊急時に積み上がった過剰在庫、主要国の景気後退の長期化による需要低迷やそれに伴う自動車、半導体関連などの減産で23年は低調に推移、第4四半期からは持ち直してきたものの、フレイトフォワーダーにとってはストレスのかかる厳しい環境だった。
　ランキングでは2位以下4位までは前年と変わらず、DHL Global Forwarding（ドイツ）が12.1％減・167.2万トン、3位DSV（デンマーク）が16.2％減・130.6万トン、4位DB Schenker（ドイツ）が15.6％減・114.8万トンといずれも2ケタのマイナスとなった。
　5位にはSINOTRANS（中国）が15.5％増の90万トンと大幅な伸びで前年の8位から躍進した。中国ではパンデミック以降世界的なeコマース需要の急増でEC市場規模が拡大を続け、アリババ、天猫国際（Tmall Global）、京東商城（JD.com）、拼多多（Pinduoduo）、蘇寧易購（Suning）、シーイン（SHEIN）、ティームー（Temu）など海外に直送する通販サイトを通じて輸出される越境貨物が急速に拡大している。中国のフォワーダーはこの恩恵によって取扱量を伸ばしており、9位の欧華国際物流は19.2％増の59万トンでベスト10入りを果たした。
　米国や日本のフォワーダーは欧州のフォワーダー同様世界経済の影響に左右され、ほとんどが前年の水準を下回る状況が続いた。
　14位のBollore LogisticsはCMA CGMグループが買収したため、24年は同グループのCEVA　Logisticsと統合され、23年の実績では80万トンと6位に相当する。
　その他順位の変動で目立ったのはMaersk Logisticsで、競合他社が取扱量を落とす中で40％近い増量を達成、前年の25位から9ランク順位を上げて16位へと急上昇した。これは買収による効果で、同社は22年にSenator International（ドイツ）、Pilot Freight Services（米国）、さらに香港の大手コントラクトロジスティクス企業のLF Logisticsも買収している。

　日本郵船と日本シップヤード（NSY）が共同開発し、2026年11月に完成予定のアンモニア燃料アンモニア輸送船(AFMGC: Ammonia-fueled Medium Gas Carrier)が、日本海事協会(ClassNK)から、機関室に対する優れたアンモニア安全策を備えた船舶であることを示す船級符号の付記｢Machinery Room Safety for Ammonia（MRS）を本船竣工時に世界で初めて取得することになった。MRS取得は、同船にアンモニア燃料船の安全要件として最高水準の安全対策が施されていることを意味する。
　日本郵船とNSYが所属するコンソーシアムは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によるグリーンイノベーション基金事業の助成をうけ、2026年11月末竣工に向け同船の設計開発を進めており、機関室内の｢毒性の克服｣が大きな課題の一つで、配管やタンクから漏洩しない設計など船員の安全を守る対策が必須となっている。そのためコンソーシアムメンバーによるリスク評価、機関長・機関士を中心とするユーザー目線からのリスク評価・安全対策の立案、世界最高水準の安全性を実現する本船仕様を検討してきた。
　ClassNKのアンモニア燃料船の安全要件には、船内でアンモニアを安全に使用するための最低限の設計要件が規定されており、MRSを取得するには、新たに制定された｢機関室内で漏洩したアンモニアが人員に曝露する危険性を最小化する機能要件｣を満足している必要があり、追加の要件を満たしたことにより安全性が高い船舶にのみ与えられる船級符号への付記を受けることになった。
　今後、詳細検討の継続や、実運航に向けた運航マニュアルの整備などを進め、安全性のいっそうの向上を目指すという。

　PSA International（シンガポール）傘下の物流ソリューション開発を手がけるPSA BDP（米国）はこのほど、荷主向けに新たにCarbon Dashboard data serviceを開始した。
　新サービスは、荷主向けに自分の貨物輸送由来のGHG排出量をWebベースのシングルウィンドウで一括把握、管理できるもので、従来複数のフォワーダーや輸送事業者から開示された排出量をまとめる煩雑な作業を一括で処理でき、Scope3までを対象とした貨物輸送によって発生したGHG排出量の削減への取り組みをより容易にするという。
　ダッシュボードでは、輸送モードごとの運賃、排出効率性やトン数、TEU単位での排出量などを把握できるようになっており、排出削減に向けたコスト効率の比較もできるようになっている。
　新サービスで計算される排出量はEcoTransIT World排出計算システムを活用しており、信頼性の高い排出計算ができ、顧客は自分のニーズに合った方法でカーボンフットプリントとして、排出量を第三者向けに出力することができる。また同ソリューションを通じて、輸送による排出削減に向けた改善方法などを提供するとしている。

　X-Press Feeders（シンガポール）は8月6日からタイのレムチャバン港とシンガポール港を結ぶThailand Straits X-Press（TSX）Serviceと呼ぶシャトルサービスを開始した。TSXには"Green Earth"（1,809TEU）を専用投入し、シンガポール（月／水）～レムチャバン（金／土）定曜日ウイークリーサービスを展開する。レムチャバンからシンガポールまでのトランジットタイムは2日で、レムチャバン週末寄港のスケジュールで利便性が高い。

　商船三井は19日、酪農が盛んな北海道浜中町で商船三井さんふらわあ、地元の浜中町、浜中農業協同組合、高梨乳業、北海道ガスと共に、家畜糞尿や同町で排出される有機物などからバイオメタンを製造し、道内の工場や道内港湾に寄港する船舶で低・脱炭素エネルギーとしての活用に向け検討を開始した。
　LNGは現在、石炭・石油といった従来燃料に代わる低炭素燃料として利用されており、工場や船舶で従来の燃料に比べ25～40%の二酸化炭素（CO2）排出を削減することができる。今回の検討では、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、浜中町内で製造するバイオメタンを工場や船舶で一部または全部利用する場合の事業性評価を行う。
　バイオメタンは、既存の輸送や消費に関わるインフラを流用できるため、最終目標である脱炭素に向けた有効エネルギーとなり、今後、参加する6組織は、それぞれの知見を持ち寄り、検討を進めていく。

　スロベニア・コペル港における今年第2四半期（4～6月）の総コンテナ取扱量は全年同期比7.9％減の580万トンで、うちコンテナは5.5％増の250万トン、車両などは3.2％増の39万トンだった。
　今年上半期（1～6月）の総貨物取扱量は0.7％増の1,080万トンで、うちコンテナは0.2％増の460万トン、車両は8.8％減の72万6,000トンだった。

　DP World（UAE）の今年第2四半期（4～6月）の総コンテナ取扱量は前年同期比7.5％増の2,180万TEU、また米州は14.7％増の320万TEU、豪州・アジア地域は10.2％増の1,090万TEUといずれも過去最高を記録した。
　また欧州・アフリカ・中東地域も1.4％増の780万TEU、ドバイ・ジェベルアリ港は4.3％増の370万TEUだった。
　今年上半期（1～6月）の総コンテナ取扱量は6.8％増の4,260万TEUで、うち米州が13.2％増の630万TEU、豪州・アジアが10.2％増の2,120万TEU、欧州・アフリカ・中東が0.2％増の1,510万TEU、ジェベルアリが3.9％増の730万TEUだった。

　商船三井はこのほど、大手金融サービス企業のMSCI（米国）が作成するMSCI日本株女性活躍指数（WIN）の2024年度の構成銘柄に2年連続で選定された。
　WINはMSCIが算出、公表している株価指数（MSCI World Index）のうち、企業における女性の雇用・昇進などのデータやダイバーシティの取り組みなど、性別多様性に優れた企業を選定する指数で、年金積立金管理運用（GPIF）が採用する日本株のESG指数の1つとなる。
　商船三井は2023年4月に、グループの人材活用に関する基本的な考え方を示す「商船三井グループ Human Capital (HC) ビジョン」を策定し、そのなかで多様性 DE&Iを掲げている。

　日本郵船グループのNYKバルク・プロジェクトは1日、神原汽船と新造メタノール二元燃料ばら積み船の定期用船契約を締結した。
　同ばら積み船は現在、常石造船常石工場で建造中で、2025年春に竣工予定となり、日本郵船グループが運航するばら積み船としては初のメタノール二元燃料船となる。
　新ばら積み船は全長200m、幅32.25m、深さ19.15m、6万5,700dwtで、メタノールと重油の両方を燃料として使用できる二元燃料主機を搭載する。主な燃料はバイオメタノールや、再生可能エネルギー由来の水素と回収したCO2を利用して生成したeメタノールを想定し、これら低炭素メタノールを燃料として使用することで、GHGの大幅な排出量低減を目指す。
　また、新造船は穀物や鉱石など、多様な貨物の輸送ニーズを満たす汎用船型で、ウルトラマックス船型として最大級の積載性能を誇る。

　商船三井は19日、7月下旬に発生した秋田・山形県 豪雨の被災者の救援および被災地の復興のために、500万円の義援金を拠出することを決定した。あわせて、商船三井グループの役職員による募金活動を行い、集まった募金を寄付する。
　商船三井では、被害を受けた方々が一刻も早く通常の生活に戻れることを祈念するとともに、今後も様々な形で被災者の皆様の支援と被災地復興のために貢献していくとしている。

　ロシア全商業港における1～7月の総貨物取扱量は前年同期比3.1％減の5億2,180万トンだった。うち輸出は3.1％減の4億1,160万トン、輸入は6.1％増の2,420万トン、積み替えは3.3％増の4,010万トン、内貿は12.0％減の4,600万トンだった。
　貨物別では、ドライ貨物が2.9％減の2億5,780万トン、うち石炭は11.4％減の1億1,260万トン、穀物は6.5％増の4,260万トン、コンテナは10.8％増の3,210万トン、鉱物・肥料は26.5％増の2,500万トン、金属類は15.7％減の1,100万トン、車両類は0.9％減の470万トンだった。液体バルクは3.4％減の2億6,400万トンで、原油が0.9％減の1億6,000万トン、石油製品は9.8％減の7,750万トン、LNGは2.6％増の2,060万トンだった。
　港湾地域別では、北極海岸が4.7％減の5,500万トン、バルト海岸は1.3％増の1億6,200万トン、黒海・アゾフ海岸が7.4％減の1億6,280万トン、カスピ海岸は15.8％増の500万トン、ロシア極東は2.7％減の1億3,700万トンだった。

　村上英三氏（むらかみ・えいぞう、川崎汽船元会長・現顧問）8月1日死去。
71歳。葬儀は近親者で執り行った。喪主は夫人の村上吉美（よしみ）さん。
　1975年川崎汽船入社、2005年取締役就任、2014年副社長執行役員、2015年社長執行役員就任、2019年取締役会長就任、2020年特別顧問就任、2024年顧問に就任。また2015～19年に日本船主協会副会長を務めた。

　キャセイパシフィック航空の7月の貨物輸送量は前年同月比9.6％増の12万6,797トン、前月比でも2％増と夏季の閑散期にもかかわらず高い伸び率を記録した。香港や珠江デルタ地域から輸出するeコマース商品の伸びが持続しているほか、東南アジアや南西太平洋地域から香港、中国本土向けの生鮮品や、貨物専用機を利用したプロジェクト貨物や規格外貨物の取扱量が増加した。
　8月の貨物トンキロは0.5％のマイナス、一方で貨物キャパシティが2.1％増加したことでロードファクターは1.5％落ち込んで58.3％となった。

　セイノーホールディングスは今年4～7月に、朝日大学（岐阜県瑞穂市穂積）と地域社会の発展と人材育成を目的とした「産学連携協定」の一環として、計15回の寄付講座を実施し、学生約60人が参加した。同講座は、社会人1年目から即戦力として活躍できる思考、行動を習得できる内容となり、「自分を知ろう」「コミュニケーション力を高めよう」「見方を変えてみよう」「PDCAサイクルを回して目標を達成しよう」「社会課題の解決に貢献しよう」「AI講座」などセイノーホールディングスグループでの社内研修や仕事の進め方をもとにした講座を開催した。特に第14～15回の講座では、「ビジョンを持とう」をテーマに、経営者の心得を学び、それぞれの学生がビジョンをプレゼンテーションした。また、夢「あるべき姿」からバックキャスティングを学び、実践した。
　セイノーHDと朝日大学は2013年に産学連携協定を締結後、セイノーHDの人事チームが講師を務める寄付講座を実施している。
　参加した学生からは、「人前で話すことが得意でなかったが、講座を通じてコミュニケーション力やプレゼンする力を身に付けることができた」「時代に合ったスキル、知識を学び続けていくことが大切だと感じた」など、多くのコメントが寄せられた。

　日本通運はこのほど、能登半島地震における食糧支援への貢献が評価され、農林水産大臣感謝状の授与を受けた。
　日本通運は、今年1月1日の能登半島地震後、政府や各団体からの要請を受け、支援物資輸送や、政府が開設した広域物資輸送拠点（一次拠点）における荷捌きや物資管理、輸送業務などを実施した。また輪島市では地域内輸送拠点（二次拠点）における物流専門家としての拠点運営助言・支援業務に取り組み、被災地支援に貢献した。
　今回、災害時における食糧支援に関する意見交換も実施し、農林水産省大臣官房新事業・食品産業部の野添食品製造課長（写真左）は「震災により現場が混乱している中、輸送拠点の設置について物流のプロにマネジメントしてもらい大変助かった」と述べ、日本通運の加藤取締役常務執行役員（写真右）は「災害時指定公共機関として過去の災害でも行政と一体となって取り組んできた経験と知見を今回生かすことができた。今後も経験と知見をどう活かしていくかを意識し、常に新しい技術を取り入れながら、防災、減災につなげていく」と述べた。

　カナダのスティーブ・マッキノン労働大臣が、Class 1鉄道のCanadian National鉄道（CN）、Canadian Pacific Kansas City鉄道（CPKC）と車掌などで構成する乗務員組合のTCRC（チームスターズカナダ鉄道会議）との労働協約改定交渉に介入しないという決定を下したことにより、両鉄道は15日、コンテナ貨物の受け入れを停止した。
　CNは労使交渉に政府による拘束力のある仲裁が必要であると主張し続けていたが、これが拒否されたことから、カナダの鉄道ネットワークの段階的な閉鎖を開始したと発表し、TCRCと合意が得られない場合は8月22日にロックアウトすると付け加えた。また、CPKCも15日、CNと同様に労使が合意に達しなければ22日にロックアウトに入ると発表した。CPKCはまた、危険物の新規輸送の受け入れを停止するが、施設が満杯になるまで非危険物インターモーダルコンテナのターミナルへの持ち込みは許可するとしている。
　ロックアウトに入るとカナダ最大のコンテナ港であるバンクーバー港が最も影響を可能性が高く、すでにバンクーバー港では、2023年の港湾ストや山火事による鉄道運行の中断による約1万3,000本のインターモーダルコンテナの在庫が残っているといわれ、ターミナルからコンテナがタイムリーに引き渡しされなければ、コンテナ列車が運行されないため、港はすぐに混雑が予想されている。

　エーアイテイー（AIT）は21日から、同社が提供するオンラインでのフォワーディング・通関サービス「Cargo Information Service（CIS）」の機能を、一部航路を対象として拡充する。
　今回の機能拡充は、より正確な本船の運航動静情報や、経由港での積み替え接続本船のスケジュール情報の速やかな提供を目的に、CISについて外部専門サービスと連携する。CISに追加する新機能は、本船の航行情報のリアルタイム表示、本船動静（ETA/入港予定日、積み替え本船情報）の自動更新、AIによる本船到着予定日時の独自予測情報で、サービス開始時の連携対象航路は、バングラデシュ・カンボジア・ミャンマーの各港発、日本主要港（東京/横浜/名古屋/大阪/神戸/門司/博多）向け、連携対象船社はEvergreen、Interasia、ONE、OOCL、SITC、Wan Hai。
　新サービスは、衛星技術などの活用による本船の位置情報を基に、より正確な本船の航行情報を提供するとともに、船社情報の他、各国地域のターミナル情報や気象データなどを加えたAI機械学習により、本船の目的港への入港予定日を独自に予測し提供する。今回、外航本船の航行情報を専門に取り扱う外部サービスと、同社CISとのシステム連携により、顧客の貨物についての高度な輸送情報を提供していく方針だ。同サービスの連携は、当面一部航路に限定しての提供となるが、連携対象航路の拡充を予定している。また、該当の航路でも適用外のサービスも一部ある。
　AITは今後もCISの機能拡充を計画しており、「チャット機能の利便性向上」や「動静遅延を含む、各種アラート情報の自動通知機能の付加」などの機能付加を検討していく方針だ。

　Drewry Maritime Research（英国）が15日に発表した太平洋航路、アジア／欧州航路、大西洋航路における主要8ルートの世界コンテナ運賃指数（WCI）の総合指数は、5,428ドル／FEUと前週から2%下落し4週連続でダウンしたが、前年同期を196%上回った。パンデミック前の最高値を付けた2021年9月の10,377ドル／FEUを48%下回っているが、2019年の平均運賃1,420ドル／FEUを282%上回り、年初からの平均は4,039ドル／FEUで5、過去10年間の平均2,798ドル／FEUより1,242ドル高い水準となった（2020年から22年の間はコロナ禍の影響で異例の値上がり）。
　先週のスポット運賃を航路別にみると、上海→ロサンゼルスが前週比3%（198ドル）下落し6,303ドル／FEU、上海→ロッテルダムが2%（173ドル）下落し7,756ドル／FEU、上海→ジェノアが2%（127ドル）下落し7,182ドル／FEU、上海→ニューヨークも2%（167ドル）下落し8,764ドル／FEU、ニューヨーク→ロッテルダムが1% (4ドル) 下落し762ドル／FEUとなった。
　一方、ロッテルダム→上海は横ばいの629ドル／FEU、ロサンゼルス→上海が横ばいの707ドル／FEU、ロッテルダム→ニューヨークも横ばいの1,961ドル／FEUで安定していた。
　Drewryでは、スポット運賃はピークに達したが、輸送の混乱が続くため、しばらくは底堅く推移するとみている。

　ドイツの海運経済物流研究所（ISL）の調べによると、世界の港湾における月間自動車取扱台数は、今年上半期（1～6月）も160万台から200万台で推移、2021年半ばにすでに明らかになっていた傾向を裏付けるものだった。
　ISL港湾データベースに登録され、取扱台数実績を公表している港湾の年間実績も、新型コロナのパンデミック（世界的大流行）によって例外的に困難だった数年間を経て、顕著な回復を示し、主要港湾の自動車取扱台数の大幅な増加を示した。
　2023年の港湾自動車取扱台数の合計は7,680万台で、前年に比べ10.5％増加したが、7,800万台を取り扱った2018年の過去最高記録をまだ2％下回っている。
　ドイツのブレーメン・ブレーメルハーフェン港だけが、前年比でさらなるマイナスを記録、2021年から2022年にかけて4％減少したあと、2023年には10％以上の減少となり、同港の関係者によると、この減少は、経済発展に加え、ドイツの自動車メーカーによる生産拠点の海外移転が進んでいるためだという。
　日本の主要港は、名古屋港が9.7%増、東京港、横浜港、神戸港もプラス成長、ベルギーのアントワープ・ブルージュ港が9%増の360万台、2022年に20%以上減少した韓国の光陽港が1.3%増の140万台、英国のグリムスビー港とイミンガム港も18%増と上位20港の中で順位を回復している。
　タイのレムチャバン港は21.5%増の152万台、トルコのコジャエリ（イズミット）港は36％増の158万台と過去最高の取扱い実績を達成した。
　ISLでは、自動車船隊とRo/Ro船隊が世界の全商船隊に占める割合は0.6％、0.4％重と重要性は小さいが、世界経済の発展にとっては極めて重要であるとしている。

　Maersk（デンマーク）とX-Press Feeders（シンガポール）は今月上旬から、アジアにおけるターミナル混雑に対応し、協調配船する極東／中東航路のSafina/CJX、極東／インド西岸航路のFI3/NWXを一時的に改編した。
　Safina/CJXは、4,500〜5,000TEU型6隻を投入、東航でシンガポールを抜港しタンジュンペレパスに追加寄港し、8月8日寧波発”MAERSK BALTIMORE”（4,504TEU）から、寧波〜上海〜赤湾〜タンジュンペレパス〜ポートクラン〜ジェベルアリ〜コロンボ〜タンジュンペレパス〜寧波の新ローテーションで年末までの期間、定曜日ウィークリーサービスする。
　また、FI3/NWXには4,600〜7,100TEU型7隻を投入、8月1日青島発”X-PRESS CASSIOPEIA”（7,092TEU）を第1船に、シンガポールを隔週寄港、コロンボを抜港し、青島〜天津〜釜山〜タンジュンペレパス〜ポートクラン〜ナバシェバ〜ピパバブ〜カラチ〜ムンドラ〜ポートクラン〜シンガポール（隔週）〜青島の新ローテションでウィークリーサービスしている。コロンボの抜港は9月いっぱいまでとなる。

　A.P.Moller-Maersk（デンマーク）はこのほど、ロイズ船級協会（LR）、英国の原子力エンジニアリング会社のCORE Powerと原子力推進コンテナ船の実現に向け長期の共同検討することで合意した。3者は今後、第四世代原子炉を搭載した商船の実現に向けた安全性基準や規制の検討、必要な枠組みなどの構築を進める。
　LRはこれまでに、GHG排出を抑えたゼロエミッション船の選択肢の一つとして原子力商船の可能性について、いち早く検討を始めきた。1950年代には米国で原子力貨客船のプロトタイプとして”Savannah”を建造したが、その後は原子力災害を懸念する世論が高まり、現在ではロシアが商船、砕氷船で原子力船を運用するのみとなっている。
LRは技術革新により、第4世代原子炉によるコンパクトで保守点検の負担が少ない原子炉の商船への搭載の将来性について実現性が高いとしている。またMaerskの関係者は、現時点で原子力の利用はメリットよりデメリットが高いとしつつ、第4世代原子炉の開発により課題が解決されれば、「10〜15年後の物流業界にとり、脱炭素化に向けた新たな選択肢が一つ増えることになる」と述べているほか、CORE Powerの関係者は。原子力利用の拡大なくしてGHGネットゼロはありえないとの主張を展開し、浮体式原子力発電所と原子力船の将来性を訴えている。

　海外の海事メディアは、来年2月に迫ったコンテナ船社のアライアンス再編に向けて、MSC（スイス）、Hapag-Lloyd（独）がそれぞれ船腹増強、サービス体制の転換に着手していると伝えている。
　AXS-Alphaliner（仏）によると、MSCはすでに来年1月のMaersk（デンマーク）と構成してきた2Mの解消を見据え、東西航路で単独サービスと投入船腹量を増加させ自社のみのサービス展開の比重を増やしているという。MSCによる非2Mサービスに就航する船腹量はアジア／北米航路、極東／欧州航路で73万3,000TEUとなり、すでに自社サービス全体の33.2％を占めている。
　他方、THE Allianceからの脱退が決まっているHapag-Lloydも非アライアンスサービスで東西航路に多くの船腹（自社全体の15.4％）を投入しているほか、HMMも同様に配船をしているが、来年2月にHapag-LloydがMaerskとGemini Cooperationを構成すると両社はいずれもそれぞれの加盟アライアンス向けに多くの船腹を投入することになると見られる。
　特にMSCは今後も単独サービスの比重が増加する見通しで、同社は現時点で東西航路に240万TEUを投入、一方、Gemini Cooperationによる投入船腹は260万TEUになるという。
　HMMの非アライアンスサービスへの投入船腹は28.3％に達するが、再編に向けて今後はTHE Allianceへの投入量を増やす必要に迫られるとみられる。

　ベトナム海運総公社（VIMC）傘下のハイフォン港は、来年2月末までにラクフェン港区のハイフォン国際ゲートウェイ港No.3～42バースの第1期（写真）の運用を開始することを目標に試運用を開始した。
　3～4バースは、総面積47ha、岸壁総延長750mで、ガントリークレーン6基を備え、8,000～14,000TEU型コンテナ船2隻が同時着岸できるほか、岸壁延長150mの3,000dwt型（160TEU）バージの1バースを備え、年間110万TEUを処理できる。
　7兆ドン(約330億円)を投資、2022年7月から建設を開始、8月初旬時点で約85%が完成、三井E＆Sで製作したコンテナクレーン30基（岸壁用ガントリークレーン6基、ヤード用トランスファークレーン24基）の据え付け作業を進めており、来年2月末までに第1期の施設が稼働、来年中に全面稼働を目指している。
　昨年7月にはMSC（スイス）傘下のコンテナターミナル開発・投資会社のTerminal Investment Ltd.（TIL）がラクフェン国際ゲートウェイプロジェクトに参画、合弁会社を設立する契約を締結している。

　UAEのターミナル・物流大手、DP Worldの今年上半期連結業績は、米州、欧州、アジア太平洋、ドバイにおけるコンテナ取扱量が増加し、売上高が前年同期比3.3％増の93億3,500万ドル、一方、調整後のEBITDA（税引き前・利払い前・償却前利益）は紅海情勢の悪化や物流事業の拡張・投資により4.3％減の24億9,700万ドルと増収減益になり、EBITDA利益率は26.8％と2.1ポイント下落した。当期利益は2.1％減の20億9,100万ドルだった。
　同社の期中の投資額は9.2％増の9億9,400万ドルで、うち港湾ターミナル関連に5億9,300万ドル、物流・経済団地整備に2億7,800万ドル、海上輸送事業に100万ドルを投資した。
　DP WorldのSultan Ahmed Bin Sulayem会長兼CEOは、地政学的な悪条件やマクロ経済状況の悪化にもかかわらず、中長期的な世界貿易には肯定的な見通しを持っているとし、統合物流事業ネットワークの拡大に向け投資を継続しするとしている。

　シンガポールの資源商社、Trafiguraによると、イエメンのイスラム武装組織フーシ派による紅海での商船攻撃は環境にも多大な影響を与えており、喜望峰経由の迂回ルートへの変更で、今年はタンカーだけで日量20万バレルの燃料油を追加消費する見込みで、世界のタンカー船隊の年間CO2排出量を4.5%増加させることなるという。
　インド洋と地中海を結ぶ紅海航路は、はるかに短く、（通常は）コストが安く、多くの運航船社が引き続きこの航路を使用しているが、業界は紅海の安全確保のためのベストプラクティスを開発しているが、船舶管理者らはリスクを完全に回避し、喜望峰経由の遠距離航路に切り替えることを推奨している。
　コンテナ船隊の大部分が喜望峰経由に変更、タンカー、ガス運搬船隊の大部分も移行しており、迂回ルートにより、アジア／欧州航路、アジア／北米東岸航路の航海距離は約200～3,000海里延びる。デンマークの海運コンサルタント会社Vespucci Maritimeは、喜望峰経由でコンテナ船が毎週航海する余分な距離は、地球から月までの距離を超えると推定、多くの船舶は航海が長くなるにつれて時差を埋めようと速力を上げ、燃料消費量が増加しており、Trafiguraによると、コンテナ船やその他の船舶を計算に含めると、今年海運業界は1日あたり50万バレルの燃料油を追加消費することになると見込んでいる。
　国際エネルギー機関（IEA）は、紅海回避により世界の燃料供給需要が、量は少ないものの、日量約20万バレル増加することに同意しており、IEAは、この増加は、東西航路における船舶燃料油の主要供給拠点であるシンガポール（紅海による渋滞の影響を最も受けている港の一つ）の供給業者で特に顕著になると予測している。

　シンガポール海事港湾庁 （MPA）と国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・シンガポール（GCNS）は14日、海事業界の炭素会計と管理能力を強化するための覚書（MoU）に署名した。覚書は、海事企業に持続可能性報告トレーニングを提供する2017年の覚書を含め、MPAとGCNSの海事持続可能性能力を向上させるための長年にわたるパートナーシップに基づくもの。
　新しい覚書に基づき、MPAとGCNSは地域フェリー運航者協会、シンガポール海洋・海洋エネルギー産業協会（ASMI）、シンガポール船舶供給・サービス協会（SASS）などの主要な業界団体と協力、シンガポール海運協会（SSA）は、企業の炭素排出量を測定および監視するために炭素排出量記録ツール（CERT）を使用する方法についてワークショップでメンバーをトレーニングする。
　パートナーは、海運会社が低炭素およびゼロ炭素排出技術や船舶設計の導入コストを削減するために使用できるグリーン融資や資金調達スキームに関する情報を共有するなど、海運会社の炭素会計と管理のニーズを満たすためのトレーニングワークショップを作成するために協力する。

　米商務省国勢調査局（USCB）と米国小売協会（NRF）がそれぞれ15日発表したデータによると、経済圧力の兆候が見られる中、米国では7月の小売売上高が増加した。
　USCBが発表した7月の小売総売上高は7,097億ドルで前月比1.0%増、前年同月比2.7%増加し、5～7月累計の小売総売上高は前年同期比2.4%増となった。
　NRFは、USCBデータに基づいて自動車ディーラー、ガソリンスタンド、レストランを除いた7月の小売売上高を試算、6月から7月にかけて季節調整済みベースで0.4％増加し、未調整ベースでは5.2％増加したと発表した。また、コア小売売上高は2024年1～7月累計は前年同期比3.4%増加し2024年の小売売上高が2.5%から3.5%増加するというNRFの予測と一致するとした。
　NRFでは、7月の小売売上高は、成長圧力があるにもかかわらず拡大を続ける経済の力強さを反映していたもので、9月の新学期への支出による後押しと、小売業者が提供する特売が明らかに助けとなり、サービス価格が依然として上昇しているにもかかわらず、家計は支出を計画的に進め、小売価格の下落の恩恵を受けており、労働力人口の伸びが鈍化しているにもかかわらず、個人消費は依然として経済の根幹であり、景気拡大をプラスの軌道を保っており、連邦準備理事会（FRB）が金利に関してどのような方向に向かうのかを待っているとしている。

　内外トランスラインは横浜出し大連・広州・寧波・青島・新港・厦門向けの混載サービスで使用している横浜の輸出CFS倉庫を変更する。
　現搬入先の東海運・横浜支店を、CFS CUT9月13日の本船から東海運・京浜事業部物流部横浜港流通センター（神奈川県横浜市中区本牧ふ頭9-78、電話：045-628-2050、FAX：045-628-2051、NACCS：2EWU3）に変更する。

　港湾ターミナル開発・運営のAbu Dhabi Ports（AD Ports、UAE）はこのほど、ジョージアのトビリシ内陸コンテナデポ、Tbilisi Dry Portの株式60％を取得する手続きを完了したと発表した。
　Tbilisi Dry Portは今年10月に第1期工事が完了予定で、初期段階で総面積1万m2の倉庫、完成車蔵置場を備え、年間のコンテナ処理能力は9万6,500TEUに達し、現時点で計画している第3期までが完了すると倉庫・蔵置面積10万m2、コンテナ処理能力28万6,000TEUになる計画だ。施設には鉄道が乗り入れ、通関機能を備えたジョージアにおける最新の複合輸送ハブ施設として、今後アジア／欧州を結ぶ中欧班列における中央アジアの拠点となることが期待されている。
　トビリシはカスピ海と黒海に挟まれた中央部に位置し、新施設はコンテナフレートステーション（CFS）、倉庫、完成車蔵置場など幅広い貨物に対応した統合物流拠点としての能力を持ち、鉄道では西は黒海岸のポチ、バトゥミ、さらにトルコと接続、さらに積み替え貨物のほかジョージア、カザフスタン、アゼルバイジャン、アルメニア、トルコなどのローカル貨物の輸送拠点としての役割も担う。
　ユーラシア大陸中央部を通る中部回廊はおよそ7,000kmをカバーし、北部回廊よりも短く、鉄道で10〜15日と競争力のあるトランジットタイムでの貨物輸送が可能で、2040年までには年間コンテナ輸送量が190万TEUにまで拡大すると試算している。

　ベルギーの、重機取り扱いを手がける物流会社、Aertssen Logisticsはこのほど、ジョージア州サバンナ港の近郊に新たな農機・重機専用の取扱施設、Equipment Processing Center (EPC) を開設した。
　EPCはサバンナ港Garden City Terminalから、14マイルの位置にあるエッフィンガム群リンコンに位置し幹線道路で直結、農機、建機など様々な重機の蔵置、検査、修理、技術サービス、組み立てなどのテーラーメイドの幅広い技術的なサービスを提供できる施設で、総面積35acで米国南東部における重要なサービス拠点として輸入した重機を北米の顧客へ効率的な配送を実現する。
　Aertssen Logisticsは欧州に3拠点を転換し、年間3万台以上の重機を取扱い、世界中のエンドユーザー向け配送を手がけており、すでに新EPCでは一層の拡張を検討している。

　越境ECをトータルで支援するZenGroup（大阪府大阪市）は、7月22日付で国土交通省から第二種利用運送事業の許可を取得、同社では、今回の取得をより多くのニーズに対応するための重要なステップで、越境EC物流の最適化に向けた取り組みの一環だとしている。
　同社は、海外向け購入代行サービス「ZenMarket」、海外向けサブスクリプションボックスサービス（定期購入サービス）「ZenPop」、越境ECモール「ZenPlus」、海外プロモーション代行サービス「ZenPromo」、集客支援型越境ECバナー「ZenLink」を運営している。現在、会員数は230万人を超え、これまで世界175か国へ600万点以上の商品を発送してきた。送料は、商品を購入するかどうかの重要な判断材料だが、送料の割合が年々増加しつつあり、今後も国際送料が下がる見込みもない。同社では、今回の取得で、より安い値段で海外に届けるために、他社の商品も一緒に輸出するフォワーディング業務を展開し、これまでは送れなかった商品も取り扱うなど、物流の対応力を強化することを目指す第一歩となる。
　今後、Regulated Agent（特定航空貨物利用運送事業者）の認定を目指している。25年から、輸出入する荷主から貨物を預かり、実際に貨物を輸送する船会社や航空会社などと連携し、輸送の手配を進めるフォワーディング事業を開始する予定だ。越境EC物流を最適化し、国境を超えた迅速な配達や、あらゆる出荷形態に対応した柔軟なサービスを提供していく方針だ。

　F-LINEは、同社が北海道地区で運営する流通センター（飲料デポ）でトラック輸送から鉄道輸送へのモーダルシフトのトライアル輸送を9月から開始する。
　モーダルシフトするのは、同飲料デポからのトラック輸送の一部運行（350㎞圏内）部分。トライアル輸送は、鉄道輸送化を実現するため、同社と札幌通運、共通運送で構成する「北海道地区・飲料モーダルシフト協議会」として、データを収集、分析する目的で取り組むもの。現在の輸送手段であるトラック輸送から鉄道輸送へシフトすることで、CO2排出量の大幅な削減を見込んでいる。また、2024年問題の課題解決策の一つとして、北海道地区の中・長距離輸送の新しいスキームとして検討、他地域への展開ができる標準モデルの策定も視野に入れている。また同取り組みは国土交通省の24年度モーダルシフトなど推進事業費補助金に申請、交付が決定している。

　T.S. Lines（香港）が運航する”TS Bangkok”(1,808TEU）が14日、中国南部の南沙第3期ターミナルに初寄港、家電、液晶パネル、エアコンなどを詰めたコンテナ約300本を積み、北米西岸のロングビーチへ向け出港した。
　T.S. Linesが6月からSeaLead　Shipping（シンガポール）と提携し再開した北米西岸航路のAmerica West Coast（AWS）Serviceの第1船で、南沙、寧波、上海、青島、釜山、ロングビーチに寄港、南沙からロングビーチまで14～16日の快速サービスを展開する。

　北米東岸・ガルフ港湾労組（ILA）と使用者団体（USMX）との現行労働協約が9月30日に期限切れとなり、それまでに協約が締結されない場合、10月1日からILAがストに入る懸念が高まる中、デンマークの海運調査会社、Sea-Intelligenceがストによるコンテナ量への影響を検討し、スト終了後に滞留コンテナを解消するのにどのくらいの時間がかかるかを試算した結果、過去のデータから10月の米国東岸諸港におけるコンテナ取扱量は230万TEUと推定、1日あたり合計7万4,000TEU、うち輸入が3万6,000TEU、輸出が3万8,000TEUとなり、毎日2万TEUの積み込みができなくなることが分かった。
　スト収拾後、滞留コンテナを解消するためには通常を超える処理能力が必要となるが、超過処理能力を東岸諸港でこれまでに処理されたコンテナの最大数と、今年10月に予想される処理量を比較すると、10月の港の処理能力として予想される230万TEUを13%上回ると試算した。
　また、1日のストで生じた7万4,000TEUの滞留コンテナを解消するのにかかる時間を、処理能力のさまざまなレベルで示すと、東岸諸港には、10月に予想される通常の流入量である230万TEUを13%上回る余剰処理能力があると推定されているため、1日のストによる滞留分を解消するには6日かかると試算。港湾に利用可能な余剰処理能力がもう少しあれば、4～5日に短縮されると予想している。ただ、10月上旬に1週間のストが実施されると、11月中旬まで港湾業務は通常に戻らず、もし2週間のストとなれば、2025年に入るまで港湾は通常業務に戻れないものとみている。

　日本貿易振興機構（ジェトロ）の情報によると、ベトナム税関総局は6日、通関システムのVNACCSとVCISシステム（Automatic Customs Clearance System and National Single Window Mechanism）の運用を技術的な問題により一時的に停止した。8日時点でほぼ通常どおりの運用に復旧したとされるが、一部地域ではシステムの動作が遅い状況が続いている。VNACCSとVCISは、日本の貿易手続き・通関システムのNACCS、CISをベースに開発、2014年4月から導入されている。
　税関総局はシステムの一時停止を受け、6日付でオフィシャルレター（3748/TCHQ-GSQL）を全国の省・市の税関支局に発出、通関システムの問題発生時の輸出・輸入申告の対応に関する手続きを記載しており、税関総局は税関職員に対し、通関手続きのプロセスが中断しないよう、24時間体勢の対応を指示した。
　在ベトナム日系物流企業関係者によると、通関システムが停止していた期間は、システム上で通関申告ができないため、税関窓口に通関書類を持ち込み、作業を行う必要があった。また、税関総局がシステムの運用再開を発表した7日以降も、システムの反応が遅く、接続エラーが発生する状況にあったという。

　輸送見積もりをワンストップのオンラインサービスで提供しているFreightos（香港）が14日に発表した先週のFreightos Baltic Index（FBX）と呼ぶ世界の主要12航路におけるコンテナ運賃と各航路の荷動き量シェアを加重平均した総合指数は5050と前週比2.6%上昇、前年同期比では250.2%上昇した。
　アジア発北米西岸向け（FBX01 Weekly）は前週比6%下落し6,459ドル／FEU、アジア発北米東岸向け（FBX03 Weekly）は2%下落し9,480ドル／FEU、アジア発北欧州向けは1%下落し8,343ドル／FEU、アジア発地中海向けも6%下落し7,493ドル／FEUだった。
　Freightosの分析によると、北欧州の主要コンテナ港における混雑はここ2、3週間でさらに悪化し、一部船社が寄港を見合わせたと報じられているが、大幅な遅延を引き起こしているわけではないようだ。北米では、東岸の一部港で先週のハリケーンの影響による遅れが報告されているが、それ以外は安定した操業が続いている。
　北欧州諸港の混雑で北欧州向けの海上運賃が需給逼迫に伴い、7月上旬以降、今年の最高値である約8,300ドル／FEUで推移している。しかし、同航路やアジア発北米東岸および地中海向けの運賃は頭打ちとなっており、北米西岸向けは7月の最高値を20％下回っていることから、需要はすでに今年のピーク水準に達しているか、ピークを過ぎたばかりであることがうかがえる。
　同様に、米小売業協会（NRF）が発表した米国の最新の海上輸入データでは、輸入量は8月にピークを迎えると予測されている。例年より早い9月から月間輸入量は減少に転じ、第4四半期にかけてさらに減少すると予想される。
　しかし、9月の輸入量は昨年を6％上回ることになり、紅海の迂回航路が全体の船腹を大幅に吸収することに加え、運賃はより緩やかに低下し、多くの荷主が期待するほどには下がらない可能性がある。
　労働問題では先週、カナダ労使関係委員会（CIRB）が鉄道労組のストを容認する裁定を下した直後、、Canadian National鉄道（CN）、Canadian Pacific Kansas City鉄道（CPKC）の鉄道2社が8月23日までに労使が合意に至らなければロックアウトすると発表。米国では、東岸・ガルフ港湾労組（ILA)と使用者団体による労使交渉が9月30日の現行協約期限を目前にしても要求の隔たりを見せている。

　Ocean Network Exnpress Japan（ONE Japan）は9月14～18日の韓国の祝日に対応し、9月14～19日に釜山ETAの釜山向けもしくは釜山積み替え第三国向け貨物のDOC CUT日を、当初の9月12～18日から9月11日に前倒しにする。

　韓国船社、Sinokor Merchant Marine（長錦商船）の日本総代理店、シノコー成本によると、8月1日からシンガポール向け貨物を対象にB/L InstructionにHS Code 6ケタ（複数ある場合は、B/L Description欄に記載必須）、Measurmentsの記載が必要となった。情報漏れの場合、罰金（荷主負担）となる可能性があることから注意を呼び掛けている。

　MSC（スイス）は今月末から、中国／サウジアラビア航路で新たにMSC単独サービスのClangaを開始する。
　Clangaは2,500～4,700TEU型6隻を投入し、8月31日上海発”MSC JOHANNESBURG V”（4,713TEU）を第1船に上海～寧波～蛇口～シンガポール～ダンマン～シンガポールのローテーションで定曜日ウィークリーサービスを開始する。
　一方、この改編に合わせMSCは中国／中東航路の既存サービス、Falconを改編し、ダンマンを抜港、南沙に追加寄港する。
　Falconには13,000～17,000TEU型9隻を投入しており、8月の第4週から天津～釜山～青島～上海～寧波～南沙～蛇口～シンガポール～ジェベルアリ～アブダビ～ハマド～ウムカッスル～アブダビ～天津の新ローテーションでサービスする。

　米国のジョン・ガラメンディ下院議員（民主・カリフォルニア州）とハンク・ジョンソン下院議員（民主党・ジョージア州）はこのほど、船主責任制限法（Limitation of Liability Act 1851）を改正、外国船籍の船舶に対する賠償責任基準額を引き上げる法案を下院議会に提出した。
　現行法は、船主の海難事故による予測不可能なコストを軽減することで、米国の海運への投資を奨励するため、米国沿岸部の貿易が比較的堅調だった時代に制定されたもので、海運における現代の発展を予想していなかった可能性があり、米国に寄港する外航船舶の大半は外国所有で、外国の船主とその保険会社がこの法律の最も顕著な受益者となっているとし、法案では、同法のインセンティブ構造を変更、外国船籍の船舶に対する責任を、船舶とその積み荷の価値から経費を差し引いた額の10倍に引き上げる内容となっており、米国籍船についての基準は変えていない。
　法案はまた、コンテナ船“Dali”がメリーランド州・ボルチモア港でスランシス・スコット・キー橋に衝突、橋が崩落する事故が発生した直前の今年3月25日まで遡って、より高い賠償責任基準を適用することになり、現在進行中の訴訟に影響を与えることになる。
　“Dali”の所有者、運航者、保険会社は、補償費用をわずか4,400万ドルに制限するために責任制限法を発動したが、これは清掃、橋の再建、補償にかかる費用のほんの一部で、法案はこの上限を撤廃するもので、被害者6人の家族を代表する裁判弁護士グループの支持を得ている。

　コンテナ運賃の回復が続く中、Wan Hai Lines（台湾）が発表した7月の営業収益は201.08億台湾ドル（1台湾ドル＝4.56円）と前月比21.13%増、前年同月比144.17%増、1～7月累計の営業収益は、858.88億台湾ドルと前年同期比47.41%の大幅増収を記録した。
　第3四半期（7～9月）も、欧米の新学期や中国の国慶節連休を控えた貨物需要により、荷動き量は順調に伸び、運賃市況も恩恵を受け、営業収入も増えると予想する。

　Maersk（デンマーク）は17日、顧客向けに欧州市場の最新状況を発表し、欧州港湾では船舶遅延と労働力不足などにより混雑状況が悪化しつつあり、顧客に最新の情報を把握するよう呼び掛けている。
　海上輸送では、従来型のピークシーズンはサプライチェーンの様々なトラブルにより前倒しで到来している。欧州向け貨物は消費者の旺盛な消費意欲に支えられ、輸入需要が高まり、今後想定される物流危機に備え、前倒し輸入の動きが加速している。
　多くの航路が、様々なトラブルの影響を受け供給キャパシティと運賃に多くの影響を与えており、小売業者は事前の在庫確保の動きを加速させ、確実に船腹を確保するため前倒し輸入の動きが続いている。この輸入貨物増が再び欧州における貨物保管能力のひっ迫を招いており、Maerskは顧客に対し、地域の担当者と連携して対応するよう推奨している。
　また、バングラデシュの政変に伴う同国における物流の影響も海外のサプライチェーンへ影響が拡大しつつあり、政治情勢は依然流動的なため、Maerskは状況を注視しつつ顧客へ最新の情報を提供し続けるとしている。
　欧州は夏季休暇シーズン中で、多くのハブターミナルで例年同様の労働者不足とそれに伴う稼働率の低下が発生している。
　ロッテルダム港では、Maasvlakte 2 Terminalは安定した稼働を維持できているものの、喜望峰周辺海域の悪天候により今後到着船の遅れが発生し、それに伴う混乱の拡大を警戒している。すでにターミナルのコンテナ蔵置量は高水準に達しており、Maerskは遅延が拡大した場合は状況を緩和するため何らかの代替策を取るとしている。また同港のHutchison Port Delta2でも労働力不足と入港船の遅延により、24時間にわたる沖待ちも発生しており、状況の改善には8月最終週までかかると見ている。
　ブレーメルハーフェン港では、稼働率、ヤードのコンテナ蔵置量いずれも平常を維持しているが、MSC GateターミナルはNorth Terminal Bremerhavenに比べ稼働率の回復が遅れている。7月には労組によるストが発生し労使交渉は依然継続中で、追加のストは予告されていないものの、依然注視が必要で、顧客に情報提供を続けるとしている。
　フェリクストウ港は混雑状態が継続、沖待ち船も2～4日の入港待ちを余儀なくされていることから、Maerskは過去数週間、スケジュールの信頼性確保のため抜港措置などに踏み切っている。
　地中海のハブ港湾は全体的に安定した稼働を維持している。ただ一部港湾ではスケジュールの乱れが発生しており、アルヘシラス港では年末までクレーンの修理・保守工事に入り、ターミナルの生産性が低下しておりヤード混雑や積み下ろしのモニタリングにより影響の極小化を図るとしている。
　バルセロナ港では、混雑レベルが悪化し、顧客へ輸入コンテナの早期引き取り、輸出貨物のタイムリーな搬入をよびかけている。
　航空貨物は、欧州向けだけでなく中国におけるe-コマース需要の高まりで、欧州の輸出入両方で需要が高まり、欧州発は世界の貨物の仕出地としてのシェア28％を占めている。
　運賃は、欧州発インド・中東・アフリカ向け、北米向けがいずれも運賃が下落した一方、アジア、インド・中東・アフリカ発欧州向けは高止まりを維持している。
　内陸輸送は、ドイツ・ラシュタットとバーデンバーデン間の鉄道が閉鎖されているため、独／仏越境輸送では追加コストが必要となるほか、ロッテルダム発着の内陸輸送には一時的な追加料金の徴収を始めている。

　スズキのインドにおける自動車生産・販売会社、 Maruti Suzuki Indiaは13日、西部のグジャラート州ピパバブ港から日本郵船が運航する自動車運搬船“Temis Leader”（5,415台積み）に新発売のスポーツ用多目的車（SUV）“Fronx”1,600台超を日本向けに初めて積み出した（写真）。2016年に日本向け輸出に成功したハッチバック車Balenoに続く2番目のモデルで、今秋から日本で国内販売される。
　インド最大の乗用車輸出業者であるMaruti Suzukiは、2023～24年度に100カ国以上に28万台以上を出荷し、インドの乗用車輸出シェア42%を占めている。2024〜25年度第1四半期（4～6月）には7万560台を輸出し、第1四半期としは過去最高を記録した。
　Fronxは、Ａuto Expo 2023で世界初公開、23年4月にインドで発売開始、10カ月以内に最速の10万台が販売されたインド初のモデルで、7月からは、中南米、中東、アフリカなどへの輸出を開始し、発売以来、国内および輸出市場合わせ累計20万台以上の販売を記録している。

　シンガポール海事港湾庁が発表した7月の総貨物取扱量は前年同月比0.7％増の5,189万2,900トン、うちコンテナは5.5％増の3,253万2,600トン、個数ベースで4.2％増の357万4,200TEUだった。
　1～7月の総貨物取扱量は前年同期比7.1％増の3億6,687万3,800トンで、うちコンテナは7.4％増の2億1,734万6,400トン、個数ベースで6.1％増の2,382万3,900TEUだった。

　ロサンゼルス港における7月の総コンテナ取扱量は前年同月比37.3％増の93万9,600TEUと7月の過去最高を記録した。うち実入りの輸入は37.6％増の50万1,281TEU、輸出は4.1％増の111万4,889TEUといずれも増加し、空コンの取扱量も54.2％増の32万3,431TEUだった。
　1～7月の総コンテナ取扱量は前年同期比17.62％増の567万1,091TEUで、うち実入りの輸入は19.0％増の296万7,694TEU、輸出は30.2％増の90万439TEU、空コンの輸入は87.7％減の2,961TEU、輸出は11.7％増の179万9,998TEUだった。
　ロングビーチ港における7月の総コンテナ取扱量は前年同月比52.6％増の88万2,376TEUと史上3番目の取扱量を記録した。うち実入りの輸入は60.5％増の43万5,081TEU、輸出は16.3％増の10万4,834TEU、空コンの輸入は0.1％増の1万6,959TEU、輸出は62.7％増の32万5,503TEUだった。
　1～7月の総コンテナ取扱量は前年同期比20.0％増の517万4,002TEUで、うち実入りの輸入が25.0％増の252万2,424TEU、輸出は13.2％減の68万1,382TEU、空コンの輸入は2.0％減の9万9,649TEU、輸出は33.0％増の187万0,548TEUだった。

　ドイツのターミナルオペレーター、Hamburger Hafen und Logistik AG（HHLA）の2024年上半期（1～6月）の連結業績は、サプライチェーンの障害や欧州景気の低迷などのなかでも旺盛な輸送需要と戦略的な投資により、売上高が前年同期比4.6％増の7億6,030万ユーロ、EBITDA（税引き前・利払い前・償却前利益）で2.9％増の1億4,310万ユーロ、EBIT（営業利益）は16.8％増の5,890万ユーロ、EBITマージンは7.7％と0.8ポイント上昇し、税引き後の当期利益は61.7％増の1,320万ユーロと増収増益になった。
　港湾物流部門の売上高は4.9％増の7億4,250万ユーロ、EBITDAは5.4％増の1億3,130万ユーロ、EBITは27.5％増の5,170万ユーロと増収増益になった。
　EBIT利益率は7.0％で前年から1.3ポイント上昇し、税引き後の当期利益は231.5％増の890万ユーロだった。
　コンテナ事業部門は、ターミナルにおけるコンテナ取扱量が、米州、特に米国との取扱量が増加したことで2.2％増の294万TEUとなった。
　うちハンブルク港が1.7％増の281万1,000TEUだった。売上高は7.5％増の3億7,870万ユーロ、EBITも80.0％増の3,440万ユーロ、EBIT利益率は9.1％で前年から3.7ポイント上昇した。
　複合輸送部門は、コンテナ輸送量が1.8％増の83万3,000TEUで、売上高が4.7％増の3万2,770万ユーロ、EBITは4.7％減の3,920万ユーロ、EBIT利益率は11.9％と1.8ポイント上昇した。

　Drewry Maritime Research（英国）が発表した「グローバルコンテナターミナルオペレーターの年次レビューと予測」（2024/25年）によると、2023年のコンテナ取扱量世界トップ7は、PSA International（シンガポール）が6,260万TEUで1位、China Merchants Ports（中国）が5,500万TEUで2位、COSCO Shipping Ports（中国）が5,380万TEUで3位、APM Terminals（蘭）が4,890万TEUで4位、DP World（UAE）が4,430万TEUで5位、Hutchison Ports（香港）が4,300万TEUで6位、MSC（スイス）が4,230万TEUと7位で続いた。
　7社合計のコンテナ取扱量は3億5,000万TEUと全世界の40%以上を占め、各社のコンテナ取扱量は4,000万TEUを超え、他の小規模運営会社との間には3,000万TEU近い大きな差がある。
　China Merchants Portは8.7%増と大幅に伸び、22年から1ランク上げ、COSCO Shipping Portsと順位が入れ替わった。APMT、DP World、Hutchison Portsはいずれも先進国地域に大規模なターミナルを保有しており、23年には欧米の処理量が減少、程度の差こそあれ低調で、上位7社の中でMSCの成長率が最も高かった。
　23年には、GTO（複数の地域でターミナルを運営）として合計21社がリストアップ、インドのAdani Portは初めて13位にランク、Hapag-Lloyd（独）は独立したターミナル運営会社を有する最新の船社となり、2024年には、AD Port（アブダビ）を加えた3社のランキングはさらに上がると予想される。
　23年はインフレによりターミナル料金が上昇したものの、世界の港の混雑が解消され、オペレーターの収入は通常水準に戻ったが、紅海危機の後、混雑による蔵置コストが再び増加し、GTOの総設備投資は55億ドルで、前年比9％増加し、20年以来3年連続で増加、5大ターミナル会社のターミナル拡張および設備更新計画への投資は5億ドルを超え、うちPSA InternationalとDP Worldは10億ドル以上を費やした。
　注目すべきは、これらの増設・設備更新計画において脱炭素化を重視していることで、21社のうち、ネットゼロ排出目標に取り組んでいないのは1社だけで、ほとんどの事業者は2050年までにネットゼロ排出の達成を目指している。

　フィリピンのターミナルオペレーター、International Container Terminal Services, Inc.（ICTSI）グループでインドネシア・東ジャワ州ラモンガン県で多目的ターミナルを運営するEast Java Multipurpose Terminals（EJMT）はこのほど、新たにKonecranes（フィンランド）製Gottwald post-Panamax ESP.8モビール荷役クレーン（MHC）2基の引き渡しを受けた。
　新クレーンは、コンテナのほか、バルク、プロジェクト貨物の荷役に対応した最新のディーゼルエレクトリック式ハイブリッドクレーンで、ディーゼル機関と短期エネルギー備蓄機能を組み合わせ、ディーゼルによる燃料消費を削減しつつ稼働できる。
　新クレーンはEJMTの多目的港としての機能強化のため導入したもので9月から稼働を開始する。また同港は今月中にバルク貨物の荷役用に、グラブやホッパーなども新規導入する計画だ。

　福岡市港湾空港局の発表によると、24年5月の博多港の外内貿合計コンテナ取扱個数は前年同月比1.9％減の8万1,780TEU、うち外貿コンテナ取扱貨物に内貿フィーダーコンテナ取扱貨物を加えた国際海上コンテナ取扱個数は1.9％減の7万5,656TEUだった。
　国際海上コンテナ取扱個数のうち、外貿輸出が0.3％増の3万5,338TEU、輸入は3万4,905TEUと2.2％減少、内貿フィーダーは移出が5.2％減の2,465TEU、移入も2,949TEUと17.3％減少した。内貿コンテナは移出が8.8％減の2,827TEUも、移入は4.4％増の3,297TEU、合計で2.1％減の6,124TEUだった。
　1〜5月累計では、外内貿合計で前年同期比0.6％減の40万570TEU、国際海上コンテナが0.3％減の37万58TEU、うち外貿輸出が2.1％減の16万6,426TEU、輸入が2.3％増の17万3,492TEU、内貿フィーダー移出が5.2％増の1万5,206TEU、移入が1万4,933TEUと12.6％減少した。また内貿コンテナは移出が7.1％減の1万4,623TEU、移入が1.2％減の1万5,890TEU、合計で4.1％減の3万513TEUだった。

　全日本空輸（ANA）のグループで、国際エクスプレスや航空フォーワーダー事業を展開するOCSは、東京都が取り組む「企業のScope 3対応に向けた航空貨物輸送でのSAF活用促進事業」において、都が同社を対象の貨物代理店として5日に選定したと発表した。
　選定企業の中では、同社が唯一の国際宅配便事業者となる。「企業のScope 3対応に向けた航空貨物輸送でのSAF活用促進事業」は、企業のサプライチェーン全体におけるCO2排出量削減への寄与を目的に、荷主が貨物代理店を通した航空貨物輸送におけるSAF利用時に要する経費を東京都が支援する事業。ANAグループの一員である同社は、ANAのGHGプロトコルに基づく脱炭素プログラムである「SAF Flight Initiative」のカーゴプログラムを通じ、都内の顧客の脱炭素化推進をサポートする。

　ファッションレンタル・家電レンタル事業を展開するエアークローゼット（東京都港区）は、循環型物流など各事業の成長を支えるシステムの開発体制を強化し、より事業成長を加速させるため、ベトナム・ハノイにシステム開発子会社・Aircloset Engineering Co., Ltd.を設立する。
　同社は、パーソナルスタイリング×レンタルという独自のサービス競争力を確保するため、創業当初からサービス・物流領域両面において、基幹システムを内製できる体制を有している。また、自社で開発したオンラインスタイリング・循環型物流に関するシステムで、二つの特許を取得しており、その一つが登録情報に基づいてオンライン上でスタイリングするシステム「スタイリング提供システム」、二つ目は自社で独自に構築した循環型物流を適切に管理するシステム「RFIDを活用した物流システム」。さらに24年4月からは、独自に構築してきた循環型物流を物流プラットフォームとして外部へ提供するtoB事業を開始し、事業領域を拡大させている。
　ベトナムは、IT人材の育成に国策として取り組んでおり、優秀なIT人材を数多く輩出している。同社ではエンジニア組織におけるベトナム人材を20年から採用してきた。ハノイ工科大学・ベトナム国家大学などを卒業した新卒社員の入社も増え、現在は、社内のシステム開発に関わるメンバーの約半数がベトナム人材だ。海外のシステム開発拠点設立では、自社と現地エンジニアの橋渡しをする「ブリッジエンジニア」の存在がとても重要で、同社はシステム開発拠点を新設する準備の一環として、ベトナム人材の採用を強化した上で、同国への拠点設立を決定した。今後、同社のベトナム人材を中心とした組織間連携を進めていく方針だ。

　マレーシアの総合物流会社MMAG Holdings傘下で航空貨物輸送に携わるMjets Airは、全日本空輸（ANA）との間で二国間貨物インターライン（相互運送）契約を締結した。MMAGが12日付でマレーシア証券取引所に開示したもので、両社は指定路線で互いの貨物を輸送する。契約は10日付ですでに発効、いずれかの当事者により解除されるまで継続する。
　両社の提携により、東南アジア、中国、日本などのアジア地域間の接続が強化、主要市場における貨物の流れがよりスムーズかつ効率的になることが期待されるという。両社が互いの強みやネットワークを活かし、貨物業務の最適化、プロセスの合理化、全体的な効率性の向上を目指す。
　Mjetsは航空機4機を運航しており、魚介類などの生鮮食品の輸送を手掛け、7月にシンガポールのCapital Aの物流部門であるTeleport Everywhere、8月には中国南方航空との間でインターライン契約を締結するなど、航空貨物輸送網を積極的に拡大している。航空機2機を追加導入する予定で、さらに4機を追加調達する予定という。

　ケイラインロジスティックスは、東京都が取り組む「企業のScope 3対応に向けた航空貨物輸送でのSAF活用促進事業」の助成対象事業者として、都が同社を採択したと発表した。
　東京都はサプライチェーン全体におけるCO2排出量削減の推進に向け、航空貨物輸送でSAFを活用し脱炭素化に取り組む都内企業を支援するため助成事業を開始し、助成対象事業者となる貨物代理店（フォワーダー）を公募した。同社はこの助成事業に応募、厳正なる審査の結果、助成対象事業者となった。同社は今後、25年3月末まで東京都の助成を足掛かりに、SAFを活用した航空貨物輸送をさらに推し進め、SAFの利用拡大と地球の脱炭素化に貢献していく方針だ。