ニュースダイジェスト

　上海国際空港（浦東）の7月運用実績は、航空機発着回数が前年同月比14.8％増の4万7,385回、旅客数が23.9％増の708万1,100人、貨物・郵便取扱量は10.1％増の31万8,400トンで、3カ月連続の2ケタ増と好調が持続している。
　国内輸送が中心の上海虹橋国際空港は、航空機発着回数が0.4％増の2万3,088回、旅客数が7.4％増の408万7,700人、貨物・郵便物取扱量が13.5％増の3万4,400トンだった。

　Hapag-Lloyd（独）の情報によると、英国は欧州連合 (EU) を離脱する際に、独自の安全およびセキュリティ申告システム (S&S GB) を導入、現在、この規制は非EU諸国から出港する船舶に船積み、英国の港に到着し、陸揚げ・積み替えられるか、または船上に留まる貨物に適用されているが、今年11月1日からは、EU域内を出港する船舶の貨物にも申告が義務付けられる。
　これは、EUの港で英国の港に寄港する船舶に積み込まれる貨物の場合、書類の締め切り以降に出荷指示を提出することはできないことを意味、予約確認書には貨物が影響を受けるかどうかが記載されており、英国政府の要求に応じて税関申告の事前提出を行うには、EU貨物の「No doc /No load」を厳密に順守することが求めらる。
　Hapag-Lloydでは、すべての貨物が確実に船積みされるように、予約確認書に規定されているように、書類の締め切り時点での最新の完全かつ正確な出荷指示を忘れずに提供、出荷指示が期限内に受け取られなかった場合、税関申告の事前提出を実行できなくなるとしている。

　Descartes Datamyneが米国税関データを基にまとめた7月の世界から米国向け荷動きは前年同月比18.3％増の257万2,401TEUで、うちアジア主要10カ国・地域発米国向けコンテナ（母船積み地ベース）は前月比12.2％増、前年同月比24.2％増の189万2,952TEUと2ケタプラスになった。11カ月連続のプラスになるとともに、2022年5月の185万TEUを超え、単月過去最高を記録した。1～7月のアジア発米国向けは前年同期比17.5％増の1,137万6,306TEUだった。
　7月の国別ではほとんどすべて国で前年超えとなり、首位の中国が前年同月比23.1％増の111万4,316TEU、2位の韓国が26.7％増の222万3,580TEU、3位のベトナムが43.6％増の19万5,123TEU、4位の台湾は19.1％増の7万7,696TEU、5位のシンガポールは13.1％増の7万4,541TEUで、日本は8位で32.6％増の3万9,273TEUだった。
　品目別では、上位品目がいずれも増加し、首位の家具類（HS94）が29.1％増の29万8,029TEU、機械類（HS84）は30.1％増の20万3,434TEU、プラスチックとその製品（HS39）は25.6％増の18万8,978TEU、電気機器（HS85）が21.2％増の17万8,162TEU、玩具・運動器具（HS95）も23.9％増の11万3,475TEU、自動車関連（HS87）も26.9％増の11万3,051TEUだった。
　米国発アジア主要10カ国向け荷動きは、昨年11月から米国税関AES申告データが一部更新を停止していたことからDescartes Datamyneが発表を休止したが、5月から更新を再開したことを受け、6月分から発表を再開した。5月の復航荷動き（最終仕向け地ベース）は44万945TEUで、6月は前月比1.9％減、前年同月比15.4％増の43万2,630TEUだった。
　6月の国別では中国は7.3％増の11万3,564TEU、韓国は31.7％増の5万6,974TEU、日本は16.5％増の5万6,755TEU、マレーシアは42.2％増の4万5,396TEU、台湾も32.7％増の4万4,640TEUだった。
　品目別ではパルプ・古紙（HS47）が4.4％減の6万3,763TEU、プラスチック（HS39）は11.8％減の3万2,869TEU、調整飼料（HS23）は26.3％増の3万1,666TEU、牧草・豆類（HS12）は6.0％増の2万7,636TEU、鉄スクラップ（HS72）は14.0％増の2万106TEUだった。

　全インド港湾労連（AIPDWF）を含む5つの港湾労働者連合組織は、2021年12月31日の和解期限が切れたことを受け、年金給付を含む給与・手当改定の即時解決を要求し、全国的な無期限ストライキの準備を進めており、労組はツチコリンで開催した全国調整委員会で8月28日以降にストライキを含む争議行為に訴えることを全会一致で決定した。
　労組側は、主要港湾労働組合連合が2021年9月5日に共同要求案を資料者側に提出したが、31カ月が経過しても超党派賃金交渉委員会（BWNC）は重要な協定について結論に達しなかった、主な障害は、BWNCの手続きを進める際に海運省によって課されたガイドラインで、同省のアプローチは、これまでの交渉と和解プロセスを考慮する前例のないものとし、ガイドラインに強く反発し、これまでと同様に交渉解決による公正な賃金改定を要求している。

　Maersk（デンマーク）はこのほど、顧客向けに北米市場の最新状況を発表し、北米東岸港における労使交渉への行方への注意喚起や同地域における航空貨物、コールドチェ－ンのサービス体制をPRした。
　Maerskの今年第2四半期の船舶稼働率は97％と、強い輸送需要により前年同期比6％も上昇した。強い輸送需要のなか、Maerskは来年2月から開始するHapag-Lloyd（独）との新アライアンス、Gemini Cooperationによるサプライチェーンの維持に向けて準備を進め、58サービス、6,000通りの港間ルートで、新たに新造・用船合わせて80万TEUの新規船腹を投入し、長期的な競争力の強化と脱炭素化の推進を図るとしている。
　北米東岸・ガルフ港湾労組（ILA）と使用者団体（USMX）との今年9月末で期限切れとなる6年間の港湾労働協約改定を巡る労使交渉の行方は東岸港を利用する荷主をはじめ多くの産業に大きな影響を与える可能性が高く、サプライチェーンの危機をもたらす可能性がある。ILAは期限内の合意に至らない場合、ストに踏み切る可能性を政府とUSMXに通知しているが、
現在の契約期間が満了となる10月1日以前は、契約条項によりストの発生は懸念はないとしている。ただ交渉が妥結しない場合、依然ストが発生する可能性は残っており、実際にストが発生した場合、1週間のストによりその後サプライチェーンの正常化には4～6週間を要すると試算し、ストの期間が長いほどバックログと遅延による影響が拡大するとの懸念を示している。
　Maerakは混乱に備え、代替ルート、配送スケジュールの調整を可能にする体制を準備し、顧客のサプライチェーンを維持する体制を整えており、顧客に担当者と緊密に連携して対応するよう推奨している。
　航空貨物事業は、紅海情勢の悪化に伴う代替輸送モードとして世界の航空貨物輸送需要は今年1Qに前年同期比3.0％増加、2Qには6～7％増加し、この勢いは下半期も持続すると見ており、特にメキシコではe-コマースと自動車関連の需要の伸びを見込んでいる。
　Maerskはこれらの需要に対応するため、最近新たにボーイング777Ｆ型貨物機を2機導入するなど、輸送容量の強化に注力している。
　また世界的に生鮮貨物などのエンドツーエンドのコールドチェーン輸送ネットワークの強化に取り組んでおり、Maerskグループの米国における物流企業のPerformance Team–A Maerskは米国内のニューアーク、ウィルミントン、チャールストン、ヒューストンの4カ所に冷凍冷蔵貨物施設を設け、国内外の顧客の需要に対応できる体制をとっていることをアピールした。

　台湾船社のWan Hai Linesは、韓国と台湾の造船所に最大20隻のメタノール二元燃料コンテナ船を発注した。12日、台湾国際造船（CSBC Corp.）と8,000TEU型メタノール二元燃料コンテナ船12隻＋オプション4隻の建造で意向書（LOI）に署名した。船価は推定で1隻あたり1億250万ドル～1億2,400万ドル、総額12億3,000万～19億8,400万ドル。
　さらに同日付で、韓国のHD現代三湖造船と8,700TEU型メタノール二元燃料コンテナ船4隻のLOIを締結した。船価は1隻あたり1億1,350万～1億3,041万ドル、総額4億5,400万～5億2,164万ドル。 Wan Haiが舶用燃料としてメタノールを選択した二元燃料推進エンジンのコンテナ船を発注したのはこれが初めて。
　ここにきて大手コンテナ船社による代替燃料コンテナ船の大量建造計画が相次いでおり、Maersk（デンマーク）は最大50隻の新造船を購入する計画を発表、2026年から2030年までに80万TEUのコンテナ船隊を更新する。　
　また、MSC（スイス）は12日、中国の舟山長宏国際造船に十数隻の19,000TEU型LNG燃料コンテナ船を発注した。11,500TEU型コンテナ船10隻と10,300TEU型10隻のLNG二元燃料コンテナ船発注に続くもの。
　一方、カナダ船主で香港を拠点に事業活動を展開するSeasan Corp.の親会社であるAtras Corp.が米証券取引委員会へ提出した書類の中でで、9,000TEU型、16,000型、17,000TEU型を含む27隻の追加建造を明らかにしている。2023年末現在、Seaspanが保有するコンテナ船隊は153隻を超え、さらに36隻の新造船を建造中だ。

　スリランカ港湾局（SLPA）によると、11日早朝、コロンボ港のJaya Container Terminal（JCT）第4バースに接岸中の"MSC Capetown III"（2,824TEU）で火災が発生した（写真）。SLPAでは、甲板下の貨物スペースで発生したとみられる火災が爆発的に拡大したが、迅速な消火活動で影響を受けた貨物を安全に除去した。危険物コンテナは1つだけで、火災や煙が確認される前に他の60本のコンテナとともにすでに荷揚げされていた。
　同船はMSC（スイス）が東南アジア／東アフリカ航路のDar-es-Salaam Feederに投入するコンテナ船でシンガポールからコロンボに到着しモンバサに向かう途中、コロンボ港で約995本のコンテナを荷揚げ、880本を船積みする予定だった。
SLPAは、火災の原因と船内に残された貨物の状況を確認するために調査を進めており、負傷者は報告されていない。

　Hoegh Autoliners（ノルウェー）が12隻シリーズ建造している9,100台積み次世代多元燃料PCTC船、Auroraクラスの第1船、”Hoegh Aurora”（25,200dwt、船籍・ノルウェー）が13日午後、常陸那珂港に初寄港し、メディアを対象に本船見学会を開催した。
　AuroraクラスPCTCは在来燃料のほか、LNG、グリーン・アンモニアを含む多元燃料対応の主機を搭載し、グリーン・アンモニアを使用した場合は完全なGHG排出ゼロ運航が可能な初のPCTCで、9,100台積みはPCTC船の世界最大船型。ノルウェー船級協会（DNV-GL）の型式認証を取得し、主機関にはMAN Energy Solutions（独）製の多元燃料機関を搭載、将来的にCO2の排出ゼロを実現する次世代燃料のグリーン・アンモニア仕様を想定した設計にすることで、シリンダーヘッド部分の交換など小規模な改修でアンモニア燃料船としても運航が可能な次世代船。今航海は上海でLNGをバンカリングし、LNG燃料で航海してきた。常陸那珂港で建機と少量の中古車を積載し、14日午前に出港、御前崎港で小型車を積載、神戸港、中国を経て喜望峰経由で欧州に向かう。
　Hoegh Autolinersは2040年までに運航船によるGHG排出ネットゼロの実現を目標としており、Auroraクラスは2027年上半期までに残り11隻を順次引き渡し、サービスに投入する予定。2027年から引き渡しを受ける最終船の4隻はGHG排出を100％削減できるグリーンアンモニア燃料で運航する計画。本船のその他の諸元は最大ランプ強度375t、最大デッキ高さ6.5m、スターンランプ最大ドア幅19m。

　Evergreen（台湾）の今年第2四半期業績（4～6月）は売上高が前年同期比57.8％増の1,063億台湾ドル（33億米ドル）と大幅な増収となり、営業利益も222.5％増の327億台湾ドルと3ケタの増収で、当期利益は373.1％増の306億台湾ドルだった。
　今年上半期（1～6月）は売上高が45.3％増の1億9,500万台湾ドル、営業利益は127.2％増の483億台湾ドル、当期利益は281.3％増の488億台湾ドルと3ケタの増益を計上した。
　また同社は業績発表と合わせて新たに、購入とリースの併用により新造コンテナ10万TEUを確保すると発表、並行して子会社のEvergreen Marine (Asia) を通じて、Gaining Enterpriseから3億6,960万米ドルで、2.33～9.34年契約でコンテナ22万3,301本をリースする契約を締結したと発表した。

　Hapag-Lloyd（独）の2024年上半期（1～6月）グループ連結業績は、今年第2四半期（4～6月）でいずれも前期比増収増益となったものの、1Qの減速をカバーするには至らず、1Hの売上高が前年同期比12.3％減の88億0,400万ユーロ、EBITDA（税引き前・利払い前・償却前利益）は47.8％減の18億2,200万ユーロ、EBIT（営業利益は68.1％減の8億1,300万ユーロと2ケタの減収減益となり、当期利益も74.7％減の7億3,200万ユーロになった。
　うち定期船事業は、コンテナ積み高が太平洋航路、極東・アジア域内航路で増加し5.0％増の609万7,000TEU、一方平均運賃はコロナ禍の余波の残った前年に比べ供給が増えたことで運賃が軟化し21.0％減の1,391ドル／TEUと2ケタの下落となった。これにより同事業全体の売上高は14.0％減の86億2,300万ユーロ、EBITDAは49.4％減の17億5,600万ユーロ、EBITも69.1％減の7億8,200万ユーロと2ケタの減収減益になった。
　ターミナル・インフラ事業は、昨年下半期に設立した部門で、十分な成長を継続し売上高が2億100万ユーロ、EBITDAは6,600万ユーロ、EBITは3,100万ユーロになった。
　通期業績は7月9日に上方修正を発表した通り、EBITDAが32～42億ユーロに、またEBITも12～22億ユーロになると見ている。

　韓国船社のHMMが13日に発表した今年第2四半期（4～6月）の連結業績は、売上高が前年同期比25%増の2兆6,634億ウォン、営業利益は4倍の6,444億ウォン、当期利益は111.2%増の6,608億ウォンと大幅な増収増益を記録した。
　コンテナ船の積み高が1%減の95万TEUだったがTEUあたりの平均運賃が55.4%上昇し1,528ドルとなり、売上高が26.5%増の2兆2,536億ウォンで過去最高、バルク船の売上高は16.6%増の3,497億ウォン、液体バルク船の売上高は10.7%増の1,245億ウォンだった。
　上半期（1～6月）も売上高が前年同期比%増の4兆9,933億ウォン、営業利益が125.3%増の1兆514億ウォン、当期純利益が87.7%増の1兆1,458億ウォン、営業利益率は21.1％と、グローバル船社の中で最高水準の競争力を立証した。
　部門別売上高は、コンテナ船が18.6%増の4兆1,894億ウォン、バルク船が17.7%増の6,891億ウォン、液体バルク船が12%増の2,715億ウォンだった。　
　上半期のコンテナ運賃が強含みで推移、紅海事態の持続により、上海航運交易所（SSE）が公表している上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）は今年上半期の平均で2319と前年同期比72.7%（976ポイント）上昇するなど、運賃上昇と収益重視の営業強化により増収増益を達成した。
　HMMでは下半期の市場は不確実性の高まりを予想、米国経済の回復、インフレ緩和、金利引き下げの期待で消費需要の安定が見込まれるが、地政学的リスクによるコンテナ船市場の急変の可能性があると見通し、中長期の船隊更新計画により、新造船・中古船の確保、アジア／メキシコ航路（FLX）開設など航路や地域別に需給変化に合わせて最適な輸送サービス網を構築し、事業多角化で新規収益創出に注力する方針だ。
　タンカー事業は、上半期に比べて原油需要の増加により先行需要の増大が予想するが、世界的な経済成長率の鈍化やインフレなどがあり、長期輸送契約の延長や新規契約の確保の推進など、荷主・貨物開拓による収益の最大化努力を継続する計画。

　Wallenius Wilhelmsen（ノルウェー）の今年第2四半期（4～6月）業績は、売上高が前年同期比4.4％増の13億6,000万ドル、EBITDA（税引き前・利払い前・償却前利益）は6.3％増の5億700万ドル、EBIT（営業利益）は9.3％増の3億6,300万ドルと増収増益で、当期利益は6.4％増の3億1,500万ドルだった。
　海上輸送事業の売上高は1.4％増の10億ドルで、期中の車両、Ro/Ro貨物の積み高は9.9％減の1,490万m3だった。

　コンテナの売買・リース用のオンラインプラットフォームを運営するContainer xChange（独）がまとめたYang Ming（台湾）がアジア／中東航路で運航する"YM Mobility"（6,589TEU）の中国・寧波港での爆発事故に関する最新情報によると、8月9日に寧波北侖第3期ターミナルの停泊中の"YM Mobility"で危険物を詰めたコンテナが爆発したが、12日現在、爆発で60時間業務が中断されたがその後再開し、ターミナルは徐々に通常業務に戻りつつある。
　Contaier xChangeでは、アジアの主要港ですでに発生している混雑と相まって、今後数週間にコンテナ船のスケジュールや空コンテナ供給のさらなる遅れにつながると予想されることから、荷主は特に危険物について滞留時間の増加と利用可能なコンテナのひっ迫に備える必要があると指摘している。

　香港の海運調査会社、LinerLyticaによると、バングラデシュの港湾混雑はここ1週間でさらに悪化しており、政府崩壊の余波で港湾業務は依然中断されている一方、入港を待つ船舶の数が急増している。
　8月8日に暫定政府が発足したが、港湾状況は改善されておらず、現在20隻以上のコンテナ船がチッタゴン港でバース待ちしており、平均遅延日数は7～10日となっている。
　一方、現地紙のThe Daily Starの報道によると、チッタゴン港湾局（CPA）とチッタゴン税関は、コンテナの混雑を緩和するために、今週から週末や祝日でも24時間体制で業務を維持する取り組みを始めた。この措置は、割当改革抗議運動とそれに続く5日間のインターネット遮断を中心とする全国的な暴動と夜間外出禁止令の間、遅々として進まなかったコンテナの滞留を解消し、輸出入プロセスを迅速化することを目的としたもの。
　CPAによれば、チッタゴン港には通常3万～3万2,000TEUのコンテナが保管されているが、13日には4万3,578TEUとなり、処理能力5万3,518TEUの81％を超えたが、CPAでは輸出入コンテナの混雑は日々減少、4万TEU以下に抑える努力が進められているという。
　コンテナの混雑は、チッタゴン港の輸出の約90％を取り扱う19の民間内陸コンテナデポ（ICD）でも確認、通常6,000～7,000TEU程度の輸出コンテナが保管されているが、現在はそのほぼ2倍、平均1万5,400TEU程度が保管されている。
　さらに、貨物列車で輸送されるコンテナを保管するための港の専用スペースは現在、876TEUの蔵置能力のほぼ3倍にあたる2,470TEUで埋まっている。
　混雑は輸入業者に経済的損失をもたらすだけでなく、特にコンテナの円滑な積み替えを確保するにはヤードの約30％を空けておかなければならないため、港の運営にも支障をきたしているという。

　韓国の海洋水産部と釜山港湾公社（BPA）は8日、Busan New Container Terminal Co., Ltd. （BNCT）が運営する釜山港新港第5段階埠頭で韓国では初となるLNG燃料コンテナ船にShip-to-Ship（STS）方式でLNGバンカリングと荷役作業を同時に実施することに成功したと発表した。
　実証試験ではCMA CGM（仏）傘下のCNC Lineが運航する2,126TEU型LNG燃料コンテナ船"CMA CGM Visby"が釜山新港第5埠頭に接岸中に、貨物を積み下ろす荷役作業と海上でLNGバンカーリング専用ホースを連結してLNG270トンを供給した。 LNG供給は港湾内の船舶燃料供給事業者が指定した韓国LNGバンカリングの専用船が引き受けた。
　実証実験の成功で釜山港はLNG燃料コンテナ船のバンカリングと荷役作業が同時に可能であることを立証、時間と費用を節約、港湾と船舶燃料供給産業の競争力を判断できる主要な基準になる。
　海洋水産部では、環境にやさしい船舶燃料として脚光を浴びているメタノール、アンモニアのバンカリング手続きを開発するための研究開発（R&D）も推進しており、今後、実証作業も実施する予定だ。
　また、BPAはLNGバンカーリング実証事業に対して港湾施設利用料免除の恩典を与え、関係機関を通じて安全点検するなど実証が成功するよう支援。下半期には「釜山港環境に優しい船舶複合燃料供給インフラ構築事業計画樹立および妥当性調査」を推進し、LNG以外の環境にやさしい船舶燃料（メタノール、アンモニアなど）も釜山港から供給できるように引き続きに努力する予定だ。

　シンガポールのターミナル会社、PSA Intertnationalはこのほど、ポーランドのフォワーダー、Polish freight forwarder ATC Cargo S.A.から、複合輸送事業者Loconi International S.A.の株式の85％を取得した。
　Loconiの支配権獲得はPSAの欧州におけるハブネットワーク向けに鉄道輸送サービスを強化するために実施したもので、グダンスクのBaltic Hub Container Terminalから背後圏へのネットワークを強化し、中欧、東欧の新たな市場開拓を図る。
　Loconiは2011年に設立し、コンテナのシームレスな鉄道、道路輸送やラストマイル輸送サービスを展開し、ポーランドを中心に毎月5路線・220便を運行し、年間25万TEUを取り扱っている。また同国北部ではワルシャワとラドムスコにグダンスクとグディニア港に接続した独自の鉄道積み替え施設を保有し、中部、南部にもサードパーティー物流施設5ヵ所を開設している。
　PSAは現在、ポーランド開発基金（PFR）、IFM Investment Fundと合弁によりグダンスク港でコンテナターミナル、Baltic Hubを運営しており、現在同ターミナルを拡張し、毎月500便以上の鉄道が乗り入れており、今回Loconiを傘下に加えたことでグダンスク港発鉄道貨物のより円滑な輸送を図るとしている。

　中国船社のSITC Container Linesは8月12日からミャンマーのヤンゴン港とインド東岸のチェンナイを結ぶYangon Chennai Service（YCS）と呼ぶ新サービスを開始する。YCSにはチェンナイ12日寄港から"SITC Haiphong"（1,032TEU）を投入し1ラウンド8～10日でシャトルサービスを展開する。
　また、SITCはこのほど、Malaysia -India-Myanmar（MIM）Serviceを改編、中国の青島へ延航、青島～上海～寧波～蛇口～チェンナイ～ハルディア～ポートクラン～クアンタン～青島の新ローテーションによる定曜日ウイークリーサービスとした。混雑するポートクランは西航で寄港を中止、MIMのサービス名称は維持するものの、ミャンマーへの直接寄港は取りやめた。

　フィリピンのターミナルオペレーター、International Container Terminal Services, Inc.（ICTSI）の今年上半期（1～6月）連結業績は、期中のコンテナ取扱量が前年同期比1％増の631万TEU、売上高が前年同期比13％増の13億2,167万ドル、EBITDA（税引き前・利払い前・償却前利益）は19％増の8億6,499万ドルと増収増益となり、当期利益は33％増の4億6,197万ドルで、これによりフリーキャッシュフローは24％増となる6億200万ドルに増加した。ICTSI Oregonにおける勝訴による特別利益とインドネシアのジャカルタにあるPT PBM Olah Jasa Andal (OJA)の連結除外の影響、また前年同期の一過性の支出の反動増によるもの。
　期中の支出は1億8,572万ドルでこれらは主に、メキシコのCMSA、ブラジルのICTSI Rio、フィリピン・マニラ港のManila International Container Terminal (MICT) 、コンゴ民主共和国のCTSI DR Congo S.A. (IDRC)、インドネシアのEast Java Multipurpose Terminal (EJMT) の拡張に充当した。

　中国船舶集団（CSSC）傘下の江南造船で12日、"CMA CGM Big Sur"（15,000TEU、写真）の命名・引き渡し式を開催した。同船はCMA CGM（仏）が江南造船に発注したLNG燃料15,000TEU型コンテナ船シリーズ6隻の第5船。長さ366 m、幅 51m、航海速力22ノットで、LNG船の防熱装置"GTT MARK-IIIシステムを採用、空気とガスの比率を自動的に追跡し調整できるインテリジェント制御排気ガス再循環 (iCER) システムを備えた新世代のLNG二元燃料エンジンを採用しており、メタンの排出を 50%削減、温室効果ガス（GHG）の排出を28%以上削減できる。
　同船はCMA CGMがCOSCO（中国）、Evergreen（台湾）、OOCL（香港）と構成するOcean Allianceによるアジア／地中海航路のMediterraean Club Express（MEX）に投入、他の14,000～17,000TEU型12隻とともに、青島～釜山～上海～寧波～厦門～南沙～蛇口～シンガポール～バレンシア～バルセロナ～フォス～マルタ～ポートクラン～青島のローテーションで定曜日ウイークリーサービスする。

　韓国船社のPan Oceanは12日、HD現代重工業で建造した17万4,000m3型LNG運搬船”New Brave"の引き渡しを完了したと発表した。同船は長さ299m、幅46.4m、深さ26.3m二元燃料エンジンを搭載し、窒素酸化物（NOx）や硫黄酸化物（SOx）などの排出量を減らし、燃費を削減できる環境に優しい高効率LNG運搬船。今年7月25日に命名式を開催した2隻の新造船（写真）のうち最初に引き渡しを受けた1隻で、第2船の"New Nature"は9月中に引き渡しを受ける予定。
　2隻は2020年に石油メジャーのShellと締結した長期輸送契約をもとに建造したもので、2021年にShellと追加で締結した2隻も年内に引き渡しを受ける予定で、今後最大13年間、世界各地にLNGを輸送する計画だ。
　Pan Oceanは今年始まるShellとの長期契約でLNG輸送市場に本格進出、運営ノウハウを蓄積すると同時に、今後追加の事業機会も狙っており、持続的なLNG事業の拡大を通じて徐々に深化している不確実性に対する市場対応力を強化し、海上輸送分野で絶えず台頭している炭素削減要求にも柔軟に対処する。

　川崎市港湾局は海の月間を記念して、市内の子どもたちを対象に、川崎港の外貿ふ頭で荷役している大型の自動車専用船に体験乗船する見学会を9日に開催した。
　見学会は、将来を担う子どもたちに国際物流の現場を体験してもらうことで、貿易や海運に対する関心を高めてもらうことが狙い。参加者は多摩区内の小学校1年生から6年生までの児童33人（引率者除く）。日本郵船の自動車専用船“Harmony Leader”（2011年建造、船籍バハマ、全長200m、積載可能台数6,400台）に乗船した。

　成田国際空港（NAA）は、日本貨物鉄道（JR貨物）、日本フレートライナー（日本FL）と「成田空港モーダルシフト推進協議会」を立ち上げ、関西→成田間で環境にやさしい鉄道共同輸送サービス「RAIL to NARITA LCL サービス」の実証実験を開始し、モーダルシフトを推進する。
　現在、関西で生産した製品を成田空港から輸出する場合、関西→成田への国内輸送のほとんどがトラックで輸送していることから、CO2排出削減や長距離トラックドライバーの確保が課題となっている。一方で、鉄道輸送は一度に大量輸送が可能でCO2排出量の少ない輸送手段だが、利用にあたってはコンテナ単位での契約となることから、重量が軽く、高価値な製品が多い航空貨物での利用が難しいという課題があった。
　今回、NAAがプラットフォーマーとしてLCLサービスの立案とフォワーダーに利用を働きかけ、JR貨物と日本FLが企画販売と輸送サービスを提供することで、協議会として新たに小ロット（パレット単位）でも利用可能な鉄道共同輸送サービスの実証実験に、24年8月〜25年2月の期間、取り組むこととなった。同実証実験に対して国土交通省の24年度「モーダルシフト等推進事業費補助金」の交付が決定している。補助金の活用で利用しやすいトライアル価格を設定することでより多くのフォワーダーが鉄道輸送にトライアルし、実証実験を通して課題やニーズを洗い出し、2025年度の本格運用開始を目指す。関西地区から成田空港周辺のフォワーダー施設（保税蔵置場）に輸送、成田空港から輸出する航空貨物を対象に、成田空港発国際貨物を輸送手配するフォワーダーに対して、トライアル利用料金（補助金活用による特別料金） 1パレットあたり内国貨物が5,000円（税抜）、外国貨物が5,000円（非課税）を提供する。
　NAAは、「新しい成田空港」構想の新貨物地区において、モーダルシフト推進のための航空貨物と貨物鉄道輸送をシームレスにつなぐ仕組み作りを目指しており、同実証実験はその第一歩となる。今後も、荷主、フォワーダーに選ばれる施策を提供、成田空港の航空物流拠点化を促進していく方針だ。

　わが国大手フォワーダー5社の輸出混載貨物取扱量は、今年第1四半期までは前年からのマイナス基調で推移してきたが春以降は好転して月を追うごとに伸び率が拡大、7月は上位３社がいずれも2ケタ増を達成し、出遅れていた阪急阪神エクスプレスもプラスに転じた。
　日本通運の7月実績は前年同月比15.5％増の1万8,797トンと4カ月連続増、郵船ロジスティクスは40.5％増の1万1,496トンで同社にとって40％を超える伸び率は20年9月以来のこと。近鉄エクスプレスも23.9％増の高い伸び率で1万1,239トンと3カ月連続で1万トン台を維持した。にしてつは9.4％増の3,536トンで4カ月連続増、阪急阪神エクスプレスは4.7％増の2,782トンで22年6月以来25カ月ぶりのプラスとなった。　
　パンデミック前からの5社の月間実績をグラフでみると、コロナの発生からその余波が落ち着くまでにほぼ3年かかったが、23年からマーケットはほぼ正常化、落ち着いた荷動きとなっている。世界的なeコマース需要の増勢、海上輸送ルートの地政学的な混乱によるモーダルシフトなどで航空貨物需要は好調な伸びが持続し、フォワーダーの取扱量も春以降は拡大しつつあるが、今年は北米東岸港湾労組（ILA）と使用者側の労働協約が9月末で期限切れとなり、契約更改交渉の成り行き次第ではストライキによるサプライチェーン混乱の懸念もあるため、その動向は要注意だ。

　米国の小売り最大手、Walmartはこのほど、オンラインマーケットプレイスを利用して中国の売り手向けに海上輸送と通関サービスの提供を開始した。Walmart Cross Borderと呼ばれるこのサービスは、当初、中国の塩田、上海、寧波の3港から米国向けコンテナを対象に、港からドアまでのベースで提供、売り手は、20'、40'、45'コンテナについてWalmartが交渉した海上運賃を利用でき、参加するには、売り手が商品を中国で調達または製造し、FCLを仕立てるのに十分な商品を持っており、Walmartが2日間で米国国内配送ネットワークに結び付けるウォルマートフルフィルメントサービス (WFS) プログラムの参加者でもある必要があり、Walmartが優先する米国の通関業者を利用するという。
　Walmartは2年前に米連邦海事委員会（FMC）に登録したNVOCC子会社を活用、パートナーの商品を中国から米国に海上輸送し、商品をWalmartのフルフィルメントネットワークにつなぎ、港からドアまでのFCL貨物の輸送サービスを提供するもので、海上輸送と通関の調整を含むエンドツーエンドの物流サービスに似たものに対する海外の売り手からの需要の高まりに対応、ウォルマートオンラインマーケットプレイスを通じて消費者の需要をもたらし、売り手が通常ではアクセスできない買い手にリーチできるよう支援する。
　Walmartの新サービスは、電子商取引（EC）と国際物流の課題に不慣れな販売者を支援することを目的としたデジタルフォワーダーやフォワーダーの組み合わせに対する競争上の脅威でもあり、Walmartにとって、売り手からの物量を集約することで船社との運賃交渉上の立場を有利にすることになるものとみられている。

　四日市港管理組合によると、24年6月の同港の外貿コンテナ取扱個数は、実入り空・輸出入合計で前年同月比4.1％減の1万2,961TEU、うち輸出が10.3％減の7,059TEU、輸入が4.6％増の5,902TEUだった。この結果、24年上期（1〜6月）累計では、実入り空・輸出入合計で前年同期比1.2％増の8万2,399TEU、うち輸出が0.1％増の4万5,191TEU、輸入が2.6％増の3万7,208TEUだった。
　6月の実入りコンテナの輸出は11.6％減の6,115TEU、輸入は5,830TEUと4.7％増加、輸出入合計で4.3％減の1万1,945TEUと2カ月連続で減少した。空コンテナは輸出入合計で0.8％減の1,016TEU。1〜6月累計の国際フィーダーコンテナ取扱個数は前年同期比10.2％減の4,220TEU。
　上期（1〜6月）累計では、実入り輸出が前年同期比1.4％増の3万9,732TEU、実入り輸入が2.0％減の3万4,362TEU、実入り輸出入合計で0.2％減の7万4,094TEU、空コンテナが輸出入合計で15.4％増の8,305TEU。
　上期累計の外貿コンテナ取扱個数を相手国別にみると、輸出では最大の仕向国は中国で1.8％減の5,300TEU、2位の台湾は5.1％減の4,899TEU、3位の韓国は10.0％増の4,314TEU、4位は米国で12.9％増の4,128TEU、5位のタイは9.4％減の4,008TEU。輸入は中国が首位を堅持したが、6,158TEUと5.5％減少、次いでフィリピンは3.8％減の5,863TEU、3位韓国は24.6％増の5,373TEUと2ケタ増、4位のインドネシアは8.4％減の4,760TEUと振るわなかったが、5位のタイは9.9％増の4,340TEUと好調を維持した。

　阪急阪神エクスプレスの香港法人、Hankyu Hanshin Express (HK) Ltd.は、国際認証機関であるDQSからTAPA（Transported Asset Protection Association） FSR（Facility Security Requirements） 2023の認証を7月9日付で取得した。
　TAPA FSR 2023 認証は、ハイテク製品を始めとした高価値商品の保管と輸送に関わる施設のセキュリティに関する厳格な要件を定めた、米国発祥の規格。認証は要件項目数が最も多いLevel Aから最小限のLevel Cの3段階に分かれ、香港法人はLevel Aを取得した。また、施設は航空輸出専用の青衣倉庫を対象として認証取得したことで、セキュリティ要件の高い米国向け旅客便へのULDビルドアップも可能となり、今後の米国向け航空貨物のさらなる取扱拡大に弾みをつけることになる。さらに、盗難や紛失リスクの少ない、安全性の高い施設で貨物を取り扱う事業者として認定を受けたことで、ISO9001、ISO14001、ISO27001、ISO45001、AEOなど既に取得済みの他規格との同時適用による相乗効果も期待できる。

　大運の25年3月期第1四半期（24年4〜6月）の業績は、売上高が前年同期比7.3％増の20億8,000万円、営業利益が42.2％増の8,800万円、経常利益が30.7％増の1億2,00万円、四半期純利益は14.6％減の1億900万円だった。
　港湾運送事業は、同社主要取引先の受注が堅調に推移、売上高（セグメント間の内部売上高または振替高を除く）は20億3,015万円で7.6％増収、セグメント利益（営業利益）は29.4％増の1億6,894万円だった。

　Descarates Systems Group（カナダ）が発表した最新版のGlobal Shipping Reportによると、7月の米国コンテナ輸入量は前月比11.2%増、前年同月比16.8%増の255万6,180TEUと、26カ月ぶりの高水準を記録し、初めて240万TEUを突破した。港湾や内陸物流に負担がかかっていたにもかかわらず、7月の全体的な港湾輸送時間の遅延は6月より改善し、輸入業者にとってはプラスとなった。7月の中国からの輸入が102万2,913TEUと前月比14.7％増、前年同月比19.9%増となったことが、輸入量全体の大幅な伸びに寄与した。
　7月の上位10港の合計コンテナ輸入量は前月比12%（23万6,884TEU）増加、ロサンゼルス港は6万9,476TEU増、ニューヨーク/ニュージャージー港は5万8,258TEU増となった一方、ヒューストン港は174TEU減、オークランド港も552TEUと低調だった。
　中国からの輸入量は102万2,913TEUで過去最高だった22年8月の100万3,725TEUを1.9%（1万9,188TEU）上回り過去最高、上位2品目は引き続きHS-94（家具、寝具など）、HS-39（プラスチック・同製品）の消費財で、中国からの輸入量全体に占める割合は40%と前月比1.2%拡大したが、過去最高だった22年2月の41.5%を1.5%下回った。
　原産国（CoO）上位10カ国からの合計輸入量は前月比19万8,841TEU（11.7%）増加、中でも中国が13万1,457TEU、ベトナムが2万4,650TEU、香港が18万8,741TEUと大幅に増え、インドからは8,945TEU減少した。
　上位10港における港湾輸送の遅延は、全体的に改善したが、西岸と東岸では改善と悪化が混在、東岸ではチャールストン港が前月から2.9日と最も大幅に改善した一方、西岸ではタコマ港が1日延び、最も悪化した。

　みずほリサーチ&テクノロジーズは、新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）が公募した「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業／総合調査研究／国内水素輸送シミュレーションモデルの構築に向けた基礎調査」における委託事業について、水素バリューチェーン推進協議会と共同で提案し、NEDOがこのほど採択、調査・検討を開始する。
　みずほは、水素が多くのセクターにとって脱炭素化を実現するうえで有望な領域の一つになると位置づけ、24年5月には、水素などのサプライチェーンの構築・社会実装の加速に貢献するため、30年までに水素などの製造分野などへの2兆円のファイナンスの実行を目指すことを発表している。みずほリサーチ&テクノロジーズは、かねてから、水電解装置や燃料電池のロードマップ策定支援など、日本政府の戦略策定への関与や水素関連のキーテクノロジーの開発・商用化支援に加え、水素需要・コスト分析と水素製造・発電技術の実現可能性調査の支援など水素サプライチェーン構築の実現に向け取り組みを進めてきた。
　今回の調査は、将来へ向けた国内水素サプライチェーン構築のために必要となるさまざまな水素需要地における水素供給コストを試算可能な国内水素輸送シミュレーションを構築することを目標として、基礎調査する。具体的には、まず、国内水素サプライチェーンを分析評価したうえで、国内水素サプライチェーン評価結果を企業などへ展開、フィードバックを取得し、将来の国内水素輸送シミュレーションモデルの構築に向けた検討を開始する。

　米国上院に違法商品や模造品の取り締まりを強化するため、eコマース商品の輸入検査をより厳しくする法案がこのほど提出された。
　タイトルが「Fighting Illicit Goods, Helping Trustworthy Importers, and Netting Gains (FIGHTING) for America Act」という超党派の法案は、申告額が800ドル以下の輸入品は関税なしで原産地情報の申告も不要とする“デミニマスルール”を悪用し、検査なしに無税で税関を通過している商品への規制を強化することを目的としたもので、SheinやTemuといった中国のインターネット通販業者の商品がターゲットとなっている。
　これらの輸入商品は17年から23年までの5年間で4倍に増えており、それによって税関・国境警備局（CBP）が不法薬物や毒性産物、コピー商品、強制労働による製品やその他米国法に違反する商品を効果的な選別を難しくさせていると法案提出議員は主張している。
　法案では繊維製品、衣料、革製品、不当廉売防止あるいは相殺関税対象商品など、とくに他国製品との競争に影響を受けやすい商品がデミニマスルールを利用して大量に流れ込んできていることによって検査が行き届かず、不法輸入のリスクに晒されているとしてこれらの商品の輸入を禁止し、一方でデミニマスルールの抜け道をふさぐため、ルール違反の罰金の引き上げや同ルールによる通関手続きに1件あたり2ドルの手数料新設などの対応が盛り込まれている。

　中東での紛争が続いている影響で、輸送需要が増加、運賃上昇により、台湾船社のEvergreenが発表した今年7月の営業収益は543.97億台湾ドル（1台湾ドル＝4.56円）と前月比120.42億台湾ドル（28.43%）増、前年同月比では309.73億台湾ドル（132.23%）もの大幅増収を記録した。1～7月累計の営業収益は2,493.64億台湾ドルで前年同期比917.29億台湾ドル（58.19%）の増収だった。

　カナダ労使関係委員会（CIRB）は9日（現地時間）、長距離トラック輸送による合理的な代替手段が存在するため、鉄道業務中断も公衆衛生に深刻な危険はないとの判断を下し、8月22日にも鉄道ストライキが始まる可能性を示唆した。
　カナダ鉄道道会社の車掌などで構成する乗務員組合のTCRC（チームスターズカナダ鉄道会議）のストで、Canadian National鉄道（CN）、Canadian Pacific Kansas City鉄道（CPKC）のサービス中断が国民の健康と安全にどのような影響を与えるか検討した結果、「不便と経済的困難をもたらすだろうが、差し迫った深刻な危険は生じない」と判断した。
　TCRCは当初、5月22日にストを実施する予定だったが、カナダ政府が5月9日にCIRBに対し、鉄道サービスが必要不可欠とみなされるかどうか、ストライキが公衆衛生を脅かすかどうかを判断するよう要請したため、ストは一時中断されいたが、今回のCIRBの決定で、5月9日に停止していた時計の針が動き出し、13日間のクーリングオフ期間中に労使が合意に達しなかった場合、72時間前の通告で、8月22日からストあるいはロックアウトが発生する可能性が高まっている。
　ただ、カナダではストが珍しくないが、団体交渉サイクルが多様であることを考慮すると、通常、ストが2大鉄道に同時に影響を与えることはないとみられている。

　台湾船社のYang Mingが発表した今年第2四半期（4～6月）業績は、売上高が前年同期比50.1%増の586億台湾ドル（1台湾ドル＝4.56円）と過去最高、営業利益は799.1%増の141億台湾ドル、当期損益は前年同期の131億台湾ドルの赤字から140億台湾ドルの黒字に転換した。
今年上半期（1～6月）業績は、売上高が前年同期比33.9%増の964億台湾ドル、営業利益が624%増の220億台湾ドル、当期純利益が579.1%増の234億台湾ドルと大幅に改善した。
　また、Wan Hai Linesが発表した第2四半期業績は、売上高が前年同期比56%増の382億台湾ドル、営業利益が1,226%増の109億台湾ドル、当期損益は前年同期の23億台湾ドルの赤字から116億台湾ドルの黒字に転換した。
　上半期も売上高が前年同期比31.5%増の658億台湾ドル、営業損益は前年同期の240億台湾ドルの赤字から131億台湾ドルの黒字、当期損益も前年同期の44億台湾ドルの赤字から162億台湾ドルの黒字に好転し、好調だった。

　寧波航運交易所（NBSE）が発表した先週の寧波輸出コンテナ貨物指数（NCFI）は、全体的に値下がりし、総合指数（2012年第10週＝1000）は前週比4.0%下落し2437.0だった。21航路のうち6航路で指数が上昇、15航路で下落、「海上シルクロード」沿いの主要港では、2港の運賃指数が上昇し、14港が下落した。
欧州・地中海航路は、航路全体の荷動き量が不足しており、需給は依然として緩く、スポット運賃は下落が続き、運賃指数は欧州航路が3410.7で前週比2.7％下落、東地中海航路が2257.7で5.2％下落、西地中海航路も2906.4で6.8％下落した。
　北米航路は輸送需要に比べて北米東岸航路の船腹供給が依然として過剰で、北米西岸航路へのコンテナ船投入が引き続き増加、船社が貨物確保へ値下げ集荷を続けており、運賃指数は北米東岸航路が3220.6で前週比2.1%下落、北米西岸航路は3440.7で6.0%下落した。
　中東航路は輸送能力が比較的十分であり、スポット運賃は低迷し、下落傾向に戻っており、運賃指数は1633.1で前週比8.2％下落した。
　さらに、先週は豪州・NZ航路の輸送需要が増加、スペース不足で、スポット運賃が大幅に上昇し、運賃指数は2871.5で、前週比12.7％上昇した。

　韓国海洋振興公社（KOBC）が12日に発表した先週の釜山港を基準とする韓国型コンテナ運賃指数（KCCI：KOBC Container Composite Index）は、東西航路を中心に値下がりし、総合指数は4673と前週に比べ2.20%下落、5週連続でダウンした。
　釜山発輸出コンテナ運賃指数は、北米、欧州など13航路の各地域別の主要港湾向けスポット運賃（THCなど含む）のFEUあたりの航路別指数と総合指数で構成、航路別指数は荷動き量などを反映して算出、一方で総合指数は航路別運賃指数を加重平均して算出している。
　航路別にみると、東西航路は北米西岸航路が前週比4.47%下落し6,343ドル／FEU、北米東岸航路が1.67%下落し9,283ドル／FEU、欧州航路が1.05%下落し8,390ドル／FEU、地中海航路も2.56%下落し7,294ドル／FEUとなった。
　南北航路は豪州航路が0.71%上昇し2,974ドル／FEU、南アフリカ航路も0.81%上昇し7,490ドル／FEUと小幅アップしたが、中東航路は1.14%下落し4,237ドル／FEU、南米東岸航路が1.39%下落し8,441ドル／FEU、南米西岸航路が5.93%下落し5,460ドル／FEU、西アフリカ航路も2.07%下落し6,651ドル／FEUだった。
　アジア域内航路は、東南アジア航路が0.27%上昇し1,492ドル／FEU、日本航路が1.63%上昇し250ドル／FEU、中国航路は横ばいの53ドル／FEUで安定した。

　先週の中国輸出コンテナ輸送市場は、中東地域の紛争が深刻化し、市場の不確実性が拡大する一方、北米、欧州航路などで船腹供給が増加し、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）は3253.89と前週比2.4%下落し、5週連続で弱含みで推移した。
　先週のSCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が前週比2.5%下落し4,786ドル／TEU、地中海航路が5.3%下落し4,733ドル／TEU、北米西岸航路が2.8%下落し6,068ドル／FEU、北米東岸航路も2.8%下落し9,083ドル／FEUとなった。
　南北航路は豪州・NZ航路が12.3%上昇し1,776ドル／TEU、東・西アフリカ航路が0.8%上昇し5,068ドル／TEU、南米航路も1.5%上昇し7,987ドル／TEUとなった一方、中東ガルフ航路は0.4%下落し2,208ドル／TEU、南アフリカ航路も1.7%下落し4,800ドル／TEUと上げ下げが交錯した。
　アジア域内航路は東南アジア航路が5.3%下落し595ドル／TEUとなったほかは、韓国航路が横ばいの162ドル／TEU、関西航路が横ばいの293ドル／TEU、関東航路も横ばいの299ドル／TEUで安定推移した。
　主要港湾の混雑の影響によりデンマークの海運調査会社、Sea-Intelligenceが発表した今年6月のコンテナ船のスケジュール順守率は54.4%と前月比3.8ポイント悪化、前年同月比では9.8ポイント悪化した。
　北米航路は、主要船社による臨時船投入や新規サービス開設などが続き、運賃への下押し圧力が続く中、北米西岸航路の週あたりコンテナ船腹量は前週比47%増、北米東岸航路は39%増となり、一部船社は8月後半の一括運賃値上げ（GRI）を推進中だが、成功するかどうかは不透明とみられている。
　米国東岸・ガルフ諸港では港湾労組（ILA）のスト懸念により、サプライチェーンの不安が拡大しており、8月の輸入量が急増する可能性も存在する中、運賃は西岸比で堅調に推移しており、最近、北米東岸航路と北米西岸西岸のスポット運賃の差は約3,000ドル／FEUと、2年ぶりの高水準となった。
　パナマ運河庁（ACP）が5日、1日当たりの最大通航船隻数を従来の34隻から35隻に、最大ドラフトを14.94m・49ftに緩和したことで、パナマ運河の通航状況が改善される見通し。
　欧州・地中海航路は臨時船の投入が増加し、欠便が減少しているため、船腹供給が増加し、特に地中海航路は週あたりの船腹供給量が前週比で約45%増加し、運賃は5%以上下落した。
　アジアでは、バングラデシで大規模なデモや政情不安により商業活動が中断、輸送需要が減退、 バングラデシュの主要港湾が閉鎖、首都を結ぶ鉄道接続も遮断、サプライチェーンがマヒし、商品の輸配送に支障が生じている。

　名港海運の2025年3月期第1四半期（24年4〜6月）の連結業績は、売上高が前年同期比1.7％増の193億7,200万円、営業利益が4.4％増の13億7,600万円、経常利益が8.9％増の20億2,200万円、親会社に帰属する四半期純利益は、6.0％減の12億1,500万円となった。
　港湾運送部門は、船内と沿岸作業、海外での取り扱いが増加し売上高は3.8％増の116億6,400万円、倉庫保管部門は、国内と海外保管貨物の取り扱いが減少し売上高は9.8％減の25億4,200万円、陸上運送部門は国内外ともに取り扱いが減少し、売上高は1.4％減の29億4,500万円、航空貨物運送部門は、航空貨物需要の回復で輸出入ともに取り扱いは増加し、売上高は18.1％増の7億3,600万円、その他部門の売上高は6.6％増の10億4,600万円。これらの結果、港湾運送とその関連の売上高は、1.6％増の189億3,500万円で、営業利益は5.0％増の11億5,600万円となった。

　伊勢湾海運の25年3月期第1四半期（24年4〜6月）の連結業績は、鉄鋼原料と金属加工機の取扱量減少により売上高が前年同期比17.9％減の124億6,900万円と落ち込み、営業利益は62.5％減の4億3,900万円、経常利益は54.4％減の6億6,700万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は56.2％減の4億2,100万円となった。
　売上高の内訳は、船内荷役料が13.9％減の15億4,400万円、はしけ運送料が37.7％減の1,000万円、沿岸荷役料が25.1％減の15億6,800万円、倉庫料が15.7％増の9億7,300万円、海上運送料が28.1％減の24億6,100万円、陸上運送料が4.4％減の16億7,400万円、附帯作業料が19.7％減の42億200万円、手数料が7.6％増の3,400万円だった。

　上組は25年3月期第1四半期（2024年4月1日〜2024年6月30日）の連結業績を発表、売上高は港湾運送事業の取扱量増加に伴い、1.3％増の680億9,600円、利益面でも、営業利益は8.5％増の85億8,700万円、経常利益は6.5％増の99億4,600万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は10.1％増の71億9,800万円となった。
　港湾運送は、飼料、穀物、青果物、コンテナの取扱量が増加、24年3月の大阪市南港地区における定温倉庫建て替えも取扱量の増加に寄与、国際運送では、前期における発電設備などプロジェクト貨物の案件減少や中国における荷動きの低迷を受け、減収。物流事業全体の売上高は2.1％増の597億5,700万円、セグメント利益は8.2％増の75億3,900万円となった。その他事業の売上高は1.9％増の93億5,400万円、セグメント利益は11.3％の10億4,200万円となった。

　トレーディアの25年3月期第1四半期（24年4〜6月）の連結業績は、総取扱量は前年同期比7.6％増加し、売上高は0.4％減の38億700万円、営業利益は一般管理費の減少で35.3％増の3,200万円、経常利益は受取配当金と持分法による投資利益が減少したことで18.2％減の1億1,000万円、特別損失として、リース解約損300万円を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は19.5％減の7,500万円となった。
　輸出部門の売上高は11.3％増の6億9,100万円、セグメント損失は200万円（前年同期はセグメント損失3,300万円）の計上となった。輸入部門の売上高は2.8％減の12億2,500万円、セグメント損失は2,100万円（前年同期はセグメント損失2,800万円）の計上となった。国際部門は売上高が2.3％減の18億5,800万円、セグメント利益は39.6％減の4,200万円となった。

　鴻池運輸の25年3月期第1四半期（24年4〜6月）の連結業績は、空港関連での国際旅客便の復便などの取扱量増加と単価アップの獲得、国際関連での航空貨物単価の回復と海外現地での取扱量増加などで、売上高は前年同期比8.8％増の837億600万円、利益については、空港関連での取扱量増加に伴う黒字転換に加え、鉄鋼関連の環境部門での取扱量増加と燃料費削減取り組みや業務効率化、適正単価の収受などで、営業利益は63.6％増の64億5,800万円、経常利益は60.2％増の68億5,700万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の処分もあり141.3％増の63億2,700万円だった。
　複合ソリューション事業は、売上高が8.5％増の540億7,200万円、利益は63.1％増の64億2,500万円、国内物流事業の売上高は3.8％増の136億7,000万円、利益は8.6％増の8億9,300万円、国際物流事業の売上高は14.6％増の159億5,100万円、利益は41.6％増の10億7,800万円だった。
　5月10日に公表していた25年3月期第2四半期連結業績予想を修正、売上高は1,700億円で変更せず、利益面を上方修正し、営業利益が前回予想から25億円増の115億円、経常利益が26億円増の116億円、親会社株主に帰属する中間純利益は33億円増の93億円とした。

　大東港運の2025年3月期第1四半期（24年4〜6月）の連結業績は、売上高が前年同期比0.7％増の42億5,000万円、営業利益は20.1％減の1億7,800万円、経常利益は17.0％減の2億1,700万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は18.7％減の1億4,000万円となった。
　輸出入貨物取扱事業は、売上高は水産原料取り扱いの増加で0.1％増の32億788万円、セグメント利益はコスト増加による減益で4.3％減の4億3,024万円となった。鉄鋼物流事業の売上高は3.8％増の4億9,867万円、セグメント利益は14.4％増の3,499万円だった。その他事業の売上高は連結子会社の増収で1.5％増の5億4,399万円、セグメント利益は連結子会社のコスト増でセグメント損失758万円（前年同期はセグメント利益1,364万円）を計上した。

　タカセの25年3月期第1四半期（24年4〜6月）の連結業績は、日本は増収したものの中国現地法人で中国経済低迷の影響を受けたこと、米現法で一部主要顧客の業務取扱量が落ち込んだことから、同社グループ全体の売上高は前年同期比0.1％増の19億5,500万円とほぼ横ばいとなった。
　利益面では、一部主要顧客との間で収受価格の改定による利益率が改善した一方で、作業コストのコントロール、作業収益に係る業務取扱量の変動への対応が遅れるとともに、中国現法で減収の影響を受け、利益が積み上がらなかったこともあり、営業利益は59.7％減の1,100万円となった。
　経常利益では55.5％減の2,100万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は61.7％減の1,400万円となった。

　ベトナムのSaigon Newport（SNP）は9日、傘下のコンテナ機器メーカー、Tan Cang Gantry（TCGT） が厳格な国際基準を満たす最新の6＋1段積みゴムタイヤ式ヤードクレーン（RTG 6+1）の設計と製造に成功したと発表した（写真）。
　TCGT2018年に設立、2022年からRTG製作プロジェクトを開始、昨年までに最初の03 RTGを制作、親会社に引き渡し、カトライ港とタンカンヒエップフック港で稼働中で、最新の制御システムと強力なエンジンを備えた RTG6+1は高速の吊り上げと移動速度を保証し、作業プロセスを最適化し、カトライ港での荷役ニーズに対応する。Siemens（独）、Flender（独）、Stinis（蘭）、Bromma（スウェーデン）などの国内外の荷役機器メーカーが供給する最新の駆動、制御システムを搭載、国際規格に従って製作された頑丈なスチール構造により、あらゆる気象条件下で長寿命と安定した動作が保証される。
　TCGTは、ベトナムブランドのRTGの成功を受けて、今後、生産規模を拡大し続け、さらに5基の RTGを製作するプロジェクトを進め、ベトナムだけでなく、アジア諸国へ輸出する機会もうかがう。

　NIPPON EXPRESSホールディングスは、24年7月の同グループの国際海上輸送取扱実績（輸出）を発表、日本・海外合計で前年同月比23.9％増の7万7,451TEUと、7カ月連続で2ケタ増を記録、今年に入ってから好調が継続している。
　7月の実績を地域別にみると、日本が1万9,472TEUと前年同月比2.2％減とマイナスに転じた。一方、海外は36.1％増の5万7,979TEUと好調を持続した。
　NXグループの傘下となったcargo-partnerの実績を7月から別に統計しており7月のCP社を除く実績をブロック別にみると、日本発が2.2％減の1万9,472TEU、米州発が24.0％増の3,656TEU、欧州発が12.2％増の5,535TEU、東アジア発が1.4％増の2万614TEU、南アジア発が2.9％増の1万4,809TEUと全ブロックとも前年を上回り、CP社を除く実績は全体で4.7％増の4万4,614TEUだった。
　またCP社の7月実績は、米州発が46.7％減の84TEU、欧州発が19.0％減の3,698TEU、東アジア発が6.6％減の7,747TEU、南アジア発が41.0％減の1,836TEU、合計で17.1％減の1万3,365TEU（日本発実績なし）だった。

　大東港運は同社のシンガポール子会社のEver Glory Logistics Pte. Ltd.（EGL）がシンガポールのトゥアス地区に倉庫物件を取得することを決定した。
　EGLは同社が67.6％の資本を有する連結子会社で、東南アジアにおける海外事業ネットワークを支える役割を担っている。シンガポールは、アジアの物流ハブ拠点を担い、今後、さらなる経済成長が期待でき、取扱貨物の多様化が進み、定温保管のほか、さまざまな倉庫需要の拡大も見込まれている。当該物件は地理的条件、設備条件（合計17基のLoading Bay、3基のCargo Lift、有効活用が可能なオープンスペース）などの機能性を有し、顧客ニーズに十分応えることができるとしている。取得する倉庫（29 Tuas Avenue11 Singapore 639089）は借地権付きで、敷地面積が12万3,913ft2、倉庫面積が14万2,594ft2、10月に稼働を開始する予定だ。

　商船三井ロジスティクスは大東港運と、両社の強みを活かした戦略的提携に合意した。
　商船三井ロジスティクスは、長年にわたり米国からのシーフードの航空輸入などで信頼と質の高いサービスを提供しているとともに、商船三井グループとしても国内外で冷蔵倉庫事業を中心にフードロジスティクスを展開、冷蔵冷凍技術の向上に伴う成長が期待できる中、既存倉庫の改良や新規投資に着手している。同社は、このネットワークを活かし、航空輸送のみならず海上輸送もメニューに加え、幅広い顧客層に対して質の高いサービスを提供できる体制を整えている。
　一方、大東港運は、食品の通関、冷蔵、冷凍保管において豊富な経験と専門知識を有しており、国内外の多様なニーズに対応する高品質なサービスを提供している。国内における食の安全の観点から、厳しい規制とそれに対応する複雑な手続きが必要で、大東港運はその分野で確固たる実績を持っている。今回の提携により、商船三井ロジスティクスの国際航空・海上フォワーディングやロジスティクス事業を通じ長年培ってきた知見とネットワーク力に、大東港運の食品物流におけるノウハウ・実績を融合させ、フォワーディング、通関、保管のワンストップサービスを提供していく方針だ。

　近鉄グループホールディングスは、25年3月期第1四半期（24年4〜6月）の連結業績を発表、このうち国際物流業では販売価格の低下が進んだものの円安進行に伴い増収となったため、売上高は前年同期比3.1％増の1,889億2,200万円となったが、運賃原価の高騰により利益率が低下したため、営業利益は80.4％減の11億4,000万円と大幅な減益となった。
　売上高のうち、航空貨物輸送は前年同期比3.3％減の629億3,000万円、海上貨物輸送が6.1％増の553億4,700万円、ロジスティクスが5.8％増の585億9,300万円だった。また、エリア別にみると、日台韓の売上高が5.9％減の483億1,100万円、営業利益が71.6％減の6億7,000万円、米州の売上高が3.6％減の235億7,400万円、営業利益が58.6％減の9億7,800万円、欧州・中近東・アフリカの売上高が0.6％増の138億4,600万円、営業利益が80.7％減の2億400万円、東アジアの売上高が12.3％増268億5,900万円、営業損失2億7,900万円を計上、東南アジア・オセアニアの売上高は15.6％増の249億1,200万円、営業利益が73.7％減の2億600万円、APLLの売上高が6.2％増の559億7,200万円、営業利益が53.7％増の11億300万円だった。

　静岡県清水港管理局が発表した7月の総コンテナ取扱量（速報値、実入り・空合計）は、外内貿合計で前年同月比4.8％増の4万4,819TEUとなり、外貿コンテナは0.4％増の3万4,678TEUと小幅ながら2カ月ぶりのプラスとなった。
　外貿コンテナのうち実入りの輸出が7.1％減の1万3,224TEU、実入り輸入は4.3％増の1万6,169TEU、空コンは輸出入合計で10.4％増の5,285TEUだった。
　また内貿は22.9％増の1万141TEUと2ケタ増、うち実入りの移出は27.9％増の3,810TEU、実入り移入も37.1％増の2,647TEUとともに2ケタ増、空コンテナは移出入合計で10.4％増の3,684TEUだった。
　1〜7月累計では、外内貿合計で前年同期比1.2％減の29万5,396TEU、外貿が3.0％減の22万9,982TEUだった。 累計の外貿コンテナのうち、実入りの輸出が6.7％減の8万6,532TEU、実入り輸入は0.8％増の11万1,792TEU、空コンテナは輸出入合計で5.5％減の3万1,658TEUだった。内貿コンテナは移出入・空・実入り合計で6.0％増の6万5,414TEUだった。

　商船三井ロジスティクスは、日本航空（JAL）と持続可能な代替航空燃料であるSAF利用を推進する「JAL Corporate SAF program」の契約を締結し、8月から参画した。
　SAF（Sustainable Aviation Fuel）は、主にバイオマスや廃食油、排ガスなどを原材料とした航空燃料、持続可能な代替航空燃料で、従来の石油由来のジェット燃料と比べてCO2の実質排出量を60〜80％削減でき、カーボンニュートラルの実現に貢献する次世代燃料。今回、商船三井ロジスティクスの主要なビジネスパートナーであるJALが、SAFの調達からCO2排出削減証書発行まで一連の流れに関する実証プログラム「JAL Corporate SAF program」を企画し、同社はその趣旨に賛同、参画することとなった。同プログラムは、JALが企業と連携してSAFの利用を推進し、2050年までにネット・ゼロエミッション化を達成するための取り組みの一つ。
　商船三井ロジスティクスは、ミッションとして「低・脱炭素分野に注力する商船三井グループの一員として、環境負荷低減を意識したサービスの提供を心がけること」を掲げている。商船三井グループの環境憲章と環境ビジョン2.2に沿い、世界経済のインフラを支える総合輸送グループとして、人類全体の問題である海洋･地球環境の保全のために、企業活動全般で環境保全に配慮し行動することに取り組んでいる。

　タイ国際航空の今年第2四半期業績は、旅客収入が好調で全体の売り上げを押し上げたが、コストが売り上げの伸びを大きく上回り、増収減益となった。売上高は前年同期比17.1％増の448.83億バーツ（約1,877億円）で、うち旅客が15.9％増の360.88億バーツ、貨物・郵便が9.4％増の41.92億バーツといずれも好調だったが、コストが23.0％増と膨らみ、営業利益は15.4％減の50.96億バーツ、純利益は86.2％減の3.14億バーツ（約13億円）へと落ち込んだ。
　1-6月累計では売上高が15.2％増の954.67億バーツ、うち旅客が19.1％増の787.41億バーツ、貨物・郵便は2.9％減の79.54億バーツと減収、営業利益は45.4％減の120.45億バーツ、純利益は81.5％減の27.38億バーツと大幅減益となった。

　エティハド航空（UAE）が発表した貨物部門の今年1-6月期売上高は、需要の伸びと旅客便の増便によるベリースペースの増加で前年同期比9.8％増の18.61億ディルハム（AED、約747億円）と好調だった。
　輸送貨物量は32万トンで、前年同期に比べて16.8％の増加となった。同社では北米向けの需要増に対応するため他社との提携によりベリースペースの拡大をはかったほか、中国の順豊航空（SF Airlines）との提携をさらに拡大して新たに深圳−アブダビ線を開設したほか、欧州市場向けでもネットワーク拡大でB-777Fによる週2便のアブダビ−マドリードを7月に開始するなど積極的にキャパシティ増大をすすめている。
　同社の上半期総売上高は前年同期比21.4％増の116.99億AED（約4,691億円）でうち旅客収入が23.5％増の96.95億AED、営業利益が17.0％減の10.21億AED、純利益が48.0％増の8.51億AED（約341億円）だった。

　日本貨物航空（NCA）は、同社が燃油指標価格に用いている2024年7月の平均燃油価格が1バレルあたり98.32ドルだったことを受け、スキームに基づき、24年9月1日以降の日本発国際航空貨物燃油サーチャージも現行の適用額を継続する。
　適用金額は、TC1（主に北米・中南米）向けが93円/kg、TC2（欧州・アフリカ・中近東）向けが93円/kg、TC3遠距離（東南アジア）向けが79円/kg、TC3近距離（東アジア）向けが66円/kg。

　8月9日午後1時40分頃（現地時間）、中国の浙江省寧波港北侖ターミナルに停泊中のコンテナ船"YM Mobility"（6,589TEU）で爆発が発生、乗組員や港湾関係者に負傷者は報告されていない。Yang Mingの発表によると、事故原因は現在調査中で、予備調査の結果、船上の危険物を積載したコンテナで爆発が発生したことが示唆、船内に目に見える炎はなく、放水による冷却努力が続けられている。
　同船はYang MingがHapag-Lloyd（独）、HMM（韓国）、Ocean Network Express（ONE）と構成するTHE Allianceによるアジア／中東航路のCGX Serviceの投入船で、Yang Mingは、さらなる情報が入手可能になり次第、本船の状況、貨物の積み替え、スケジュールの調整に関する最新情報を提供するとしている。

　米国小売業協会（NRF）と調査会社、Hacket Associatesが主要コンテナ港のデータを基に小売業向け荷動きを6カ月先まで予測するGlobal Port Trackerの最新レポートによると、米国の小売業者は東岸労使紛争のリスクを想定し前倒しの在庫確保の動きを継続、7～8月に過去最高水準の輸入量に達すると予測した。
　今月に入っても米国の小売り業者は、9月末以降の米国東岸ガルフ港湾における労使紛争に伴うストを警戒し、事前の在庫確保の動きを継続、また西岸港経由の輸入へシフトしており、NRFはすでに西岸港の輸入シェアが50％を超えたと推定している。
　NRFは、現在は紅海情勢の悪化により輸送コスト、トランジットタイムの長大化によりサプライチェーンの負荷が高まっている状況でストが発生すれば、混乱は小売事業者により大きな打撃を与えるとし、労使に契約満了前の合意を呼びかけている。
　6月の小売輸入コンテナ実績は前月比3.6％増、前年同月比17.7％増となる216万TEUで、今年上半期（1～6月）は前年同期比15.0％増の1,210万TEUだった。
　7月はまだ確定した数値が出ていないものの前年同月比22.1％増の234万TEUと過去最高だった2022年5月の240万TEUに次ぐレベルになるとみており、8月もほぼ同水準の19.2％増の234万TEUになるものと予測している。
　9月は6.5％増の216万TEU、10月は1.7％増の209万TEU、11月は4.4％増の198万TEU、12月は3.5％増の194万TEUで2024年は前年比12.1％増の2,490万TEUになる見ている。
　NRFは2024年の、自動車、ガソリン、レストラン産業を除いた小売り市場の伸び率を前年比2.5～3.5％と予想している。

　NIPPON EXPRESSホールディングスは、24年12月期第2四半期累計（2024年1〜6月）の連結業績を発表、売上高はcargo-partner社グループを新たに連結の範囲に含めたことなどから、1兆2,498億円と前年同期比10.4％増となったが、航空輸送・海上輸送の需給ひっ迫状況の緩和の影響を受け販売単価が下落したことなどで減益となり、営業利益は52.4％減の192億円、税引前中間利益は49.0％減の210億円、親会社の所有者に帰属する中間利益は55.0％減の114億円となった。
　セグメント別では、日本の売上高は4.3％減の6,124億円、セグメント利益が32.8％減の155億円、米州の売上高は5.8％増の783億円、セグメント利益が49.2％減の26億円、欧州がオーストリアのcargo-partnerがグループに加わったことで大きく増収となり、売上高が151.5％増の2,373億円、セグメント利益が4.7％増の51億円、東アジアの売上高が5.7％増の817億円、セグメント利益が47.3％減の13億円、南アジア・オセアニアの売上高が0.7％増の724億円、セグメント利益が58.6％減の20億円、ロジスティクス全体では売上高が13.0％増の1兆824億円、セグメント利益が34.4％減の268億円。
　また警備輸送は売上高が1.8％増の344億円、セグメント利益が0.9％減の17億円、重量品建設の売上高が11.7％減の228億円、セグメント利益が45.2％減の16億円、物流サポートの売上高が1.3％減の2,063億円、セグメント利益が19.2％減の52億円。
　中間配当は1株当たり150円、期末も150円を予想している。
　通期の連結業績予想については、2月14日の公表数値から修正し、売上高が前回公表数値から700億円増の2兆5,700億円、営業利益が170億円減の650億円、税引前利益170億円減の620億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が150億円減の400億円に修正した。

　コンテナの売買・リース用のオンラインプラットフォームを運営するContainer xChange（独）の調べによると、米大統領選、労働争議の懸念で米国のコンテナトレーダーの78%が8月もコンテナ価格の上昇を見込み、92%が変動を予想していることなどが分かった。中国→米国のコンテナリース料は7月に急騰、ベトナムではコンテナ価格が6月と7月に53%も上昇、欧州→中国の復航でのコンテナリース料はアジアでコンテナ需要が高く引き続き上昇している。
　Container xChangeでは、7月における中国→米国の平均コンテナリース料が28%上昇し最高水準となり、中でも深圳→ロングビーチは85%、寧波→ロサンゼルスは65%も急騰した。年間ベースでは4.5倍に達している。
　ただ、Cotainer xChangeでは、消費者の旺盛な需要を過大評価した結果、小売業の在庫が過剰となり、コンテナ価格は下期に下降線を示すようになるのは時間の問題とみる。
　また、アジア域内航路では荷動きが増加、特にベトナムではコンテナ需要の高まりにより、平均コンテナ価格が今年5月の1,560ドル／40’HCから、7月末には2,400／40’HCドルへ2カ月で53％も急上昇している。
　インドでも今年初めからコンテナ価格が上昇、6月の1,941ドル／40’HC、5月の1,603ドル／40’HCから7月には2028ドル／40’HCに達し、2カ月で27％上昇したが、前年比の変動はほとんどなく、中国が1年で4.5倍に急騰したのに比べれば、コンテナ価格は6月から7月にかけピークを迎え始めている。
　一方、中国→欧州の平均コンテナリース料は上昇は緩やかで、6月から7月にかけ12%上昇、うち深圳→ロッテルダムは6月の1,578ドル／40’HCから7月に2,056／40’HCへ30%上昇、青島→ハンブルクは1,405ドル／40’HCから1,784ドル／40’HCへ27%上昇した。
　Container xChangeではコンテナバイヤーにとっての目下の課題は、コンテナ価格の高騰だが、データに見られるように価格は上昇を続けている一方、コンテナ販売業者はさらなる価格上昇を見込んで在庫を抱え込んおり、小規模なコンテナトレーダーにとっては収益減につながるとしている。

　デンマークの海運調査会社、Sea-Intelligenceによると、米商務省の経済分析局（BEA）が発表した米国の個人消費支出データは、個人消費に突然のブームが起きていないことを示しており、これはコンテナ貨物のピークシーズンの初期は前倒しによるものであるという見方を裏付けるもので、輸入貨物は増加しているものの、消費支出が急増する兆候はないと分析している。
　データは「財」と「サービス」に分類、「財」はさらに「耐久財」と「非耐久財」に分けられ、グラフは、過去3年間の「耐久財」と「非耐久財」の前年比成長率を示したもので、「耐久財」全体の支出の成長率は、2024年の前半に急激な低下を示し、再び回復しつつあるものの、まだ2023年と同じ成長レベルには戻っておらず、非耐久財の成長率は2022年末以降着実に増加している。ただ、2024年の晩春から初夏にかけて個人消費が急激に急増したわけではないという。
　さらに、消費者支出に占めるシェアの大幅な拡大を示した「財」の唯一のサブセクションは「リクリエーション用品と乗り物」で、総商品支出に占めるシェアは2019年の平均10.2%から2024年6月には15.1%に拡大した。このサブセクションの構成を調べてみると、成長の主な原動力は「情報処理装置」、より具体的には「コンピュータ ソフトウェアと付属品」で、これらの部品はコンテナで移動しないため、「財」部門の消費者支出の増加はコンテナ輸送には利益をもたらしていないと指摘している。

　Drewry Maritime Research（英国）が8日に発表した太平洋航路、アジア／欧州航路、大西洋航路における主要8ルートの世界コンテナ運賃指数（WCI）の総合指数は、5,551ドル／FEUと前週から3%下落し3週連続でダウンしたが、前年同期を210%上回った。パンデミック前の最高値を付けた2021年9月の10,377ドル／FEUを47%下回っているが、2019年の平均運賃1,420ドル／FEUを291%上回り、年初からの平均は3,996ドル／FEUで、過去10年間の平均2,791ドル／FEUより1,204ドル高い水準となった（2020年から22年の間はコロナ禍の影響で異例の値上がり）。
　先週のスポット運賃を航路別にみると、上海→ロサンゼルスが4%（239ドル）下落し6,501ドル／FEU、上海→ジェノアも4%（301ドル）下落し7,309ドル／FEUとなったのをはじめ、上海→ロッテルダムが3%（271ドル）下落し7,929ドル／FEU、上海→ニューヨークが3%（235ドル）下落し8,931ドル／FEUへ値下がりした。
　逆に、ロッテルダム→ニューヨークは1%（18ドル）上昇し1,967ドル／FEU、ロッテルダム→上海が1%（4ドル）上昇し630ドル／FEUと小幅アップしたほか、ロサンゼルス→上海は横ばいの707ドル／FEU、ニューヨーク→ロッテルダムも横ばいの766ドル／FEUで安定していた。
　Drewryでは、スポット運賃はピークに達したが、海上輸送の混乱が続いているため、しばらくは底堅く推移すると予想している。

　中国の交通運輸部がまとめたレポートによると、7月の中国輸出コンテナ輸送市場は、総じて安定し、改善が見られた。輸送需要は引き続き高水準を維持し、需給は比較的良好で推移、月前半にスポット運賃は上昇を続けたが、月後半には、多くの航路で高水準のトレンドから後退した模様で、上海航運交易所（SSE）が発表した中国輸出コンテナ運賃指数（CCFI）の総合指数（1998年1月1日＝1000）は平均で2107.66と前月比19.1％上昇、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）の平均は3,599.75で前月比4.7％上昇した。
　欧州・地中海航路は、S＆P Globalが発表した7月のユーロ圏PMIの速報値は50.1と、前月の50.9から予想外に低下し、好不況の分かれ目となる５０を辛うじて上回った。サービス業がやや拡大したが、製造業は一段と縮小し、7カ月ぶりの低水準となり、ユーロ圏経済は回復の勢いを弱め続けていることを示した。輸送需要は当面高水準が続き、需給は比較的堅調で、月前半のスポット運賃は引き続き上昇基調で推移したが、月後半には上昇の勢いが止まり、運賃は高値圏で小幅変動した。中国と欧州の貿易は今後政策の不確実性に直面し、輸出市場への影響には更なる注意が必要だ。7月のCCFIの平均値は、欧州航路が3386.33、地中海航路が3577.84と前月比でそれぞれ29.9%、14.5%上昇した。SCFIの平均値は欧州航路が4,975ドル／TEU、地中海航路が5,372ドル／TEUと、前月比でそれぞれ14.7％、8.1％上昇した。
　北米航路は、S&P Globalが発表した7月の米マークイット製造業PMIが49.5と大幅に低下し、7カ月ぶりの低水準となった。サービス業PMIは依然として堅調な上昇を維持しているものの、製造業とサービス業PMIのかい離が続いており、景気回復のアンバランスさを示している。
　また、米大統領選による不透明感が投資を抑制し、年後半の米景気回復は試練に直面する見通し。 月初の運賃市況は引き続き高水準で堅調に推移し、輸送需要の伸びの鈍化、需給の緩和で、7月中旬のスポット運賃は高水準から下落し始め、CCFIの平均値は北米西岸航路が1658.25、北米東岸航路が1792.82と前月比19.2％、19.1％上昇だった。
　また、南米航路は輸送需要が概して安定、需給バランスがとれ、スポット運賃は引き続き高水準で推移、CCFIの平均値は1797.80で、前月比18.0％上昇した。
　中東ガルフ・紅海航路は輸送需要がさらなる増加に向けた勢いに乏しく、7月上旬のスポット運賃は一定の範囲内で小幅に変動する状況が続き、CCFIの平均値は2238.41で、前月比0.1％上昇、日本航路は輸送需要が概ね安定しており、スポット運賃は若干上昇、CCFIの平均値は772.67で、前月比6.3％上昇した。

　韓国船社のHMMは8日、小学生を釜山市に招待して「子供商船体験」を開催した（写真）。釜山新港にあるHyundai Pusan New Port Terminal（HPNT）で開催したイベントには、小学生20人余りと関係者など計30人が参加した。
　「子ども商船体験」は、子供たちが普段触れにくい商船を体験することで、海と船への関心を高め、将来に大きな夢を育てることを目的としたイベント。
　夏休みを利用してイベントに参加した小学生たちは、HPNTで忙しく動くコンテナや巨大コンテナ船などを見学した後、HMMの船舶管理子会社であるHMMオーシャンサービストレーニングセンターを訪問し、操船シミュレーションを体験した。
　ＨＭＭ関係者は「子供に海に関連する体験機会を提供し、より大きな夢を広げるのに役立つことを期待する」、「今後も海に関連する様々な地域社会活動を進行する計画」とコメントしている。

　米国税関・国境警備局（CBP）は8月17日から少額輸入貨物の通関における電子申告手続き「エントリータイプ86」に関して貨物の到着前あるいは到着時の申告を義務付ける。貨物の到着後に申告した場合は、エラーコード”283-ET86 Entry Not allowed Afterdelivery”で拒否され、別途適切な申告が行われるまで保留となる。
　エントリータイプ86は、課税基準額（デミニミス）800ドル以下の少額輸入貨物の通関に際して、利用可能な米国の電子通関システム（ACE）上の手続き形態の1つで、2019年9月から試験運用されている。
　ACEは船社、フォワーダーなど貿易コミュニティが大量破壊兵器の部品、原料などの米国内への流入を阻止するため、荷主名、品目、仕向け地など貨物の内容を仕出し国での船積み前に米国税関・国境警備局 (CBP)への報告を義務付け、米政府が許容を判断するシステム。
　CBPはここ1年、少額輸入貨物に対する監視を強めている。これは主に中国に本拠を置く電子商取引（EC）大手のTemuとSheinがこのプログラムを広範囲に使用、規則を関税逃れの抜け穴として利用、違法なフェンタニル（合成オピオイド）や麻薬器具の供給源として海外から調達されているとの批判を受けたもの。

　ニューヨーク／ニュージャージー港における6月の総コンテナ取扱量は前年同月比16.9％増の79万758TEUと2ケタのプラスだった。
　うち実入りの輸入は12.1％増の36万6,099TEU、輸出は11.0％増の11万2,663TEUだった。空コンの輸入は24.4％減の1,640TEU、輸出は17.7％増の22万8,575TEUだった。また鉄道によるコンテナ取扱量は3.8％増の5万4,641本になった。
　今年上半期（1～6月）の総コンテナ取扱量は前年同期比12.6％増の421万653TEUで、うち実入りの輸入は13.7％増の215万8,055TEU、輸出は4.9％増の68万3,564TEU、空コンは輸入が26.3％増の1万2,486TEU、輸出は14.8％増の135万6,548TEUといずれも増加した。鉄道による取扱量は4.8％増の32万1,483本だった。

　フィンランドの港湾荷役機器メーカー、Kalmarの今年上半期の業績は、今年7月1日にCargotecグループから独立後初の単独での業績発表となり、北米向けで大口受注の意思決定が遅れ受注額が減少、また市場の軟化と受注残の減少で減収となった。
　受注総額は前年同期比14％減の7億7,700万ユーロ、期末時点での受注残高は28％減の9億2,500万ユーロ、売上高収入が17％減の4億1,700万ユーロ、営業利益は36％減の8,160万ユーロと減収減益で営業利益率は9.5％と2.8ポイント下落し、当期利益は36.0％減の6,470万ユーロになった。
　うち荷役機器部門の受注総額は23％減の4億8,500万ユーロ、受注残高は13％減の8億900万ユーロ、売上高は20％減の5億8,200万ドル、営業利益は25％減の7,570万ドルと減収減益になった。
　一方で2024年の通期見通しに変更はなく、営業利益率は11％超を見込んでいる。

　川崎汽船はこのほど、JPX総研、日本経済新聞社が共同で算出している「JPX日経インデックス400」の2024年度（2024年８月30日～2025年８月28日）の構成銘柄に、昨年度に引き続き選定された。
　同インデックスは、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、企業の400名柄で構成し、持続的な企業価値向上や、株式市場の活性化を図ることを目的とした株価指数。

　東京都トラック協会の海上コンテナ専門部会は、今年3月の海上コンテナ車両運行稼働台数を公表、21店社を対象とした延べ稼働台数は、前年同月比1.3％減の3万2,698台だった。
　このうち自社運行台数は前年同月比0.6％増の7,084台で、庸車運行台数は1.8％減の2万5,614台、庸車運行台数の比率は78.3％で、前年同月の78.7％から0.4ポイント、小幅ながら減少している。また1社・1日あたりの平均稼働台数（22日稼働）は70.8台で、前年同月の75.3から4.5台減少した。

　名古屋港管理組合は、水素燃料電池に換装が可能な荷役機械などの導入を促進し、名古屋港の脱炭素化を推進するとともに、名古屋港の新たな価値の創出と国際競争力の強化を図ることを目的に、「名古屋港における水素燃料電池換装型荷役機械等の導入促進事業補助金」を創設、公募を開始した。
　名古屋港は、「名古屋港港湾脱炭素化推進計画」を24年3月に策定し、CNP（カーボンニュートラルポート）の形成を推進するため、温室効果ガスの排出量の削減を関係者と連携して進めることとしている。
　今回の補助金は、名古屋港で使用する、水素燃料電池への換装が可能なRTG（タイヤ式門型クレーン：Rubber Tired Gantry crane）、水素エネルギーで稼働するRTGを対象に、RTG・1基当たりの補助金の額は、従来機（水素燃料電池への換装が可能なまたは水素エネルギーで稼働するRTG以外のRTG）との差額の3分の1で、同補助金以外の国、県または区市町村などから交付された補助金などを当該差額から差し引いた金額とし、1,000万円を上限とする。公募期間は8月8日から25年2月28日まで。

　トルコのターミナル会社、Yilportは7月31日、エクアドル・プエルトボリバル港でContainer Berth6と新コンテナヤードの稼働を開始した。
　新ターミナルの整備には4億ドルを投入し、中南米地域における港湾のコンテナ取扱量の増強と効率化を図るもので、Yilportは今後40年間に7億5,000万ドルを投資し開発を継続していく。
　プエルトボリバル港における2023年のコンテナ取扱量は25万TEUで、主にバナナや銅で、今回岸壁を450m延長、年間コンテナ処理能力100万TEUを目標に、それに対応したコンテナ荷役機器を整備し、岸壁水深も現在の14.5mから2025年までに16.5mを確保する。
　開所式に合わせ、新たな自動ゲートシステム、総面積2万m2の冷蔵倉庫の建設にも着工し、今後ペルー北部からの貨物の玄関港としての役割を強化するとともに、多目的港湾として拡張、近代化を進めるとしている。

　Swire Shippingはこのほど、太平洋航路のSun Chief Ocean Express Serviceに投入する”Suba Chief”（2,750TEU）がバイオ燃料（B24）を使用した実証試験に成功した。廃棄物由来の持続可能なバイオディーゼル油と従来の重油をブレンドしたもので、CO2排出量を約15%削減可能だ。
　Sun Chief Express Ocean Serviceは、UWL（米国）とコラボした、ベトナムと米国をダイレクトで結び、北米、カンボジア、インドネシア、タイへの迅速な接続性を備えた市場最速のサービスで、”Suba Chief”が香港でバイオ燃料の補油をうけ（写真）、ベトナム～米国間で実証実験したもので、香港の船舶燃料供給業者Chimbusco Pan National Petro-chemical(CPM）とSwire ShippingのバンカリングパートナーであるHafnia Bunker Allianceが協力した。

　欧州の総合物流大手、Rhenus Logistics（独）プロジェクト・ロジスティクス部門のNiels-Hendrik Walch東南アジア・太平洋地域部長（写真右）が来日し、7月29日に都内で日本における合弁会社、三協レイノスの木曽恵子社長（同左）と共に会見、プロジェクト貨物市場の展望や日本におけるサービス展開、また国際サプライチェーンが様々な課題に直面するなかで、フォワーダーとしてRhenusの強みをPRした。
　Walch氏は、2024～25年にかけプロジェクト貨物市場はいっそう拡大すると見通し「各国でエネルギー安全保障への意識が高まっており、日本市場では特に再生可能エネルギー、インフラ、ハイテク産業分野の拡大に注目、それらの分野での輸送需要に対応する」との方針を示し、ドイツのグローバルファミリー企業、RETHMANNグループ傘下の物流会社として、兄弟会社に再生可能エネルギー、リサイクル事業を手掛ける企業をもっていることから、それらの輸送・取り扱いノウハウに長けている強みをPRした。
　またコンテナを含めた総合物流フォワーダーとしては、新型コロナ禍で、コンテナの需給がひっ迫し世界的なスペース不足に陥った際、RhenusはRo/Ro船やバルク船、鉄道、トラックなどあらゆる輸送モードを活用し顧客の輸送ニーズに対応してきたことを紹介し「今後も様々な輸送モードをクリエイティブに活用しニーズに対応していく。船社や代理店などパートナーとの強固な協力関係により、常にスペースを確保し需要に対応できる体制をとっている」と述べ、2025年に向けサプライチェーンは大きな変化を迎えており、単一のサプライチェーンに依存することは顧客にとり大きなリスクが懸念されるとし、様々な代替ルートを提供しサプライチェーンの多様化に対応する重要性を指摘した。
　また、大手船社などが統合物流企業化の動きを進めているなか、「Rhenusは、船社系列の物流会社に比べ、より小規模な顧客にも、状況に対応した柔軟性を持ったサービスができることが強みだ。個々の顧客の要望を把握し、それぞれの顧客の事情や世界の各地域の市場に精通したローカルスタッフを抱えており、より多様な規模、ニーズを持つ顧客に密着したサービスが可能となっている」と、フォワーダーとしての強みをアピールした。

　東海運は、2025年3月期第1四半期（2024年4月1日〜2024年6月30日）の連結業績を発表、売上高は98億3,200万円と前年同期比1.5％減、営業利益は1億100万円と173.3％の増益、経常利益は1億6,800万円と6.9％増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,300万円と27.5％減益となった。
　物流事業は海上コンテナの取扱量が減少、これに伴う作業費用や修繕費の縮小に加え、コンテナシフト作業の効率化により費用も減少、売上高は前年同期比横ばいの74億4,900万円、セグメント利益は29.6％増の3億9,300万円となった。一方、海運事業の売上高は6.0％減の21億3,600万円、セグメント利益は1.1％増の9,500万円となった。

　川西倉庫は、2025年3月期第1四半期（2024年4月1日〜2024年6月30日）の連結業績を発表、売上高は前年同期比0.8％減の63億100万円、営業利益は21.1％減の2億9,300万円、経常利益は15.3％減の3億2,900万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は28.7％減の1億6,800万円となった。
　国内物流事業の売上高は0.8％増の51億5,800万円、セグメント利益は3.9％減の4億4,400万円となった。国際物流事業は、22年に設立した米国子会社が本格稼働したほか、日本の国際運送取扱業務において取り扱いが増加したものの、他の海外子会社の業績が低調に推移、売上高は8.2％減の10億4,700万円、セグメント利益は40.6％減の7,200万円となった。

　郵船ロジスティクスは5日、大塚製薬と持続可能な代替航空燃料SAF（Sustainable Aviation Fuel）を利用した輸送サービス「Yusen Book-and-Claim」の利用契約を締結した。
　大塚製薬が医療用医薬の航空貨物輸送において目指す、サプライチェーンを含めた温室効果ガス（GHG）排出量（Scope 3）削減を同社のサービスでサポートする。郵船ロジスティクスの「Yusen Book-and-Claim」は、顧客が同社とSAF利用契約を締結することで、同社が保有するSAF割当量を使用することができる航空貨物輸送サービス。
　利用者はSAFの利用から同社発行のGHG排出量削減証明書の入手までを、ワンストップで完結することができる。
　同社は、再生可能エネルギーの積極的な導入やエネルギー利用効率の最大化など、脱炭素化とサステナブルな社会の実現に向けて取り組んでおり、23年4月に「Yusen Book-and-Claim」のサービス提供を開始してから、同社がヘルスケア関連の顧客と同契約を締結するのは今回が初めて。
　郵船ロジスティクスは、「Yusen Book-and-Claim」を通じて、同社が手配する大塚製薬の日本発米国向け医療用医薬品の航空貨物輸送にかかるSAF利用相当量のGHG排出量削減証明書を発行し、Scope 3における最大50トンのGHG排出量削減（2024年度）に取り組み、大塚グループが掲げる2050年環境ビジョン「ネットゼロ」への取り組みに寄与していく。

　SBSリコーロジスティクスは、「物流センター横浜福浦」（横浜市金沢区）を開設、19日に稼働を開始する。
　同施設は、地上3階建て、総面積1万7,000坪を超える大型拠点で、横浜港から16㎞、羽田空港から35㎞と交通アクセスに優れ、国内生産貨物の他、輸出入貨物の取り扱いにも最適なエリアに位置している。センター内は、高層ラックに対応可能なフォークリフトや、システム入力により無人で荷物を運搬できるAGVを導入、業務効率の向上に貢献している。こうしたLT（Logistics Technology）と同社の強みである全国拠点をつなぐ幹線網や、商品の検査・キッティング・セットアップなどの流通加工技術、を組み合わせることで、安心・安全で効率的な倉庫管理を可能としている。

　西日本鉄道の国際物流事業本部（にしてつ）は、カリブ諸島における大型ハリケーン「ベリル」による被害に対し、セントビンセントとグレナディーン諸島、ジャマイカ、グレナダへ、テントや浄水器などの緊急援助物資を航空輸送した。
　国際協力機構（JICA）から、中南米における緊急援助物資の備蓄を、同社米国現地法人が請け負っていることによるもので、物資は7月10日にセントビンセント、グレナディーン諸島の首都キングスタウンへ、7月15日にジャマイカの首都キングストンへ、7月22日にグレナダの首都セントジョージズへ到着し、それぞれ到着日同日に各国政府へ無事引き渡した。同社では今年5月にも、ブラジルにおける豪雨被害に対し、国際協力機構（JICA）による緊急援助物資の輸送を担当している。これらの支援物資は、各国政府が被災地に届ける。

　日本トランスシティの25年3月期第1四半期（24年4〜6月）の連結業績は、国際複合輸送業が海上運賃の正常化の影響を受け低調に推移したことにより、売上高は前年同期比4.1％減の302億8,200万円、利益面では三重朝日物流センター立ち上げ準備にかかる一時費用が減少したことや生産性向上と原価低減で、営業利益が6.0％増の18億7,800万円、経常利益が13.3％増の24億5,100万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は11.7％増の16億3,400万円となった。
　倉庫業は三重朝日物流センターと亀山低温危険品倉庫の稼働で好調に推移、売上高は15.4％増の128億1,000万円を計上、港湾運送業は業務の一部を倉庫業へ区分変更した影響により減少したものの順調に推移、売上高が6.6％減の51億2,100万円、陸上運送業は2024年問題、コスト上昇などへの対応としてモーダルシフト・コンビネーションの展開や適正料金の収受など、取引の適正化・最適化に努め、売上高が6.3％増の48億3,100万円だった。国際複合輸送業は、航空貨物の取扱量が27.2％減の313トンと減少したものの、海上輸送取扱量は22.1％増の48.6万トン、海外現法の海上コンテナ取扱量は6.4％増の2.8万TEUと増加、海上運賃の正常化の影響で売上高は31.1％減の65億6,400万円だった。

　丸全昭和運輸の25年3月期第1四半期（24年4〜6月）の連結業績は、売上高が前年同期比2.7％増の351億4,300万円、営業利益が10.0％増の32億7,800万円、経常利益が9.7％増の36億9,400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は12.6％増の25億7,400万円だった。
　貨物自動車運送、港湾運送、倉庫、鉄道利用運送、物流附帯の全部門で増収となり、物流事業全体では、売上高が2.8％増の305億6,500万円、セグメント利益（営業利益）が10.8％増の28億4,200万円となった。構内作業と機械荷役事業の売上高は2.0％増の40億2,300万円、セグメント利益（営業利益）が7.2％増の3億1,900万円だった。
　また同社は中間配当金を1株当たり20円増配し80円に予想を修正、年間配当金は150円とする予定だ。

　マレーシアのコンテナターミナル運営会社、North Port (Mlaysia) Bhd.の発表によると、ポートクラン北港における7月の貨物取扱量がコンテナ、在来貨物ともに単月の過去最高を記録した。コンテナは個数ベースで35万4,548TEUと従来の最高だった今年5月の33万5,361TEUを2カ月で更新、また、在来貨物は114万トンと従来の最高だった2023年10月の113万トンを上回った。
　1～7月累計のコンテナ取扱量は207万6,148TEUで前年同期比16.1%増、在来貨物は702万9,007トンで10.1%増といずれも好調だった。

　NIPPON EXPRESSホールディングス傘下で欧州を中心に事業展開する国際物流会社、cargo-partner（墺）はこのほど、リーズナブルな欧州発中国向けFCL海上輸送サービスを開始した。
　アジア発欧州向け荷動きの需要が高まっているなか、紅海情勢の悪化により現在トランジットタイムが長大化しており、アジア港湾では空コン不足が顕在化しているため、現在、欧州に滞留する船社の空コンのアジアへの回送に力を入れている。
　cargo-partnerはこの動きに注目し新たに欧州発アジア向けにリーズナブルなFCL海上輸送サービスを開始した。cargo-partnerは北欧州の主要ハブ港のロッテルダム、アントワープ、ハンブルク、ロンドンゲートウェイからの定期便を確保、また欧州域内の道路・鉄道輸送ネットワークを活用し地中海のジェノア、アドリア海のコペル、リエカ、トルコや黒海岸出しにも対応した中国商用仕向け地向けエンドツーエンドサービスとして貨物を引き受ける。また顧客の要望に応じて、NIPPON EXPRESSホールディングスアジア域内ネットワークを活用することで、顧客の要望に応じて南アジアのナバシェバ、ムンドラ、コルカタ、チェンナイ、東南アジアのホーチミン、シンガポール向け輸送にも対応する。
　cargo-partnerによるFCL輸送は、欧州、アジア双方での自社倉庫ネットワークを通じ様々な輸送モードを一体で管理したエンドツーエンドでサービスし、サプライチェーン管理プラットフォームSPOTを活用した顧客向けリアルタイムコンテナ追跡ソリューションIntelligent Container Trackingで自分のコンテナの状況を常時把握できる。

　上海航運交易所（SSE）が9日に発表した中長期契約運賃の指標である中国輸出コンテナ運賃指数（CCFI）の総合指数（1998年1月1日＝1000）は2138/32と前週比0.2%上昇、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）は3253.89と前週比2.4%下落し5週連続でダウンした。
CCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が前週比0.3%上昇し3694.33、地中海航路が0.9%上昇し3667.4、北米西岸航路が0.1%上昇し1568.84と小幅アップしたが、北米東岸航路は3.3%下落し1770.67となった。
　南北航路は南米航路が4.1%下落し1586.58、中東ガルフ・紅海航路が0.6%下落し2022.47、南アフリカ航路が1.6%下落し2411.17、東・西アフリカ航路も0.5%下落し1445.86となったが、豪州・NZ航路は6.1%上昇し1109.95と唯一アップした。
　アジア域内航路は日本航路が0.8%上昇し783.22、東南アジア航路が6.7%上昇し1377.77となったが、韓国航路は4.9%下落し521.72と低調だった。

　米国のマーク・ケリー上院議員（民主党・アリゾナ州）、マルコ・ルビオ上院議員（共和党・フロリダ州）、リック・スコット上院議員（共和党・フロリダ州）はこのほど、増大する中国の海洋脅威に対抗することを目的とした超党派の戦略港湾報告法案（Strategic Port Reporting Act）を提出した。この法案は、米国防総省に対し、世界の主要港湾における中国企業の影響力の増大に対処する戦略を策定することを義務付けている。
　中国が海運ネットワークを世界的に拡大しており、中国企業が米国やその他の国の重要な港の権益を取得、米国の国家安全保障、貿易ルート、世界のサプライチェーンにリスクをもたらしているとし、ケリー上院議員は「米国は常に海洋国家であり、経済を活性化するために貿易に依存してきた」と述べ、「この法案は、我が国の経済と国家安全保障を脅かす中国の影響から海外の港を守るために極めて重要だ」と強調している。
　また、ルビオ議員は「フロリダには米国の主要な港が数多くあり、中国が地理的、経済的に戦略上の港湾に投資することを許すことはできず、我々の資源を利用する機会を何としてでも阻止しなければならない」と付け加えた。
　今年5月、ケリー上院議員とルビオ上院議員は、マイク・ウォルツ下院議員（共和党、フロリダ州）とジョン・ガラメンディ下院議員（民主党・カリフォルニア州）とともに、「国家海洋戦略に関する議会の指針」と題する超党派の報告書を発表し、国家海洋戦略を活性化するための手順を概説した。今年初めにはケリー議員とウォルツ議員は超党派の取り組みも主導し、省庁間海事政策局長の設置、海洋インフラの整備、造船に対する国防生産法の発動、海洋への依存を減らす戦略の策定などにより米国の海洋力を強化するよう大統領に要請している。

　東京都港湾局、東京港埠頭、東京港運協会、国土交通省関東地方整備局は9月上旬から11月下旬にかけ、東京港の大井1～2、6～7号ターミナル、青海4号ターミナルで2024年度CONPASを活用したコンテナ搬出入予約制事業を実施する。
　2022年度から大井1～2号ターミナル、大井3～4号ターミナルで、東京港でのCONPASの通年実施を見据えた運用を開始、また昨年度からは大井6～7号ターミナルでも実施を拡大し、さらに今年から新たに青海４号ターミナルでも予約制事業を開始する。
　CONPASは、コンテナターミナルのゲート前混雑の解消やコンテナトレーラーのターミナル滞在時間の短縮を図り、コンテナ物流の効率化及び生産性向上の実現を目的としたシステムで、同事業は効果検証を行いながら、継続して実施していく予定だ。
　大井1～2、6～7号ターミナルでは9月9日～10月8日の期間、土日祝日を除く平日実施し、実入り、空コンの搬出入を実施、また青海4号ターミナルでは実入り空コンの搬出のみを実施する。
　大井3～4号ターミナルはゲート改修工事中のため、来年度以降に実施する。

　Maersk（デンマーク）は7日、廃船にしたコンテナ船を補充するため、50～60隻・80万TEUの新造船を船隊に加える大規模コンテナ船隊更新計画を発表した。新規発注による総船腹量は増えず、約430万TEUを維持する予定。
　新造船はすべて二元燃料船となるが、これまでの代替燃料船はメタノールのみを選択していたが、メタノールとLNGの二元燃料推進システムの組み合わせを選択したと声明で述べ、これまでのLNG燃料に対する懐疑的な立場を転換した。これにより、代替燃料としてLNG、バイオLNG、合成LNGの推進力が増すとみられている。
　Maerskでは、グリーンメタノール燃料は短期的には脱炭素化へ最も競争力があり、拡大する可能性が高いが、液化バイオメタンを含むコンテナ船業界の対燃料化の未来も予測している。
　Maerskが発表した大型コンテナ船建造計画は自社保有と用船の混合になり、新造船の引き渡し後は同社のコンテナ船隊の25%が二元燃料機関搭載となるという。
　また、推進技術の正確な分割は、将来の規制枠組みとグリーン燃料の供給を考慮して決定、新造船の納期が長くなるため、発注と用船により、2026年から2030年にかけて同社のネットワークに必要な船腹量の安定供給が保証されるとしている。
　Maerskはこれまでにメタノール燃料船25隻を発注済みで、うち5隻が稼働中、20隻・約35万TEUが建造中だ。

　海外の海事メディアは、MSC（スイス）が今年に入り運航船腹量を40万TEU増加させ、7月末までにコンテナ船社の市場シェアを過去最高となる19.8％にまで増加させたと伝えている。AXS-Alphaliner（仏）のまとめによると、2018年にMaersk（デンマーク）がシェア19.4％まで拡大したが、MSCは今年それを上回るシェアを獲得したことになる。
　続いてZIM Integrated Shipping Services（イスラエル）が昨年中期に一時船隊が縮小したが、その後立て続けに大型新造船の引き渡しを受けたことで過去1年間に船腹量を20％増加させている。続いてOcean Network Express（ONE）が5.9％から6.4％へ、またHapag-Lloyd（独）は6.8％から7.2％へ成長した。
　一方、Maerskはシェアの縮小が続いており、今年上半期にメタノール燃料ネオパナマックス船7万5,000TEUなどを含む25隻の引き渡しを受けているが、他船社より伸びは鈍くシェアは減少を続け、近くシェア2位の地位はCMA CGM（仏）に取って代わられる見通しだ。
　AlphalinerはMaerskの1H業績が、紅海危機による特需であるにも関わらず営業利益率が目標の6％を下回る4％だったことを指摘し、今後株主から戦略の見直しを求められる可能性があるとしている。
　またCMA CGM、HMM（韓国）もわずかにシェアを縮小させ、台湾船社のEvergreen、Yang Mingもシェアを大きく落としているという。
　主要コンテナ10船社のうち、7月末時点で主要10船社が占める船腹量は全体の83.9％と1年前から0.1ポイント下落した。

　Container Trades Statistics（CTS、英国）がまとめた今年6月の世界コンテナ荷動き量は、1,568万6,081TEUと前年同月比10.6%増加、前月比でも1.7%増加した。運賃指数（2008年＝100）は100で、前年同月の79から26.6%（21ポイント）も大幅上昇、前月の89からも11ポイント上昇し、3カ月ぶりにアップした。
　6月のコンテナ荷動き量を地域別にみると、極東地域は輸出が前年同月比8.4%増の961万9,178TEU、輸入も4.6%増の590万6,827TEUと堅調、欧州地域は輸入が4.5%増の299万9,285TEU、輸出が0.6%減の229万9,286TEUと明暗が分かれ、北米地域は輸入が14.1%増の300万8,648TEUと好調、輸出も6.4%増の117万5,054TEUと堅調だった。
　インド亜大陸・中東地域は輸入が4.5%増の168万6,589TEU、輸出が1.5%増の118万2,049TEU、中南米地域は輸入が9.9%増の103万2,578TEU、輸出も7.5%増の78万9,623TEU、うち最大市場のブラジルは輸入が21.1%増の28万7,774TEUと好調、輸出も9.5%増の24万9,139TEUだった。
　このほか、サブ・サハラアフリカ地域は輸入が5%増の67万2,604TEU、輸出が11.9%増の34万5,186TEU、オーストララシア・オセアニア地域は輸入が12.8%増の37万7,544TEU、輸出入も11.1%増の27万5,705TEUと大幅なプラスとなった。

　輸送見積もりをワンストップのオンラインサービスで提供しているFreightos（香港）が7日に発表した先週のFreightos Baltic Index（FBX）と呼ぶ世界の主要12航路におけるコンテナ運賃と各航路の荷動き量シェアを加重平均した総合指数は4924と前週比2.9%下落、前年同期比では272.2%も大幅上昇した。
　アジア発北米西岸向け（FBX01 Weekly）は前週比4.7%下落し6,891ドル／FEU、アジア発北米東岸向け（FBX03 Weekly）は2%下落し9,661ドル／FEU、アジア発北欧州向けは0.7%上昇し8,429ドル／FEU、アジア発地中海向けも2%上昇し7,959ドル／FEUだった。また、航空貨物運賃指数のFreightos Air Indexは、中国発北米向けが6%下落し4.90ドル／kg、中国発北欧向けは7%上昇し3.63ドル／kg、北欧州発北米向けは1%下落し1.61ドル／kgだった。
　Freightosの分析によると、先週のアジア発海上運賃はほとんどの航路で安定推移し、7月中旬の年初来高値をほぼ維持しているが、フォワーダーや荷主がスペースの割り当てやスポットの船積み予約を確保しやすくなっているとの報告や、9月に入り米国の輸入が減少に転じるとの予測もあり、今後数週間で運賃が下落に転じる見方が強まっている。
　アジア発北米西岸向け運賃はすでに下落に転じており、過去3週間でピークから15％下落した。一部船社は8月中旬に一括運賃値上げ（GRI）を実施すると報じられているが、需給緩和と船腹増加により、運賃の値上げが定着するかどうか疑問視する声も多い。
　米国向けの需要が例年より早くピークを迎えているとすれば、今年のピークシーズン需要の多くが前倒しされたことは、10月に北米東岸・ガルフ港湾労組（ILA）がストライキに突入する懸念があることが要因。
　また、一部輸入業者は、8月1日に予定されていた関税引き上げに直面し、中国からの商品の出荷を前倒ししたが、先週、米通商代表部が関税引き上げに関する意見募集を検討するため、さらに時間が必要だと発表したことで、最終決定は8月中と予想、関税の発効は発表の2週間後となる。その他の労働問題では、カナダ西岸の港湾労組のストの審査が8月9日までに終了する予定で、承認されれば3日後にストが行われる可能性がある。
　大西洋航路の運賃は、年初に紅海の迂回航路が船腹を吸収したため約600ドル／FEU上昇したが、その後は1,800ドル／FEUでほぼ横ばいで推移、今年前半に需要が徐々に改善した際も、運賃上昇を抑えるのに十分な船腹が航路に残っていたため、運賃は安定していた。今週、運賃が7％下落したとはいえ、船社は9月のGRIを発表しており、中には1,000ドル／FEUという大幅引き上げもあるが、荷主は市況が大幅な値上げを許容するかどうか懐疑的だ。
　一方、バングラデシュでは6月上旬から政変が発生し、物流の混乱を引き起こしているが、4日にハシナ首相が辞任したことで、デモ隊と警察との激しい衝突の後、軍が平穏を取り戻すための措置をエスカレートさせている。3日間の商業活動停止により、同国の衣料品製造業は操業を停止、国境閉鎖、空港閉鎖、鉄道の運行停止も商品の移動に支障をきたしている。
　Freightos Terminalのデータによると、混乱が始まって以来、輸出海上コンテナ運賃は上昇し、米国向け運賃は2カ月前に比べ40％以上上昇し、約8,650ドル／FEU、北欧州向けは170％近く上昇し、約8,650ドル／FEUに達していた。

　A.P.Moller-Maersk（デンマーク）の今年第2四半期（4～6月）連結業績は、積み高が増加し営業利益率（EBIT利益率）も前期の1.4％から7.5％へ上昇し、海上輸送事業は利益率が増加、またロジスティクスサービス事業も堅調、またターミナル事業も好調で、紅海危機の長期化で自給がひっ迫し運賃も上昇した。
　2Qの売上高は、ロジスティクスサービス事業、ターミナル事業で増収となったものの海上輸送事業が減収となり前年同期比1.6％減の127億7,100万ドル、また運航コストの増加によりEBITDA（税引前・利払い前・償却前利益）は26.2％減の21億4,400万ドル、EBIT（営業利益）も40.1％減の9億6,300万ドルと減収減益になり当期利益は44.0％減の8億3,300万ドルになった。
　海上輸送事業の売上高は3.8％減の83億7,000万ドル、営業コストは7.8％増の69億6,400万ドル、EBITDAは37.7％減の14億700万ドル、EBITも61.0％減の4億7,000万ドル、EBIT利益率は前年同期比8.2ポイント減の5.6％と減収減益になった。期中の積み高は6.7％増の310万1,000TEUと増加し、平均運賃は2.3％上昇となる2,499ドル／FEUになったが、平均燃料価格は7.4％増の636ドル／トンと増加した。平均運航船腹量は3.5％増の428万2,000TEUだった。航路別の積み高と運賃は、東西航路が9.2％増の141万7,000TEU・12.0％増の2,669ドル／FEU、南北航路は2.0％増の9万9,900TEU・3.2％減の3,105ドル／FEU、域内航路は8.9％増の68万5,000TEU・14.2％減の1,435ドル／FEUだった。
　ロジスティクスサービス部門は、LCL貨物ファーストマイル輸送が増加したことで売上高が7.3％増の36億3,200万ドル、EBITDAは9.6％増の3億4,800万ドル、EBITは9.5％増の1億2,600万ドルと増収増益になった。
　ターミナル事業は、コンテナ取扱回数が7.8％増の326万回。
　うち海上貨物では0.3％増の104万3,000回で、取り扱い1回当たりの売上高が330ドルと20ドル増加し、売上高が15.0％増の10億8,900万ドル、EBITDAは23.0％増の4億800万ドル、EBITは31.0％増の3億5,300万ドルと2ケタの増収増益となった。
　上半期（1～6月）の売上高は7.6％減の251億2,600万ドル、EBITDAは45.7％減の37億3,400万ドル、EBITは71.0％減の11億4,000万ドルと減収減益だったが、当期利益は2.2％増の10億4,100万ドルを確保した。
　うち海上輸送事業の売上高は11.8％減の163億7,900万ドル、EBITDAは57.9％減の23億6,300万ドル、EBITは90.3％減の3億900万ドルと2ケタの減収減益になった。
　ロジスティクスサービスは、売上高は4.1％増の71億3,600万ドル、EBITDAは2.1％減の6億1,400万ドル、EBITは28.0％減の1億8,000万ドル、ターミナル事業の売上高は14.3％増の20億8,800万ドル、EBITDAは21.5％増の7億5,600万ドル、EBITは71.0％増の6億5,300万ドルだった。
　通期業績は、サプライチェーンの混乱とコンテナ輸送需要の高まりが年間を通じて続き、運賃も高止まりし、世界のコンテナ市場は4～6％上昇すると見ており、EBITDAが90～110億ドル、EBITは30～50億ドルを見込んでいる。

　スエズ運河における6月の通航船隻数は、紅海情勢の悪化により前年同期比51.8％減の1,043隻だった。
　うちタンカーは40.6％減の422隻、その他の船舶は57.2％減の621隻といずれも半減に近い落ち込みとなった。通航料算定の基準となる独自のトン数ベースでは68.7％減の4,090万スエズ運河トン（SCNT）、通行料収入も44.2％減の149億エジプトポンドだった。
　今年第2四半期（4～6月）の通航船隻数は52.2％減の3,278隻で、うちタンカーが42.6％減の1,283隻、その他の船舶は56.8％減の1,995隻、トン数ベースで68.8％減の1億2,960SCNT、通航料収入は44.4％減の466億エジプトポンドだった。
　今年上半期は通航船隻数は47.8％減の6,875隻で、タンカーが41.4％減の2,521隻、その他の船舶は50.9％減の4,354隻、トン数ベースでは63.8%減の2億7,990万SCNTで通行料収入は44.8％減の857億エジプトポンドだった。

　韓国からの報道によると、Hapag-Lloyd（独）の総額54億ドルにのぼる大量コンテナ船建造計画を巡る韓国と中国の造船所による受注合戦が展開されている。
　Hapag-Lloydが両国の造船所にコンテナ船30隻の建造を打診しているもので、内訳は15,000～16,000TEU型コンテナ船15隻、8,000～9,000TEU型コンテナ船15隻で、30隻すべてがLNG二元燃料船であることが義務付けられている。船価は総額約54億ドルと推定されている。
　今後3～4年分の仕事量を確保した韓国造船業界は最近、LNG船や超大型アンモニア船（VLAC）など高付加価値船を中心にした選別受注に注力、比較的安価なコンテナ船は、ほとんどは中国が受注し、7月の時点で、中国は411隻のコンテナ船を受注、世界市場シェアの57％を占めているが、韓国はわずか170隻、シェアは32％にとどまっている。
　しかし、運賃高騰で世界の船社による発注意欲が高まる中、韓国の造船業界も大型コンテナ船の受注を積極化、受注量も船価も大幅に上昇し、15,500TEU型で昨年末時点の1億6,850万ドルから現在は約30％上昇し2億2,000万ドルとなっている。
　中国の造船所も、船価の高騰を受けて競争に備えて生産能力を拡大、揚子江造船所は最近、新しい造船所を建設するために江蘇省京江経済技術開発区に86万6,671m2の敷地を取得している。
　両国のコンテナ造船技術には差はほとんどないが、二元燃料推進エンジンなどの船舶機器分野では韓国の造船所にアドバンテージがあり、最近ではHD現代重工業がCMA-CGM（仏）からLNG燃料15,500TEU型コンテナ船12隻を受注している。

　カナダ船主で香港を拠点とするSeaspan Corp.が中国の揚子江船業（Yangzijiang Shipbuilding）に発注、ZIM Integrated Shipping Services（イスラエル）が長期用船するLNG燃料7,700TEU型15隻の第9船が6日、“ZIM Spinel”と命名、引き渡しを受けた（写真）。同船は全長272m、幅42.8m、深さ24.6m。
同船はカイメップ8月16-17日起こしでアジア／北米東岸航路のZXB（Zim Ecommerce Xpress Baltimore）に初就航し、ハイフォン、塩田、高雄、上海、ラザロカルデナス、カルタヘナ、ボルチモア、ノーフォーク、ニューヨーク、ボストンの順に寄港する。

　MB Shipbroker（旧MaerskBroker）の情報によると、MSC（スイス）はこのほど、中国の蘇州韓通重工業（Jiangsu Hantong Ship Heavy Industry＝HT)にLNG燃料21,000TEU型コンテナ船10隻を2027年半ば～2028年引き渡し予定で発注した。また、隻数は不明だが、LNG燃料11,000TEU型コンテナ船を蓬莱中柏京魯船業（Penglai Zhongbai Jinglu Ship Industry）、LNG燃料12,000TEU型コンテナ船を栄成造船工業（Rongcheng Shipbuilding Industry）にそれぞれ2027年からの引き渡し予定で発注した。発注額は不明だが、Clarksons（英国）のデータによるとHTに発注した21,000TEU型10隻は総額27.2億ドルと推定されている。
　また、香港の海運調査会社、LinerLyticaによると、MSCはこれら新造船発注計画で、2028年末までにコンテナ船隊を750万TEUに拡大し、他船社との差を一段と拡大する（グラフ参照）。また、CMA CGM（仏）も新造船の引き渡しでコンテナ船隊が2027年までにMaersk（デンマーク）を上回ると予想されるものの、MSCには200万TEU以上引き離される見通し。

　日新の2025年3月期第1四半期（2024年4～6月）連結業績は、売上高が前年同期比14.7％増の471億1,400万円、営業利益は4.7％減の20億100万円、経常利益は6.3％減の23億100万円の増収減益となり、当期利益は242.7％増の60億8,300万円だった。
　今年4月から第7次中期経営計画フェーズ2を開始し、物流事業では、海上貨物が需要に対しスペース不足などにより取扱量が伸び悩み、航空は海上からの代替輸送が一部見られたものの本格的な回復とはならず、コスト増が収益の下降圧力となった。一方旅行事業は業務渡航の取り扱いが堅調だった。
　セグメント別では日本における物流事業は、自動車関連、食品、化学品の取り扱いが堅調、また海上貨物では輸出で機械・設備、輸入で食品や雑貨などの取り扱いが堅調だったほか、航空では輸出で食品、輸入で医薬品などが堅調、さらに輸出入いずれも自動車関連が好調だった。倉庫業務も安定的に稼働した。
　アジアでは、一部回復があったが、全体では低調な荷動きとなり、タイでは自動車関連の取り扱いが復調、ベトナムでは競争激化で取扱量が減少した。一方、インドでは国内配送業務が堅調に推移した。
　中国では景気回復の遅れと価格競争の激化で売り上げ、利益いずれも想定を下振れて推移し、香港では海上貨物が大幅に減少、連結子会社の中外運日新も取扱量が減少し減収となった。
　米州では、米国で自動車貨物の取り扱いが低調となり、輸出でも生鮮食品の輸出業務が減少したが、メキシコにおける自動車関連の国内輸送や航空取り扱いが売上高を下支えした。
　欧州では、ドイツで自動車、機械設備などの航空取り扱いが好調、ポーランドでも倉庫業務が堅調に推移、さらにオーストリアで食品輸出が好調だった。これにより物流事業のセグメント売上高は13.9％増の448億9,300万円、営業利益は15.1％減の15億7,400万円と2ケタの増収減益になった。

　センコーは8日、大阪府高槻市にある大型物流センター「高槻PDセンター」の開所式を実施した。
　新センターは鉄骨造り地上4階建ての耐震構造で、延べ床面積4万6,664m2、1階、3階にトラックバースを持ち、排水インフラが整備された土砂災害リスクが少ない平地に立地している。また48時間稼働が可能な非常用発電機も備え、災害時の物資保管や配送ニーズに対応できる倉庫になっている。
　新名神高速道路高槻ICから約5km、名神高速道路茨木ICから約7kmの距離に位置し、大阪、京都の中心部の中間に位置するため、関西圏全域への広域輸送が可能だ。また、ＪＲ高槻駅、阪急高槻市駅から約2kmとアクセスが良好で、この交通利便性の良さにより労働力の確保を容易にしている。
　センコーは、来年2月に東大阪第２ＰＤセンター（仮称）の竣工も予定しており、大阪地区の強化を進め、今後も物流サービスのいっそうの効率化を図るとしている。

　川崎汽船は7日、今年5月8日～7月31日の期間に取得した、発行済み自社普通株式の5.53％にあたる3,955万6,000株を消却した。
　同社は5月7日の取締役会で自社株式3,955万6,000株を1,000億円で取得すると決議し、7月31日までに取得を完了していた。
　これにより現在の株式総数は6億7,517万2,067株となる。

　丸運の25年3月期第1四半期（24年4〜6月）の連結業績は、取り組んできた運賃・料金改定の効果により、前年同期比2.9％増の113億700万円、営業利益は運賃・料金改定による増益に加え、既存顧客の荷動きの改善や新規の取扱増効果もあり、136.0％増の2億4,300万円、経常利益は91.5％増の2億9,200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は89.7％増の1億8,700万円となった。
　貨物輸送部門の売上高は前年同期並みの56億1,900万円、経常利益は5,400万円増の1億3,000万円、エネルギー輸送部門の売上高は5.1％増の37億8,200万円、経常利益は4,100万円増の6,200万円となった。海外物流部門は、中国国内での日欧系自動車メーカーの販売不振により、主要顧客の輸送量が減少したものの、国際事業における海上運賃の高騰や半導体需要の回復に伴う輸出量の増加と料金改定などで増収増益、売上高は11.6％増の14億2,200万円、経常損益は1,600万円増の100万円の損失となった。

　北京首都国際空港の7月運用実績は、航空機発着回数が前年同月比10.1％増の3万7,661回、利用客数が17.1％増の591万5,434人、貨物取扱量が25.5％増の12万869トンとなった。国内線が15.3％増の6万2,425トンでそのうち香港・マカオ・台湾線が2.6％増の6,601トン、国際線が38.5％増の5万8,444トンだった。
　1〜7月の累計では、航空機発着回数が18.5％増の24万9,080回、利用客数が37.2％増の3,861万8,000人、貨物取扱量が44.9％の大幅増で82万5,550トンだった。

　キャセイパシフィック航空グループの今年上半期（1〜6月期）連結業績は、売上高が前年同期比13.8％増の496.04億HKドル（約9,333億円）、純利益が15.3％減の36.13億HKドル（約680億円）の増収減益となり、利益率は2.5％悪化して7.3％となった。有償旅客は36.４％増と回復したものの供給スペースがそれを上回る42.7％の増加で運賃が下落、旅客イールドが11.0％落ち込み採算は悪化した。
　グループの貨物部門売上高は前年同期の124.32億HKドルから1.4％増収の126.10億HKドル（約2,374億円）、キャセイパシフィック本体の貨物収益は1.5％増の109.02億HKドル（約2,052億円）だった。
　輸送貨物量は10.5％増の71万9,464トン、有償貨物トンキロ（RFTK）は4.6％増加したが、キャパシティ（AFTK：有効貨物トンキロ）がそれを上回る11.4％増となったためロードファクターは前年同期から3.9ポイント悪化して59.9％と60％をわずかに下回った。

　大韓航空はアシアナ航空を統合する手続きを進める中、貨物事業をエア・インチョンに売却することでこのほど同社と基本合意書を締結した。
　大韓航空は経営難に陥っているライバル会社アシアナ航空を買収することで同社と合意したが、乗り入れ国・地域のなかでとくにEUが、欧州〜韓国間の路線で韓国第1位と2位の航空会社統合は競争に影響を及ぼす可能性があるとして、アシアナの主力となっている貨物事業の売却などを条件に今年2月に合併を承認した。これを受けて大韓航空は4月に入札を実施、6月にエア・インチョンが優先交渉者に選ばれていた。基本合意書の締結により、4,700億ウォン（約500億円）での売却が決定、統合がさらに一歩前進した。
　残るハードルは米国司法当局の承認だが、何らかの条件はつけられても10月末までには承認されるのではないかと観測されている。

　カナダにおける大規模な鉄道ストライキを回避するため官労使の3者間協議が何カ月も停滞していた後、現地時間の7日に再開される予定だ。
　カナダ鉄道道会社の車掌などで構成する乗務員組合のTCRC（チームスターズカナダ鉄道会議）と使用者側のCanadian National鉄道（CN）、Canadian Pacific Kansas City鉄道（CPKC）が大規模なサプライチェーンの混乱につながる可能性のある業務停止を未然に防ぐため、5日（現地時間）にスティーブ・マッキノン労働大臣と会談した。会談後、同労働大臣は声明を発表、「会合には連邦調停員も出席、カナダの鉄道、労働者、経済全体をめぐる状況の重大さを反映した率直で建設的な議論だった」と述べた。
　TCRCでは、両鉄道会社が公正かつ公平な提案を返す用意があれば、業務停止は回避できるとする一方、CPKCは業務停止の可能性が高く、労使の隔たりは依然として大きいとし、両鉄道会社は、昨年11月に交渉が始まったときほど合意には近づいていないと指摘、CNは顧客が混乱の可能性を避けるために輸送ルートの変更を始めたため、7月に収益予測を下方修正している。
　TCRCは当初、5月22日にストを実施する予定だったが、カナダ政府が5月19日にカナダ労使関係委員会（CIRB）に対し、鉄道サービスが必要不可欠とみなされるかどうか、ストライキが公衆衛生を脅かすかどうかを判断するよう要請したため、ストは一時中断された。これにより、5月1日のスト投票も7月1日で期限切れとなったが、その後のスト権投票でストライキの再承認を圧倒的多数で承認し、早期にストを実施すると表明している。
　ただ、政府が業務停止中にどの出荷を継続しなければならないかの評価を完了するまでは、ストを行うことはできず、CIRBは、サービスの中断が健康と安全にどのような影響を与えるかを判断する必要があり、この判断は8月9日に下される予定で、その3日後にストライキが始まる可能性が懸念されている。

　日本港運協会は6日、斉藤鉄夫国土交通大臣あてに「25年度税制改正に関する要望書」を提出、中小企業投資促進税制の延長、中小企業経営強化税制の延長などを要望した。
　日港協では、港湾運送事業者の88.9％が中小企業者という経営基盤が極めて脆弱な事業であるため、港湾の国際競争力の強化のためには、事業環境の整備を図ることが必要不可欠だとして、港湾運送事業に対する税制支援措置に関する25年度の税制改正を要望した。
　港湾の国際競争力強化などを担う荷役作業の一層の効率化を図るためにも、世界各国にひけをとらない、コンテナなどの迅速かつ効率的な処理を可能とする大型かつ高度な荷役機械の導入、維持などは必要不可欠だ。そのため、中小企業者が機械装置などを取得した場合における所得税と法人税の特別償却または税額控除の延長と、中小企業者が中小企業など経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を取得した場合における所得税と法人税の即時償却または税額控除の延長を要望した。
　一方、国際基幹航路の寄港地の絞り込みが進行している中で、輸出入に係るリードタイムの短縮や輸送コストの低減を図り、国際基幹航路の日本港湾への寄港を維持・拡大する必要がある。このため、日本港湾が国際基幹航路の寄港地となるよう、荷役効率の向上などに資する高能率な荷さばき施設などの整備を図っていくことが必要だ。併せて脱炭素化に資する港湾施設の整備の促進が必要だ。このため、港湾運営会社が、国際戦略港湾などにおける一定の要件を満たすコンテナ埠頭で取得した荷さばき施設などに係る固定資産税と都市計画税の課税特例の延長を要望した。