ニュースダイジェスト

　Ocean Network Express（ONE）は、インド／パキスタン間の情勢悪化とそれに伴う両国の規制措置に対応し、今月上旬から、東南アジア／中東航路のTIG、TIPの2サービスを改編する。
　新TIGは、インドのナバシェバ、ムンドラを抜港、パキスタンのカラチ、ビンカシムに追加寄港し、5月10日レムチャバン発"Highway"（Voy.350W）を第1船にレムチャバン～シンガポール～カラチ～ダンマン～ジェベルアリ～ビンカシム～コロンボ～シンガポール～レムチャバンの新ローテーションでサービスを開始した。
　また新TIPは、ビンカシム、カラチを抜港し、ムンドラに追加寄港し、9日レムチャバン発"George Washington Bridge"（Voy.0038W）を第1船に、レムチャバン～シンガポール～ポートクラン～ピパバブ～ムンドラ～ナバシェバ～コロンボ～シンガポール～レムチャバンの新ローテーションで定曜日ウィークリーサービスを開始する。
　ONEは現在パキスタンとインド西岸を接続するサービスのブッキングを一時休止しており、そのため、パキスタン発米国東岸向けでは、TIGを利用したコロンボでの積替えによる代替輸送を実施する。ビンカシムからコロンボは新TIGを利用し、コロンボでEC3に接続するもので、西航は6月1日ビンカシム入港"Highway"（Voy.350E）、東航はEC3で5月13日サバンナ入港"ONE Madrid"（Voy.26W）を第1船にサービスする。

　スエズ運河における3月の通航船隻数は前年同月比4.0％減の1,071隻で、うちタンカーは8.5％増の436隻と紅海情勢の一部緊張緩和により増加に転じたが、その他の船舶は10.9％減の635隻と依然、2ケタマイナスになった。
　今年第1四半期（1～3月）の通航船隻数は前年同期比17.1％減の2,981隻で、うちタンカーが9.5％減の1,120隻、その他の船舶は21.1％減の1,861隻といずれも前年を大きく割り込んでいる。また期中の通航船の通航料算定の基準となる独自のトン数も、23.1％減の1億1,560万スエズ運河トン（SCNT）と減少したが、通行料収入は16.4％増の455億エジプトポンド（8億9,900万米ドル）と2ケタの増収となった。

　英国のエネルギー情報分析会社Vortexa（ボルテクサ）はこのほど直近のグローバルLNG市場動向を分析した特別レポートを発行した。
　それによると、北東アジア市場におけるLNG需要は、現在、中国のガス需要の減少によって弱まりつつあり、欧州のLNG輸入量は、直近では厳しい寒さで冬季にガス貯蔵量が枯渇したため、第1四半期（1～3月）に過去最高の伸びを記録したが、EUの貯蔵目標において、より柔軟性が高まるとの期待値の上昇により、市場は緩和傾向にある。また米国・ルイジアナ州の「プラークミンズ」LNGプロジェクトの急速な立ち上がりとカタールからの記録的な輸出に支えられ、供給状況はより好転しているが、LNG新造船の流入はLNG供給の伸びを上回り続けており、その結果、歴史的に低い稼働率となり、より多くの蒸気タービンエンジンを推進力として運航する船舶がレイアップ（係船）または引退を余儀なくされていると分析している。
　国際社会における液化天然ガス（LNG）市場は現在、いわゆる「ショルダー・シーズン（端境期）」に突入しており、2025年夏に向けた需給見通しは弱まっている。
　市場動向を左右する主な要因としては、中国におけるLNG需要の減少が目立っており、米中貿易摩擦の影響を受けた工業生産の鈍化がその背景にあること。また、欧州連合（EU）はガス貯蔵目標の運用に柔軟性を持たせる動きを見せており、夏季の補充需要が抑制される見通しだ。これにより、2025〜26年には再び夏季と冬季に価格差（プレミアム）が発生する可能性も指摘されていること。
　一方で、供給サイドでは好材料もある。米国の「プラークミンズ」LNGプロジェクトが急ピッチで立ち上がっているほか、カタールは生産能力の110％を超える記録的な輸出実績を達成。これらの動きにより、世界的なLNG供給の見通しは改善基調にあることをあげている。
　海運分野では、LNG運搬船の新造ラッシュが続く中、航海距離の短縮も相まって、スポット運賃に下押し圧力がかかっており、特に、旧式の蒸気タービン推進船は極端な低稼働率に直面しており、係船（レイアップ）や解撤（スクラップ）を余儀なくされるケースも増えている。
　一方で、米国通商代表部（USTR）が発表した指令案では、中国で建造されたLNG船は追加関税の対象外とされており、業界内では一定の安心感が広がる。ただし、米国内でのLNG船建造・運航体制の確立という長年の構想は、依然として具体化に至っていないと指摘している。

　Evergreen、Yang Ming、Wan Hai Linesの台湾3船社の2025年第1四半期（1～3月）連結業績は、太平洋航路で大きなプレゼンスを持つEvergreenとアジア域内で充実したネットワークを持つWan Haiが記録的な好業績を計上した一方、Yang Mingのみ減益となった。
　Evergreenの売上高は前年同期比25％増の1,099億台湾ドル、営業利益は86.6％増の293億台湾ドル（9億6,320万米ドル）と2ケタの増収増益となり、株主に帰属する当期利益は274億台湾ドルになった。
　Yang Mingの売上高は3.9％増の455億台湾ドル、営業利益は8.5％減の72億台湾ドル（2億3,690万米ドル）と増収も減益になり、株主に帰属する当期利益は16.9％減の78億台湾ドル（2億5,530万米ドル）と2ケタのマイナスになった。
　Wan Haiは、売上高が34％増の371億台湾ドル、営業利益も314.3％増の92億4,000万ドル（3億350万米ドル）で株主に帰属する当期利益は89.0％増の873億台湾ドル（2億8,670万米ドル）になった。

　FESCO Transpotation Group（ロシア）は13日、サンクトペテルブルクと中国・インドを結ぶFESCO Balt Orient Line（FBOL）で、ベトナムのホーチミンに追加寄港を開始したと発表した。第1船の"SANKT PETERBURG"が5月2日にホーチミンのSP- ITC Internation Container Terminalに初入港したあと、5月13日にインドのムンドラ港に寄港、6月上旬にはサンクトペテルブルクに到着する予定で、ホーチミンからサンクトペテルブルクまでのトランジットタイムは約34日となる。
　FESCOは2023年にFBOLを開始し、自社コンテナ船を投入、欧州諸港を経由せず、スエズ運河を利用し。中国、インド、サンクトペテルブルクを結ぶ最初のロシア船社になり、中国の青島、連雲港、上海、寧波、塩田、インドのナバシェバ、ムンドラなど主要港をカバー、さらに、フィーダー船を使用し、マレーシア、タイ、インドネシア、韓国、UAEおよびその他のアジア諸国の港とも接続している。

　日本郵船グループのNYKバルク・プロジェクトが神原汽船から定期用船するメタノール二元燃料ばら積み船が13日、常石造船の常石工場（広島県福山市）で竣工し、命名・引き渡し式を開催した。式典では、日本郵船常務執行役員・サステナビリティ戦略本部長の筒井裕子氏が"Green Future"（写真）と命名した。
　同船は全長199.99m、幅32.25m、深さ19.15m、喫水13.8m、約6万5,700dwt、貨物艙容量約81,500㎥で、日本郵船グループとして初めて、メタノールと重油の両方を燃料として使用することができる二元燃料エンジンを搭載したばら積み船。
　メタノールは重油と比べて環境負荷の少ない燃料で、さらにバイオメタノールや、再生可能エネルギー由来の水素と大気中などから回収された二酸化炭素を利用して生成されるeメタノールを使用することで大幅な温室効果ガス（GHG）排出量の低減を実現する。

　世界洋上風力フォーラム（World Forum Offshore Wind：WFO）がこのほど発行した「Global Offshore Wind Report 2024」によると、2024年に世界で運転を開始した洋上風力発電所は31、発電設備容量の合計は11.11GWと、2023年の9.8GWと比べて13.4%（1.31GW）増加した。運転を開始した洋上風力発電所 31の地域別内訳は、アジアが23で最多、次いで欧州が7、米国が 1で続いた。
　レポートには31の洋上風力発電所について、個別の詳細データも掲載、その中に日本の洋上風力発電所は入っておらず、2024年1月1日に商業運転を開始した「石狩湾新港洋上風力発電所」は、前回の2023年レポートで既に運転開始としてデータに計上されていることが理由。
　アジアで運転を開始した洋上風力発電所23の内訳は、中国19、台湾3、韓国1で、発電設備容量で見ると、中国が6.756GW、台湾が1.524GW、韓国が0.1GWと、世界的に見ても突出した成長を持続する中国に次いで、運転を開始した洋上風力発電設備容量が世界で2番目に多かったのは台湾だった。
　2024年末時点で世界の累積洋上風力発電設備容量は、前年末の67.412GWから11.11GW増加して78.522GWで、国別の洋上風力発電設備容量で世界第一位の中国は38.283GW、約49％を占めている。
　世界で稼働中の洋上風力発電所は313あり、その内訳はアジアに181、欧州に129、米国に3となっている。
　2024年末時点で建設中の洋上風力発電所は38、発電設備容量は23.57GW。国別では中国が9.936GW、英国が5.466GW、米国が4.097GW、ドイツが1.873GW、フランスが1.052GW、台湾が0.813GW、日本が0.238GW、韓国が0.096GWの順。
　日本で建設中の洋上風力発電所として記載されているのは「北九州響灘洋上ウインドファーム」。着床式でジャケット基礎にVestasの「V174-9.5 MW」25基を設置する計画で、9.5MW×25基＝237.5MWだが、接続容量は220MW。日本国内において商用規模の運転中または建設している洋上風力発電所の中で発電容量・単機出力ともに最大だ。
　2024年に契約を締結した洋上風力タービンは 22.9GW相当で、全体の23％を受注してトップに立ったのは、Siemens Gamesa（約5.3GW、独）、次いで2位はVestas（4.6GW、デンマーク）、3位はMing Yang Smart Energy（2.2GW、中国）。
　2019年から2024年の長期スパンで見ても上位は変わらず、市場シェア28％でSiemens Gamesaが1位、Ming Yang Smart Energy（13％）が2位、Vestas（9％）が3位で、2024年は、中国で一部のタービンOEMが大型風力タービンユニットの開発を継続する一方で、他のOEMは財務的圧力に直面しながら、標準化された収益性の⾼いユニットの連続生産に注力しているという。

　米国と中国の貿易協議で双方が90日間の関税率大幅引き下げで合意したことを受けて、ボーイング製航空機の中国航空会社への納入が解禁され、今週から引き渡しが可能となった。米国の関税大幅引き上げで中国政府は自国航空会社に対してボーイング機の引き取り停止を命じ、このため先月中国にあるボーイングのデリバリーセンターから厦門航空に納入予定だったと思われる737MAXが3機米国に返送されていた。
　ボーイングによると、中国の航空会社はボーイングにとって主要顧客で、発注残のうち10％はこれらの航空会社によって占められ、今年は50機を納入する予定だという。

　ロンドン・ヒースロー空港の4月貨物取扱量は12万5,162トン、前年同月比7.8％の増加となった。
　4月の地域別では、最大マーケットの北米が13.0％増の5万2,323トン、次いでアジア太平洋が7.4％増の3万3,479トン、中近東が0.1％増の1万8,878トン、アフリカが14.2％増の7,698トン、EUが17.7％減の5,209トン、中南米が7.4％増の4,641トンとEU向け以外はプラスだった。

　メッセミュンヘン(独）は、グローバル物流産業の最大イベントの一つである「Air Cargo Europe 2025」を6月2日から5日までミュンヘンで開催する。
Air Cargo Europeは、WCS(World Cargo Symposium)、ACF(Air Cargo Forum)とともに世界3大航空物流会議で、グローバル航空貨物のサプライチェーン戦略を議論する重要な舞台で、特に、欧州最大の物流自動化・輸送システム展示会である「Transport Logistic 2025」と併催、展示と会議を一度に体験できるのが特徴だ。
　今回は、（1）持続可能な航空物流戦略（2）AIと自動化基盤の物流革新（3）貨物航空機の市場再編など、航空貨物産業の重要課題を中心に構成、イベントには全世界の航空会社、空港、フォワーダー、物流IT企業、装備会社などが大挙参加し、産業全般の動向とソリューションを統合的に眺めることができる。
特に、Hapag-Lloyd、HHLA、DB Schenker、Kuehne+Nagel、DHL、OBB Rail Cargoなど、世界的な大手物流企業の首脳が講演者として登壇し、航空貨物市場の変化に対応する戦略と技術革新案を提示する予定だ。
　また、Air Cargo Eurpeと一緒に開かれる物流自動化・輸送システム展示会Transport Logistic 2025は、15万m2規模で2,500以上のグローバル物流企業が参加する大型イベントで、来場者は8万人以上と予想される。特に、AI基盤の物流システム、スマート貨物追跡、カーボンニュートラル輸送ソリューションなど、物流産業の革新的なICT技術が発表、実務者からCEOレベルの経営陣まで、カスタマイズされたインサイトを得ることができる機会だ。
主催者であるメッセミュンヘンでは、「グローバルサプライチェーンが再編されている現在、航空物流は最も速く、戦略的な輸送軸となっており、テレマティクスを活用したリアルタイム車両追跡、スマート物流倉庫管理など先端技術が集中展示されるため、展示会を通じてグローバルトレンドと革新技術を直接体験する機会になるだろうとしている。

　NIPPON EXPRESSホールディングスの25年12月期第1四半期累計（2025年1～3月）連結業績は、、ドイツ本社のSimon Hegeleグループを新たに連結の範囲に含めたことや航空貨物、海運貨物が堅調に推移したことに加え、料金改定や事業再編・機能統合による効果で、売上高は4.5％増の6,452億円、営業利益は234.0％増の114億円、税引前四半期利益は71.7％増の71億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は60.7％増の12億円と増収増益となった。
　セグメント別では、ロジスティクス部門の日本は、航空貨物、海運貨物の取り扱い増加と料金改定の効果で、売上高は2.3％増の3,124億円、セグメント利益は17.2％増の74億円となった。米州は航空貨物の取り扱いが堅調も、自動車配送で前年スポット需要の反動減で、売上高は6.2％減の347億円、昨年の子会社清算の反動増の効果などで、セグメント利益は66.7％増の17億円。欧州は、航空貨物の取り扱いが鉄鋼関連を中心に増加、Simon Hegeleグループの連結化で売上高は8.1％増の1,221億円、海空の運賃上昇など各種コスト増で、セグメント利益は43.6％減の17億円と減益。東アジアは航空貨物の取り扱いが半導体関連を中心に増加、売上高は11.3％増の415億円、事業再編・機能統合でセグメント利益は204.5％増の13億円。南アジア・オセアニアは、航空貨物が半導体関連を中心に増加、海運貨物は自動車やアパレル関連の取り扱いが増加、売上高は9.8％増の381億円、セグメント利益は11.2％増の11億円。
　警備輸送の売上高は3.3％減の170億円、セグメント利益は49.4％減の6億円、重量品建設の売上高は21.7％増の129億円、セグメント利益は71.7％増の13億円、物流サポートの売上高は9.4％増の1,181億円、セグメント利益は55.0％増の37億円だった。

　調査・データH&Iグローバルリサーチ（東京都中央区）は9日、倉庫用ラック市場に関する産業調査レポートを販売すると発表した。同レポートは、世界の倉庫用ラック市場の動向、成長予測、関連企業情報を含む内容で、基準年22年から予測期間32年までを分析、倉庫用ラックはパレットラックシステムの一種で、物流業務全体の効率化やコスト削減に寄与しており、22年の市場規模は77億2,680万米ドルで、32年には約61%拡大し124億2,840万米ドルに達すると予測している。
こうした堅調な伸びの背景には、物流・流通業界における自動化・効率化ニーズの高まりや、グローバルサプライチェーンの高度化、さらにはEコマース市場の急激な拡大といったマクロトレンドをあげ、特に、世界的なオンライン販売の増加によって、従来の在庫保管・出荷センターのレイアウトが見直され、多様な商品サイズ・重量に柔軟に対応できる可変性の高いラックシステムへの需要が急増していると分析している。
　Eコマース業界の成長は、倉庫用ラック市場に対して直接的かつ大規模な影響を与えており、インターネット通販では、多品種少量の注文が大量に発生するため、保管スペースの最適化と高速ピッキングが必須となり、従来のパレットラックに加えて、可動式ラック、パレットフローラック、ピッキング向けフロアラックなど、多様なソリューションを採用、これにより、商品補充や棚卸作業の容易化と、出荷時の取り違え防止が実現し、顧客満足度の向上に貢献しているとしている。
　また、世界人口は2020年の約75億人から2050年には95億人を超える見込みで（国連推計）、この人口増加に伴う消費財・食品・医薬品などの取扱量増大と、グローバル貿易のさらなる活性化が予測。企業は、より多様な市場ニーズに対応するために製品ラインナップを拡充し、その結果として倉庫内在庫量が増加しており、このトレンドは、既存倉庫の拡張需要だけでなく、新規物流拠点建設需要も喚起し、倉庫用ラック市場の拡大を後押しする重要なファクターとなっていると指摘している。
　一方、市場成長を阻む要因としては、倉庫用ラックシステムの導入に伴う高額な初期投資コストをあげ、材料費や設置工事費、設計・施工コンサルティング費用に加え、既存倉庫構造への補強や改造が必要な場合、総投資額が数百万ドル単位になることもあり、こうした初期投資負担が中小企業や予算制約のある物流事業者にとってはハードルとなり得るため、費用対効果を見極めた段階的な導入や、リースモデル・レンタルモデルによる資本負担軽減策が求められていると強調している。
　市場環境としては、グローバル化が進展するサプライチェーンにおいて、タイムリーな在庫補充とオーダー納期厳守が企業競争力の鍵を握っており、これに応じた柔軟かつスケーラブルな倉庫レイアウトの構築が急務となっており、特に、AI／IoT技術を活用したスマートラックソリューションの登場により、在庫位置のリアルタイム追跡、セルフメンテナンス機能、予知保全などの高度なサービスが提供され始めており、従来型システムとの差別化要因となっている。
　インターネット通販では、多品種少量の注文が大量に発生するため保管スペースの最適化と高速ピッキングが必須となり、従来のパレットラックに加えて、可動式ラックやパレットフローラック、ピッキング向けフロアラックなど多様なソリューションが採用されている。これにより、商品補充や棚卸し作業の容易化と出荷時の取り違え防止が実現し、顧客満足度の向上に寄与すると分析している。

　日本トランスシティは、危険物取り扱いに関する堅調な物流需要と地場製造業の成長を背景に、2024年3月に取得した木曽岬新輪工業団地内の土地に、常温危険品倉庫6棟、屋外貯蔵施設と梱包場を備えた危険品複合センターを建設することを決定した。投資総額は約30億円、2027年3月に竣工予定。
　当該施設は、危険品物流分野における安定的な需要を確実に取り込むとともに、中長期的な産業構造の変化に応じた新たな物流ニーズにも柔軟に対応できる戦略拠点として位置づけている。
　建設用地（三重県桑名郡木曽岬町新輪1-3-9）は面積が約3万100m2、鉄骨造り低床式平屋建て（耐火建築物）を6棟（常温倉庫）建設するもので、倉庫延べ床面積はそれぞれ約990m2。その他、梱包場（約40坪）、事務所棟（約 40坪）、屋外貯蔵所設備（約750坪）を装備する予定だ。

　川西倉庫は、長期ビジョン「KAWANISHI2030」のフェーズ1中期経営計画「Vision2024物流イノベーションへの挑戦」（2022～2024年度）が終了したことに伴い、フェーズ2の中計として「Vision2027事業領域の拡大」（2025～2027年度）を策定、2028年3月期業績目標として売上高300億円（24年度比45億円増）、営業利益15億円（同4.7億円増）、営業利益率5.0％（同1.0％増）、親会社株主に帰属する当期純利益10.5億円（同3億円増）を目指すとともに、25～27年度の3年間で40.1億円（22～24年度25.5億円）を投資する計画だ。
　また長期ビジョン「KAWANISHI2030」の業績目標を、2031年3月期の業績目標は、売上高350億円、営業利益22億円、営業利益率6.3％、親会社株主に帰属する当期純利益15億円に修正した。また28～30年度の投資計画は108億円に修正した。
　次世代型物流施設の計画推進、ASEAN投資、リコンストラクション（拠点・組織の再構築）、既存事業の拡大強化を進める方針だ。

　川西倉庫の2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、売上高が前期比2.2％増の255億4,200万円、営業利益が11.4％減の10億2,700万円、経常利益が4.4％減の11億7,900万円、親会社株主に帰属する当期純利益が6.3％減の7億4,600万円となった。
　国内物流事業の売上高は1.6％増の207億800万円、セグメント利益は5.1％増の17億4,000万円だった。国際物流事業は、2022年に設立した米国子会社が当期から本格稼働したほか、国際運送取扱業務が堅調に推移、売上高は5.3％増の44億7,500万円、セグメント利益は他の海外子会社の業績が低調に推移、47.8％減の1億7,800万円となった。期末配当は1株当たり14円、年間28円。
　26年3月期の連結業績予想は、売上高は6.9％増の273億円、営業利益が9.0％増の11億2,000万円、経常利益が1.7％増の12億円、親会社株主に帰属する当期純利益が1.8％増の7億6,000万円を見込む。

　名港海運は、2025年度から2029年度の5年間を計画期間とする中期経営計画「MX2029」を策定、2029年度の売上高を24年度比10.4％増の900億円、営業利益を同11.6％増の70億円を目指す。
　事業戦略では、国内事業の拡大、海外事業の成長、物流DXの推進を掲げ、基盤戦略としては人的資本の強化とサステナビリティ経営の推進を目指す。資本政策では、保有資産の最適化と負債の活用を図り、株主還元の強化として、配当性向40％、DOE2％のいずれか高い水準を目安とする。

　トレーディアの2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、売上高が前年同期比10.9％増の166億4,600万円、営業利益が26.8％増の2億5,300万円、、経常利益が9.8％増の3億9,800万円、前年計上した投資有価証券売却益が剥落し親会社株主に帰属する当期純利益は18.1％減の2億6,700万円だった。
　輸出部門の売上高は8.3％増の27億2,300万円、セグメント利益は100万円（前年同期はセグメント損失5,300万円）、輸入部門の売上高は4.0％増の51億6,600万円、セグメント損失1,600万円（前年同期はセグメント損失4,300万円）だった。国際部門では、輸出がインド、東南アジア向けの資材や、半導体関連、複合機など、アジア発の三国間案件などで取扱量が23.2％増と好調、かつ円安により運賃水準も上昇し、売上高も48.4%増となった。一方、輸入の取扱量は前年同期比で微増、売上高は9.0％増となったが、円安による日本国内の消費低迷の影響で物量が減少し、競合他社との運賃競争も激化する中、収益性の改善には至らず、その結果、国際部門全体の売上高は16.6％増の85億8,800万円、セグメント利益は14.8％減の2億円となった。倉庫部門の売上高は前年同様の5,400万円、セグメント利益は2.8％増の5,100万円。船内荷役などの売上高は18.2％増の1億2,700万円、セグメント利益は55.2％増の1,500万円だった。配当は期末のみで1株当たり50円。
　26年3月期の連結業績予想は、通期で売上高が0.9％増の168億円、営業利益が26.3％増の3億2,000万円、経常利益が0.4％増の4億円、親会社株主に帰属する当期純利益が4.6％増の2億8,000万円を見込む。

　トナミホールディングスの2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、売上高が前年同期比10.3％増の1,566億9,000万円、営業利益が14.5％増の66億1,100万円、経常利益が12.7％増の76億5,600万円、親会社株主に帰属する当期純利益が14.0％減の34億9,200万円だった。
　物流関連事業は、適正運賃・料金の収受に継続して取り組み、外注費や燃料価格の高止まり、人件費の増加に対応するため、業務効率化や生産性の向上に努めた結果、売上高が8.6％増の1,452億9,000万円、セグメント利益が20.1％増の61億5,800万円だった。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、日本通運は、5月22日、23日の2日間、東京流通センターで開催の「アジア・シームレス物流フォーラム2025」に出展、NXグループの強みグローバルロジスティクスサービスや最新の物流ソリューションにを紹介する。
　同社のブース：2C－01（Fホール2階）では、IoTを活用したカーゴモニタリングソリューションのCargo Monitoring Services、環境に配慮した新素材パレットe-light palletシリーズ、NX-FORWARDING・AIR「超速！羽田」シリーズ、ベトナム南北鉄道輸送サービス、顧客のScope3排出量を削減する国際海上輸送サービスNX-GREEN Ocean Program、PROTECT BOX GLOBAL、NXスーパーエクスプレスカーゴを紹介する。また、ミニセミナー（各10分）も開催する。

　日本トランスシティは、北海道石狩市に菓子・食品に特化した高床かつ定温倉庫機能を備えた物流センターを建設していると発表した。
　すでに4月に着工済みで、投資総額約20億円（土地取得費を含む）をかけて2026年5月に竣工予定。
　同センターには、保管効率や入出庫作業の生産性向上を図るとともに、省人・省力化を実現するため、シャトル式自動倉庫システムを導入するとともに、WMS（倉庫管理システム）との連携で、作業負荷の軽減、オペレーションの標準化、物流品質の向上を図る。建設地（北海道石狩市新港中央2-731-2）は、面積が1万2,772m2で、すでに2024年11月に取得済みで、ここに、鉄骨造り高床式平屋建ての倉庫延べ床面積3,960m2（定温倉庫：900坪、常温倉庫：300坪）を建設するもので、シャトル式自動倉庫システム、ドックレベラー1基、LED照明などを装備、木造の平屋建て詰所（20坪）も併設する。

　Hapag-Lloyd（独）が14日に発表した2025年第1四半期（1～3月）のグループ連結業績は、主力の定期船事業が好調だったことを要因に、売上高が前年同期比15%増の53億1,800万ドル、EBITDA（利払い前・税引き前・償却前利益）が16.9%増の11億300万ドル、EBIT（営業利益）が23.6%増の4億8,700万ドル、当期純利益が45.2%増の4億6,900万ドルと2ケタの増収増益を記録、好調なスタートを切った。
　定期船事業は、積み高が9%増の330万5,000TEU、平均運賃が9%上昇し1,480ドル／TEUとなったことを要因に、売上高が15.2%増の52億2,200万ドル、EBITDAが18％増の10億6,700ドル、EBITが25％増の4億7,200万ドルと2ケタの増収増益となった。
　ターミナル・インフラ事業は、売上高が2%増の1億900万ドル、EBITDAが2.9%増の3,600万ドル、EBITが6%減の1,500万ドルだった。期中にルアーブル港（仏）のCNMP LH Terminalの過半数の株式を取得し、フランス市場に戦略的に重要なアクセスを確保した。
　2025年の連結業績は、主要な地政学的な課題と不安定な消席率に照らして、見通しは非常に高い不確実性の影響を受け、EBITDAが25億から40億ドル（2.4〜39億ユーロ）、EBITが0.0〜15億（0.0〜15億ユーロ）を予想する。

　米国の大手格付け会社、S&P Global Market Intelligenceが最近発表したデータによると、米国の4月の輸入コンテナ量は278万TEUと、前年同月比10.3％の増加、3月の増加率に並んだ。1～4月累計の輸入コンテナ量は1,093万TEUで前年同期比7.9％の増加となった。
　S&P Globalによると、米国の関税の影響は、5月に入り貿易量を減少させる可能性が高いが、予想以上に高い相互関税は、4月上旬の輸入に影響を与えなかったが、4月の最後の2週間で前年同期比9.1％に減速した。
　4月の自動車を除く消費財の輸入は前年同月比17.5％増となったが、月後半には8.7％減となり、中でも家電とレジャー用品は月後半に減少した。資本財の輸入は2.9％増にとどまり、4月後半には0.2％減となった。これは、エネルギー貯蔵と太陽光発電システムに対する関税の影響もあり、電気機器の出荷が加速度的に落ち込んでいる。
　情報技術の輸入は、3月の11.3%増に続き、4月後半は前年同期比4.8%減となった。S&P Globalでは、このセグメントがトランプ政権による半導体および派生製品に対する通商法232条（米国への輸入が米国の国家安全保障を損なうおそれがある場合、関税の引き上げ等の是正措置を発動する権限を大統領に付与する規定）見直しに関連する不確実性が影響していると指摘した。
　米中貿易関係については、両国が8月12日までの90日間、互いに関税を引き下げるという最近の動きは、ピークシーズンが遅くまで続くような状況から一夜にして変わるようなものだとし、高関税が続くと考えれば、荷主は何かあったときのためにギリギリまで貨物を動かすのを待つが、いまなら向こう90日間は10％の税率で輸入でき、その後の税率は未知数で、10％のまま、あるいは大幅に高くなる可能性があり、いま注文を入れても、生産に時間がかかり、発送にも時間がかかるが90日というのは十分な長さだとしている。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、日本通運は、同グループのcargo-partner GmbHと連携し、日本発、中東欧地域向けの輸出貨物に対応する「ウィーン混載」サービスを開始した。
　近年、中東欧地域への輸出貨物の需要が増加している中、日本発の混載サービスの選択肢が限られていることや、リードタイムの不確実性が課題となっていたが、中東欧に広いネットワークを持つcargo-partnerと連携し、同社ウィーンCFSを起点としたクロスドック方式による中東欧地域向けの混載サービスを開始した。
　同サービスは、日本国内の主要港（東京、横浜、名古屋、神戸、博多、門司）から中東欧地域の各仕向地（ウィーン、グラーツ、リンツ、インスブルック、ザグレブ、プラハ、ブダペストなど計26カ所）への輸送を対象として、ウィーンCFSまでの輸送は北欧州向け直行船を利用したコンテナ一貫輸送を提供する。ウィーンCFSでコンテナから貨物を卸した後、各仕向地へ輸送する。
　発着の取り扱いはNXグループが担うため、高品質で安心・安全なサービスを提供できる。
　ウィーンCFSを起点とし、中東欧地域に多くの拠点を持つcargo-partnerの幹線輸送を利用することで、中東欧全域に広範囲で密度の高いサービスを提供できる。日本から北欧州までは直行船を利用し、ウィーンCFSまでコンテナ一貫輸送を提供し、発着CFSではNXグループの拠点で作業することで、高い輸送品質を確保している。従来のサービス価格に比べて、平均20～30％のコスト削減を実現するとしている。

　南アフリカの港湾運営会社Transnetの主要労働組合は、最終賃金交渉が決裂した場合、週明けにもストライキに踏み切る準備を進めている。
　UNTU（全国運輸労組）は、組合員2万6,000人以上を対象とする労働協約改定に向けてTransnetと交渉中で、Transnetは今後3年間、年6％の賃上げを提示しているが、UNTUは初年度に10％の賃上げを求め隔たりが大きく、組合員は土壇場の仲裁交渉が成功しなければストライキを行うことを圧倒的多数で支持、交渉が決裂した時点でストライキを実施する予定で、南アフリカ主要港をマヒさせる可能性がある。
　国営企業であるTransnetは、世界で最も効率の悪い港湾運営会社のひとつに数えられており、多額の負債を抱えている。盗難、設備の老朽化、接待疑惑などが、長年にわたって運営を妨げてきた。南アフリカの鉱業部門の一部にとって重要な貨物鉄道部門は、10年近く業績不振に陥り、経済成長を圧迫、2017年から2023年の間に、Transnetのリチャーズベイ石炭ターミナルへの石炭鉄道輸送量は40％近く激減した。
　Transnetは昨年、アフリカ開発銀行（AfDB）から10億ドルの融資を受け、事業再生計画を進めており、設備の一部を増強、投資リストには、ダーバン港、ケープタウン港、リチャーズベイ港向けの新しいタグ7隻が含まれている。

　欧州連合（EU）は14日、ウクライナ侵攻に伴う第17次対ロシア制裁パッケージに合意し、ロシアによる所有者が判然としない原油タンカー、いわゆる「影の船団」の規制を強化する。
　「影の船団」は廃船間際の老齢タンカーを使い、西側の海上保険に加入せず、対ロシア制裁により西側の価格上限規制を回避しながら同国の原油輸出と外貨獲得を図るもので、今回の制裁措置により約200隻が制裁対象になり、さらにロシアの制裁措置の回避を支援した企業30社も対象となっている。
　また同国のハイブリッド攻撃に対処するため、偽情報対策、海底ケーブル、空港、データサーバー等の重要インフラへの妨害工作への対応なども盛り込まれている。

　パナマ運河庁（ACP）の発表によると、4月のパナマ運河通航船隻数は、3月の1日平均33.7隻から1日平均34隻に増加し、1～4月累計で1,021隻だった。パナマ運河の通航料が引き下げられたにもかかわらず、パナマ運河を通航する船舶の数が、依然として1日当たりの上限である36隻を下回っていることを示している。
　パナマ運河は2023年後半から2024年前半にかけての深刻な干ばつによる通航制限を余儀なくされ、通航料の値上げと待船の行列が発生したが、この制限は昨年8月から通航制限を緩和している。
　米国のトランプ大統領は、世界第2位の規模を誇る運河の通航料が高いと批判し、パナマ運河を買収すると脅し、米国とパナマはここ数カ月、米国籍船の通航料や優先通航権について協議してきた。

　HHM（韓国）が14日に発表した今年第1四半期（1～3月）連結業績は、売上高が2兆8,547億ウォン（1ウォン＝0.10円）と前年同期の2兆3,299億ウォンに比べ5,248億ウォン（23%）増、営業利益が6,139億ウォンで前年同期の4,070億ウォンに比べ2,069億ウォン（51%）増、当期純利益が7,397億ウォンで前年同期の4,851億ウォンに比べ2,546億ウォン（52%）増と2ケタの増収増益を達成した。
　また、営業利益率は21.5%で前年同期の17.5%から4%ポイント上昇しグローバル船社トップクラスの水準を達成した。
　1Qの上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）が前年同期の平均2010から平均1762へ12.3%下落、年初から1Q末には1300まで落ち込み、米国の保護関税政策による貿易摩擦が続く中、コンテナ船隊の拡充や新規サービスの拡大(大西洋、インド・北欧州)、関税の影響を受けにくい地域への営業強化など、物量増大の努力により売上高、営業利益とも増加した。
　今後は米国の国別関税交渉の影響が本格化し、需要側の不確実性が深まり、グローバル船社の船腹増大、米通商代表部（USTR）の中国海運・造船へのけん制、スエズ運河の通航再開の可否など、サプライチェーンの変動性の深化による市場の不確実性が拡大、特に、中国発の米州向け輸送量の減少に伴い、需給不安が生じ、スポット運賃の下落を予想する。
　こうした見通しの中、2023年に発注した9,000TEU型メタノール燃料コンテナ船9隻が今年3月から順次デリバリー、来年上半期までに全船をサービスに投入する予定で、2030中長期計画に基づき、船隊の確保、地域別の需給変化に対応した弾力的な船隊運用、バルク部門の高収益貨物の発掘、デジタル化によるコスト削減などで不確実な市場状況に備えている。

　CMA CGM（仏）はこのほど、インド／パキスタン間の情勢悪化と直航船や貨物輸送の規制措置に対応し、南アジア／中東をカバーする、EPIC、MEDEX、INDAMEX、AS1の4サービスを改編、またパキスタンをカバーするためのPIKEXを開始した。
　同社は、近隣のコロンボ港とハリファ港を積替えハブ拠点に、5月9日からパキスタン向けには新PIKEXによりジェベルアリ～ハリファ～カラチ～ポートカシム～コロンボ～カラチ～ジェベルアリの新ローテーションでサービスを開始した。
　また新EPICはカラチを抜港しコロンボに追加寄港し、ハリファ～ジェベルアリ～ナバ・シェバ～ムンドラ～コロンボ～タンガーメド～サザンプトン～ロッテルダム～ハンブルク～アントワープ～ダンケルク～ルアーブル～アルヘシラス～ハリファとなる。
　新MEDEXはカラチ寄港を抜港し、ハリファ～ジェベルアリ～ムンドラ～ナバシェバ～コロンボ～バレンシア～ピレウス～マルタ～ジェノバ～マルセイユ・フォス～ハリファとなる。
　新INDAMEXはポートカシムを抜港し、ハリファに追加寄港し、ハリファ～ナバシェバ～ムンドラ～コロンボ～ニューヨーク～ノーフォーク～サバンナ～チャールストン～ハリファとなった。
　新AS1はカラチを抜港し、コロンボに追加寄港し、青島～上海～寧波～蛇口～シンガポール～コロンボ～ナバシェバ～ムンドラ～シンガポール～青島の新ローテーションでサービスする。
　パキスタン発での接続はPIKEXからの積み替えで、EPIC、MEDEX、INDAMEXがコロンボで、CIMEX1はハリファ積み替えとなり、パキスタン向けへの接続はEPIC、MEDEX、INDAMEXがハリファ積み替え、AS1はコロンボ積み替えとなる。

　フィリピンの大手港湾ターミナル会社、International Container Terminal Services, Inc.（ICTSI）はこのほど、ポーランド・グディニア港のコンテナターミナル、Baltic Container Terminal （BCT）で、グディニア港湾局と共同で進めてきた新岸壁となるHelskie岸壁の開発で第1期工事を完了し、接岸第1船となるMSC（スイス）運航の“MSC Rose”（15,294TEU）が入港した。
　2期にわたる工事計画は、グディニア港における大型コンテナ船入港に向けた重要なマイルストーンで、第1期工事では4,200万ドルを投入し岸壁延長400m、水深15.5mの新岸壁、アウトリーチの長い新ガントリークレーン、アクセス道路の新設とオンドックレールの延長などを完了した。
　第2期工事は8,400万ドル以上を投入し、9月までに岸壁の追加整備と新たに回頭用水路の開発工事に着工し、2026年第2四半期に完了する予定で、これにより全長400m、ドラフト14.7mまでのコンテナ船の接岸に対応可能となる。また、面積9haのコンテナヤードとのアクセス道路や新ガントリークレーンをさらに4基新設し、これにより年間コンテナ取扱量は現在の120万TEUから160万TEUに増加するという。
　すでにBCTにはMSCによるアジア／北欧州航路のBritannia Serviceをはじめ、近海、遠距離合せて3サービスが寄港している。

　DP World（UAE）は14日、ドミニカ共和国のコーセド港（写真）とその自由貿易地域（FTZ）を米州の製造、物流ハブとして拡大するために7億6,000万ドルを投資する覚書（MoU）に署名したと発表した。
　ドミニカ共和国の産業・商業・MSMES省（MICM）との間で調印したMoUのもと、コーセド港のコンテナ取扱能力を年間250万TEUから約310万TEUに引き上げる交渉を開始すると同時に225haの開発可能な土地をFTZのために開発、DP Worldとドミニカ共和国は、競争力のあるコスト、強力な税制上の優遇措置、米国市場への近接性を提供することにより、製造業者と物流業者に魅力的な市場環境を提供する。
　DP Worldでは、インフラの側面だけでなく、ドミニカ経済の将来においても変革的投資で、数十億ドルの外国直接投資を生み出し、何千もの新しい雇用を創出し、陸上のアウトソーシングと世界貿易の優先目的地としてのドミニカ共和国の地位の向上を目指すとしている。
　ドミニカ共和国で25年以上操業しているDP Worldは現在、コーセド港のコンテナターミナルと、隣接する86haのFTZの両方を管理している。2003年以来、開発に7億ドル以上を投資し、着実な投資と近代化により、コンテナ取扱能力を2003年の90万TEUから250万TEUまで増強し、ドミニカ共和国のカリブ海全域における貿易と物流の円滑化を促進している。

　シンガポール海事港湾庁（MPA）がまとめた4月の総貨物取扱量は前年同月比8.5％減の4,946万6,200トンで、うちコンテナは2.5％減の3,071万9,000トン、個数ベースでは7.1％増の362万8,100TEUだった。
　1～4月の総貨物取扱量は前年同期比5.5％減の1億9,759万8,300トン、うちコンテナは1.7％減の1億1,874万6,200トン、個数ベースでは6.1％増の1,417万7,400TEUだった。

　NIPPON EXPRESSホールディングスは、25年4月の同グループの国際海上輸送取扱実績（輸出）を発表、日本発は前年同月比4.2％減の1万9,289TEUと減少に転じ、海外発も2.8％減の5万1,770TEUと減少し、日本・海外合計で3.2％減の7万1,059TEUと2カ月ぶりに減少に転じた。
　海外のうちNXグループの傘下となったcargo-partner（CP社）を除く4月実績は、米州発が4.8％減の3,059TEU、欧州発が2.7％増の4,984TEU、東アジア発が5.4％減の1万8,888TEU、南アジア発が3.3％増の1万1,503TEU、合計で1.9％減の3万8,434TEUとなった。
　またCP社の4月実績は、米州発が61.7％増の131TEU、欧州発が1.2％減の3,885TEU、東アジア発が3.8％減の7,532TEU、南アジア発が20.8％減の1,787TEU、合計で5.4％減の1万3,335TEUだった。

　日本貿易機構（ジェトロ）によると、米税関・国境警備局（CBP）は13日、中国に対する相互関税の引き下げに関し中国からの少額貨物の関税率に関するガイダンスを発表し翌14日から、相互関税率125％の代わりに、ベースライン関税10％を適用、少額貨物に対する関税率も削減した。
　国際郵便ネットワークを通じて中国または香港から出荷された輸入申告額800ドル以下の少額貨物についてはも、5月14日午前0時1分以降の通関から、従価税を12％から54％に引き下げ、郵便物1件につき100ドルを課す従量税は維持するが、6月1日に予定していた200ドルへの引き上げは行わないとした。
　米国では、輸入申告額が800ドル以下の少額貨物の輸入に対して、関税支払いなどが免除される非課税基準額（デミニミス）ルールが適用されていたが、トランプ大統領は中国に対して、このデミニミスルールの適用停止を発表していた。

　飯野海運は14日、国際的評価機関であるEcoVadis（仏）のサステナビリティ評価において、「シルバー」評価を獲得したと発表した。「シルバー」は、受審企業全体の上位9％に相当するスコアを取得し、上位15％以内の企業に付与される評価。
　飯野海運は脱炭素社会の実現を目指し、2050年までにカーボンニュートラル達成を掲げている。加えて、人的資本強化や人権尊重対応、コンプライアンスの徹底を含めたガバナンス強化などの取り組みが評価された。
　EcoVadisは、世界180か国、15万社以上を対象に「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な調達」の4項目で企業のサステナビリティを評価している。

　商船三井グループのMOL PLUSは15日、次世代型蓄電池であるバナジウムレドックスフロー電池（VRFB）を開発する VFlowTech Pte. Ltd.にシンガポールへの出資を決定した。
　VFlow は、シンガポールの南洋理工大学からスピンアウトして設立した企業で、同大学の研究結果を活用した蓄電池（写真）は、レドックスフロー電池が持つ長寿命・高い安全性といった特長に加え、独自に開発したバッテリー構造・マネジメントシステム(BMS)を採用することで、高いエネルギー蓄電効率
と低コスト化を実現している。
また MOL PLUS は MOL(Asia Oceania)Pte. Ltd.と共同で昨年10月に3社間での覚書を締結しており、アジア・太平洋地域におけるバナジウムレドックスフロー電池の物流業界への導入推進において協業を進めており、今回の資金調達への参画により、さらなる連携を加速する。

　丸運の2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、売上高が運賃・料金改定効果で前年同期比2.6％増の461億4,500万円、利益面では運賃・料金改定による増益の影響が大きく、営業利益は148.6％増の12億6,600万円、経常利益は98.9％増の14億100万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の売却などで168.1％増の11億1,600万円となった。
　貨物輸送の売上高は前期並みの224億400万円、経常利益は前年同期比4億5,200万円増の5億1,700万円、エネルギー輸送の売上高は4.6％増の163億3,500万円、経常利益は1億2,800万円増の5億8,000万円だった。海外物流は、国際事業での航空貨物の取扱量増、半導体需要の回復に伴う輸出量増と運賃・料金改定などで、売上高は6.3％増の54億6,000万円、経常損益は前年同期比4,100万円増の2,400万円の損失となった。期末配当は1株当たり14円、年間19円。
　26年3月期の連結業績予想は、通期で売上高が1.2％増の467億円、営業利益が22.6％減の9億8,000万円、経常利益が21.5％減の11億円、親会社株主に帰属する当期純利益が40.0％減の6億7,000万円を見込む。

　大東港運の2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、畜産・水産・農産物の取り扱いは増加、その他食品と日用品は減少、鋼材の国内物流取り扱いと海外事業・不動産は増加、売上高が前年同期比4.4％増の167億6,100万円、営業利益が3.0％増の6億6,000万円、経常利益が2.7％増の8億1,700万円、親会社株主に帰属する当期純利益が15.5％増の6億1,700万円となった。
　輸出入貨物取扱事業は、農畜水産物の増加で売上高は2.6％増の123億6,474万円、セグメント利益は5.8％増の16億2,868万円だった。鉄鋼物流事業は、鉄鋼製品の国内需要の増加で、売上高は8.6％増の20億4,590万円、セグメント利益は32.8％増の1億7,958万円、海外事業は、海外子会社の売上増加により、売上高は49.8％増の6億9,335万円となったが、シンガポールの物流子会社が倉庫を取得したことに伴う諸費用の計上で、セグメント損失は1,591万円（前連結会計年度はセグメント損失1,919万円）となった。期末配当は1株当たり12円、年間24円。
　26年3月期の連結業績予想は、通期で売上高が4.4％増の175億円、営業利益が39.2％増の9億2,000万円、経常利益が22.4％増の10億円、親会社株主に帰属する当期純利益が8.5％増の6億7,000万円を見込む。

　タカセの2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、売上高が収受料金改定効果、主要顧客の業務取扱量が増加、前年同期比1.9％増の83億4,500万円、作業コスト上昇や、建物や設備の修繕費増加に加え、中国現地法人のコスト削減が進まなかった影響で、営業利益は53.8％減の7,900万円、経常利益は営業外収益の受取賃貸料が減少、47.8％減の1億1,700万円、親会社株主に帰属する当期純利益は49.3％減の1億5,500万円となった。
　総合物流事業の売上高は1.9％増の82億7,000万円、営業利益は52.9％減の6,200万円、運送事業の売上高は、一部顧客の業務取扱量減少の影響で、6.1％減の2億7,700万円、営業損益は前年同期から100万円減少し、300万円の営業損失となった。流通加工事業の売上高は3.8％減の9億8,600万円、営業損益は前年同期から2,000万円減少し、200万円の営業損失となった。配当は期末のみで1株当たり35円。
　26年3月期の連結業績予想は、通期で売上高が3.1％増の86億円、営業利益が151.8％増の2億円、経常利益が96.3％増の2億3,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益が16.1％増の1億8,000万円を見込む。

　大運の2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の業績は、売上高が前期比7.2％増の86億7,239万円、営業利益が25.2％増の2億4,357万円、経常利益が22.5％増の3億2,422万円、当期純利益が7.6％減の2億6,954万円となった。
　港湾運送事業は主要取引先の受注が堅調に推移、売上高は7.4％増の84億7,055万円、セグメント利益（営業利益）は9.8％増の5億8,470万円となった。配当は期末のみで1株当たり13円。
　26年3月期の業績予想は、通期で売上高が1.5％増の88億円、営業利益が6.7％増の2億6,000万円、経常利益が7.9％増の3億5,000万円、当期純利益が3.9％増の2億8,000万円を見込む。

　ヤマタネの2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、売上高が前期比25.4％増の809億2,200万円、営業利益が8.5％増の37億8,000万円、経常利益が14.8％増の36億5,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益が24.3％増の30億9,100万円だった。
　物流部門の売上高は2.2％増の249億2,700万円、一部荷主の解約の影響、24年6月に竣工した本牧埠頭新倉庫の不動産取得税などの計上や減価償却費が増加したこと、加えて物流2024問題を背景とした想定を上回るコスト増に対し価格転嫁が遅れたことなどから、営業利益は29.4％減の16億2,500万円となった。食品部門の売上高は45.2％増の495億8,600万円、営業利益は269.2％増の23億5,100万円となった。期末配当は1株当たり65円、年間105円。
　26年3月期の連結業績予想は、通期で売上高が7.6％増の870億5,000万円、営業利益が0.5％増の38億円、経常利益が3.0％減の35億4,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益が14.2％増の35億3,000万円を見込む。

　セイノーホールディングスの2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、売上高が前期比14.7％増の7,373億7,700万円、営業利益が27.7％増の298億8,300万円、経常利益が14.8％増の281億2,400万円、親会社株主に帰属する当期純利益が32.2％増の192億5,300万円となった。
　輸送事業は、MDロジス（旧・三菱電機ロジスティクス）の新規連結の増収効果もあり、売上高が17.8％増の5,541億2,600万円、営業利益が35.8％増の207億4,300万円だった。自動車販売事業の売上高は6.1％増の1,153億2,800万円、営業利益は23.3％増の71億6,100万円だった。期末配当は1株当たり59円、年間102円。
　26年3月期の連結業績予想は、通期で売上高が10.4％増の8,137億円、営業利益が25.8％増の376億円、経常利益が36.2％増の383億円、親会社株主に帰属する当期純利益が14.3％増の220億円を見込む。

　東海運の2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、売上高が前年度比0.9％減の393億9,900万円、営業利益が138.7％増の6億8,800万円、経常利益が384.7％増の7億3,900万円、親会社株主に帰属する当期純利益が82.3％増の5億7,800万円となった。
　国際貨物は中国からのコンテナ減少が継続、ロシア・中央アジア関連貨物は取扱量が減少、液体輸送関連貨物は円安による需要増と中東・欧州向けが増加、国内貨物は減収、倉庫事業全体の収益は減少、物流事業の売上高は0.2％減の297億3,500万円だったが、セグメント利益は25.8％増の17億1,500万円と大幅な増益となった。海運事業は売上高が2.2％減の88億3,600万円、セグメント利益が33.8％増の5億400万円だった。期末配当は1株当たり4円、年間7円。
　26年3月期の連結業績予想は、通期で売上高が7.4％増の422億9,900万円、営業利益が12.5％増の7億7,300万円、経常利益が21.1％増の8億9,500万円、親会社株主に帰属する当期純利益が2.5％減の5億6,300万円を見込む。

　リンコーコーポレーションの2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、売上高が前年度比3.3％増の135億4,200万円、営業利益が209.8％増の4億7,300万円、経常利益が124.8％増の6億1,600万円、親会社株主に帰属する当期純利益が47.2％増の5億2,600万円となった。
　運輸部門は、貨物取扱数量がコンテナ貨物減少も、一般貨物が増加し、合計では0.4％増の527.3万トン、特に再生可能エネルギー関連貨物の取り扱いを開始したことなどが増収に寄与、売上高は3.2％増の99億4,200万円、セグメント利益は1億4,500万円（前年度1億1,700万円の損失）となった。配当は期末のみ1株当たり40円。
　26年3月期の連結業績予想は、通期で売上高が0.3％減の135億円、営業利益が17.7％減の3億9,000万円、経常利益が25.4％減の4億6,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益が12.0％増の5億9,000万円を見込む。

　大日本印刷（DNP）グループの物流会社・DNPロジスティクスと、王子グループの王子ネピア、王子物流は、両グループの製品を1台のトラックで同時に運ぶ「異業種混載輸送」を5月中旬に開始する。
　3社は2024年12月から、混載輸送の実現に向けて、福島県と東京都の間での共同輸送の実証実験に取り組み、その結果、従来と比較して、年間で両社の輸送トラックを約60台、CO2排出量を約50％削減できる見込みとなり、3社は今回、異業種混載輸送を開始する。
　DNPロジスティクスは「物流2024年問題」に対応して、自社の輸送トラックの積載率を高める取り組みを多くのパートナー企業・団体とともに進め、この取り組みの中で今回、大人用の紙おむつ「ネピアテンダー」を製造する王子ネピア福島工場（福島市庄野赤土1-1）と包装資材を製造するDNPの泉崎工場（福島県西白河郡泉崎村大字泉崎字中核工業団地7）が地理的に近いこともあり、両グループの製品を混載して東京の各拠点に届けることで、環境負荷低減と価値向上を図る異業種混載輸送を開始した。
　同混載輸送では、DNPのトラックの荷物の積み方を「1段積」から「2段積」に変更、積載物の重量制限の範囲内で、積載量を従来の16パレットから28～最大32パレットに拡大でき、トラックの荷台のスペースを確保し、混載輸送を可能にした。王子ネピア福島工場（福島県福島市）からDNP泉崎工場（福島県西白河郡泉崎村）の順番で荷物を搭載し、DNPグループの関東地区の工場・倉庫、王子ネピア江戸川倉庫（東京都江戸川区）の順番で荷物を降ろす。この荷卸しの順番からトラック荷台の前方に王子ネピアの商品、後部にDNPの製品を積載して輸送した。
　同輸送で従来と比較して両社で年間を通じて、輸送トラックを約60台、CO2排出量を約50％、それぞれ削減できる見込み。なお、混載輸送によって両グループの製品の品質に影響が出ないことを確認済み。
　今後、3社は同取り組みを他の業種・エリアに拡大することも検討していく。

　福岡市港湾空港局の発表によると、25年2月の博多港の内外貿合計コンテナ取扱個数は前年同月比0.5％増の7万3,890TEU、うち外貿コンテナ取扱貨物に内貿フィーダーコンテナ取扱貨物を加えた国際海上コンテナ取扱個数も2.1％増の6万8,847TEUと3カ月連続のプラスとなった。
　国際海上コンテナ取扱個数のうち、外貿輸出が9.7％増の3万3,145TEU、輸入は3万329TEUと4.1％減少、内貿フィーダーは移出が35.1％減の1,878TEU、移入は3,225TEUと32.2％の大幅増加だった。国内海上コンテナは移出入合計で16.9％減の5,043TEUだった。
　1～2月累計では、外内貿合計が前年同期比0.7％増の14万9,555TEU、国際海上コンテナは1.3％増の13万9,298TEU、うち輸出が5.0％増の6万2,680TEU、輸入が1.8％減の6万5,731TEU、内貿フィーダーの移出が16.8％減の4,841TEU、移入が17.5％増の6,046TEU、国内海上が移出入合計で6.1％減の1万257TEUだった。

　台湾の航空大手2社の今年第1半期（１～3月）連結業績は、長栄航空（EVA Air）と中華航空（China Airlines）のいずれも純利益が前年同期比で2ケタ増と好調だった。長栄航空は売上高が前年同期比5.8%増の549.44億台湾ドル、当期純利益が59.30%増の59.30億台湾ドル、中華航空は売上高が8.5%増の527.72億台湾ドル、当期純利益が35.0%増の41.86億台湾ドルとなった。
DHL eCommerceと
英国の宅配大手Evriが合併
　DHLはこのほど同社のeコマース部門DHL eCommerce（英国）と英国の大手宅配専業者Evriとの合併を発表した。これに伴いDHLグループはEvriの株式の過半数未満を取得する予定。合併によりEvriの宅配のノウハウとDHLの事業規模および国際ネットワークを活用し、企業間および企業・消費者間の書類、軽量小包、大型荷物、高価格品などのワンストップ国際配送サービスを提供、Evriにとっては初めてのビジネスレターの国際マーケット進出となり、年間で小口貨物を10億個、ビジネスレターを10億通取り扱う配送業者となる。
　Evriは従業員8,000人、個人配送業者を2万5,000人抱え、昨年8億個の小荷物を配送、これは英国全世帯の約85％を占める。合併後は従業員1万2,000人、個人配送業者が3万人に達する見込み。
　これに加えてEvriの宅配サービスは、DHL eCommerceによる時間指定の、高価格、大型品の企業間および企業・消費者間のプレミア・バンデリバリーサービスに組み込まれ、ブランド名を“Evri Premium”として事業展開する。

　DHLはこのほど同社のeコマース部門DHL eCommerce（英国）と英国の大手宅配専業者Evriとの合併を発表した。これに伴いDHLグループはEvriの株式の過半数未満を取得する予定。合併によりEvriの宅配のノウハウとDHLの事業規模および国際ネットワークを活用し、企業間および企業・消費者間の書類、軽量小包、大型荷物、高価格品などのワンストップ国際配送サービスを提供、Evriにとっては初めてのビジネスレターの国際マーケット進出となり、年間で小口貨物を10億個、ビジネスレターを10億通取り扱う配送業者となる。
　Evriは従業員8,000人、個人配送業者を2万5,000人抱え、昨年8億個の小荷物を配送、これは英国全世帯の約85％を占める。合併後は従業員1万2,000人、個人配送業者が3万人に達する見込み。
　これに加えてEvriの宅配サービスは、DHL eCommerceによる時間指定の、高価格、大型品の企業間および企業・消費者間のプレミア・バンデリバリーサービスに組み込まれ、ブランド名を“Evri Premium”として事業展開する。

　ドイツ・フランクフルト空港が4月に取り扱った貨物・郵便量は、前年同月比1.1％減の16万9,563トンと4カ月ぶりのマイナスとなった。輸入貨物が3.4％増の8万6,100トンとなる一方で、輸出貨物はイースター休暇後の立ち直りが前年よりも遅れて3.4％減の7万9,900トンと同じ比率でマイナスとなり、さらにトランジット貨物が35.7％の大幅減で3,520トンと急激に落ち込んだことも響いた。
　相手地域別では、中国は輸入が33.9％増となった一方で輸出が2.6％と小幅な伸びにとどまったことで全体では20.5％のプラスだった。そのほか北東アジアは日本が22.9％減、韓国が13.9％減と低調だった。中東はアラブ首長国連邦（UAE）の航空会社による貨物サービスが好調で、高いロードファクターを維持したことが貢献して27.0％の2ケタ増を記録した。
　欧州域内はルフトハンザカーゴがポーランド南部の工業都市カトヴィツェを結ぶ貨物路線を開設したことが好材料となったが、イスタンブールなど他の主要路線が低調で全体ではマイナスにとどまった。
　米国線は米国〜中国路線の貨物機再配置で貨物便による米国向け貨物は14.7％増加、旅客機のベリーは5.4％増にとどまったが、それでも19年比では30.3％の増加となった。
　中南米はメキシコ路線が8.4％増と好調、アフリカは南アフリカの旅客便の増加やモロッコ線貨物機サービスの増便で7.2％の伸びとなった。

　SITC Container Lines（中国）は、今月から日本／中国／東南アジアを結ぶのCJV7、VTX2、CPX4を改編、またCPX3を休止する。
　日本／中国／フィリピン航路の新CJV7は、ダナンに追加寄港し、900～1,100TEU型3隻を投入、5月5日寧波入港の“SITC Nagoya”を第1船に、寧波～上海～博多～門司～厦門～寧波～上海～ダナン～寧波の新ローテーションでウィークリーサービスを開始した。
　同航路の新VTX2は、香港と新CJV7のダナン追加寄港に合わせて同港を抜港し、1,700～1,800TEU型4隻を投入、5月1日名古屋入港の“SITC Mingde”（1,781TEU）を第1船に名古屋～東京～横浜～上海～寧波～厦門～ホーチミン～寧波～上海～名古屋の新ローテーションで定曜日ウィークリーサービスを開始した。
　日本／中国／ベトナム航路の新CPX4は、新たに徳山に追加寄港し、名古屋を抜港、900～1,100TEU型3隻を投入し、5月17日上海出港予定の“SITC Hongkong”（907TEU）を第1船に上海～大阪～神戸～徳山～上海～温州～スービックベイ～マニラ～上海の新ローテーションでウィークリーサービスを開始する予定で、サービス改編と同時にCPX3は休止となる。

　SBSホールディングスの．2025年12月期第1四半期（2025年1月1日～3月31日）の連結業績は、前年同期に物流不動産を流動化したため、売上高が前年同期比0.9％減の1,128億2,100万円、営業利益が60.5％減の32億200万円、経常利益が62.1％減の31億400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が76.8％減の11億3,200万円となった。
　物流事業の売上高は、新規拠点の立上げ効果などで8.7％増の1,085億4,100万円、営業利益は新規立ち上げコストの上昇などで、7.4％減の19億700万円となった。不動産事業では、前年同期に新杉田物流センターの信託受益権を譲渡しているため、売上高は83.8％減の18億9,900万円、営業利益は78.4％減の12億7,200万円となった。

　福山通運の2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、売上高が前期比5.2％増の3,024億9,500万円、営業利益が29.5％減の73億6,300万円、経常利益が23.6％減の99億1,700万円、親会社株主に帰属する当期純利益が11.7％増の87億4,800万円）となった。
　運送事業の売上高は4.3％増の2,345億3,800万円、営業利益は人件費や外注費をはじめとしたコストの増加で39.5％減の49億2,800万円、貸切事業の売上高は9.5％増の262億4,900万円、営業利益は6.8％増の22億900万円、流通加工事業の売上高は7.1％増の223億5,900万円、営業利益は10.9％増の32億9,500万円。国際事業では、マレーシアの新設倉庫への入庫貨物の獲得などによる越境輸送の取り扱いの増加と、フォワーディング・通関事業における新規連結の効果や海上運賃の上昇などにより増収となり、売上高は10.8％増の118億6,100万円、営業利益は海上輸送の粗利率の低下や通関取扱件数の減少などで、8.1％減の2億8,200万円だった。期末配当は1株当たり35円、年間70円。
　26年3月期の連結業績予想は、通期で売上高が4.6％増の3,163億円、営業利益が10.0％増の81億円、経常利益が2.2％減の97億円、親会社株主に帰属する当期純利益が48.6％増の130億円を見込む。

　デンマーク・シップ・ファイナンス（DSF）は最新市場レビューでコンテナ船については、船腹量の急増と需要の減退が相まって、運賃と中古船価格に圧力をかけ、貿易戦争の激化は、事態をさらに悪化させ、長期的に過剰船腹の可能性があると予想した。
　2024年の新造船建造契約の急増により、受注残は過去1年間で40%増加し、現在では世界船腹量の約29%を占めており、現在の受注残に基づくと、船腹量は2025年に6.8%、2026年に4.1%、2027年に6.9%増加すると予測する。今後の定期検査とスクラバー（排ガス洗浄装置）の搭載工事により、2025年から2027年にかけて、船腹量の有効容量が年間約1.4%減少する可能性があるが、船腹量全体の成長率は依然として高い水準を維持すると予想、構造的な過剰供給が蓄積されているとしている。
　2020年以降、コンテナ市場は混乱に見舞われ、サプライチェーンのボトルネックと航海距離の延長が余剰船腹を吸収してきた。直近では紅海危機により平均航海距離が長くなり、船舶は喜望峰を迂回するルートに変更、2020年から2024年の間に、貿易量は7.6%増加し、航海距離の延長は船腹需要をさらに12.3%押し上げた。しかし、同時期に船腹量は33%急増し、需要の伸びをはるかに上回り、それでもなお、サプライチェーンのボトルネックにより船舶の供給が減少したため、市況は高騰し、非効率性も高まった。
　さらに、米国が米国港に寄港する中国建造船または中国船社の運航船に入港手数料を課す計画も、不確実性をさらに高めている。現在、400社以上のコンテナ船主（コンテナ船腹量の17%を占める）が、少なくとも保有船の70%が中国建造船舶を保有している。これらの船主の中には、米国向け航路に船腹を投入しているところもあり、船主は船隊の再編を余儀なくされ、中国建造船を北米航路から外す必要に迫られる可能性があり、中国建造船に大きく依存している船主は、事実上これらの航路から排除され、二層市場が形成される可能性がある。
　これは、追加費用をかけずに米国市場にサービスを提供できる船主に利益をもたらす一方で非効率性の増大につながる可能性がある。また、運航船社は米国への寄港回数を最小限に抑え、船腹を空けようとするかもしれないが、長期的な影響はマイナスになると予想、短期的には需要が増加する可能性があるが、米国が現在の地位を維持した場合、長期的な影響はマイナスとなる可能性が高く、貿易戦争のさらなる激化は、世界経済活動と燃料インフレの重しとなり、コンテナ航路に悪影響を及ぼすとしている。
　今後数年間、コンテナ船の稼働率は悪化する見込みで、需要予測は、米国が関税措置を発表する前から既にマイナスだったが、紅海での商船攻撃は沈静化すると予想、運航会社は船舶を紅海経由に誘導するようになり、最近の予測では、2025年には距離調整後の需要が0.2%減少し、2026年には5.0%と大幅に減少し、荷動き量は25年が2.7%、26年は2.3%の伸びを見込んでいる。

　セイノーロジックスは、5月から名古屋受けインド・ニューデリーICDのPATPARGANJ向けダイレクト混載のウイークリーサービスを開始した。
　新たなダイレクト混載サービスの開始で、インド向け輸送品質を大幅に向上、さらなる混載インフラの充実を図る方針だ。ニューデリーICDのPATPARGANJ向けのダイレクト混載は混載業界初めての試みとなり、輸送日数は名古屋港出港後31日。従来のナバシェバでリコンソリするサービスと比較して約2週間の日数短縮を実現した。また、ナバシェバ港におけるリコンソリが不要なダイレクト混載便であるため、ニューデリー到着までコンテナを開けることはなく、積み替えによる貨物ダメージリスクの回避が可能で、安全性も高く、迅速なサービスが提供できる。さらにニューデリー到着までの輸送トレース情報もタイムリーに提供することが可能だ。
　今回、セイノーロジックスは自動車、二輪車関連部品の混載輸出が多い名古屋受けを優先的に開始し、引越貨物の需要にも対応していく。
　新サービスの開始本船は、すでに名古屋港を15日に出港した“BALTIC NORTH”（Voy.0IZJZS1MA）で、PATPARGANJには6月15日に到着予定。

　Drewry Maritime Research（英国）が15日に発表した太平洋航路、アジア／欧州航路、大西洋航路における主要8ルートの世界コンテナ運賃指数（WCI）は、2,233ドル／FEUと前週比8%上昇、5週ぶりにアップしたが、前年同期比では36%下落だった。コロナ禍で最高値を付けた2021年9月の10,377ドル／FEUを78%下回っているものの、2019年の平均運賃1,420ドル／FEUを56%上回り、年初からの平均は2,773ドル／FEUで、過去10年間の平均2,896ドル／FEUより151ドル低かった。
　先週のスポット運賃は上海→ニューヨークが前週比19％（704ドル）上昇し4,350ドル／FEU、上海→ロサンゼルスが16％（423ドル）上昇し3,136ドル／FEUと急騰したのをはじめ、ニューヨーク→ロッテルダムが1％（10ドル）上昇し824ドル／FEUとなった。
　一方、上海→ロッテルダムは1%（11ドル）下落し2,035ドル／FEU、上海→ジェノアが1%（24ドル）下落し2,742ドル／FEU、ロッテルダム→ニューヨークも1％（11ドル）下落し1,961ドル／FEUとなったほか、ロッテルダム→上海は横ばいの457ドル／FEU、ロサンゼルス→上海も横ばいの709ドル／FEUで安定を維持した。Drewryでは米中関税合意を受け、輸送需要増加に伴う船腹不足で太平洋航路のスポット運賃は上昇を予想している。

　MSC（スイス）は現在、ZIM Integrated Shipping Services（イスラエル）と協調配船しているアジア／米国東岸航路の6サービスのうち、一部サービスを休止、または統合する。
　一時休止となるのはEmpire/ZNSで、これに伴いZIM運航船11,700～15,250TEU型12隻を投入しているAmberjack/ZCPを改編し、釜山、ニューアーク、ボルチモア、マンザニーヨに追加寄港し、塩田～厦門～寧波～上海～釜山～マンザニーヨ～キングストン～ニューアーク～ボルチモア～サバンナ～チャールストン～キングストン～釜山～塩田の新ローテーションでサービスする。
　またEmerald/ZXBは7,800～8,440TEU型12隻を投入、新たに高雄、ノーフォークに追加寄港、ジャクソンビルを抜港、シンガポール～カイメップ～ハイフォン～塩田～高雄～カルタヘナ～チャールストン～サバンナ～ノーフォーク～ニューアーク～ボストン～シンガポールの新ローテーションでサービスする。
　America/Z7Sは、8,010～13,000TEU型14隻を投入し、ジャクソンビル、サバンナ、ハイフォンに追加寄港し、塩田、ノーフォークを抜港、シンガポール～レムチャバン～ハイフォン～カイメップ～シンガポール～ニューアーク～ボルチモア～サバンナ～ジャクソンビル～コロンボ～シンガポールの新ローテーションとなる。
　また極東／北米ガルフ航路の既存2サービスは新サービスのLone Star/ZSLに統合し、7,400～9,800TEU型13隻を投入、シンガポール～カイメップ～塩田～寧波～上海～釜山～モビール～ヒューストン～タンパ～マイアミ～フリーポート（バハマ）～シンガポールのローテーションでサービスする。

　海運業向け排出規制ソフトウエアの専門企業であるOcean Score（独）の新たな分析によると、海運業界は船舶に低GHG燃料の使用を促進させるための規則FuelEU Maritime規制圧力を2億5,000万ユーロの潜在的な利益に変えられる可能性があると発表した。
　FuelEU Maritimeは、5,000gt以上の船舶がEU/EEA加盟国の港湾を発着する航海で使用した燃料を対象に、GHG強度と呼ばれるエネルギーあたりのGHG排出量（gCO2eq/MJ）の年間平均値に上限値を設定、上限値を5年ごとに強化、GHG強度はライフサイクル（Well-to-Wake）ベースで評価、年間平均値は船社単位で計算されるもので、今年1月1日から適用されている。
　Ocean ScoreではFuelEU Maritimeは単なる罰金ではなく、業界の一部に資金を還流させる構造になっており、カギとなるのは、船隊全体でGHG排出量を均衡させることで、GHG強度の上限を超える船舶は、210万トンのCO2排出量の不足に直面する一方、より効率的な船舶、特にLNG船やLPG船は130万トンの余剰を生み出し、残りの80万トンのギャップは廃食油メチルエステル（UCOME）由来のバイオ燃料ブレンドを使用して埋められると予想する。
　また、現在の価格で、2024年1月に導入されたEU船舶排出量取引制度（EU-ETS）の段階的導入率70%と現在の為替レートを考慮すると、バイオ燃料のコンプライアスギャップを埋めるのに海運業界は2億ユーロまたはCO2e1トンあたり230ユーロの費用がかかるとみている。
　ただ、コンテナ船、フェリー、クルーズ船などの運航船社の多くはFuelEU Maritimeに対応したサーチャージをすでに適用していることから、控えめな推計でもサーチャージにより4億5,000万ユーロの追加収入が得られる可能性があるという。

　Drewry Maritime Research（英国）が15日に発表したアジア域内コンテナ指数（IACI）は、5月前半の2週間で7%下落し656ドル／FEUとなり、前年同期を11%上回った。5月後半も小幅な範囲で下落を続けると予想している。
　IACIは、中国、北・東アジア3カ国（日本、韓国、台湾）、東南アジア5カ国（インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム）と南・西アジア2カ国（インドとアラブ首長国連邦）を含む、アジア域内18航路のスポット運賃（積み／揚げ地THC除く）を加重平均し指数化したもので、2週間ごとに公表している。
　主な航路のスポット運賃をみると、釜山→上海は10%下落し95ドル／FEU、ホーチミン→上海は4%下落し49ドル／FEU、ジャカルタ→上海は42%上昇し102ドル／FEU、上海→J.ネールは10%下落し813ドル／FEU、上海→シンガポールは5%下落し728ドル／FEU、上海→タンジュンペレパスは5%下落し1,110ドル／FEU、上海→横浜は11%下落し833ドル／FEU、横浜→上海は11%下落し-78ドル／FEUだった。

　カリフォルニア州・ロングビーチ港における4月の総コンテナ取扱量は前年同月比15.6％増の86万7,493TEUと、11カ月連続のプラスとなった。
　うち実入りの輸入が15.1％増の41万9,828TEU、輸出は4.5％減の9万3,842TEU、空コンの輸入は30.9％増の1万7,368TEU、輸出は22.7％増の33万6,456TEUだった。
　1～4月の総コンテナ取扱量は前年同期比23.6％増の340万3,069TEUで、うち実入りの輸入が24.1％増の164万708TEU、輸出は2.4％増の38万6,586TEU、空コンの輸入は13.3％増の6万2,203TEU、輸出は31.5％増の131万3,572TEUだった。
　5月の輸入は2ケタのマイナスとなる見込みで、このほど米中間での関税の引下げが決まったことで、不確実性が高まる中、在庫確保の動きは今後も続くと見ている。

　中遠海運港湾有限公司（COSCO Shipping Ports：COSPorts）の4月の総コンテナ取扱量は前年同月比5.2％増の950万TEUだった。
　特に、中国国内では珠江デルタ・南西岸地域での取扱量が9.6％増と大きく伸びた。また海外ターミナルではスペインのCSP Spainが12.2％増、CSP Abu Dhabiも10.9％増と2ケタプラスになった。1～4月の総コンテナ取扱量は前年同期比7％増の3,440万TEUで、中国港湾は6.7％増、海外ターミナルも7.6％増加した。

　米領バージン諸島が新しい国際船舶登録所を設立する案を推進している。トランプ米大統領が海運産業を強化しようとする姿勢と軌を一にしており、トランプ政権も米国旗を掲げた小型商船隊を増やすという次元でこれを積極的に検討しているという。
　米領バージン諸島で船舶登録所を運営する場合、米国旗を直接登録するのにかかる費用を大幅に削減することができる。
　トランプ政権は、戦時に米国産の車や燃料、食料を運搬するために招集できる商船隊は現在、200隻に満たないことから国家安全保障の問題として、米国の商船隊を早期に復活させたい考えで、米国籍船を増やすことは重要で、戦略船隊を構築し、戦争時に米国の商船隊を軍隊の物流支援に動員することが可能で、米領バージン諸島のブライアン・ジュニア知事もこのイニシアチブは合理的であり、トランプ政権の米国海運産業強化策と一致していると強調している。

　国際物流大手Kuehne+Nagel（K+N、スイス）は16日、都内で荷主を対象としたセミナー「Sea Logistics Summit」を開催し、荷主企業の代表者ら約60人が参加した。
　開会挨拶に立ったK+N日本法人の松吉穣社長（写真左）は「このイベントは昨年11月頃から企画を始め、当時は米国東岸港湾労使紛争の懸念が高まっており、それを主なテーマと想定してきたが、現在、世の中は関税の話一辺倒となり、荷主も様々な対策を取っていると思う。今日はK+Nの経験豊かなスタッフや船社の代表者など、海運・物流業界の専門家の見解・意見を共有したい」と述べた。
　まずK+N米国海上貨物部門で戦略開発を担当するBill Rooney Vice Presidentが「米国物流の見通しと対策：トランプ政権、港湾・インフラなどの課題にどう対応するか」をテーマに講演した。Rooney氏は、新型コロナにより、サプライチェーンの不確実性が6年前に比べ5倍に増加し、それに対応するため高コストを払いつつも米国における在庫水準を10倍に拡大したと現状を説明したうえで、現在の米国政権の諸通商政策はいずれも「政治的なもの」と評価し、現在米国の生産性が低下している中で関税により貿易赤字を解消することはできず、中国船の規制や米国での造船産業の振興策も将来的に中国の造船規模に対抗できるものではなく、パナマ運河もパナマ政府に円滑に運営されており、米国による再取得の表明は海運市場には何ら意味をもたらすものではないと評価した。
　またアライアンス再編でGemini Cooperationがスケジュール順守率90％を表明していることについて、「あくまでベース港間のトランジットタイムで実現できるだけで、実態を反映しておらず、荷主はそれを鵜呑みにしてはいけない」と警鐘を鳴らしたうえで、「米中間の関税の一時停止で3カ月貨物が増え混雑が発生するが、その後運賃は再び下落局面に入ると見ている。ただ荷主は継続的な対策が求められ、サプライチェーンの複線化、多層化が必要だ」と指摘した。
　続いてOcean Network Express Japan（ONE Japan）の戸田潤社長（写真右）が登壇し、多くの課題に直面する市場でのONEの戦略を説明し、これまでのTHE AllianceからHapag-Lloyd（独）が離脱したことで、日本/米国航路の基幹サービス、FP1では、Hapag-Lloydの空白となった潜在顧客に営業をかけること、オンタイムパフォーマンスの強化、５大港以外での地域的、品目的なテリトリーの拡大を強化する方針などを説明した。
　その後、K+Nの海上貨物、航空貨物の責任者らが、予測不能な厳しい市場環境や課題を乗り越えるには、複数の代替輸送手段、ルートの確保の重要性を指摘したうえで、その最も効率的な対応策としてNVOを効果的に利用することが最適であると強調した。

　日本ロジテムの2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、低温物流事業拡大、新規受託で取扱量増加、円安などの影響で、売上高が前年度比4.8％増の660億100万円、営業利益が20.8％増の12億2,800万円、経常利益が16.1％増の11億5,600万円、親会社株主に帰属する当期純利益が7.7％減の4億6,100万円となった。
　貨物自動車運送事業の売上高は4.5％増の259億8,000万円、セグメント利益は5.7％増の19億5,700万円、センター事業の売上高は9.9％増の157億3,500万円、セグメント利益は221.5％増の9億6,300万円、アセット事業の売上高は3.1％増の174億9,200万円、セグメント利益は14.4％減の8億9,900万円となった。期末配当は1株当たり40円、年間80円。
　26年3月期の連結業績予想は、通期で売上高が6.8％増の705億円、営業利益が22.7％減の9億5,000万円、経常利益が30.8％減の8億円、親会社株主に帰属する当期純利益が8.4％増の5億円を見込む。

　東洋埠頭の2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績は、売上高が前期比1.2％増の351億円、営業利益が18.1％増の11億5,500万円、営業外収支では、支払利息が増加したが、持分法による投資利益を計上したことなどで、経常利益は20.1％増の13億8,400万円、特別損益では、政策保有株式の縮減による投資有価証券売却益や保有資産の見直しによる固定資産売却損を計上、親会社株主に帰属する当期純利益は14.7％増の11億2,400万円となった。
　国内総合物流事業では、費用の削減、新規施設の稼働、料金の改定などが収支に寄与、売上高は0.9％増の312億7,200万円、営業利益は24.5％増の10億9,500万円となった。
　国際物流事業は中央アジア向け輸出貨物の取り扱いが増加、売上高は2.7％増の42億1,100万円、海外拠点での作業や施設の費用が大幅に増加、営業利益は44.4％減の4,800万円となった。期末配当は1株当たり35円、年間60円。
　26年3月期の売上高は8.3％増の380億円、営業利益が12.5％増の13億円、経常利益が8.3％増の15億円、親会社株主に帰属する当期純利益は11.1％減の10億円を見込む。

　安田倉庫は、医療機器を取り扱う東京メディカルロジスティクスセンターⅡ（東京都江東区辰巳）で、検品工程のデジタルトランスフォーメーション（DX）推進を目的として、AI画像検品ソリューションを導入した。
　医療機器の物流業務では、製品出荷前の検品工程が品質保証で極めて重要で、正確かつ迅速な検品作業が必要だ。しかし従来の人による目視検品では、作業員の経験やスキルにより精度にばらつきが生じることに加え、作業員への負担増加や属人化が課題となっていた。こうした課題を解決するため、同社は東京メディカルロジスティクスセンターⅡでAI画像検品ソリューションを導入した。同ソリューションで、医療機器製品に印字した製品番号を瞬時に読み取り、その情報が所定の製品番号、組み合わせ、製品毎の数量と正しく一致しているかどうかを、迅速かつ高精度に判定することが可能となる。これにより、検品作業の精度向上や作業員の身体的負担軽減、属人化の解消を実現し、医療機器物流現場におけるDX推進を加速していく方針だ。

　NIPPON EXPRESSホールディングスは、子会社であるNX南アジア・オセアニアを通じて、バングラデシュで国内ロジスティクス事業を手がける物流会社Cold Chain Bangladesh Ltd.（CCBL）株式の20％を15日に取得した。
　NXグループは、2012年にバングラデシュへ進出して以来、アパレル産業を中心とするバングラデシュ発の国際フォワーディングを中心に事業拡大をしてきた。バングラデシュ事業のさらなる拡大のために、内需拡大に伴うバングラデシュ国内の物流事業の強化にも取り組んでいる。
　CCBL社は、バングラデシュ・ダッカを本拠地とし、国内の販売物流に強みがある3PL会社。バングラデシュ全土にわたり物流事業基盤を有しており、温度調節が必要となる商品の保管・配送を含むあらゆる商品を一括して担うことが可能だ。
　今回の取引により、CCBLのもつバングラデシュ国内ロジスティクスネットワークやアセットを活用することで、国内ロジスティクス事業を強化し、成長する内需から派生する物流機会を取り込む方針だ。またフォワーディングをはじめとするNXグループのグローバルロジスティクスネットワークを活用し、顧客のサプライチェーンに対するEnd to Endソリューションを提供する。写真は、CCBL出資者のAhmed Rajeeb Samdani氏（左）とNX南アジア・オセアニアの小林克人社長。

　国際航空運送協会（IATA）が発表した25年第1四半期の世界の航空貨物荷動きは、前年同期比2.4％増加して650億トンキロ（CTK）と7四半期連続でプラスとなったが、伸び率は前年同期の13.0％から大幅に縮小した。IATAによると、伸び率の減少は前年が過去最高水準だったことと国際貿易のリスクが高まったため。今年1Qの伸びも荷主による出荷の前倒しが主因で、今後その反動が出てくる可能性が高いとIATAは予想している。
　国際貨物の需要は3.1％増の571億CTKとなったが地域でばらつきがあり、アジア太平洋の航空会社は7.5％増、北米および中南米が7％近い伸びとなったが欧州は1.7%の小幅増、アフリカ、中東はそれぞれ9.0％、7.6％のマイナスとなり、アジア、北米、中南米が2ケタの伸びを持続していた24年4Qからは様変わりした。
　1Qのキャパシティは3.2％増の1,425億有効貨物トンキロ（ACTK）で9四半期連続の増加、1.4％減となった中東を除く全地域でプラスとなった。中南米が7.8％増ともっとも伸び率が高く、次いでアジア太平洋が7％、欧州が4％、アフリカが2.3％、北米は0.4％増にとどまった。
　この結果、ロードファクターは全体で45.6%、季節調整後で0.9％減の45.2％、機種別では貨物機が国際線で63.7％、旅客機のベリーは40.1％だった。貨物イールドは4.1％改善したものの、これは関税上昇を見越した出荷の前倒しが主因と見られている。
　国際線のロードファクターは50.8％、2大主要路線のアジア発北米向けと同欧州向けはキャパシティ増にもかかわらずいずれも60％を超えた。
　大西洋は3ポイント増の52.8％、アジア域内は需要、キャパシティとも6~7％の伸びでバランスが取れ、中東発アジアおよび同欧州は40~50%のロードファクターを維持した。

　Kuehne+Nagel（K+N、スイス）はカーボンを排出量のさらなる削減のため、航空会社と持続可能性の提携を深化する新たなプログラムの実施に向け、航空14社と覚書（MoU）を交わした。
　この提携では（1）持続可能な航空燃料（SAF）の調達・使用およびその他のCO2削減による脱酸素化、（2）データ・情報の交換や削減の進展状況の追跡、（3）より広範囲な持続可能性の課題への取り組み、に焦点を当てていく。
　署名を終えた航空会社は、アメリカンエアラインズ、エアカナダ、エールフランス貨物/KLM貨物、アトラスエア、アズールブラジル、カーゴルックス、キャセイカーゴ、デルタエアラインズ、ラタム航空グループ、ルフトハンザカーゴ、スイス国際、ターキッシュエアラインズ、ユナイテッドエアラインズで、これら14社はK+N航空貨物事業の24年排出量の約50％を占めている。

　西日本鉄道・国際物流事業本部（にしてつ）は5月から、持続可能な航空燃料（SAF）の利用による温室効果ガス削減の環境価値を、顧客のサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量削減に割り当てる航空輸送サービス「NNR GreenConnect」の提供を開始した。
　同事業本部は2023年から「NNRグローバル・ロジスティクスサステナビリティポリシー」に基づき、「サプライチェーン全体での脱炭素社会への貢献」をマテリアリティとして掲げ、グループ全体で取り組んでいる。航空輸送における排出量削減の切り札であるSAFの利用拡大に寄与し、顧客のSCOPE3カテゴリー4における温室効果ガス排出量削減を実現するため、日本海事協会から妥当性評価声明書の交付を受けた。これにより、第三者検証済みの削減証書を同事業本部から、顧客あてに発行することも可能となった。
　写真は、妥当性評価声明書交付式で、日本海事協会の環境部プロジェクトマネージャーのNael Aoun氏（右）から声明書を受け取る西日本鉄道・国際物流事業本部の池田浩子営業企画部長（左）。

　日本貨物航空（NCA）は燃料コストやCO₂排出量の削減を目的に、フランスの OpenAirlinesが開発したエコ・フライングソリューション「SkyBreathe」の導入を決定した。SkyBreatheはビッグデータと AIを活用した革新的なプログラムで、NCA ではこのシステムの導入で脱炭素戦略を推進し、運航効率の向上を目指す。
　この取り組みは、NCA が継続的に推進している「燃料使用量の適正管理と運航効率向上」の一環で、SkyBreatheで蓄積された飛行データを高度に分析し、燃料削減の可能性を明らかにすることで脱炭素化に向けた具体的なアクションにつなげていく。

　中部国際空港の2025年3月期業績は、国際旅客が、東アジア、東南アジア、欧州の各路線で新規就航、増便、復便、と旺盛なインバウンド需要により回復基調を継続、2019年比の約8割まで回復、また外国人旅客数も開港以来最高を記録した。通期の売上高が前年比32.2％増の528.7億円、うち空港事業は20.6％増の268億円、商業事業は51.7％増の232.1億円、また営業コストは売上増に連動した仕入費用、施設運営費用が増加しつつも物件費の増加を抑制したことで増加幅は予想を大幅に下回る19.1％増の450.9億円に抑制でき、営業利益は268.4％増の77.7億円、また、経常利益も363.4％増の72.1億円と3ケタの増益を計上し、株主に帰属する当期利益も213.7％増の66.6億円と2年連続の黒字、また2018年度を超え開港以来過去最高益となった。
　期中の航空旅客数は20.2％増の1,103万人、うち国際線は52.4％増の491万人、国内線は2.8％増の612万人、航空機発着回数は12.2％増の9.5万回で、国際線は39.8％増の3.7万回、国内線は0.7％減の5.7万回だった。
　また国際貨物取扱量も、旅客便、貨物便の増加に伴い電子部品、原動機などの取り扱いが増加し、8.2％増の12.9万トンとなったが、通期予想の14万トンには届かなかった。
　2025年度の通期予想は国際線の回復基調の継続、国内線の堅調推移により、中期経営戦略の目標通り1,260万人を想定、航空機発着回数が9.2％増の10.4万回、航空貨物取扱量は51.1％増の19.5万トンを想定、売上高が26.9％増の671億円、営業コストは24.2％増の560億円、営業利益は42.8％増の111億円、経常利益は46.9％増の106億円、当期利益は24.6％増の66.6億円と、売上高、営業利益、経常利益、当期利益いずれも開港以来最高を見込んでいる。

　近鉄グループホールディングスは15日、2025年3月期（2024年4月1日～2025年3月31日）の連結業績を発表、そのうち近鉄エクスプレスが担う国際物流部門の売上高は前期比8.6％増の7,969億4,100万円、営業利益は26.3％減の129億6,700万円だった。
　国際物流部門の売上高内訳は、航空貨物輸送が9.6％増の2,763億6,400万円、海上貨物輸送が21.2％増の2,465億4,500万円、ロジスティクスが3.0％減の2,248億9,200万円だった。物量は、航空の輸出重量は8.4％増の52.7万トン、海上貨物の輸出コンテナ個数は72.5万TEUだった。
　地域別にみると、日台韓の売上高は10.5％増の2,171億6,200万円、営業利益が9.5％増の64億9,900万円、米州が売上高2.7％増の956億3,500万円、営業利益が29.3％減の52億700万円、欧州・中近東・アフリカは売上高が1.9％減の532億9,100万円、営業損失が2億7,100万円（前期は26億3,400万円の営業利益）、東アジアの売上高は11.6％増の1,108億4,900万円、営業利益が12.8％増の20億7,700万円、東南アジア・オセアニアの売上高は27.9％増の1,101億8,800万円、営業利益は51.7％増の32億7,400万円、APLLの売上高は3.9％増の2,298億4,300万円、営業利益は30.8％減の34億8,900万円だった。
　一方、26年3月期については、米国における相互関税をはじめとする政策動向に左右、輸送需要の見通しは不透明であるものの、上期の駆け込み需要や下期以降の消費回復に伴う取扱物量の増加を見込み増収増益を予想している。国際物流事業は売上高が11.2％増の8,860億円、営業利益は31.9％増の171億円を見込む。

　ロジテック（東京都港区）は、ロジテック南船橋倉庫で「化粧品製造業」と「医薬部外品製造業」の許可を取得し、売上連動課金のEC物流トータル支援「Demand Logistics」を通じて、化粧品と医薬部外品のEC運用代行と3PLサービス（物流業務受託）を開始した。
　コロナ禍以降、消費行動のオンライン化が加速し、化粧品やセルフケア商品もECを主軸とした流通へと大きく移行している。さらに、健康・美容志向の高まりや消費者ニーズの多様化などから、D2Cブランドや小規模メーカーの市場参入も増加している。
　ロジテック南船橋倉庫では、化粧品と医薬部外品の製造業許可を取得したことで、製品の表示・梱包が可能となり、OEMや輸入化粧品の最終製品化、完成在庫の圧縮や可視化、物流リードタイムの短縮が可能となった。

CMA CGM（仏）が16日に発表した今年第1四半期（1～3月）は地政学的緊張の高まりと米中貿易戦争の再開に起因する市場の不確実性が高まったが、海運。物流サービスに対する需要は引き続き旺盛で、売上高が前年同期比12.1%増の132.61億ドル、EBITDA（利払い前・税引き前・償却前利益）が29.1%増の30.96億ドル、EBITDAマージンは3.1ポイント改善し23.3%、当期純利益は337%増の11.21億ドルと好調だった。
　海運事業は積み高が4.2%増の585万TEUとなり、売上高は11.5%増の87.58億ドル、EBITDAは30%増の25.31億ドル、EBITDAマージンは4.1ポイント改善し28.9%、物流事業はコントラクト・ロジスティクスが好調に推移した半面、完成車物流と道路運送の業績（特に欧州）が悪化したが、売上高は10.1%増の42.80億ドル、EBITDAは10.5%増の3.99億ドル、EBITDAマージンは横ばいの9.3%だった。
　2025年は、地政学的環境の悪化と、米国や中国などの国々による関税の大幅引き上げが発表、関税措置が完全に実施された場合、国際貿易量に長期的な影響を及ぼす可能性がある中で、効率的な船腹管理、コスト管理、航路の多様化、最適化・監視・予測技術への投資による変革は、競争力維持に不可欠とし、複雑な環境に適応し、市場力学を予測することで、不安定な局面に伴うリスクを抑えつつ、収益性の高い成長機会をつかむよう注力していくとしている。

　KMTC（韓国）は6月中旬から、極東／米国西岸航路で新たにAsia Pacific Express（APX）を開始する。韓国船社としてはHMM、SM Lineに続き3番目に太平洋航路への参入となる。
　APXは、同航路でT.S.Lines（TSL、香港）とSeaLead Shipping（シンガポール）が協調配船しているAPC/AWCに、自社運航船1隻を投入し参画するもので、従来の2,900～5,600TEU型6隻体制を6,000～10,000TEU型6隻に代替、KMTCが6,655TEU型1隻、TSLが2隻、SeaLeandが3隻を投入し、新APX/AWC/APCは既存のSeaLead/TSLによる2,900～5,600TEU型コンテナ船6隻を6,000～10,000TEU型6隻に強化し、KMTCが6,655TEU型1隻、TSLが2隻、SeaLeandが3隻を投入し極東アジア主要港とカリフォルニア州・ロングビーチ港を結ぶ。
　APXは、6月18日青島出港船を第1船に、青島～上海～寧波～釜山新港～ロングビーチ～釜山新港～青島のローテーションでウィークリーサービスを提供する。トランジットタイムは釜山からロングビーチが14日となる。
　日本発着貨物はいずれも釜山新港積替えでの接続となり、日本の主要港含む44港からフィーダー接続により貨物引き受けが可能で、KMTCは従来陸送で主要港に運んでいた貨物を、地方港から円滑に海上輸送でき日本の荷主に新たな選択肢を提供できるとしている。

　Ocean Network Express（ONE）は、Yang Ming（台湾）、HMM（韓国）と構成するPremier Allianceを通じ6月上旬から、太平洋航路で3サービスを新設・改編する。
　新規サービスとなるPacific South 5（PS5）は中国・西日本と米国西岸2港を結ぶもので、6月5日青島入港の"YM Mobility"（6,589TEU、Voy.084E）を第1船に青島～寧波～ロングビーチ～オークランド～神戸～青島のローテーションでウィークリーサービスを開始する。トランジットタイムは青島からロングビーチが17日、オークランド21日となる。
　既存のPacific South 4、6（PS4、PS6）も改編となり、中国・台湾／米国西岸航路のPS4は寧波を抜港し、6月6日厦門入港の"YM Unanimity"（8,626TEU、Voy.080E）から、厦門～塩田～高雄～ロサンゼルス～オークランド～基隆～高雄～厦門の新ローテーションでウィークリーサービスを提供する。トランジットタイムは厦門からロサンゼルスが20日、オークランド26日となる。
　また中国・韓国／米国西岸航路のPS6は青島を抜港し、6月8日上海入港の"HMM Turquoise"（13,000TEU、Voy.004E)から上海～寧波～光陽～釜山～ロサンゼルス～オークランド～釜山～光陽～仁川～上海の新ローテーションでウィークリーサービスを提供する。

　Ocean Network Express（ONE）は、Yang Ming（台湾）、HMMと構成するPremier Alliacenを通じて今月下旬から、日本に寄港するアジア／北米西岸／北欧州を結ぶ振り子サービス、FP2を開始する。
　FP2は、5月24日東京出港、26日神戸出港、7月12日サザンプトン入港、17日アントワープ入港予定の"Seaspan Falcon"（11,923TEU、Voy.012W）を第1船に東京（金／土）～神戸（日／月）～上海（土／日）～寧波（火／木）～塩田（土／日）～シンガポール（木／金）～サザンプトン（土／火）～アントワープ（木／日）～シンガポール（月／水）～レムチャバン（土）～カイメップ（水／木）～ハイフォン（日／月）～塩田（水／金）～バンクーバー（金／月）～タコマ（水／金）～東京のローテーションで定曜日ウィークリーサービスを提供する。
　トランジットタイムは東京からサザンプトンが49日、アントワープ54日、シンガポールからバンクーバーは30日、タコマは35日となる。
　既存の日本発着振り子配船サービスのFP1に続き、ONEにとり２サービス目の振り子配船かつ北欧州直航サービスで、ONEとして初のサザンプトン／アントワープ向け直航サービスを開始することで、外地での積み替えを回避し、安定したサービスを提供するという。

上海航運交易所（SSE）が16日に発表した中長期契約運賃の指標である中国輸出コンテナ運賃指数（CCFI）の総合指数（1998年1月1日＝1000）は1104.88と前週比01%下落し3週連続で値下がりしたが、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）は1479.39と7.0%上昇し2週連続でアップした。
　先週のCCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が前週比1.0%下落し1430.35、地中海航路は1.3%下落し1839.33となった一方、北米西岸航路は2.4%上昇し876.92、北米東岸航路も5.3%上昇し964.60と上昇した。
　南北航路は豪州・NZ航路が3.4%下落し920.60、南米航路が4.3%下落し582.40となった一方、中東ガルフ・紅海航路が0.5%上昇し1118.25、南アフリカ航路が0.1%上昇し943.52、東・西アフリカ航路も0.8%上昇し855.07となった。
　アジア域内航路は東南アジア航路が1.8%下落し962.68、韓国航路が8.3%下落し475.83となったが、日本航路は0.1%上昇し974.72だった。

　寧波航運交易所（NBSE）が作成、ボルチック海運取引所（英国）が協力する先週の寧波輸出コンテナ貨物指数（NCFI）は、米中関税引き下げ合意を受けた北米航路の需要回復にともなうスポット運賃の急騰で、総合指数（2012年第10週＝1000）は前週比6.5%上昇し1014.6となった。21航路のうち9航路の指数が上昇、10航路が下落、「海上シルクロード」沿いの主要港のうち4港が上昇、9港が上昇、1港がほぼ横ばい、6港が下落した。
　欧州・地中海航路は市場全体の荷動きが安定しており、運航スケジュールの安定性も相まって、運賃は基本的に前週の水準を維持し、運賃指数は欧州航路が750.9で前週比0.8％下落、東地中海航路が951.1で0.8％下落、西地中海航路も1,265.7で0.4％下落した。
　北米航路は米中間の関税引き下げ合意を受けた輸送需要の増加に伴い、スポット運賃が上昇したことで、運賃指数は北米東岸航路が1,455.0と前週比21.5％上昇、北米西岸航路も1,813.1と23.2％上昇し急騰した。
　中東航路は一部紅海の欠便で、スペースタイト感が高まりスポット運賃が小幅上昇し、運賃指数は977.5と、前週比2.7％の上昇となった。
　また、先週は東アフリカ航路で一部紅海が欠便となり、スペースのひっ迫が続き、スポット運賃が引き続き上昇、運賃指数も1207.3で前週比8.2％上昇した。

　KMTC（韓国）は、6月中旬から東南アジア／インド向けサービスのインドTUTICORINサービス(AIS5)を再開する。
　新AIS5は、6月19日シンガポール出港、21日ポートクラン入港、25日ツチコリン入港船を第1船にジャカルタ～スラバヤ～シンガポール～ポートクラン～ツチコリン～ナバシェバの寄港地をカバーする。
　日本発着は貨物はシンガポールもしくはポートクラン積み替えで接続できる。

　韓中カーフェリー協会がまとめた今年1～4月累計のコンテナ輸送量は18万2,442TEUと前年同期比4.1%増加、旅客輸送は20万7,460人で21.2%減少した。
　1～4月累計のコンテナ輸送量を航路別にみると、仁川／威海航路は前年同期比5.4%減の1万4,407TEU、仁川／青島航路が7.3%増の1万7,367TEU、仁川／煙台航路が1.8%増の1万4,015TEU、仁川／秦皇島航路が0.9%増、仁川／連雲港航路が6.5%減の1万6,364TEU、平澤／連雲港頃も5.9%減の1万485TEUだった。
　また、平澤／煙台航路は22.8%増の1万6,075TEU、群山／石島航路が5.0%増の1万1,254TEU、仁川／大連航路が10.9%減の4,486TEU、仁川／石島航路が5.4%増の1万8,988TEU、平澤／日照航路が22.7%増の1万7,036TEU、仁川／栄成航路が8.3%増の4,558TEUだった。

　韓国の仁川港湾公社（IPA）は16日(現地時間)、米国のロサンゼルス市でロサンゼルス港湾港と姉妹港協力覚書(MoU)を締結した（写真）。MoUのもと、仁川港は北米物流拠点としての地位を強化すると同時に、両港間の緊密な協力を通じて北米航路の安定性を高め、高付加価値貨物の誘致を図り、国際物流中枢港としての地位をさらに確固たるものにするきっかけとなることを期待している。
　MoUの主な内容は、リーファー貨物の拡大協力、物流情報の交流、物流技術の共有、物流基盤施設の開発協力などで、両港間の相互発展と効率的な物流サービス提供を含み、仁川港は特に、リーファー貨物の処理能力強化を通じ、北米航路の高付加価値貨物の確保に注力する計画だ。

　近鉄エクスプレスの子会社APL Logisticsは13日、インドネシア・ジャカルタ北部のKBNマルンダ工業地帯に新物流施設APL Logistics Marunda Flow Center（写真）を開設したと発表した。
面積3万2000m2で、タンジュンプリオク港から10km以内の距離にあり、主要交通路へのアクセスが可能な戦略的立地となっている。また、カンプンバンダン駅（19.3km）経由の鉄道インフラやスカルノ・ハッタ国際空港（36km）への接続も可能だ。
　容量2万m3で約6,800のラッキングシステムを導入、インドネシアを経由して出荷する企業にとって、高処理能力、高効率オペレーションを提供、42のドックを設け、40'型コンテナ300本を蔵置可能なヤードスペースと、100台以上のトラック用駐車場も備えるほか、LEEDシルバー認証を取得し、太陽光パネルによる電力供給や自然光を最大化する屋根設計など、持続可能性にも配慮している。
　APL Logisticsでは、マルンダから直接タンジュンプリオク港へのバージサービスの実現可能性を検討中で、これにより、コンテナを陸路ではなく水路で輸送することが可能になり、交通渋滞を回避、輸送時間の削減を図りたいとしている。

　中国の自動車大手、上海汽車集団（上海市）傘下で自動車物流事業を手がける上汽安吉物流（ANJI Logisitics、上海市）は15日、世界最大型のメタノール燃料対応9,500台積み自動車運搬船"ANJI ANSHENG"（写真）の運航を開始したと発表した。この世界最大型、最高のエネルギー効率を誇る超大型自動車運搬船が加わり、上海汽車安吉物流の自動車運搬船船隊は35隻の規模に拡大した。
　同船は上海船舶研究設計院（SDARI）が開発し、招商局南京金陵船舶が建造、全長228m、幅37.8mで、上海汽車の主要輸出モデルに基づき、船の規模と配置を最適化し、さまざまな先進的な省エネ技術が統合、採用されているため、ライフサイクル全体の総合エネルギー効率は国際トップレベルに達している。

　HMM（韓国）は19日、グローバルESG評価機関のSustainalytics（蘭）から2回連続でグローバル船社中1位の評価を獲得したと発表した。
　Sustainalyticsは、コーポレートガバナンス（企業統治）、温室効果ガス（GHG）、産業安全と健康、人的資本、環境汚染、倫理経営、利害関係者管理など計7項目を評価し、スコアと5つの等級（Negligible, Low, Medium, High, Severe)に区分、スコアが低いほど、企業のESGリスクが少ないことを意味する。
　また、米国の有名投資会社であるMorning Starの子会社であり、専門ESG評価機関であるESGリスク評価は、全世界の機関投資家の意思決定に参考資料として活用されている。
　2023年に「Low Risk」15.4点でグローバル船社で1位を獲得したHMMは、20カ月ぶりに行われた今回の評価でも「Low Risk等」13.6点で1位を維持した。
　HMMは7項目全てで高い評価を受け、特に今年は環境(GHG、環境汚染)、コーポレートガバナンス項目で大気汚染物質削減目標の達成や管理強化、気候関連の財務的影響分析・外部公開、社外取締役の割合拡大などを通じて評価をた高めた。

上海港務集団公司（SIPG）は5月に入り、小洋山北作業区に建設中の高自動化コンテナターミナルの埠頭建設を開始した（写真）。
　上海港のコンテナ取扱量は2024年に5150.63万TEUと、世界で初めて5,000万TEUを突破し、15年連続で世界一となっている。一方、シンガポール港のコンテナ取扱量は24年に4,000万TEUを突破、現在建設地のトゥアスコンテナターミナルが全面完成するとコンテナ取扱能力が6,500万TEUへ拡大する。
　SIPGでは既存の海岸線では、上海港が効率性を活かしてコンテナ取扱量を6,500万TEU以上に押し上げるのは難しいため、小洋山北作業区の開発は上海港の将来の発展にとって重要なプロジェクトと位置付けている。
　小洋山北作業区にコンテナターミナルが完成すれば岸壁総延長5,500mで、7万トン級コンテナ7バースと2万トン級コンテナ15バースの、年間コンテナ処理能力1,160万TEUとなる。 プロジェクトは、最新の自動化ターミナル技術を採用し、エンジニアリング建設から将来の運営に至るまで、グリーンポートの要件を厳格に順守、上海国際海運センターのインフラを「デジタル」、「インテリジェント」、「グリーン」に転換する新たな基準となる。
また、小洋山北作業区は河川と海上の複合一貫輸送、沿岸フィーダー、近海航路に対応、長江、内陸水路、沿岸輸送の長所を十分に発揮しながら、上海の陸上輸送の混雑を緩和し、上海港のコンテナ取扱量世界第1位の地位をさらに強固にするという。

ベトナムのTruong Hai International Logistics Limited Liability Company (THILOGI)が開発した中部チューライ港の浚渫工事が完了、3万dwt型船を受け入れが可能になり、RCL（タイ）が初のチューライ港とインドを結ぶ定期航路を開設、16日に第1船の"Chana Bhum"（3,200TEU）が初寄港し、歓迎式を開催した（写真）。
　チューライ国際港はベトナムの最大手自動車メーカー、チューライ自動車（THACO）が進出するチューライ自由経済区の港で2012年に開業、THACO傘下のTHILOGIが運営しており、港につながる主要水路であるキーハー水路（水深9.3m、水底幅110m、長さ11km）の浚渫工事が完了、3万dwt型船の受け入れが可能になったのを機に、RCLと協定を締結、チューライとインドのコルカタ、カトゥパリ、チェンナイ、ナバシェバ、コーチン、ムンドラなどインド諸港を結ぶ月2便の定期コンテナ航路を開設したもの。　
　"Chana Bhum"にはベトナム企業のスペアパーツ、衣類、家具、農産物など、約800本コンテナが船積みされた。インドとの直航航路開設で、輸送時間の短縮、コストの削減、ベトナム中部の製品競争力の向上が可能になり、新たな貿易機会を開拓し、物流活動を促進し、サプライチェーンを開発し、地域の連結性を強化し、国際海上地図におけるチューライ国際港の地位向上を図る。

　DP World（UAE）とシリア政府はこのほど、同国タルトゥース港の多目的ターミナルの改修・拡張に8億ドルを投入することで合意し覚書（MoU）を締結した。またターミナルの開発とともに工業、自由貿易地区を開発する
　シリアは現在外資の呼び込みとともに、内戦で低迷した経済の立て直しを図っており、このほど米国がシリア制裁を解除した事でこの動きに弾みが就く可能性もある。
　シリアではすでにCMA CGMグループ（仏）がラタキア港で、2億6,000万ドルを投入した、30年間の開発・運営権を獲得している。

　ドイツ・ハンブルク港における今年第1四半期（1～3月）の総貨物取扱量は前年同期比3.1％増の2,830万トンだった。
　うちコンテナ貨物は4.7％増の1,990万トン、個数ベースで6.3％増の200万TEUだった。特に極東との取扱量が増加したほか、インドとの取扱量は新サービスの開始により39.6％増の6万TEUになったほか、マレーシアも50.6％増の5万4,000TEUだった。首位は依然中国で、11.3％増の59万7,000TEUだった。一方、米国との取扱量は19.0％減の14万5,000TEUに落ち込んだ。
　コンテナ貨物のうち積み替えは15.3％増の72万TEU、また背後圏との輸送量は1.8％増の130万TEUで、うち鉄道による輸送量は0.7％増の65万TEUで全体の49.7％を占めた。
　在来貨物は3.5％増の28万トン、液体バルクは23.6％増の230万トン、ドライバルクは鉱物、石炭などが5.8％減の440万トン、穀物などは14.3％減の140万トンだった。

　フィリピン港湾庁（PPA）がまとめた今年第1四半期（1～3月）のフィリピン諸港における総貨物取扱量は全国合計で657万7,200トンと前年の595万2,200トンに比べ10.5%増と好調だった。うち内貿貨物が全体の43%を占め、前年同期比10.2%増の282万8,400トン、外貿貨物は10.7%増の374万8,800トンで、うち輸入貨物は12.6%増の267万7,400トン、輸出貨物が6.2%増の411万2,900トンだった。
　また、コンテナ取扱量は204万TEUと前年同期の180万1,000TEUに比べ13.3%増と好調で、うち内貿コンテナが8.8%増の69万9,516TEU、外貿コンテナは15.8%減の134万1,000TEUで、うち輸入コンテナは15.6%増の66万6,687TEU、輸出コンテナが16%増の67万4,265TEUを記録した。
　ルソン島諸港が全体の77%を占め、前年同期比6.6%増の157万1,000TEU、ビサヤス諸港が0.75%増の10万8,244TEU、ミンダナオ諸港が4.5%増の36万1,679TEUとなった。
　マニラ港は全体で大幅に増加、うちManila International Conteier Terminal（MICT）が75万5,218TEU、Manila South Harbor1が35万1,746TEU、North Harborが32万4,423TEUだった。

　航空貨物データサービスのワールドACD（オランダ）によると、第19週（5月5-11日）の航空貨物輸送量（運賃適用重量）は世界全体で前週比1％減となり、4月以降は17週（4月20日−26日）を除きマイナスが続いている。2週間（4月28日−5月11日）単位では欧州、北米発がイースター休暇明けの反動でそれぞれ2％、3％増加した以外はアジア太平洋が8％減、うち北米向けが13％減、アジア域内が12％減、中南米が5％減、中東・南アジアが1％減といずれもマイナスで世界全体では3％の減少だった。5月2日に発効した米国政府による中国からの少額貨物への免税措置（デミニミス・ルール）廃止が弱含みのマーケットにさらなる下方圧力となった。
　荷動きの減少で世界全体の運賃も2週間単位で2％減少して2.34ドル/kgとなり、プラスは北米発の3％増、欧州発の1％増のみだった。ただ、北米発もアジア太平洋向けは5％の減少、欧州発も米州向けは3％のマイナスだった。最大マーケットのアジア太平洋発北米向けは4％の減少。海上運賃の落ち込みが航空輸送のメリットを薄め、航空貨物運賃の下押し要因ともなっている。ただ、キャパシティも2週間単位では2％のマイナスとなり、主要地域では欧州が1％増となったほかはいずれもマイナスで、アジア太平洋は祝日の影響などで5％ともっとも落ち込みが大きかった。
　米国の関税政策による影響は著しい影響を及ぼしており、香港・中国発北米向けは18週の前週比14％減に続き19週もさらに10％減と2ケタのマイナスを記録、前年同期比では27％もの落ち込みで4週連続の2ケタ減となった。一方で欧州向けは前週比横ばいと安定的に推移している。
　米中は二国間協議で90日間の関税引き下げで合意し、米国向け小包の関税も引き下げられ、航空輸送の再開も期待されているが、通関手続きのためコスト増と輸送日数の増加がマイナス要因となっている。

　商船三井はこのほど、海洋環境の保護の大切さや海運業の仕事の魅力などを学び、同世代の若者たちに伝える役割を担う学生たちからなる、MOLアンバサダーを対象に、海運業や商船三井の事業を学ぶワークショップを、同社が昨年が開所した「虎ノ門エンパワーメントセンター『SANGO』」で実施した。
　ワークショップでは、同センターが有する船上シミュレータ訓練設備の見学や、商船三井が協賛するマサチューセッツ工科大学の教育プログラムのプログラミング体験を実施した。ワークショップの最後には、今年7月に大阪に開所予定の「商船三井ミュージアム ふねしる」で実施する企画展をMOLアンバサダーが考案し、商船三井社員との意見交換やミュージアムスタッフへプレゼンした。
　MOLアンバサダーから出された企画展アイデアのうち、ミュージアムスタッフから選ばれたものが、実際に「ふねしる」の企画展として開催する。
　参加者からは「シミュレータ見学を通じて、船員一人一人が重要な役割を担っていることを改めて実感した」、「企画展の考案では、MOL アンバサダーとして、どんなことをしたら来場者に楽しんでもらえるのか、考えることができた」などの感想が寄せられた。
　MOLアンバサダーは現在10名の小中学生・高校生が就任し、活動している。

　シンガポール航空グループの24/25年度（24年4月−25年3月）業績は、旅客、貨物ともに好調で売上高が前期比2.8％増の195.40億シンガポールドル（約2兆1,858億円）、営業利益は37.3％減の10.19億Sドルと減益になったものの、純利益は3.9％増の27.78億Sドル（約3,108億円）で過去最高を記録した。
　貨物事業の売上高は4.4％の増収で21億Sドル（約1,349億円）、貨物・郵便取扱量は16.3％増と2ケタの伸び、キャパシティが10.1％増にとどまったことでロードファクターは1.6ポイント上昇して56.1％となったが、イールドは競争の激化で7.8％落ち込んだ。

　香港国際空港の4月貨物実績は前年同月比2.6％増の40.4万トンと米国政府が月初に関税を34％に、さらに4月10日からは145％へと大幅に引き上げたにもかかわらす12カ月連続のプラスとなった。欧州および中東発着のトランシップ貨物が13.9％増と2ケタの伸びを達成したことが下支えした。1−4月累計では前年同期比3.0％増の157万トン、前年5月からの12カ月間では9.3％増の498万トンだった。
　4月の航空機発着数は12.5％増の3万2,675回で、キャセイパシフィック、その子会社の香港エクスプレス、ベトナム航空がそれぞれダラス、小松・石垣、ニャチャン線を新規に開設した。

　三菱倉庫は、国土交通省が設置した「自動物流道路の実装に向けたコンソーシアム」に参加したと発表した。
　物流事業での豊富な実績に基づくノウハウを活かし、自動物流道路の結節点となる物流拠点の必要面積や配置などについての議論を進める。自動物流道路は、道路空間に物流専用スペースを設け、自動・無人で貨物を24時間輸送する、新たな物流システム。2030年代半ばまでに一部区間で運用開始することを目指し、検討を進めている。「自動物流道路の実装に向けたコンソーシアム」では、自動物流道路の実現に向けた検討を促進するため、情報共有・意見交換する。同社は今後、同コンソーシアムでの情報共有や議論を活用して、オープンイノベーションを推進し、企業価値のさらなる向上に取り組む方針だ。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、NX国際物流（中国）有限公司（NX中国）は4月13～18日の6日間、中国・海南省海口市で開催した「第5回中国国際消費品博覧会」に出展した。
　同博覧会はアジア・太平洋地域最大の消費品展示会の一つとして2021年に第1回が開催、第5回を迎えた今回は、「海南自由貿易港」の建設に向けた対外開放を強くアピールする場として、71の国・地域から、1,767社の企業、4,209のブランドが出展した。バイヤーの来場数は6万人を超えるなど過去最大規模の開催となった。
　今回、NX中国は海南省に進出する日系企業と協力し、共同ブース形式で出展、強みのグローバルネットワークに加えて、CO2排出量削減に貢献するグリーン物流の取り組みなどを展示し、環境問題に向けたNXグループの活動を紹介した。開催期間中は、在中国日本大使館の金杉憲治大使や在広州日本国総領事館の貴島善子総領事がブースを訪問するなど、多くの注目を集めた。

　郵船ロジスティクスグローバルマネジメントは19日、グループの海上・航空貨物輸送と陸上輸送において、代替燃料を使用し温室効果ガス（GHG）排出量を削減することで創出した環境価値を顧客に割り当てるグリーンソリューション「Alternative Fuel」の提供を開始した。
　持続可能なサプライチェーンの構築に向けて、顧客のScope 3におけるGHG排出量削減をサポートするとともに、環境負荷が少ない代替燃料の利用を促進する。郵船ロジスティクスグループは2024年12月、従来の化石燃料の代わりに代替燃料を使用することで創出した環境価値を管理し、顧客へ割り当てるデジタルプラットフォームを導入した。先行してサービスを提供してきたSAFを利用した航空貨物輸送サービスに続き、新たに海上貨物輸送、陸上輸送においても、プラットフォーム上で環境価値の割り当てを開始し、海上・航空・陸上の3つの輸送モードに対応したワンストップソリューションとして「Alternative Fuel」を提供する。
　陸上輸送では一部の地域において、自社トラックの運行にHVO（Hydro-treated Vegetable Oil）などの代替燃料を使用し、郵船ロジスティクスが運送事業者として環境価値を創出する。各輸送モードで創出した環境価値は、代替燃料を使用した地域に関わらず、同グループが展開する46の国と地域において同一の輸送モードで割り当てが可能だ。このプラットフォームを通じて、顧客は実際に代替燃料が消費した場所や油種、削減したGHG排出量などの詳細を確認することが可能だ。また環境価値の割り当てに伴い、郵船ロジスティクスは第三者認証機関の検証を受けたGHG排出量削減証明書を顧客に提供する。

　丸全昭和運輸は14日、広島営業所（広島県東広島市高屋台2-113-22）の地鎮祭を開催、同施設は一部定温機能付の危険物倉庫と一般倉庫、事務所、屋内荷さばき場などから構成するもので、2026年8月に竣工予定だ。
　倉庫棟、危険物倉庫棟とも鉄骨造り1階建て、事務所棟が鉄骨造り2階建て、延べ床面積は一般倉庫が3,000坪、内定温200坪、危険物倉庫が300坪、内定温50坪、屋内荷捌き場1,200坪を備える。有効階高は倉庫棟7.5m、定温倉庫6.5m、危険物倉庫棟6.95m、危険物定温棟5.5m、床荷重1.5t/m2。バンステージ、作業場空調、大型シーリングファンを備えるほか、太陽光パネルや非常用電源設備も装備予定。

　ヒューリック、西松建設、芙蓉総合リース、リサ・パートナーズは、アジア・パシフィック地域を代表する物流開発・運用会社のESR Group Limitedとともに、シンガポールの最新鋭大型物流施設「Sunview Logistics & Container Hub」の開発プロジェクトへの投資を実行した。
　同施設は、シンガポール西部の産業集積エリアであるジュロン工業団地に位置し、6階建ての倉庫と2階建ての自動コンテナデポで構成（土地面積：約7万2,000m2、総延べ床面積：約14万2,000m2）で、2027年の竣工・稼働後は、シンガポール国内最大級の物流施設となる予定だ。同施設には、世界を代表する物流事業者のCEVA Logisticsとシンガポールの大手コンテナ輸送・コンテナヤード運営事業者であるAllied Container Groupが入居予定だ。

　信永海運は、香港向け門司CFS倉庫を、6月5日CFS CUTの“WAN HAI 289”（Voy.S064)から移転する。荷受開始は5月30日以降。
　新・門司CFS（普通品）は、ジェネック太刀浦1号上屋（北九州市門司区太刀浦海岸22-1、電話L：093-331-2106、FAX：093-331-8880、NACCS保税地域コード：6CW31、利用者コード：6RKIT）
　新・門司CFS（危険品）シーゲートコーポレーション門司物流センター（福岡県北九州市門司区新門司1-5-6、電話：093-481-6354、FAX：093-481-6355、NACCS保税地域コード：6AW46、利用者コード：6ENGU）

　香港の海運調査会社、Linerlyticaが主要コンテナ船社11社の今年第1四半期（1～3月）業績をもとにまとめた定期船事業のEBITマージン（営業利益率）ランキングによると、OOCL（香港）が26.7%でトップ、次いでEvergreen（台湾）が26.7%で同率2位、COSCO（中国）が26.3%で3位、Wan Hai（台湾）が24.5%で4位、HMM（韓国）が23.5%で5位の順で続きアジア船社が上位を占めた。
　Gemini Cooperationは、1Qも業績不振が続き、Maersk（デンマーク）が8.3%で最下位、Hapag-Lloyd（独）が9.2%で10位と、5四半期連続でEBITマージン・リーグの最下位にとどまり、業績はすべての主要ライバル船社に遅れをとっている。
　Linerlyticaでは、Geminiパートナーの2社は、契約貨物への依存度が高く、太平洋航路の市場エクスポージャーが相対的に低いことに加え、高い運航コストベースが引き続き業績を圧迫していると分析している。
　EBITマージンランキングの6位はZIM（イスラエル）の23.1%、続いてCMA CGM（仏）が19.0%で7位、Ocean Network Express(ONE）が16.8%で8位、Yang Ming（台湾）が15.7%で9位となっている。