ニュースダイジェスト

　国土交通省が保有・運営するサイバーポートは6月2日から、東京港青海A4ターミナルと横浜港本牧BCターミナルにおいて、従来のデマレージ料の問い合わせなどの機能に加えて、実入コンテナの搬入・搬出などのターミナルへの手続きをサイバーポートで一元的に処理可能になる。
　サイバーポートは、港湾全体の生産性向上に向けた取り組みを推進するために、港湾物流や行政手続きなどの港湾関連手続きを電子化するデータプラットフォームで、コンテナターミナルについても、海貨業者・ターミナル双方の業務効率化に寄与するターミナル問い合わせ機能などをサイバーポートに実装・提供してきた。
　東京港青海A4ターミナルと横浜港本牧BCターミナルでは、23年にサイバーポートの「ターミナル問い合わせ機能」（デマレージ料の問い合わせなど）を導入、直近の利用率は約95％に達し、海貨業者・ターミナル双方の業務効率化を実現している。一方、実入コンテナの搬入・搬出などについては、ターミナル運営者のwebサイトでの対応のみとなっており、海貨業者からするとサイバーポートとターミナル運営者のwebサイトを使い分ける必要があった。
　今回、両ターミナルでは、海貨業者・ターミナル双方のさらなる業務の効率化に向けて、ターミナル運営者の取り組みを導入支援としてサポートすることで、サイバーポートとの連携を拡大した。その結果、両ターミナルで6月2日から、実入コンテナの搬入・搬出などのターミナルへの手続きをサイバーポートで一元的に処理可能となる。
　国交省では今後、全国に先駆けた両ターミナルでの先行事例を水平展開すべく、全国のターミナルへの導入支援を進めていく方針だ。

　韓国海洋振興公社（KOBC）が19日に発表した先週の釜山港を基準とする韓国型コンテナ運賃指数（KCCI：KOBC Container Composite Index）の総合指数は、北米航路が急騰したことで、1849と前週比5.54%上昇した。
　釜山発輸出コンテナ運賃指数は、北米、欧州など13航路の各地域別の主要港湾向けスポット運賃（THCなど含む）のFEUあたりの航路別指数と総合指数で構成、航路別指数は荷動き量などを反映して算出、一方で総合指数は航路別運賃指数を加重平均して指数化している。
　東西航路は北米西岸航路が前週比15.27%上昇し2,898ドル／FEU、北米東岸航路も12.93%上昇し3,947ドル／FEUと急騰した一方、欧州航路は2.18%下落し2,023ドル／FEU、地中海航路も1.01%下落し2,946ドル／FEUと明暗を分けた。
　南北航路は南米西岸航路が3.36%上昇し1,816ドル／FEU、南米東岸航路も2.91%上昇し1,874ドル／FEUとなった一方、豪州航路は1.64%下落し1,684ドル／FEU、中東航路が0.54%下落し2,199ドル／FEU、南アフリカ航路が2.19%下落し2,677ドル／FEU、西アフリカ航路も1.71%下落し3,107ドル／FEUと低調だった。
　アジア域内航路は東南アジア航路が0.17%上昇し1,145ドル／FEU、中国航路が横ばいの47ドル／FEUで安定していたが、日本航路は0.79%下落し250ドル／FEUとなった。

　Pacific International Lines（シンガポール、PIL）の2024年の連結業績は、売上高が前年比49％増の43億500万ドルで、営業収入の増加とコスト管理が奏功しEBITDA（利払い前・税引き前利益・償却前利益）が前年の5億6,617万ドルから11億2,600万ドル増となる16億9,200万ドルとなり、当期純利益は前年の3億693万ドルから13億4,200万ドルになった。
　海運事業は、運賃の上昇と輸送需要の増加に支えられ、売上高は37億6,400万ドルと前年比12億5,800万ドル増収となり、積み高も9.6％増加し、EBITDAが16億5,400万ドル、EBITも13億2,900万ドルになった。
　コンテナ製造事業は、紅海情勢の悪化や米国の通商政策への不安からまた新造コンテナ船が大量に竣工したことでドライコンテナの需要が増加したことにより、売上高が5億4,114万ドルと前年比1億6,344万ドルの増収となり、EBITDAは4,726億ドル、EBITも3,366億ドルになった。

　ZIM Integrated Shipping Services（イスラエル）の2024年第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比28.5％増の20億700万ドル、EBIT（営業利益）は177.8％増の4億6,400万ドルと2ケタの増収、3ケタの増益となり、調整後のEBITDA（金利・税金・償却前利益）は82.4％増の7億7,900万ドルで、調整後のEBITDA利益率は12ポイント増となる39％となり、当期純利益は221.7％増の2億9,600万ドルを計上した。
　期中のコンテナ積み高は11.6％増の94万4,000TEU、平均運賃も22.3％上昇となる1,776ドル／TEUといずれも2ケタの増加・上昇となったことが売上高を押し上げた。
　同社のEli Glickman CEOは「市場環境は非常に不確実な状況で、ZIMは可能な限り市場の変化に対応し、配船状況を機敏に変更して、中国や東南アジアから米国向け輸送需要の変化に対応してきた」とし、大規模な費用対効果の高い大型船隊整備により、長期にわたり成長を維持できるとした。
　2025年通期予想は、市場の不確実性に直面しつつも、調整後のEBITDAが16～22億ドル、調整後のEBITも3億5,000万～9億5,000万ドルの黒字を確保できると見通している。

　カリフォルニア州・ロサンゼルス港における4月の総コンテナ取扱量は前年同月比9.4％増の84万2,806TEUだった。うち実入りの輸入が5.4％増の43万9,230TEU、輸出は3.5％減の12万8,394 TEU、空コンは24.9％増の27万5,183TEUと大きく伸びた。
　1～4月の総コンテナ取扱量は前年同期比6.2％増の334万6,853TEUで、うち実入りの輸入は4.5％増の172万1,828TEU、輸出は11.8％減の47万3,796TEU、空コンの輸入は19.1％増の1,893TEU、輸出は19.1％増の114万9,336TEUだった。

　主要コンテナ船社の団体、世界海運評議会（WSC）は先週、米国通商代表部(USTR)に書簡を送り、米国の輸出に悪影響を及ぼす自動車運搬船救済措置に深い懸念を表明した。
　WSCによると、USTRに対し、1974年通商法301条付属書IIIには重大な欠陥があり、もし修正されなければ、米国製の自動車やトラクターを海上輸送して年間200億ドルを輸出している米国の製造業者や、自動車価格の上昇に直面している米国の消費者に経済的損害を与えることになると指摘している。
　USTRは4月17日に発表した中国の海事・物流・造船分野に対する1974年通商法301条に基づく措置内容のうち、自動車運搬船については、米国外で建造された自動車運搬船を対象に、CEU（乗用車換算）に基づいて今年10月14日から150ドル／CEUを課金、米国製の同等またより大きな船舶を発注・納入した場合、最長3年間の料金免除を認めている。
　WSCは、USTRに附属書IIIについて、30～60日のパブリックコメントの募集期間を設けるよう求めており、これだけの期間があれば、USTRが発表した2025年10月14日の実施日よりかなり前に終了するため、USTRに負担をかけることはないとしている。
　また、すべての外国船が支払うべき料金の適用を規定する措置を見直す必要があり、すべての外国船に対する課税は、301条に関するUSTRの権限をはるかに超えており訴追可能とみなされた中国の行動を制限するための是正措置を策定するよう求めている。
　さらに船舶が支払うべき料金の計算パラメータにCEUを使用することに異議を唱え、CEUには普遍的に受け入れられる定義がなく、大型車両や乗用車の輸送など、異なる種類の貨物の輸送のため変化する可能性があるとして、より良いパラメータとして、車両1台あたりの料金を設定し、同船で輸出された車両1台ごとに控除することを提案している。

　先週の中国輸出コンテナ輸送市場は米中の関税引き下げ合意を受け、米国向け貨物の船積み予約が急増する一方、4月からの船腹供給の縮小が拡大、短期的なスポット運賃が強含みとなり、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）も1479.39と前週から10%も上昇した。
　先週のSCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が前週比0.6%下落し1,154ドル／TEU、地中海航路も0.3%下落し2,082ドル／TEUとなった一方、北米西岸航路は31.7%上昇し3,019ドル／FEU、北米東岸航路も22%上昇し4,069ドル／FEUと急騰した。
　南北航路は中東ガルフ航路が4.0%上昇し1,191ドル／TEU、南米航路が17.2%上昇し1,725ドル／TEUとなったが、豪州・NZ航路は4.4%下落し737ドル／TEU、南アフリカ航路が0.3%下落し1,970ドル／TEU、東・西アフリカ航路も0.7%下落し3,714ドル／TEUだった。
　アジア域内航路は、関西航路が0.3%下落し315ドル／TEU、関東航路が横ばいの320ドル／TEU、東南アジア航路が0.9%上昇し434ドル／TEU、韓国航路が2.7%下落し144ドル／TEUとなった。
　北米航路は米中の関税引き下げ合意後、90日後の政策方向が不透明な状況で、米輸入業者の駆け込み需要の程度、船社の北米航路の船腹回復速度、米消費の回復の可否が今後の荷動き、運賃の大きな変動要因となる見通し。
　一部ではコロナ禍当時と似ているという分析もあるが、当時は米国での購買力上昇であったのに対して現在は消費の増加ではなく、米国現地での在庫補充需要が主な原因とみられている。
　米中の関税引き下げ合意後、大規模な船腹供給縮小が進む中、短期的な船腹不足による運賃上昇要因が増加、4月比で50～200%もブッキングが増加したとの報告もあり、船社は5月15日発効で1,000ドル／FEUの一括運賃値上げ（GRI）を実施、6月の追加GRIの発表とともに、北米西岸向けは6,000ドル／FEUまで上昇するとの見方も出ている。
強気相場が続くかどうかは、米国の購買力回復の有無と供給量回復の程度に左右されると予想、輸入業者が増加したコストを負担しながら輸入を最大化するかは未知数で、様子見に転じる可能性もある。
　欧州航路は需給不均衡で運賃の低迷が続き、米中関税引き下げ合意を契機に欧州航路に追加された船腹の北米航路への再配置で、船腹供給量縮小が予想、欧州の主要港湾事情を考慮すると、週あたりの実質船腹量はより大きく縮小する可能性があるいう。
　スエズ運河庁（SCA）は大型コンテナ船の通航料を15%割引し早期復帰を推進中だが、弱気基調が長期化する場合、早期復帰は難しいと予想されている。

　インド商工省外国貿易総局（DDFT）は17日付でバングラデシュからインドへの既製服、加工食品など特定品目の輸入に港湾規制を導入すると通達し、即時発効した。ただ、インド経由でネパール、ブータンへ輸送されるバングラデシュ産商品には適用されない。
　規制措置は、（1）バングラデシュからあらゆる種類の既製服の輸入について、いかなる陸上港からも許可されず、ナバシェバ港とコルカタ港経由でのみ許可（2）果物／果物風味飲料、炭酸飲料、加工食品、綿および綿糸廃棄物、自国産業へ投入する顔料、染料、可塑剤および顆粒を除くプラスチック・PVC製品、および木製家具は、アッサム州、メガラーヤ州、トリプラ州、ミゾラム州の陸上税関所（LCS）・総合検問所（ICP）および西ベンガル州のチャングラバンダ、フルバリのLCS経由での輸入を禁止する（3）港湾制限は、バングラデシュからの魚、LPG、食用油、砕石の輸入には適用されない、となっている。

　ドイツ・ブレーメン／ブレーメルハーフェン港における今年第1四半期（1〜3月）の総貨物取扱量は前年同期比3.9％増の1,560万トンで、うち輸入が0.7％増の760万トン、輸出は7.1％増の800万トンだった。
　コンテナは3.8％増の1,240万トンで、個数ベースで6.6％増の119万3,000TEUだった。
　在来貨物は5.7％減の140万トン、うちRo/Ro貨物は10.5％減の54万8,000トンだった。
　ドライバルクは19.2％増の150万トンで、うち鉱物は19.7％増の83万9,000トン、穀物は15.9％増の12万4,000トン、石炭も60.0％増の1万6,000トンといずれも増加したが、液体バルクは、5.5％減の27万6,000トンだった。

　釜山港湾公社（BPA）は7月7日、宮城県仙台市で釜山港セミナーを開催する。
　セミナーでは、釜山港や仙台塩釜港の利用に関心を持つ荷主を対象に、釜山港や仙台塩釜港への理解を深め、情報収集や情報交換の機会として活用するため、同公社日本代表部による釜山港VTR上映と釜山港の積み替えメリット、発展戦略についての解説、またNX韓国による釜山港を活用したグローバルSCM戦略などを紹介する。
　会場はウェスティンホテル仙台（仙台市青葉区一番町1-9-1）で、参加にはBPA日本代表部への申し込みが必要となる。

　日本郵船は19日、連結子会社である日本貨物航空（NCA）の、ANAホールディングスを完全親会社とする株式交換時期を、これまで予告していた今年5月23日から7月1日に変更すると発表した。
　日本郵船は変更理由ついて、中国の関係当局による企業結合審査の完了までに要する時間などを勘案し、実行時期をさらに延期したとしている。
　日本郵船、ANAいずれも株式交換を実行する方針に変更はなく、日本郵船の連結業績に与える影響も軽微だという。
　日本郵船は当初、23年10月1日にNCA株式の交換を予定していたが、関係当局による企業結合審査の完了に時間がかかり、実施時期の延期が続き、今年2月に公正取引委員会から買収の承認が下り、あとは中国国家市場監督管理総局の承認を待つ状態となっている。

　川崎汽船はこのほど、シンガポール経済大学（SMU）の経済学部で国際貿易を専攻する学生16人の企業訪問を受け入れた。
　SMUは、シンガポールで海運を含む貿易関連業界に多数の人材を輩出しており、国際貿易専攻の学生向けに業界研究のための国外企業視察プログラムを実施している。今年はその訪問先として東京が選ばれ、川崎汽船がプログラムへの協力依頼を受け入れ実現した。
　5月13日に実施した企業訪問では、2時間のプログラムの中で、川崎汽船の事業や環境対応に関する講義と質疑応答をおこない、学生から活発な質問が飛び交い、特に環境への取り組みが高い関心を集めた。

　A.P. Moller-Maersk（デンマーク）はこのほど、米国の認証会社、Gartnerによる25年の3PL事業者の部門の格付け評価Gartner Magic Quadrantで4年連続となる最高評価、「リーダー」に選出された。
　Gartner Magic Quadrantは世界の3PL事業者の能力を評価し、現在から将来の物流アウトソーシングのトレンドを評価するもので、多くの顧客が評価を参考に委託先事業者を選んでいるという。
　Maerskは、物流サービスの革新と継続的な強化への取り組みにより、市場の混乱に対応しつつ、信頼性と持続可能性の高い物流ソリューションを提供し続けていることや、回復力の高い革新的なサービスにより顧客をサポートしていることなどが高く評価された。

　常石グループの神原汽船（広島県福山市）はこのほど、Global Chartering Ltd.とLNG二元燃料ばら積み貨物船KAMSARMAXの定期用船契約を締結した。
　本船には、LNG燃料あるいは重油のどちらかを選択できる二元燃料燃焼主機関が搭載されているが、e-LNG、バイオLNGといった先進的な代替燃料に対応可能な設計で、世界的な環境規制強化の中で、よりクリーンかつ低炭素な海上輸送への移行を支援する。
　神原汽船では、本船の優れた環境性能とGlobal Charteringの卓越したオペレーション能力が融合する今回のパートナーシップは、海運業界における環境負荷低減と持続可能な国際物流の推進という、共通の目標に向けた大きな一歩で、今後も次世代燃料船の導入を加速し、環境性能と経済性を両立したサービスを顧客に提供することで、地球環境への貢献を目指すとしている。
　欧州鉄鋼大手のArcelorMittal（ルクセンブルク）とギリシャ船主Livanos系DryLogとの合弁会社で、ドライバルク輸送サービスのリーディングプロバイダー。

　コントラクトロジスティクスのDHLサプライチェーンは、大阪市住之江区の南港エリアに新設する「DHL大阪ロジスティクスセンター」の起工式を開催、新施設は2027年初旬の竣工を予定、西日本地域における物流体制を強化するDHLサプライチェーンの中核拠点となる。
　今後、関西圏と西日本全体のサプライチェーンを最適化し、2030年までに事業規模を倍増させるというDHLサプライチェーンの目標を支える基盤となる。DHL大阪ロジスティクスセンターは、地上4階建て、約5万5,700m2の延べ床面積を有し、テクノロジーセクターと保守部品の物流を中心に、高度な物流ニーズに先進的なソリューションで応えるマルチユーザー型の施設となる。阪神高速道路4号湾岸線・南港中ICから約1kmに位置し、大阪中心部や関西国際空港へのアクセスにも優れた戦略的立地だ。
　また、同施設は環境に配慮、倉庫やオフィスに電力を供給する太陽光発電設備、電力網の安定性を維持するバッテリーエネルギー貯蔵システム（BESS）、商用車と乗用車向け電気自動車の充電設備、雨水の再利用設備、エネルギー効率を最適化するためのモーションセンサー付きLED照明などの設備を備えている。また、同施設は、米国グリーンビルディング協会（U.S Green Building Council）が運営する国際的な環境認証制度「LEED認証」のゴールド取得を目指している。

　ネットストア「モノタロウ」を運営するMonotaRO (大阪市北区) は、茨城県水戸市で物流拠点「水戸ディストリビューションセンター」を着工した。
　同施設は、同社の出荷能力と在庫能力増強を目的に開設する新しい物流拠点で、2028年5月に稼働開始予定だ。敷地面積が約9万8,000m2に鉄筋コンクリート造り・一部鉄骨造り、免震構造の地上4階建て、延べ床面積が約7万4,000m2、在庫保有能力は約50万点。新設備の導入と作業フローの集約・変更により、既存の物流センター（笠間ディストリビューションセンター）と比較して3倍の生産性を目指し、より迅速な配送体制を強化し、さらなる事業成長を目指す。
　同センターでは自社物件として初めて免震構造を採用し、災害に備えるとともに、自社物件として初めて太陽光発電を採用、環境負荷を低減させる取り組みも進めている。新設備により、作業フローを集約・変更し、笠間ディストリビューションセンターと比較して生産性3倍（10万行/日→30万行/日）を目指す。

　物流向けロボティクスソリューションを提供するラピュタロボティクスは、アルプス物流（神奈川県横浜市）の千葉県にある大栄倉庫で、自在型自動倉庫「ラピュタASRS」が稼働を開始したと発表した。
　アルプス物流は、高度な取り扱いが必要な電子部品を主要貨物とし、グローバルに物流サービスを提供している。
　近年、物流現場における人手不足や作業負荷の増大といった課題に直面する中で、庫内オペレーションの自動化・省人化が重要なテーマとなっていた。こうした背景のもと、2024年にラピュタロボティクスの自在型自動倉庫「ラピュタASRS」の導入を決定、準備期間を経て本格稼働に至った。
　アルプス物流への導入では、限定スペースの有効活用を実現し、事業成長に伴うレイアウト変更にも柔軟に対応可能だ。
　また、入出庫作業の自動化によって、作業時間・工数の削減と作業標準化を実現した。
　さらに多品種少量・高頻度出荷が必要な電子部品の物流において、入庫作業と出庫作業における精度とスピードを両立した。アルプス物流では、取り扱う商品のアイテム数が非常に多く、かつ取り扱いには細心の注意が必要だが、自在型倉庫「ラピュタASRS」の導入により、限定スペースの中でも高密度な保管が可能となり、作業の効率化とともに、作業者の負荷軽減にもつながった。今後はさらなる最適化を図りながら、自動化の取り組みを広げていく方針だ。

　ソフトバンクグループで物流事業を手がけるSBフレームワークス（東京都江東区）は、7日に全国で7棟目となる物流倉庫を千葉県千葉市に新設した。
　SBフレームワークスでは1990年の設立以来、ソフトバンクグループ内外の顧客の物流業務を担ってきた。本社倉庫のほか、2006年の柏事業所（千葉県）の開所以来、大阪事業所（大阪府）、川崎事業所（神奈川県）と東西に事業地域の拡大を続けている。新たに千葉市美浜区に全国7拠点目となる「美浜事業所」を開設、同社物流倉庫の総延べ床面積は12.5万m2に達した。
　美浜事業所が立地する新港地域は、海面埋立事業により誕生した千葉市を代表する臨海工業集積地で、自動車専用道路・京葉道路・穴川ICへのアクセスに優れるほか、2022年9月には高速自動車国道・東関東自動車道・検見川・真砂スマートICの設置が国土交通省から事業許可を受けた。
　1万m2を超える保管スペースをもつ同事業所は、海上コンテナのデバンニングにも対応可能な3面のトラックバースを有し、休日出荷にも対応するBtoB物流・EC物流サービスの新たな拠点として、さまざまな顧客の物流業務を強力に支援することが可能となった。

　中国民用航空局（CAAC）はこのほど「2024年版民間航空産業の発展に関する統計速報」を発表した。それによると、24年末時点での航空会社数は国有持株会社が39社、民営が27社、計66社で前年と変わらず。このうち貨物専業は13社だった。
　全体の輸送機数は4,394機で、前年より124機増加した。うち貨物機は前年比11 機増の268機で、大型貨物機が8機増の102機、中小型が3機増の166機だった。路線網は、国内線4,513路線、うち香港・マカオ・台湾線73路線、国際線821路線の合計5,334路線が定期便として就航している。
　24年の民間航空業界全体の貨物・郵便輸送量は前年比22.1%増の898.16万トン、うち国内線が17.8％増の537.56万トン、香港・マカオ・台湾線が8.4％増の16.39万トン、国際線が29.3％増の366万トンだった。
　航空会社グループの運航実績では、中国国際航空グループは総輸送量が前年比29.4%増・330.17億トンキロ、旅客輸送量が20.3%増・1億5,211.18万人、貨物・郵便輸送量が26.8%増・185.92万トン。
　中国東方航空グループは総輸送量が29.0％増・294.76億トンキロ、旅客数が21.6％増・1億4,056.24万人、貨物・郵便が21.6％増・155.61万トン。
　中国南方航空グループは総輸送量が21.5％増・362.12億トンキロ、旅客数が15.9％増・1億6,475万人、貨物・郵便が15.7％増・183.43万トンで、その他の航空会社は、総輸送量が22.4％増・498.12億トンキロ、旅客数が15.9％増・2億7,278.86万人、貨物・郵便が30.6％増・373.2万トンといずれも2ケタの伸びだった。
　全国の空港の合計実績では、旅客数が前年比15.9％増14.6億人、貨物・郵便が19.2%増の2,006.19万トン。年間貨物・郵便取扱量が1万トン以上の空港は67空港あり、このうち北京、上海、広州の3大都市の空港が占めるシェアは41.7%で、前年に比べ1.1ポイント減少した。

　カタール航空（本社・ドーハ）の2024/2025年度（24年4月〜25年3月）業績は、旅客、貨物ともに好調で売上高が前期比6％増の860億リヤル（QAR、約3.4兆円）、純利益は28％増の78.5億QAR（約3,114億円）で過去最高益となった。
　貨物事業の売上高は前期比17％増の179億QAR（約7,115億円）でパンデミック以降では最高となったが、貨物取扱量は1.9％増の310万トンと小幅な伸びにとどまった。
　前年度はフリートの拡張への投資で新たにアブダビおよびシャルジャ（UAE）、ウィーン、クアラルンプール、ロンドンの各路線で貨物機サービスを開始、アジアマーケットでは香港および中国線で貨物便を増便したほか、マレーシア航空の貨物子会社MASkargoや中国eコマース物流大手のツァイニャオ（菜鳥網路）などとの提携強化も業績向上に貢献した。

　バンコク・スワンナプーム空港が4月に取り扱った国際貨物量は12万3,389トン、前年同月比13.1％の2ケタ増で、16カ月連続のプラスと好調が持続している。輸出が13.7％増の6万9,914トン、輸入が12.4％増の5万642トン、トランジット貨物は8.9％増の2,833トンと15カ月ぶりにプラスに転じた。
　国内貨物を加えた総合計では12万4,366トン、前年同月比13.0％増と2カ月連続の2ケタ増となった。

　日本貨物航空（NCA）は、6月1日から適用となる日本発国際貨物燃油サーチャージを改定する。
　同社が燃油指標価格に用いている25年4月の平均燃油価格が1バレルあたり80.46ドルだったことを受け、25年6月1日以降の日本発国際航空貨物燃油サーチャージを、TC1（主に北米・中南米）およびTC2（欧州・アフリカ・中近東）向けで72円/kg（現行79円）に、TC3遠距離（東南アジア）向けで61円/kg（同67円）に、TC3近距離（東アジア）向けで51円/kg (同56円)にそれぞれ引き下げる。

　物流ソリューション提供のGROUNDは、物流施設統合管理・最適化システム「GWES」を、生協物流のシーエックスカーゴ（埼玉県桶川市）に導入、物流センターのさまざまな情報を数値によって可視化し、効率的な運営を支援する。
　シーエックスカーゴは日本生活協同組合連合会の物流子会社で、CO・OP店舗や宅配、通信販売に向けて、商品の調達から配送、納品までをトータルで提供している。シーエックスカーゴでは、桶川第2流通センターで「GWES」の機能のうち、進捗分析（PA）、作業量分析（WA）、在庫分析（IA）のモジュールが稼働している。「GWES」でリアルタイムに作業の進捗状況や作業量の確認が可能になったことで、人事調整の必要性や当日の業務終了時間の把握が容易になった。また、個人別の作業量や生産性とそれらの目標値を可視化することで、数値を基にした改善効果の共有や振り返りプロセスの定着を促進している。
　さらに、物流センター内のレイアウトをデジタルマップ化し、各棚に格納している商品の出荷頻度を示すヒートマップなどを活用して、在庫の動きを可視化する。今後は在庫配置最適化（SO）、動線最適化（RO）モジュールの稼働を予定しており、保管と作業効率を考慮した最適な在庫配置と効率的なピッキング作業の実現に寄与する。シーエックスカーゴでは「GWES」を2027年までに全13拠点に展開し、それぞれの倉庫・物流センターが持つWMSとWCSと連携することで、全拠点の情報一元管理によってDX推進を加速する。

　分析輸送見積もりをワンストップのオンラインサービスで提供しているFreightos（香港）が21日に発表した先週のFreightos Baltic Index（FBX）と呼ぶ世界の主要12航路におけるコンテナ運賃指数の総合指数は2,096と前週比2.1%上昇、前年同期比では27.4%の下落だった。アジア発北米西岸向け（FBX01 Weekly）は3%上昇し2,462ドル／FEU、アジア発北米東岸向け（FBX03 Weekly）は3%上昇し3,520ドル／FEU、アジア発北欧州向けが3%上昇し2,459ドル／FEU、アジア発地中海向けも1%上昇し2,979ドル／FEUだった。
　また、航空貨物運賃指数のFreightos Air Indexは、中国発北米向けが4%上昇し5.50ドル／kg、中国発北欧向けが1%上昇し3.53ドル／kg、北欧州発北米向けは1%下落し1.88ドル／kgだった。
　Freightosの分析によると、今年8月14日に期限を迎える中国と米国の関税緩和へのカウントダウンが始まり、同様に貿易協定交渉の時間を確保するために開始した相互関税の一時停止が7月9日に終了する米国の貿易相手国のリストから調達している米国の輸入業者にとっては、さらに速く時を刻んでいる。
　EU、韓国、日本との交渉では、米国が25％の自動車関税の維持に固執していることがネックになっていると報じられているが、トランプ大統領は最近、これらの国すべてと時間内に合意に達する見込みはないと述べ、一方的に関税をかけることになりそうだが、その関税が4月に発表された水準に戻るかどうかは不明だ。
　さらに問題を複雑にしているのは、7月と8月の期限というのが、4月9日の関税締め切りの場合と同じように、その日までに商品を原産地で積み込む必要があるという意味なのか、それともそれまでに商品が米国に到着していなければならないという意味なのかも不明なことで、後者の場合、これらの低関税枠は大幅に短縮されることになり、極東からの海上貨物は、7月9日までに到着するためには、来週か再来週のうちに移動しなければならない。
　4月上旬に米国が145％の対中関税を発動して以来、物量が大幅に減少していた中国～米国間の海上輸送需要が急増、これを受けて、船社は5月半ばに
1,000〜3,000ドル／FEUの一括運賃値上げ（GRI）を実施し、6月1日と15日にも同様のGRIを予定している。これが成功すれば、運賃水準は昨年7月に達成したアジア／北米西岸航路の2024年最高値にほぼ並ぶことになる。19日の時点で、太平洋航路のDailyスポット運賃はすでに東岸向けで約1,000ドル／FEU、西岸向けで400ドル／FEU上昇し、それぞれ約4,400ドル／FEU、約2,800ドル／FEUとなっている。
　需要の回復に伴い、船社は4月に休止したサービスや運休航路の復旧を急いでいるが、太平洋航路のコンテナ船やコンテナ機器の多くは、その間に他の航路にシフトしたため、現在、そのポジションを失っており、予約が回復するにつれて、中国での船腹不足やコンテナ不足を招いている。
　ひっ迫した船腹は、需要増と悪天候に起因する中国主要港の混雑や数日間の遅延とともに、コンテナ価格の上昇にもつながり、相互関税の猶予期間が近づくにつれ、荷主が輸送時間の短縮を選択するため、東岸向けよりも西岸向けの需要が高まり、運賃に上昇圧力がかかる可能性もある。
　過去6カ月間にすでに多くの海上貨物が前倒しで輸送され、中国の最低関税30％は米国の輸入業者にとって依然として大幅なコスト増となっていることから、一部専門家は、8月の期限を前に需要と運賃は回復するものの、急上昇はしないだろうと見ている。
　一方、米国小売業協会（NRF）のサプライチェーン担当副社長ジョナサン・ゴールド氏は、19日のウェビナーで、中国への関税が再び上昇することへの懸念と、多くの季節商品がまだ発注・移動できないことから、輸入業者は大幅な前倒しを再開するだろうとの見方を示した。
　昨年の今頃には、アジア／欧州航路のピークシーズンはすでに始まっており、荷主は、紅海の迂回航路の長期化に対応するため、ピークシーズンの発注を数カ月早めていたが、今年は迂回航路に利用がまだ実施されているにもかかわらず、同航路の需要はまだ回復していない。
　いずれにせよ、船社は6月のGRIを発表しており、欧州航路で約3,200ドル／FEU、地中海航路で約4,500ドル／FEUと、約1,000ドル／FEUの運賃引き上げを目指しているが、これは昨年6月の6,000〜7,000ドル／FEUの水準を大幅に下回る。この格差は、輸送能力の増加がこの航路の船社に与えている大きな課題を反映していると思われ、ここ数週間、欧州の多くのハブ港で続いている深刻な混雑は、まだ運賃の引き上げを後押ししていないが、一部の船腹が現太平洋航路へシフトしているとの報道があり、船腹が減少し、GRIを押し上げる一助となるかもしれない。

　日本の経団連にあたる韓国の全国経済人連合会（全経連）はこのほど、米トランプ政権が中国の海洋覇権を阻止するために打ち出した韓国などの同盟国と協力して商船、艦艇などの需要に対応し、国内投資誘致を通じて造船産業インフラを再構築する計画を受けた報告書をまとめ、LNG運搬船などの商船建造、海軍艦艇の保守・修理・オーバーホール（MRO）、次世代船協力など、事業性が確実な分野を選定し、米国との交渉を通じて参加方案を策定すべと提言した。
　トランプ大統領は4月9日、米国の海洋支配力回復行政命令（Restoring America's Maritime Dominance EO 14269)に署名。海事行動計画（Maritime Action Program）樹立、海事安全保障信託基金(Maritime Security Trust Fund創設、同盟国を通じた敵対国（船舶）依存度の減少、中国建造船舶・装備の制裁、米国籍商船の拡大などを骨子としたもので、2037年までに最大448隻の商船を発注する見通し。
　また、4月に米議会へ発議された造船・港湾インフラ法（SHIPS for America Act）は、米国国籍の戦略的商船隊（Strategic Commercial Fleet）を250隻まで増やし、2047年までにLNG輸出貨物の15%を米国で建造された船舶で輸送することを規定、米国海軍は2025年の軍艦退役、新造計画を通じて、今後30年間に合計364隻の艦艇を新造、また、今年1月、トランプ大統領は砕氷船40隻の発注方針を明らかにしている。
　全経連の報告書は、こうした米国政府の造船産業再建政策により、今後2037年までに商船、LNG運搬船、艦艇などを含め、403隻から448隻が発注されると予測、LNG運搬船、商船、軍艦、次世代船など分野別に差別化した対策が必要としている。
　LNG運搬船の場合、米国のLNG輸出増加で米国が新たに建造するLNG運搬船全体を米国内で建造することは現実的に難しいと予想されるが、中長期的な観点から韓国の造船企業が現地化を準備する必要があるとし、また、米国の戦略船隊は1万～12万5,000dwt型タンカー、1,000～6,000TEU型コンテナ船、5,000～6万5,000㎥型LPG運搬船など中型船がほとんどであるため、韓国の中堅造船業界の受注や事業拡大のための官民協力策の策定が必要だと付け加えた。
　一方、米海軍艦艇と関連し、戦闘用艦艇が先端兵器システムと連携しているため、MROと新造を早急に韓国に任せる可能性は低いと分析、MRO分野では、船体補修作業中心の作業で信頼を築いた後、徐々に船体改修プロジェクトの受注に拡大し、長期的に武器システムを含むメンテナンス事業に参加すべきだと提言している。
　次世代船に関しては、中・大型CO2運搬船、液体水素運搬船、無人自律運航船舶などの次世代船舶関連の先端技術を研究し、事業化するための韓米共同基金を設ける方法を検討する必要があると提案している。
　また、米国の造船産業生態系を再構築するためには、長期的に相当な投資を通じ、インフラ改善、生産性向上、人材補充などが伴わなければならないとし、まず、米国内の造船所の買収、関連資機材事業投資に対する補助金内容を具体化する必要があり、米国内の造船所の生産性向上策と韓国企業が買収した米国造船所の敷地、周辺インフラ整備策についても、両国政府が事前に協議すべきだとしている。
　特に、米国造船所の買収に伴う人員の移動で国内造船人員の不足が深刻化するのを防ぐため、長期的な国内造船産業の人材育成案も用意しなければならないと強調。短期的には、米国が建造した経験のないLNG運搬船、砕氷船などの一定量を国内で先に建造し、建造過程に米国現地法人の職員を参加させて教育を受けさせる方策を協議する必要があり、また、米国造船所で専門能力を保有している国内造船業界の退職者の雇用案も検討できるとしている。

　NIPPON EXPRESSホールディングス（NXHD）の25年12月期第1四半期（25年1～3月）の海外会社業績は、売上高が前年同期比6.5％増の2,365億円、セグメント利益が7.0％増の59億円だった。。
　第1四半期の業績をリージョン別にみると、米州は航空輸出が医薬品関連、自動車部品関連の荷動きが堅調で、取扱数量が増加した。海運輸出では、自動車部品のほか、食品、飼料関連も好調で取扱数量が増加。倉庫配送もアパレルが好調だった。自動車輸送では前年スポットの反動減や、不採算業務からの撤退影響などがあり売上高は6.2％減の347億円、セグメント利益が66.8％増の17億円となった。
　欧州では、航空輸出が鉄鋼関連の出荷が好調だったが、自動車部品関連の取り扱いは減少傾向で推移。販売運賃が前年から下落し、売上収益も減少した。海運輸出は大口顧客の取り扱いが軒並み低調に推移した。倉庫配送・自動車輸送ではハイファッション関連が低調に推移し、対前年取り扱い減となった。2月からSimon Hegeleが加わり、欧州全体では売上高は8.1％増の1,221億円、フォワーディング差益の減少やハイファッション関連の低調の影響が大きく、セグメント利益は43.6％減の17億円となった。
　東アジアでは、航空輸出が半導体関連や電機・電子関連が好調に推移し取扱数量が増加、売上収益も増加した。海運輸出はアパレル・生活雑貨関連の取扱数量が減少したものの、運賃は前年水準を上回ったため売上収益は増加。倉庫配送・自動車輸送関連は低調であったものの、昨年から推進している事業再編や機能統合の取り組み効果がコスト削減につながり、リージョン全体では売上高が11.3％増の415億円、セグメント利益が204.5％増の13億円だった。
　南アジア・オセアニアでは、航空輸出が自動車、半導体、電機・電子関連の荷動きが好調に推移し対前年取扱数量増。海運輸出は自動車や消費財関連顧客の取扱増、方面別では北米向けロングホールが増加、売上収益・数量ともに前年を上回った。倉庫配送もアパレル、消費財関連を中心に堅調に推移。リージョン全体で売上高が9.8％増の381億円、セグメント利益が11.2％増の11億円。

　NIPPON EXPRESSホールディングスは21日、日本通運の25年12月期第1四半期（25年1～3月）の海運事業業績を発表、輸出の売上高は前年同期比15.9％増の198億9,600万円と2ケタ増となったほか、輸入は5.1％増の140億2,300万円、国内・その他は4.9％増の149億2,700万円、合計の売上高が9.2％増の488億4,700万円だった。
　第1四半期（25年1～3月）の日本発輸出NVOCC数量は0.4％増の5万3,280TEU、うち米州向けが5.8％減の8,975TEU、欧州向けが15.7％減の4,432TEU、東アジア向けが9.6％増の2万3,537TEU、南アジアオセアニア向けが5.1％減の1万6,336TEUとなった。産業別では、産業機械・電機関連が5～10％増、東アジアエリアの数量の伸びが顕著だった。
　第1四半期の日本向け輸入NVOCC数量は1.5％減の4万9,701TEU、米州、南アジア・オセアニア発輸入は前年同期比増加も、欧州、東アジア発は減少した。前期（24年4Q）比では微増、24年3Qから続いていた減少傾向が若干改善した。海運扱いの通関件数は前年同期比2.7％減の4万2,500件、前期比では5.5％減と件数の伸び悩みは続いている。
　第1四半期の港湾事業売上高は3.5％増の166億2,000万円、コンテナターミナル業務は、既存の日韓・日中航路などがスケジュール遅延などで調整・抜港の影響で減少、第1四半期で前年同期比6.8％の数量減となった。

　NIPPON EXPRESSホールディングスは21日、日本通運の航空事業25年12月期第1四半期（25年1～3月）の業績を発表、売上高は輸出が前年同期比16.1％増の299億3,900万円と増収、輸入は10.2％増の80億7,200万円とともに2ケタ増となり、国内その他が2.3％増の176億1,300万円、全体では10.5％増の556億2,500万円と2ケタ増収となった。
　第1四半期の輸出重量は1.6％増の4万7,974トン、輸入件数は1.2％増の9万843件だった。第1四半期の輸出をエリア別にみると、米州は、序盤で米中西部向けに自動車関連のスポット品がまとまったものの、中盤以降は前年好調だった半導体関連の需要が収束したことを受け、反動減の状況が続いた。欧州は中盤まで一部自動車関連のスポットを除き全体で需要は弱含みだった。終盤になってベネルクス向けに自動車の大型スポットがまとまり、エリア全体の重量を大きく押し上げた。東アジアは台湾向けに期を通して半導体関連を中心に旺盛な需要が続いた。中国・香港は旧正月の前年とのずれの影響で序盤に重量を落としたものの、中盤以降は電機・電子関連を中心に荷動きが回復した。南アジアの序盤は弱含みだったものの、中盤から終盤にかけては、自動車、半導体、電機・電子関連等を中心にエリア全体で緩やかな増加基調になった。
　輸入の第1四半期の件数は長期的な景気の低迷が続く中、各月で小幅な増減を経て、期計では前年同期比で微増となった。一方で前年第4四半期比較では微減だった。全体では商材別・荷主別に異なる状況があったものの、市況は一定の改善が継続した。一部電子機器関連で新機種発売に関連した需要が続いた。自動車関連も一部で新型モデルに関連した出荷が継続したが、全体では低調に推移した。半導体は、生成AI関連の需要好調が続いたが、伸び悩む荷主もあった。生鮮品はサーモンをはじめ、農水産・畜産品の需要が比較的好調だった。一般消費財はインバウンド向けの需要が一巡し、収束基調となった。

　海外の海事メディアによると、ベルギー港湾は全国的なストの影響で再び稼働ひっ迫の危機に直面していると伝えている。
ベルギーでは、ベルギー労働総同盟(ABVV）、社会主義労働組合（ACOD）による3月以来、デウェーフェル政権による緊縮財政・改革策に対する反対のため、公共部門でのストが発生しており、今回3回目となるストを決行しインフラ部門への影響が顕在化している。
　特にアントワープ-ブルージュ港では、20日現在、港湾混在が深刻化しており、沖待ち船が14隻、また出港遅延船が11隻にまで増大、内航、舟運も港湾の稼働率低下を受け、制限を受けており、タグサービスも稼働率が約70％まで低下している。

　Hapag-Lloyd（独）は6月中旬から、欧州／米州東岸航路のCarribean Express Service （CES）を改編し、カルタヘナ（コロンビア）に追加寄港、ロッテルダム、コウセドを抜港する。
　新CESは、6月11日カルタヘナ入港の"Cape Sble"（2,700TEU、Voy.523N）から、アントワープ～フェリクストウ～ハンブルク～アントワープ～セントジョン～フィラデルフィア～ポートエバーグレーズ～サンタマルタ～プエルトリモン～カルタヘナ～アントワープのローテーションで定曜日ウィークリーサービスする。
　また同社はカリブ海域内航路のGulf Caribbean Service（GCS）、Gulf Bridge（GC2）の2サービスを改編する。
　新GCSは、6月3日アルタミラ入港の"Little Symphony"（1,781TEU、Voy.2523）から、アルタミラ～ベラクルツ～プエルトバリオス～プエルトコルテス～カルタヘナ～コウセド～サンフアン～アルタミラのローテーションでウィークリーサービスする。
　新GC2は、6月6日プエルトバリオス発"Scorpius"（2,526TEU、Voy.2522）から、プエルトリモン～プエルトバリオス～プエルトコルテス～カルタヘナ～プエルトリモンの新ローテーションとなる。

　米国港湾局協会（AAPA）は19日、米通商代表部（USTR）が通商法301条に基づき提案した中国製ガントリークレーンに対する100%の追加関税措置に対して反対を表明した。AAPAでは、この措置で米国港湾が約67億ドルの追加費用を負担することなると試算している。
　AAPAによると現在、米国の港湾局が発注済みのガントリークレーン55基のうち、44基が中国製で、今後10年間で151基の購入が必要で、このうち121基が中国製になる見込みで、こうした状況のもと、AAPAはガントリークレーンやその他物流費を押し上げる物品に対する追加関税に反対の立場を堅持するとしている。

　タイ国鉄（SRT）は15日、首都バンコク東部に位置するラッカバン内陸コンテナ基地（ICD）に400億バーツ（約1,756億円）を投資、官民連携（PPP）事業として開発することを承認した。ラッカバンICDの改修工事は2019年に入札が始まって以来、交渉が停滞していたが、今年後半に契約締結を確認した。6月までに運輸省に提出することを目指しており、タマサート大学が実施した最新のFS（事業化可能性調査）では、運営権の期間を18年から20年に延長することを推奨、これはプロジェクトの財務的な実行可能性を向上させ、SRTにとってより強力なリターンを確保することを目的としたもの。
　今回の決定は、1月17日の閣議決定を受けたもので、SRTはプロジェクトを加速させ、現在の経済状況を反映させるために調査を修正するよう命じられた。プロジェクトを落札したALG Joint Venture（タイ）は、長期間の遅れにもかかわらず、プロジェクトを進める用意があることを表明しており、新たな契約交渉を進める。

　日本の海上保安庁にあたるマレーシア海上法令執行庁（Malaysian Maritime Enforcement Agency：MMEA）は20日、許可なく違法停泊していたMSC（スイスが運航するコンテナ船"MSC OLIA"（3,760TEU、写真）を拘束し、船長と機関士を尋問のために移送中と発表した。MMEAによると、同船には最大2万3,000ドルの罰金と2年の懲役刑が科せられる可能性がある。同船は、ポートクラン港に停泊中という。
　MMEAの地域管制センターが現地時間16日午前9時20分頃、コンテナ船の移動を捉え、午後1時20分に当該船舶が停泊していることを確認し、海上パトロール船を派遣した。MMEAは当該船舶の写真を公開したが、船名は伏せていた。業界ではこのコンテナ船がリベリア船籍の"MSC OLIA"と一致すると見ており、同船はジャカルタを出港し、17日にシンガポールに到着する予定だった。
　MMEAは同船に乗船している23人の船員の身分証明書を確認し、船長が停泊許可書を提出しなかった事実も確認した。
　マレーシアは厳しい海上取り締まりで知られており、特に、自国領海がイラン産原油を不法に船舶間で積み替える場所として利用されているとし、取り締まりをさらに強化している。関係者は以前はそのまま済ませることができた停泊案件だが、最近ではMMEAが法令違反の事実が明らかになれば、すぐに拘束して処罰手続きに入るとし、船社に注意を促している。

　欧州のターミナルグループ、Eurokaiグループの今年第1四半期（1～3月）の総コンテナ取扱量は11.0％増の325万4,228TEUと2ケタのプラスになった。
　ターミナル別では、ドイツのハンブルク港が14.4％増の53万2,830TEU、ブレーメルハーフェン港は7.1％増の120万1,549TEU、ウィルヘルムスハーフェン港は102.2％増の27万3,602TEUで、ドイツ全体では16.5％増の200万7,981TEUだった。
　子会社のContship Italiaを通じてイタリアで運営するターミナルは、ラスペチア港が1.0％増の24万7,514TEU、サレルノ港は4.7％増の9万3,856TEU、ラベンナ港も20.4％増の4万9,505TEUで、イタリア全体では4.0％増の39万875TEUだった。
　またモロッコのタンジール港は2.2％増の75万1,208TEU、キプロスのリマソル港も7.4％増の10万4,164TEUと全てのターミナルで前年超えになった。

　PSA Singaporeは、米国の関税政策による企業の出荷前倒しに伴う業務需要の急増に対応するため、2025年に港湾の最前線業務、情報技術、データサイエンス業務を担当するスタッフを約2,500人増員する計画を打ち出した。
　シンガポールのチー・ホン・タット運輸相は16日、4月9日から90日間、東南アジアからの輸入品に対する米国の関税が停止されたことで、潜在的な関税引き上げ圧力を回避するため、早期出荷の機会を利用するようになった結果、シンガポール港の貨物需要が短期的にピークに達したと述べた。
　こうした動きに対応、人材プールと技能訓練を強化することで、PSAは効率的なオペレーションを維持しながら、サプライチェーン全体の可視性と対応力をさらに高め、世界の顧客により良い信頼性の高い港湾サービスを提供したいと考えだ。
　PSAは2024年にコンテナ取扱量が4,110万TEUを達成、2023年の3,900万TEUを上回り過去最多を記録した。今年1～4月累計のコンテナ取扱量は1,420万TEUで前年同期比6.1％増となり、今年も過去最高の処理量を更新する見通し。
トゥアス港の11バースからなる第1期の操業は順調に進んでおり、今後も拡張が進められている（今年末までに1バース、2026年までに4バース、2027年までに2バースを新設）。 港の完成は2040年代で、処理能力は6,500万TEUに達し、パシル・パンジャン・ターミナルが自動荷役、AGV（自動搬送車）、5G IoTなどのインテリジェント化を継続的に推進していることと相まって、ハード、ソフトの両面で大幅に強化されている。

　高雄港のコンテナターミナル、Kaohsiung Container Terminal 5（T5）にこのほど、中国の上海振華重工集団（ZPMC）製ガントリークレーン4基が到着した。
　T5は2023年までEvergreenグループ（台湾）が開発・運営を手掛けており、EvergreenがターミナルをT7へ移転するとともに従来のガントリークレーンも移設したため、新たにT5の運営権を獲得したWan Hai Line（台湾）が現在、ターミナルを全面改修し、2026年年初の稼働開始をめざしている。T5のターミナル面積は40ha、バース79～81を抱え、400m岸壁と南東の450m岸壁の合計850mの岸壁をもち、Wan Haiは3億台湾ドルを投入し、ターミナルを全面改修しており、工事完了後の年間コンテナ処理能力は200万TEUになる。
　新クレーンは年末までにが稼働をテストし、バース79に設置予定で、アウトリーチ66.5m、吊り上げ高さ50.0m、16,000TEUマキシネオパナマックス型船の荷役に対応できる。

　ワシントン州・シアトル港、タコマ港で構成するNorthwest Seaport Alliance（NWSA）における4月の総コンテナ取扱量は前年同月比7.4％増の27万7,828TEUで、うち外貿の実入り輸入が8.8％増の10万5,370TEU、輸出は1.7％減の5万3,558TEU、空コンの輸入は43.5％減の4,111TEU、輸出は33.0％増の5万345TEUだった。また内貿は3.6％増の6万4,444TEUだった。
　1～4月の総コンテナ取扱量は前年同期比15.9％増の111万396TEUで、うち外貿の実入り輸入が21.7％増の42万8,265TEU、輸出は0.5％減の20万9,712TEU、空コンの輸入は18.6％減の2万2,828TEU、輸出は53.8％増の21万8,363TEUだった。内貿は2.5％増の23万1,229TEUだった。

　PanStar Group（韓国）は新造クルーズフェリー"Sanstar Miracle"（写真）を6月5日に浦項迎日湾港を出発し、京都府北部の舞鶴港と鳥取県西部の境港に寄港する3泊4日の特別クルーズを実施する。
　同船は韓国の大鮮造船で建造、2万2,000gt、長さ171m、幅25.4mで、102の客室に乗客を最大355人収容、コンテナ250TEU余りも積載でき、4月13日から釜山／大阪航路に就航している。韓国と日本の観光地を結ぶ国際クルーズ運航も計画、4月21日に浦項市と「迎日湾港クルーズ観光産業活性化業務協定」を締結し、年間4回以上迎日湾港を母港としたり、寄港する不定期クルーズを運航することにしたもの。
　今回のクルーズは、6月5日午後7時30分に迎日湾港を出港し、6日に舞鶴、7日に境港に寄港した後、8日午前迎日湾港に戻る。乗客は2カ所で下船し、現地の有名観光地を巡りながら、郷土料理やショッピングなどを楽しむことができる。
　舞鶴では、体験型水産物市場「とれとれセンター」を見学した後、1時間ほど離れた宮津に移動し、日本三大絶景のひとつである「天橋立ビューランド」の展望台、水の上の町と呼ばれる京都の水上家屋「舟屋」などを訪れる。
　境港では、10万本の牡丹や黒松、岩などが絶景をなす庭園「遊園地」、美しい堀に囲まれた「松江城」、妖怪漫画の巨匠・水木しげるの作品に登場する様々な妖怪をかたどった銅像が並ぶショッピング街「水木しげるロード」などに立ち寄る。

　日本郵船グループで、化学技術関連の研究開発や化学製品の開発・製造・販売を手がける日本油化工業は8月10日から、日本企業で初となる船舶向けバイオディーゼル燃料用酸化防止剤「BioxiGuard」（バイオキシガード）を販売する。
　バイオ燃料は穀物や廃食油をはじめとした多様な原材料から生成するが、従来の石油燃料に比べて酸素と反応しやすい不飽和脂肪酸を多く含み、酸化しやすい特徴があるため、酸化劣化したバイオ燃料は、酸性物質やスラッジの発生、発熱量の低下による燃費の悪化を引き起こし、酸化劣化の防止が重要となっている。
　バイオキシガードは、日本郵船の運航船が使用したバイオ燃料の性状分析などをもとに、日本油化工業が開発したもので、バイオ燃料へ添加することで、酸化安定性を向上させ、酸化劣化の進行を遅らせる。また、燃料の酸化劣化によるトラブル（金属腐食やストレーナ閉塞、清浄機汚損）を防止し、発熱量の低下に伴う燃費の悪化防止に寄与するという。
　実際に日本油化工業の研究所で実施した実験では、同製品を添加したことで、添加しない時と比べ、バイオ燃料の劣化速度が約半減したという。

　日本船舶海洋工学会は21日、日本で建造した話題の船舶から、技術的・芸術的・社会的に優れた船を選考するシップ・オブ・ザ・イヤー2024の受賞船舶を発表し、「シップ・オブ・ザ・イヤー 2024」には、水素燃料電池、リチウムイオン電池、バイオディーゼル燃料から動作モードを選択して航行できる世界でも例のないシステムを搭載した内航旅客船"HANARIA"を、また技術特別賞には世界初の商用アンモニア燃料タグボートの"魁"（さきがけ）が選ばれた。
　"HANARIA"は内航船のカーボンニュートラル化に貢献するための、ゼロエミッション船の先駆けとなる日本初の旅客船で、本瓦造船が設計・建造し商船三井テクノトレードが保有している。全長29.7m、幅10.0m、旅客103人が乗船でき、3種の動作モードを選択して航行でき、旧来の化石燃料船と比較してCO2排出量の53～100％削減を実現している。
　16日に開催した選考委員会では、"HANARIA"が次世代の舶用燃料としてみなされている水素を燃料とした燃料電池によって電気を起こし、さらにバッテリー、バイオ燃料エンジンも搭載した野心的な小型客船を高く評価、さらに、旅客を乗せる客船である点が、社会に船の重要性を広くアピールするのに役立つとされ、 全会一致でシップ・オブ・ザ・イヤーの受賞が決まった。
　また、"魁"は船舶技術者からなる予備審査委員会から技術特別賞に推薦され、全会一致で承認した。
　"魁"は、日本郵船、IHI原動機、日本海事協会（ClassNK）が共同で開発に着手し、新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）のグリーンイノベーション基金（GI基金）事業に公募採択を受けて、元々日本初のLNG燃料タグボートとして2015年に竣工しシップ・オブ・ザ・イヤー技術特別賞を受賞した船を、このほどアンモニア燃料対応に改造したもので、2024年8月に世界初の商用アンモニア燃料船として竣工した。現在は、東京湾を中心に曳航作業に従事しており、燃料アンモニアの社会実装の先駆けとして活躍をしている。
　選考委員会では、改造船の応募についての意見交換があり、持続可能性の観点で、大規模な改造をして新たな役割を船舶に与えることの意義をシップ・オブ・ザ・イヤーとしては大事にすべきとの意見が大勢を占めたという。
　その他部門賞には、小型客船部門に双胴型旅客船"まほろば"、小型貨物船部門は石灰石専用船"下北丸"、漁船・調査船部門には捕鯨母船"関鯨丸"が選ばれた。
　授賞式は7月18日に都内で開催予定。

　商船三井は16日、国際海事機関（IMO）が制定した毎年5月18日の国際海事女性デーに合わせ、16日に初めて女性船員向けオンラインイベントを開催した。
　同イベントは、女性船員の貢献を認識し、グループのインハウス船舶管理会社、配乗会社や今年新たに設置したウェルフェアオフィサーとのトークセッションを通じ、女性船員を取り巻く環境や課題への理解を深め、女性船員が安心して活躍することができる職場環境づくりにつなげることを目的として実施した。
　当日は日本の総合海運会社では初の女性船長となる、商船三井の松下船長をはじめ、女性船員や女性キャデットなど合計70人が参加し、国際海事女性デーを祝った。
　トークセッションでは船員を目指した背景や実体験の共有や意見交換した。また商船三井は、乗船前ブリーフィングやメンタルケア、生理用品の支給など女性船員の船上生活環境改善やサポート体制の構築に取り組んでいることを共有した。

　ANAグループは、25年6月1日から適用する国際線貨物の燃油特別付加運賃（燃油サーチャージ）を改定する。
　指標となるシンガポールケロシンの25年4月の1カ月平均が1バレルあたり80.68米ドルとなったため変更するもので、新サーチャージは、長距離（北米、欧州、中東、オセアニア向け）が71円（現行78円）、遠距離アジア（シンガポール、タイ、ベトナム、インドネシアなど向け）が62円（同67円）、近距離アジア（韓国、中国、フィリピンなど向け）が54円（同58円）となる。

　中国民用航空局（CAAC）が発表した4月の民間航空による総貨物量は、前年同期比16.8％増の79.9万トンで27カ月連続のプラス、3カ月連続の2ケタ増と好調が持続している。
　内訳は国内線が10.2％増の44.7万トン、うち香港・マカオ・台湾線は10.2％増の1.5万トン、国際線が26.3％の力強い伸びで35.3万トンと22カ月連続で2ケタ増を維持した。全体の貨物に占める国際貨物のシェアは44.2％で前年同月から1.4ポイント上昇、eコマース需要の増大が国際貨物の伸びを押し上げている。
　空港取り扱い貨物量は前年同月比11.6％の2ケタ増で173.2万トン。地域別では、上海や広州の大空港が含まれる東部地区の取扱量が前年同月比8.5％増の118.9万トンで全体の68.6％を占めた。次いで西部地区が13.7％増の27.4万トン、中部地区は30.9％の大幅増で22.6万トン、東北地区が1.5％増の4.9万トンだった。

　キャセイパシフィック航空の4月貨物輸送実績は、前年同月比13.6％増の13万3,398トンで28カ月連続のプラスとなった。需要（有償貨物トンキロ：RFTK）の伸びが6.8％だったのに対してキャパシティ（有効貨物トンキロ：AFTK）が8.9％増加したためロードファクターは1.1ポイントの落ち込みで58.3％となった。
　同社によると、4月の貨物量は前月に比べて10.4％のマイナスとなったが、例年3月は期末の需要がピークになることや、今年は米国の関税引き上げ前の駆け込み需要などあったためで、4月は北アジア発の半導体機器輸出が順調に伸び続け、そのほか欧州発香港向けの特需もあり、堅調な需要の伸びが持続した。
　1～4月累計の貨物量は前年同期比12.4％増の53万2,483トンだった。

　東京港開港記念祝賀会が20日、東京のTKPガーデンシティ浜松町で開催、同祝賀会実行委員会会長の丸山英聡東京都港湾振興協会会長（写真左）は冒頭のあいさつで「港機能の強化、ふ頭の整備、再編、AIをはじめとした最新技術をツールとして活用、効率化や利便化を進めていく。加えて、カーボンニュートラルなどの環境問題があるが、この三つの課題に皆様と取り組んでいきたいと考えている」と述べた。
　また来賓を代表してあいさつに立った、東京都の田中彰港湾局長（写真中）は「長年にわたり築き上げてきた関係者の皆様との連携、連帯感は、なにものにもまさる財産だ。東京を取り巻く社会・経済状況は劇的に変化してきている。こういった情勢を踏まえ、今年3月、「Tokyo Container Vision 2050」を策定した。東京港がユーザーに選ばれ、国際競争力が高く使いやすい港に進化し続けるため、新規ふ頭の整備や既存ふ頭のリニューアルなど、実効性のある施策を推進していく考えだ」と語った。
　一方、乾杯のあいさつに立った、東京港埠頭の服部浩社長（写真右）は「われわれの生活は東京港が支えているのだが、それを認識している方が残念ながら少ない。私どもとしては、もっとピーアールして、東京港を利用する、東京港で働く方々から、選ばれる港にしていきたい」と述べた。
　また同祝賀会の前に、永年にわたり東京港の発展に尽力した方々に対して、東京都知事感謝状を贈呈、東京港港湾功労者は同祝賀会にも出席した。

　日本物流団体連合会（物流連）は16日、都内で「第3回障がい者活躍推進ワーキングチーム」を開催した。
　同ワーキングチームは、物流業界の人材不足などの課題解決へ向けたダイバーシティ推進と企業の社会的責任(CSR)として、今後ますます障がい者の活躍の推進が望まれるため、物流業界における障がい者雇用の現状と課題を調査し、対応策などを検討するもので、会員企業・団体から16人がワーキングチーム委員として参加している。
　今回は、オンラインを含めて23人が参加し、事務局により3月から実施している、障がい者の活躍推進へ向けた先進的な取り組みを行っている会員企業5社への個別ヒアリング調査について、その経過報告として3社の調査結果を共有し、意見交換した。
　会合では、対象企業それぞれの障がい者雇用の方針や従事する業務内容の違い、また障がい者に期待する役割の違いなどを示し、出席した委員全員で、各社が抱えている課題や今後の障がい者活躍推進に向けたヒントとなり得る取り組みなどについて意見交換した。

　SGホールディングスは、同社子会社のSG Holdings Global Pte. Ltd.を通じて、台湾に拠点を置くMorrison Express Worldwide Corporationの全株式を、20日に取得した。
　SGHDは、2030年に向けて、「Grow the new Story. 新しい物流で、新しい社会を、共に育む。」というSGHビジョン2030を掲げ、ありたい姿として「お客さまおよび社会において、必要不可欠な存在(＝インフラ)であり続けること」と定義している。2025年4月から中期経営計画「SGH Story 2027」をスタートし、「トータルロジスティクスの高度化とグローバル物流の基盤拡大」を基本方針として、重点戦略に取り組んでいる。
　グローバル物流では、同社グループのExpolanka Holdingsがアパレル・日用雑貨の海上フレイトフォワーディングに強みを持ち、事業を展開している。一方でMorrisonは、電子部品・半導体の航空フレイトフォワーディング事業に強みがあり、両社の強みを掛け合わせ、新規顧客の獲得、海上・航空それぞれのノウハウを生かした調達、事業展開エリアの拡大などのシナジー創出が期待できることから、同社グループの企業価値向上に大きく寄与するものと判断し、同社株式の取得を決定した。
　2月の発表当初は7月1日の株式取得を予定していたが、両社が前向きに取り組んだことで、20日に全株式の取得が完了した。

　三井化学は20日、山九と協業しマレーシアのポートクラン港に海上コンテナ輸送のハブ機能を置き、4月から本格運用を開始したと発表した（写真）。この新たな海外物流拠点は、コンテナ長期蔵置機能だけでなく、貨物をデバンニング（コンテナを開けてから貨物を荷下ろしすること）して倉庫に保管したのちに第3国へ再輸出する機能もあり、一般品だけなく、化学産業にとって重要な、危険品や温度管理品のコンテナ長期蔵置、保管、再輸出も可能なため、今後の東南アジア・インド・欧州地区の様々なニーズやマーケットの変化にも柔軟に対応可能という。
　国際海上コンテナ輸送は、ウクライナ情勢の影響や欧州港湾におけるストライキの頻発に加え、物流人材不足による物流機能の停滞、北米港湾及び内陸輸送の混雑など、不確実性・不安定性が増大することが懸念されている。
　こうした環境のもと、2022年12月、国土交通省は、国際物流の多元化・強靱化を図る観点から、従来の輸送手段・ルートを代替または補完する輸送手段・ルートについて実証輸送を公募し、その有効性を検証すると発表。実証輸送の対象とする輸送手段・ルート、参加事業者には33件の応募があり、12件が選定、そのうちの1件が、山九の日本と欧州の経路上に位置するマレーシアのポートクラン港を中継拠点とした輸送・保管サービスの実証実験。
　三井化学は荷主としてこの実証実験に参加し、山九とともに、従来の日本の顧客向けの製品配送をメインとした海外物流拠点ではなく、主に日本からインド・中東・欧州向け輸出の「中継貿易拠点」としての機能と輸送ルートを開発、今年4月から国際海上コンテナ輸送のハブ機能として本格運用を開始したもの。

　米国のVizion TradeViewデータによると、5月に入り、世界貿易は関税の変動、政策の変更、継続的な調達調整による圧力に直面し続け、米国の輸入コンテナ貨物の船積み予約（ブッキング）は大幅に増加しており、5月第3週（5月12日～18日）は4月第5週（4月28日〜5月4日）に比べ、48.5%増の47万9,771TEU、うち中国から米国への輸入船積み予約は157.6%増の27万8,818TEUへ急増した。
　中国から米国への輸入を品目別にみると、家具（HS 94）は5月第3週に3万728TEUと、2週間前のわずか6,695TEUから358%増加、玩具・スポーツ用品（HS 95）は3,845TEUから1万4,574TEUに約280％増、水産物（HS03）および植物（HS06）の総輸入量は少ないが、水産物は406％、生きた植物は506％増も急増した。
　また、有機化学品（HS 29）は302TEUから1,128TEUへ273%増、プラスチック（HS 39）は2,334TEUから13,954TEUへ497%増、鉄鋼製品（HS 73）は1,446TEUから6,471TEUへ347％増、機械類（HS 84）は2,095TEUから1万177TEUへ385％増となった。
　コンテナ貨物の船積み予約はサプライチェーンの活動に関する最も早いシグナルの一つであり、週次トラッキングはかつてないほど重要となっている中、Vizion TradeViewプラットフォームでは、毎日何百万もの世界のTEUあたりの船積み予約を捕捉し、船舶が出発する前に市場のセンチメントを先読みするレンズを提供している。グラフは中国→米国デイリーブッキング推移。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、日本通運は、積み替え施設「NX Transit ポート」を活用し、トラック輸送とNXグループが運航する内航船“ひまわり”を組み合わせたモーダルコンビネーションサービス「NX Truck & Sea」を23日から開始する。
　「NX Truck & Sea」は、苫小牧港・東京港・博多港に設置した積み替え施設「NX Transit ポート」を活用し、顧客によってトラックなどで持ち込まれた貨物を海上コンテナや13mトレーラーに積み替え、“ひまわり”で海上輸送の後、配送先まで配達する。長距離トラックの確保が不要となり、労働力不足の解消やBCP対策、さらにはCO2排出量削減にも貢献する輸送ソリューションとなる。また、災害時に発生した輸送障害区間の回避が可能となり、BCP対策として有効であるとともに、非常に高い定時運航率を誇り、安定的な貨物輸送が可能となる。また積み替え施設の「NX Transit ポート」は、屋根付きのため、雨天でも積み替え作業が可能だ。さらにNXグループ独自コンテナである鉄道・海上双方で使用可能なRSVコンテナを利用することで、積み替え不要で鉄道への接続も可能となる。

　韓国からの報道によると、海運造船業の復興を推進しているインド政府が8,500億ルピー（1兆4,951億円）の予算で、2040年までに112隻のタンカーを建造する計画を打ちだしたことを受け、韓国のHD現代重工業、サムスン重工業や中堅のK造船（旧STX造船海洋）などの造船会社が受注に期待をかけている。
　インド政府は昨年、新しい国営船社を立ち上げ、今後10年間に商船を1,000隻以上増やすという野心的な計画を発表した。
　インドは世界第3位の原油輸入国で、原油精製能力は2030年までに現在の2億5,000万トンから4億5,000万トンに増加すると予想される。しかし、自国のタンカー船隊が不足、自国で建造したタンカーの割合を現在の5%から2047年までに7%、2047年までに69%に引き上げる目標を掲げている。
　計画の第1段階では79隻のタンカーを発注する計画で、このうち30隻は45,000～55,000dwt型のMR型プロダクト船を予定。新造船の建造は、自国の造船業者を優先的に考慮し、海外企業とのパートナーシップも認める方針だ。これはインドの造船能力があまりにも貧弱であるため、これまでに建造した船舶も9万3,000dwtパナマックスタンカーが最大型で、インド政府は特に、韓国および日本の造船所との協力を期待、すでにK造船はすでにインド側と協議を進めている。
　また、HD現代重工はすでにインドの国営コチン造船所とタミルナドゥ州の港湾都市ツチコリンにVLCCの建造が可能な合弁造船所の設立を協議しており、サムスン重工も日本の船主とインドの造船所で新造船を建造する計画について話し合ったという。
　一方、設計エンジニアリング会社KOMACは、グジャラート州カンドラ港の造船クラスター建設事業の入札に参加、インド企業と設計協力の覚書（MoU）を締結している。

　アントニオ・グテーレス国連事務総長は20日、安全保障理事会で、海洋安全保障を維持するための「基本的条件」は、すべての国が国際法を尊重することであると述べた。「海洋安全保障なくして、グローバルな安全保障はありえない」としたうえで、 世界の海は、伝統的な脅威と新たな脅威の両方から、ますます緊張を強いられており、国境をめぐる争い、海洋資源の枯渇、地政学的な緊張の高まりといった課題から、「どの地域も免れることはできない」と強調した。
　問題はさらに悪化していると付け加え、紅海でのフーシ派による商船への攻撃、アデン湾と地中海での人身売買、ギニア湾での無数の犯罪をとりあげ、こうした脅威やその他の脅威に直面し、世界の海上航路とそれに依存する人々は明確な「SOS」を発信している」と述べ、「3つの重要な分野」、すなわち国際法の尊重、海洋不安の根本原因への対処、そして「あらゆるレベルでのパートナーシップ」の構築における行動を促した。また、フランスのニースで開催される2025年国連海洋会議が「世界各国が行動を起こす重要な機会となる」と指摘し、次のように強調し、「海洋に対する脅威が高まるにつれ、海洋の安全保障はますます重要になっている」と指摘した。

　Evergreen（台湾）が6月下旬からアジア／インド航路でChina-India Express Service 8（CIX8）と称する新サービスを開始する。
　CIX8には青島6月22-23日寄港を第1船に5,500TEU型コンテナ船6隻を投入し、青島（土／日）～厦門（水／木）～南沙（土／日）～ダーチャンベイ（日／月）～ポートクラン（West、土／日）～コロンボ（木／日）～ナバシェバ（月／火）～ムンドラ（水／木）～ポートクラン（West、金／木）～青島のローテーションで定曜日ウイークリーサービスを展開する。トランジットタイムは青島からコロンボまで18日、ナバシェバまで22日、ムンドラまで24日となる。

　OOCL（香港）は先週、華南／インドネシア航路で新たにChina-Indonesia3（CIP3）を開始した。
　CIP3は、CMA CGMグループ（仏）のアジア域内専業船社、CNC（シンガポール）が同航路で2,200～2,500TEU型3隻を投入しサービスしているCS2のスロットを借り、先週から南沙～ジャカルタ～スラバヤ～南沙のローテーションで定曜日ウィークリーサービスを開始した。
　CNCは今月からCS2のサービスを開始したばかりで、単独運航により5月13日蛇口出港船から蛇口～南沙～ジャカルタ～セマラン～スラバヤ～シンガポール～ポートクラン～蛇口のローテーションで定曜日ウィークリーサービスを開始した。

　米通商代表部（USTR）が造船市場における中国の競争に対抗するため、中国船に課する入港手数料措置の後、米連邦海事委員会（FMC）は21日、船舶の旗国に関する一部の外国政府の法律、規制、慣行が米国の対外貿易に不利な輸送条件をもたらしていないかどうかを確認するため、輸送分野で非司法的な調査を開始すると発表した。
　FMCでは、特に船舶運航、国際貿易、国際法、国家安全保障に関する専門知識や経験を有する個人および団体からの意見提出を希望、そのような意見提出者の例としては、他の政府、国際機関、基準設定機関、船主、船社、荷主、労働団体などをあげている。
　FMCは、外国の法律や慣行が不利な海運条件を引き起こしている場合などには包括的な調査を実施し、強力な執行措置を講じる権限をもっている。

　北米複合一貫輸送協会（IANA）がまとめた4月の総インターモーダル輸送量は155万9,593本で、前年同月比7.1％の増加となった。トレーラーは22.5％減の3万7,392本と減少が続き、国内コンテナは70万7,015本で6.2％の増加、トレーラーと国内コンテナを合わせた国内機器全体は74万4,407本で4.3％増。国際コンテナは81万5,186本で、9.8%増加した。
　1～4月累計のインターモダル総輸送量は611万4,443本で前年同期比6.5％増加、うちトレーラーは19.3％減の15万5,449本、国内コンテナは281万2,767本で5.8％増、国内機器全体では4.1％増の296万8,216本、国際コンテナは314万6,227本で8.8％の増加だった。
　IANAが発表した「Intermodal Quarterly」によると、第1四半期（1～3月）の総インターモーダル輸送は455万4,850本で、前年同期比6.3％増となり、8四半期連続の減少から6四半期連続の増加となった。
　うち国内コンテナは210万5,752本で5.6％増、トレーラーは11万8,057本で18.2％減となり、国内機器全体は222万3,809本で4.0％増加。また、国際コンテナは233万1,041本で8.5％増加した。
　IANAでは、関税措置を回避するために輸入が急増し、消費活動の潜在的な鈍化を示唆する兆候と相まって１Qは不確実性と不安定性の独特な期間と呼ばれる中で、増加がもたらされたと指摘した。さらに心強いことに、1Qの雇用者数は過去4四半期を上回る高い伸びを示し、失業率も歴史的な低水準を維持し、経済の主要な構成要素も堅調だったとしている。

　トルコ最大のコンテナ船主であるArkas Holdingsはこのほど、中国船舶集団（CSSC）傘下の中船黄埔文冲船舶（CSSC Huangpu Wenchong Shipbuilding）と1隻あたり約5,000万米ドルで4+2隻の3,100TEU型コンテナ船の建造契約を締結した（写真）。オプション2隻が建造が決まれば、6隻の総船価は3億米ドルに達し、2028年に引き渡される予定だ。
　今回の建造契約で、Arkas Holdingの黄埔文冲への新造船発注は12隻（オプション含む）、総船価は6億6,000万米ドルとなり、2016年以来初めてとなる大規模な船隊更新計画を推進することになる。
　Arkasは昨年、が8年ぶりに新造船市場に復帰、黄浦文冲に4,300TEU型コンテナ船6隻を1隻あたり約6,000万米ドル、総額3億6,000万米ドルで発注している。今回発注した3,100TEU型は、環境に配慮した設計コンセプトが取り入れられており、オプション分は今年後半に発注する予定だ。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、NX国際物流（中国）有限公司（NX中国）は、上海市と江蘇省連雲港市で、2月21日を発効日として、医薬品の航空と海上輸送フォワーディング業務に関するGDP（Good Distribution Practice）認証を取得した。
　NX中国は、急速に拡大する医薬品市場に対応し、品質基準に則った高品質かつ均一な医薬品物流サービスを提供するため、2022年にヘルスケア支店を開設した。今回、より多くの顧客に高品質な医薬品物流サービスを提供するため、同支店の2拠点でGDP認証を取得した。
　連雲港は中国有数の医薬品企業集積地で、特に海上輸送で現地港から直接出荷が可能な地理的優位性を持っている。今回のGDP認証取得で、医薬品輸送における厳格なセキュリティ基準を満たした航空・海上輸送フォワーディング業務の提供が可能となった。両拠点の地理的優位性とGDP認証取得による品質保証体制の確立により、中国国内のみならずグローバルな医薬品サプライチェーンにおける競争力を強化し、安全かつ効率的な医薬品輸送を実現していく方針だ。
　NXグループは、現在世界24の国と地域、計37拠点でGDP認証を取得しており、さらなるGDPネットワークの拡大に向けて取り組んでいる。

　鴻池運輸は、2028年3月期に売上高4,100億円、営業利益260億円、営業利益率6.3％、ROE10％以上、海外営業利益33億円を目指す中期経営計画2027（2026年3月期～2028年3月期）を策定した。
　同中計では、「成長投資と人・技術・ICTへの基盤投資で、従業員の幸せと企業価値の最大化を実現する」として、海外事業ではインド、北中米の注力地域の成長を加速、国内事業ではメディカル・空港分野の強化と、複合ソリューションを含む物流3領域（一般・定温・戦略アカウント物流）の戦略を進め成長を加速する。加えて、既存事業分野での保全・メンテナンス領域の拡大、生産性向上と事業モデル変革、事業継続性評価による収益構造の変革など事業構造の改革を進める。
　海外事業については、28年3月期に海外売上高780億円、営業利益33億円、31年3月に海外売上高1,000億円、営業利益60億円を目指す。インドでは、FSNL Private Ltd.を基盤にした鉄鋼関連事業の拡大、エンジニアリング事業開発の調査、研究を進めるとともに、鉄道事業の収益安定化、南部インドでの物流事業参入の調査、研究を進める。インドの売上高は25年3月期の53億円から、28年3月期に210億円、31年3月期に300億円を目指す。一方、北中米では、ロサンゼルスにおける冷凍冷蔵事業を段階的に増床し、売上高100億円の達成を目指す。梱包＋物流＋エンジニアリングの複合ソリューションモデルを構築する方針で、北中米の売上高は25年3月期の126億円から28年3月期に190億円、31年3月期に200億円に拡大する計画だ。

　トレードワルツは日本製鉄と日鉄物流が貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」の利用を開始したと発表した。
　日本の貿易実務は未だ人による書類の受け渡しや、メール・PDFによる情報伝達に依存するアナログな仕組みが色濃く残っている。海外企業との競争を勝ち抜いていくには、印刷した書類の情報をデジタルに置き換え、業務の平準化や効率化を追求していく必要がある。また1社単独でのDXの取り組みにも限界があり、セキュアされた構造化データの活用により、企業間の取引におけるデータ連携などの必要性が高まっている。今回、日本製鉄と日鉄物流は構造化データ連携による業務効率化や課題改善のために「TradeWaltz」を利用するとしている。

　阪神国際港湾は15日、京都大学からの依頼に基づき、タイ王国のチュラロンコーン大学の学生を受け入れ、「海上物流の概要」と「神戸港の海上視察」を提供した。
　参加したのは、チュラロンコーン大学・大学院（ロジスティクス＆サプライチェーンマネジメント・プログラム）の42人と、京都大学/京都ビジネスリサーチセンター（KBRC）の3人。

　山九の海外現地法人山九インドネシア国際は、2024年8月から2025年2月にかけて、インドネシア南スラウェシ州マカッサル市でマングローブの苗木3,000本を植林した。
　同活動は、世界マングローブデーと山九インドネシア設立50周年を記念し、現地のNPO法人KEHATI財団とともに植林、海洋保全財団のYKL、マングローブ生態系を管理する地元の沿岸コミュニティグループも協力した。2024年12月時点で同社が植林した苗木の90％が順調に育成していることを確認している。マングローブ林は、高いCO2吸収・貯蔵能力を持つことから、気候変動問題の緩和策としての効果が見込まれている。加えて、さまざまな海洋生物の育成・繁殖地となり生物多様性の保全に寄与することで、周辺地域に豊富な水産資源をもたらし、周辺地域の経済的な自立を支えることが期待できる。

　コンテナや荷役機器の販売などを手がけるEFインターナショナル（EFI）の横浜本社に、このほどフィンランドの荷役機器メーカー、KalmarのSami Niiranen CEO（写真左）らが訪問した。
　EFIはKalmar製品の日本総代理店を務めており、EFIの中尾治美社長（写真右）らは初来日したNiiranen CEOらと、今後の日本における市場戦略や製品の展開について意見交換し、いっそうのパートナーシップを強化について議論した。
　EFIは4月、上海で開催したKalmar Asiaのディーラー会議に参加し、KalmarからBreakthrough Award賞を受賞しており、今回Niiranen CEOらがEFIの本社で授賞式を開催した。
　EFIの中尾治美社長は「同賞の受賞を大変光栄に思い、またEFIに対する大きな期待を感じた。引き続き、Kalmar製品のリーチスタッカー, 大型フォークリフト、ターミナルトラクターなどの優れた製品を日本の顧客に使って喜んでもらえるよう、EFI一丸となって頑張っていきたい」と述べた。

　日本マテリアルフロー研究センター（JMFI）が主催する「アジア・シームレス物流フォーラム2025」が22日に都内で開幕し2日間にわたり、物流・マテハン業界を中心に71社・団体がブースを出展、また官庁や企業の代表者、専門家らによる約50のセミナー開催する。
　開会式でJMFIの大橋進会長（写真左から4人目）は「JMFIは設立当初から、アジア善隣物流を標榜し活動を進めてきた。その趣旨に賛同し、出展してくれた企業に御礼申し上げる。同フォーラムは、アジア圏において、ものを滞りなく輸送するため各社・各団体の取り組みを紹介するもので、あわせてセミナーも開催する。フォーラムが来場者に新たな発見と実りあるものとなることを、また物流業界の全体の一層の発展に寄与できることを願っている」と挨拶した。
　またフォーラム企画実行会の須貝竜生委員長（日清製粉ウェルナロジスティクス部部長、写真左端）は「世界的に紛争、自然災害、保護貿易の台頭などによる混乱、また国内では物流の24年問題など、日本を取り巻く物流環境は非常に多くの課題に直面し、ビジネスでは守りの意識が強くなりがちだ。だが、見方を変えれば、我々は世界経済をけん引するアジアの一員として、この大きなうねりは攻めに転じる大きなチャンスでもあるのではないかと思う。フォーラムのテーマは「アジア善隣物流」で、協働、協創により物流の革新を一歩前進させることを目指しており、物流のDX、BCP、24年問題、物流人材の確保まで、幅広くカバーしつつコンパクトにまとめている。フォーラムが来場者にとり新たな挑戦のきっかけとなることを願っている」と述べた。
　また来賓代表として国土交通省物流・自動車局物流政策課課長の紺野博行氏と経済産業省経済産業省　商務・サービスグループ消費・流通政策課長兼物流企画室長兼キャッシュレス推進室長の平林孝之氏が登壇し、紺野氏は国交省として日本のサプライチェーンのASEAN諸国向け海外展開を支援していく方針を表明、また平林氏は24年問題が今後もさらに継続・深刻化する中、フォーラムやセミナーを通じて多くの人に認識され、考えを変える契機になることを期待すると挨拶した。

　JFEスチールは21日、船舶用液体アンモニアタンク向けの低温用鋼板の累計受注量が5万トンに達したと発表した。IMO・IGCコードに準拠し、日本海事協会が認定するアンモニア仕様鋼板の製造を2020年に開始して以降、船舶向けを中心に需要が拡大している。
　同社は倉敷・福山・京浜の3カ所の厚板工場で製造体制を構築。独自のTMCP（熱加工制御）技術を適用し、大入熱溶接や溶接後熱処理仕様など多様な用途に対応する鋼板を提供、液化されたアンモニアによる応力腐食割れへの対策が求められる中、同製品が物流インフラ構築の一環として採用されている。
　アンモニアはCO2を排出しない燃料として注目されており、貯蔵・輸送用の鋼材需要が高まっている中、今後、造船分野に加え、エネルギー分野への拡販も視野に入れ、GX（グリーントランスフォーメーション）を見据えた供給体制を強化する。

　神戸市港湾局が発表した25年3月の神戸港の外貿コンテナ取扱個数（速報値）は、外貿全体（実入り空・輸出入合計）で前年同月比2.5％減の18万5,144TEUだった。
　3月の外貿コンテナ取扱個数のうち、輸出は4.2％増の10万3,192TEUと好調も、輸入は9.7％減の8万1,952TEUだった。
　また1～3月累計では、外貿コンテナの輸出は前年同期比2.1％増の27万4,096TEU、輸入が5.0％減の23万1,146TEU、合計で1.3％減の50万5,241TEUだった。

　日新は、同社が開発・提供するデジタルフォワーディングサービス「Forward ONE」で、英語表示画面の提供を開始した。
　これにより海外のユーザーも利用できるようになり、24年6月にリリースした「作業進捗管理・本船動静トラッキング機能」を国内外の関係者間で共有することで、輸出入業務のさらなる効率化に貢献する。同対応はForward ONEの海外展開・海外ユーザーの利用拡大を見据えた第一歩と位置付けており、現時点では一部の機能（本船動静のトラッキング、書類授受、チャット機能）を英語表示画面で利用できる。今後は英語表示画面に対応する機能を段階的に拡張し、また、同社海外現地法人との連携を強化することで、同社が国際輸送事業を提供している幅広い国や地域でForward ONE活用の本格化を目指す。
　今後は、海外対応にとどまらず、CO2排出量の比較・算出機能や、他国発の見積機能、AIを活用した業務支援機能など、高付加価値機能の開発を進めていく。

　三菱倉庫は、タイの不動産デベロッパーSena Development Public Co., Ltd.と共同出資で、バンコク近郊の物流施設の開発事業に取り組む。
　同プロジェクトは、同社として初の海外不動産開発案件であるとともに、開発後の施設を長期保有せず一定期間の運用を経て資産を売却、次の物件への再投資することで、資産・資本効率の向上を図る資産回転型ビジネスモデルの一環となる。
　同プロジェクト「バンナKM23プロジェクト」は、Senaとの合弁会社Sena MLC 1 Co., Ltd.を設立、総事業費約30億円（三菱倉庫出資比率49％）でバンコク近郊のサムットプラカーン県に延べ床面積約2万5,000m2の物流施設を建設するもので、2026年1月着工予定で、2026年12月に竣工予定だ。
　開発地は、バンコクから東に約23kmのバンナーエリアに位置し、スワンナプーム国際空港からは約20km、バンコクとタイ東部の主要都市を結ぶバンナ・トラッドロードに近接し、バンコク市内への配送拠点として優れた立地だ。また、タイ政府が経済特区開発を進め、物流需要の増加が予測できる「東部経済回廊（EEC）」へのアクセスも良好で、周辺エリアには日系企業も多く進出している。

　フェデックスはこのほど同社の世界各地の航空ハブおよびランプで国際航空運送協会（IATA）の医薬品航空輸送の認証プログラムCEIV Pharma（the Center of Excellence for Independent Validators in Pharmaceutical Logistics）を取得したと発表した。
　CEIV Pharmaは医薬品が製造から患者の手元に届くまで一貫して品質管理を維持するための認証で、同社は24年に本社があるメンフィス（テネシー州）とインディアナポリスの貨物ハブおよびプエルトリコのサンファンとアグアディラのランプで取得、今年は米国（ロサンゼルス、オークランド、フォートワース、グリーンズボロ、マイアミ、ニューアーク）、欧州（ケルン、フランクフルト、リエージュ、ミラノ、パリ）、日本（大阪）、中国（広州）、中米（サンホセ、サント・ドミンゴ）などの主要15都市のハブも追加取得、同社が取り扱うヘルスケア商品の90％以上がCEIV Pharmaの認証取得施設で取り扱われることになる。

　アムステルダム・スキポール空港の4月貨物取扱量は、インバウンドが前年同月比0.7％増の6万1,367トン、アウトバウンドが1.0％増の5万5,327 トン、合計では0.8％増の11万6,695トンだった。
　地域別では、インバウンドはアジア発が17.1％増の2万5,926トンで全体の42％を占めた。次いで中東が2.8％増の1万472トン、中南米が8.0％増の7,766トン、北米が13.1％増の7,241トンで続いた。
　アウトバウンドはアジア向けが1.5％の小幅な伸びで1万9,929トン、北米が11.3％増の1万3,568トン、中東が12.1％増の9,741トン、中南米が22.8％増の4,351トンだった。
　旅客機のベリー貨物は前年同月より約7％増加、貨物機は便数が2％増えて1,218便となり、貨物量全体の貨物機とベリーの比率は55対45だった。

　日本航空（JAL）は6月1日から適用する日本発国際貨物の燃油サーチャージを国土交通省に申請した。
　基準となる25年4月のジェット燃料平均価格が1バレル当たり80.68米ドルだったため、燃油指標価格を「80.00以上85.00未満」とし、サーチャージ額は1kgあたり米州・欧州など遠距離路線で56円（5月62円）、アジア遠距離路線で34円（同37円）、アジア近距離路線で30円（同33円）に改訂する。

　東京税関が発表した羽田国際空港の4月国際貨物取扱量は、前年同月比9.2％増の5万9,895トンで2カ月連続のプラスとなった。積込量が5.8％増の3万227トンで、うち輸出が11.8％増の1万3,516トンの2ケタ増、28カ月連続のプラスと好調を持続、仮陸揚貨物も1.5％増の1万6,711トンで2カ月連続のプラスとなった。
　取卸量は12.8％増の2万9,668トンと29カ月連続のプラス、うち輸入が21.3％増と2カ月連続の2ケタ増で1万5,944トンとなり、25カ月連続でプラスを持続した。仮陸揚貨物は4.4％増の1万3,724トンで前月のマイナスからプラスに転じた。

　東京税関が発表した成田国際空港の4月国際貨物取扱量は16万3,346トン、前年同月比2.5％増で14カ月連続のプラスとなった。
　積込量が3.5％増の7万6,367トン、うち輸出が4.3％増の4万6,983トンで3カ月連続増、仮陸揚貨物も2.1％増の2万9,384トンと14カ月連続で前年同月の水準を上回った。
　取卸量は1.6％増と小幅な伸びで8万6,979トン、うち輸入が2.8％増の5万5,489トンで12カ月連続増、仮陸揚貨物は0.5％減の3万1,490トンで14カ月ぶりにマイナスに転じた。

　デンマークの海運調査会社、Sea-Intelligenceは、米中貿易協議の進展に伴う関税引き下げによる貨物の急増で、突然の船腹不足に対応、太平洋航路から他航路へ転配したコンテナ船を早急に戻し輸送能力を増強する必要に直面しているが、ピークシーズン貨物の短期需要に間に合わず、スポット運賃の急騰を予想している。
　5月10～11日の米中貿易協議で米国は中国に対し、違法薬物対策として20%、相互関税として125%、累計145%の追加関税を課していたのを14日までに相互関税の上乗せ税率115%のうち、当初の24％を90日間停止し、残りの91%を撤廃、一方、中国は米国に対し、125%の報復関税を課していたが、このうちの24%を90日間停止して10%を維持、残りの91%を撤廃しすることで合意した。
　船社は過去1カ月、以前の関税負担に関連する船積み予約の落ち込みに対応、太平洋航路の輸送能力を縮小してきたが、米国の輸入業者が90日停止期限である8月14日までにピークシーズンの商品を遅くとも7月中旬までに出荷を迫れる中、太平洋航路の5月12～7月21日の船腹量の平均値予測は2024年の水準を下回る傾向が続いていたものの、特に北米西岸航路は大幅な船腹増加が7月中旬以降となる一方、北米東岸航路は6月下旬から大幅な増加が見込まれ、荷主が追加関税の上乗せを回避するため出荷前出しを急ぐと、船腹拡大策も短期的な需要急増には間に合わない可能性があるとし指摘している。
　このシナリオでは、スペースが限られ、スポット運賃が急騰、また、船社が太平洋航路に早急にコンテナ船を投入せざるを得なくなり、サービスが中断、他のアジア発航路の輸送能力の減少につがなるとみている。

　国際・国内フェリーとRo/Ro船による輸送で実績のある関光汽船は、顧客ニーズに応えるため、新たに梱包事業を開始した。
　近年、同社には物流の上流工程にあたる梱包の手配を含めた一貫輸送サービスへの要望が高まっていたもので、これに対応する。同社が得意とするRo/Ro（Roll-on/Roll-off）荷役方式による高品質な輸送と、一貫した輸送手配によるリードタイムの短縮を強みに、半導体・液晶関連装置や産業機械などの輸出貨物を中心に梱包手配の取り込みを進める。
　新事業の拠点は、下関港湾地区内のフェリー接岸バースに隣接する場所に梱包作業場を設置。これにより、貨物の横持ちコストを削減し、梱包からバンニングまでを一貫して自社手配することで、さらなるリードタイムの短縮を図る。また、Ro/Ro荷役方式の特性を活かし、梱包仕様の変更による木材使用量の削減や輸送コスト削減といったカーボンニュートラルへの貢献も視野に入れる。航空機輸送やコンテナ船輸送で一般的な頑丈なケース梱包に対し、フェリー・Ro/Ro船輸送では貨物への振動や衝撃が少ないため、スキッド梱包などの簡易梱包への切り替えを提案していく方針だ。輸送先では、同社の海外現地法人が一貫して輸送を手配することで、品質と安全性を確保する。

　Ocean Network Express（ONE）はトルコ船社のArkas／EMESと提携、5月23日から新たに黒海とトルコを結ぶサービスを開始した。Greece Bulgaria Service（GBS）／Black Sea Tukey Service 1（BT1）を呼ぶサービスは、Arkasが”ROZA A”（1,445TEU）、ONEが”SINAR BUKITTIGGI”（1,528TEU）を投入し、ピレウス～アンバリ～ブルガス～バルナ～イズミット～ピレウスのローテーションで定曜日ウイークリーサービスを展開中。
　ONEはまた、昨年10月からArkas/EMESによるBlack Sea Turkey Service 2（BT2）のスロットを借り受けサービスに参画している。BT2はイスタンブール～ポチ～コンスタンツァ～イスタンブールの定曜日ウイークリーサービス。

　MSC（スイス）とZIM（イスラエル）は5月初めから休止している極東／北米東岸航路の2サービスのうち1サービスを再開する。Empire/Zim North Star（ZNS）は6航海を欠便したあと、青島6月14日起こしの”MSC BARBARA”（6,724TEU）から再開、6,600～8,500TEU型11隻を投入、青島～上海～寧波～ニューヨーク～ノーフォーク～ボルチモア～釜山～青島のローテーションで定曜日ウイークリーを展開する。
　一方、6,900～9,000TEU型11隻を投入、ブンタウ～厦門～塩田〜釜山～ラザロカルデナス～ヒューストン～モービル～タンパ～マイアミ～ブンタウのローテーションによる定曜日ウイークリーサービスのPelican/Zim South Lotus（ZSL）Serviceは依然としてサービス休止を続ける。

　韓国近海輸送協議会（KNFC）がまとめた日韓航路における今年1～4月累計のコンテナ輸送量はローカル、フィーダー、積み替え（T/S）貨物の往復航総合計で52万344TEUと前年同期比2.4%増加した。うち韓国出し輸出がが32万608TEUで10%増、日本への輸入が19万9,736TEUで7.8%減少した。
　往復航合計でローカル貨物は20万2,230TEUで2.2%増加、フィーダー貨物は6万6,132TEUで59.8%も急増した一方、T/S貨物は25万1,982TEUで6.3%減少した。

　Ocean Network Express（ONE）は6月中旬からスケジュールの安定化を図るため、日韓航路のJK1 Serviceを改編、東京寄港を休止するとともに、川崎に寄港する。
　JK1は”CONFIDENCE”（1,091TEU）を専用投入する定曜日ウイークリーサービスで、釜山6月12日、清水14日寄港の次航から、釜山（水／木）～清水（土）～川崎（日）～名古屋（月）～釜山の新ローテーションとなる。

　Drewry Maritime Research（英国）が22日に発表した太平洋航路、アジア／欧州航路、大西洋航路における主要8ルートの世界コンテナ運賃指数（WCI）は、2,276ドル／FEUと前週比2%上昇、2週連続でアップしたが、前年同期比では44%の下落だった。コロナ禍の最中、最高値を付けた2021年9月の10,377ドル／FEUを78%下回っているものの、2019年の平均運賃1,420ドル／FEUを60%上回り、年初からの平均は2,897ドル／FEUで、過去10年間の平均2,897ドル／FEUより174ドル低かった。
　先週のスポット運賃を航路別にみると、上海→ジェノアが前週比4%（99ドル）上昇し2,847ドル／FEU、上海→ニューヨークが4%（177ドル）上昇し4,527ドル／FEU、上海→ロサンゼルスが2%（61ドル）上昇し3,197ドル／FEU、ロサンゼルス→上海も1%（4ドル）上昇し713ドル／FEUとなった。
　また、上海→ロッテルダムは横ばいの2,030ドル／FEU、ロッテルダム→上海は横ばいの458ドル／FEU、ロッテルダム→ニューヨークは横ばいの1,952ドル／FEU、ニューヨーク→ロッテルダムも横ばいの825ドル／FEUと安定を維持した。
　Drewryでは米中貿易協議の進展を受け、中国出し北米向け貨物の船積み予約増加に対応するため、船社がコンテナ船隊を再編成していることから、今週のスポット運賃も上昇すると予想している。

　海外報道によると、Ocean Network Express（ONE）は韓国のHD現代重工業とLNG燃料16,000TEU型コンテナ船8+4隻の建造で詰めの商談を進めている。船価は推定で1隻あたり総額25億ドル。また、Hapag-Lloyd（独）も中国の造船所に発注を予定していた12,000TEU型12隻、16,000TEU型6～8隻を韓国の造船所に変更することで交渉を進めているという。トランプ米政権が造船業の復活と中国の海運、造船分野での支配的立場に対抗する動きを強める中、韓国の造船所への新造船発注を進めているもの。
　ONEは22年3月、約1億6,000万ドルでHD現代重工にメタノールとアンモニアを燃料に使用できる13,800TEU型コンテナ船5隻を発注、これまでに3隻の引き渡しを受け、残る2隻も今年6月と8月に引き渡しを受ける予定。
　一方、Hapag-Lloydは中国の江蘇新時代造船に9,200TEU型12隻、揚子江船業に16,800TEU型12隻を発注し、現在建造中で、24隻は2027年から2029年までに順次引き渡される予定だ。
加えて船台に余裕のある江蘇新時代造船と12,000TEU型、揚子江船業と1万6,000TEU型の建造商談を進めていた。
　新造船の船価は韓国造船所の提示額が中国の競合他社より大幅に高いにもかかわらず、Hapag-Lloydが米国の中国建造船へ港湾手数料の負担で中国造船所へ発注方針を変更したという。

　コンテナや荷役機器の販売などを手がけるEFインターナショナル（EFI）はこのほど、茨城県の常陸那珂港にフィンランドの荷役機器メーカー、Kalmar製リーチスタッカー、DRG450チルティングスプレッダーモデルを納入した。
　同リーチスタッカーは、スプレッダーを最大55度まで傾斜が可能で、バルクカーゴを効率的に排出でき、荷役作業の大幅なコストカットを実現する。
　EFIの中尾治美社長は「この角度までスプレッダーを傾斜できるリーチスタッカーはKalmar製のみで、そのチルティングスプレッダーが常陸那珂港で活躍する姿を見るのは大変誇らしく頼もしく思う。多くの顧客にその雄姿を見てもらいたいと期待している」と述べた。

　米オークランド港（米国）の4月のコンテナ取扱量は18万5,499TEUで前月から14.7％減少した。海運市場の不透明感と輸出需要の低迷、最近の米国の貿易政策変更の影響も、減速の一因となった。ただ、1〜4月累計のコンテナ取扱量は78万7,028TEUで、前年同期比4.3％の増加となった。
　4月の輸入コンテナは7万8,965TEUで、前年同月比4.8％増加したが、前月比では10.2％減少した。 オークランド港の輸入コンテナの45％は中国からのもので、4月初めに発表された新関税は、5月以降の輸入貨物に大きな影響を与えると予想される。
　4月の輸出コンテナは前年同月比4.2％減の6万4,723TEU）、うち実入りは3月の7万6,157TEUを15％下回り、輸出の減少は海運市況の不透明感が原因としている。 オークランド港の輸出のうち中国向けは7％に過ぎないが、追加関税や需要の変化に対する懸念など、海外市場の不確実性が農産物や食品の注文行動に影響を与えている。

　国土交通省によると、5月13～22日に国際海事機関（IMO）の第12回航行安全・無線通信・捜索救助小委員会（NCSR 12）が開催、船舶の新しい通信システムであるVHFデータ交換システム（VDES）の導入に向けた海上人命安全（SOLAS）条約の改正案などがとりまとめられたほか、新規格に基づいて作られた電子海図情報等の利用のための通信枠組みについて審議した。NCSRは船舶の航路指定、無線設備や航海機器の技術基準・搭載要件、捜索救助に関する国際的指針等について検討を行うMSCの下部小委員会。
　VDESは、船舶自動識別装置（AIS）の機能に加えて、船舶間で航路等情報の交換ができる特性を活かした航行の安全性向上が期待できるシステム。
　今会合では、VDESを現在搭載が義務付けられている　AISとの選択制とするSOLAS条約附属書第V章の改正案やVDESの性能基準案等が合意された。この改正案は、今後、上部委員会である海上安全委員会（MSC）による承認（今年6月予定）、採択（来年春予定）を経て、2028年1月1日から発効する見込み。
　また、水路データの新しい国際規格であるS-100には、その規格に基づき作られた電子海図情報（S-101）や潮汐情報（S-104）、航行警報（S-124）などがあり、これらの情報は、船舶に搭載される電子海図を表示する情報システム（ECDIS）にインターネット通信を通じて配信され、一つの画面上に重ねて表示することができ、利用者の利便性向上が期待されている。
　今会合では、S-100規格の活用にあたって必要となるインターネット通信の枠組みやサイバーセキュリティの確保に向けたガイダンスについて議論を開始。議論の中では特に、配信される様々な情報によるECDIS画面上の表示情報の多さや既存の海上安全情報との区別の観点から利用者に混乱をもたらすことがないようにすべきことで合意した。

　NXグループは、6月2～5日の4日間、ドイツ・ミュンヘンで開催の「Transport Logistic 2025」に出展する。
　「Transport Logistic」は2年に一度開催する、物流、モビリティ、IT、サプライチェーンマネジメントの分野における世界最大規模の展示会で、70以上の国と地域から、約2,500の出展者が参加し、最新の技術やトレンドを紹介する。今回NXグループは、NX欧州、cargo-partner、APC Logistics、MD Logistics、Simon Hegeleが合同で出展する。欧州を中心にグローバルでネットワークを拡大するNXグループの幅広い物流サービスを紹介する。同展示会はAm Messesee 2, 81829 Munich, Germanyで開催、NXグループのブースは、ホールA4、ブース319/420。
　NXグループの中東欧の主要ハブを活用した輸送や、医療・高度技術機器分野での専門物流、米国での医薬品や消費財のサプライチェーン対応など、幅広い物流ニーズに応える総合的なサービスを紹介する。また持続可能性をテーマとして掲げ、顧客のサステナビリティ経営に貢献する物流サービスを紹介、展示ブースには環境に配慮したデザインやエコフレンドリーな素材を採用している。さらに、ブースはNXグループの強みを示すキービジュアル「Anything to Anywhere」をコンセプトとしており、キービジュアルに登場する恐竜のモチーフも展示する。

　フィリピン港湾庁（PPA）は先週、バタンガス港の港湾料金16%値上げを承認した。値上げは今年7月1日発効で10%、2016年1月1日発効6%の2段階で実施する。承認された港湾料金の値上げ幅は、ターミナル会社のAsian Terminals Inc.（ATIとその子会社であるAsian Terminals Batangas（ATIB）が計画した16.55%よりわずかに低い。バタンガス港における前回の港湾料金値上げは2022年の10%だった。

　四日市港管理組合によると、25年3月の同港の外貿コンテナ取扱個数は、実入り空・輸出入合計で前年同月比4.5％減の1万3,813TEU、うち輸出が3.3％減の7,239TEU、輸入が5.8％減の6,574TEUだった。
　3月の実入りコンテナの輸出は3.5％減の6,409TEU、輸入が6,514TEUと6.1％増加、輸出入合計で1.1％増の1万2,923TEUだった。空コンテナは輸出入合計で47.1％減の890TEU。
　1～3月累計では、実入り空・輸出入合計で前年同期比6.8％減の3万7,975TEU、うち輸出が7.6％減の2万493TEU、輸入が5.9％減の1万7,482TEUだった。実入りコンテナの輸出は11.3％減の1万7,570TEU、輸入が4.2％減の1万6,539TEU、合計が8.0％減の3万4,109TEUだった。
　1～3月の国際フィーダーコンテナ取扱個数は前年同期比38.6％増の2,380TEU。1～3月実績を相手国別にみると、輸出ではベトナムが68.6％増の2,735TEU、台湾が6.5％増の2,410TEU、韓国が21.7％増の2,393TEU、中国が5.9％減の2,327TEU、タイは17.8％減の1,815TEUだった。
　輸入はフィリピンが11.0％増の3,252TEUと首位に躍進、中国が3,110TEUと4.2％増、インドネシアは7.9％減の2,279TEU、韓国が11.6％減の2,254TEU、タイが19.6％減の1,911TEUだった。

　商船三井は23日、LNG燃料新造大型原油タンカー （VLCC）を、出光タンカーとの長期用船契約に投入することを決定した。本船は長さ339.50m、深さ60.0m、30万9,000dwt型で、国内石油会社向けに定期用船される初のLNG二元燃料VLCC。川崎重工業が中国遠洋海運集団有限公司（COSCO Shipping Group）と共同運営している中国の大連中遠海運川崎船舶工程有限公司（DACKS）で建造、2027年に竣工する予定。

　鴻池運輸は、CO2排出量削減への取り組みの一環として、静岡県内のイオングローバルSCMの受託センター2拠点で、イオングループ店舗配送用に冷凍冷蔵器付きEVトラックを3台導入し、2025年1月から運用を開始していると発表した。
　KONOIKEグループではEVトラックの導入は初となる。今回導入したEVトラックは、車両総重量7.5トン、航続距離約120キロ、冷凍冷蔵器を搭載した小型トラックで、イオングローバルSCM受託センターとして運営する鴻池運輸の東海支店長泉流通センター営業所へ2台、袋井流通センター営業所へ1台配備している。鴻池運輸は「2030年ビジョン」の非財務目標の一つとしてCO2削減目標（2019年3月期比35％減）を掲げており、新たに策定した2026年3月期～2028年3月期の中期経営計画でも、3年間のCO2削減目標（同28％減）を設定している。今回のEVトラック導入のほか、鉄道輸送へのモーダルシフト推進や、幹線輸送の省人化・効率化を推進するNEXT Logistics Japanの取り組みへの参入など、さまざまな施策を通じて削減目標を達成していく方針だ。

　中国主要4空港の貨物取扱量は今年に入っても前年の流れを引き継いでプラス基調で推移しており、4月も堅調な伸びとなった。
　上海浦東は前年同月比8.1％増の32.8万トン、1〜4月の累計では前年同期比5.6％増の121.5万トン。今年1月に0.1％減とわずかながら落ち込んだが、これを除くと23年2月からプラス基調が続いている。
　広州白雲は4月が6.8％増の19.9万トン、1〜4月累計は2.8％増の76.2万トン。前年の11月から失速気味で今年第1四半期も1％台の伸びにとどまったが4月には再び上向いてきた。
　深圳宝安は17.3％増の16.8万トンで前年7月から10カ月連続の2ケタ増と4空港の中ではもっとも力強い伸び率を維持している。1〜4月累計で14.3％増の62.7万トンと唯一2ケタ増を達成した。
　北京首都は7.4％増の12.5万トンと今年2月を除けば23年後半から堅調な伸びが続いている。1〜4月累計では47.0万トン、2月に9.6％のマイナスになったことが響いて1.8％の伸びにとどまった。
　4空港が中国全空港に占めるシェアは1〜4月累計で46.7％、前年同期の47.8％から1.1ポイント縮小した。

　エティハド航空 （UAE）の25年第1四半期業績は、売上高が前年同期比15％増の66億UAEディルハム（AED、約2,577億円）、純利益が30％増の6.85億AED（約257億円）といずれも2ケタ増を達成した。旅客便キャパシティの増加で新たに16路線増えて合計80路線となり、それに伴う便数の拡大で旅客収入が16％増の55億AEDと2ケタの伸びとなり、加えてオペレーションの効率化が貢献し、過去最高益となった。
　貨物事業の売上高は9.58億AED（約374億円）で8％の増益、輸送貨物量は前年同期の16万トンから4％減の15.4万トンだった。

　米国の下院議会は23日（現地時間）、中国の世界の港湾に及ぼす影響力を厳しく監視し、最終的には米国がその影響力に対抗する戦略を策定するのに役立てる戦略港湾報告法案（Strategic Port Reporting Act、H.R. 1701）を可決した。共和党・ミシガン州選出のビル・ハイゼンガー下院議員が提出した「戦略的港湾報告法」は、国務省と国防総省に対し、中国が世界中の港湾に対する支配を拡大する計画を分析する調査を実施するよう求めるもの。上院議会にも同名の法案がテッド・バッド議員 (共和党・ノースカロライナ州選出)、リッチ・スコット議員(共和党・フロリダ州選出)、マーク・ケリー議員 (民主党・アリゾナ州選出)の超党派議員より今年2月に提出されている。
　昨年8月、同様の法案が超党派議員により上院議会に提出されたが否決、今年に入りトランプ政権下で、海運や造船の分野で独占的支配を強める中国に対抗する動きが高まる中、再び議会に提出された。
　法案は、国務省に対し、戦略港湾に関する調査を実施し、議会に報告書を提出するよう求めるもので、（1）中国または中国在住の外国人が所有、運営、または管理するすべての戦略港湾の詳細なリスト、（2）米国または米国人が所有、運営、または管理するすべての戦略港湾の詳細なリスト、(3)各戦略港湾に関連する国家安全保障および経済的利益の評価、(4)戦略港湾の支配権または所有権を得ようとする中国の行動の分析、(5)戦略港湾および海洋インフラを中国の支配から守るための行動方針などを盛り込んでいる。
　法案はまた、国務省に対し、軍事的、外交的、経済的、資源開発的な優位性を提供する能力を持つため、米国にとって重要な外国および国内の港湾の世界的なマッピングを作成し、議会に提供するよう求めている。

　中小企業基盤整備機構は、米国関税政策に関する中小企業への影響度についてアンケート調査し、輸出や海外取引している企業のうち、米国関税政策で影響があると回答した中小企業は43.0％という結果を発表した。
　また輸出・取引の対象国別にみると、米国だけではなく中国、第三国への輸出・取引にも影響が及んでいる。対米国で輸出・取引している企業において、「米国輸出・取引」に影響があるとの回答は45.1％、中国と輸出・取引している企業において、「中国輸出・取引」の影響は32.5％、第三国（米国、中国除く）と輸出・取引している企業において、「第三国（米国、中国除く）輸出・取引」の影響は22.0％。
　輸出・海外展開に関する課題は、「輸出・海外展開に対応できる社内人員体制が不十分である」が最多。必要な支援策は「販路開拓のサポート」、「補助金の活用」、「企業・技術マッチングのサポート」の順に多い。
　同調査は、4月23日から5月9日にかけて、Webアンケート方式で、全国の中小企業者　2,339者（中小企業基本法における中小・小規模企業の定義に基づく、ジェグテック登録企業）が回答した。ジェグテック（J-GoodTech）は、中小機構が運営する国内中小企業と大手企業・海外企業をつなぐビジネスマッチングサイト。国内中小企業2万8,000社、国内大手企業1,000社、海外企業9,000社が活用し、輸出・海外展開、新製品開発、共同開発、合弁会社設立など、年間1万2,000件マッチングしている。

　京浜海運貨物取扱同業会は23日、横浜市内のホテルで第78期定時総会を開催し、京浜港に於ける集荷、創貨、国際競争力の強化への取り組み、港湾電子化、国際規制による輸送の安全確保の取り組み、などの今年度の事業計画を承認した。
　総会後の懇親会で飯塚利信会長（内外日東社長、写真）は「継続課題としている集荷、創貨、国際競争力強化へ取り組み、京浜港を拠点とした海上貨物輸送の活性化に繋がる政策の実現、改正物流効率化法への対処を推進する」と述べ、特に「国際基幹航路中心の集荷に関わる取り組みについては京浜3港の優れた物流機能を活用し、積極的に対応する」として、「サイバーポートなど港湾のDX化についても昨年同様にセミナー開催、行政機関等との連携を図り、会員相互に港湾電子化の普及促進を進める」とした。また、「港湾運送事業に関係する各種法令や国際的規制への対応、労働災害防止活動への取り組み、京浜海貨機関紙の”いそしぎ”による広報活動など多岐にわたる取り組みを効果的にすすめるため、五つの委員会をを中心に、より工夫を凝らして取り組み、”行動する海貨”のスローガンの下、活動していく」と挨拶した。

　国土交通省は、港湾物流関係者一体でのサイバーポート導入モデルの形成に向けて、全国で初めて三島川之江港（愛媛県四国中央市）において、同港の主要4事業者が参加したトライアルを21日に開催、輸出入12件のコンテナの搬出入手続きを処理した。
　今後、同トライアルを踏まえ、三島川之江港における本格運用や全国への水平展開を進める予定だ。サイバーポートは、港湾全体の生産性向上に向けた取り組みを推進するため、国土交通省が保有・運用し、港湾物流や行政手続きなどの港湾関連手続きを電子化するデータプラットフォーム。1社での導入でも社内の情報連携の円滑化や輸出入申告の効率化などに貢献するが、事業者間の情報伝達や手続きに活用することでさらなる生産性の向上が可能になる。取引のある複数の事業者が一体となってサイバーポートを導入するような事例は、これまで出てきていない。今回、三島川之江港で、複数の事業者からサイバーポートの導入に関心を寄せたことをきっかけに、23年から、同港の関係者が参画した会議体を設置し、港湾物流関係者一体でのサイバーポート導入に向けた取り組みを推進してきた。
　三島川之江港で利用しているターミナルオペレーションシステムである「コンテナ台帳サービス」とサイバーポートとのシステム間連携を実装したことを踏まえ、同連携によるコンテナターミナルへの搬入・搬出やデマレージ料の問い合わせなどの業務効率化の効果を検証するため、三島川之江港の主要4者が参加したトライアルを開催した。今回のトライアルでは、一部改善が必要な個所（システム間の連携不備など）がみつかったものの、概ね予定通り手続きを完了した。今回の結果を受け、三島川之江港における本格運用に向けた取り組みを推進するとともに、三島川之江港の導入モデルの全国への水平展開を進める予定だ。

　米国のデータ会社、Descartes Datamyneが26日に発表した4月の日本発米国向け往航コンテナ輸送実績（荷受地ベース）は、前年同月比12.0％減の5万5,534TEUと2カ月ぶりのマイナスとなった。1～4月は前年同期比5.1％減の21万1,352TEUだった。
　日本発直航分は前年同期比20.1％減の3万5,335TEUと大幅に落ち込んだ一方、海外トランシップ（T/S）は6.9％増の2万199TEUになった
　T/S貨物のうち韓国T/Sは8.4％増の1万1,414TEU、一方、中国T/Sは16.0％増の4,762TEU、台湾T/Sは7.5％減の2,488TEU、シンガポールT/Sも37.0％減の580TEUだった。
　直航の港別は、東京が25.2％減の1万3,777TEU、名古屋が20.7％減の1万27TEU、神戸が11.4％減の7,706TEU、横浜は19.8％減の2,913TEU、清水は22.6％増の287EUだった。
　品目別では、1位の農機、建機などの機械類（HS84）が18.2％減の1万2,398TEU、2位の自動車関連（HS87）は24.4％減の1万926TEU、3位のゴム類（HS40）が7.7％増の7,002TEU、4位のプラスチック類（HS39）は14.5％減の5,950TEU、5位の電気類（HS85）は3.0％増の3,232TEUだった。
　日本発韓国経由T/Sの仕出し地別では、神戸が19.6％減の2,033TEU、博多は23.2％増の1,620TEU、名古屋が77.6％増の1,602TEU、東京は15.0％増の1,468TEU、横浜も18.3％増の1,123TEUと、首位の神戸を除き2ケタのプラスになった。
　また1～4月のアジア域内受け貨物の国別シェアは、中国のシェアが昨年平均比5ポイント減少、一方ベトナムなどがその分増加し、Datamyneは、米中関税が顕在化したものとしている。
　同時に発表した3月の米国発日本向け荷動き（最終仕向け地ベース）は、前年同月比32.1％増の7万1,291TEUと、7万TEU超えとなるのは、2021年5月以来3年10か月ぶりとなった。日本を含め、アジア主要諸国向けは30～80％増加しており米中関税政策の影響が出ていると見られる。
　米国発日本向けの直航分は4.3％増の4万5,995TEU、日本向けT/Sは156.1％増の2万5,296TEUで、うち韓国T/Sは59.0％増の8,557TEU、パナマT/Sは7182.8％増の2,112TEU、カナダT/Sは2101.5％増の5,834TEU、中国T/Sは874.3％増の2,582TEUといずれも大幅な伸びとなったが、台湾T/Sは0.5％減の2,725TEUだった。
　アジア域内主要10カ国向け国別TEUシェアは、中国が2カ月連続の減少となった一方、日本は3カ月連続の増加となっている。
　品目別では、首位の牧草・大豆など（HS12）が7.9％増の1万3,467TEU、2位の肉類が15.6％増の6,204TEU、また野菜・果実などの調製品（HS20）が急増し25.3％増の3,616TEUになり特にフライドポテト用の冷凍馬鈴薯が大きく増加した。

　HMM（韓国）は26日、6月から華北とインドネシアを結ぶNIS（North China Indonesia Service）と呼ぶ新サービスを開始すると発表した。既存のICS（Intra Asia Cross Network）Serviceに追加し、インドネシアサービスを強化、北米、欧州など基幹航路と連携し相乗効果をもたらすと期待している。
　NISはPIL（シンガポール）、X-Press Feeders（シンガポール）と協調、新港6月19日起こしから4,000～5,000TEU型コンテナ船5隻を投入、新港～青島～厦門～シンガポール～ジャカルタ～スラバヤ～シンガポール～新港のローテーションで定曜日ウイークリーサービスする。
　HMMでは既存の基幹航路サービスに加え、アフリカ、中東、地中海などの新規ネットワークを継続的に拡充していく計画だ。

　Hapag-Lloyd（独）は6月中旬～9月の機関、南アフリカから欧州。北米向けに柑橘類の輸送に特化した臨時サービス、Citrus Connectを展開する。今シーズンのCitrus Connect 2025はサービスをアップグレードし、コールドチェーンを完全に可視化したシームレスサービスを提供する。
　同サービスは南ア・ポートエリザベス、ダーバンから欧州、カナダへ毎週直航便を運航し迅速、透明性の高い輸送を提供するもので、週最大800本分のリーファーコンテナを輸送し、トランジットタイムは南アからオランダ、フリシンゲンまで25日、英国・ロンドンゲートウェイは31日、イタリア・リボルノ30日、ジェノア32日で輸送し、6月中旬の第25週からサービスを開始する。
　Citrus Connectは、専門の現地チーム、Hapag-Lloyd LIVEによるリーファー貨物の常時監視、庫内大気制御などを顧客にニーズに併せて提供し、柑橘類を最高の状態のまま輸送できるとしている。

　上海航運交易所（SSE）が23日に発表した中長期契約運賃の指標である中国輸出コンテナ運賃指数（CCFI）の総合指数（1998年1月1日＝1000）は1107.40と前週比0.2%上昇し3週連続で値下がりしたあと反騰、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）は1586.12と7.2%上昇し3週連続でアップした。
　先週のSCFIは 米中がは4月初旬以降に引き上げた関税率のうち、双方の24％分を90日間停止で合意したことに対応した中国発米国向け駆け込み出荷による輸送需要急増で、北米西岸航路が5.95％上昇し3,275ドル／FEU、北米東岸航路が5.28％上昇し4,284ドル／FEU、海運各社が欧州航路や地中海航路の一部コンテナ船を米国航路に戻したことで欧州航路は14.12%上昇し1,317ドル／TEU、地中海航路も11.82％上昇し2,328ドル／TEUへ急回復した。
　また、CCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が前週2.6%下落し1392.61、地中海航路は1.9下落し1804.82となった一方、北米西岸航路は3.6%上昇し908.14、北米東岸航路も2.9%上昇し992.52と上昇した。
　南北航路は中東ガルフ・紅海航路が5.2%上昇し1175.85となったが、豪州・NZ航路は2.6%下落し896.21、南米航路が1.7%下落し572.55となった一方、南アフリカ航路が1.2%下落し932.23、東・西アフリカ航路も0.2%上昇し850.06と全般的に値下がりした。
　アジア域内航路は東南アジア航路が3.4%下落し930.21と下落したが、韓国航路は6.7%上昇し507.58、日本航も4.1%上昇し1015.00と好調だった。

　イースタン・カーライナー（ECL）、川崎汽船、商船三井、日本郵船、Wallenius Wilhelmsen ASA、（ノルウェー）、日本海事協会（Class NK）が加盟する Global Ro-Ro Community（GRC）は26日、物流セクターにおける温室効果ガス（GHG）の削減を目指すオランダを拠点にし、貨物輸送セクターにおける気候変動対策のために世界的に活動するNPO法人｢Smart Freight Centre（SFC）｣の主導のもと、自動車専用船などのRo-Ro船におけるGHG排出原単位に関する算定ガイドラインを発表した。ガイドラインによって共通の算定方法を導入することで、荷主はScope3排出量（企業のサプライチェーン全体に関連する間接的な排出量）を正確に把握できるようになり、海運業界の脱炭素化をより一層促進する。
　近年、自社製品やサービスのライフサイクルを通じた炭素排出量（カーボンフットプリント）への関心が高まっているが、特に海上輸送におけるGHG排出量の正確な測定や、個別の算定方法によって生じる差異が問題となっている。
　加盟6者はSFCが主催する世界の自動車輸送能力の約80%を占める主要Ro/Ro事業者を中心に構成され、2024年4月に設立されたGRCに参加し、Ro／Ro船に関わるステークホルダー（海運会社、荷主）および第三者検証機関などによる公正性と透明性を確保した開かれた議論のもと、GHG排出量算定の標準モデルを策定した。この標準モデルは国際的な枠組みであるISO 14083およびGLEC（Global Logistics Emissions Council）フレームワークに準拠したもので、今年3月にアムステルダムで開催されたSFCの年次イベント（Smart Freight Week）で発表、GRCが提示した標準モデルをもとに、現在はSFCのウェブサイト上でガイドラインとして公開している。
　今後SFCは船舶単位での環境性能に関する実データ収集と業界としての高精度な平均排出原単位の公開を予定している。この取り組みは、グローバルな物流の脱炭素化に向けた業界横断的な第一歩を示すものであり、地球温暖化対策の推進に貢献する。