ニュースダイジェスト

　化学品物流のNRSは、7月1日付で台湾現地法人の台灣日陸物流（NRS Logistics Taiwan Co., Ltd.）が営業を開始したと発表した。
　同現地法人は、危険物倉庫、国内・国際輸送、ISOタンクコンテナとIBCなど輸送容器のリース・販売事業などを展開する。代表者は倉本広志氏。

　東海運は、経済産業省が公募していた24年度「貿易プラットフォーム活用による貿易手続デジタル化推進事業費補助金」（一次公募）で、同社を補助対象事業者に採択したと発表した。
　同補助金は、貿易プラットフォームの利用拡大による貿易円滑化と貿易コストの削減を目指し、貿易PFと利用企業の社内システムとの連携構築にかかる費用などの一部について補助を受けることで、事業者が効率的に貿易手続きができる環境を整備することを目的としている。今年度からスタートした東海運の26中期経営計画では、基本戦略として「ICT戦略の推進」を掲げており、業務効率化やサービスの充実に向けたさまざまな活動に取り組むとともに、損益目標達成と企業価値向上に貢献していく方針だ。

　物流向けロボティクスソリューションのラピュタロボティクス（東京都江東区）は、既に日本市場で複数社において採用が決定し、導入準備が進んでいる「ラピュタASRS」の米国市場での販売を開始する。
　ラピュタASRSは複数台のロボットを同時制御できるAIをはじめ、材質・工法の点で革新的な自動倉庫ソリューションで、ビジネスの状況に合わせて簡単に増減床ができる柔軟性とピッキング作業の生産性と在庫保管効率の向上を提供できる。
　この自動倉庫ソリューションは、大掛かりで導入のハードルが高い物流DXの分野で、柔軟で簡単に導入できるとともに、既存の倉庫オペレーションにシームレスに統合することが可能で、ダウンタイムを最小限に抑えながら投資対効果を最大化することができる。ラピュタASRSは、FRP（強化ガラス繊維プラスティック）のモジュラー構造により拡張柔軟性のある構造体であるとともに、一般的な作業や保管と比較して最大10倍の生産性と2.5倍の保管効率アップを図ることができる。また免振設計による堅牢性と、群制御AIや自動バッテリー交換システムなどの機能も持つ。

　不動産のヒューリックは、神奈川県相模原市で開発を進めてきた「ヒューリックロジスティクス橋本」が竣工したと発表した。
　同物件は、同社が首都圏の人口集積地に近接した立地で展開する「ヒューリックロジスティクス」シリーズの第4号物件。同施設は最寄駅のJR相模線・南橋本駅から徒歩4分と高い通勤利便性を有するとともに、周辺人口が豊富かつコンビニ至近と雇用確保に有利な立地。また国道16号・国道129号に至近で、圏央道・相模原愛川ICへ6.5km、相模原ICへ7kmとアクセスしやすく、幹線輸送に加え、東京西部・神奈川エリアへの広域アプローチが可能だ。建物は地上4階建て延べ床面積6万2,797m2の規模、1階と3階にトラックバースを設けたスロープ型で、1・2階、3・4階のメゾネット（最大4分割）での利用が可能で、TC（通過型）とDC（保管型）の両機能に対応可能だ。さらに空調設備やマテハン機器の追加設置も可能な電気容量を有し、幅広いニーズに対応可能だ。床荷重1.5トン/m2、梁下有効高5.5m、基本柱間隔12.2m×10.5mのワイドスパンを実現している。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、NXバングラデシュは6月10日、バングラデシュのダッカにある127番ジャンタル政府小学校で植樹活動に取り組んだ。
　バングラデシュでは、地球温暖化に加えて、工業化に伴う大気汚染や水質汚濁などの環境問題が深刻化している。このような状況の中、NXバングラデシュは企業の社会的責任 (CSR) に対する活動の一環として、ダッカ地区ナワブガニ・ウパジラにある127番ジャンタル政府小学校で、250本の苗木を植樹した。活動には従業員4人、生徒・教師215人が参加し、40本の苗木を校庭に植樹。残りの210本は生徒に配布、それぞれの自宅に植える予定だ。NXバングラデシュは今回の取り組みを通じて、生徒たちが環境保護の重要性の意識を高めるとともに、植樹した木々が地域の生態系保護や環境改善に貢献することを期待している。

　アオキトランスは29日付で東京支店を移転し、「京浜支店」に改称、併せて横浜事務所の名称を「京浜支店横浜事務所」に改称する。
　京浜支店：〒103-0001東京都中央区日本橋小伝馬町15-17、ASK日本橋ビル2階、電話：03-6661-7625、FAX：03-6661-7626

　カナダ労使関係委員会（CIRB）は7日（現地時間）、ブリティッシュ・コロンビア州の荷役作業全般を統括、監督するフォアマンの労働組合であるILWU Ship & Dock Foremen Local 514（ILWU Local 1514）が6日（現地時間）、DP World Canadaに対して通告した7月8日から72時間のストライキの無効を宣言したことで、差し迫った港湾ストの脅威は回避された。
　ブリティッシュ・コロンビア海事雇用主組合（BCMEA）が、ILWU Local 1514の作業停止を阻止するためにCIRBに緊急介入を要請したのを受け、CIRBがスト行動はカナダ労働法に反すると裁定し、取り消しを命じたもの。一方、BCMEAは7月9日からのロックアウト宣言を撤回した。
　カナダ西岸港湾労使交渉が暗礁に乗り上げ、昨年7月に7,400人の港湾労働者によるストで、バンクーバー港、プリンスルパート港を通過する貨物輸送がマヒし、推定100億カナダドル相当の貿易に被害が出た。
　今回のストで深刻なサプライチェーン混乱の繰り返しを見たくないカナダの産業界からの懸念に対応、CIRBは労使からの提案を検討した結果、組合が規約に違反してストを宣言または許可したと判断した。
　BCMEAはカナダ西岸諸港の安定を確保するためにこうした措置が必要だったことは残念だが、CIRBの決定の結果には満足している」とコメントした。
　未解決のDP Worldによる組合員の人員配置提案を巡りCIRBは8月6日から9日まで公聴会を続ける予定だが、それまでILWUとBCMEAの間の労使交渉は発表されていない。

　貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」を運営するトレードワルツと、コンテナ追跡サービス「MonCargo」を開発し物流業界の効率化を目指すMonCargoは、6月10日から両社サービスを連携した機能、「動静情報自動取得・更新機能」をリリースした。
　貿易立国として成長してきた日本の貿易実務者にとって、物流情報の把握は非常に重要な業務となっているが、物流情報を一元的に管理するためには多くの労力がかかり、他の業務もあるなかで、貿易実務者の負担は増加の一途を辿っている。そのため、より効率的に、かつ、簡易的に物流情報を把握・管理することを求める貿易実務者のニーズが高まっている。
　今回の連携で、あらかじめ動静情報を自動取得・更新したい商流の情報（船社名、BL番号など）をTradeWaltzに登録しておくだけで、MonCargoで一元的に取得したコンテナと本船動静情報を、TradeWaltzにデータ連携することが可能となる。
　貿易実務者は、MonCargoが自動取得した情報をTradeWaltz上で一元管理した動静情報として把握・閲覧することが可能となり、動静情報の取得・管理において、より効率的で簡易的に業務を処理することができるようになる。

　HMM（韓国）は9日、米国のJOC Piersデータを引用し、今年韓国に輸入したカリフォルニア産オレンジを同社が2,982TEU輸送、昨年に続き2年連続で1位を記録したと発表した。
　オレンジはリーファーコンテナで輸送される代表的な高付加価値貨物。特に太平洋を長期輸送するには鮮度を維持するための高度な輸送能力が必要で、HMMは、世界の一部船社のみが運用するUltra Freezer（マイナス60℃まで冷凍が可能な特殊コンテナ）を用い、最高水準の輸送能力を保有している。
　高価な温度管理が必要な貨物が多くなり、荷主からの運送情報提供要請も増える中、一部リーファーコンテナにIoT機器を取り付け、今年6月から韓国、米国、メキシコ、チリ、ペルーなど7カ国・10地域を対象にリアルタイムモニタリングサービスを開始、リーファーコンテナに取り付けられたIoT機器を介して貨物をリアルタイムで位置確認するのはもちろん、温度・湿度・酸素／二酸化炭素濃度などの詳細な情報を荷主にリアルタイムで提供している。
　HMMでは冷凍・冷蔵技術が発達し、輸入果物など市場の拡大が予想される中、リーファーコンテナなどを活用した高付加価値の貨物誘致と市場シェア拡大に積極的に乗り出す計画だ。

　Rhenus Logistics（独）は先月末、フランスの国際宅配サービス会社のGeopostから、子会社でフランスの物流会社、C Chez Vousの株式の15％を取得したと発表した。Rhenusはこれにより欧州市場におけるプレゼンスを強化、欧州15カ国でサービスを展開していく。
　C Chez Vousは2008年に設立し、2022年にGeopostが株式の過半数を取得し子会社化しており、フランス国内に400拠点、海外6カ国向け配送体制と重量60kg以上の貨物の宅配に特化したサービスをもち、今後はGeopostとRhenus傘下で独自ブランドのまま事業を展開する。
　Rhenusはこれによりフランス国内向け宅配市場サービスを強化するほか、重量物、長尺物に特化した物流サービスを獲得し、顧客により優良なサービスを提供するとしている。

　Asean Seas Line (ASL、香港）は南沙7月6日起こしで”CA Osaka”（1,182TEU）を専用投入、中国とマレーシアを結ぶChina-Port Klang/Malaysia(CPM）と称する新サービスを開始した。CPMは南沙～蛇口～ポートクラン～南沙のローテーションによる12日ターンのサービス。
　ASLは、2011年3月に設立、中国／東南アジア航路を中心に、日本では、サンキュウシッピングを総代理店に起用、主要港へも徐々にネットワークを広げており、日本では、サンキュウシッピングを総代理店に起用、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、博多と新港、青島に直行、ハイフォン、マニラ、ホーチミンに接続輸送している。

　Evergreen（台湾）が発表した6月の売上高は船腹不足による運賃上昇を要因に、422.83億台湾ドルと前月比101.23億台湾ドル（31.48%）の増収、前年同期の201.52億台湾ドル比べ91.06%もの大幅増収を記録した。1～6月累計の売上げ高は、1,948.96億台湾ドルで前年同期比606.84億台湾ドル（45.22%）の増収だった。Evergreenでは第3四半期（7～9月）に入っても、続く紅海危機の影響や欧米の経済回復で輸送需要が増加する中、運賃市況を楽観視している。

　日本郵船は2日、シンガポールの海事港湾庁（MPA）と海事産業の持続可能な発展を目指し覚書（MoU）を締結した。
　MOUにより、両者は今後、海事産業の持続可能な発展を目指した様々な取り組みで協力し、シンガポールの湾内で運航するバンカリング船なども含め、舶用燃料としてのクリーンなアンモニア燃料の促進、アンモニア燃料船に乗船する船員向けのトレーニングについて議論、その他の様々な各種バイオ燃料・合成燃料の利用促進などを進めていく。
　また両者は、知見の交換を行うとともに、シンガポールの海事人材育成、リーダーシッププログラムを含む人材育成トレーニングについても協業を模索するとしている。

　海外の海事メディアによると、中国とロシアは現在、北極海航路におけるコンテナ航路網の拡張に取り組んでいる。
　両国はこのほど、モスクワ／中国で新たな複合輸送サービス、Arctic Express No1を開設し、モスクワから白海沿岸のアルハリゲンスク港までコンテナを鉄道輸送し、同港でコンテナ船に積み替え、北極海航路で中国港湾まで輸送するもの。
　新サービスは全行程1万3,000km以上を20～25日で輸送し、全て北極海航路を経由する海上輸送サービスに比べ、トランジットタイムを1週間短縮できるという。
　ロシアによるウクライナ侵攻以後、両国間の貿易量は増加し、2023年の貿易額は前年比3％増の2兆400億ドルに拡大した。
　一方で両国間の物流インフラは需要に対しては不十分な状態で、北極海航路の拡大も有力な物流路の一つとして注目し、Ice Silk Roadと銘打ち、中国船社のHainan Yangpu Newnew Shippingは北極海航路のレギュラーサービスを開始し、7月までに14便を運航している。
　また同社とロシアで砕氷船などを運航するRosatomは先月、砕氷コンテナ船5隻を建造し投入する契約を締結している。

　韓国海洋振興公社（KOBC）が8日に発表した先週の釜山港を基準とする韓国型コンテナ運賃指数（KCCI：KOBC Container Composite Index）は、西アフリカ航路を除き上昇し、総合指数は5135と前週に比べ7.47%上昇し、12週連続でアップした。
　KCCIは釜山港発北米、欧州など13航路の各地域別の主要港湾向けスポット運賃（THCなど含む）のFEUあたりの航路別指数と総合指数で構成、航路別指数は荷動き量などを反映して算出、一方で総合指数は航路別運賃指数を加重平均して算出している。
　航路別にみると、東西航路は北米西岸航路が前週比8.56%上昇し7,851ドル／FEU、北米東岸航路が13.17%上昇し9,664ドル／FEU、欧州航路が9.66%上昇し8,221ドル／FEU、地中海航路も4.73%上昇し7,834ドル／FEUとなった。
　南北航路は中東航路が2.31%上昇し4,471ドル／FEU、豪州航路が0.72%上昇し2,802ドル／FEU、南米東岸航路が5.88%上昇し9,332ドル／FEU、南米西岸航路が1.11%上昇し7,618ドル／FEU、南アフリカ航路が1.35%上昇し7,938ドル／FEUとなったが、西アフリカ航路は5.43%下落し7,898ドル／FEUと唯一不調だった。
　アジア域内航路は、中国航路が8.33%上昇し52ドル／FEU、日本航路が4.60%上昇し250ドル／FEU、東南アジア航路は31.51%上昇し1,369ドル／FEUと好調だった。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、NX台湾国際物流（股）有限公司（NX台湾）は6月7日、中國科技大学で奨学金授与式を開催した。
　中國科技大学は、台北と新竹にキャンパスを持つ私立大学で、1965年に5年制の専門学校として設立、企画設計学部、管理学部、情報学部の3学部15学科を有している。特徴の一つとして、多くの企業と提携して学生に多くのインターンシップの機会を提供している。
　NX台湾は、台湾の産業と学術界の連携を強化することを目的に、2018年から当該大学と協力して物流業界の人財育成を促進するための奨学金プログラムを運営してきた。今回、インターンシップを経験した学生が、その体験をもとに物流現場のケース分析や改善提案などのレポートを作成した。その中から特に優れたレポートを作成した4人の学生が選ばれ、授与式で表彰した。同社の川本勝董事長は、「大学で学んだことを通じて、将来について考え、視野を広げてきたと思う。これからも積極的に学び続け、台湾の物流業界発展に貢献してくれることを期待している」と学生たちにエールを送った。

　先週の中国輸出コンテナ輸送市場は、7月1日発効の一括運賃値上げ（GRI）で欧米向けスポット運賃が強含みで推移する一方、一部の南北航路で船腹不足がやや緩和され運賃が下落に転じたことから、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）は3733.80と前週比0.5%の上昇にとどまった。
　先週のSCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が前週比0.5%下落し4,857ドル／TEU、地中海航路が0.8%上昇し5,432ドル／TEU、北米西岸航路が3.5%上昇し8,130ドル／FEU、北米東岸航路も7.2%上昇し9,945ドル／FEUとアップした。
　南北航路は南米航路が1.9%上昇し9,026ドル／TEUと唯一アップしたほかは、中東ガルフ航路が10.1%下落し2,436ドル／TEU、東・西アフリカ航路が2.1%下落し5,563ドル／TEU、豪州・NZ航路が1.6%下落し1,375ドル／TEU、南アフリカ航路も2.8%下落し5,426ドル／TEUと全般的にダウンした。
　アジア域内航路は東南アジア航路が3.5%下落し730ドル／TEU、韓国航路が1.7%下落し166ドル／TEU、関西航路は293ドル／TEU、関東航路も299ドル／TEUと、いずれも横ばいで安定推移した。
　上海港における6月のコンテナ取扱量は、前年同月比121％増の465万TEUとなり、荷動き好調が続き、国連貿易開発会議（UNCTAD）は、今年の世界GDP成長率を3%程度と見込んでおり、世界の荷動き量の短期的な見通しはポジティブだ。一方、新造船の大量引き渡しや解撤（スクラップ）の低迷が続く中、世界のコンテナ船腹量は初めて3,000万TEUを上回った。
　北米航路は北米西岸航路の船腹供給量が前週比で約 27%も大幅に増加し、運賃の上昇率は低かった。また、MSC（スイス）は7月前の運賃水準を据え置き、運賃一括値上げ（GRI）傾向が止まる見込み。
　一方、北米東岸航路はスペースタイトな状況が続いており、当面は運賃高騰が続く見通しで、さらに主要船社は7月15日発効で1,000～2,000ドル／FEUのGRIを発表している。
　また、雨季の到来でパナマ運河の水位が正常化したため、8月初旬には1日の通航枠が干ばつ前の水準である35回に回復する見込みだ。
　欧州・地中海航路は堅調な輸送需要を背景に安定した運賃推移を示しており、主要港の混雑が続く中、一部船社はドイツ、オランダ、ベルギーなどの主要港で港の混雑に対する割り増し料を課す動きも出ている。
　また、イタリア全域で港湾労働者が労働条件改善と賃上げを要求してストライキを実施したため、物流に支障が生じることが予想されている。
　アジア域内航路はシンガポール、寧波、青島、ポートクランなどアジアの主要港における混雑がやや緩和されたが、インド最大のコンテナ港であるムンバイ港における積み替え貨物が増加したため、ムンバイ港の港湾混雑が深刻化している。

　商船三井はこのほど、グローバルインデックスプロバイダーであるFTSE Russell社が作成したESG投資の代表的指数FTSE4Good Index、FTSE Blossom Japan Index、FTSE Blossom Japan Sector Relative Indexにいずれも継続採用された。
　これらの指数は気候変動、健康と安全性、コーポレートガバナンス、腐敗防止など、ESGについて優れた対応を行っている企業のパフォーマンスを測定するために設計され、サステナブル投資のファンドや他の金融商品の作成・評価にも広く利用されている。
　商船三井は、FTSE4Good Indexには2003年以来22年連続、FTSE Blossom Japan Indexは2017年の開始以来8年連続、またFTSE Blossom Japan Sector Relative Indexは2022年の開始以来3年連続で採用された。
　同社は重要課題として5つのサステナビリティ課題を特定し、サステナビリティ計画に基づき、ESGの各方面において課題解決に向けた取り組みを推進している。

　海外の海事メディアによると、中国政府は現在、カスピ海経由の中欧班列を利用したコンテナの輸送量を4倍にする目標を掲げ、一層のインフラ投資を図ると伝えている。
　中国の習近平主席とカザフスタンのトカエフ大統領は、先週アスタナで会談し中国発欧州向け複合一貫輸送におけるトランジットタイムの高速化を図るChina-Europe Railway Expressの開始を発表した。
　中国から欧州まで中央アジア諸国からカスピ海を経由する複合輸送サービスはすでに約60サービス開設しているが、新たなサービス構想では中国／欧州までデイリーサービス化し最短12日で高速輸送すると謳っており、中国政府は年末までに250便の運行を予告しているという。
　一方で、高い需要があるものの、各拠点のインフラの容量不足を指摘する声もあり、構想の実現を疑問視する見方もあり、両国首脳はカスピ海沿岸地域の物流インフラの強化を進める方針を示している。

　NX総合研究所は23日（14:00〜14:50）に無料Webセミナー「物流DX物流戦略・人材育成編〜あるべき物流の姿と物流人材育成〜」を開催する。
　物流業界は人手不足解消のための自動化・省人化への投資、労働環境の改善など中長期の経営計画における物流戦略の見直しが必要となっている。また特定企業におけるCLO（Chief Logistics Officer：物流統括管理者）の設置を法制化する流れの中、高度な物流人材の育成が急務だ。同ウェビナーでは「物流戦略の策定」と「物流人材の育成」にフォーカスし講演する。
　「物流戦略策定支援コンサルティングの概要」として、「将来を見据えたあるべき物流の姿」と「グローバルネットワークの再編」、「物流管理施策」の事例紹介を、同社の福井康雅シニア・コンサルタントが講演する。また「eラーニング教材を使った物流業界の人材育成」について、物流の基礎知識習得に役立つ「物流eカレッジ」を吉岡隆シニア・コンサルタントが解説する。セミナー詳細と申し込みは（https://www.nx-soken.co.jp/training/）

　国土交通省近畿地方整備局、阪神国際港湾、神戸市港湾局、大阪港湾局は、国際コンテナ戦略港湾政策の一環として、阪神港における国際基幹航路の維持・拡大に向けてさらなる集貨を推進するため、阪神港集貨事業に取り組んでいるが、このほど24年度から開設した日本諸港利用促進事業の利用促進港として、伊万里港を追加すると発表した。
　日本諸港利用促進事業は、外貿実入りコンテナの輸送において、利用促進港と阪神港が共同で広報、PRなどを展開することで、両港を結ぶ海上輸送ネットワーク（内航船、フェリー、Ro/Ro船など）の利用を促進し、集貨と海上輸送ネットワークの拡充を図ることを目的としたもの。利用促進港は今回の追加で、日本海側が秋田港、境港、敦賀港、伏木富山港、九州が油津港、伊万里港、大分港、熊本港、志布志港、細島港、宮崎港、八代港、四国が徳島小松島港の合計13港となる。

　日本郵船はこのほど、ENEOSホールディングス傘下の海運会社、ENEOSオーシャンが設立した、原油タンカー事業以外のLPG船、ケミカルタンカー、プロダクトタンカー、ドライバルク船などの海運事業を吸収分割により承継させる新会社株式の80%を取得し、子会社化することで合意した。
　新会社はLPG船18隻、ケミカルタンカー・プロダクトタンカー19隻、バルカーなど12隻の計49隻を運航し、傘下に在シンガポールの運航会社や船舶管理会社など16社を含む。
　この取引は公正取引委員会などの国内外の関係当局の承認および許認可の取得などが条件で、2025年4月1日の手続き完了を見込む。

　セイノーホールディングスと傘下の西濃運輸は、日本物流団体連合会主催の「第25回物流環境大賞」で、それぞれ「特別賞」を受賞した。
　セイノーHDが受賞した特別賞は「九州向け「北大阪輸送ハブ」の開設による、輸送効率化とCO2排出量削減の実現」。23年10月から北大阪ハブを開設、集配業務は近隣店所に振り分け、山陰・九州方面の中継輸送のみを扱う施設として開設した。物量波動に応じた運行便の設定と集配業務スペースを無くすことで幹線到着時の待機を解消。2024年問題に対応できるよう、同業他社の持ち込みも対応可能としている。ハブ店として継送業務に特化することで、効率的な動線が確保でき、継送業務の生産性が向上した。
　一方、西濃運輸は佐川急便との共同で取り組んだ「本州最北端の青森県下北郡向け荷物の共同輸配送」が特別賞を受賞した（写真）。青森県下北郡向けの一般貨物、宅配貨物について、岩手県内の拠点（佐川急便・岩手営業所、西濃運輸・盛岡支店）に集約、西濃運輸の荷物を佐川急便が輸配送することでトラックの積載効率を改善し、トラックの稼働台数を削減した。これにより、年間CO2削減率は、約53％、CO2削減量は約94.6tの環境負荷低減に貢献、人口減少地域においても持続可能でより利便性の高い輸送サービスを両社で提供していく方針だ。

　中国の交通運輸部は8日、航空貨物輸送の安全確保と発展のため、「民間航空貨物運送管理規則」を発布、2024年12月1日から施行する。同規則は、航空輸送の安全監督を強調、すべての市場関係者の責任の明確化、貨物サービスの品質強化、国内外の航空貨物輸送秩序の標準化を通じて航空貨物輸送の安全性とサービス品質を向上することを目的としている。
　1996年に施行した中国民間航空国内貨物輸送規則と2000年に施行された中国民間航空国際貨物輸送規則は中国の航空貨物輸送市場の秩序を規制し，航空貨物産業の発展を促進する上で重要な役割を果たしてきたが、中国が世界第二の航空輸送市場になるにつれて国内外市場の一体化が進み、電子商取引、速配、コールドチェーンなどの新興物流市場の発展で新しい技術・輸送モード・ビジネス形態が出現し続けており、この新しいトレンドに対応したより高度な需要への対応が求められている。航空貨物発展の新しい情勢に適応し、近代的物流システムの構築という国家要求、円滑な物流の確保、近代的物流システム構築、総合輸送という「4つのシステム」の構築をサポートするため、中国民間航空国内貨物輸送規則と中国民間航空国際貨物輸送規則を統合・改正し、最終的に新規則を策定したもの。
　同規則は、総則、航空会社および地上サービス代理店、苦情処理および情報報告、監督管理および法的責任、附則の計6章45条で構成され、全体的に責任の主体を強調している。
　新規則の主な内容な次のとおり。
・荷送人は正確な申告、正確な梱包、有効な書類の提供につとめ、運送人や地上サービス代理店に対して貨物の保管、積み替え、取り扱いなどに関する要求を明確にし、航空貨物販売代理店への通知義務を果たし、輸送書類を正確に提供することを求めた。
・運送事業者の活動規制に重点を置くことを基本に、貨物輸送の現実的な問題を踏まえ、地上サービス代理店や空港管理機関に関する新たな要件を追加し、荷主の責任を明確化するとともに、運送事業者が貨物販売代理店の管理を強化することを明確にした。
・運送人に対しては、輸送の一般条件を制定し、苦情窓口を設置して適時に処理することや、貨物輸送に関する情報を荷送人または荷受人に適時に提供することを要求し、地上サービス代理店に対しては、貨物輸送の安全に関する情報を運送人に適時に提供することを求め、貨物輸送サービスのそれぞれの単位の主管責任を強化する。
・民間航空貨物輸送に従事する企業と個人に対して、必要に応じて電子文書、電子署名、電子身分証明書を使用することを支援し、先進的で効率的な民間航空貨物輸送サービスシステムの整備を促進する。
・各規定を効果的に実施し、市場関係者に順法意識を持たせ、監督当局に法執行の根拠を持たせるため、第五章「監督管理及び法的責任」の章では、市場関係者が法に違反した場合の罰則を規定した。

　トレーディアは6月28日付で国土交通省港湾局による「みなとSDGsパートナー」（第8回登録事業者）の登録を受けた。
　「みなとSDGsパートナー登録制度」とは、港湾関係企業によるSDGs達成に向けた取り組みの推進・港湾関係産業の魅力向上・将来にわたる持続的な発展に貢献することを目的として、国土交通省港湾局が創設した制度。
　同社は、同パートナーとして、同社策定の「サステナビリティ基本方針」に基づき「SDGs達成に向けた具体的な取り組み」を通じて、港湾と港湾関係産業の魅力向上、持続可能な社会の実現に貢献していく方針だ。

　SBS東芝ロジスティクスは6月28日、日本物流団体連合会が主催する「第25回物流環境大賞」で「特別賞」を受賞した。
　同社は今回「特別賞」を受賞したことで、2022年に同制度に参加して以降、3年連続での受賞となった。特別賞を受賞したのは、「ガラス液晶パネル輸送における、DFL（Design For Logistics）による包装材料削減と輸送効率向上」で、顧客のジャパンディスプレイと協働して、従来では一製品ごとに包装材料を使用して製品を保護していたガラス液晶パネルの輸出向け包装を、DFL視点に基づいて二製品を同時に収納する包装改善施策を取り入れることで、包装材料の大幅削減と輸送効率向上を達成した。同改善により、包材使用量を約60％削減。また、包装改善で製品箱数が減少したため輸送効率が約2.4倍に向上し、その結果CO2排出量の約36％の削減を実現した。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、日本通運は企業向け小口貨物輸送商品「プロテクトBOX」の国際輸送サービス「プロテクトBOX GLOBAL」の提供を開始した。
　「プロテクトBOX」は国内輸送の梱包ツールとして2019年に日本全国でサービスを開始。陸･海･空すべての輸送モードで使用可能であるため、好評を得ている。国際輸送でもニーズが見込めることから利用範囲を広げ、国際輸送に対応できるサービス「プロテクトBOX GLOBAL」を開発したもので、輸送案件に合わせて必要基数を導入し、顧客専用BOXとして利用可能だ。
　プロテクトBOX GLOBALは蓋と側面のパネルにはテクセル（ポリプロピレン六角形のセルの集合体・ハニカムコア構造をもつ樹脂板で非常に高い強度を持つ）と呼ばれる素材を使用し、軽くて丈夫なBOXを実現。国際輸送は国内輸送と比べて輸送距離や輸送時間が長く、輸送途中での荷扱いの回数が多くなるほど貨物汚破損などのリスクも増えるが、プロテクトBOXは貨物をしっかり守ることができる。組み立てた状態で2段重ねが可能だ。また一般的なパレット梱包と比較すると、ストレッチフィルムやエアキャップといった梱包資材の使用量を減らせ、梱包にかかる資材費や作業人件費を削減できる。さらに耐久性があり反復利用が可能で、配達時にBOXを回収することでゴミが出ないため、ゴミ処分の手間を省くことができるとともに、一般的なパレット梱包でストレッチフィルムを使用した場合と比較して、1基あたり0.19㎏のCO2排出量の削減効果がある。
　日本通運では、利用事例として、清水化学が広島県三原市から台湾の高雄市までの食品原料の海上輸送での使用を公表。以前はパレットを利用し貨物の積み付け作業をしていた。作業品質や作業時間に課題があったが、プロテクトBOXを提案、作業品質の向上や作業負担が軽減できることなどを評価、広島〜台湾間の国際往復輸送に利用したという。

　佐川急便と日本貨物鉄道（JR貨物）は、それぞれの経営資源を有効活用する「基本合意書」を5日に締結した。
　両社が連携し、社会インフラの一つである物流を担う企業として、互いが有する経営資源を有効活用することで、顧客の利便性向上や物流の課題解決、収益性の向上、物流インフラの強靭化を図るとともに、健全で持続可能な脱炭素社会の実現と社会の課題解決に貢献することを目指していく方針だ。
　佐川急便は、業界に先駆けた環境対応車の導入や、特急コンテナ電車「スーパーレールカーゴ」やフェリーによるモーダルシフトなどを通じて、環境負荷低減と安定かつ強靭な配送網の維持に努め、持続可能な物流の実現を目指してきた。一方、JR貨物は、CO2排出量が営業用トラックに比べて約10分の1と、さまざまな輸送モードの中で環境負荷が最も少ない貨物鉄道を基軸とした総合物流企業グループとして、「JR貨物グループ長期ビジョン2030」に掲げる「物流生産性の向上」、「安全・安心な物流サービス」、「グリーン社会の実現」、「地域の活性化」の4つの価値を社会に提供してきた。
　基本合意では、相互の経営資源を活用することやイノベーションを推進することで、顧客の利便性向上に資する競争力の高い国内輸送サービスを構築し、顧客の物流的課題の解決を図ること、相互のサービス、輸配送ネットワーク、システムとノウハウを共同で活用することにより効率的なインフラを構築するとともに、相互に営業推進することでお互いの収益の向上を図ること、天候や災害などを起因とした輸送障害時、相互の輸送を維持するため協力することで、物流インフラの強靭化を図るとともに、健全で持続可能な脱炭素社会の実現と社会の課題解決に貢献する。
　今後、飛脚JR貨物コンテナ便のさらなる伸長にむけたキャンペーンの展開、共同提案営業による、さらなるモーダルコンビネーションの推進、31’コンテナ利用拡大に資するコンテナ回送区間でのサービス実装化に向けた共同営業、鉄道側の輸送障害時におけるトラックや船舶と連携した対応力強化、脱カーボンにむけた物流企業側の取り組みについてメディア・一般消費者への訴求などに取り組む方針だ。

　アイリスオーヤマは9日、鳥栖工場（佐賀県鳥栖市）でパックごはんと炭酸水の本格生産を開始、同工場は西日本における食品の生産・物流拠点、ASEANを含むアジア圏への輸出拠点となる。
　今回、鳥栖工場で食品の本格生産を開始することで、パックごはんは角田工場（宮城県角田市）と合わせた2工場で計6ライン体制、日産約120万食の生産能力となる。今後鳥栖工場で稼働予定の2ライン目を加えると日産約140万食となる見込みだ。炭酸水は、国内3工場で計4ライン体制、1時間当たりの生産能力は約9万4,000本に上り、今後さらなる増設を計画している。農林水産省では、海外や加工・業務用などの新市場を安定的に獲得していくための拠点整備転換などに対して総合的に支援する「産地生産基盤パワーアップ事業」を展開するなど食品輸出を後押ししている。鳥栖工場は、同事業を活用してパックごはんの設備を導入し、ASEAN含むアジア圏への食品の輸出拠点と位置付け、2030年のパックごはんと飲料水の輸出額はそれぞれ、30億円と50億円を見込んでいる。
　今後、国内7拠点 の食品工場の生産設備増設により生産体制を増強し、さらなる生産拠点の増設も視野に入れ、2030年には食品事業で1,000億円、うち輸出額100億円の売上高を目指す。鳥栖工場は、敷地面積が15万9,751m2、延べ床面積が11万2,753m2で、自動倉庫はパレット数が6万4,816枚の規模。

　郵船ロジスティクスの6月の航空輸出混載重量は前年同月比36.1％増の1万1,378トンと7カ月連続のプラスとなり、航空輸入通関件数は10.3％減の1万1,808トンと16カ月連続のマイナスになった。

　近鉄エクスプレスの6月の航空輸出重量は前年同月比0.3％増の1万483トン、航空輸入通関件数は5.6％減の2万3,783件だった

　にしてつ・NNR Global Logisticsの6月の航空輸出混載重量は2.5％増の3,491トン、輸入通関件数は11.8％減の6,139件だった。

　デマレージ・ディテンション（超過保管料・返却延滞料、D＆D）をめぐるEvergreen（台湾）と連邦海事委員会（FMC）との係争でワシントンD.C.の連邦控訴裁判所がこのほどEvergreenの主張を受け入れた画期的な判決を下した。
　焦点の一つはパンデミックによって港やターミナルが閉鎖中に空コンテナの返却ができなかった日数をディテンションチャージにカウントされることで、FMCはそのD＆D規則作りでとくにD＆Dが機器の迅速な返却や貨物の円滑な流れを促進するインセンティブになるかどうかという点に焦点を当てていた。控訴裁判所はFMCのそのインセンティブ原則に基づく決定は短略的だとして判決でその見直しを命じたもの。
　このケースは、トラック会社TCWが日本から輸入されサバンナで荷揚げされたモーターサイクルを積載したコンテナをヤマハモーターの倉庫までトラック輸送した際、Evergreenはコンテナおよびシャシーの返却遅延で延滞料を請求した。フリータイムが過ぎたのち、コロナ関連の理由によるヤマハ工場の閉鎖やサバンナ港の閉鎖でTCWが機器をサバンナ港に2020年5月26日に返却したときにはコンテナで4日、シャシーは22日フリータイムを超過していた。
　TCWはEvergreenからディテンションとして1,490ドルを請求されたが、そのうち510ドルは港の閉鎖によるものだとして差し引くよう求めたがEvergreenが応じなかったため、この問題をFMCの少額訴訟審理に持ち込んだ。FMCは港が閉鎖中にコンテナを返却することは不可能で、そのディテンションは（貨物の円滑な流れを促進するという）インセンティブとして機能しないとして23年にTCMの訴えを認めたが、Evergreenは控訴裁判所に裁決の見直しを求めて提訴していた。
　控訴裁判所は、港が閉鎖中にデマレッジを課徴することはコンテナの迅速な移動を促進することにはならないとするFMCの見解は誤りであると全会一致で決定、その上でFMCはインセンティブ原則に短略的に固執してその他の関連要因を検討することなく常識に欠ける非論理的決定を下したと決めつけた。
　船社によるD&Dの請求をめぐっては荷主やトラック業者からおびただしい数の不服申し立てがFMCに申請されているが、今回の裁判所の判決は、額面金額は少額ながら、今後のFMCのD&D係争の処理に大きな影響を与えそうだ。

　英国の海運・造船調査分析会社、Clarksons Researchのレポートによると、世界のコンテナ港で混雑に巻き込まれているコンテナは約900万TEUで、新型コロナ（COVID-19）のパンデミック（世界的大流行）時に見られたピークの960万TEUに近い水準となってる。
　コンテナ船が喜望峰を迂回する紅海危機により、TEUマイル需要が約12％増加したことで、今年はこれまでの輸送量が予想を上回り、市場を再び異例の水準に引き上げるのに寄与していると指摘、混雑の増加は港湾インフラやコンテナ船のルート変更による物流への影響から生じており、1月から4月にかけて前年比8％増加した年初からの堅調な世界的な荷動き量によって増幅されたと分析している。
　また、第3四半期（7～9月）の繁忙期に出荷と船腹の手当てが厳しくなると予想した荷主が、5月と6月に輸出を急いだため、繁忙期が早く到来するという心理的要因もあり、船社の運航スケジュールの変更から生じる波及効果で、コンテナの移動に影響を与えている。
　Clarksonsの Global Containership Port Congestion Indexによると、港で待機しているコンテナ船の割合が2月下旬の27.5%から6月下旬には31%に拡大した。これはパンミック時の最高値である37％を大きく下回っており、最近の混乱は当時ほどネットワーク全体に広がっていないかもしれないが、指数の傾向は状況を考慮する必要があると指摘する。
　定期船のサービスパターンは2023年後半から大きく変化しており、長距離でのルート変更により港での通常の時間／キャパの割合が減少している一方、コンテナ船の総キャパは2022年の初めと比較して19％増加しており、推定で混雑によりコンテナ船隊の3～4%が拘束されているのに対し、パンデミック時は6～7%だった。
　各国の主要マクロ経済データをdashboard形式で提供しつつWebサイト、EconDBのデータによると、世界で最も混雑するコンテナ港であるシンガポール港では、先々週で入港船の61%が遅延し、積み替えおよび出荷されたコンテナの滞留時間は約10日間だった。

　米国鉄道協会（AAR）が今週発表したデータによると、6月の鉄道車両数は88万5,864両で、前年同月比1.7%（1万5,019両）減少した。石炭を除くと、鉄道車両積載量は1万1,254両で1.7%増加したが、石炭と穀物を除くと、鉄道車両積載量は横ばいで、わずか283両増にとどまった。インターモーダルコンテナ・トレーラーは196万510台で、前年同月比7.8%（7万77台）増加した。
　AARによると、6月の鉄道交通量は2024年上半期に見られた傾向を持続し、石炭出荷量が減少し、車両総積載量が2023年の水準を下回ったが、この減少は、化学品、自動車、インターモーダル輸送などの他の部門の成長によってバランスが保たれており、貨物鉄道は経済全体を反映する役割を果たしていて、自動車とインターモーダル輸送の増加は、さまざまな業界にわたる消費者支出の回復力を示しているという。
　6月29日までの週あたり鉄道車両積載台数は22万4,775両で前週比1.1％増加し、インターモーダルユニットは26万7,124台で6.3％増加した。

　カナダ西岸のブリティッシュ・コロンビア州の荷役作業全般を統括、監督するフォアマンの労働組合であるILWU Ship & Dock Foremen Local 514（ILWU Lacal 514）は6日（現地時間）、DP World Canadaに対して7月8日から72時間のストライキを通告した。
　カナダ労使関係委員会（CIRB）がブリティッシュコロンビア州海事雇用主協会（BCMEA）と港湾労組のILWU Local 514の間の苦情に対処するため先週公聴会を開始したにもかかわらず、ILWU Local 514はスト通告したもので、公聴会は2024年8月6日にも引き続き開催予定だった。
　BCMEAと港湾労組のILWU Local 514との4年間の新労働協約を巡る労使交渉で、今年6月にILWU Local 514はBCMEAが提示した最終案を組合員投票にかけたが否決された。すでに今年5月10日に21日間のクーリングオフ期間が終了し、労使はストライキまたはロックアウトの法的権利を得ており、72時間の事前通告で、ストライキまたはロックアウトの権利を行使することができることになっている。
　DP World Canadaは昨年12月、バンクーバー港のCenterm Container Terminalにある同社の鉄道インターモーダルヤードで、一部の自動化を一方的に導入すると組合に通告したことや、退職手当と給付の改善を巡って労使紛争が続いているもの。

　寧波航運交易所（NBSE）が発表した先週の寧波輸出コンテナ貨物指数（NCFI）は、欧米向けの上昇が寄与し総合指数（2012年第10週＝1000）は前週比1.7%下落し2855.8、21航路中4航路で指数が上昇、16航路で下落、1航路が横ばい、「海上シルクロード」沿いの主要港では、5港の運賃指数が上昇し、11港が下落した。
　欧州・地中海航路は基本的に需給が均衡し、各航路の運賃は高水準を維持し、運賃指数は欧州航路が3561.2で前週比0.7％上昇、東地中海航路は2606.0で0.7％下落、西地中海航路は 3421.4で1.0％下落となった。
　北米航路は北米東岸航路がスポット運賃が横ばいで推移、北米西岸航路は需給ひっ迫を緩和するため新規船腹を投入したことで小幅下落し、運賃指数は北米東岸航路が3613.4でほぼ横ばい、北米西岸航路は4746.2で2.3％下落した。
　中東航路は輸送需要が大幅に減退し、各船社が貨物誘致を強化するため、引き続き運賃を引き下げたことから、運賃指数は1801.5と、前週比4.4％下落となった。
　また、先週はインド・パキスタン航路で船社が一時的に船腹を増やしたことでスポット運賃が下落し運賃指数は4003.と、前週比10.6％下落した。

　上海航運交易所（SSE）が5日に発表した先週の中長期契約運賃の指標である中国輸出コンテナ運賃指数（CCFI）は、ほとんどの航路で上昇し、総合指数（1998年1月1日＝1000）は2011.33と前週比4.6%上昇、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）は3733.80と0.5%上昇した。
　先週のCCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が7.7%上昇し3090.34、地中海航路が4.0%上昇し3462.60、北米西岸航路が6.1％上昇し1599.78、北米東岸航路も3.3%上昇し1654.16となった。
　南北航路は中東ガルフ・紅海航路が2.7%下落し2386.63、東・西アフリカ航路が5.2%下落し1490.85となったが、南米航路は3.9%上昇し1736.85、南米航路が4.9%上昇し2256.22、南アフリカ航路も4.9%上昇し2256.25と上げ下げが交錯した。
　アジア域内航路は日本航路が4.4%上昇し768.30、韓国航路が4.4%上昇し504.54、東南アジア航路が6.6%上昇し1258.80だった。

　米国のリアルタイム・サプライチェーン可視化プロバイダー、FourKitesの最新データによると、5月にシンガポール港に入港した船舶は2,303隻と、前年同月と比べ66％増加した。今年5月までにシンガポールに入港した船舶数は、前年同期で50％近く増加している。シンガポールで遅延が発生した船舶は、5月が前年同月比44％増、6月は25日までで27％増となった。
　FourKitesでは、主要輸出市場における空コンテナ不足が引き続き懸念事項で、コンテナは世界のコンテナの5分の1を積み替えるシンガポール港の混雑で前年比増加し、紅海危機に関連した喜望峰経由の迂回ルートへの変更による航海距離の延長、パナマ運河の通航船減少（改善はしているものの、過去のレベルを下回っている）、ドイツでの最近の港湾ストライキ、カナダと米国東岸でのストライキの脅威まで、世界的な遅延に巻き込まれている。
　需要面では、例年よりピークシーズンの開始が早まったようで、これらの問題の多くはすぐには緩和されない可能性が高く、船社が引き続き空コンの回送に奔走することを示唆しており、インド亜大陸など特定の輸出市場に悪影響を及ぼす可能性があると指摘している。

　T.S.Lines（香港）は、SeaLead Shipping（UAE）が6月16日から再開した中国／北米西岸航路America West Coast（AWC）Serviceに参加する。
　SeaLeadは南沙6月17日起こしの”Adamastos”（1,809TEU）を第1船に、南沙～寧波～上海～ロングビーチ～南沙のローテーションによるサービスを再開、6月27日に"Suez Canal"（5,610TEU）、7月3日から"Astoraois"（1,809TEU）を投入したのに加え、T.S.Linesが"TS Tacoma"（2,954TEU）、"TS Melbourne"（2,954TEU）、"Hansa Fresnburg"（1,738TEU）などの4隻を投入する。
　SeaLead Shippingは22年10月15日で北米西岸港への寄港を中止、11月からTransfar Shipping（シンガポール）の北米西岸向けサービス、AES1 Serviceのスロットを買い取り、中国／北米西岸サービスを継続していたが、輸送需要の増加による船腹、スペース不足に対応、自社配船を再開している。

　MSC（スイス）は、中国の江南造船所で建造中の14,000TEU型コンテナ船2隻を、中国船社の博亜国際海運有限公司（BAL Container Line）から総額1億3,330万ドル（1隻あたり6,665万ドル）で取得した。BALの親会社で青島を本拠とする楽艙物流（LC Logistics）は、2隻の建造のために江南造船に支払った最初の2回分の帳簿価額が8,430万ドルであることから、MSCへの新造リセール（転売）により4,900万ドルの利益を得ることになる。2隻はBALが2022年6月に発注し、今年7月と9月に引き渡される予定となっている。

　ベトナム海運総公社（VIMC）傘下のハイフォン港は、7月1日、MSC（スイス）のスイス・ジュネーブ本社で子会社のコンテナターミナル開発・投資会社のTerminal Investment Ltd.（TIL）とラクフェン国際ゲートウェイプロジェクトのもとで、No.3、No.4の2バースを運営する合弁会社を設立する契約を締結したと発表した（写真）。
No.3～4ターミナルは、総面積47ha、岸壁総延長750mで、ガントリークレーン6基を備え、8,000～14,000TEU型コンテナ船2隻が同時着岸できるほか、岸壁延長150mの3,000dwt型（160TEU）バージの1バースを備え、年間110万TEUを処理できる。
　7兆ドン(約330億円)を投資、2022年7月から建設を開始、これまでに予定より3カ月早く約70%が完成、2025年中の稼働を予定している。
　ラクフェン港では、C-HICTは、Saigon New Port（SNP）、商船三井、伊藤忠商事、Wan Hai Lines（台湾）、共同出資する合弁ターミナルのTan Cang-Hiphong International Container Terminal（TC-HICT）が2018年5月に開業、岸壁総延長750mに14,000TEU型2隻が同時着岸可能なNo.1〜2バースを運営している。
また、今年3月には、Maerskグループ傘下、APM Terminals（蘭）がベトナムの物流グループ、HATECOグループと、ラックフェン港でNo.5～6の2バースを備えたコンテナターミナルを共同で開発することで戦略的パートナーシップ協定を締結した。最大18,000TEU型コンテナ船2隻が同時寄港が可能な岸壁総延長900mの2バースを整備、さらにガントリークレーン5基、タイヤ式ヤードクレーン（RTG）14基を配備する。計画では2024年末まで工事を完了し、25年第1四半期中の稼働開始を目指している。

　韓国の蔚山港湾公社（UPA）は5日、Sinokor Mechant Marine（長錦商船）とKMTC（高麗海運）を船舶低速運航プログラムで優秀船会社、優秀代理店にウィルヘムセン協運ポートサービスとネオグローバルシッピングエージェンシーを選出したと発表した。
　船舶が低速運航する場合、温室効果ガス、微細粉塵などの排出が約70％以上減少する効果があり、UPAは2019年から蔚山港から低速で運航する船舶の入出港料を減免する環境に優しいインセンティブ制度を導入している。
　特にUPAは、低速運航参加率が低い液体バルク船の参加率を高めるため、昨年から海運代理店インセンティブを導入し試験運用した結果、参加率が13％上がり、今年から本格導入している。
　UPAでは、蔚山港を利用する船社と代理店の積極的な参加で、昨年は低速運航した船舶が約2,300隻で前年比29％増加、今後も蔚山港のカーボンニュートラルと大気質改善のために船社と代理店の持続的な関心と協力を求めている。

　Yang Ming（台湾）は今年から運航船体へのバイオ燃料供給に着手しており、6月26日に初めて外国船籍のコンテナ船"YM Together"（11,000TEU）に、韓国・釜山港でバイオ燃料のバンカリングを実施した。
　韓国でのバンカリングは、船舶燃料供給を手がけるKPI OceanConnectとの協力で実現したもので、国際認証ISO8217とInternational Sustainability & Carbon Certification (ISCC)基準で認められた、調理用植物油をブレンドしたB30 HSFOバイオ燃料を使用し、従来の舶用燃料に比べGHG排出量を25％減少できるという。
　またスクラバーや陸電供給への対応することで追加の排出削減を可能とし、"YM Together"の運航における持続可能性の向上を図っている。同船は現在、太平洋航路のPN3に就航中。
　また釜山港をアジアにおけるバイオ燃料供給拠点として追加することで、様々な航路でのバイオ燃料の供給体制の構築が可能となり、バイオ燃料を利用する船舶を増やすことができる。
　Yang Mingは持続可能な海運事業の実現と顧客のカーボンフットプリントの縮小に向け2050年までにGHG排出ネットゼロの実現を目標に掲げ、様々な取り組みを進め2023年の炭素排出強度を2008年比61.86％削減し、2030年の中期目標である40％削減を前倒しで実現している。

　Maersk（デンマーク）はこのほど、英国・バーミンガムで開催した同国を代表するマルチモーダル・物流関連イベントで3PL カンパニー・オブ・ザ・イヤーの表彰を受けた。
　同賞は、物流とサプライチェーン管理の卓越性を認めるもので、ニュースレターの数千人の読者、イベントの出展者、来場者などの投票により選ばれるもので、Maerskは過去数年間にわたる3PL部門への多額の投資とサービス機能の強化が高い評価を受け、2年連続の受賞となった。
　Maerskはあらゆる顧客の事業に対応した統合物流サービス、サプライチェーンの構築を手がけており、顧客の満足度を満たすエンドツーエンドサービスを提供している。

　KMTC（韓国）がOcean Network Express (ONE)、PIL(シンガポール、Namsung Shipping（韓国）と韓国／中国／海峡地航路で協調配船するKCS2/KCS/NFSに参画し開始したKCM4の第1船、"KMTC Dalian"（2,824TEU）が8日、仁川港の鮮光新コンテナターミナル（SNCT）に初寄港した（写真）。
　新KCS2/KCS/NFS/KMC4は、南航で仁川、青島に追加寄港し、光陽、ペナン、南沙を抜港、1,800〜2,600TEU型4隻を投入する。釜山（木）〜仁川（土）〜青島（日／月）〜上海（水／木）〜シンガポール（木／金）〜ポートクラン（土／日）〜ホーチミン（水）〜蛇口・赤湾（土／日）〜釜山のローテーションによる定曜日ウィークリーサービス。
　仁川港湾公社（IPA）によると、新サービスの寄港により、年間6万TEU以上のコンテナ取扱量の増加が期待されている。また、ONEによる初の仁川寄港となるほか、PILが再寄港することによりグローバル船社による仁川港の利用が拡大したという。

　オリックス（東京都港区）は8日、連結子会社の三徳船舶（大阪市）を通じて、常石造船（広島県福山市）に最新型環境対応船であるメタノール燃料ばら積み貨物船「KAMSARMAX」2隻と、大島造船所（長崎県西海市）のばら積み貨物船1隻を発注したと発表した。常石造船の「KAMSARMAX」（完成予想図参照）は中国の常石集団（舟山）造船有限公司、大島造船所のばら積み貨物船は香焼工場（長崎県長崎市）で建造する。オリックスのメタノール燃料船発注は初めて。
　「KAMSARMAX」は、メタノールを燃料とするばら積み貨物船で、重油も使用できる二元燃料船。常石造船の従来船と比較してCO2排出量が約15％少なく、硫黄酸化物（Sox）の排出を約95％削減でき、将来的には、CO2と再生可能エネルギー由来の水素から作られたグリーンメタノーを使用することで、運航時のCO2排出量は実質ゼロとみなすことが可能になる。
　今回発注した3隻は、すべて2025年以降の契約船に対しての規制である「EEDIフェーズ3」（基準値比30％削減）を前倒しでクリア、環境負荷の低減が期待できるという。
　オリックスは、今年2月に事業承継を目的として三徳船舶の発行済み株式をすべて取得、事業承継後初めての船舶発注として、最新の環境対応船を導入する。

　商船三井とMOLマリン＆エンジニアリングは、新たにグループ内外の洋上風力発電関連船に関わる人を対象としたダイナミックポジショニング（自動船位保持、DP）シミュレータを使用した各種オフショア船の訓練コースを開講する。
　コースによっては船員資格の有無を問わず受講が可能で、今後増加が見込まれる洋上風力発電事業のほか、海洋開発に関係する特殊船の安全運航の実現に貢献する。
　自動船位保持装置は、風潮流などの外力を自動で計算し、船舶を定点で保持したり、予め設定したルート上を航行させることができ、海上の一点にとどまり作業をする海底ケーブル敷設船、洋上風力発電関連特殊船、海底油田関連のオフショア船などに必要不可欠なものとなっている。
　新コースは7月から来年3月にかけ順次5コースを開講予定で、DP訓練コースや支援船に特化したコース、アンカーハンドリング技術に特化したものなどがある。
　これらの訓練コースは経済産業省資源エネルギー庁の「洋上風力発電人材育成事業費補助金」の交付を受け独自に開発したもので、また、海事教育および訓練プログラムの基準を満たしているとして、日本海事協会（ClassNK）の承認も取得している。

　ギリシャ・ピレウス港湾局（PPA）の2023年の業績は、売上高が前年比12.9％増の2億3,800万ドルで、税引き前利益は28.8％増の1億400万ドル、税引き後の利益も26.3％増の7,200万ドル過去最高の増収増益となり、3年連続の成長を達成した。
　PPAの関係者は「ピレウス港はギリシャ最大の港として高品質の港湾サービスを提供し、信頼性と競争力の確保、環境対策への取り組みを進めている」と述べた。

　Ocean Network Express Japan（ONE Japan）は8日、顧客向けに、8月のお盆前後に国内ターミナルでコンテナ混雑、滞留の増加が予想されるため、輸入コンテナの早期搬出を呼びかけた。
　最近はアジア出し貨物が増加し、さらに紅海情勢の悪化による喜望峰経由への変更により、各国の港湾で混雑、遅延が拡大しており、日本では特に来月中旬のお盆休み期間とその前後に、混雑がいっそう激しくなり、スケジュールの遅延や荷役効率の低下などが悪化する可能性を指摘し、早期引き取りを呼びかけたもので、特に長期滞留貨物・冷凍貨物・国内法令に準じる消防法該当品などの輸入貨物の早期搬出を呼びかけている。

　日本郵船がフィリピン・マニラ近郊でTransnational Diversified Group（TDG）と共同運営する商船大学、NYK-TDG Maritime Academy（NTMA）は5日、第13期生合計95名の卒業式を開催した。
　式典には日本郵船の長澤仁志会長や曽我貴也社長、TDGのラシッド H.デルガド代表、遠藤和也在フィリピン特命全権大使がら出席した。
　曽我社長は祝辞で｢ここで学んだことを胸に刻み、スキルと知性を磨き、自分自身の価値観に従って、周囲の人々に良い影響を与えほしい。世の中は意欲に満ち、前向きな変化をもたらす人材を必要としている｣と卒業生に激励の言葉を贈った。

　Ocean Netwoork Express Japanは7月10日から、ONE関東、中部、関西、九州支店管轄港におけるFreight Memo/Waybillの送付依頼方法をWebサイト上の依頼フォームに入力する方式へ変更する。
　ONE Japanは新フォームの導入により顧客からの依頼へ迅速に対応可能になるとしている。以来フォームは下記アドレスから。
（https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeJK7kBbkgNXNbjzzKjaSSwUT0t2lYR0WneOHoH00AThjpybw/viewform）

　ビューローベリタスジャパンによると6月27日からイラクのバグダッド国際空港が適合性確認検査（Verification of Conformity: VOC）指定地区として認定、航空便でイラクへ出荷する場合でも、イラク当局の認定を受けた検査会社が検査を実施し、それに基づいて発行したCertificate of Conformity（COC、適合証明書）もしくはCertificate of Inspection（COI、検査証明書）の取得が必須となった。COCもしくはCOIを取得せずに貨物を出荷した場合は、現地通関でトラブルになることがあることから、注意を喚起している。
　イラク閣僚評議会は5月25日付でDecision No. 24167を発令、イラク向け貨物は検査会社発行のCOCもしくは COIの取得を徹底するよう指示、取得していない貨物については、イラク当局が厳しく取り締まっている。

　ANAは、持続可能な航空燃料SAFなどの活用を通じて、航空貨物の輸送や社員の出張などにより発生する間接的なCO2排出（「Scope3」）の可視化とCO2排出量の削減に向けたソリューション「SAF Flight Initiative: For the Next Generation」を21年10月にアジアで初めて立ち上げ、23年9月に荷主企業を対象とした新サービスを開始し、今回、初の荷主企業として京セラが参画した。
　ANAと京セラは具体的には、京セラの物流サービスを手がけるフォワーダーの日本通運（NIPPON EXPRESSホールディングス：NXHDのグループ会社）との3者間契約、また同じく近鉄エクスプレスとの3者間契約をそれぞれ締結したもので、同プログラムへの参画で、ANAが発行するCO2削減証書を活用することにより、京セラはバリューチェーン全体でのCO2排出量の削減につなげ、長期環境目標である2050年度カーボンニュートラルの達成に貢献するという。
　京セラの参画を機に4社は、8日に成田空港で記者会見した。ANAの経営戦略室企画部GXチームの松田義信マネージャ―は、「SAFはCO2を80％削減できる燃料として注目を浴びているものの、需給ギャップは0.03％と低く、SAFの量産化や普及が課題だが、今回の京セラの参画で荷主企業のさらなる参加拡大を目指す」と述べた。一方、京セラの経営管理本部海外管理部貿易管理部の西澤知一郎責任者は「SAFは航空業界における脱炭素化のメインの燃料となるが、供給が少なく、追加コストも大きい。今回、SAF利用の機運を高めたいと思い参画した。さらに競争力を高めてSAFの供給アップにつなげたい」と効果を期待する。
　NXHDグローバル事業本部航空フォワーディング部の定月啓一郎次長は「京セラが同プロジェクトに荷主として初めて参画するのに際してフォワーダーとして支援した。共に生きるという京セラの方針に微力ながら貢献できた」と述べた。また近鉄エクスプレスのサステナビリティ推進室の寺本俊哉氏は「SAFの活用は、気候変動への対応はもちろん、われわれのビジネスの持続可能性のためにも重要だ」と説明した。

　にしてつ・NNR Global Logisticsは7月1日、千葉県習志野市に新物流拠点、関東ロジスティクスセンターを開設した。
　新センターは同社にとり国内最大となる鉄骨・鉄筋コンクリート造り4階建て、延べ床面積1万9,343m2の物流センターで、羽田空港、成田空港、横浜港、東京港など主要港から40km県内にあり、国内と海外を結ぶ高付加価値拠点として顧客の物流ニーズに対応するための施設となる。
　また、半導体などの精密機器の保管や定温低湿機能を備えた冷蔵倉庫も備え、関東エリアのトラック配送拠点としての役割も担う。
　さらにBCPを考慮し非常用電源や持続可能性の向上のため太陽光パネルを設置している。

　福井県は、敦賀港モーダルシフト促進事業助成制度を提供、トラックドライバーの時間外労働時間の上限規制の適用による陸送能力が不足する「物流2024問題」への対応や脱炭素化の推進を図るため、環境負荷が小さい海上輸送へのモーダルシフトを促進し、敦賀港の集荷・利用拡大を図る。
　同助成制度は、内航定期航路（コンテナ船、Ro/Ro船、フェリー）と国際フィーダー航路について、それぞれトライアル支援、利用拡大支援、集貨促進事業の3助成制度で支援する。内航定期航路を利用したモーダルシフトのトライアル輸送に取り組む荷主企業と物流事業者を対象に、トライアル輸送の経費の1/2を助成する（最大50万円）とともに、利用拡大支援として、前年度から50台・TEU以上かつ2割以上増加した貨物について、1,000円/TEUを助成（最大100万円）する。また集貨促進事業は船社に対して、前年度を超えた貨物量について4円/トンを助成する（最大50万円）。
　一方、国際フィーダー航路については、トライアル支援として荷主にトライアル輸送経費の1/2を助成（最大100万円）、利用拡大支援は荷主に年間利用貨物量から50TEUを減じたものについて、県外企業が5,000円/TEU、県内企業が1万円/TEUを助成する（最大200万円）。また集貨促進事業として物流企業に対して、新規集貨貨物量に1万円/TEUを助成する（最大100万円）。

　SBS東芝ロジスティクスと、Hacobuは8日から、Hacobuが提供するトラック予約受付サービス「MOVO Berth」を、 SBS東芝ロジスティクスで導入済みの5拠点に加え、新たに22拠点に導入する。
　SBS東芝ロジスティクスは、19年から「ホワイト物流宣言」を掲げ、物流効率化に取り組んできた。MOVO Berthによる物流データ活用を通じ、トラック運送における生産性向上に加え、庫内作業の効率化、荷受けの段取り、積み込み準備をはじめ、「待たせない・歩かせない・書かせない」といった倉庫全体の生産性向上を目指し、さらなる荷待ち・荷役時間の把握と削減に取り組んでいく。MOVO Berthは、荷待ち・荷役時間の削減や物流現場の生産性向上を実現する、トラック予約受付サービスで、入場予約・入退場受付によって、物流センターにおける車両待機の改善や生産性向上を支援する
　22年にMOVO Berthを導入したSBS東芝ロジスティクスでは、先行導入した関西支店大阪南デポにおいて1日14時間（事務で4時間、現場で10時間）、月420時間の業務時間削減を実現したが、さらなる物流改善のため、MOVO Berthの導入拡大を決定した。MOVO Berth導入を通じ、荷待ち時間の削減・庫内作業の改善に取り組む。
　今後、MOVO Berth導入完了を目指し、Hacobuのカスタマーサクセスチームとともに、目標設定、プロジェクトマネジメント、導入プログラム（オンボーディング）を進めていく。また、SBS東芝ロジスティクスの「ホワイト物流宣言」において、「トラックの予約受付システムを導入し、バースでの車両待機時間を最短にするように庫内作業の改善に取り組みむ」ことを掲げており、MOVO Berth運用を通じ、荷待ち時間・作業時間等のデータを蓄積して改善点を特定し、さらなる物流改善に挑むという。

　SBS東芝ロジスティクス（東京都新宿区）とHacobu（ハコブ、東京都港区）は8日からHacobuが提供するトラック予約受付サービス「MOVO Berth（ムーボ・バース）」を、 SBS東芝ロジスティクスで導入済みの5拠点に加え、新たに22拠点に導入すると発表した。
　MOVO Berthは、荷待ち・荷役時間の削減や物流現場の生産性向上を実現する、トラック予約受付サービスで、入場予約・入退場受付によって、物流センターにおける車両待機の改善や生産性向上を支援する。
　2022年にMOVO Berthを導入したSBS東芝ロジスティクスでは、先行導入した関西支店大阪南デポで1日14時間（事務で4時間、現場で10時間）、月420時間の業務時間削減を実現したが、さらなる物流改善のため、MOVO Berthの導入拡大を決定し、MOVO Berth導入を通じ、荷待ち時間の削減・庫内作業の改善に取り組む。
　SBS東芝ロジスティクスは、2019年から「ホワイト物流宣言」を掲げ、物流効率化に取り組んできた。MOVO Berthによる物流データ活用を通じ、トラック運送における生産性向上に加え、庫内作業の効率化、荷受けの段取り、積み込み準備をはじめ、『待たせない・歩かせない・書かせない』といった倉庫全体の生産性向上を目指し、さらなる荷待ち・荷役時間の把握と削減に取り組んでいく方針だ。

　福岡市は脱炭素社会の実現に向け「2040年度温室効果ガス排出量実質ゼロ」のチャレンジを掲げ、環境局と港湾空港局が連携、博多港のアイランドシティ・コンテナターミナルでトレーラーヘッドなどにバイオ燃料を使用、CO2削減効果や、エンジンへの影響などを検証する実証事業に取り組む。
　同市では家庭、業務、自動車の三つの部門を重点分野として、脱炭素化に向けさまざまな取り組みを進めているが、自動車部門では他2部門と比較してCO2排出削減が進んでおらず、特にトラックやトレーラーなど貨物車からのCO2排出削減が課題となっている。今回、実証事業に取り組むのは、博多港ふ頭のトレーラーヘッドのほか、し尿運搬車、灰運搬車、給食配送車、チルド車、タンクローリーの6車両で、7月12日から12月ごろまで、供給するバイオ燃料がなくなるまで実証する。
　今回使用するのは、カメイがユーグレナから調達したバイオ燃料（HVO）と軽油を混合したもの（バイオ燃料の混合割合:20％）で、国内規格上「軽油」（JIS規格/品確法/地方税法）に合致し、現行の車両を変更すること無く使用可能なもの。

　三菱倉庫は、6月21日に神戸支店国際輸送事業第一課から講師を派遣、神戸大学海洋政策科学部で「国際物流」について講義した。
　地域での社会貢献活動の一環として、2021年から毎年同学に講師を派遣しているもので、講義したのは、「海事実務概論-1」の授業で、将来海事産業で働く姿をイメージするために有意義な情報を提供することを目的とした講座だ。これまでの講義はコロナの影響を受けオンライン形式で開催していたが、今年は対面での講義となり、学生約200人が受講した。
　講師は国際物流についての基礎的事項に加え、同社独自の温室効果ガス（GHG）算定システム「Emission Monitoring Cargo Route Finder」など、同社国際物流におけるDXの取り組みについても説明した。講義終了後の質疑応答では、講師の海外勤務経験に関連して「海外駐在時代に感じた日本との違い」や、「コロナ前後で貨物構成に変化はあるか」などの質問が上がった。

　海外の海事メディアによると、世界のコンテナ船腹量のうち首位のコンテナ船社となるMSC（スイス）のシェアは約20％で、837隻・598万TEUに達し、600万TEU超えまでは大型船1隻の引き渡しを残すのみになったと伝えている。
　AXS-Alphaliner（仏）のまとめによると、MSCの船隊規模の成長スピードは、市場の成長スピードを超えているという。MSCの運航船腹量は2023年5月に500万TEUを超え、100万TEUの増加を13カ月で達成しつつあり、同社が1970年の会社設立から100万TEU超えへ成長するまで37年を要した一方、200万TEU突破は4年後の2011年に実現し、2017年に300万TEU、2021年7月に400万TEUを超え、その半年後のそれまでのシェアトップだったMaersk（デンマーク）を超えトップシェアを獲得した。
　MSCの運航船腹は今月中に600万TEU超えになるとみられ、同社は今年すでに7隻・1万4,000TEUの老齢船をスクラップ売却しているもの、今年中に28隻・32万4,000TEUの引き渡しを受ける予定となっているため、MaerskとHapag-Lloyd（独）がGemini Cooperationを結成するころには、新アライアンスと同等の船腹量を確保すると見られる。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、NXベトナムは、ハノイとホーチミン間をつなぐ、ベトナム南北を縦断する鉄道輸送サービスを6月21日から開始した。
　ハノイYen Vien駅とホーチミンSong Than駅の鉄道駅区間・約1,700kmを約48時間で結ぶもので、月曜日を除く毎日運行する。トラックと比較してCO2排出量は約1/5に削減できるとともに、渋滞の影響を受けにくく、大量輸送が可能なため、物流の安定化と効率化を図ることが可能だ。
　ベトナム経済は目覚ましい成長を遂げ、製造業や小売業などさまざまな産業で物流ニーズが急増している。特に南北を結ぶ物流網は、製造拠点と消費地を結ぶ重要なルートとして、需要が高まっており、ベトナムの道路交通は深刻な渋滞が慢性化しており、トラック輸送は時間とコストの負担が大きくなっている。加えてベトナムは22年から新しい環境保護法を施行、今まで以上に環境負荷低減に向けた取り組みが必要となっている。
　　NXベトナムは、こうした課題を解決し、顧客の物流ニーズに対応、安定した輸送を提供するため、ベトナムの南北ハノイーホーチミン間の約1,700kmを約48時間で結ぶ鉄道輸送サービスを開始した。鉄道輸送は、大量輸送が可能で、CO2排出量もトラック輸送に比べて大幅に削減でき、環境負荷低減にも貢献する。

　Drewry Maritime Research（英国）が4日に発表した太平洋航路、アジア／欧州航路、大西洋航路における主要8ルートの世界コンテナ運賃指数（WCI）の総合指数は、5,868ドル／FEUと前週から10%上昇し12週連続でアップ、前年同期を298%上回った。パンデミック前の最高値を付けた2021年9月の10,377ドル／FEUを43%下回っているが、2019年の平均運賃1,420ドル／FEUを313%上回り、年初からの平均は3,664ドル／FEUで、過去10年間の平均2,756ドル／FEUより909ドル高い水準となった（2020年から22年の間はコロナ禍の影響で異例の値上がり）。
　先週のスポット運賃を航路別にみると、上海→ニューヨークが前週比17%（799ドル）上昇し9,158ドル／FEU、上海→ロサンゼルスが12%（799ドル）上昇し7,472ドル／FEU、上海→ロッテルダムが10%（734ドル）上昇し8,056ドル／FEUと大幅アップ、また、上海→ジェノアが7％（471ドル）上昇し7,573ドル／FEU、ニューヨーク→ロッテルダムも2％（16ドル）上昇し656ドル／FEUとなった。
　逆にロッテルダム→上海は5％（33ドル）下落し643ドル／FEU、ロッテルダム→ニューヨークも3％（67ドル）下落し1,977ドル／FEUと不調っだったほか、ロサンゼルス→上海は横ばいの696ドル／FEUは安定してた。Drewryではアジア諸港が混雑問題に直面していることから、今後も中国発のスポット運賃は小幅な上昇を予想している。

　Ocean Network Express（ONE）は7月下旬から、北米ガルフ・メキシコ／南米東岸航路でAN2を開始する。
　AN2は、CMA CGM（仏）が同航路でサービスするBrazil Express（BRAZEX）のスロットを各船200TEU借り受け、7月25日ベラクルツ発”XIN OU ZHOU”（8,530TEU）、28日パラナグア発”CMA CGM MERCANTOUR”（5,920TEU）を第1船に、ニューオーリンズ〜キングストン〜カルタヘナ〜サントス〜パラナグア〜サントス〜リオデジャネイロ〜サルバドール〜カルタヘナ〜キングストン〜ベラクルツ〜ヒューストン〜ニューオーリンズのローテーションで定曜日ウィークリーサービスする。
　ONEはすでに、中南米域内航路でMSC（スイス）、Hapag-Lloyd（独）と協調配船しているANGをサービスしており、AN2は新たにブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン接続に焦点をあてたサービスとなる。

　PIL（シンガポール）は4日、2日から業界初の中国とインドのコルカタ（旧カルカッタ）をダイレクトで結ぶChina Calcutta Service（CCS）と呼ぶ新サービスを開始したと発表した。
　CCSには厦門2日起こしの”Kota Rakyat”（712TEU）を第1船に700～900TEU型コンテナ船4隻を投入し、厦門～蛇口～シンガポール～コルカタ～シンガポール～厦門のローテーションで定曜日ウイークリーサービスする。
　PILでは中国＝コルカタ直行便を提供するパイオニアとなり、この2つの経済圏の高成長と貿易を支援するとともに、東南アジア市場、バングラデシュ、インド東岸、ミャンマー向けにもシンガポール経由で輸送を引き受ける。

　KMTC（韓国）は今月から、Ocean Network Express (ONE), Pacific International Lines (シンガポール、PIL）、Namsung Shipping（韓国）が韓国／中国／海峡地航路で協調配線しているKCS2/KCS/NFSに参画し、KCM4のサービス名で開始する。
　新KCS2/KCS/NFS/KMC4は、南航で仁川、青島に追加寄港し、光陽、ペナン、南沙を抜港、1,800〜2,600TEU型4隻を協調配船し、7月4日釜山入港の”KMTC DALIAN”（2,824TEU、Voy.2407S）から、釜山（木）〜仁川（土）〜青島（日／月）〜上海（水／木）〜シンガポール（木／金）〜ポートクラン（土／日）〜ホーチミン（水）〜蛇口・赤湾（土／日）〜釜山のローテーションで定曜日ウィークリーサービスを開始する。
　トランジットタイムは釜山からシンガポールが14日、ポートクラン16日、北航はシンガポールから釜山が13日、上海19日、ホーチミンから蛇口は14日と競争力のある高速輸送を実現し、顧客の輸送需要に対応する。
　KMTCはこのほど、SITC（中国）、T.S.Lines（香港）と同航路でサービスしていたCMVを6月末に休止しており、KCM4はその代替サービスとなる。

　COSCO Shipping Lines（中国）とOOCL（香港）は6月末から、1年前に休止していたロッテルダム／フィンランド航路のRFS3を再開した。
　新RFS3は、1,400TEU型2隻を投入し、6月27日ロッテルダム発”OOCL RAUMA”（1,421TEU）を第1船にロッテルダム〜リガ〜コトカ〜ロッテルダムのローテーションで定曜日ウィークリーサービスを開始した。
　COSCOとOOCLは、RFS3の再開に伴い、DP World（UAE）の欧州域内フィーダー船社、Unifeeder（デンマーク）のバルト海サービスLoop E3のスロットを借りたサービスを休止している。

　デンマークの海運調査会社、Sea-Intelligenceがさきに発表した今年5月のコンテナ船のスケジュール順守率は55.8%と前月比3.8ポイント改善し、今年に入ってからの最高率となったが、前年同月比では11ポイント悪化した。同スケジュール順守率は、世界の34航路・60船社以上を対象に調査したGlobal Liner Performance（GLP）に基づくもので、前年比では29航路が悪化、5航路が改善したが、中でもアジア／北米西岸航路がもっとも大幅な改善がみられたという。
　アジア／北米西岸航路における5月のスケジュール順守率は、パンデミック前の平均に近づいているが、まだ同水準には達していないものの、アジア／北米東岸航路では同様の改善は見られず、2023年に開き始めた両航路間のパフォーマンス格差は悪化するばかりで、これは、北米東岸経由のルートを使用する北米の輸入業者が、北米西岸経由よりもはるかに大きなサプライチェーンの混乱にますます苦戦しているためとみている。
　5月のスケジュール順守率が不振だった航路の中で、アジア／中東航路は前年比で最も大きな悪化率を記録した航路の一つで、2019年通年の平均と比較すると、スケジュール順守率が最も大きく低下し、パンデミック時の最低水準を下回った。これは、紅海危機が実際にこの地域のスケジュール順守率に大きな影響を与えていることを示唆しているとしている。

　スウェーデン政府は、来年7月1日からスウェーデン領海内へのオープンループ式スクラバー（排ガス洗浄装置）からの排水を禁止することを決定したとの声明を発表した。また、2029年1月1日からスクラバーからのすべての排出を禁止するとしている。スウェーデンの船主の多くは、スクラバーを使用しなくても排出規制内に収まるよう、低硫黄燃料（VLSFO）の使用を選択しており、スウェーデン海域を航行するすべての船舶に適用することを望んでいるという。
　オープンループ式スクラバーは、船舶からの排出ガス中の硫黄酸化物（SOx）、粒子状物質（PM）を、海水を用いて洗浄し、その海水を海中に排出するもので、洗浄に用いられた海水は取水前と比べてpHが減少し、濁度や硝酸態窒素が上昇することから、排出が集中する場合、局所的に海洋酸性化、海水の富栄養化、重金属の蓄積などにつながるおそれがあることから、IMOでは、スクラバーの洗浄水の排水基準を定めている。
　EU域内では、スクラバーによる排出を禁止する統一的な法律はないが、多くの国や港湾が、国内水域の特定部分へのスクラバー排出を禁止している。現在までのところ、スウェーデンは国内での禁止を発表していないが、スウェーデンの一部の港湾では、船舶からのスクラバー排出を禁止しており、汚染物質を大気から水中に移行させるものであり、船舶からの大気汚染に対する持続可能な解決策ではないという批判に直面している。

　SeaLead Shipping（UAE）はこのほど、東南アジアとインド・中東ガルフを結ぶSouth Asia -Midlle East（SAM）Serviceを開始した。
　SAMには1,800TEU型コンテナ船2隻を投入、ポートクラン～コールファッカン～カンドラ～ナバシェバ～ジェベリアリ～ポートクランのローテーションで、当面は不定期サービスとなる。

　インドのJ.ネルー港湾局（JNPA）がまとめた今年4～6月のコンテナ取扱量は168万8,145TEUで、前年同期の152万6,284TEUに比べ10.60%増加した。6月単月では56万7,392TEUで前年同月比19％増、鉄道輸送コンテナは8万6,333TEUで、前年同月の7万3,707TEUと比べ17％増加した。
　J.ネール港は、岸壁延長1,000mの9コンテナバースや、4多目的バース、4液体バルクバース、Ro-Ro船バース、沿岸警備隊バースで構成。年間約2,320万TEUのコンテナ処理能力を含む、年間2億9,800万トンの貨物を処理することができる。

　米中西部のミシガン州・インディアナ港は3日、ミシガン湖に初の国際海上貨物コンテナターミナルを設置するため、米国税関・国境警備局（CBP）の認可を取得したと発表した。インディアナ港のBurns Harbor Ｔerminal（写真）でコンテナの荷揚げが可能となり、これにより、五大湖を経由してシカゴ都市圏にサービスを提供する外航船にとって唯一の水上コンテナルートが誕生することになる。
　五大湖の輸送は、シーズンが短く、小型船の使用に制限されているが、外貿コンテナの取り扱いの潜在的な利点は非常に大きく、船社がこの市場にサービスを提供できるようになれば、サプライチェーンを多様化し、ボトルネックを回避し、中西部との間の輸送における全体的なCO2排出量を削減できる可能性があるいう。
　CBPの仕様に従って、2025年までに税関事務所、大規模なスキャニング機器、セキュリティ設備を含むインフラを整備したうえ、税関の施設が完全に稼働、コンテナ貨物が定期出荷できるのは2026年になるとみられている。

　フィリピンのラウレル農務相はこのほど、食品の安全性確保、植物の害虫侵入、家畜の感染症拡大への対策を強化するため、今年10月から原産国で農畜産物の検疫を原船積み前検疫・検査実施を義務付ける方針を明らかにした。産物の密輸が減らないことや、最近、米国から輸入したヤギからＱ熱感染症例が発見されたことなどを踏まえ、水際での検疫体制を強化する必要があるとの判断にもとづくもの。
　フィリピンでは海外から輸入する農畜産物の衛生検査・検疫施設として全国の5か所に冷蔵倉庫を備えた動植物検査施設（CEFA：Cold Examination Facilities for Agriculture）を建設中で、来年2月にブランカ州アンガットに最初のCEFAが稼働を開始する予定で、2025年9月までにはマニラ、スービック、ダバオ、ゼネラルサントスの4カ所に完成する見通しで、今回の原産国での船積み前検査・検疫はアンガットのCEFAが稼働するまでに一時的措置という。
　農務省はCEFAの建設資金として当初23億ペソを確保していたが、ターミナル運営会社、International Container Terminal Services Inc.（ICTS）が地方港のほとんどの施設の建設を肩代わりすると申し出たことで、今年度の建設費は12億ペソに半減されている。

　パナマ運河における1〜5月の通航船隻数は前年同期比27.4％減の4,491隻で、うち深い喫水の船舶は30.4％減の3,706隻だった。2ケタの減少は、運河の渇水による通行規制の強化によるもの。特に2月が前月比26.9％減、3月は31.6％減、4月も24.6％減少した。
　期中の通航貨物量は37.0％減の7,640万トンで、通行料収入も14.5％減の12億3,000万ドルと2ケタのマイナスになった。
　雨季の到来により水位は回復傾向にあり、パナマ運河庁（ACP）は今月から来月にかけ通行規制を段階的に緩和する計画だ。

　ニューヨーク／ニュージャージー港における5月の総コンテナ取扱量は前年同月比16.9％増の79万758TEUと70万TEUの大台に乗り、単月過去3番目の取扱量になった。
　うち実入り輸入は17.8％増の41万3,833TEU、輸出は12.7％増の12万4,801TEUだった。また空コンの輸出は17.4％増の25万70TEUだった。
　鉄道によるコンテナ取扱量は3.8％増の5万4,641本、完成車は6.3％増の3万3,984台だった。
　1〜5月の総コンテナ取扱量は前年同期比350万1,676TEUで、うち実入りの輸入は14.1％増の157万815TEU、輸出は3.8％増の57万901TEU、空コンの輸出は14.2％増の112万7,973TEUだった。また輸入も40.5％増加した。
　期中の鉄道による取扱量は6.2％増加、完成車も11％増加した。

　商船三井グループの商船三井内航は3日、田渕海運、新居浜海運と共同保有し、三菱商事の貨物を輸送する内航船の命名・進水式を、村上秀造船グループのカナサシ重工で開催し、”第一めた丸”と命名した。同船はメタノールを燃料とする国内初の内航船で、省エネ装置や運航支援・自動荷役システムなどを備え、今年年12月に引渡しを受け、国内のメタノール輸送に従事する予定。
　”第一めた丸”は全長65.5m、幅10.0m、喫水4.38m、主機関として阪神内燃機工業の船舶用メタノール燃料エンジン「LA28M」1基を搭載し、航海速力は11.15ノット。
　メタノール燃料は硫黄酸化物(SOx)の排出量を最大99%、粒子状物質(PM)を最大95%、NOxは最大80％、CO2を最大15%、排出削減できるという。商船三井グループではすでに外航船で5隻でメタノールを利用しているが、内航船では同船が初となる。商船三井は同船の建造、運航で、船舶保有、運航ノウハウの共有などを主に手掛けている。

　川崎市港湾局は、24年2月の外貿コンテナ取扱個数を発表、輸出入・実入り空合計で前年同月比4.2％増の6,190TEUと増加に転じ、うち輸出が13.4％減の2,582TEUと2ケタ減となったものの、輸入は22.1％増の3,608TEUと大幅に増加した。
　実入りコンテナ輸出は53.3％減の525TEUと大きく減少、空コンテナ輸出は10.7％増の2,057TEU、実入りコンテナ輸入は3,529TEUと22.5％増加、空コンテナ輸入は79TEUと5.3％増。内貿コンテナは移出入合計（実入り・空合計）で11.7％増の1,720TEU、外内貿総合計では、5.8％増の7,910TEUだった。
　1〜2月累計では、外貿合計（実入り・空合計）が0.1％増の1万3,063TEUとほぼ横ばい、実入り・空合計で輸出が9.0％減の5,923TEU、輸入が9.2％増の7,140TEUだった。
　1〜2月累計の内貿は移出入・実入り空合計で8.9％減の2,519TEU、外内貿合計では1.5％減の1万5,582TEUだった。

　山九は、日本物流団体連合会の主催する第25回物流環境大賞で、「物流導線と輸送手段の変更によるCO2削減の取り組み」と「鉄道輸送を活用したCO2削減の取り組み」の2件で特別賞を受賞した。
　同賞は、物流部門における環境保全の推進や環境意識の高揚などを図り、物流の健全な発展に貢献した団体・企業または個人を表彰し、環境施策をより一層推進することを目的としたもの。「物流導線と輸送手段の変更によるCO2削減の取り組み」は三井化学、徳山通運との共同受賞で、山口県から大阪府への化学製品の輸送について、トラック輸送から鉄道輸送（新南陽駅〜大阪貨物ターミナル駅）へ転換し、CO2削減とドライバー負担軽減を実現した。
　一方、「鉄道輸送を活用したCO2削減の取り組み」は、三井化学との共同受賞で福岡県から千葉県への化学製品の輸送で、トラックによる小ロット輸送から鉄道輸送（鳥栖貨物ターミナル駅〜千葉貨物駅）へ転換し、CO2削減とドライバー負担軽減を実現した。千葉地区にある拠点を経由することで1回あたりの輸送効率を向上させ、CO2排出量削減にも貢献した。

　ロジスティードは、住友ゴム工業とタイヤの空気圧・温度管理によるトラックの稼働率向上に向けた実証実験を7月から開始した。
　同社は、輸送デジタルプラットフォーム「SSCVR（Smart & Safety Connected Vehicle）」の開発などを通じて、輸送の安全確保、法令遵守、業務効率化、持続可能な経営など、輸送事業者が抱えるさまざまな課題の解決と事業成長を支援し、持続可能な物流の実現を目指している。今回、同社グループが保有する車両へ、住友ゴムのタイヤ空気圧や温度をモニタリングして異常を知らせる「タイヤ空気圧・温度管理サービス」を導入し、トラックの稼働率向上に向けた実証実験を開始した。
　今回、住友ゴムが提供する「タイヤ空気圧・温度管理サービス」によって、タイヤトラブル予知による車両稼働率向上を目的に、点検業務の効率化、燃費向上とタイヤ寿命に関して1年かけて検証する。トラックに装着したタイヤ空気圧監視システム（TPMS）によって、タイヤ空気圧と温度をモニタリングする。走行時にタイヤに異常が生じた際には、ドライバーに通知、車載用通信機からクラウドを通じて運行管理者にもメールで通知する。一般的なタイヤ空気圧点検では見つけることが難しいスローパンクも早期発見することが可能だ。タイヤトラブルによる車両の稼働停止時間（ダウンタイム）を短縮するとともに、ドライバーと積荷の安全を守る。さらに適正な空気圧管理による燃費向上や、同システムを活用した運行前点検の効率化にも寄与する。

　大阪税関が発表した関西国際空港の6月国際貨物取扱量は、前年同月比4.9％増の6万2,414トンで2カ月連続のプラスとなった。
　積込量は6.0％増の2万9,018トン、うち輸出が5.7％増の2万105トン、仮陸揚量も6.7％増の8,913トンですべて2カ連続のプラスとなった。
　取卸量は3.9％増の3万3,496トンと3カ月連続の増加、うち輸入が8.0％増の2万3,566トンで4カ月連続のプラス、仮陸揚量は4.6％減の9,930トンとふたたびマイナスに転じた。
　上期（1-6月累計）では、総取扱量が前年同期比1.9％増34万8,676トンで4期ぶりのプラス。積込量は2.1％増の15万8,693トンで5期ぶりのプラス、うち輸出が2.5％増の11万1,161トン、仮陸揚量が1.0％増の4万7,532トンといずれもプラスとなった。
　取卸量は1.8％増の18万9,983トンと2期連続の増加、うち輸入が3.7％増の13万3,848トン、仮陸揚量は2.6％減の5万6,135トンだった。

　名古屋税関が発表した中部国際空港の6月貨物取扱量は前年同月比9.1％増の1万477トンと6カ月連続のプラスとなった。積込量が3.6％減の5,060トンと2カ月連続のマイナス、輸出も11.4％減の3,550トン、仮陸揚量は21.9％増の1,510トンと大幅な伸びが持続している。
　一方で、取卸量は24.4％増の5,417トンと6カ月連続の増加、輸入も13.8％増の3,552トンで5カ月連続増、仮陸揚量は51.3％増の1,865トンで高い伸び率を維持している。
　上期（1-6月累計）では総取扱量が13.3％増の6万2,321トン、うち積込量が4.2％増の3万1,238トンで輸出が9.7％減の2万880トン、仮陸揚量は51.2％増の1万358トンと半期で1万トンを突破した。
　取卸量は24.3％増の3万1,083トンで輸入が9.0％増の1万9,866トン、仮陸揚量は65.3％増の1万1,217トンだった。

　香港空港管理局（AAHK）が発表した年次報告によると、香港国際空港（HKIA）の2023/24年度（4月〜3月）貨物取扱量は前期比9.1％増の450万トンと23年も世界一の航空貨物空港としてのステイタスを維持し、旅客数は264.5％増の4,520万人、航空機発着回数が92.1%増の30万9,650万回と24年末のパンデミックからの完全回復に向けて順調に進んでいる。
　AAHKが進めている3滑走路システム（3RS）が今年末には完成して3滑走路が同時に利用できるようになり、それに関連した旅客施設も需要の動向を見ながら段階的にオープンする予定となっている。3滑走路の利用によって長期的な香港航空業界の発展を支え、世界一のハブとしての地位を強化することで旅客は1.2億人、貨物は1,000万トンまで増加すると見込まれている。

　欧州委員会はEU合併規則に基づき、ルフトハンザ航空がITAエアウェイズの株式の41％を取得し、イタリア経済財務省（MEF）との共同管理下に置くことを条件付きで承認した。ITAエアウェイズは倒産した旧アリタリア航空をイタリア政府が20年に引き継いで設立した航空会社。
　欧州委によると、両社はオーストリア、ベルギー、ドイツ、スイス、イタリアのそれぞれのハブから広範囲な路線ネットワークを運営し、また、中欧およびイタリアの別のハブからのサービスは相互補完的なネットワークとなっている。また、ルフトハンザはユナイテッド航空、エアカナダ、全日本空輸（ANA）などとアライアンスを結び、一方でITAは現在業績は順調だが、長期的に見た場合この合併がなければ単独キャリアとして生き残れるかどうかはまったく不透明であり、また合併は特定の長距離、短距離路線で競争を削減し、またミラノ・リナーテ空港でのITAの優位性を強化する可能性がある。
　ルフトハンザとMEFはこれらの問題点の解決策として、短距離路線では競合他社にミラノ／ローマ−中欧路線の直行および乗り継ぎサービスのためのITAの資産利用を認め、長距離路線では競争促進のため競合他社とインターライン協定やスロット交換などで提携することなどを提案、一方で取引後もMEFが引き続きITAの支配持ち分を保有し、北米でのルフトハンザのアライアンスメンバーとITAがアライアンスに統合されるまで競合することも可能だと主張した。
　空港での優勢性についは、リナーテ空港での短距離路線のスロットを競合他社がサービスを開始するに必要な分以上の数を譲渡することとした。
　欧州委はこれらの提案が競争にかかわる懸念を払拭するに足りると判断し、これらの改善策が完全に実施されることを条件に合併を承認した。

　日新は17日15時から、フォワーダー目線から見た「海運市況と今後の見通し・Forward ONE本船動静トラッキング機能の活用」と題した無料オンラインセミナー（Zoom)を開催する。
　米国の対中関税引き上げを契機とした運賃高騰、中東情勢緊迫や異常気象によるリードタイムの長期化など、2024年上半期はコロナ禍で生じたサプライチェーン混乱を彷彿とさせる事態となっている。足元ではアジア各港での混雑が悪化し、納期調整や接続船の確認が煩雑になるなど、さまざまな影響が生じている中、フォワーダーとしてこの状況をどのように認識し、どのような見通しのもと対応策が進むのか実務者目線で説明する。スピーカーは日新の海上貨物部の福本智成氏と、DX推進部の中川穣氏。参加は無料だが、サイトから事前申し込みが必要。

　帝国データバンク（TDB）の調査によると、2024年上半期（1-6月）の道路貨物運送業者の倒産件数は186件、前年同期（133件）から39.8％増となり、4年連続で増加した。
　上半期としては09年（218件）に次ぐ2番目となり、このままのペースで推移すると年間最多となった09年（374件）を上回る可能性がある。一方、負債総額は227億8,800万円と前年同期（250億6800万円）を下回り、1社あたりに換算すると約1億2,300万円となった。10億円を超える倒産は発生せず、倒産件数は1億円未満の小規模な業者が54.8％を占めた。
　倒産要因としては、燃料価格の高騰と人手不足（人件費負担）が多かった。軽油価格は燃料油価格激変緩和補助金導入後でも1リットル155.2円（7月3日時点、資源エネルギー庁）で、10年前の147.4円（2014年7月7日時点）に比べると7.8円も高い。

　韓国の海洋水産部は2日、世界に先駆け海運分野のカーボンニュートラルをリードする、「グローバルグリーン海運航路推進戦略」を策定したと発表した。グリーン海運航路は、環境にやさしい燃料や技術を活用して海上輸送の全過程で炭素排出量のない航路を意味し、第1弾で、米国と協力して世界初の太平洋横断グリーン海運航路を構築する計画だ。
　韓国は2022年の第27回国連気候変動条約締約国総会で韓米グリーン海運航路の構築を発表、妥当性調査を通じて釜山港とシアトル港を結ぶコンテナ航路、蔚山港とタコマ港を結ぶ自動車輸送航路を「予備グリーン海運航路」に選定、2027年から予備グリーン海運航路のテスト運航を開始する計画だ。
　このため、今年、技術的・制度的・経済的妥当性分析を通じた詳細なロードマップを策定し、来年から環境にやさしい燃料供給技術などに対する研究開発事業（R&D）の実施と官民合同による実証実験を推進、釜山港～シアトル港間を運航するコンテナ船1隻が1年間、メタノールやアンモニアなどの環境にやさしい燃料を使用する場合、トラック約3万2,000台の年間炭素排出量に相当する炭素削減効果を見込んでいる。
　また、豪州、シンガポール、デンマークなど主要海運国を結ぶグリーン海運航路への拡大・連携も推進する。環境にやさしい水素とアンモニア供給網の構築を推進している豪州との協力を通じ、環境にやさしいエネルギー輸送を活性化し、安定的な供給網を確保することを目的としたもので、今年、豪州との正式協力案を発表し、来年から共同研究に着手する予定。
　続いて来年はシンガポールとの国交樹立50周年を機にグリーン海運航路構築を推進し、韓国とシンガポール、欧州を結ぶ「メガグリーン海運航路」を策定する計画だ。また、デンマークと技術協力覚書の締結、研究機関間の交流を通じて環境にやさしい船舶の実証と普及など技術協力を強化していく方針。
　環境燃料供給の実証と制度構築を通じたグリーン海運航路の基盤も準備、グリーン船への代替とグリーン海運航路の試運転など、国際的な需要に合わせてグリーンメタノール、グリーンアンモニアなどグリーン燃料の供給と実証・実験を推進し、安定的な供給網構築のために標準化した供給手続きと安全指針などを策定、グリーン海運航路構築のための環境にやさしい船舶燃料供給基盤を整備するという。
　さらに途上国を中心とした国際海運の脱炭素化支援の強化も表明。途上国などとの協力強化のために「韓国型グリーン海運航路ソリューション」を提供し、国際協力を強化する。まず、国際海事機関（IMO）と共同で実施している脱炭素政策教育プログラムと連携し、低開発国を対象にグリーン海運航路関連の教育とコンサルティングを推進する方針。また、アジアと中南米諸国を対象に技術支援の拡大に取り組むなど、「韓国型グリーン海運航路ソリューション」を拡大させる計画だ。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、日本通運は、兵庫県尼崎市に新倉庫「NX尼崎港危険物倉庫」を開設し、今年12月中旬に稼働開始予定だ。
　兵庫県尼崎市は日本有数の工業地帯である阪神工業地帯の一角をなし、金属・機械・化学メーカーをはじめとした、多くの企業が集積する地域だ。新設する「NX尼崎港危険物倉庫」は、阪神高速5号湾岸線尼崎東海岸ICから550m、阪神工業地帯の中心部の大阪市と兵庫県の境に位置している。大阪港・神戸港から約30分とアクセスも良好で、阪神工業地帯の主要物流拠点としても優れた立地にある。
　危険物倉庫は「第4類引火性液体」のみ取り扱い可能な倉庫が一般的だが、同倉庫は第1〜6類の危険物全種類の対応が可能な自社倉庫となる。隣接する同社の一般品倉庫と連携することで、顧客ニーズに合わせた柔軟なサービスが提供可能だ。さらに保税エリアも設置し、輸出入に関わる通関・ドレージ・フォワーディングまで、End to Endでのソリューションをワンストップで提供する方針だ。
　NX尼崎港危険物倉庫（兵庫県尼崎市東海岸町13）は、平屋建て1号倉庫（延べ床面積972m2）、2号倉庫（同972m2）と屋外貯蔵所（同591.48m2）から構成、指定数量倍数（危険物の数量をその危険物の指定数量で割った数値）は200倍以上、保税エリア（324m2予定）、パレットラックエリアを整備する。

　シンガポールのチー・ホンタット運輸相は2日、シンガポールの港湾に到着するコンテナ船の約9割（23年は77%）が、紅海付近での混乱が続いている影響で運航スケジュールに乱れが生じていることを明らかにした。また、今月の平均待ち時間は改善されたが、紅海危機がすぐに緩和されるとは考えにくく、企業がアジアからの輸出スケジュールを前倒しし、下半期には中国の大型連休を控えているため、物量が増加し状況がさらに悪化する可能性もあるとの見方を示した。
　イップ・ホン・ウェン議員などが2日、同運輸大臣に対し質問したのに対し、書面で回答したもの。
　この中で、紅海危機により、アジア／欧州航路のコンテナ船が喜望峰経由の迂回航路に変更した結果、世界中の港で予定外の到着が増え、シンガポール港では、コンテナ船の約90%が予定外に到着、また、多くの船舶が短い時間枠内に到着し、「バンチング」効果を引き起こして問題を悪化させ、コンテナ船が貨物輸送のための在港時間が長くなり、入港船の待ち時間が増加し、コンテナバースの混雑が発生したと説明した。
　また、シンガポール運輸省（MOT）、シンガポール海事港湾庁（MPA）、PSAが三者協力のもと、混雑対策に取り組んでおり、ケッペルターミナルとタンジョンパガーターミナルのバースとヤードの一部を再稼働。年初来、PSAは各ターミナルの取扱能力を増強しており、今後数カ月間、予想される需要に対応するため、引き続き規模を拡大する見通しを示した。
さらに、シンガポールの港湾開発計画に沿って、トゥアスでは今年、新たに3つのバースが稼働する。このうち最初のバースは1日に稼働を開始したばかりで、さらに2つのバースがそれぞれ10月と12月に稼働を開始、需要の増加が続くようであれば、PSAは追加キャパの開発も早め、前倒しする予定で、パシールパンジャンターミナルは、少なくとも2040年まで操業を継続し、2040年代に全面完成する6,500万TEUの処理能力を持つトュアス港への移行をサポート、これにより、当港のコンテナ処理能力は減少することなく、トゥアス港が徐々に発展するにつれて増加し続けることになり、PSAのコンテナ処理能力の増加に伴い、MOTとMPAは、PSAが拡大する業務に十分な労働者を確保できるよう支援していると説明した。
　MPAとPSAはまた、MPAのジャスト・イン・タイム・システムを利用して、船舶の到着時間とオペレーションを最適化し、船舶のターンアラウンドを改善するため、すべての主要船社と協議、予定外に到着し、バースの準備が整うのを待っている船舶については、船社が待機時間を利用して、停泊地での燃料補給や船舶の再供給などのサービスを実施するとした。

　BIMCO（ボルチック海運協議会）が発表した6月のコンテナ輸送市場の概況によると、2024年の船腹供給は10.3％増加、2025年には5.3％増える一方、紅海危機に伴う喜望峰の迂回ルートが2024年全体に影響を与え、輸送需要は2024年に15.0％増加するものの、2025年には5.0％減少を予測している。
　レポートでは、紅海での商船攻撃により、ほぼ全てのコンテナ船が喜望峰を迂回するルートに変更を余儀なくされ、航海距離と船腹需要が10％増加している。この影響で、2024年には需給がタイトとなり、航海速力も増す見込みだが、2025年には再びスエズ運河経由のルートに戻る可能性があり、需給の緩和を見込んでいる。
　新造船引き渡しは2024年に過去最高を記録し、2023年の記録を更新、2023年末から2025年末にかけて15.6%増加、紅海の状況により船舶の需要が増加するため、船舶リサイクルは2024年も低いままだが、2025年には増加すると予想する。
　一方、最近の数カ月間、いくつかの積み替えハブで港湾混雑が増加しており、米東岸・ガルフ諸港の港湾労働協約の更改を巡る労使交渉の失敗が混乱を引き起こす可能性がある。

　香港の海運調査会社、LinerLyticaの調べによると、世界のコンテナ船隊は、6月に51隻の新造コンテナ船が竣工し、初めて3,000万TEUの節目を超えた。
　下半期（7～12月）にはさらに149万TEUの竣工が予定されており、デリバリーの遅れは最小限にとどまる見込みだ。第2四半期（4～6月）は現在の竣工サイクルのピークで、月間平均竣工量は31万5,000TEUに達し、ほぼ毎日2隻の新造コンテナ船が竣工したことになる。
　第3四半期（7～9月）には月間平均26万TEU、第4四半期（10～12月）には月間平均23万TEUまで減少する見通し。

　帝国データバンク（TDB）は4日、人手不足倒産の動向調査（2024年上半期）の結果を公表、人手不足による企業経営への影響が、一段と深刻化、従業員の退職や採用難、人件費高騰などを原因とする「人手不足倒産」は、2024年上半期（1-6月）に182件発生、年間として過去最多を大幅に上回るペースで推移している。運転業務や建設業務の時間外労働上限規制適用で労働力が不足する「2024年問題」の影響から建設業は53件、物流業は27件と上半期としてはそれぞれ過去最多だった。
　上半期の人手不足倒産は182件、前年同期の110件から大幅に増加、統計として遡れる13年以降の最多件数を2期連続で更新するなど深刻な現状だ。特に「従業員10人未満」の小規模事業者の人手不足倒産は全体（182件）の約8割にあたる143件（前年同期84件）にのぼった。特にトラックドライバーの時間外労働上限規制や改善基準告示改正による物流業の人手不足倒産は27件で、前年同期（15件）からほぼ倍増した。多くの産業が関わるバリューチェーンのなかで基盤となる物流業に支障が生じれば、対応に追われる必要性も増してくる。実際に、2024年問題に際して物流面で対応を図る企業は62.7％にのぼった。具体的な対応策も多岐にわたり、運送費の値上げ（受け入れ）やスケジュールの見直しなどが上位となっている。自社の人手不足に関してだけでなく、企業を取り巻くあらゆるステークホルダーの状況把握にも注意が必要だ。

　名古屋港管理組合は、第5次名古屋港管理組合地球温暖化対策実行計画（23年4月策定）に基づき、温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組みを推進しており、このほど第5次実行計画の1年目となる23年度の取り組み結果が温室効果ガス総排出量1万416トン（CO2換算値）/年で、13年度（基準年度、1万5,326トン/年）から32.0％削減となったと発表した。
　同計画では、30年度に13年度比50％削減を目標としている。23年度は、施設の再生可能エネルギー100％の電気調達と道路照明のLED化などの設備更新に取り組んだほか、船舶では経済速度による運航を進め、公用車は低燃費車への買い替えと公共交通機関の利用促進などによる走行距離の削減に取り組んだ。同組合では、今後も第5次実行計画の取り組みを継続し、電動車や省エネルギー型機器の導入を進めるなど、より一層の温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組みを推進する方針だ。

　CMA CGMグループ（仏）の物流会社、CEVA Logisticsは2日、今年2月に買収を完了したBollore Logistics（仏）をCEVA Logisticsのブランドに吸収統合すると発表した。
　CEVA Logisticsの2023年の売上高は202億ドル、海上コンテナ取扱量は190万TEU、航空貨物取扱量は80万トン、倉庫面積1,170万m2をもち、世界に11万人の従業員を抱えている。Bolloreの統合作業は今年末までに完了するとしている。
　CMA CGMグループは2019年からCEVA Logisticsを傘下に置き、アフリカ域内に強い物流ネットワークを確保、また2022年にはIngram MicroのCLS部門を取得しe-コマース事業を強化、さらにGEFCOを獲得し完成車物流事業を強化、続けてBollore Logisticsを買収し、海空の貨物管理ソリューションを強化しており、その他にも、中南米における生鮮品輸送事業、仏国内における小包のラストワンマイル事業の強化を図ってきた。

　ドイツ・ブレーメン／ブレーメルハーフェン港における今年1～4月の総貨物取扱量は前年同期比9.6％増の2,040万トンだった。輸入が8.5％増の1,020万トン、輸出は10.7％増の1,020万トンといずれもプラスになった。同港では昨年11月以来連続で取扱量が増加している。
　貨物別では、コンテナが17.3％増の1,600万トン、個数ベースで12.8％増の150万TEUだった。一方Ro/Ro貨物は9.0％減の83万3,000トンに減少した。
　鉄鋼製品は20.1％増の6万3,000トン、林産品は28.9％減の12万8,000トン、その他の一般貨物は18.3％増の38万7,000トンだった。
　またバルク貨物は、液体バルクが6.4％減の48万1,000トン、ドライバルクは14.8％減の190万トンで、うち鉱物が20.5％減の100万トン、穀物は30.9％減の15万4,000トン、石炭は69.9％減の2万2,000トンだった。

　釜山港湾公社（BPA)は、釜山港新港西埠頭2-5段階に続き、2-6段階埠頭に国産荷役機器を導入するために自国企業と契約を締結し、製作に着手した。
　昨年11月から3回にわたり港湾荷役機器を巡る入札を実施、ガントリークレーン6基はHD現代三湖、トラスファークレーン34基はHJ重工業と、それぞれ1,632億ウォン、1,700億ウォン（付加税を除く）で契約を締結した。HD現代三湖とHJ重工業は、釜山新港西埠頭2-5段階向けでもガントリークレーントランスファークレーンを納入している。
　釜山新港西埠頭2-6段階は2,110億ウォンを投資、岸壁からの搬送、ヤードオペレーションまでを無人化する韓国型スマート港湾を目指す完全自動化ターミナルとして、2027年9月開業を目指しており、荷役機器は2027年6月末までに設置を完了する計画だ。

八島 仁朗氏（やしま・にろう=元Evergreen Japan会長）7月2日死去。88歳。通夜は6日18時、告別式は7日10時（出棺11時15分）から越谷駅前葬斎センター 式場（埼玉県越谷市赤山町1丁目51）。喪主は夫人の八島牧子（まきこ）氏。

　サントリーホールディングス、ダイキン工業、鴻池運輸、NEXT Logistics Japan（NLJ）は、持続可能かつ生産性の高い物流の実現に向け、ダブル連結トラックを活用した異業種製品輸送の往復輸送の取り組みを8日から開始する。
　サントリーの拠点（山梨県）から関西方面への製品輸送と、ダイキンの拠点（滋賀県）から関東方面への製品輸送で、NLJのダブル連結トラックを活用する。鴻池運輸の島田金谷スイッチセンター営業所（静岡県）を発着地としてドライバーを交替する。ダブル連結トラックの活用で、10トントラック2台分の荷物を1人のドライバーで輸送できる。また1人のドライバーが関東・関西間の全行程を輸送すると、1泊2日の行程となり拘束時間が長時間化するが、中継拠点を設けることでドライバーは日帰り運行ができるようになり、労働環境の改善が見込まれる。また、CO2排出量は10トントラック2台での輸送時と比べ年間約35％削減できる見込み。今後、同運行スキーム開始後の状況に応じて、運行便数の増加やダブル連結トラックの追加導入も検討していく考えだ。

　北九州市港湾空港局は、24年度北九州港海上貨物補助を公表、2024年問題の解決と物流の環境負荷低減の促進を目的に、陸上輸送から海上輸送への転換を対象としたモーダルシフト貨物補助制度を新設した。また既存のコンテナ貨物補助制度も継続するとともに、補助対象貨物範囲を拡充し、一部内航コンテナ貨物も補助対象に追加した。
　モーダルシフト補助は、北九州港に定期寄港する国内フェリー及び国内Ro/Ro船を利用した新たなモーダルシフト貨物を補助対象に、陸上輸送の一部を海上輸送に変更、他港利用からの転換で陸送距離が短縮するもの、新規貨物でCO2削減に寄与するものについて、荷主、貨物運送事業者に対して、20’以下のコンテナ/8m未満のトラック・トレーラー1台につき7,000円、20’超のコンテナ/8m以上のトラック・トレーラー1台につき1万円を補助する。北九州港発着が金曜日、土曜日、日曜日である運航便を利用する場合は、補助単価に各2,000円を上乗せする。補助額の上限は、申請件数1件あたり20万円とする。
　一方、コンテナ貨物補助制度は、北九州港を利用して海上コンテナ貨物を輸送する荷主・フォワーダーに対し、2種類の補助制度がある。24年度から条件に該当する内航コンテナ貨物についても、補助対象を拡大した。ひびきCTの新規外航・内航貨物について、輸出が2,500円/TEU、輸入が5,000円/TEU、移出が2,500円/TEU、移入が2,500円/TEUを補助する。また他港からの転換貨物は、外航貨物は門司とひびきCTを対象に、内航貨物はひびきCTのみが対象で、輸出：2,500円/TEU、輸入：門司2,500円/TEU、ひびき5,000円/TEU、内航（ひびき）は移出：2,500円/TEU、移入：2,500円/TEUを補助する。またトライアル支援補助として、10本以上のトライアル輸送を対象に、1万3,000円/20’、2万1,000円/40’（1荷主あたり上限50万円）を補助する。

　　国内空港発着の国際貨物は今年3月にプラスに転じて以来ボリュームが急速に伸びており、国土交通省のデータにもとづく国内空港の５月取扱貨物量は、東京航空局管内で前年同月比14.3％増の22万596トン、大阪航空局管内で10.4％増の7万5,610トン、全国合計では13.3％増の29万6,206トン、国内、国際を合わせた合計では11.１％増の38万6,216トンといずれも2ケタの伸びとなった。
　空港別の上位5空港による国際貨物の取り扱いでは、成田が前年同月比9.0％増の16万23トン、以下関西国際が10.0％増の6万1,106トン、羽田が31.2％増の6万1トン、中部国際が14.1％増の1万641トン、福岡が18.3％増の2,560トンだった。54.6％増と最大の伸び率を記録した那覇は、パンデミックの影響で22年までは国際線の貨物専用機や旅客便の運航が停止したことで貨物実績がほぼゼロとなったが、22年10月の水際対策緩和による国際線の復便で、23年度の国際貨物は2,029トンまで回復した。
　国内貨物も合わせた合計の取扱量では北九州空港の91％増が目を引くが、宅配大手のヤマトホールディングスが貨物専用機の寄港を開始したことによるもの。

　シンガポールのSea Groupが展開する大手電子商取引（EC）サービス、Shopee Singaporeの日本法人、Shopee Japan（東京都中央区）は3日、日本からタイ市場向けの越境物流サービス、Shopee Logistics Service (SLS)を開始したと発表した。シンガポール、台湾、マレーシア、フィリピン、ベトナムに続く6カ国・地域目。
　日本の販売者はタイへのドアツードアの配送が可能になるほか、複数市場で展開するオペレーションの効率化、物流リードタイムの短縮が期待できる。
　タイでは日本のホビー商品など、日本越境商品の需要が幅広く、日本越境セラーにとってポテンシャルが高い市場の一つで、SLSのタイ市場への拡大により、より多くの事業者がタイ市場への越境販売を検討することが期待されている。
　Shopeeは東南アジア・台湾で最大規模のEコマースプラットフォーム。企業のデジタル化とオンラインプレゼンスの強化、多くの人々のデジタルサービスへのアクセス、更には現地社会の活性化を支援することで、多方面とつながるデジタルエコシステムを実現している。