ニュースダイジェスト

　中国交通運輸部がこのほど発表した運輸部門発展統計公報によると、23年の商業貨物輸送量は547億4,700万トン・前年比8.1％増/2,406億4,600万トンキロ・6.3％増となった。
　年間港湾貨物処理量は169億7,300万トン・前年比8.2％増、そのうち内陸港の貨物取扱量が61.39億トン・10.5％増、沿岸港の取扱量が108.35億トン・6.9％増、外国貿易の貨物取扱量は50.47億トン・9.5％増、国内貿易が119.26億トン・7.7％増、コンテナ取扱量は3億1,000万TEU・4.9％増、鉄道・水運複合一貫輸送コンテナ量は1,018万3,600TEU・15.9％増となった。
　民間航空の年間貨物・郵便輸送量は735万3,800トン・21.0％増/283億6,200万トンキロ・11.6％増、全国空港の年間貨物・郵便取扱量は1,683万3,100トン・15.8％増だった。

　Hacobu（東京都港区）は、動態管理サービス「MOVO Fleet」に、トラックドライバーの稼働時間を可視化し分析する機能を実装した。
　同機能は、MOVO Fleetの基本機能として、すべてのMOVO Fleetユーザーの方に追加料金なしで利用可能。新機能はドライバーの操作に依存せず、主要な違反リスクをチェックできるため、輸配送に関わるさまざまなステークホルダーが利用可能だ。
　拘束時間（1日基本13時間以内）、休息期間（1日基本11時間以上）、2日平均運転時間（9時間以内）、連続運転時間（4時間以内）の項目について、法令に則していない可能性がある運行をチェックし、アラートを発出する。
　またデータダウンロード機能では、車両の情報、運行開始・終了日時、走行距離などの基本情報とアラート項目を含むCSVファイルを取得できる。この機能で、企業はデータを自社用に加工・管理でき、長期間にわたって蓄積することも可能。例えば、拘束時間13時間や連続運転4時間などの項目ごとに、日次や月次で違反している人数や台数を集計し、ヘルスチェックとしてモニタリングできる。また、月間で違反回数が多いドライバーや車両を順位付けし、その原因をチェックして改善を要望することも可能だ。
　GPS情報から運転時間を自動で特定するとともに、積み降ろしの場所への到着・出発、それ以外の場所での停留を自動で判定、1日の運行を自動で判定し、改善基準告示のルールと比較する。さらにドライバー1人につき1台のMOVO端末を利用し、各ドライバーの稼働状況を正確に集計することが可能となっている。

　名古屋港管理組合は、24年5月の外貿コンテナターミナル別取扱量の速報値を発表、全体の外貿コンテナ貨物（輸出入、実入り・空合計）取扱個数は、前年同月比5.0％増の20万1,609TEUと9カ月連続のプラスとなった。
　5月の速報値をターミナル別にみると、飛島南が1万8,893TEUと4.3％増、飛島南側が4万8,853TEUと41.1％増加、鍋田が8万7,356TEUと1.1％増と増加したものの、飛島北が54.7％減の4,300TEUと大幅減、NCBが4万2,207TEUと2.7％減少した。
　1〜5月累計では、合計で前年同期比3.6％増の104万255TEU、ターミナル別ではNCBが4.2％増の23万903TEU、飛島南が13.3％増の10万1,903TEU、飛島南側が9.5％増の23万2,598TEUと増加したが、飛島北が10.4％減の3万6,216TEU、鍋田が0.3％減の43万8,439TEU、その他が13.7％減の196TEUだった。

　倉庫内の自動保管ソリューションに特化したノルウェー発ロボティクステクノロジーのAutoStoreは、豪州・日本・シンガポール・韓国などのアジア太平洋地域に位置する主要市場での業務拡大を加速させるため、タイのラヨーンにロボット生産工場を新設した。
　AutoStoreは最先端のロボットを使用したキューブストレージシステムを採用し、オーダーフルフィルメントの迅速化・倉庫スペースの最大化・業務効率の向上を実現するソリューションを提供している。現在、世界54カ国に1,450台以上の自動フルフィルメント・システムを供給している。アジア太平洋地域では既に140以上のシステムが稼働、プーマやグッチなどのトップブランドがEコマースの需要増加に伴ってAutoStoreを導入している。この度、タイのラヨーンにロボット工場を新設したことで、日本を含むアジア太平洋地域の主要市場の需要に対し迅速かつ効率的に対応できるようになる。タイの新工場では、初年度に約80人の直接雇用機会を創出し、26年までに200〜300人の雇用を増やす計画だ。これは顧客の需要に応えるために現在の生産能力を倍増させるもので、AutoStoreは今後1年半以内に1万5,000台のロボットを生産することを目指している。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、NX南アジア・オセアニア（NXSAO）は、5月15〜17日の3日間、タイ・バンコクで開催の「Future Mobility Asia」に出展した。
　同展示会は、ASEANの自動車産業の中心であるタイで、タイ・エネルギー省が後援となって開催した、自動車産業に関する国際展示会。乗用車、商用車、アフターマーケットの従来型の展示に加え、新領域であるEV自動車関連、自律走行技術などのテクノロジー企業なども含め、350を超える企業が出展し、約2万2,000人が来場した。
　商談ブースでは、ASEANやインドを中心としたNXグループのEnd to Endの自動車物流ソリューションを紹介。また環境負荷軽減に関する取り組みについても展示、持続可能な社会へ向けた取り組みもアピールした。

　東京西濃運輸（東京都荒川区）は、物流倉庫情報サイトSOKONNECT（ソーコネクト、https://sokonnect.jp/）を新規開設した。
　東京西濃運輸では主力商品であるカンガルー便のほか、倉庫での保管・流通加工を取り扱っているが、倉庫探しのニーズに応えるため、ソーコネクトは地図を使ってシンプルに直観的に倉庫を探すことができる、倉庫と顧客のビジネスをつなぐというコンセプトで、23年12月1日に開設した物流倉庫情報サイト。登録物件は600件に達する。
　最大の特徴は、地図の操作によってシンプルに、直観的に倉庫が探せることで、TOPページにアクセスすると地図を表示、その地域の倉庫の場所をピンで表示、サインイン画面や検索画面を経由せず、サイトにアクセスすればすぐに倉庫探しがスタートできる。現在のソーコネクトの機能は倉庫を探すことができるの一点だが、将来はユーザー自身で倉庫の情報を登録したり、倉庫で扱う業務案件情報を登録・公開することで、空き倉庫と案件のマッチングがスムーズにできる、倉庫にまつわる仕事のポータルサイトとしての機能を持たせたいと考えている。
　7月1日のアップデートではまずユーザーによる倉庫登録機能を追加する。

　大韓航空はアシアナ航空買収の条件となっていたアシアナ貨物部門売却の入札でエア・インチョンを優先交渉者に指名した。
　大韓航空は20年11月に経営難に陥っていたライバル会社アシアナ航空を買収することで同社と合意したが、乗り入れ国・地域のなかでとくにEUが欧州〜韓国間の路線で統合が競争に影響を及ぼす可能性があるとして、アシアナの主力となっている貨物事業の売却などを条件に今年2月に合併を承認した。これを受けて大韓航空は4月に入札を実施、エア・インチョン、イースター航空、エアプレミアの3社が入札書を提出していた。エア・インチョンによる買収価格は公表されていないが、約5,000億ウオン（約571億円）と見積もられている。
　エア・インチョンは2012年に設立されたアジア域内路線の貨物専用航空会社で、自社のB737-800型4機で仁川と成都、重慶、煙台、ユジノサハリンスク、成田などを結ぶ路線でサービスを提供している。23年の売上高は700億ウオンと入札に応じた３社の中ではもっとも規模が小さかった。アシアナの貨物部門買収が成立すれば、小型機による自社のサービスとアシアナの大型貨物機によるアジア–米国および欧州の長距離ネットワークを組み合わせたシナジー効果で競争力を高めていくものと見られている。
　両社は7月に包括協定に署名し、欧州委員会に提出する。承認されればあとは米国司法省の認可を残すのみとなるが、米国はアシアナの買収が旅客マーケットの競争状況に及ぼす影響について関心を示しているといわれる。

　セイノーホールディングスは18日、三菱電機が保有する三菱電機ロジスティクスの普通株式の66.6%を取得し、子会社化すると発表した。買収価格は572億円。関係当局の承認を前提に10 月1 に譲渡を終える予定。買収後の三菱電機の保有割合は33.4%となる。買収後も三菱電機ロジスティクス従業員の雇用や処遇は5年間保証される。
　セイノーは子会社化を通じて三菱電機ロジスティクスが強みとする大型機器や半導体、精密機械などの特殊輸送ノウハウを活用し、サービス拡大を目指す。

　韓国政府は14日に開催した「第42次経済関係省庁会議」で産業通商資源部は「海上運賃の上昇に伴う輸出入物流の影響および対応策について、今後の船腹不足の可能性に備え、HMMを通じて6～7月中に輸送需要が高い北米西岸、北米東岸航路をはじめ中東航路に9,000TEU型臨時コンテナ船3隻を緊急投入する計画を打ち出した。
　また、下半期中に大型新造コンテナ船7隻（7万TEU）を主要航路に投入し、1隻当たり1,685TEUを中小・中堅企業専用に割り当てするなど、韓国船社との協力を通じて輸出を支援する計画。
　加えて輸出企業の運賃負担軽減と流動性支援のために輸出支援金として202億ウォンを早期に拠出、今後の輸送費用増加を考慮し、必要に応じて追加物流費支援策を検討することにした。
　このほか、代金決済遅延などに備え、輸出信用保証限度優遇（1.5倍）、保険金迅速支給などの支援対象と施行時期を延長、また、釜山港新港付近の敷地に割安な料金のコンテナ共用蔵置場を追加する。
　政府は今後、動向のモニタリングと迅速な対応のために輸出入物流緊急対応班を引き続き運営するとともに、輸出緊急対策班を中心に隘路の発掘・解消を支援し、大韓貿易投資振興公社（KOTRA）・貿易協会内の情報提供・受付窓口で相談を受ける。

　トレードワルツと、データ連携のアステリア（東京都渋谷区）は、貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」を通じた貿易DX拡大に向けた協業を開始すると発表した。
　世界での貿易取引は22年に24兆ドルを超え、世界経済の成長に大きく寄与する反面、貿易手続きは未だに紙でのアナログな書類作成や作業が残り、業務効率化に向けたデジタル化が急務となっている。トレードワルツは貿易に関わる全ての人や情報をつなぐ貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」を提供、貿易のデジタル化やDXに貢献している。一方アステリアは、企業内システムからクラウドサービスまで100以上のツールやサービスとノーコードでつなぐことができるデータ連携ツールASTERIA Warpを提供し、1万社を超える企業が導入している。
　トレードワルツでは、さらなるデータ連携の効率化に向けて「ASTERIA Warp」を用いて実証試験した。TradeWaltzユーザーが、自社システムとTradeWaltz間のAPI連携にかかる開発工数を3割程度削減・効率化できたことから、ASTERIA WarpをTradeWaltz連携ツールの一つとし、採用時のユーザー導入支援の協力体制の構築を決定した。
　トレードワルツとアステリアではこの協業で、貿易業務のデジタル化やDXを実現することで、経済産業省が目指す日本の貿易取引のデジタル化の割合を10％とすることを目指し、日本の貿易の未来に貢献する。
　ASTERIA Warpに実装したTradeWaltz-API連携のモジュールを使い実証試験した。同実験では、ASTERIA WarpがCSVデータを、TradeWaltzが読み取れるJSON形式データに自動変換、ASTERIA WarpがTradeWaltz-APIを自動実行し、該当データをTradeWaltzに自動登録した。今回のAPI実行では輸出船積承認依頼などの業務に関連するAPIを用いて実証試験した。結果としてデータの変換や登録が問題なく実行でき、スクラッチ開発と比べて導入効果が期待できることが確認できた。実際の運用では、各社の書類に記載している特殊項目を追加でマッピング設定するなどの個別対応が必要だが、ノーコードで連携できるため、コーディングやテストの手間が省ける。その結果、連携にかかる工数と時間が導入しない場合と比べて3割ほど改善できる。
　TradeWaltzとASTERIA Warpを接続することは、単にユーザーのTradeWaltz利用を促進するだけではなく、TradeWaltzは貿易業界のハブ役として各産業や各国のプラットフォームとの接続を、ASTERIA Warpは企業のシステムのハブ役として企業内の複数のシステムと接続。これにより、企業システムのポテンシャルは格段に広がり、貿易に関する業務の効率化やシステムの拡張性を高めることを実現できる。例えば、TradeWaltzで登録した貿易上の債務データを社内の会計管理システムへシームレスにつなぎ、その取引先の情報などを活用して送金依頼システムにデータを流し込むなど、システムの境目で情報分断がなく、付加価値を生み出しやすい世界観を作ることができる。トレードワルツとアステリアは今回の協業を皮切りに、セミナーの開催などユーザーメリットを生み出す連携を検討していく方針だ。

　NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、日本通運は6月から東京発、北海道向けの医薬品海上輸送サービスを拡充、北海道向けに輸送する医薬品の取り扱い3分の1を海上輸送（北海道航路：東京発苫小牧向け）に切り替えた。
　これによってモーダルシフトを加速、2024年問題に対応したさらなるサービスの安定供給と、CO2排出量の低減に取り組む。NXグループは、長期ビジョン実現のため「持続的成長と企業価値向上のためのサステナビリティ経営の確立」を推進している。トラック中心の輸送形態から鉄道・船舶を利用した輸送形態へのモーダルシフトを積極的に進め、複数の輸送モードを組み合わせた柔軟なロジスティクスソリューションの提供と、顧客のCO2排出量削減に貢献するサービスの創出に取り組んでいる。また4月からトラックドライバーの時間外労働の規制強化で労働力不足も見込まれ、長距離トラック輸送も大きな課題となっている。このような状況の中、日本通運は、医薬品の安定供給と社会課題へのソリューションとして、東京発、北海道向け医薬品輸送の海上輸送サービスを拡充した。医薬品輸送の選択肢を増やすとともに、トラックドライバーの拘束時間と運行距離を大幅に短縮する。また、環境負荷の少ない船舶輸送を採用することで、CO2排出量の削減にも貢献する。
　これまで、東京から北海道への医薬品輸送は、トラックで八戸港や青森港まで運び、ドライバーもフェリーに乗船、苫小牧港や函館港に到着後、同じドライバーがトラックで配達先まで輸送するのが一般的だった。新たに6月から開始したサービスでは、東京港から貨物を積んだトラックのみをRORO船で無人航送、苫小牧港で下船後、苫小牧支店の自社ドライバーが道内の輸配送を担当する。また、室温（15～25℃）と保冷（2～8℃）の2つの温度帯の輸送にも対応し、輸送中の温度、位置、物流ステータスなどのデータもタイムリーに提供することが可能だ。今後、北海道向けに輸送する医薬品の取り扱い3分の1を同サービスに切り替える方針だ。
　またモーダルシフトにより悪天候などで高速道路や鉄道が使用できない場合のBCPとしても活用可能なほか、トラックドライバーの負担軽減により労働環境を改善し、持続可能なサービスを提供でき、加えて、トラック輸送サービスと比較して、CO2排出量を60％以上削減可能だ。

　シンガポール港で14日、パシール・パンジャン・ターミナルでVan Oordが運航する浚渫船、"Vox Maxima"がバンカータンカーの"Marine Honour"に衝突し、大量の油が流出する事故が発生した。両船は安全に停泊し安定しており、負傷者は報告されていない。
　バンカータンカーの貨物タンクのひとつが破損し、燃料油が流出、潮流によって油膜が岸に向かって運ばれ、観光客に人気のリゾート地やカジノのあるセントーサ島のウォーターフロントに到達し、セントーサ島、ラブラドール自然保護区、南方諸島のビーチフロントエリアが影響を受けており、一部のエリアは清掃が進められているため閉鎖、専門の作業班がすでに水辺から油砂を除去したという。

　海外の海事メディアによると、米国中央軍は13日、新たに11,402dwt型在来貨物船"Verbena"が紅海でイエメンのフーシ派による対艦巡航ミサイルによる攻撃を受け、被弾、船員が重傷を負ったと伝えている。
　ミサイル攻撃を受けた"Verbena"は2008年に建造、ウクライナ船主が保有しポーランド企業が運航中で、タイのソンクラ港を出港後イタリア・ベニス港へ向けて航海中だった。
　同船にはミサイル3発が命中し、船員1人が重傷を負い、火災が発生、付近の船舶が重傷者の救出と移送をする間乗組員が消火を図ったが鎮火に至らず、結局15日に同船を放棄した。"Verbena"は依然炎上中で沈没する恐れがある。
　また前日ミサイルが命中し損傷したギリシャ船主保有のばら積み船"Tutor"では船員1人が死亡し、浸水が続き沈没する危険性が高く、現在タグボートが救援活動を続けている。
　フーシ派の攻撃により船員に死者が発生したのは今年3月にばら積み船"True Confidence"が被弾し船員3人が死亡する事件以来2例目になる。

　貨物輸送市場情報プラットフォーマーのXeneta（ノルウェー）による最新データは、主要航路の極東発スポット運賃は6月15日に再び上昇することを示しているが、その程度は5月と6月初めに見られたほど劇的なものではないが、依然として海上輸送への圧力は依然として厳しいレベルにあると指摘している。
　北米西岸向けは4.8%上昇し 6,178ドル／FEUで、6月1日は20％上昇、北米東岸向けは3.9%上昇し7,114 ドル／FEUで、6月1日は15%上昇、北欧向けは10%上昇し6,357ドル／FEUで、6月1日は20%上昇、地中海向けも7.2%上昇し7,048ドルで6月1日は19%上昇で、いずれも6月1日の上昇には及ばず、Xenetaではスポット運賃の上昇率が鈍化する兆候は荷主にとって歓迎されるだろうが、市況は依然として上昇しており、一部荷主は既存の長期契約に基づく船積みができない見通しに直面している。
　また、紅海での紛争が勃発する前の昨年12月中旬と比較すると、極東からの平均スポット運賃は北米西岸向けが276％、北欧向けは316％上昇し、荷主には経済的に大きな打撃となっているとしており、紅海地域での紛争の継続、地中海とアジアの港の混雑、コンテナ不足、第3四半期のピークシーズンを前に荷主が輸入を前倒ししていることにより、海上輸送への圧力は依然として厳しいレベルにあると指摘している。
　また、港湾労使交渉の決裂と、北米東岸・ガルフ諸港での労働組合の争議行為の脅威は、さらなる圧力を加え、コスト増加が最終的に最終消費者に転嫁される場合、海上貨物のスポット運賃高騰が米国や欧州のインフレに与える可能性のある潜在的な影響も考慮する必要性を強調している。
　そのうえで、現時点では、スポット運賃がパンデミック時に見られた高水準に達する可能性は低いが、非常に多くの要因が関与しているため、ある程度の確実性を持って市場を予測することは不可能だ。例えば、イスラエルとハマスの間で停戦が実現する可能性があれば、それがフーシ派によるコンテナ船への攻撃の停止につながり、コンテナ母船の紅海地域への大規模な復帰が実現すれば、状況は完全に変わる可能性があるとみている。

　中国の寧波海運取引所（NBSE）が発表した先週の海のシルクロード指数、寧波輸出コンテナ貨物指数（NCFI）は、一部航路で下落したが、欧米向けが引き続き上昇し、総合指数（2012年第10週＝1000）は2710.5と前週比6.0%上昇した。21航路のうち13航路が上昇、8航路が下落、「海のシルクロード」沿岸の8港が上昇、8港が下落した。
　欧州・地中海航路はスペース不足が続いており、船社が下期に入ってからの運航運賃の値上げを続けており、運賃指数は欧州航路が前週比7.8％上昇し3043.7、東地中海航路が1.3％上昇し2426.5、西地中海航路も3184.4で4.4％上昇した。
　北米航路は輸送需要が増加傾向にあり、北スペースが依然としてひっ迫しており、船社が15日から運賃をさらに値上げ、運賃指数は北米東岸航路が2944.8で前週比13.0%上昇、北米西岸航路も4293.7で15.1%上昇した。
　中東航路は年後半以降、船社の船腹抑制策が鈍化し、スポット運賃は若干下落、運賃指数は2259.5で前週比2.4％下落した。
　さらに、先週は東アフリカ航路の需給が緩み、船社が消席率を維持するために運賃を引き下げしたことで、運賃指数が1824.9と前週比15.5％下落したのが目立った。

　上海航運交易所（SSE）が7日に発表した先週の長期契約運賃の指標である中国輸出コンテナ運賃指数（CCFI）は日本～韓国航路を除き上昇、総合指数（1998年1月1日＝1000）は1733.47と前週比8.8%上昇、上海出しスポット運賃（THC除く）を反映した上海輸出コンテナ運賃指数（SCFI）の総合指数（2009年10月16日＝1000）は3379.22と6.1%上昇した。
　先週のCCFIを航路別にみると、東西航路は欧州航路が9.0%上昇し2548.88、地中海航路が7.4%上昇し3070.58、北米西岸航路が9.6%上昇し1367.66、北米東岸航路も7.8%上昇し1473.05となった。
　南北航路も豪州・NZ航路が0.4%上昇し978.09、中東ガルフ・紅海航路が11.0%上昇し2170.72、南米航路7.9%上昇し1483.87、南アフリカ航路が27.0%上昇し1961.56、東・西アフリカ航路が8,3%上昇し1430.41だった。
　アジア域内航路は日本航路が1.9%下落し708.33、韓国航路も3.9%下落し466.90となったが、東南アジア航路が11.9%上昇し1039.76と好調を維持した。

　エジプトの経済紙アル・マル・ニュースによると、スエズ運河における今年5月の通航料収入は約3億3,780万ドルと前年同月の6億4,800万ドルと比べ64.3%の大幅減収となった。イエメンの武装組織フーシ派による紅海での商船に対する攻撃が激化するにつれ、大手船社がスエズ運河の通航を回避、南アフリカの喜望峰回りの迂回ルートに変更した影響によるもの。
　5月にスエズ運河を通航した船舶数も1,111隻と前年同月比の2,396隻に比べ53.6減少し、通過貨物量も約4,490万トンと前年同月の1億4,290万トンから68.5％減少した。
　エジプトのモハメド・マイト財務大臣は2月、スエズ運河の収益損失は昨年の好業績で相殺できると予想していた。2022/2023会計年度の通航料収入は記録的な94億ドルに達し、エジプトの国内総生産（GDP）のほぼ2%に相当したが、紅海での緊張が長引くことでさらなる収入減少が見込まれる可能性が懸念されている。
　一方、運河の競争力を強化する試みとして、スエズ運河庁（SCA）は先週、一部の長距離航路における一連の船舶の料金割引を延長・拡大した。当初、今年1月から開始した南北米州とアジア間を航行するプロダクトタンカーや原油タンカーを対象に最大75％の割引通航料を年末まで延長、ばら積み船、コンテナ船、LNG船など12カテゴリーの船舶も対象となる。
　さらに、紅海地域の海洋観光を促進する動きに伴い、第6回エジプト国際ヨットショーに併せ、ヨットにも特別割引を導入、300トン未満のヨットの通航料を50％減額し7月から10月まで適用する。

　マレーシアは、世界的なサプライチェーンの変化による物流需要を取り込むため、最も交通量の多いマラッカ海峡に面したマレー半島西岸に新たなコンテナ港を建設する計画を打ち出した。4億2,500万米ドルを投資、人工知能（AI）を活用して業務効率を向上させる技術を導入するマレーシア初の港となる。
　今月初め、投資持ち株会社Tanco Holdings Bhd. （THB）傘下のMidports Holdings Sdn. Bhd. (MHSB) が中国交通建設（China Communications Construction Co.）傘下の中交疏浚集団(CCCC Dredging) と覚書 (MoU) を締結した。4億2,500万米ドルを投資、クアラルンプールから車で1時半のヌグリ・スンビラン州ポートディクソンにマレーシア初のスマートAI)コンテナ港を建設する（完成予想図参照）計画だ。
　MoUによると、新港はポート・ディクソン市の約80万9,300m2の地域に開発、クアラルンプールとマラッカ海峡の中間点に近く、交通量の多さとマレーシアの主要工業地域へのアクセスに優れており、岸壁総延長1.8kmのコンテナターミナルを整備、AI技術を導入することで、港湾業務の効率を向上させ、人的ミスを最小限に抑え、事故率を減らすことが期待されているほか、 交通データを分析し、船舶の移動をスケジュール化し、港周辺の海上活動を監視し、物流を自動的に管理する。
　Tanco GroupとCCCC Dredgingの協力で、ポートディクソンに世界クラスの港を建設するというマレーシアのビジョン実現に向けた極めて重要な一歩となるものと期待されている。

　MSC（スイス）は7月8日から、中国／北米西岸航路でMustang Serviceを再開する。Mustang Serviceは2021年10月から5,000～8,000TEU型コンテナ船を投入し、上海～釜山～ポートランド～ロサンゼルス～上海のローテーションによる定曜日ウイークリーサービスを開始したが、2022年6月に休止しており、2年ぶりの復活となる。
　新Mustang Serviceには"MSC Lella"（16,616TEU）を第1船に、8,000～16,000TEU型コンテナ船6隻を投入し、塩田～寧波～上海～ロングビーチ～塩田のローテーションで定曜日ウイークリーサービスを展開する。

　CMA CGM（仏）は今月下旬から、海峡地／インド東岸航路で新たにIndia East Coast Express2 (IEX2)を開設する。
　IEX2は、6月27日シンガポール発"Hansa Homburg"（1,740TEU）を第1船に、シンガポール～チェンナイ～コロンボ～シンガポールのローテーションでシャトルサービスを開始する。
　またコロンボ接続でCMA CGMのグローバルネットワークに接続し、他の地域向けサービスとの積み替えにも対応する。

　中国船社のSITC Container Linesの親会社SITC International Holdings（香港）は14日、中国の黄海造船で1,800TEU型コンテナ船”SITC Haode”の命名・引き渡し式を開催した（写真）。
　同船は2022年4月29日、SITCが黄海造船に総額約21億元で発注した1,800TEU型シリーズ10隻の第2船で、長さ172.00m、幅28.4m、深さ14.5m、喫水8.5m、約24,000dwt、航海速力18.5ノット。高効率プロペラ、省エネツイスト舵、SCR、SOxスクラバー（排ガス洗浄装置）、国際海事機関（IMO）の窒素酸化物（NOx）第3次規制に適合、リーファープラグ258口を装備する、省エネ、高速輸送を実現した経済的なコンテナ船。

　オランダの欧州域内専業船社、WEC Linesは29日からポルトガル、スペイン、アイルランド、英国を結ぶ定曜日ウイークリーサービスを開始する。
　新サービスには、812TEU型コンテナ船を投入し、毎週土曜日ビルバオを出港、月曜日にダブリン、火曜日にリバプールに寄港するスケジュール。
WEC Linesは30年以上にわたりポルトガルとアイルランドを結びサービス、2021年にはビルバオとリバプールを結ぶスペイン市場へも参入していたが、顧客からの要望に対応、ダブリンルートを追加し、より幅広いサービスを提供、リバプールは既存のNSC UK/PT Serviceと合わせ週2便に強化する。

　FESCO Transport Group（ロシア）の新造コンテナ船、"FESCO Kapitan Maslov"（2,471TEU）がこのほど、サンクトペテルブルク港に初寄港した（写真）。同船は、FESCOが中国の造船所で建造した2,471TEU型シリーズ6隻の最終船で、FESCO Orient Lineに投入、中国・インドからスエズ運河を経由しサンクトペテルブルク港に到着、約2,000TEUを荷揚げした。
　シリーズ船は長さ172m、幅32.2m、3万1,407dwtで、これまでに2023年3月の第1船"Kapitan Shchetinina"を皮切りに、第2船の"Moskva"、第3船の"Sankt-Petersburg"、第4船の"Kapitan Abonosimov"、第5船の"Kapitan Miskov"が順次竣工している。

　日本郵船は、今月12～14日に幕張メッセ（千葉県千葉市）で開催された、インターネット技術の総合イベント、Interop Tokyo 2024の特別企画、Internet x Space Summitに参加し、パネルディスカッションで船上DXの取り組みなどを紹介した。
　同企画は今後の宇宙開発で重要な宇宙空間の通信を確立することで生まれる新たなビジネスに焦点をあて、参加企業約500社が参加し、日本郵船は海運会社として唯一の参加となった。
　13日に開催したパネルディスカッションでは、「宇宙が拓く次世代インターネットに対する期待と挑戦」をテーマに海務グループの引地朋生航海チーム長が登壇し、船員からの要望が強い船陸通信速度の改善に向けた船上DXの取り組みを紹介するとともに、洋上と衛星データの活用など新たな価値創造のために宇宙産業に求める期待を語った。
　船陸間の通信速度は陸上の約30分の1にすぎず、船員からは陸上の家族や友人との円滑なコミュニケーションを望む声があがっているほか、船舶機器のトラブル発生時や乗組員への遠隔医療などの際に船陸間でビデオ会議ができることで迅速な対応が可能になるなど、船陸間での高速通信が求められている。
　これらの課題の解決のため、日本郵船はSpace Exploration Technologies Corp. (スペースＸ)が運営する衛星通信サービス、Starlinkの導入を郵船グループ会社の管理船で進め、船陸通信速度の向上を目指している。
　引地氏は日本郵船によるこれらの取り組みを紹介し、こうした通信技術を駆使し洋上で収集されるデータと衛星データを組み合わせることで、新たな社会的価値の創造が可能であることを説明した。

　サバンナ港、ブランズウィック港などを管理するジョージア州港湾局（GPA）がまとめた5月の総コンテナ取扱量は、主に小売り関連の荷主の需要が高まり、前年同月比22％増の49万330TEUと2ケタの伸びとなった。
　また鉄道によるコンテナ取扱量は3,600本で、サバンナ港の鉄道積み替え施設、Garden City Terminalにおける40'コンテナの取扱量は2％増の4万4,000本に達した。
　また1～5月は一貫して前年を上回る取扱量で推移し、前年同期比12.7％増の220万TEUだった。
　GPAは、6月の輸入量が 32万TEUに達すると予測しており、効率的な貨物取扱の実現のため、継続的に投資を続けるとしている。

　ルイジアナ州議会はこのほど、ニューオーリンズ港（Port Of NOLA）が下流域に新コンテナターミナル、Louisiana International Terminal (LIT)開発やSt. Bernard物流回廊の構築を含む2億3,050万ドルのインフラ開発予算を承認した。
　NOLAの関係者はこの承認を歓迎し、新たな開発により北米ガルフ地域におけるコンテナ港としての競争力を強化するととともに、地域に多くの雇用をもたらすものとして評価している。
　予算のうちLITの開発には1,000万ドルの直接予算と1億4,000万ドルの州の開発支援基金からの拠出を受け、Crescent City Connection橋の17マイル下流のバイオレット地区に建設し、あらゆる船型のコンテナ船に対応可能でバージや鉄道などの輸送モードへの積み替え機能を持つターミナルとして、連邦政府の承認を待って2025年から建設に着工、2028年までに4バースを整備し稼働を開始する。
　またSt. Bernard物流回廊には州予算5,000万ドルを投入し、複合輸送とLITへの道路ネットワークの整備を並行して進めていく。

　商船三井は今年4月から、グループの人事情報を一元的に管理できるグローバルタレントマネジメントシステム、SAP SuccessFactorsを導入した。
　同システムはグループ全体の組織情報や従業員の経験・スキルなどの人事データを一元管理でき、サクセッションプランニングやキャリア開発支援が可能な人事管理に特化したシステムで、これを活用することで、各ポジションの候補人材の検索などが容易となり、グループ全体の適所適材や主要ポジションのサクセッション体制の構築に繋げるとしている。また社員も、自身に向いているポジションの検討や目指すポジションに必要なスキルの把握が可能となり、従業員のキャリア自律を促進する。
　現在本社と国内外グループ会社の約5,400人の社員の人事情報を取り込んでおり、今後も順次拡大していく。
　商船三井は、2023年に策定した経営計画で人材への積極的投資を掲げており、人材の見える化と適所適材への配置、マネジメント層の育成・確保に力を入れている。

　国際航空運送協会（IATA）のデータによると、航空会社の最終損益は23年にすべての地域でプラスとなり、世界全体では274億ドルを計上、今年は305億ドルが見込まれているが、利幅は地域によって大きな差がついた。
　北米は立ち直りがもっとも早かったマーケットで22年にはすでに黒字転換していた。今年は148億ドルと全体のほぼ半分を占める見通し。
　欧州は力強い需要の伸びが期待できるものの、金利高、サプライチェーンの問題、労働争議のリスクなどを抱えており、これらがマイナス圧力となって純利益は90億ドル程度にとどまりそうだ。
　アジア太平洋は23年に著しい収益の伸びを記録し、今年も国内線の旅客の伸びが期待できるが国際線は勢いがつかず、地域航空会社の純利益は22億ドルの見通し。
　中東は地域経済が活況で、また、世界の重要なハブとしての存在感を強めており、純利益は約38億ドルとアジア太平洋を上回り、好調な業績が続きそうだ。
　中南米の航空会社の業績は20年以降着実に改善しているものの、それぞれの国が抱える事情で格差がついており、全体では6億ドルの純利益が見込まれている。
　アフリカは前年同様の1億ドルとギリギリの水準だが今後は期待が持てそうだ。

　ワールドACDのデータによると、5月末から6月はじめにかけての2週間（22、23週）で、アジア太平洋発航空貨物荷動きとスポット・契約運賃はそれぞれ20％、16％上昇した。ただ、路線によって大きなばらつきがあり、とくに欧州向けは旺盛な需要と海上輸送サービスの混乱により、航空、海上ともにスペースが逼迫して運賃水準を押し上げている。
　ベトナム発欧州向け航空路線では過去7週間の平均スポット運賃が前年同期の2倍以上となる4.19ドル/kgに上昇、23週（6月3～9日）では143％増の4.47ドル/kgに達し、そのほかの地域もマレーシアが83％、インドネシアが46％、タイが43％、最大マーケットの中国発が32％、香港発が18％と高騰している。
　太平洋路線も同様にアジア太平洋発米国向けスポット運賃が51％増の5.23ドル/kg、中国発が38％増の5.30ドル/kgなど高い水準で推移した。

　上海浦東国際空港の5月運用実績は、航空機発着が前年同月比34.5%増の4万3,865回、利用旅客数が58.8%増の625万8,600人、貨物・郵便取扱量は14.4%増の31万6,500トンで、うち国内線が32.7％増の2万8,000人、国際線が13.6％増の25万4,800トン、香港・マカオ・台湾線が7.7％増の3万3,700トンだった。
　24年第1四半期の営業収入は30.29億元(約657億円)で、前年同期比40.61％増、純利益は3.86億元(約84億円)で前年同期の赤字から好転した。
　虹橋国際空港の5月実績は、航空機発着回数が前年比2.27％減の2万3,073回、旅客数が9.2％増の405万6,600人、貨物・郵便取扱量が16.8％増の3万4,400トンだった。

　ベルギーの貨物空港リエージュの5月の貨物取扱量は前年同月比13.4％増の9万5,905トンと急速に回復、パンデミック前の水準を30.4%も上回る伸びとなった。
　同空港はパンデミックのあと、22年には世界的に需要が落ち込んだことに加えて同空港をハブとしていたTNTがフェデックスによる買収とネットワーク再編でリエージュを離れ、ロシアのエアブリッジもウクライナ紛争による経済制裁で寄港中止したため22～23年は大幅に荷動きが落ち込んだ。23年4Q からはeコマース需要やモーダルシフトなどによる貨物増で反発、今年に入って2ケタの伸びが続いており、5月半ばからは貨物航空会社のチャレンジグループ（ベルギー）がリエージュ～ドバイ間のサービスを開始しており、さらなる貨物量の上積みが期待されている。

　日本航空は7月1日から適用する日本発国際貨物の燃油サーチャージを値下げする。基準となる24年5月のジェット燃料平均価格が1バレル当たり95.58米ドルだったため、燃油指標価格を「95.00以上100.00未満」とし、サーチャージ額は1kgあたり米州・欧州など遠距離路線で74円(現行80円)、アジア遠距離路線で45円(同48円)、アジア近距離路線で40円(同43円)となる。

　福岡市港湾空港局の発表によると、24年3月の博多港の内外貿合計コンテナ取扱個数は前年同月比1.4％増の8万9,250TEU、うち外貿コンテナ取扱貨物に内貿フィーダーコンテナ取扱貨物を加えた国際海上コンテナ取扱個数は2.2％増の8万3,000TEUだった。
　国際海上コンテナ取扱個数のうち、外貿輸出が4.6％増の3万8,277TEU、輸入は3万7,351TEUと0.8％減少、内貿フィーダーは移出が41.7％増の3,951TEUと大幅増、一方、移入は3,421TEUと19.1％減少した。内貿コンテナは移出が3.8％減の3,157TEU、移入が11.1％減の3,093TEU、合計で7.6％減の6,250TEUだった。
　1～3月累計では、外内貿合計で前年同期比0.9％増の23万7,742TEU、国際海上コンテナが1.7％増の22万560TEU、うち外貿輸出が0.6％減の9万7,947TEU、輸入が4.3％増の10万4,278TEU、内貿フィーダー移出が20.7％増の9,770TEUと2ケタ増、移入が8,565TEUと16.4％減少した。また内貿コンテナは移出が9.2％減の8,354TEU、移入が7.0％減の8,827TEU、合計で8.1％減の1万7,181TEUだった。

　日本貨物鉄道関西支社（JR貨物関西支社）は、日本通運大阪支店の協力で、近畿圏で初めて百済貨物ターミナル駅内に、一般のトラックと鉄道コンテナの間での貨物の積み替えや付帯サービスを提供する積替ステーションを開設、17日から稼働した。
　JR貨物関西支社は、積替ステーションの開設で、鉄道コンテナをより利用しやすくするとともに、鉄道輸送と組み合わせることで、地域の幅広い物流ニーズに対応、「JR貨物グループ長期ビジョン2030」で掲げた社会に提供する四つの価値の一つ「物流生産性の向上」に向けて、SDGsの実現や物流を取り巻く諸課題の解決に向けて貢献していく方針だ
　従来は自社施設で鉄道コンテナに積み込みし、鉄道コンテナ専用トラックで貨物駅まで持ち込む必要があったが、積替ステーションにトラックで貨物を直接持ち込むことができるため、車両の有効活用が可能となる。また長距離でトラック運行していた運送事業者は、長距離区間を貨物鉄道輸送に振り替えることでトラック運転手の長時間労働の緩和、働き方改革の推進につながるとしている。貨物輸送量（トラックの積載率）に合わせて、コンテナ利用個数を柔軟に選択することができるとともに、日本通運によるパレット積み貨物限定の積み替えサービスを利用することも可能だ。積替ステーションは、JR貨物・百済貨物ターミナル駅（大阪府大阪市東住吉区今林3-1-7）内に開設、利用時間は9：00～17：40。

　日新は、23年に引き続き神奈川県横浜市の風力発電事業「ハマウィング」に協賛したと発表した。協賛期間は24年6月1日～25年5月31日。
　横浜市は、再生可能エネルギーの利用促進や地球温暖化対策の一環として、風力発電事業を進めており、風力から生成した電力はCO2を排出しない自然由来のクリーンなエネルギーとして環境負荷の低減に大きく寄与している。日新は今後も地元横浜市と協力し、地球温暖化防止のために再生エネルギー利用の普及・拡大とCO2排出量削減などの脱炭素化への貢献に努めていく方針だ。ハマウィングは、横浜市神奈川区鈴繁町に設置した風力発電で、07年3月から稼働開始、実績発電量は約242万kwh（23年4月～2024年3月）、稼働率は61.6％、CO2削減相当量は1,015t-CO2。

　近鉄エクスプレスのタイ現地法人KWE-Kintetsu World Express (Thailand) Co., Ltd.（KWEタイランド）は、脱炭素化へ向けたCO2排出量削減の取り組みとして、EVトラックを導入した。
　導入車種は、バンが1台、4輪トラックが2台、6輪トラックが2台の計5台で、バンコク市内やナワナコン地区の集配業務にて活用する。導入と同時に、タイ法人本社とナワナコンロジスティクスセンターに、充電ステーションを設置する。世界的にEVの普及が進む中、タイの自動車市場でもEVが注目も、航続距離やメンテナンス、充電インフラなど、まだまだ解決すべき課題がある。一方、タイ政府は2030年までに国内の自動車生産台数に占めるEVの割合を30％に引き上げる目標を掲げており、タイにおけるEVシフトは加速していくことが予想できる。
　KWEグループは、2030年にCO2排出量35％削減（22年度比）、2050年のカーボンニュートラル実現という中長期目標を掲げている。今後も、排出量削減の取り組みとして、EVトラックの導入、HVO（水素化植物油）を燃料とするトラックの利用、使用電力の再生可能エネルギーへの転換など、持続可能な社会の発展に貢献するための施策を推進していく方針だ。

　不動産アセットマネジメントのESRは、熊本県、八代市と、熊本県南地域をはじめとする同県の経済発展に寄与するため「県南地域の発展に向けたやつしろ物流拠点構想の推進に関する覚書」を、12日に締結した。
　熊本県が17年9月に策定した「やつしろ物流拠点構想」は、九州屈指の交通結節点としての機能が高まる八代地域（八代市、氷川町）の特性、ポテンシャルを最大限に活かし、同地域に九州の生産拠点を結ぶハブ機能を持たせ、成長著しいアジアをはじめ世界と熊本県をつなぎ、多くのモノや人が行き交う、活気あふれる「九州のゲートウェイ」とすることを目指している。
　半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造（TSMC）の熊本県進出を契機に、半導体関連産業の進出や増設も進み、九州が新たなシリコンアイランドとして発展するためにも八代港の機能強化が必要で、23年に八代市は「八代港を核とする将来的な成長ビジョン」を発表し、その実現に向けた取り組みを推進している。覚書では「やつしろ物流拠点構想」の具現化を図ることを目的とし、ESRが物流施設の開発・運営で培ったノウハウとアジア太平洋地域（APAC）を中心とするグローバルな事業ネットワークを活用し、同構想の実現、熊本県と南九州地域の経済発展に貢献するための具体的な施策を検討していくために締結した。

　物流不動産のロジランドは、福岡県小郡市で「LOGI LAND 小郡鳥栖インターⅠ」を着工した。同社が開発する物件としては九州初の物流施設となり、竣工は2025年冬頃を予定している。
　同物件は、長崎自動車道・鳥栖ICから約2.3km（車で約6分）に位置、北部九州の高速道路の結節点となる鳥栖JCTを経由し、福岡市内への配送や九州全域をカバーする広域配送拠点に適した立地。敷地面積2万545.75m2に延べ床面積が約2万2,421.48m2のBOXタイプの2階建てを建設、1棟・分割どちらの利用も可能な設計。荷物用エレベーター2基と垂直搬送機3基を実装し、階層を2層に抑えた仕様と縦搬送能力で効率的なオペレーションを実現していく。トラックの待機時間を考慮、スムーズな荷下ろしや積み込みができるように、44台接車可能な広いトラックバースを確保。ランプウェイ型の施設と同程度のバース比率を想定している。同物件南側の敷地に計画予定の「LOGI LAND 小郡鳥栖インターⅡ」は、敷地面積は約2万3,430.96m2に延べ床面積約3万6,027.48m2の両面バースBOXタイプの3階建てを建設する。同物件も1棟・分割どちらの利用も可能で、需要の高まっている危険物倉庫の設置や、入居企業のニーズや課題にあわせた施設の開発を計画しており、26年竣工予定。

　横浜川崎国際港湾（YKIP）は、7月17日にタイのバンコクで、タイに生産拠点や営業所を構える企業をはじめ港湾物流関係者を対象に、横浜港・川崎港の概要や両港を利用するメリットなどを紹介するセミナーを開催する。
　国土交通省が今年2月に公表した「新しい国際コンテナ戦略港湾政策の進め方検討委員会最終とりまとめ」で、24年度から概ね5年程度で取り組むべき施策の方向性として「集貨」「創貨」「競争力強化」の3本柱の取り組みを引き続き強力に推進していくとしている。特に「集貨」では、新たに東南アジアなどからの広域集貨に向けた輸送ルートの構築という目標を示しており、今回バンコクでセミナーを開催することで、集貨につなげていく方針だ。
　セミナーでは、国土交通省港湾局港湾経済課が「新しい国際コンテナ戦略港湾政策について」、横浜市港湾局が「横浜港の国際競争力強化の取り組みについて」、川崎臨港倉庫埠頭が「川崎港の取り組みについて」、それぞれ講演するとともに、荷主企業、船社、物流企業などによる講演も予定している。セミナー終了後には、情報交換会も開催する予定だ。参加費は無料。

　近鉄エクスプレスは、7月1日付で通関管理室を部に昇格するなど組織を一部改正する。
　通関・保税関連業務に関する指導・監督、品質管理業務のさらなる強化を図るため、「通関監理室」を「通関監理部」に昇格する。また、職務の独立性を確保するため、所属部門を現行の日台韓本部から、コーポレート・プランニング＆アドミニストレーション部傘下に変更する。

　Descartes Datamyneが米国税関データを基にまとめた5月の世界から米国向け荷動きは前年同月比6.8％増の234万4,999TEUで、うちアジア主要10カ国・地域発米国向けコンテナ（母船積み地ベース）は前月比9.2％増、前年同月比13.5％増の166万9,151TEUと2ケタプラスになった。
　1〜5月累計では前年同期比16.6％増の780万4,361TEUで、2019年比でも日本、台湾、香港以外の主要国、地域がいずれも2ケタ増になった。
　5月実績の国別ではほとんどの国で前年超えとなり、首位の中国が12.3％増の96万5,468TEU、2位の韓国が28.1％増の19万8,359TEU、3位のベトナムが15.5％増の16万973TEUだった。
　4位のシンガポールは23.5％増の7万8,390TEU、5位の台湾が2.5％減の6万9,168TEU、日本は8位で28.9％増の3万6,471TEUだった。
　品目別では、上位品目がいずれも増加し、首位の家具類（HS94）が16.2％増の28万4,655TEU、機械類（HS84）は11.6％増の19万349TEU、プラスチックとその製品（HS39）は13.3％増の16万8,004TEU、電気機器（HS85）が8.3％増の15万3,861TEU、自動車関連（HS87）も19.6％増の10万4,262TEUだった。

　NIPPON EXPRESSホールディングス（NXHD）は、NXグローバルイノベーション投資事業有限責任組合の案件として、CO2排出量の見える化クラウドサービスを提供するアスエネに5月29日に出資し、資本業務提携契約を締結した。これよりNXグループのCO2排出量削減に向けた取り組みをグローバルに加速、顧客のサステナビリティ経営をサポートするサービス開発に取り組んでいく。
　アスエネは脱炭素社会の創造に取り組んでいるスタートアップ企業。Climate Tech領域のサービスとして、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービス「アスエネ」や、ESG評価クラウドサービス「アスエネESG」、カーボンクレジット・排出権取引所 「Carbon EX」を運営・提供している。「アスエネ」は現在、6,000社を超える企業・自治体の導入実績があり、日本・アジアで事業を拡大している。
　NXグループは「気候変動への取り組み」を重要課題（マテリアリティ）の一つと位置づけ、NXグループ全体のCO2自社排出量を2030年までに2013年比で50％削減の目標を掲げている。「アスエネ」を活用することで、自社のCO2排出量を可視化し、より効果的にCO2排出量削減対策を立案・実行することが可能になる。また、「アスエネ」プラットフォームと、NXグループが提供するCO2排出量算出ツール「エコトランス・ナビ」の連携を検討していく方針で、「アスエネ」を利用する企業は、製造工程だけでなく物流におけるCO2排出量についてもより詳細に算出することが可能となる。CO2排出量削減のマーケットプレイス「アスエネストア」を通じた、NXグループの物流脱炭素ソリューション（NX-GREEN SAF Program、Sea＆Rail、NX鉄道混載便、環境配慮型温度管理容器など）の提供を検討していく。
　さらに、カーボンクレジットや排出権取引所の活用によるカーボンオフセットなどに関して、サステナビリティ経営をサポートする新たな機能、サービスの共同開発・展開に取り組む方針だ。

　ボルチック国際海運協議会（BIMCO）のまとめによると、今年に入ってからの新造船の船価は値上がりを続け、足元では過去最高を記録した2008年の水準を3％も上回り過去16年で最高を記録したという。
　現在の世界の造船所の発注残は1億3,300万標準貨物船換算トン（CGT）で、最近の過去最低を記録した2020年下期の5,600万CGTの2倍以上に増加した。特にLNG輸送船が35％を占め、コンテナ船も30％を占めている。コンテナ船の発注は2023年第1四半期をピークに16％減少し、バルカーも3％減少している。最も増加しているのはLNG輸送船で、次いでLPG輸送船、クルーズ船、ケミカルタンカー、Ro/Ro船も2倍となっている。
　2010〜2020年の造船業界は、慢性的な市場の供給過剰状態により新造船価も一貫してプラス／マイナス10％の間でしか変動せず、受注残と船腹量の平均値は2.2で、2017年下期には1.7まで低下したが、2020年下期は2.1、現在は3.7と2010年以来最高となっており船価の上昇を後押ししているという。
　BIMCOは、今後大型船の代替や脱炭素化への対応が造船会社へ追い風として作用するだろうとし、2010年代の供給過剰時代の再来を防ぐためには、生産設備の増強などを防ぎ大規模な生産増強を避けることが重要だとしている。

　海外メディアによると、ギリシャ船主が保有するリベリア船籍のバルカー”Tutor”が12日、イエメン・ホデイダ沖合い南西約66海里で、イエメンの武装勢力、フーシ派による水上ドローンによる攻撃を受け、深刻な損傷を受けたという。
　報道では、英国海上通商路防衛作戦司令部（UKMTO）の発表として、“Tutor”は船尾の機関室に攻撃を受け浸水し、沈没する恐れがあると発表している。
　現時点で死傷者が発生したという報告はない。
　フーシ派は同船を攻撃した理由について、同運航船社はフーシ派が呼びかける占領下のパレスチナ領内への入港禁止に違反したため攻撃したと主張している。
　一方、米中央軍は同日、フーシ派支配地域内のミサイル発射機3基、紅海上空へ飛来したドローン1機をそれぞれ破壊したと発表した。

　CMA CGM（仏）は予想外の輸送需要増加に対応、6月30日から9月初旬までアジア／北欧州航路、アジア／地中海航路でピークシーズン限定のFrench Peak Serviceを開始する。
　7,000TEU型7隻を追加投入し、中国と北欧州（ルアーブル、アントワープ）と地中海（フォス、マルタ）、結び隔週で7航海実施する。ローテーションは塩田～ブンタウ～シンガポール～ルアーブル～アントワープ～中国、または蛇口～ブンタウ～シンガポール～フォス～マルタ～中国となる。これにより船腹量を25%増やす。

　Drewry Maritime Research（英国）が13日に発表した太平洋航路、アジア／欧州航路、大西洋航路における主要8ルートの世界コンテナ運賃指数（WCI）の総合指数は、4,801ドル／FEUと前週から2%上昇し8週連続でアップ、前年同期を202%上回った。2019年（パンデミック前）の平均運賃の1,420ドル／FEUを232%上回り、年初からの平均は3,443ドル／FEUで、過去10年間の平均2,736ドル／FEUより707ドル高い水準となった（2020年から22年の間はコロナ禍の影響で異例の値上がり）。
　先週のスポット運賃を航路別にみると、上海→ジェノアが前週比3%（198ドル）上昇し6,862ドル／FEU、ロッテルダム→上海も3%（19ドル）上昇661ドル／FEUとなったのをはじめ、上海→ロッテルダムが2%（145ドル）上昇し6,177ドル／FEU、ニューヨーク→ロッテルダムが2%（14ドル）上昇し640ドル／FEU、また、上海→ロサンゼルスが1%（50ドル）上昇し6,025ドル／FEU、上海→ニューヨークも1%（85ドル）上昇し7,299ドル／FEUと小幅アップした。
　逆に、ロッテルダム→ニューヨークは1%(18ドル) 下落し2,118ドル／FEUとなったほか、ロサンゼルス→上海は横ばいの693ドル／FEUで安定していた。Drewryでは、アジア諸港における混雑問題により、中国発のスポット運賃は今週も上昇し続けると予想している。

　デンマークの海運調査会社、Sea Intelligenceの最新レポートによると、コンテナ船のスポット運賃は高騰を続けており、需給が均衡するパンデミック中にみられた最高水準まで上昇、アジア発欧州向けは20,000ドル／FEUを超える可能があると予想している、
　スポット運賃がどこまで上昇するか誰も本当のところはわからないが、荷主が十分な数の商品を出荷できなくなり、これにより輸送需要が減少し、利用可能な船腹量と一致するまで上昇することになるが、実際にどのレベルで起こるのかは不明としたうえで、パンデミック中に見られた最大水準を指すことになるだろうが、これはパンデミック中には存在しなかった紅海危機による喜望峰経由の迂回ルートへの変更にともなう航海日数の増加を考慮したものではなく、航海距離が長くなった場合、航海距離に応じた航行海里ごとのセント／FEUを調べると、深刻な災害時には1海里あたりの運賃が非常に高い水準に達する可能性があることが分かったという。
　次にパンデミックによる運賃の急上昇に基づいて実際にスポットがどの程度まで上昇するかを長い航海距離を適用して、FFUあたりで試算した結果、海里あたりのスポット運賃がパンデミック時と同じ水準に達した場合、往航の上海→ロッテルダムは18,900ドル／FEU、上海→ジェノアは21,600ドル／FEU、復航のロッテルダム→上海は2,200ドル／FEUになるという。
　これはロッテルダム→上海のスポット運賃がこれ以上上がらないということではなく、グラフを示すように1海里あたりの運賃がパンデミック中と同じくらい高くなるということだとしている。

　財務省関税局は13日、2025年10月12日から実施する海上小口通関にかかわる簡易通関について関係職員、関係者に周知徹底を通達した。
　電子商取引（EC）の拡大やコロナ禍を背景に、通販貨物を海上貨物として輸入することが増加しているため、小口で迅速な通関が求められる貨物の性質などを踏まえ、一定の条件を満たす海上貨物について、海上貨物を大量に取り扱う事業者向けに申告項目の一部（税番等）の省略を認める簡易な輸入通関の制度を設けた。
　利用条件は（1）海上貨物のうち通販貨物に該当するもの、少額貨物（課税価格１万円以下）に係る免税制度の対象貨物、消費税以外の内国消費税の課税対象とならない貨物、他法令の証明・確認を要しない貨物、原産地虚偽表示等がない貨物、輸入申告・予備申告までに事前情報の提供がされる貨物で、NACCSにより申告されるもの、となっている。
　事前情報の提供は、簡易・迅速に通関手続きを行うため、輸入申告の前に、販売者、荷受人、貨物等に関する事項を提供する必要があり、制度の本格的な利用開始を予定している時期の少なくとも3カ月前までに、輸入申告予定の税関官署に対し、制度の利用を希望する旨の申し出を行い、調整の上、利用者（通関業者）のシステム登録、事前情報の項目設定、トライアル利用などを実施するとしている。

　欧州議会は13日、欧州横断輸送ネットワーク（TEN-T）の実現に向けた新たな規制の改定を採択、域内に2050年までに包括的な物流ネットワークを構築を完了するため、2030年、2040年にそれぞれ中間目標を設定し、越境鉄道輸送ネットワークを強化し、域内の物流、輸送の持続可能性の確保を目指す。
　新たな規制ではTEN-Tの完成まで3段階の期限を設定し、2040年に新たな中間目標を設定し、それまでに依然未着手な鉄道路線の開通を促すもので、具体的にはポルト／ビーゴ間、ブダペスト／ブカレスト間での高速鉄道の開通を40年までに完了する必要がある。
　またロシアによるウクライナ侵攻により、2022年からロシア、ベラルーシ向け越境輸送整備の優先度を格下げする。
　一方、ウクライナ、モルドバ路線の強化案が提案されており、今回あわせてそれらも盛り込み採択した。
　TEN-Tは欧州域内で、鉄道を主体とした持続可能な輸送手段により、域内の物理的な断絶、ボトルネック、ミッシングリンクのないネットワークを構築するもので、信頼性の高い、シームレス、高品質なネットワーク構築を目指し、今回新たな目標、規制を設定した。

　カリフォルニア州・ロサンゼルス港における5月の総コンテナ取扱量は前年同月比3.4％減の75万2,893TEUで、うち実入りの輸入が4.5％減の39万663TEU、輸出が23.8％増の12万5,963TEU、空コンは11.9％減の23万6,268TEUだった。
　1〜5月のコンテナ取扱量は18.1％増の390万3,734TEUで、うち実入りの輸入が20.3％増の203万7,660TEU、輸出は40.1％増の66万3,035TEU、空コンは5.8％増の120万3,038TEUだった。
　同港の関係者は、5月は減少となったものの、夏にかけ取扱量は再び増加するだろうとの見通しを語った。

　カリフォルニア州・ロングビーチ港における5月の総コンテナ取扱量は前年同月比8.2％減の69万5,937TEUで、うち実入りの輸入が4.5％減の34万5,271TEU、輸出は21.1％減の10万885 TEU、空コンの輸入が7.1％増の1万3,890TEU、輸出は7.8％減の23万5,892TEUだった。
　1〜5月の総コンテナ取扱量は前年同期比10.0％増の344万9,181TEU、実入りの輸入は13.2％増の166万7,645TEU、輸出は20.4％減の47万8,248TEU、空コンの輸入が2.6％減の6万8,784TEU、輸出は24.5％増の123万4,504TEUだった。

　米連邦海事委員会（FMC）はこのほど海運企業に対し、船舶運航業者（コモンキャリア）として電子的手段でタリフを公表しているコモンキャリアがそのステイタスを維持するには、米国の外国通商における一般運送で最低1隻の船舶を運航していなければならい、とする通達を出した。
　また、1隻も運航しないで一般運送を提供している企業は非船舶運航業者（NVOCC）と見なすと通告、NVOCCの免許供与、登録、および財務責任義務は別途定められ、船舶運航業者が従うべき義務とは異なっており、すべての関連義務を満たさずにNVOCCとして企業活動をすることは罰金の対象になることがあると警告している。

　ビューローベリタスジャパンによると、イラク閣僚評議会は5月25日付でDecision No. 24167を発令、イラク向け貨物は検査会社発行のCertificate of Conformity（COC、適合証明書） もしくは Certificate of Inspection （COI、検査証明書）の取得を徹底するよう指示、取得していない貨物については、イラク当局が厳しく取り締まるという。
　同社によると6月12日現在、イラクのウムカッスル港に到着するCOCもしくはCOIを取得していない貨物については現地通関で輸入停止となっているとイラク事務所から報告を受けており、今後イラクへ貨物を出荷する場合は、必ず輸出前に認定検査会社が発行したCOCもしくはCOIを取得するよう求めている。

　北九州市港湾空港局が発表した24年2月の北九州港コンテナ取扱個数は、外貿が前年同月比7.1％増の3万4,495TEU、うち輸出は1.9％増の1万7,505TEU、輸入は13.0％増の1万6,990 TEUと2ケタ増となった。
　内貿コンテナは移出入合計で24.7％増の6,829TEUと2ケタ増、外内貿合計のコンテナ取扱個数は9.6％増の4万1,324TEUだった。
　2月の海上貨物取扱量は、外航輸出が10.6％減の47万トン、輸入も10.2％減の144万トン、外航全体では10.3％減の191万トンだった。内航は移出入合計で8.5％増の594万トン、総取扱量は3.2％増の785万トンだった。
　1〜2月累計では、外貿輸出コンテナが前年同期比0.9％増の3万2,615TEU、輸入コンテナが8.6％増の3万4,727TEU、合計で4.7％増の6万7,342TEU、内貿コンテナが移出入合計で7.3％増の1万2,399TEU、外内貿合計で5.1％増の7万9,741TEUだった。1〜2月累計の海上貨物取扱量は、外航輸出が7.6％減の88万トン、輸入も4.9％減の312万トン、外航全体では5.5％減の399万トンだった。内航は移出入合計で6.4％増の1,142万トン、総取扱量は3.0％増の1,541万トンだった。

　国際フレイトフォワーダーズ協会（JIFFA）は13日、第13回通常総会と理事会を開催、新会長に三菱倉庫の木村宗徳取締役常務執行役員（写真左）が就任、渡邊淳一郎前会長（写真右、日新・代表取締役専務執行役員）は副会長となった。木村新会長は総会・理事会後の会見で「JIFFAの会員増が続いており、われわれの役割に期待していることの証だ。今期も教育・研修活動、海外物流事情調査、JIFFA B/Lをはじめとした運送関連書類の普及に務める」と述べた。
　会員は23年度末で前年度比11社増だったが、24年度に入り現在までさらに10社増加し、正会員540社、賛助会員数が27社・団体で、合計567社に達した。またコロナ禍で一時中断していた海外物流事情調査は、「23年度にベトナムの調査で再開し好評を得ており、今年度は注目を浴びるインドを調査・報告する予定だ」と木村会長は説明した。また現状のコンテナ海運について触れ「スペースタイトで、スペースがとれない状況となりつつあり、コンテナ海上運賃もかなり上昇し、日本にも影響が波及してきている。コロナ禍ほどではないが、マーケットは今後高騰するのではないかと見ている」との見方を示した。通常総会では、23年度の事業活動、24年度事業計画・収支予算を報告するとともに、23年度決算報告や役員改選を承認、理事会で新役員体制を決定した。副会長には渡邊氏のほか、日本通運の杉山千尋代表取締役副社長、山九の朏島聡常務執行役員が就任した。
　一方、渡邊副会長は過去5年強の会長職を振り返り「コロナ禍の影響を受けた中、会員から生のデータを収集、国土交通省にこれら意見や要望を伝え、国の関与をお願いしたのが、私の任期中のハイライトだったと思う」と述べた。これを受けた国交省は荷主、船社、物流事業者などの関係団体に対し、コンテナの効率的な利用や輸送スペースの確保などで協力要請文書を発出した。「この経験によって、荷主、フォワーダーなど関係者が共通の問題を解決する情報交換の場ができたことが大きな成果だった」と語った。

　商船三井グループのMOL Middle East FZE（MOLME、UAE）はこのほど、ドバイの倉庫事業大手、Indu Kishore Logistics Llcと、ジェベルアリ経済特区（JAFZA）で自営倉庫を保有する物流合弁企業、MOLINDU Warehousing and Logisticsを設立する契約を締結した。新会社はJAFZAを拠点を置く。
　商船三井グループは、世界的に総合物流事業を展開し、一方Induは同国で約14万m2以上の倉庫を運営中で、両社の強みを生かし、サービスを拡充することで顧客ニーズへ対応する。
　商船三井アジャイ・シン専務は「この協働を通じ、商船三井は中東地域で総合物流事業の強化を図っていく。INDUと、商船三井のグローバルネットワークを合わせ、付加価値の高い物流サービスの提供を目指す。また、これによりDP World（UAE）との関係も強固になり、ドバイを中心にインド、欧州、東アフリカおよび中東近隣諸国への玄関口としての成長を担う」と述べた。

　財務省関税局は14日、国際物流の動向を踏まえた保税制度のあり方についてまとめた。近年、輸入貨物の急増や物流業界の人手不足、港湾・空港分野における国際競争の激化など、保税制度を取り巻く国際物流の動向が大きく変化。また、こうした動きに併せて、保税業務における手続きの簡素化をはじめ、保税制度に対するニーズや課題に関する様々な声が寄せられ、加えて保税地域におけるアートフェア等の開催をはじめ、制度の新たな活用事例も登場している状況を踏まえ、厳格な水際取締りの水準を維持しつつ、多様なニーズに応え、貿易の円滑化を図るため、「国際物流の動向を踏まえた保税制度のあり方について」をとりまとめたもので、今後、とりまとめに基づき、国際物流の動向の変化に対応した制度・運用を目指し様々な施策を推進していく。
　保税制度のあり方は、（1）利用者の利便性向上（保税業務における手続きの簡素化等を進め、利用者の利便性向上を図る）（2）保税制度の利活用促進（保税制度の潜在的なニーズの発掘を進め、制度の利活用促進を図る）（3）厳格な水際取締り（保税地域に係る検査・取締りの高度化・効率化により、厳格な水際取締りの水準を維持する）、の3点を基本方針に据えている。
　そのうえで、具体的施行例として（1）で保税運送・保税作業・保税許可等手続きに関する利便性向上、保税取締り等の高度化・効率化、（2）で保税台帳の保存に関する負担軽減、保税関係手続きにおけるデジタル完結のための対応（NACCSの利便性向上等）、（3）では手続きのボトルネック解消等を図るための体制整備、社内教育等に関する情報提供の更なる充実、をあげている。
　また、保税関係手続きについて、水際取締りの水準を維持しつつ、簡素化の余地があるものや対応が平準化されていないものについて、利用者の利便性を向上する観点から、規定・運用の見直しを図り、利用者の業務実態や技術の進展を踏まえた保税関係手続きの電子化のあり方を検討し、NACCSの利便性向上等により手続きの実質的なデジタル完結を図るほか、保税取締り等の更なる高度化・効率化を図るため、システム上必要な対応を進め、利便性向上に資する体制の整備とマインドの醸成では、利用者からのニーズ等に対応するために必要な体制の整備や、税関（保税部門）職員のマインドの醸成を進めることにより、“利用者が気軽に相談できる税関”を目指す、としている。

　内外トランスラインは、14日開催の取締役会で、同社連結子会社のフライングフィッシュ（FF）が出資し、ベトナム・ホーチミン市に子会社を設立することを決定した。内外トランスラインにとっては孫会社となり、特定子会社に該当する。
　内外トランスライン・グループは、2023年度〜2027年度の中期経営計画において、海外事業の拡大を重要な施策の1つとして、日本と貿易の多い国や今後成長が期待できるエリアへの事業展開に取り組んでいる。今回、食品のフォワーディング輸送を得意とするFFがベトナムに子会社を構えることで、同グループがこれまで培ってきたネットワークやノウハウを活かして、同国のサプライチェーンに深く入り込み、新たな需要を発掘することにより、今後の成長が見込まれるベトナム市場で事業の拡大を図っていく方針だ。設立するのは、Flying Fish Vietnam Co., Ltd.（仮称）で、FFが100％出資し、ホーチミン市に資本金82億VND（約5,000万円）で今年10月に設立予定。

　ヤマタネは、神奈川県横浜市中区で「本牧埠頭営業所」を7月1日に開設、定温倉庫も備え、輸出入貨物取扱拠点、配送センターとして機能していく。
　同社は、中期経営計画「ヤマタネ 2025プラン」では、物流部門の収益力向上のため、新倉庫の開設や既存倉庫のリプレイスを目標とし、同営業所の開設に取り組んできた。
　同営業所は、首都高速道路湾岸線本牧ふ頭ICから約2kmの位置の本牧ふ頭A突堤に立地、輸出入貨物取扱拠点、流通加工などにも対応可能な配送センターとして利用可能だ。また、定温空調設備を備え多品種貨物の保管ニーズにも対応していく。敷地面積7,915.50m2に、鉄筋コンクリート・鉄骨造り地上4階建て、延べ床面積が1万9,584.00m2の規模。
　また同営業所は国土交通省から物流総合効率化法に基づく総合効率化計画の認定を受けるとともに、「BELS（建築物省エネルギー性能表示制度）」の最高ランクである5つ星と「ZEB Ready」の評価を取得しており、「CASBEE（建築環境総合性能評価システム）」ではA評価を取得している。

　日本航空（JAL）は天津経由の中国国内転送貨物に17日の出発便からe-AWBの取り扱いを開始する。受託要件は、1）危険物申告書（DGD）が必要な場合は紙のDGDを搬入する、2）着払い貨物（CC）、遺体（HUM）、動物（VI）は利用不可、3）特殊貨物輸送の際には必要な紙の各種証明書を搬入する。
　そのほか、航空運送状データ（FWB）には必ず特殊扱いコード（SHC、パウチのある、なし）を記入。新規でe-AWBを利用する場合は2週間のトライアルが実施される。
DOTがエミレーツに飛行ルート
違反で150万ドルの罰金
　米国運輸省（DOT）はエミレーツ航空（UAE）が侵入禁止地域を飛行したとして180万ドルの罰金を課した。DOTは同社が21年から22年8月まで米国–UAE間の飛行で何回もイラク上空を経由したと説明している。エミレーツは20年にも同区域を飛行し、40万ドルの罰金を課され、同じ違反は犯さないことに同意していた。
　連邦航空局（FAA）は安全上の理由から米国航空会社がイラクの上空を3万2,000フィート以下で航行することを禁止してきた。エミレーツの場合、同社が当時は米国のジェットブルー航空（本社・ニューヨーク）とコードシェア提携をしており（22年10月に解消）、FAAは外国企業でも米航空会社と提携して連邦航空規制を順守すれば米国航空会社として航空チケットを販売することを認めていた。
　同社はMOTとの同意命令により、1年間規制に違反しないことを条件に30万ドルが減額され、最終的には150万ドルの罰金となった。

　米国運輸省（DOT）はエミレーツ航空（UAE）が侵入禁止地域を飛行したとして180万ドルの罰金を課した。DOTは同社が21年から22年8月まで米国–UAE間の飛行で何回もイラク上空を経由したと説明している。エミレーツは20年にも同区域を飛行し、40万ドルの罰金を課され、同じ違反は犯さないことに同意していた。
　連邦航空局（FAA）は安全上の理由から米国航空会社がイラクの上空を3万2,000フィート以下で航行することを禁止してきた。エミレーツの場合、同社が当時は米国のジェットブルー航空（本社・ニューヨーク）とコードシェア提携をしており（22年10月に解消）、FAAは外国企業でも米航空会社と提携して連邦航空規制を順守すれば米国航空会社として航空チケットを販売することを認めていた。
　同社はMOTとの同意命令により、1年間規制に違反しないことを条件に30万ドルが減額され、最終的には150万ドルの罰金となった。

　韓国の麗水光陽港湾公社（YGPA）が発表した4月のコンテナ取扱量は前年同月比24.3%増の17万4,000TEUで、2022年1月以降の月間最高を記録、昨年6月から11カ月連続でプラスとなった。1～4月累計のコンテナ取扱量も昨年同期の58万5,000TEUから11.6%増加し65万2,000TEUと好調だった。
　4月の輸出入コンテナ貨物は中国向けが2.5%（3,000TEU）減少したにもかかわらず、米国貨物が20.6%（1万3,000TEU）増、東南アジア貨物が7.4%（8,000TEU）増、日本貨物が32.3%（4,000TEU）増、中南米貨物が49.5%（2,000TEU）増など、全体で4.0％（2万1,000TEU）増加した。
　また、積み替え（T/S）コンテナ貨物も前年比78.7％（4万9,000TEU）増加した。昨年、中南米、欧州サービスの新規誘致したことや、中国のT/S貨物が増加したことが要因。

　商船三井はこのほど、SOMPOリスクマネジメントが設定する「SOMPOサステナビリティ・インデックス」の構成銘柄に13年連続で選定された。
　同インデックスは、SOMPOリスクマネジメントが独自に、ESGの取り組みに優れた約300銘柄を集めたアクティブ・インデックス。
　商船三井は今後もESGの取り組みを推進し、グループの企業価値向上を図り、持続可能な社会の実現に貢献するとし、自社ホームページ内の「社外からの評価ページ」で13年連続で選定されたことを追記した。

　コロンビア財務公債省は5月22日、2019年政令1165号（関税法）を一部改正する2024年政令659号を交付、この中で輸入業者に対し、貨物到着24時間前までに事前申告または事前入国申告を提出することを義務付けた。政令659号は 6月7日に発効した。
詳細は、https://globaltaxnews.ey.com/news/2024-1109-colombia-government-decree-updates-customs-regulationsに掲載されている。

　関西エアポートの24年3 月期連結決算は、営業収益が前期比87％増の1,868億円、営業利益が前期の148億円の損失から340億円の利益へ、経常利益も同256億円の損失から232億円の利益へ、純利益も同190億円の損失から155億円の利益へと4期ぶりの黒字転換となった。
　前期に比べて3空港合わせた航空機発着回数は22%増の34.2万回、旅客数が60%増の4,413万人と航空需要が大きく回復したことや、関西国際空港第1ターミナルビルの新商業施設がオープンしたことなどが大幅増収増益に結びついた。
　国際貨物便は貨物需要の鈍化に加えて旅客便の復便に伴うキャパシティの増加で発着回数は減少しているが、パンデミック前の19年度比では43%増と高水準を維持した。

　釜山港湾公社は7月中旬に北海道・石狩市と秋田県秋田市でそれぞれ、荷主を対象とした釜山港セミナーを開催する。
　セミナーでは、それぞれの港と釜山港への理解を深めるためのプレゼンや最新の国際コンテナ輸送をめぐる状況について講演後、レセプションパーティーを実施する。
　石狩市では7月17日16時から京王プラザホテル札幌で、また秋田市では7月19日16：00〜19：30にANAクラウンプラザホテル秋田で開催する。参加費はいずれも無料で、参加希望者は6月28日までに釜山港湾公社日本代表部まで所定の申込用紙に記入のうえFAXもしくはe-mailで応募する。

　Evergreen（台湾）は近くGlobal Feeder Shipping（GFS、UAE）のスロットを借り受け、アジア／東アフリカ航路でAsia-East Africa Service 2（AEF2）と呼ぶサービスを開始する。
　AEF2は、GFSがEmirates Shipping Line（UAE）Interasia Lines、KMTC（韓国）、RCL（タイ）、T.S. Lines（香港）と協調、2,800～2,900TEU型コンテナ船8隻を投入する青島～上海～寧波～南沙～ポートクラン（W）～モンバサ～ダルエスサラーム～ポートクラン（W）～青島のローテーションによる定曜日ウイークリーサービス。

　コンテナの売買・リース用のオンラインプラットフォームを運営するContainer xChange（独）の最新データによると、港湾混雑がシンガポール港のコンテナ価格とリース料に大きな影響を与えており、2023年10月から2024年5月までの20’型平均コンテナ価格は26%上昇、23年9月時点では40’型で950ドルだったものが、5月の最終週には現在1,211ドルとなった。
　ベトナムでも同様の平均コンテナ価格の上昇傾向が見られ、ホーチミン市の40’HC型平均価格は昨年11月の1,190ドルから1,610ドルへ、紅海危機以降35％上昇、マレーシアのポートクラン港の40’HC平均コンテナ価格も40’型で11月の約1,390ドルから5月には1,707ドル、6月に入ってわずか12日で1,830ドルに達した。
　中国から米国、欧州向け貨物の輸送需要は、過去6カ月間で大幅に増加、シンガポールが世界貿易の円滑かつ効率的な機能にとって重要な戦略的積み替えハブであることを考慮すると、この需要の増加はシンガポール港でのコンテナの動きにも影響を及ぼしていることが浮き彫りとなっている。
　シンガポールのコンテナ取扱量が、今年1～4月累計で前年同期比8.8%増の1,340万TEUとなり、予定外の到着船により最大2～3日の大幅な接岸遅れが発生したこと、世界的な運航スケジュールの混乱により、コンテナ船が団子状態で到着し、ターミナル業務を圧迫したことや、古いバースを再稼働、人員を追加配備することで処理能力を向上させようというPSAの取り組みにもかかわらず到着船の多さによりシステムに負担がかかり続け、混雑が悪化しているもので、混雑が長期化する可能性もあるという。
　一方、中国発米国向けの40HC平均コンテナリース料は昨年11月以来2倍に上昇、上海→ロサンゼルスは11月の643ドルから5月に1,100ドルに値上がりし、上海→ロングビーチは11月の610ドルから1,230ドルに達している。
　中国発欧州向けリース料も大幅上昇、上海→ロッテルダムまで40’HCコンテナリース料は11月の547ドルから5月には1,310ドルへ763ドル（140%）も跳ね上がり、上海→ハンブルクも10月の368ドルから6月には1390ドルまで上昇した。

　日本貿易振興機構（ジェトロ）が日本の財務省貿易統計と中国の海関（税関）統計を基に、2023年の日中貿易を双方輸入ベースでみたところ、貿易総額は前年比10.4％減の3,347億974万ドルだった。
　過去最高の21年から2年連続の減少となった。23年に中国の実質GDP成長率は5.2％と22年から2.2ポイント上昇したが、不動産市場の低迷、民間投資の不振、消費意欲の低迷があり、日本も、景気は緩やかな回復局面にあったものの、消費や投資に力強さを欠いた。こうした両国の状況などが減少の背景とみる。日本の中国に対する貿易収支は、22年に続いて輸入超過になり、130億6,408万ドルの赤字だった。
　23年の日本の対中輸出（中国の対日輸入）は前年比13.0％減の1,608億2,283万ドル。21年に2,000億ドルを超え過去最高となって以降、2年連続で2ケタの減少だった。
　HSコードの2ケタ分類で上位4品目をみると、1位は電気機器（第85類）で、前年比12.4％減の440億238万ドル。同類全体の47.2％を占める集積回路（8542項）は、3.3％増の207億7,704万ドル。2位は機械類（第84類）で、7.8％減の340億2,804万ドル。同類全体の33.6％を占める半導体、集積回路またはフラットディスプレイの製造用機器（8486項）が、6.6％増の114億4,231万ドルとなり、大幅減だった22年からは回復した。3位は車両（第87類）で、22.3％減の121億1,998万ドル。乗用車（8703項）は、18.1％減の79億4,597万ドル、前年から一転して大幅減となった。自動車部品（8708項）も、31.2％減の38億6,625万ドルとなった。4位は精密機器および医療用機器（第90類）で、12.9％減の121億662万ドル。
　23年の日本の中国からの輸入は前年比7.9％減の1,738億8,691万ドルと20年以来の減少となった。22年は、12年をわずかに上回り過去最高を記録していた。1位は電気機器（第85類）で、前年比4.7％減の508億7,764万ドル。2位は機械類（第84類）で、10.0％減の304億5,739万ドル。3位は衣類・同付属品（第61類）で、12.1％減の65億7,275万ドル、4位は玩具、遊戯用具および運動用具（第95類）で、1.7％増の58億915万ドルだった。

　常石造船（広島県福山市）は13日、同社グループの三井E&S造船（東京都港区）、三井造船昭島研究所（東京都昭島市）と共に、新たな省エネデバイスである硬翼帆を商品化（写真）すると発表した。
　硬翼帆は、風を受けても変形しない翼形状の帆のことで、自然エネルギーである洋上風を利用して推進力を発生させ省エネ効果を得る補助推進装置。同硬翼帆は最小限の改造で既存船に設置可能で、格納可能な起倒式硬翼帆の実現を見据えて、硬翼帆の形状、配置、制御システムに関わる検討と設計を行い2026年に実船搭載し、27年に商品化する。
　常石造船は開発プロジェクト全体の取りまとめと装置設計から製造を担当、三井E&S造船は制御システムと帆形状の検討、三井造船昭島研究所は開発された硬翼帆について流体解析（CFD解析）などを用いた性能評価を実施する。

　スエズ運河における4月の通航船隻数は前年同月比51.1％減の1,124隻で、うちタンカーは45.6％減の410隻、その他の船舶は53.8％減の714隻だった。
　また通行料金算定に用いる独自のトン数基準では67.2％減の4,380万スエズ運河トン（SCNT）だった。
　1～4月の通航船隻数は前年同期比45.1％減の4,721隻で、うちタンカーが41.5％減の1,648隻、その他の船は46.9％減の3,073隻だった。トン数ベースでも61.2％減の4,380万SCNTだった。

　イエメンの武装勢力、フーシ派は今週も紅海・アデン湾で商船への攻撃を表明し商船3隻を攻撃したと発表した。
　フーシ派はハンディサイズバルカー”Vantage Dream”、”Rosa”、米国船籍でMaersk（デンマーク）が運航する6,478TEU型コンテナ船、”Maersk Seletar”の3隻を対艦弾道ミサイルで攻撃したと発表しているが、”Maersk Seletar”はインド・ピパバブからオマーン・サラーラ港へ航海中で、同船からは攻撃を受けてはいないと報告があったという。
　ただ船舶へのドローン攻撃などは継続中で、1日には通航船が海上で爆発を目撃した報告があったほか、警備中の米海軍の軍艦がフーシ派のドローン撃墜を報告している。

　貨物輸送市場情報プラットフォーマーのXeneta（ノルウェー）によると北米東岸・ガルフ港湾労組（ILA）のストライキの脅威により、運賃の高騰と米東岸・ガルフ諸港の大規模な混乱の懸念が高まり、米国の輸入業者が悪循環に陥っている。
　極東→北米東岸までの平均スポット運賃は4月30日以来64%上昇し6月11日時点で6,820ドル／FEUとなり（グラフ参照）、今年の最初の4カ月で244万TEUコンテナ貨物が極東から東岸・ガルフ経由で米国に輸入、極東からのコンテナ輸入総量の40% 以上を占めた。
　Xenetaの将来予測データでは、極東から米東岸向けスポット運賃の上昇が鈍化する可能性が高く、5月1日に見られた19％の上昇と比較して、6月15日には約2.4％の上昇にとどまる可能性を示唆しているが、米東岸・ガルフ諸港での混乱の可能性により、スポット運賃の上昇が長期化すると予想、労使交渉の決裂により、輸入を前倒ししてクリスマス商品を早めに輸入する荷主が増えれば、スポット市場は高止まりする可能性があるとみている。
　ただ、ILAのストは何十年も発生しておらず、交渉が決裂しても驚くべきことではなく、適切なリスク管理とサプライチェーンデータを備えた荷主は、この状況を想定して計画を立てていた可能性があり、おそらくそれがピークシーズンに先立って輸入の前倒しがすでに行われている理由の一つでありILAの争議行為は、今年起きたサプライチェーンの混乱の中で最も驚くべきことではないと指摘している。
　ただ、荷主は非常に困難な交渉と運営上の問題を経て最終的に合意に達した昨年の北米西岸労使交渉と同様の結果を期待するだろうが、海上貨物コンテナネットワークが依然として極度の圧力にさらされているときに合意に達することができず、ストライキが実施されれば、今年の終わりは非常に困難な状況になり、輸入業者は海上コンテナ輸送の混乱という悪循環の中でサプライチェーンを保護する取り組みを加速させる可能性があるとみている。

　独ハンブルク議会の予算委員会は12日、MSC（スイス）によるハンブルク港でターミナル運営などを手がけるHamburger Hafen und Logistik AG（HHLA）の株式取得に伴う投資協定承認の延期を可決した。同協定はすでに運営委員会の承認を得ており、7月10日に始まる予定の夏季休会前に承認を得るためにハンブルク自由ハンザ都市議会本会議に提出される予定だった。
　MSCとハンブルク市はHHLAの株式の93％を保有し、その他の少数株主を排除することが可能で、取引完了後は両社で100％を確保し、市が50.1％、MSCが49.9％を保有する契約となっている。これによりMSCと市はHHLAに4億5,000万ユーロを投資し、ターミナルインフラを拡充する計画を発表している。
　MSCによる買収に対し、港湾労組などは民間資本による売却に反対を表明していたが、昨年末に市議会議員らとの協議を経て、HHLA株式の過半数が市に残ること、取引の結果人員削減は発生しないことを確認、今年2月にはハンブルク市の運営委員会が承認していた。
　予算委員会の会合前には、約50人の港湾労働者が市庁舎広場でデモを行い、協定に反対する書簡を提出するなど、MSCが雇用の維持を約束したにもかかわらず、協定に対し、労組が依然根強い反対の姿勢を見せたことを考慮したとみられている。

　中国と欧州を結ぶ国際貨物列車「中欧班列」で、上海市から毎週土曜日に出発するスケジュールや本数、ルートを固定した「中欧班列（上海）精品班」（写真）の運行が8日から始まった。
　全行程で20日間かかり、中国と欧州の二大経済圏を結び商品の新たな物流チャネルの選択肢を提供し、長江デルタ地域のより多くの顧客に高品質で、迅速な物流サービスを展開する。
　上海と欧州を結ぶ中欧班列は、2021年9月28日にデビューして以来、中国／欧州線、中国／ロシア線、中国／中央アジア線を完全カバーし、12カ国・100以上の海外都市をつないでおり。上海税関の統計によると、5月31日現在、計213本が運行、コンテナ2万1,404TEUを輸送している。

　イタリア全港における2023年第4四半期の総貨物取扱量は前年同期比3.2％減の4億9,010万トンで、うちコンテナは4.5％増の2,820万トン、個数ベースで4.0％増の285万1,014TEUだった。うち輸出入は0.8％減の157万4,050TEU、積み替え（T/S）は12.6％増の109万6,964TEUだった。
　Ro/Ro貨物は5.9％増の2,920万トン、液体バルクは2.8％減の4,190万トン、ドライバルクは29.8％減の1,100万トンだった。
　23年の総貨物取扱量は前年比3.2％減の4億7,440万トンで、うちコンテナは3.6％減の1億1,530万トン、個数ベースで2.4％減の1,129万5,845TEUだった。輸出入は5.7％減の694万3,468TEU、積み替えは3.4％増の435万2,377TEUだった。
　またドライバルクは15.1％減の5,190万トン、液体バルクも1.1％減の1億6,720万トンだった。

　東海運は中国現地法人の上海支店、東華貨運代理（青島）有限公司上海分公司は、サービス向上のため、事務所を上海市静安区万航渡路83号金航大厦903号室：Room 903, Jinhang Building, No.83 Wanhangdu Road, Jing’an District, Shanghai 200040, P.R.China）へ移転、6月3日から業務を開始した。

　フジトランスコーポレーション（名古屋市港区）のベトナム法人、Fujitrans (Vietnam) Co., Ltd.は5月21日、ベトナム北部にある首都ハノイに支店を設立し、営業を開始した。
　同社はこれまでベトナム南部のホーチミンとロンアンに事業所を構え、主にフォワーディング、モータープール事業を展開してきたが、日系企業も多く進出している北部ハノイに支店を設立することによって、ベトナム国内の南北間物流ネットワークを広げ、サービス向上を図る。ハノイ支店：17th Floor, VIT Building, 519 Kim Ma Street, Ngoc Khanh Ward, Ba Dinh District, Hanoi City, Vietnam

　メリーランド州・ボルチモア港におけるスランシス・スコット・キー橋の崩落事故復旧にあたる、メリーランド州政府当局、米国陸軍工兵隊、沿岸警備隊などからなる統合司令部は現地時間10日、同港と外洋を結ぶ主要水路となるFort McHenry連邦管理水路の通航の全面復旧を発表した。
　復旧により、連邦主水路は幅700ft、深さ50ftまでの大型商船の通航が可能になった。5月20日に事故を起こしたコンテナ船”Dali”の撤去を終え、幅400ftまでの通航が可能になっていたが、今月4日までに大きな橋の残骸の撤去を終え、水中の安全確認を終えて事故前の通航状況へ回復した。
　復旧に当たった統合司令部には56機関から1,587人、さらに専門家500人が参加、バージ18隻、タグボート22隻、クレーン船13隻、浚渫船10隻、調査船4隻を投入しパタプスコ川から橋の瓦礫5万トンを引き上げ復旧に漕ぎつけた。

　Maersk（デンンマーク）グループのターミナル会社、APM Terminals（蘭）はこのほど、ニューヨーク／ニュージャージー港で運営しているAPM Terminals でターミナルの電化に向けた試験プログラムに500万ドルを投入したと発表した。このプロジェクトには米国環境保護庁（EPA）の排出削減支援法、Diesel Emissions Reduction Act（DERA）により140万ドルの助成を受けて実施する。
　DERAは、ディーゼル機関によるGHG排出を削減するため、機器や施設の代替を促進、助成に取り組んでおり、今回APMT Elizabethでは従来のディーゼルターミナルトラクターを、新たに電気駆動のMafi T 230e Electric-Terminal-Tractor（eTTs）7台に代替した。また最新の接続式もしくはワイヤレス式の充電ステーション整備にも充当し、これらの導入によりディーゼル機関からの排出を直接削減できるほか騒音公害の低減も期待できるという。
　eTTsは急速充電器により2時間の充電で16～20時間稼働でき、充電に使用する電力は100％再生可能エネルギーを使用する。
　電気駆動トラクターをフル活用することで、1台あたり年間最大1,100トンのGHG排出を削減できるという。

　港湾労組の国際団体、国際港湾労働者協議会（IDC、本部：バルセロナ）は11日、アラバマ州モービル港における自動ゲートシステムを巡る紛争で北米東岸・ガルフ港湾労組（ILA）への強い支持と連帯を表明した。
　ILA は、APM Terminals（蘭）とMaersk（デンマーク）が、ILA の組合員を使わずトラックを自律的に処理する自動ゲートシステムを使用していることを発見したあと、ILAは11日に使用者団体（USMX）の主要メンバー企業が、自動化によってILAの雇用を削減することだけを目的として、現在の協定に違反し続けている限り、USMXと新たな協定を交渉しても意味がないとして、今年9月末で期限切れを迎える現行の基本労働協約を巡る労使交渉をキャンセルした。
　IDCはこの懸念すべき問題を注意深く監視しており、APM Terminals、Maerskとの紛争が労使交渉に与えている影響を十分に認識、ILAに対する全面的な支援を表明したもの。

　四日市港管理組合によると、24年4月の同港の外貿コンテナ取扱個数は、実入りコンテナの輸出が前年同月比18.7％増の7,137TEUと2ケタ増となったものの、輸入が5,515TEUと10.2％減少、輸出入合計で4.1％増の1万2,652TEUと3カ月連続のプラスとなった。
　空コンテナは輸出入合計で24.9％増の1,718TEU、実入り空・輸出入合計では、6.2％増の1万4,370TEUだった。1〜4月累計の国際フィーダーコンテナ取扱個数は前年同期比25.2％減の2,588TEU。
　1〜4月累計では、実入り輸出が前年同期比6.4％増の2万6,936TEU、実入り輸入が2.8％減の2万2,780TEU、実入り輸出入合計で2.0％増の4万9,716TEU、空コンテナが輸出入合計で5.7％増の5,405TEU、実入り空合計では、輸出が3.2％増の3万304TEU、輸入が1.3％増の2万4,817TEU、輸出入合計で2.3％増の5万5,121TEUだった。
　1〜4月累計の外貿コンテナ取扱個数を相手国別にみると、輸出では最大の仕向国は中国で0.7％増の3,408TEU、2位の台湾は1.2％減の3,107TEU、3位は2ケタ増となった米国で10.8％増の2,869TEU、4位のタイは1.0％増の2,815TEU、次いで韓国が3.3％増の2,784TEU。輸入は中国が首位を堅持したが、3,940TEUと9.4％減少、次いで韓国は16.6％増の3,719TEUと2ケタ増、フィリピンは12.1％減の3,642TEU、インドネシアも8.0％減の3,198TEUと振るわなかったが、5位のタイは20.0％増の3,006TEUと好調を維持した。

　NIPPON EXPRESSホールディングス（NXHD）は、SOMPOリスクマネジメントが2024年度「SOMPOサステナビリティ・インデックス」の構成銘柄に13年連続で同社を選定したと発表した。
　「SOMPOサステナブル運用」は、SOMPOアセットマネジメントが12年8月から運用を開始したESG（環境、社会、ガバナンス）の評価が高い企業に幅広く投資する、年金基金・機関投資家向けの運用プロダクト。ESGの取り組みに優れた約300銘柄から構成する同社独自のアクティブ・インデックス「SOMPOサステナビリティ・インデックス」に基づいた長期投資を志向し運用している。同インデックスの構成銘柄は毎年のESG調査の結果に基づいて見直し、NXHDについてESGに関する取り組みを評価、12年度から13年連続でインデックス構成銘柄に選定した。

　川崎汽船グループはこのほど、チリのグループ会社、”K”Line Chile Limitada.（KCL）などと連携し、同国の首都サンチャゴ市内の日本人学校向けに、児童用の新しい学習机と椅子の、日本からの無償輸送に協力した。
　輸送協力では、KCLが同校からの委託を受け、フレイトフォワーダーとチリにおける総合物流プロバイダーのノウハウを活かし、横浜港からの輸出、海上輸送、チリのサンアントニオ港における陸揚げ、輸入通関、同校への配送まで、一貫輸送に関連する一連の手配を手がけた。
　サンチャゴ日本人学校は、日智商工会議所によって設立し、日本文化教育財団が運営し、日本の義務教育制度に基づいた内容の教育を提供している。

　NEXT Logistics Japan（NLJ）は、鴻池運輸と取り組んでいる「25mダブル連結トラック輸送シェアリング運行出発式」を開催した。
　同運行は、ダブル連結トラック2台を導入し、関東・関西の輸送で鴻池運輸の北関東流通センター営業所（群馬県邑楽郡）、京都城陽配送センター営業所（京都府城陽市）を発着拠点として、中間点の新東名清水パーキングにてドライバーを交替することで、日帰り運行を実現した。
　ダブル連結トラックは、1台で大型トラック2台分の輸送力を1人のドライバーで確保できるため、CO2排出量の削減効果とともに、トラックドライバー不足への対策として期待できる。
　また、1人のドライバーが関東・関西間の全工程を輸送すると、1泊2日の工程となるが、中継拠点を設けることでドライバーは日帰り運行ができるようになり、労働環境の改善が見込まれる。

　川崎重工業とダイムラー・トラックは欧州における道路貨物輸送の脱炭素化に向けて「ドイツ向け液化水素サプライチェーンの構築および欧州における液化水素ステーションの輸送網の構築に向けた協力の覚書」を3日に締結（写真）、11日にドイツの首都ベルリンで締結セレモニーを開催した。
　同覚書は、道路貨物輸送における液化水素の利用拡大を目指すもので、今後、両社で、液化水素サプライチェーン構築の検討に加え、液化水素ターミナル、大型、中規模の海上輸送、大規模な液体水素貯蔵についても、あわせて検討を進め、2030年代早期に欧州への液化水素サプライチェーンの確立を目指す。
　今後、両社は、同覚書により、水素事業への取り組みをさらに加速し、世界のカーボンニュートラル目標の達成と、持続可能な未来に向けた脱炭素化に貢献していく方針だ。

　NIPPON EXPRESSホールディングスは、24年5月の国際海上輸送取扱実績（輸出）を発表、日本・海外合計で前年同月比30.1％増の7万4,336TEUと、5カ月連続で2ケタ増を記録、今年に入ってから好調を持続している。
　5月の実績を地域別にみると、日本が1万8,020TEUと前年同月比3.4％増と23年9月以来8か月ぶりに増加に転じた。また海外は41.8％増の5万6,316TEUと好調を持続した。
　5月の海外実績をブロック別にみると、欧州が122.8％増の8,811TEUと急拡大を続け、東アジアが59.1％増の2万9,526TEU、米州が11.6％増の3,052TEU、南アジア・オセアニアが3.1％増の1万4,926TEUと全ブロックいずれも前年を上回った。

　チューリッヒ工科大学発ベンチャーのラピュタロボティクスは、コクヨサプライロジスティクス（大阪府大阪市）のカウネット福岡物流センターに、九州エリアでは初めて協働型ピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR（Autonomous Mobile Robot）」を納入した。
　コクヨサプライロジスティクスは、持続可能な物流の実現のため労働人口の減少による人員不足などへの対策として、自動化ソリューションを活用した省人化・省力化を模索、ラピュタPA-AMRを汎用性と柔軟性が高い点で評価、導入に至った。また社会インフラとしての物流を止めることなく、持続可能なシームレス物流実現のため、早期に課題へ着手し、スタッフの教育のしやすさや導入時の混乱を少なくできた点も評価した。

　わが国の大手フォワーダーが発表した5月の輸出航空混載貨物実績は、日本通運が前年同月比13.4％増の1万7,077トンで2カ月連続のプラス、2ケタの伸びとなったのは31カ月ぶり。近鉄エクスプレスは4.2％増の1万112トンと22年8月以来21カ月ぶりのプラス、郵船ロジスティクスは25.8％増の9,584トンと6カ月連続で2ケタの伸びを記録した。西日本鉄道は4.8％増の3,185トンで2カ月連続増、阪急阪神エクスプレスは6.7％減の2,693トンと23カ月連続のマイナスとなったが、下げ幅は1ケタへと縮小した。
　5社のうちマイナスとなったのは１社のみで、あとの4社は堅調な伸びを示しており、好調なマーケット環境を背景に回復基調が続きそうだ。国際航空運送協会（IATA）のデータでは、世界の航空貨物マーケットは需要が昨年12月から5カ月連続で2ケタの伸びを記録し、今後の安定成長が予想されている。
　5月の輸入実績は通関件数ベースで日本通運が1.6％減の2万9,900件、近鉄エクスプレスは2.4％減の2万4,685件と2カ月ぶりのマイナス、郵船ロジスティクスは5.0％減の1万1,739件と14カ月連続のマイナス、阪急阪神エクスプレスは2.6％増の8,262件で2カ月連続増、西日本鉄道は7.1％減で6,425件だった。

　カナダ国境サービス庁（CBSA）職員の労働組合、カナダ公共サービス連合（PSAC）と関税出入国管理職員組合（CIU）は、CBSAおよび財務委員会との労使交渉が11日、暫定合意に達したと発表した。
　組合は4月のスト権を決議、5月29日にカナダ公益委員会（PIC）が新たな労働協約に対する拘束力のない勧告を含む報告書を発表したことを受け、72時間の事前通知でストを打つことができ、6月3日に始まる調停の行方が注目されていた。
　組合側は7日にストを構えていたが、政府との交渉を12日まで延長し、新たなスト期限を14日に設定する予定だったが暫定合意での米国とカナダ間の国境を越えた輸送に混乱をもたらした可能性のあるストの脅威が解消された。　
　CBSAの税関、入国管理、貿易担当者を代表するCIUは、カナダ財務委員会の下で雇用されている12万人以上の連邦職員を代表するPSACの一部で、暫定合意内容は13日にCIUメンバーに送付され、批准投票にかけられる。
　CBSAの職員は2年間労働協約を結んでおらず、2021年の短期ストでは、カナダ全土の国境検問所や空港で混乱が生じた。財務委員会は声明で、新たな協定には職員の賃上げやその他の福利厚生が含まれていると述べた。

　日本港運協会、日本港湾福利厚生協会、港湾労働安定協会、港湾貨物運送事業労働災害防止協会の4団体は12日、港運関係団体合同懇親会をパレスホテル東京で開催、日港協の久保昌三会長（写真左）は冒頭のあいさつで「国際コンテナ戦略港湾政策については、国内にとどまらないアジア広域集荷に向けた取り組みが進むとともに、積み替え機能強化に向けコンテナターミナルの一体運用、保税制度を利用した流通加工、再混載機能の強化など新たな取り組みが目白押しで、引き続き国が力強く推進することを期待している」と述べた。
　また「国内外の情勢は、ウクライナ、パレスチナなど混迷する中、海運では紅海の治安悪化による船舶の喜望峰迂回、水不足が深刻化したパナマ運河の通航制限などの影響が懸念、世界のサプライチェーンの混乱、海上運賃の高騰などが再燃の兆しが見え始めている。相対的に荷量が少ない日本発着コンテナ船の調整も出始めた」と指摘した。そのような中「今年2月に国際コンテナ戦略港湾政策の最終とりまとめが公表、今までの政策の棚卸しと再構築が進み、フィーダー網の充実の取り組みは成果が上がっている」と評価、今後のアジア域内から日本の戦略港湾へフィーダー輸送する取り組みについては、政府が積極的に関わることに期待を示した。
　また昨年の名古屋港におけるサイバー攻撃に対しては「情報セキュリティの万全な対応に向け、国が対策を講じていただき感謝している。経済安全保障の観点から基幹インフラとしての港湾の安全確保が必要だ」と述べた。
　一方、来賓を代表して斉藤鉄夫国土交通大臣（写真右）は「地域の雇用や経済を支え、産業の国際競争力を高める重要なインフラとして、港湾の果たすべき役割は大きくなっている。港湾の整備や防災・減災、国土強靭化に向けた対策を進める。また基幹航路の維持に向けた国際コンテナ戦略港湾政策を強力に推進するとともに、港湾物流DX化やAIの活用など、脱炭素化などを通じて、荷主や船社に選ばれる港を目指す」とあいさつした。
　同日開催した日港協の通常総会では、23年度の事業報告、計算書類、24年度の事業計画、収支予算などを審議、承認した。

　Descartes Systems Group（カナダ）が発表した最新版Global Shipping Reportによると、米国税関データを基づく今年5月の米国のコンテナ貨物輸入量は、前月比6.2％増、前年同月比11.9%増の234万6,382TEUとなった。パンデミック前の2019年5月比では15.1%増加し、2024年初め以来の輸入好調さを裏付けるものとなったが、パナマ運河通航制限とスエズ運河の通航回避が続いている事や、東岸港湾労働交渉の行方など、世界的なサプライチェーンの混乱のリスクは依然として高いと指摘している。
　米国の上位10港における輸入コンテナ量は前月比6.1%（11万7,826TEU）増加し、中でもニューヨーク/ニュージャージー港は12.7%（4万5,959TEU)増 、ロングビーチ港が13.1%（4万5,181TEU）増となった一方、ロサンゼルス港は6.3％（2万6,399TEU）減少し、10港の中で最大の減少を記録した。
　中国からの輸入コンテナ量は前月比11.3%減の89万760TEUと、2022年8月の過去最高だった100万3,725TEUには及ばなかったが、4月の17.6%減から減少幅が縮小、前年同月比11.3%減少、上位品目は第1位が消費財、2位が家具、3位がプラスチック・同製品で変わらず、中国からの輸入コンテナ量比率は38%で、4月から3.7ポイント上昇したが、過去最高だった2022年2月の41.5%からは3.5ポイント低下した。
　トップ10カ国の原産国（CoO）からのコンテナ輸入量は、前月比9.4％（14万6,526TEU）増加、トップは中国で17.6％（13万3,619TEU）増、日本は17.0％（1万1,189TEU）減 、タイも9,602TEU減と大幅に減少した。
5月の米国西岸上位5港の輸入コンテナ量シェアは42.1%と前月比0.7ポイント低下した一方、米国東岸・ガルフ上位5港のシェアは44.6%で0.7ポイント上昇した。
　また、5月の港湾の平均遅延日数は全般的に減少したが、ロングビーチ港は2.8日、チャールストン港が2.7日ともっとも増加した一方、ノーフォーク港は1.1日と最も減少し、ガルフ諸港は輸入コンテナ量が前月比10.8%増の23万7,478TEUと急増したにもかかわらず、遅延日数は変わらなかった。

　コンテナ海上輸送見積もりをワンストップのオンラインサービスで提供しているFreightos（香港）が11日に発表した先週のFreightos Baltic Index（FBX）と呼ぶスポット運賃指数は、アジア発北米西岸向け（FBX01 Weekly）が前週比17%上昇し5,888ドル／FEU、アジア発北米東岸向け（FBX03 Weekly）が12%上昇し7.516ドル／FEU、アジア発北欧州向けが21%上昇し6,163ドル／FEU、アジア発地中海向けも24%上昇し6,971ドル／FEUと急騰した。FBXは世界の主要12航路における1,800万件にのぼる運賃見積もりを収集しFEUあたりで表示している。
　また、航空貨物運賃指数のFreightos Air Indexは、中国発北米向けが3%上昇し5.43ドル／kg、中国発北欧向けは12%下落し3.40ドル／kg、北欧州発北米向けは2%下落し1.66ドル／kgだった。
　Freightosの分析によると、欧州では景気回復の兆し、北米では年後半の紅海航路遅延への懸念、新関税発効前の中国からの商品輸入ラッシュ、第4四半期の労働争議の懸念が入り混じり、ピークシーズンの早期スタートとなったが、紅海の迂回航路とそれに伴う港湾混雑の悪化により船腹が手薄となり、先週もスポット運賃は大幅に上昇した。
　アジア発北米西岸向けは6,000ドル／FEUに迫り、北米東岸向けは7,500ドル／FEUを超え、各航路とも旧正月を控え紅海危機が発生した年初のピークを約1,000ドル上回った。また、アジアから地中海向けは、第1四半期のピークだった約7,000ドル／FEUに戻り、北欧州向けは1月のピークを500ドル上回る6,000ドル／FEUを超え、船社が6月中旬から7月上旬にかけPeak Season Surcharge（PSS）を最大2,000ドル／FEUに引き上げると発表したため、欧州航路と太平洋航路ともにさらなる大幅上昇が予想される。
　強含みの需要と高水準のスポット運賃により、太平洋航路でのサービス再開や増便する船社がある一方で、紅海航路に船腹を振り向けるためにサービスを取りやめる船社もある。
　最近の港湾混雑、特にシンガポール港とバルセロナ港の混雑悪化により、先週は欧州航路船の約半数が遅延に見舞われたと推定、これらの遅延により、欠便が増加している。
　シンガポールの港湾混雑は、コンテナターミナルの再開による生産性向上の結果か、若干緩和された。バルセロナ港の港湾業者は、滞貨を減らすために荷役労働時間を増やしている。バルセロナ港を除けば、北欧と北米の仕向け港はまだ大きな混雑が報告されておらず、仕出し地のスケジュールが乱れれば、いずれはこれらのハブ港で混雑が発生する可能性があるが、物量の増加はまだ季節的なものであり、パンデミック時のようなレベルではないと予想されるため、仕向け港は極端な混雑や遅延を避けることができる見込みだ。
　また、今回の海上輸送の混乱と運賃の上昇により、航空貨物に需要が移ると予想する向きもあるが、Freightos Air Indexの中東、南アジア発の運賃は、少なくとも5月中旬以降安定しており、中国発北米向けは3%上昇の5.57ドル/kg、欧州向け運賃は12%下落し3.40ドル/kgとなった。

　パナマ運河庁（ACP）は、7月11日から1日あたりの運河通航回数を現行の32回から33回に増やすと発表した。さらに、今後数週間のガツン湖の水位の現予測に対応、またパナマ運河流域の雨季の到来から7月22日には34回に増やし、パナマックス閘門は1日あたり25回、ネオパナマックス閘門は1日あたり9回となる。
　ACPは、6月15日から運河通航船のドラフト制限を13.71m（45ft）から13.02m（46ft）に緩和することを発表しており、パナマ運河の流域で降雨量が増加した場合に必要な運用措置を講じるため、気象状況を毎日監視し続けているとしている。

　韓国の家電・電子機器大手サムスン電子の米国子会社Samsung Electronics America （SEA）は、韓国船社、HMMが2020年から不当なデマレージ・ディテンション（超過保管料・返却延滞料、D＆D）を請求してきたとして米連邦海事委員会（FMC）に5月30日付で苦情を申し立て、賠償を求めた。同社はこれ以前にも22年10月にZIM、23年4月にSM Line、24年3月にはCOSCOとOOCLがそれぞれ不当なD＆Dを請求したとしてFMCに訴えを提出しているが、HMM のケースでは2020年半ばからデマレッジで1万8,000件以上、ディテンションで7万8,000件以上、合計で9万6,000件以上と過去最高の件数にのぼることで注目を集めている。
　SEAの申し立てによると、HMMは2020年1月からストアドアデリバリーの条件でSEAの貨物を米国西岸港経由で内陸地点まで輸送していたが、内陸の貨物引き渡し地点までが船社の責任にもかかわらず同年半ばからHMMがシャシーやトラック運転手の不足、悪天候、港湾混雑などの理由でD&Dを徴収するようになったため、SEAはそれらの取り下げや減額などを要求したものの受け入れられず、一方で HMMは9万6,000件のすべてについて1件ごとの責任の検証を提案するなど話し合いでは決着がつかず、SEAによるFMCへのクレーム提出となった。
　SEAはストアドアデリバリーの条件では荷揚げ港から引き渡しまでの内陸輸送は船社の責任にもかかわらずD&Dを請求したこと、D&D の支払いがないコンテナの引き渡し拒否、など11項目をあげてこれらが海事法に違反していると主張、FMCにこの件に関するヒアリングを求め、綿密な調査を経て同社が不当だと主張する行為に対する賠償金を求めている。ただ、具体的な金額は提示されていない。

　CMA CGM（仏）は今月末から9月上旬にかけ、アジア発欧州・地中海向けに7,000TEU型による7便の臨時便を運航するFrench Peak Serviceを開設した。
　アジア／欧州間の輸送需要の増加に対応するもので、これにより同航路で輸送船腹を約25％増強できるという。
　新サービスは中国の複数港から欧州のルアーブル、アントワープ、地中海のマルセイユ・フォス、マルタを直航で結ぶもので、6月30日塩田発"APL Oregon"（6,350TEU）を第1船に、塩田～ブンタウ～シンガポール～ルアーブル～アントワープ～中国、もしくは蛇口～ブンタウ～シンガポール～マルセイユ・フォス～マルタ～中国のローテーションでサービスし、いずれも15日間隔で運航、フランスの輸出入業者のニーズに対応するとともに、紅海情勢の悪化による海上輸送の混乱の影響軽減を図る。

　ドイツの主要港、ハンブルク港とブレーメルハーフェン港でも労使紛争が発生、労使交渉の行方が注目されている。統一サービス産業労働組合（Vereinte Dienstleistungs­gewerkschaft：ver.di）が6月1日からの港湾労働者の時給3ユーロの引き上げと、それに見合う交替手当の増額（2022年労働協約の交替手当増額不足分の補填を含む）を、12カ月の期限付きで要求し、使用者団体のドイツ.港湾中央協会（dem Zentralverband der deutschen Seehafenbetriebe：ZDS）と5月から労使交渉を続けているもの。
　6日に行われた第2回交渉が不調に終わったことを受け、労組側はハンブルク港で7日にストを実施、組合員約6,000人が参加、荷役作業に影響を受け、4日後の11日にはブレーメルハーフェン港で24時間ストへの参加を呼びかけた。
　6月17日と18日に予定されている第3回交渉で使用者受け入れ可能な提案を出せなかった場合、新たなストライキを実施する可能性があると発表している。

　OOCL（香港）はこのほど引き渡しを受けた新造24,188TEU型超大型コンテナ船、"OOCL Finland"、"OOCL Sweden"の2隻をサービスに投入した。
　両船は、OOCLが大連中遠海運川崎船舶工程有限公司（DACKS）と南通中遠海運川崎船舶工程有限公司（NACKS）に発注した24,188TEU型12隻シリーズの11～12番船で、いずれもOOCLがCOSCO（中国）、CMA CGM（仏）、Evergreen（台湾）と構成するOcean Allianceのアジア／欧州航路のLL1に投入、"OOCL Finland"は5月10日厦門入港から、またOOCL Swedenも6月2日上海入港からサービスに就航した。
　LL1は、20,000～25,000TEU型13隻を投入し、 青島～上海～寧波～厦門～塩田～シンガポール～（喜望峰）～フェリクストウ～ゼーブルージュ～グダンスク～ウィルヘルムスハーフェン～（喜望峰）～シンガポール～塩田～青島のローテーションで定曜日ウィークリーサービスしている。

　英国の鉄道貨物輸送・物流会社、Freightlinerは11日、Ocean Network Express（ONE）UKが、6カ月にわたる試験の成功を受けて、鉄道によるすべての貨物輸送にHVO100燃料を使用するというコミットメントを拡大すると発表した。100%再生可能燃料である水素化植物油（HVO）は、植物油、食品産業からの廃棄物ベースの油脂などの原材料から作られており、HVOに切り替えることでCO2排出量を最大90%削減でき、通常貨物列車の動力に使用されている従来のディーゼル燃料の最良の代替燃料となる。
　この新たな取り組みは ONEが意図するグリーンレール サービスの一部で、顧客はCO2排出量を削減するための行動を認めるCO2削減証明書の購入を選択できる。
　ONEとFreigtlinerは2018年以来の提携を経て、最近新たな5年契約を締結、これにより、持続可能性への取り組みとともに、顧客にロンドンゲートウェー港とサザンプトン港から英国全土の戦略的拠点へのシームレスな鉄道インターモーダルが提供される。

　台湾船社のYang MingとWan Hai Linesの5月業績は、いずれも2ケタの増収になった。
　Yang Mingの5月の売上高は前年同月比46.2％増の169億台湾ドル（5億2,200万米ドル）で、1～5月も前年同期比は27.0５増の757億台湾ドルだった。
　またWan Haiの5月の売上高は前年同月比40.1％増の114億台湾ドルで、1～5月は前年同期比17.5％増の492億台湾ドルだった。